JP3362987B2 - プラスチックレンズ用組成物 - Google Patents
プラスチックレンズ用組成物Info
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Description
色性、低吸水性、成形性、面精度に優れ、かつ高弾性率
を有するプラスチックレンズの製造に有用な組成物に関
する。
と、軽いことなどの特徴を生かし、光学製品に広く用い
られている。なかでも眼鏡レンズとして用いられる透明
プラスチックは耐熱性、耐薬品性が要求されるため、ポ
リメチルメタクリレート、ポリスチレン等の熱可塑性プ
ラスチックではなくポリジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネート(PPG社商標CR−39)等の熱硬化
性プラスチックが使用されてきた。
折率化、低比重化、高生産性の要求から、CR−39に
変わる各種のモノマー、オリゴマーから製造されたプラ
スチックレンズが提案されてきた。
て重要なものには、耐熱性、耐衝撃性、染色性、低吸水
性、成形物の面精度等がある。従来、耐衝撃性、染色性
を向上させる成分として、エーテル結合、ウレタン結
合、エステル結合、カーボネート結合等の弾力性に富む
構造を有するモノマー、オリゴマーが用いられてきた。
これらの中でも、分子内にエーテル結合を有する低粘度
のジ(メタ)アクリレート化合物が提案されている(特
開昭64−16813号公報)。
アクリレートモノマーの代表的なものには、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレートがある。そして、こ
れらモノマーのエチレンオキシドまたはプロピレンオキ
シドの繰り返し単位数の増加に比例して、またこれらモ
ノマーの添加量に比例して、硬化して得られるプラスチ
ックレンズの耐衝撃性、染色性は向上する。しかしなが
ら、この方法では、反対にレンズが必要とされる耐熱
性、低吸水性(耐水性)、面精度の保持という点で問題
が生じる。
めに鋭意検討した結果、耐衝撃性、染色性および低吸水
性をバランスよく具備するポリマーを与えるモノマーと
してポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレートを
見いだし、耐熱性、弾性率、屈折率をプラスチックレン
ズに与えるエポキシポリ(メタ)アクリレートと組み合
わせプラスチックレンズに応用したところ、耐衝撃性、
染色性に優れ、かつ耐熱性が良好で低吸水性のプラスチ
ックレンズが得られることを見いだした。しかし、この
組成物においては、レンズに必要とされる性能である面
精度(レンズの曲率と設計上の曲率とが同一であるこ
と)は完全なものではなかった。そこで、さらに検討し
た結果、前述のエポキシポリ(メタ)アクリレートとポ
リブチレングリコールジ(メタ)アクリレートからなる
レンズ用組成物に、芳香族炭化水素基若しくはハロゲン
置換芳香族炭化水素基を有するモノアルコールの(メ
タ)アクリレートを配合することにより、面精度を改良
できることを見いだした(特開平4−65407号公
報)。
性成分および染色性成分として使用しているポリブチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレートは添加量が増すほ
ど、硬化して得られるレンズの耐衝撃性、染色性を増大
させることができる反面、弾性率が低下するといった問
題があった。
く設計する必要性からさらなる高弾性率化が要求されて
おり、耐衝撃性、耐熱性、染色性、面精度等の諸性能に
加え高弾性率を達成する必要がある。
くすることができるが、架橋密度を上げるためにポリブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレートの添加量を減
らし、他の多官能モノマーに代替すると、耐衝撃性、染
色性が低下してしまう。
した結果、エポキシポリ(メタ)アクリレート、ポリブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、芳香族炭化
水素基を有する単官能(メタ)アクリレートからなる耐
衝撃性、耐熱性、染色性、低吸水性、面精度に優れたプ
ラスチックレンズを与える組成物に、特定の構造を有す
るウレタンポリ(メタ)アクリレートを添加することに
より前述の諸性能を損なうことなく、高弾性率を付与で
きることを見い出し、本発明を完成するに至った。
以上有するエポキシポリ(メタ)アクリレート
20〜80重量部 (B)一般式(I)
数を表す。)で示されるポリブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート 5〜40重量部 (C)一般式(II)、(III) または(IV)
−、−CH2 CH2 O−、−CH(CH3 )CH2 O
−、−CH2 CH(OH)CH2 O−または−CH 2 C
H2 CH2 CH2 O−、XはCl、BrまたはI、mは
0〜3の整数、pは0〜5の整数、qは0〜4の整数お
よびrは0〜3の整数を表す。)で示されるモノ(メ
タ)アクリレート 5〜40重量
部 (D)分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以
上有するウレタンポリ(メタ)アクリレート
5〜60重量部 および (E)分子内に少なくとも一つ以上の重合性二重結合を
有する化合物0〜60重量部 (ただし、(A)〜(E)成分の合計を100重量部と
する。)を主成分としてなるプラスチックレンズ用組成
物である。
は、(メタ)アクリロイルオキシおよび/またはアクリ
ロイルオキシを表し、(メタ)アクリルはメタアクリル
および/またはアクリルを表し、(メタ)アクリレート
はメタアクリレートおよび/またはアクリレートを表
す。
物の各成分について詳細に説明する。
タ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するエポキシポ
リ(メタ)アクリレート(A)としては、分子内に2個
以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物と、(メ
タ)アクリル酸または分子内にカルボキシル基を含有す
る(メタ)アクリレート化合物とのグリシジル基開環反
応物が挙げられる。
リブチレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)の
みでは不足する弾性率、耐熱性、屈折率を硬化して得ら
れるレンズに付与する成分である。
応に用いるエポキシ化合物は、分子内に少なくとも2個
のグリシジル基を有するものであって、各種のポリオー
ル化合物とエピクロルヒドリンとの縮合反応により得ら
れる。また、得られた該エポキシ化合物と原料ポリオー
ルとの付加反応により得られる繰り返し構造を有する分
子内に少なくとも2個以上のグリシジル基を有する化合
物を用いることもできる。
グリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジル
エーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テ
トラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ノナエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、テトラプロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ノナプロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ
ーテル、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸
エステルのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパント
リグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエー
テル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセ
ロールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトール
テトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールペ
ンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキ
サグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジル
エーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レートのジグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキ
シエチル)イソシアヌレートのトリグリシジルエーテル
等の脂肪族エポキシ化合物、イソホロンジオールのジグ
リシジルエーテル、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)
シクロヘキサンのジグリシジルエーテル、ビス−2,2
−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンのジグリシジルエ
ーテル等の脂環族エポキシ化合物、レゾルシングリシジ
ルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、
ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルSジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル、ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)スルホンのジグリシジルエー
テル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホンのジグリシジルエーテル、ビス(3−フェニル−
4−ヒドロキシフェニル)スルホンのジグリシジルエー
テル、2,6−キシレノールダイマーとエピクロルヒド
リンとの縮合物、オルトフタル酸ジグリシジルエーテ
ル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル等の
芳香族エポキシ化合物などがある。
としては、(メタ)アクリル酸の他、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートとo−無水フタル酸等の酸無水物
とを反応させて得られるカルボキシル基含有(メタ)ア
クリレート化合物、グリシジル(メタ)アクリレートと
アジピン酸等の分子内に2個以上のカルボキシル基を有
する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有
(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
はカルボキシル基含有(メタ)アクリレート化合物との
反応は、例えば両者を混合し、触媒としてトリメチルア
ミン等の3級アミンまたはベンジルトリメチルアンモニ
ウムクロリド等の4級アンモニウム塩を加え、60〜1
10℃に加熱することにより行われる。
アクリレート(A)は、単独で用いてもよいし、2種類
以上を混合して使用してもよい。
色透明性、耐熱性の点から、1,6−ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエ
ーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリグリ
シジルエーテル、2,2−ビス(4−グリシジルオキシ
シクロヘキシル)プロパン、ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテ
ル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、テトラブロモビスフェノールSジグリシジルエーテ
ルと(メタ)アクリル酸との反応物であるエポキシポリ
(メタ)アクリレートを用いるのが好ましい。また、こ
れらのエポキシ化合物と原料ジオールとの付加反応によ
り得られる繰り返し構造を有する分子内に少なくとも2
個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物を用いる
こともできる。
下記の一般式(V)で示されるエポキシポリ(メタ)ア
クリレートを用いるのが特に好ましい。一般式(V)中
のsは繰り返し単位数を表し、1〜5の整数である。ま
た繰り返し単位数は多くなるほど粘度が高くなるため1
〜3の整数とするのが好ましい。
たはCl、Br、Iを表す。sは1〜5の整数を表
す。) 本発明の組成物の第2成分であるポリブチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート(B)は、重合度5〜16の
ポリブチレングリコールを(メタ)アクリレート化した
化合物であり、硬化して得られるレンズに耐衝撃性と、
染色性を付与する成分である。一般的には、この目的の
ために、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
を用いることが多いが、この場合上記の目的は達成され
るものの、これらのモノマーは、親水性が高いため、硬
化して得られるレンズの吸水性を高めるといった問題が
あった。第2成分のポリブチレングリコールジ(メタ)
アクリレート(B)は、一般式(I)で示される。ここ
で、重合度は式:−(CH2 CH2 CH2 CH2 O)n
−で示される繰り返し単位の数nを意味し、5〜16で
ある。この重合度が5未満では、十分な可撓性が得られ
ず、16を越えると架橋密度の低下を招き、ポリマーの
表面硬度、弾性率、耐熱性が低下する。また、モノマー
の粘度も増加するため、注型作業性も低下する。好まし
い重合度は7〜12である。ただし、ポリブチレングリ
コールジ(メタ)アクリレートは、一般的には正規分布
的に重合度の異なる混合物となるので、ここでの重合度
nは中心値を意味する。
(メタ)アクリレートは、例えばテトラヒドロフランを
開環重合して得られるポリブチレングリコールと(メ
タ)アクリル酸との縮合反応あるいはポリブチレングリ
コールと(メタ)アクリル酸とのエステル交換反応によ
って容易に製造することができるが、エステル交換反応
による方法が、無色透明なモノマーを与えるので好まし
い。
(II)、(III) または(IV)で示されるモノ(メタ)ア
クリレート化合物(C)は、第1成分、第2成分のみの
使用では得られないレンズ成形時の面精度を向上させる
効果を発揮する成分である。
置換芳香族炭化水素基を有するモノアルコールのモノ
(メタ)アクリレート化合物(C)は、上記モノアルコ
ールまたは同モノアルコールにエチレンオキサイド、プ
ロピレンオキサイドまたはテトラヒドロフランを開環付
加して得られたモノアルコールと(メタ)アクリル酸を
縮合反応させて合成することができる。また、(メタ)
アクリル酸メチルとのエステル交換反応により合成する
こともできる。
具体例としては、フェニル(メタ)アクリレート、ベン
ジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)
アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)
アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、フェニル−ジ(オキシエチ
ル)−(メタ)アクリレート、フェニル−ジ(2−メチ
ルオキシエチル)−(メタ)アクリレート、フェニル−
トリ(2−メチルオキシエチル)−(メタ)アクリレー
ト、フェノキシブチル(メタ)アクリレート、フェニル
−ジ(オキシブチル)−(メタ)アクリレート、フェニ
ル−トリ(オキシブチル)−(メタ)アクリレート、2
−フェニルフェニル(メタ)アクリレート、2−フェニ
ルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニ
ルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェニ
ルフェニル−2−メチルオキシエチル(メタ)アクリレ
ート、4−フェニルフェニル−2−メチルオキシエチル
(メタ)アクリレート、3−(2−フェニルフェノキ
シ)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−(4−フェニルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アク
リレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、1−ナ
フチルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ナフチ
ルオキシエチル(メタ)アクリレート、1−ナフチル−
ジ(オキシエチル)−(メタ)アクリレート、2−ナフ
チル−ジ(オキシエチル)−(メタ)アクリレート、1
−ナフチル−2−メチルオキシエチル−(メタ)アクリ
レート、2−ナフチル−2−メチルオキシエチル−(メ
タ)アクリレート、3−(1−ナフチルオキシ)−2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(2−
ナフチルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ブロモフェニル(メタ)アクリレー
ト、4−ブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4
−ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6
−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,3,
4,5,6−ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレー
ト、2,4−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリ
レート、2,4,6−トリブロモフェニル−ジ(オキシ
エチル)−(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブ
ロモフェニル−2−メチルオキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ブロモベンジル(メタ)アクリレート、4
−ブロモベンジル(メタ)アクリレート、2,4−ジブ
ロモベンジル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリ
ブロモベンジル(メタ)アクリレート、2,3,4,
5,6−ペンタブロモベンジル(メタ)アクリレート、
2−クロロフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロ
フェニル(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェ
ニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロフ
ェニル(メタ)アクリレート、2,3,4,5,6−ペ
ンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、2,4−ジ
クロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,
4,6−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2,4,6−トリクロロフェニル−ジ(オキシエ
チル)−(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロ
ロフェノキシ−2−メチルオキシエチル(メタ)アクリ
レート、3−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−
(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェノキシ)−2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−フェ
ニル−4−ブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−
(4−ブロモフェニル)−4,6−ジブロモフェニル
(メタ)アクリレート、2−(4−クロロフェニル)−
4,6−ジクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−
フェニル−4−ブロモフェニルオキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジ
ブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2
−(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,6−ジブ
ロモフェニル(メタ)アクリレート、2−(2,4−ジ
ブロモフェニル)−4,6−ジブロモフェニルオキシエ
チル(メタ)アクリレート、1−(4−クロロナフチ
ル)−オキシエチル−(メタ)アクリレート、2−(4
−クロロナフチル)−オキシエチル−(メタ)アクリレ
ート、1−(4−ブロモナフチル)−オキシエチル−
(メタ)アクリレート、2−(4−ブロモナフチル)−
オキシエチル−(メタ)アクリレート、3−[1−(2
−ブロモナフチル)]−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3−[2−(2−ブロモナフチ
ル)]−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
タ)アクリレート化合物(C)は単独、あるいは2種類
以上を混合して用いることができる。成形したレンズの
面精度、無色透明性の点から、フェニル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエ
チル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−フェニルフ
ェニル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェニル
(メタ)アクリレート、2−フェニルフェノキシエチル
(メタ)アクリレート、4−フェニルフェノキシエチル
(メタ)アクリレート、3−(2−フェニルフェノキ
シ)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
1−(4−フェニルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、1−ナフチルオキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ナフチルオキシエチル(メ
タ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル
(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノ
キシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブ
ロモフェニル−ジ(オキシエチル)−(メタ)アクリレ
ートおよび2,4,6−トリブロモベンジル(メタ)ア
クリレートが好ましい。
タ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するウレタンポ
リ(メタ)アクリレート(D)としては、ヒドロキシ基
を含有する(メタ)アクリレート化合物と分子内に2個
以上のイソシアネート基を有する芳香族、脂環族、脂肪
族ポリイソシアネート化合物とのウレタン化反応生成物
が挙げられる。この第4成分(D)は、硬化して得られ
るレンズに耐衝撃性を低下させることなしに高弾性率を
付与する成分である。
する芳香族、脂環族、脂肪族ポリイソシアネート化合物
の具体例としては、例えばシクロヘキサンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス
(α,α−ジメチルジイソシアネートメチル)ベンゼ
ン、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−
フェニレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シク
ロヘキシルイソシアネート)、ナフタレンジイソシアネ
ート、ビフェニルジイソシアネート、トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート等が挙げられる。これらイソ
シアネート類とアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル
基、水等の活性水素を少なくとも2個有する化合物との
反応により得られる分子内に少なくとも2個のイソシア
ネート基を有する化合物あるいは前記ジイソシアネート
化合物類の3〜5量体等も用いることができる。
脂環族骨格を有するポリイソシアネートが好ましい。ま
たさらに耐候性の点から考えて、イソホロンジイソシア
ネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネ
ート)等の脂環族骨格を有するポリイソシアネートが特
に好ましい。
ドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物の具体例と
しては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メ
タ)アクリレート;ブチルグリシジルエーテル、2−エ
チルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジル
エーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のモノエ
ポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応物;ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
ジオール化合物のモノ(メタ)アクリル酸エステル;ポ
リカプロラクトンジオール(n=1〜5)のモノ(メ
タ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
レート化合物は、一般式(VI)で示される化合物であ
る。
H2 O−、−CH(CH)3 CH2 O−または−CH2
CH2 CH2 CH2 0−、tは1〜3の整数を表す。) ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)
アクリレート化合物との付加反応は公知の方法、例えば
ポリイソシアネート化合物の存在下にヒドロキシ基含有
(メタ)アクリレート化合物と触媒、例えばジラウリン
酸ジn−ブチル錫との混合物を50〜90℃の条件下で
滴下して反応させることにより製造できる。
クリレート(D)は単独、あるいは2種以上を混合して
使用することができる。
少なくとも1つ以上の重合性二重結合を有する化合物
(E)は、硬化して得られるレンズ硬化物に耐熱性、表
面硬度等の諸物性あるいは該組成物に低粘度化を付与
し、作業性を向上させる成分である。
(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アクリレ
ートを用いているので、組成物粘度を低下させ注型作業
性を向上させるため、(E)成分としては低粘度の(メ
タ)アクリレートモノマーを用いるのが好ましい。
ば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)
アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、
(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ブ
トキシエチル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)ア
クリル酸メタリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、
(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリ
ル酸ジブロモプロピル、(メタ)アクリル酸N−ビニル
−2−ピロリドン、(メタ)アクリル酸ポリエチレング
リコールモノアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸ポ
リプロピレングリコールモノアルキルエーテル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシ
ブチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、
(メタ)アクリル酸フォスフォエチル等のモノ(メタ)
アクリレート化合物;エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等
のポリ(又はモノ)エチレングリコールのジ(メタ)ア
クリレート;プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
等のポリ(又はモノ)プロピレングリコールのジ(メ
タ)アクリレート;1,3−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカメチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグ
リコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン
酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラ
クトン付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ジシク
ロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタ
ニルジ(メタ)アクリレート、2−(2−ヒドロキシ−
1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5
−エチル−1,3−ジオキサンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレ
ート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシ
アヌレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイル
オキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メ
タ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−プロパ
ン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジ
エトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−
(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]
−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイル
オキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル]−プロパ
ン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジ
エトキシ−3,5−ジブロモフェニル]−プロパン、
2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタ
エトキシ−3,5−ジブロモフェニル]−プロパン、
2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキ
シ−3,5−ジメチルフェニル]−プロパン、2,2−
ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,
5−フェニルフェニル]−プロパン、ビス[4−(メ
タ)アクリロイオキシルフェニル]−スルフォン、ビス
[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]
−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシ
ジエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メ
タ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−ス
ルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエト
キシ−3−フェニルフェニル]−スルフォン、ビス[4
−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメ
チルフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アク
リロイルオキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−
(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−スル
フィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタ
エトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)
アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]
−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシ
エトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−スルフィド、
ジ((メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フォスフェ
ート、トリ[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]フ
ォスフェート等の多官能(メタ)アクリレート化合物;
スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、ブロモス
チレン、ジビニルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2
−ビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン等のビニル
化合物;ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト、トリメチロールプロパンジアリル、ジアリルフタレ
ート、ジメタリルフタレート等のアリル化合物;(メ
タ)アクリル酸とバリウム、鉛、アンチモン、チタン、
錫、亜鉛等の金属塩が挙げられる。これらは1種もしく
は2種以上の混合系で使用することができる。
分の配合割合に関しては、(A)〜(E)成分の合計量
を100重量部としたとき、(A)20〜80重量部、
(B)5〜40重量部、(C)5〜40重量部、(D)
5〜60重量部、(E)0〜60重量部である。
得られるレンズに十分な弾性率、耐熱性、表面硬度を付
与することができず、80重量部を越えると組成物の粘
度が高くなり、注型重合の作業性が低下する。好ましい
配合量は30〜60重量部である。また、(B)成分が
5重量部未満ではレンズに十分な耐衝撃性を付与するこ
とができず、かつ染色性も付与できない。一方、40重
量部を越えるとレンズの弾性率、耐熱性および表面硬度
の低下を招き好ましくない。好ましい配合量は10〜3
5重量部である。また、(C)成分が5重量部未満では
成形したレンズの面精度が悪くなり、40重量部を越え
るとレンズの耐衝撃性、耐熱性が低下し好ましくない。
好ましい配合量は10〜35重量部である。(D)成分
は、レンズの耐衝撃性を低下させずに高弾性率を付与す
る成分である。5重量部以下では、高弾性率と耐衝撃性
を同時に付与させることができない、60重量部を越え
ると、組成物の粘度が高くなり、注型の際の作業性が低
下する。好ましい、配合量は10〜50重量部である。
(E)成分は、必須成分ではないが、レンズの耐熱性や
表面硬度をより向上させたり、また組成物の粘度を低下
させ注型作業性を向上させたりするために用いる成分で
ある。好ましい配合量は、0〜30重量部である。 ま
た、本発明の組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、
黄変防止剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、顔料等の
各種の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で配合
してもよい。
(A)〜(E)成分を常法により混合攪拌し、さらに必
要に応じて各種添加剤を配合して製造することができ
る。
化に際して使用される重合開始剤としては、例えば過酸
化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化
物;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のア
ゾ化合物;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン、ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、アセトフ
ェノン、ベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1
−フェニル−1,2−プロパン−ジオン−2−(o−エ
トキシカルボニル)オキシム、2−メチル[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノ
ン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾ
インイソブチルエーテル、2−クロロチオキサントン、
イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾ
イルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−メチルベ
ンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイ
ルジメトキシフォスフィンオキサイド等の光重合開始剤
等が挙げられる。 これらは、1種もしくは2種以上の
混合系で使用される。この重合開始剤の配合割合は、
(A)〜(E)成分の合計100重量部に対して、通
常、0.005〜5重量部である。
のガラス製モールドを対向させ、周囲をポリ塩化ビニ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなるガスケッ
トで囲んだ鋳型中に、重合開始剤を含む本発明の組成物
を注入し、その鋳型の片側もしくは両側から活性エネル
ギー線を照射するか、あるいは加熱処理により実施され
る。また、照射と加熱の組み合わせであってもよい。こ
こで、成型用モールドとしては、ガラスとガラス、ガラ
スとプラスチック板、ガラスと金属板、あるいはこれら
の組も合わせがある。また、ガスケットとしては、上記
のような熱可塑性樹脂のほか、ポリエステル製等の粘着
性テープを用いてもよい。
更に詳しく説明する。なお、各単量体の略号、合成例は
次の通りである。
エーテルとメタクリル酸とを反応させて得られたエポキ
シジメタクリレート EDA2:テトラブロモビスフェノールAジグリシジル
エーテルとアクリル酸とを反応させて得られたエポキシ
ジアクリレート UM1:イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレートを反応させて得られたウレタン
ジメタクリレート UM2:メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネ
ート)と2−ヒドロキシエチルメタクリレートを反応さ
せて得られたウレタンジメタクリレート UM3:キシリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシ
エチルメタクリレートを反応させて得られたウレタンジ
メタクリレート 9BGDM:ノナブチレングリコールジメタクリレート 12BGDM:ドデカブチレングリコールジメタクリレ
ート PHM:フェニルメタクリレート BZM:ベンジルメタクリレート BPHM:o−ビフェニルメタクリレート HDDM:1,6−ヘキサメチレングリコールジメタク
リレート 9EGDM:ノナエチレングリコールジメタクリレート 合成例1[エステル交換法によるノナブチレングリコー
ルジメタクリレート(9BGDM)の合成] 5リットルの4つ口フラスコに、ノナブチレングリコー
ル(保土ケ谷化学(株)製 PTG−650SN、平均
分子量680)2000g、メタクリル酸メチル(分子
量量100、以後MMAと略す)2000gおよびハイ
ドロキノンモノメチルエーテル0.5gを投入し、触媒
としてチタンテトラ−n−ブトキシド50gを用い、1
00〜120℃で攪拌を行ないつつ生成したメタノール
をMMAと共沸除去し、3時間反応させた。反応後、過
剰のMMAを減圧留去し、残渣にトルエン1000gを
加え、アルカリ水で洗浄後トルエンを減圧留去して9B
GDMを得た。得られた9BGDMは無色透明であり、
臭素付加による純度分析で100%であった。 合成例2[エポキシジメタクリレート(EDM1)]の
合成 5リットルのガラス製反応容器に、ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル(東都化成(株)製 エポトートY
D−8125、エポキシ等量173g/eq)1730
g、メタクリル酸(分子量86)860g、触媒として
塩化ベンジルトリメチルアンモニウム13g、重合禁止
剤として2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
0.78gを入れ60℃で加温しながら均一に攪拌し
た。その後、70℃で3時間、80℃で3時間、90℃
で12時間の加熱を行いEDM1を得た。EDM1は、
無色透明の高粘度液体であった。反応の終点は、反応液
の酸価の測定より行った。 合成例3[エポキシジアクリレート(EDA2)]の合
成 5リットルのガラス製反応容器に、テトラブロモビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル(東都化成(株)製
エポトートYDB−340、エポキシ等量340g/e
q)3400g、アクリル酸(分子量72)720g、
触媒として塩化ベンジルトリメチルアンモニウム13
g、重合禁止剤として2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン0.78gを入れ60℃で加温しながら均
一に攪拌した。その後、70℃で3時間、80℃で3時
間、90℃で12時間の加熱を行いEDA2を得た。E
DA2は、無色透明の高粘度液体であった。反応の終点
は、反応液の酸価の測定より行った。 合成例4[ウレタンジメタクリレート(UM1)]の合
成 5リットルのガラス製反応容器にイソホロンジイソシア
ネート(ダイセルヒュルス(株)製 IPDI、分子量
218.3)2183g、触媒としてジラウリン酸ジ−
n−ブチル錫6.4g、禁止剤として2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノール6.4gを入れ、
70℃に加温しながら攪拌して均一に溶液にした。この
系の温度を70℃に保ち攪拌しながら2−ヒトロキシプ
ロピルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製 アクリ
エステルHP、分子量144.2)2884gを5時間
かけて徐々に滴下した。更に、この系の温度を70℃に
保ち8時間反応を続行し、UM1を得た。反応の終了
は、IRスペクトル、イソシアネート当量の測定より行
った。 合成例5[ウレタンジメタクリレート(UM2)]の合
成 5リットルのガラス製反応容器にメチレンビス(4−シ
クロヘキシルイソシアネート)(住友バイエルウレタン
(株)製 デスモジュールW、分子量262.4)26
24g、触媒としてジラウリン酸ジ−n−ブチル錫2.
6g、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル
−4−メチルフェノール1.6gを入れ、60℃に加温
しながら攪拌して均一溶液にした。この系の温度を70
℃に保ち攪拌しながら2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート(三菱レイヨン(株)製 アクリエステルHO、分
子量 130.2)2604gを5時間かけて徐々に滴
下した。更に、この系の温度を70℃に保ち8時間反応
を続行し、UM1を得た。反応の終了は、IRスペクト
ル、イソシアネート当量の測定より行った。 合成例6[ウレタンジメタクリレート(UM3)]の合
成 5リットルのガラス製反応容器にキシリレンジイソシア
ネート(武田薬品工業(株)製 タケネート500、分
子量194.2)1942g、触媒としてジラウリン酸
ジ−n−ブチル錫2.0g、2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェノール1.3gを入れ、60℃に
加温しながら攪拌して均一溶液にした。この系の温度を
70℃に保ち攪拌しながら2−ヒドロキシエチルメタク
リレート(三菱レイヨン(株)製 アクリエステルH
O、分子量130.2)2604gを5時間かけて徐々
に滴下した。更に、この系の温度を70℃に保ち8時間
反応を続行し、UM3を得た。反応の終了は、IRスペ
クトル、イソシアネート当量の測定より行った。
ズ及びプラスチック平板の評価方法は以下の通りであ
る。 屈折率:厚さ2mmのプラスチック平板を、アッベ屈折
率計により、589.3nmのD線にて測定した。 可視光線透過率(%):厚さ2mmの平板を、ASTM
D1003に従って測定した。 飽和吸水率(重量%):厚み4mm、直径80mmの円
盤状平板を用い、70℃で100%の飽和水蒸気槽中に
3日間放置して増加重量を測定した。 落球試験:厚1.5mmのレンズをFDA規格に従って
試験した。但し、鋼球を127cmの高さから落下させ
た際、プラスチックレンズが破壊しない鋼球の最大重量
で示した。 弾性率:厚さ4mm、幅10mm、長さ85mmのプラ
スチックレンズ平板を、JIS K7203(3点曲げ
試験)に従って測定した。 ロックウエル硬度:厚さ4mmのプラスチック平板を用
い、JIS K7202に従って測定した。 耐熱性:厚み2mmのプラスチック平板を用い、TMA
測定器により、荷重10gでのTg(℃)を測定した。 面精度:レンズ中心部の湾曲状態を肉眼により観察し、
下記ランクに分類した。 A:全く湾曲がない(設計時の曲率と成形レンズの曲率
の差が0〜1%) B:やや湾曲している(差が1〜3%) C:若干湾曲している(差が3〜5%) D:湾曲している(差が5〜10%) E:著しく湾曲している(差が10〜20%) F:信用できない(差が20%以上) 注型作業性:鋳型へ単量体混合物を注入する際の難易度
を判定した。 ○:注入しやすい。 ×:粘度が高く流動性が悪い
ため注入しにくい。 染色性:セイコープラックスダイヤコート染色剤を1リ
ットルの蒸留水に分散させた液を用いて、厚さ2mmの
プラスチック平板を90℃で10分間染色し、可視光線
透過率%の数値を測定した。 実施例1 EDM1 40g、9BGDM 20g、PHM 25
g、UM1 15g、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニルホスフィンオキサイド0.03g、t−ブ
チルパーオキシイソブチレート0.1g、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン0.05g、トリドデ
シルフォスフェート0.2gを混合し、室温でよく攪拌
した後、50mmHgに減圧して10分間脱気した。
80mmの2枚のガラスモールドで周囲をポリ塩化ビニ
ル製ガスケットで挟んだ内厚2mm及び4mmの2種類
のプラスチック平板成形用鋳型、及びプラスチックレン
ズ成型用鋳型(径70mmのレンズ成型用ガラス製モー
ルド2枚でポリ塩化ビニル製ガスケットで挟んだ中心内
厚1.5mm、度数−2.0Dとしたもの)にそれぞれ
該組成物を注入した。
に両面からランプ長10インチ、2kWの高圧水銀灯に
より30J/cm2 の紫外線照射をした後、各鋳型から
プラスチックレンズ及び平板を脱型し、130℃で2時
間加熱してアニール処理をそれぞれ行った。
ズで、落球試験および面精度の評価を行い、その他の性
能の評価は得られたプラスチック平板で行った。評価結
果は、表1に示した。 実施例2〜12 表1で示した割合で各成分を用いた以外は、実施例1と
同様にして評価を行った。結果を表1に併せて示した。
同様にして評価を行った。結果を表2に併せて示した。 比較例10 CR−39(ジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ート)100g、ジイソプロピルパーオキシパーカーボ
ネート3gを混合し、よく攪拌した後、実施例1で使用
したのと同じ鋳型中に注入し、45℃で10時間、60
℃で3時間、80℃で3時間、95℃で6時間保持して
成形した後、鋳型よりプラスチックレンズ及び平板を脱
型し、120℃で1時間加熱アニール処理した。このよ
うにして製造したプラスチックレンズ及び平板について
実施例と同様に評価し、その結果を表2に示した。
用いることにより、耐熱性、耐衝撃性、染色性、低吸水
性、面精度に優れかつ高弾性率を有するレンズを容易に
製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)1分子中に(メタ)アクリロイル
オキシ基を2個以上有するエポキシポリ(メタ)アクリ
レート 20〜80重量部 (B)一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素またはメチル基、nは5〜16の整
数を表す。)で示されるポリブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート 5〜40重量部 (C)一般式(II)、(III) または(IV) 【化2】 (式中、R2 は水素またはメチル基、R3 は−CH2
−、−CH2 CH2 O−、−CH(CH3 )CH2 O
−、−CH2 CH(OH)CH2 O−または−CH 2 C
H2 CH2 CH2 O−、XはCl、BrまたはI、mは
0〜3の整数、pは0〜5の整数、qは0〜4の整数お
よびrは0〜3の整数を表す。)で示されるモノ(メ
タ)アクリレート 5〜40重量
部 (D)分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以
上有するウレタンポリ(メタ)アクリレート
5〜60重量部 および (E)分子内に少なくとも一つ以上の重合性二重結合を
有する化合物0〜60重量部 (ただし、(A)〜(E)成分の合計を100重量部と
する。)を主成分としてなるプラスチックレンズ用組成
物。 - 【請求項2】 (D)成分が脂環式骨格を有するウレタ
ンポリ(メタ)アクリレートである請求項1記載のプラ
スチックレンズ用組成物。 - 【請求項3】 (A)成分で示されるエポキシポリ(メ
タ)アクリレートが一般式(V)で示されるものである
請求項1記載のプラスチックレンズ用組成物。 【化3】 (式中、R4 、R5 は水素またはメチル基、Yは水素ま
たはCl、Br、Iを表す。sは1〜5の整数を表
す。)
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JPH08176243A JPH08176243A (ja) | 1996-07-09 |
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ID=18125604
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1994
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