JP3354173B2 - ポリペプチドおよびその用途 - Google Patents

ポリペプチドおよびその用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はc−AMP産生活性を有
する、新規なポリペプチドまたはそのアミド、エステル
もしくは塩、ならびにその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】脳の視床下部、精巣等に由来する新しい
生理活性ペプチドとして、38個のアミノ酸からなるポ
リペプチド−PACAP38−がヒト、ヒツジ、ラット
等において発見されている。 ヒト、ヒツジ、ラット由
来のPACAP38のアミノ酸配列は同一で、His-Ser-
Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Ly
s-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-
Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-Lys(配列
番号:1)で表される。 PACAP38は脳下垂体細
胞の細胞内c−AMPの産生を高める活性や、アストロ
グリア細胞のc−AMP産生を高めて神経細胞の生存を
延長させる作用がある。 また、PACAP38のN末
端側27個のアミノ酸からなるポリペプチド−PACA
P27にもPACAP38の活性のあることが見いださ
れている[(i)バイオケミカルアンド バイオフィジカル
リサーチ コミュニケーションズ(Biochem. Biophys.Co
mmun.)、 164巻、567-574頁 (1989); (ii)ヨーロッパ公
開特許 第404,652号]し、さらにはPACAP38のN
末端側26〜23個のアミノ酸からなるポリペプチド−
PACAP26、PACAP25、PACAP24およ
びPACAP23にもPACAP27と同じ作用が確認
されている[特願平2-187959]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のPACAP38
〜23の17位のアミノ酸であるメチオニンは生体内外
で酸化を受けやすいため、酸化を受けにくく、かつ、P
ACAP27と同等あるいはそれ以上の作用を有するポ
リペプチドの提供が本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化を受
けにくく、かつ、PACAP27と同等あるいはそれ以
上のc−AMP産生活性を有する新規なポリペプチドを
創製し、さらに検討を加えて本発明を完成した。すなわ
ち本発明は、(1)式 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-A
sp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-NH-CHX-CO-Ala-
Val-Lys-Lys-Tyr-Y[I][式中、Xは水素原子、また
は水酸基、置換されていてもよいアミノ基、カルボキシ
ル基、カルバモイル基もしくは置換されていてもよい芳
香環基で置換されていてもよい低級アルキル基を、Yは
Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Va
l-Lys-Asn-LysのN末端側から数えて1ないし16個の
アミノ酸もしくはペプチドを示す]で表されるポリペプ
チドまたはそのアミド、エステルもしくは塩、 および、
(2)式[I]で表されるポリペプチドまたはそのアミ
ド、エステルもしくは薬理学的に許容される塩を含有す
る医薬組成物 に関する。なお、本明細書におけるペプ
チドは、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(ア
ミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)であ
る。
【0005】式[I]においてXは水素原子、または水
酸基、置換されていてもよいアミノ基、カルボキシル
基、カルバモイル基もしくは置換されていてもよい芳香
環基で置換されていてもよい低級アルキル基を示す。
ここで低級アルキル基としては直鎖状または分枝状のC
1_6アルキル基が好ましく、たとえば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、ターシャリーブチル、n−ペン
チル、イソアミル、ターシャリーアミル、n−ヘキシ
ル、イソヘキシルなどがあげられる。 これらの低級ア
ルキル基は、水酸基,置換されていてもよいアミノ基,
カルボキシル基,カルバモイル基もしくは置換されてい
てもよい芳香環基からなる群から選ばれる1〜3個の置
換基で置換されていてもよい。 水酸基で置換された低
級アルキルとしては上記のC1_6アルキル基が水酸基(-
OH)で置換されたものが好ましく、たとえば、ヒドロキ
シメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチ
ル、1−ヒドロキシプロピルなどがあげられる。 置換
されていてもよいアミノ基で置換された低級アルキル基
としては上記のC1_6アルキル基がアミノ基(-NH2)ま
たは置換アミノ基(たとえば、メチルアミノ・エチルア
ミノなどのモノC1_3アルキルアミノ基、ジメチルアミ
ノ・ジエチルアミノなどのジC1_3アルキルアミノ基、
グアニジノ基など)で置換されたものが好ましく、たと
えば、2−アミノエチル、2−(メチルアミノ)エチ
ル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、3−グア
ニジノプロピルなどがあげられる。 カルボキシル基で
置換された低級アルキルとしては上記のC1_6アルキル
基がカルボキシル基(-COOH)で置換されたものが好ま
しく、たとえば、カルボキシメチル、1−カルボキシエ
チル、2−カルボキシエチルなどがあげられる。 カル
バモイル基で置換された低級アルキル基として上記のC
1_6アルキル基がカルバモイル基(-CONH2)で置換され
たものが好ましく、たとえば、カルバモイルメチル、1
−カルバモイルエチル、2−カルバモイルエチルなどが
あげられる。 置換されていてもよい芳香環基で置換さ
れた低級アルキル基としては上記のC1_6アルキル基が
芳香環基〔たとえば、フェニル・ナフチルなどのC6_1 2
アリール基、芳香族複素環基、殊にイミダゾリル・ピラ
ゾリル・インドリル・ジヒドロインドリル、キノリル・
テトラヒドロキノリル・イソキノリル・テトラヒドロ−
イソキノリル・ベンザゼピニル・テトラヒドロベンザゼ
ピニル・ピロリル・ピペリジル・ピペラジニル・モルホ
リニル・フラニル・チオフェニルなどのN,OおよびS
から選ばれる1〜3個の複素原子と炭素原子を含有する
5〜9員の芳香族複素環基など〕または置換芳香環基
〔たとえば、C1_6アルキル基(例、メチル、エチ
ル)、ハロゲン原子(例、塩素、臭素)、水酸基、カル
ボキシル基、アミノ基、モノもしくはジヒドロC1_6
ルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメ
チルアミノ、ジエチルアミノ)、C1_6アルコキシカル
ボニル基(例、ホルミル、メトキシカルボニル)、C1_
6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、シアノ基
などからなる群から選ばれる1〜3個の置換基で置換さ
れた上記のC6_12アリール基、もしくは5〜9員の芳香
族複素環基など〕で置換されたものが好ましく、たとえ
ば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチ
ル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、4−ヒ
ドロキシフェニルメチル、1H−イミダゾール−4−イ
ルメチル、1H−インドール−3−イルメチル、N−メ
チルインドール−3−イルメチル、5−フルオロ−1H
−インドール−3−イルメチルなどがあげられる。 式
[I]におけるXは上記した範囲であるが、言い換える
と、-NH-CHX-CO-という基が、グリシンの残基またはα
-アミノ酸の残基であることを示す。 このようなα-ア
ミノ酸としてはグリシンも含めて天然のアミノ酸が好ま
しく、たとえば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロ
イシン、セリン、スレオニン、リジン、アルギニン、ア
スパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミ
ン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプ
トファンなどである。 なかでもセリン、アルギニンが
特に好ましい。 これらのα-アミノ酸はL体、D体、
DL体のいずれでもよいが、とりわけL体が好ましい。
【0006】式[I]においてYはLeu-Ala-Ala-Val-Leu
-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-LysのN末
端側から数えて1ないし16個のアミノ酸もしくはペプ
チドを示すが、言い換えると、YはLeu、Leu-Ala、Leu-
Ala-Ala、Leu-Ala-Ala-Val、Leu-Ala-Ala-Val-Leu、Leu
-Ala-Ala-Val-Leu-Gly、Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Ly
s、Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg、Leu-Ala-Ala-Va
l-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr、Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-
Arg-Tyr-Lys、Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-L
ys-Gln、Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gl
n-Arg、Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln
-Arg-Val、Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-
Gln-Arg-Val-Lys、Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg-T
yr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-AsnおよびLeu-Ala-Ala-Val-Le
u-Gly-Lys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-Lysのい
ずれかであることを示す。
【0007】式[I]はC末端が通常カルボキシル基(-
COOH)またはカルボキシレート(-COO-)であるが、C
末端がアミド(-CONH2)またはエステル(-COOR)であ
ってもよい。 ここでエステル基のRとしては、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−
ブチルなどのC1_6アルキル基、C3_8シクロアルキル
(例、シクロペンチル、シクロヘキシル)などのシクロ
アルキル基、C6_12アリール基(たとえばフェニル、α
-ナフチル)などのアリール基、C7_14アラルキル基
(たとえばベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1_
2アルキル、もしくはα−ナフチルメルなどのα−ナフ
チル−C1_2アルキル)などのアラルキル基のほか、経
口用エステルとして繁用されるピバロイルオキシメチル
エステルなどがあげられる。式[I]で表わされるポリ
ペプチドがC末端以外にカルボキシル基またはカルボキ
シレートを有している場合、それらの基がアミド化また
はエステル化されているものも本発明のポリペプチドに
含まれる。この時のエステルとしては、例えば、上記し
たC末端のエステルなどが用いられる。 本発明におい
てはC末端がアミドのものがより好ましい。本発明のポ
リペプチド[I]の薬理学的に許容される塩としてはナ
トリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム
塩などの金属塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機
酸付加塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石
酸塩、リンゴ酸塩、蓚酸塩などの有機酸塩などがあげら
れる。
【0008】本明細書において、アミノ酸およびペプチ
ドなどを略号で表示する場合、IUPAC-IUB Com
mission on Biochemical Nomenclature による略号ある
いは当該分野における慣用略号に基づくものであり、そ
の例を下記する。 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Ile :イソロイシン Leu :ロイシン Pro :プロリン Arg :アルギニン Lys :リジン His :ヒスチジン Asp :アスパラギン酸 Asn :アスパラギン Glu :グルタミン酸 Gln :グルタミン Ser :セリン Thr :スレオニン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Met :メチオニン Met(O) :メチオニン-S-オキシド また本明細書中で常用される保護基および試薬を下記の
略号で表記する。 Z :ベンジルオキシカルボニル Boc :ターシャリーブトキシカルボニル Bzl :ベンジル Trt :トリチル Bum :ターシャリーブトキシメチル Br-Z :2-ブロモベンジルオキシカルボニル Cl-Z :2-クロロベンジルオキシカルボニル Cl2-Bzl :2,6-ジクロロベンジル Tos :パラトルエンスルホニル Mts :2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニル Bom :ベンジルオキシメチル Fmoc :9-フルオレニルメチルオキシカルボニル NO2 :ニトロ DNP :ジニトロフェニル PAM :フェニルアセトアミドメチル DEAE :ジエチルアミノエチル OBzl :ベンジルエステル OcHex :シクロヘキシルエステル DCC :N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド HOBt :1-ヒドロキシベンゾトリアゾール HOOBt :3-ヒドロキシ-4-オキソ-3,4-ジヒドロベン
ゾトリアジン HONB :N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカル
ボキシイミド DMF :N,N-ジメチルホルムアミド BHA :ベンズヒドリルアミン。
【0009】本発明のポリペプチド[I]はペプチド合
成の常套手段で製造しうる。 そのようなペプチド合成
の手段は、任意の公知の方法に従えばよく、たとえば、
M. Bodansky および M. A. Ondetti 著、ペプチド シン
セシス(Peptide Synthesis)、インターサイエンス、ニ
ューヨーク、1966年;F. M. Finn および K. Hofmann
著、ザ プロテインズ(The Proteins)、第2巻、H. Nenr
ath、R. L. Hill 編集、アカデミック プレス インク、
ニューヨーク、1976年;泉屋信夫他著「ペプチド合成の
基礎と実験」丸善(株) 1985年;矢島治明、榊原俊平他
著、生化学実験講座1、日本生化学会編、東京化学同人
1977年;木村俊他著、続生化学実験講座2、日本生化
学会編、東京化学同人 1987年;J. M. Stewart および
J. D. Young 著、ソリッド フェイズ ペプチド シンセ
シス(Solid Phase Peptide Synthesis)、ピアス ケミカ
ル カンパニー、イリノイ、1984年などに記載された方
法、たとえばアジド法、クロリド法、酸無水物法、混酸
無水物法、DCC法、活性エステル法、ウッドワード試薬
Kを用いる方法、カルボニルイミダゾール法、酸化還元
法、DCC/HONB法、BOP試薬を用いる方法などがあげられ
る。本発明のポリペプチド[I]の合成は液相合成法、
固相合成法のいずれによってもよいが、本発明において
は固相合成法がより好ましい。 固相合成法の場合には
当該技術分野で知られた不溶性樹脂を用いる。 そのよ
うな不溶性樹脂としてはたとえば、クロロメチル樹脂、
ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、ア
ミノメチル樹脂、4-ベンジルオキシベンジルアルコー
ル樹脂、4-メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹
脂、4-ヒドロキシメチルフェニルアセトアミドメチル
樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4-(2',4'-ジメトキ
シフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4-
(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmoc・アミノエチル)フ
ェノキシ樹脂などがあげられる。 これらの樹脂を用
い、ポリペプチド[I]のC末端側からアミノ酸配列通
り順に保護アミノ酸を常法に従って順次縮合し、次いで
後記する保護基除去処理を施して全保護基を除去するこ
とにより目的とするポリペプチド[I]を合成すること
ができる。 また、得られたポリペプチドのカルボキシ
ル基またはカルボキシレートを必要に応じてアミド化ま
たはエステル化することによっても本発明のポリペプチ
ドを合成することができる。さらに、上記方法を用いて
本発明のポリペプチドの1個または2個以上のペプチド
断片を合成した後、それらを縮合することによっても本
発明のポリペプチドを合成することができる。
【0010】保護アミノ酸の縮合に関しては、ペプチド
合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができる
が、特に、カルボジイミド類がよい。 カルボジイミド
類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミ
ド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド、などがあげられる。 これらによる活性化に
はラセミ化抑制添加剤(たとえば、HOBt、 HOOBt)とと
もに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、または、対
称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステル
としてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行ったのちに
樹脂に添加することができる。 保護アミノ酸の活性化
や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、ペプチド縮
合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選
択されうる。 たとえばDMF、ジメチルスルホキシド、
ピリジン、クロロホルム、ジオキサン、塩化メチレン、
テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、N
-メチルピロリドンあるいはこれらの適宜の混合物など
があげられる。 反応温度は、ペプチド結合形成反応に
使用されうることが知られている範囲から適宜選択さ
れ、通常約−20℃〜30℃の範囲から適宜選択される。
活性化されたアミノ酸誘導体は通常、1.5−4倍過剰で
用いられる。 ニンヒドリン反応を用いたテストの結
果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことな
く縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行うこと
ができる。 反応を繰り返しても十分な縮合が得られな
いときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用
いて未反応アミノ酸をアセチル化することができる。原
料のアミノ基の保護基としては、たとえば、Z、Boc、
ターシャリーアミルオキシカルボニル、イソボルニルオ
キシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニ
ル、Cl-Z、 Br-Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリ
フルオロアセチル、フタリル、ホルミル、2-ニトロフ
ェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、
Fmocなどがあげられる。 カルボキシル基の保護基とし
ては、たとえばアルキルエステル(たとえば、メチル、
エチル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロ
オクチル、2-アダマンチルなどのエステル基)、ベンジ
ルエステル、4-ニトロベンジルエステル、4-メトキシ
ベンジルエステル、4-クロロベンジルエステル、ベン
ズヒドリルエステル、フェナシルエステル、ベンジルオ
キシカルボニルヒドラジド、ターシャリーブトキシカル
ボニルヒドラジド、トリチルヒドラジドなどがあげられ
る。セリンの水酸基は、たとえばエステル化またはエー
テル化によって保護することができる。 このエステル
化に適する基としてはたとえばアセチル基などの低級ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などがあげられる。 またエーテル
化に適する基としては、たとえばベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、ターシャリーブチル基などである。チ
ロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、たとえ
ば、Bzl、Cl2-Bzl、2-ニトロベンジル、BrZ、ターシャ
リーブチルなどがあげられる。 ヒスチジンのイミダゾ
ールの保護基としては、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリ
メチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチ
ル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどがあげられる。原料のカ
ルボキシル基の活性化されたものとしては、たとえば対
応する酸無水物、アジド、活性エステル[アルコール
(たとえば、ペンタクロロフェノール、2,4,5-トリクロ
ロフェノール、 2,4-ジニトロフェノール、 シアノメチル
アルコール、パラニトロフェノール、HONB、 N-ヒドロ
キシスクシミド、N-ヒドロキシフタルイミド、HOBt)と
のエステル]などがあげられる。 原料のアミノ基の
活性化されたものとしては、たとえば対応するリン酸ア
ミドがあげられる。
【0011】保護基の除去(脱離)方法としては、たと
えばPd黒あるいはPd-炭素などの触媒の存在下での水
素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタ
ンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフ
ルオロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理
や、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元なども
あげられる。 上記酸処理による脱離反応は、一般に−
20℃〜40℃の温度でおこなわれるが、酸処理において
は、アニソール、フェノール、チオアニソール、メタク
レゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4-
ブタンジチオール、1,2-エタンジチオールのようなカチ
オン捕捉剤の添加が有効である。 また、ヒスチジンの
イミダゾール保護基として用いられる2,4-ジニトロフェ
ニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプト
ファンのインドール保護基として用いられるホルミル基
は上記の1,2-エタンジチオール、1,4-ブタンジチオール
などの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナ
トリウム、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっ
ても除去される。原料の反応に関与すべきでない官能基
の保護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応
に関与する官能基の活性化などもまた公知の基あるいは
公知の手段から適宜選択しうる。このようにして製造さ
れたポリペプチド[I]は反応終了後、通常のペプチドの
分離精製手段、たとえば、抽出、分配、再沈殿、再結
晶、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラ
フィーなどによって採取される。本発明のポリペプチド
[I]は分子内にMetを含有しないので、生成物それ
自体と同様、その合成段階においても酸化に対して安定
である。
【0012】本発明のポリペプチド[I]は自体公知の
方法により金属塩(たとえばナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など)、 塩基または
塩基性化合物との塩(たとえばアンモニウム塩、アルギ
ニン塩など)、酸付加塩、とりわけ薬理学的に許容され
る酸付加塩としても得ることができ、たとえば、無機酸
(たとえば、塩酸、硫酸、リン酸)あるいは有機酸(たと
えば、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ
酸、蓚酸、メタンスルホン酸)などの塩があげられる。
式[I]で表わされるポリペプチドのカルボキシル基ま
たはカルボキシレートのアミド化またはエステル化は、
それ自体公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って
行なうことができる。
【0013】c−AMP産生活性の測定はラット副腎髄
質由来の継代培養細胞PC12hを用い、細胞外へ分泌され
るc−AMP量をc−AMP測定用キットを用いて行っ
た。その結果、図1に示すように本発明のポリペプチド
[I]にはPACAP27と同等の活性が認められた。
さらに本発明のポリペプチドが酸化を受けにくいことを
証明するために、以下に述べる実施例1で得られたAr
17−PACAP27を凍結乾燥保存した場合と酢酸水
溶液中で保存した場合の酸化体含量(%)の測定を行な
った。酸化体含量(%)の測定は、高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)を用いて行なった。結果を表1に
示す。HPLCの条件は以下の通りである。 カラム:YMC ODS AM−301(4.6×10
0mm) 溶離液:A液(0.1%-トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%-トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル)を用
いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 : 1.0 ml/分 Arg17−PACAP27の溶離時間:19.9分 表1 試料 酸化体含量(%) 合成時 凍結乾燥保存後 酢酸水溶液保存 実施例1のArg17-PACAP27 0 0 0 表1より、本発明のポリペプチドが酸化を受けにくいこ
とがわかる。
【0014】
【作用・効果】本発明の新規なポリペプチド[I](そ
のアミド、エステルもしくは塩も含む)はc−AMPの
産生を高める。 そのため本発明の新規なポリペプチド
[I]はたとえば神経細胞の生存時間を延長させること
ができるような神経賦活剤として用いることができる。
具体的には哺乳動物(たとえば、ヒツジ、ラット、ヒ
トなど)における各種の神経障害の治療剤または損傷神
経の修復剤として使用することができる。更に本発明の
新規なポリペプチド[I]は胃散分泌抑制効果をも有す
るものである。本発明のポリペプチド[I]を上記した
神経障害治療剤や損傷神経修復剤として用いる場合、そ
のままあるいは薬理学的に許容される担体、賦形剤、希
釈剤と混合し、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、注射
剤、座剤、軟膏剤、徐放型製剤などの剤型で経口的また
は非経口的に安全に投与することができる。 本発明の
ポリペプチド[I]は主として非経口的に投与(たとえ
ば、静脈あるいは皮下注射、脳室内あるいは脊髄内投
剤、経鼻投与、直腸投与)されるが、場合によっては経
口投与されることもある。本発明のポリペプチド[I]
は物質として安定であるため生理食塩水の溶液として保
存できるが、マンニトール、ソルビトールを添加して凍
結乾燥アンプルとし、使用時に溶解することもできる。
本発明のポリペプチド[I]は、遊離体としてあるい
はその塩基塩または酸付加塩として投与され得る。 そ
の投与量は、ペプチドの遊離体、塩基塩、酸付加塩とも
に、遊離体の量として、一般に体重1kg当り0.1ナノモ
ル〜1マイクロモルの範囲が適量である。 さらに詳述
すれば、投与量は対象疾患、症状、投与対象、投与方法
などによっても異なるが、たとえば成人の患者に対して
注射で投与する場合、通常薬効成分(ペプチド[I])1
回量として0.1ナノモル/kg〜1マイクロモル/kg体重程
度、より好ましくは1ナノモル/kg〜0.1マイクロモル/k
g体重程度を1日1回〜3回程度投与するのが好都合で
ある。 また、点滴でも効果があり、点滴の場合の全投
与量は注射の場合と同じである。このポリペプチドを治
療剤として用いる場合には、注意深く精製を行ない細菌
や発熱物質が存在しないように注意しなければならな
い。 精製された本発明のポリペプチドには毒性が見ら
れない。
【0015】
【実施例】以下に実施例、 参考例、試験例をあげて本発
明をさらに具体的に説明する。なお、実施例、参考例中
のアミノ酸はすべてL体である。
【0016】
【実施例1】 Arg17-PACAP27-NH2(H-His-Ser-Asp-Gly
-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-A
rg-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-NH2
[Ia](配列番号:2)の合成 市販のパラメチルBHA樹脂(アプライド バイオシステ
ムズ社製)0.60 g(0.5m mole)を用い、ペプチド合成機
(アプライド バイオシステムズ社製モデル430A)を使
用し、合成した。最初のアミノ酸、Boc-LeuをHOBt/DCC
で活性化し、樹脂に縮合した後、樹脂上のBoc基を50%ト
リフルオロ酢酸/塩化メチレンで処理し、アミノ基を遊
離させ、このアミノ基に、Boc-Val, Boc-Ala, Boc-Leu,
Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Lys(Cl-Z),Boc-Arg(Tos), Boc-Gl
n, Boc-Ser(Bzl), Boc-Gly, Boc-Asp(OcHex), Boc-Thr
(Bzl), Boc-Phe, Boc-Ile, Boc-His(Bom)を表記のアミ
ノ酸配列通り順にHOBt/DCCで活性化し縮合した。 さら
にDCCまたは、HOBt/DCCで活性化した同じアミノ酸誘導
体で再度縮合をした後、未反応のアミノ基は無水酢酸で
アセチル化し、保護ペプチド樹脂1.34 gを得た。この保
護ペプチド樹脂0.89 gをパラクレゾ−ル1.52 g共存下無
水フッ化水素10mlで0℃,60分間処理した後、フッ化水
素を減圧留去し、残渣をエチルエ−テル5 mlで2回洗浄
した後、残渣を50%-酢酸水5 mlで抽出した。 不溶物を
濾去し、50%-酢酸水5 mlで洗浄した。 濾液、洗液を合
し、2〜3 ml に減圧濃縮し、セファデックスG-25(2x75
cm)のカラムに付し、50%−酢酸で溶出した。 主要画分
を集め減圧留去の後、残留物を、0.1% トリフルオロ酢
酸水100 mlに溶解し、LiChroprep RP-18樹脂カラム(2.6
x9.2 cm) に付け、0.1%トリフルオロ酢酸水と50%アセト
ニトリル(0.1% トリフルオロ酢酸含有)の間での直線型
濃度勾配で溶出した。 主要画分を合し、再度LiChropr
ep RP-18カラム(2.6x9.2 cm)に付け、20〜40%までのア
セトニトリル水溶液(0.1% トリフルオロ酢酸含有)の直
線型濃度勾配溶出を行い、主要区分を集め凍結乾燥し
た。これを0.05 M-酢酸アンモニア水20 mlに溶解し、C
M−セルロファインの樹脂カラム(2.5x10 cm)に付け、
0.05 Mから0.5 M-酢酸アンモニア水の直線型濃度勾配で
溶出した。 主要画分を合して凍結乾燥し、白色粉末9.
6 mgを得た。 アミノ酸分析値 Asp 1.98(2), Thr 0.90(1), Ser 2.26(3), Glu 1.10
(1), Gly 1.10(1),Ala 2.95(3), Val 1.93(2), Ile 0.9
7(1), Leu 2.00(2), Tyr 2.87(3),Phe 0.98(1), Lys 2.
87(3), His 1.02(1), Arg 2.89(3) 質量分析による(M+H)+ 3171.8710 HPLC溶出時間 20.3分 カラム条件 カラム:Wakosil 5C18(4.6x100 cm) 溶離液:A液(0.1%-トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%-トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル)を用
いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 : 1.0 ml/分。
【0017】
【実施例2】 Ser17-PACAP27-NH2(H-His-Ser-Asp-Gly
-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-S
er-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-NH2
[Ib](配列番号:3)の合成 市販のパラメチルBHA樹脂(アプライド バイオシステ
ムズ社製)0.74 g(0.5m mole)を用い、ペプチド合成機
(アプライド バイオシステムズ社製モデル430A)を使
用し、合成した。最初のアミノ酸、Boc-LeuをHOBt/DCC
で活性化し、樹脂に縮合した後、樹脂上のBoc基を50%ト
リフルオロ酢酸/塩化メチレンで処理し、アミノ基を遊
離させ、このアミノ基に、Boc-Val, Boc-Ala, Boc-Leu,
Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Lys(Cl-Z),Boc-Ser(Bzl), Boc-G
ln, Boc-Arg(Tos), Boc-Gly, Boc-Asp(OcHex), Boc-T
hr(Bzl), Boc-Phe, Boc-Ile, Boc-His(Bom)を表記のア
ミノ酸配列通り順にHOBt/DCCで活性化し縮合した。 さ
らにDCCまたは、HOBt/DCCで活性化した同じアミノ酸誘
導体で再度縮合をした後、未反応のアミノ基は無水酢酸
でアセチル化し、保護ペプチド樹脂2.82 gを得た。この
保護ペプチド樹脂1.01 gをパラクレゾ−ル1.62 g共存下
無水フッ化水素10mlで0℃,60分間処理した後、フッ化
水素を減圧留去し、残渣をエチルエ−テル5 mlで2回洗
浄した後、残渣を50%-酢酸水5 mlで抽出した。 不溶物
を濾去し、50%-酢酸水5 mlで洗浄した。 濾液、洗液を
合し、2〜3 ml に減圧濃縮し、セファデックスG-25(2x7
5 cm)のカラムに付し、50%−酢酸で溶出した。 主要
画分を集め減圧留去の後、残留物を、0.1% トリフルオ
ロ酢酸水100 mlに溶解し、LiChroprep RP-18樹脂カラム
(2.6x9.2 cm) に付け、0.1%トリフルオロ酢酸水と50%ア
セトニトリル(0.1% トリフルオロ酢酸含有)の間での直
線型濃度勾配で溶出した。 主要画分を合し、再度LiCh
roprep RP-18カラム(2.6x9.2 cm)に付け、20〜40%まで
のアセトニトリル水溶液(0.1% トリフルオロ酢酸含有)
の直線型濃度勾配溶出を行い、主要区分を集め凍結乾燥
した。 これを0.05 M-酢酸アンモニア水20 mlに溶解
し、CM−セルロファインの樹脂カラム(2.5x10 cm)に
付け、0.05Mから0.5 M-酢酸アンモニア水の直線型濃度
勾配で溶出した。 主要画分を合して凍結乾燥し、白色
粉末17.7 mgを得た。 アミノ酸分析値 Asp 2.03(2), Thr 0.98(1), Ser 3.53(4), Glu 1.13
(1), Gly 1.03(1),Ala 3.13(3), Val 1.93(2), Ile 0.9
0(1), Leu 2.00(2), Tyr 3.01(3),Phe 0.92(1), Lys 2.
96(3), His 1.10(1), Arg 2.01(2) 質量分析による(M+H)+ 3102.7930 HPLC溶出時間 21.0分 カラム条件 カラム:Wakosil 5C18(4.6x100 cm) 溶離液:A液(0.1%-トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%-トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル)を用
いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 : 1.0 ml/分。
【0018】
【実施例3】 Phe17-PACAP27-NH2(H-His-Ser-Asp-Gly
-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-P
he-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-NH2
[Ic](配列番号:4)の合成 市販のパラメチルBHA樹脂(アプライド バイオシステ
ムズ社製)0.72 g(0.5m mole)を用い、ペプチド合成機
(アプライド バイオシステムズ社製モデル430A)を使
用し、合成した。最初のアミノ酸、Boc-LeuをHOBt/DCC
で活性化し、樹脂に縮合した後、樹脂上のBoc基を50%ト
リフルオロ酢酸/塩化メチレンで処理し、アミノ基を遊
離させ、このアミノ基に、Boc-Val, Boc-Ala, Boc-Leu,
Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Lys(Cl-Z),Boc-Phe, Boc-Gln, Bo
c-Arg(Tos), Boc-Ser(Bzl), Boc-Gly, Boc-Asp(OcHe
x), Boc-Thr(Bzl), Boc-Ile, Boc-His(Bom)を表記のア
ミノ酸配列通り順にHOBt/DCCで活性化し縮合した。 さ
らにDCCまたは、HOBt/DCCで活性化した同じアミノ酸誘
導体で再度縮合をした後、未反応のアミノ基は無水酢酸
でアセチル化し、保護ペプチド樹脂2.96 gを得た。この
保護ペプチド樹脂0.98 gをパラクレゾ−ル1.62 g共存下
無水フッ化水素10mlで0℃,60分間処理した後、フッ化
水素を減圧留去し、残渣をエチルエ−テル5 mlで2回洗
浄した後、残渣を50%-酢酸水5 mlで抽出した。 不溶物
を濾去し、50%-酢酸水5 mlで洗浄した。 濾液、洗液を
合し、2〜3 ml に減圧濃縮し、セファデックスG-25(2x7
5 cm)のカラムに付し、50%−酢酸で溶出した。 主要画
分を集め減圧留去の後、残留物を、0.1% トリフルオロ
酢酸水100 mlに溶解し、LiChroprep RP-18樹脂カラム
(2.6x9.2 cm) に付け、0.1%トリフルオロ酢酸水と50%ア
セトニトリル(0.1% トリフルオロ酢酸含有)の間での直
線型濃度勾配で溶出した。 主要画分を合し、凍結乾燥
した。これを0.05 M-酢酸アンモニア水20 mlに溶解し、
CM−セルロファインの樹脂カラム(2.5x10 cm)に付
け、0.05 Mから0.5M-酢酸アンモニア水の直線型濃度勾
配で溶出した。 主要画分を合して凍結乾燥し、白色粉
末24 mgを得た。 アミノ酸分析値 Asp 1.98(2), Thr 0.90(1), Ser 2.26(3), Glu 1.10
(1), Gly 1.02(1),Ala 3.10(3), Val 1.88(2), Ile 0.8
8(1), Leu 2.00(2), Tyr 3.09(3),Phe 1.90(2), Lys 2.
90(3), His 1.00(1), Arg 1.99(2) 質量分析による(M+H)+ 3162.6340 HPLC溶出時間 21.5分 カラム条件 カラム:Wakosil 5C18(4.6x100 cm) 溶離液:A液(0.1%-トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%-トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル)を用
いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 : 1.0 ml/分。
【0019】
【実施例4】 Leu17-PACAP27-NH2(H-His-Ser-Asp-Gly
-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-L
eu-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-NH2
[Id](配列番号:5)の合成 市販のパラメチルBHA樹脂(アプライド バイオシステ
ムズ社製)0.60 g(0.5 mmole)を用い、ペプチド合成機
(アプライド バイオシステムズ社製モデル430A)を使
用し、合成した。最初のアミノ酸、Boc-LeuをHOBt/DCC
で活性化し、樹脂に縮合した後、樹脂上のBoc基を50%ト
リフルオロ酢酸/塩化メチレンで処理し、アミノ基を遊
離させ、このアミノ基に、Boc-Val, Boc-Ala, Boc-Leu,
Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Lys(Cl-Z),Boc-Gln, Boc-Arg(To
s), Boc-Ser(Bzl), Boc-Gly, Boc-Asp(OcHex), Boc-T
hr(Bzl), Boc-Phe, Boc-Ile, Boc-His(Bom)を表記のア
ミノ酸配列通り順にHOBt/DCCで活性化し縮合した。 さ
らにDCCまたは、HOBt/DCCで活性化した同じアミノ酸誘
導体で再度縮合をした後、未反応のアミノ基は無水酢酸
でアセチル化し、保護ペプチド樹脂1.34 gを得た。この
保護ペプチド樹脂1.00 gをパラクレゾ−ル1.61 g共存下
無水フッ化水素10mlで0℃,60分間処理した後、フッ化
水素を減圧留去し、残渣をエチルエ−テル5 mlで2回洗
浄した後、残渣を50%-酢酸水5 mlで抽出した。 不溶物
を濾去し、50%-酢酸水5 mlで洗浄した。濾液、洗液を合
し、2〜3 ml に減圧濃縮し、セファデックスG-25(2x75
cm)のカラムに付し、50%−酢酸で溶出した。 主要画分
を集め減圧留去の後、残留物を、0.1% トリフルオロ酢
酸水100 mlに溶解し、LiChroprep RP-18樹脂カラム(2.6
x9.2 cm) に付け、0.1%トリフルオロ酢酸水と50%アセト
ニトリル(0.1% トリフルオロ酢酸含有)の間での直線型
濃度勾配で溶出した。主要区分を集め凍結乾燥し,これ
を0.05 M-酢酸アンモニア水20 mlに溶解し、CM−セル
ロファインの樹脂カラム(2.5x10 cm)に付け、0.05 Mか
ら0.5 M-酢酸アンモニア水の直線型濃度勾配で溶出し
た。主要画分を合して凍結乾燥し、白色粉末35.4 mgを
得た。 アミノ酸分析値 Asp 1.97(2), Thr 0.94(1), Ser 2.46(3), Glu 1.08
(1), Gly 1.02(1),Ala 3.08(3), Val 1.93(2), Ile 0.9
4(1), Leu 3.00(3), Tyr 2.51(3),Phe 0.94(1), Lys 2.
91(3), His 1.09(1), Arg 1.99(2) 質量分析による(M+H)+ 3128.5970 HPLC溶出時間 21.5分 カラム条件 カラム:Wakosil 5C18(4.6x100 cm) 溶離液:A液(0.1%-トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%-トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル)を用
いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 : 1.0 ml/分。
【0020】
【実施例5】 Glu17-PACAP27-NH2(H-His-Ser-Asp-Gly
-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-G
lu-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-NH2
[Ie](配列番号:6)の合成 市販のパラメチルBHA樹脂(アプライド バイオシステ
ムズ社製)0.74 g(0.5m mole)を用い、ペプチド合成機
(アプライド バイオシステムズ社製モデル430A)を使
用し、合成した。最初のアミノ酸、Boc-LeuをHOBt/DCC
で活性化し、樹脂に縮合した後、樹脂上のBoc基を50%ト
リフルオロ酢酸/塩化メチレンで処理し、アミノ基を遊
離させ、このアミノ基に、Boc-Val, Boc-Ala, Boc-Leu,
Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Lys(Cl-Z),Boc-Arg(Tos), Boc-Gl
n, Boc-Ser(Bzl), Boc-Gly, Boc-Asp(OcHex), Boc-Th
r(Bzl), Boc-Phe, Boc-Ile, Boc-His(Bom)を表記入アミ
ノ酸配列通り順にHOBt/DCCで活性化し縮合した。 さら
にDCCまたは、HOBt/DCCで活性化した同じアミノ酸誘導
体で再度縮合をした後、未反応のアミノ基は無水酢酸で
アセチル化し、保護ペプチド樹脂1.94 gを得た。この保
護ペプチド樹脂0.93 gをパラクレゾ−ル1.52 g共存下無
水フッ化水素10mlで0℃,60分間処理した後、フッ化水
素を減圧留去し、残渣をエチルエ−テル5 mlで2回洗浄
した後、残渣を50%-酢酸水5 mlで抽出した。不溶物を濾
去し、50%-酢酸水5 mlで洗浄した。濾液、洗液を合し、
2〜3 ml に減圧濃縮し、セファデックスG-25(2x75 cm)
のカラムに付し、50%−酢酸で溶出した。 主要画分を集
め減圧留去の後、残留物を、0.1% トリフルオロ酢酸水1
00 mlに溶解し、LiChroprep RP-18樹脂カラム(2.6x9.2
cm) に付け、0.1%トリフルオロ酢酸水と50%アセトニト
リル(0.1% トリフルオロ酢酸含有)の間での直線型濃度
勾配で溶出した。主要画分を合し、再度LiChroprep RP-
18カラム(2.6x9.2 cm)に付け、20〜40%までのアセトニ
トリル水溶液(0.1% トリフルオロ酢酸含有)の直線型濃
度勾配溶出を行い、主要区分を集め凍結乾燥した。 こ
れを0.05 M-酢酸アンモニア水20mlに溶解し、CM−セ
ルロファインの樹脂カラム(2.5x10 cm)に付け、0.05 M
から0.5 M-酢酸アンモニア水の直線型濃度勾配で溶出し
た。 主要画分を合して凍結乾燥し、白色粉末17.5 mg
を得た。 アミノ酸分析値 Asp 1.98(2), Thr 0.94(1), Ser 2.47(3), Glu 2.27
(2), Gly 1.10(1),Ala 3.28(3), Val 1.92(2), Ile 0.9
3(1), Leu 2.00(2), Tyr 2.93(3),Phe 0.94(1), Lys 2.
80(3), His 0.98(1), Arg 1.93(2) 質量分析による(M+H)+ 3144.6870 HPLC溶出時間 21.2分 カラム条件 カラム:Wakosil 5C18(4.6x100 cm) 溶離液:A液(0.1%-トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%-トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル)を用
いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 : 1.0 ml/分。
【0021】
【実施例6】 Gly17-PACAP27-NH2(H-His-Ser-Asp-Gly
-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-G
ly-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-NH2
[If](配列番号:7)の合成 市販のパラメチルBHA樹脂(アプライド バイオシステ
ムズ社製)0.64 g(0.5m mole)を用い、ペプチド合成機
(アプライド バイオシステムズ社製モデル430A)を使
用し、合成した。最初のアミノ酸、Boc-LeuをHOBt/DCC
で活性化し、樹脂に縮合した後、樹脂上のBoc基を50%ト
リフルオロ酢酸/塩化メチレンで処理し、アミノ基を遊
離させ、このアミノ基に、Boc-Val, Boc-Ala, Boc-Leu,
Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Lys(Cl-Z),Boc-Gly, Boc-Gln, Bo
c-Arg(Tos), Boc-Ser(Bzl), Boc-Asp(OcHex), Boc-Thr
(Bzl), Boc-Phe, Boc-Ile, Boc-His(Bom)を表記のアミ
ノ酸配列通り順にHOBt/DCCで活性化し縮合した。さらに
DCCまたは、HOBt/DCCで活性化した同じアミノ酸誘導体
で再度縮合をした後、未反応のアミノ基は無水酢酸でア
セチル化し、保護ペプチド樹脂2.75 gを得た。この保護
ペプチド樹脂1.01 gをパラクレゾ−ル1.63 g共存下無水
フッ化水素10mlで0℃,60分間処理した後、フッ化水素
を減圧留去し、残渣をエチルエ−テル5 mlで2回洗浄し
た後、残渣を50%-酢酸水5 mlで抽出した。 不溶物を濾
去し、50%-酢酸水5 mlで洗浄した。濾液、洗液を合し、
2〜3 ml に減圧濃縮し、セファデックスG-25(2x75 cm)
のカラムに付し、50%−酢酸で溶出した。 主要画分を
集め減圧留去の後、残留物を、0.1% トリフルオロ酢酸
水100 mlに溶解し、LiChroprep RP-18樹脂カラム(2.6x
9.2 cm) に付け、0.1%トリフルオロ酢酸水と50%アセト
ニトリル(0.1% トリフルオロ酢酸含有)の間での直線型
濃度勾配で溶出した。 主要画分を合し、再度LiChropr
ep RP-18カラム(2.6x9.2 cm)に付け、20〜40%までのア
セトニトリル水溶液(0.1% トリフルオロ酢酸含有)の直
線型濃度勾配溶出を行い、主要区分を集め凍結乾燥し
た。 これを0.05 M-酢酸アンモニア水20 mlに溶解し、
CM−セルロファインの樹脂カラム(2.5x10 cm)に付
け、0.05 Mから0.5 M-酢酸アンモニア水の直線型濃度勾
配で溶出した。 主要画分を合して凍結乾燥し、白色粉
末20.5 mgを得た。 アミノ酸分析値 Asp 1.97(2), Thr 0.93(1), Ser 2.44(3), Glu 1.07
(1), Gly 1.97(2),Ala 3.10(3), Val 1.93(2), Ile 0.9
4(1), Leu 2.00(2), Tyr 3.02(3),Phe 0.96(1), Lys 2.
92(3), His 1.03(1), Arg 1.96(2) 質量分析による(M+H)+ 3072.6120 HPLC溶出時間 20.7分 カラム条件 カラム:Wakosil 5C18(4.6x100 cm) 溶離液:A液(0.1%-トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%-トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル)を用
いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 : 1.0 ml/分。
【0022】
【実施例7】 Arg17-PACAP26-NH2(H-His-Ser-Asp-Gly
-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-A
rg-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-NH2)[Ih]
(配列番号:8)の合成 パラメチルBHA樹脂を用い、ペプチド合成機を使用し、
実施例1の方法に準じて標記のポリペプチド[Ih]を合
成する。 なお、最初のアミノ酸としてBoc-Leuのかわ
りにBoc-Valを使用する。
【0023】
【実施例8】 Arg17-PACAP23-NH2(H-His-Ser-Asp-Gly
-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-A
rg-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-NH2)[Ii](配列番号:
9)の合成 パラメチルBHA樹脂を用い、ペプチド合成機を使用し、
実施例1の方法に準じて標記のポリペプチド[Ii]を合
成する。
【0024】
【実施例9】 Arg17-PACAP38-NH2(H-His-Ser-Asp-Gly
-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-A
rg-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys
-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-Lys-NH2)[Ij]
(配列番号:10)の合成 パラメチルBHA樹脂を用い、ペプチド合成機を使用し、
実施例1に準じて以下のように標記のポリペプチド[I
j]を合成する。最初のアミノ酸、Boc-Lys(Cl-Z)を活性
化試薬で活性化して樹脂に縮合した後、樹脂上のBoc基
をはずしてアミノ基を遊離させ、このアミノ基にBoc-As
n, Boc-Lys(Cl-Z), Boc-Val, Boc-Arg(Tos), Boc-Gln,
Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Gly, Boc-Leu, Boc-Ala, Boc-Ser
(Bzl), Boc-Asp(OcHex), Boc-Thr(Bzl), Boc-Phe, Boc-
Ile, Boc-His(Bom)を表記のアミノ酸配列通り順に活性
化試薬で活性化しながら縮合することにより保護ペプチ
ド樹脂を得る。 この保護ペプチド樹脂をフッ化水素で
処理した後、残渣を溶媒で抽出する。 抽出液を樹脂カ
ラムに付け分離精製の操作を繰り返す。 主要画分を集
めて凍結乾燥して目的物[Ij]を得る。
【0025】
【実施例10】 Ser17-PACAP38-NH2(H-His-Ser-Asp-G
ly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln
-Ser-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-L
ys-Arg-Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-Lys-NH2)[Ik]
(配列番号:11)の合成 市販のパラメチルBHA樹脂を用い、ペプチド合成機を使
用し、実施例9の方法に準じて標記のポリペプチド[I
k]を合成する。
【0026】
【実施例11】 Arg17-PACAP27-OH(H-His-Ser-Asp-Gl
y-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-
Arg-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-OH)
[Il](配列番号:12)の合成 市販のBoc-Leu-OCH2-PAM樹脂を用い、樹脂上のBoc基を5
0%トリフルオロ酢酸/塩化メチレンで処理した後、表記
のアミノ酸配列通り順に実施例1の方法に準じて上記の
ポリペプチド[Il]合成する。
【0027】
【参考例】 Met(O)17-PACAP27-NH2(H-His-Ser-Asp-Gl
y-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-
Met(O)-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-N
H2)の合成 PACAP27-NH2(10.15mg)を1N酢酸(1ml)に溶解し、氷冷下
に30%過酸化水素水(0.1ml)を加え10分間撹拌した後、20
%アスコルビン酸水溶液(2.3ml)を加えた。 これを1N酢
酸で充填したセファデックスG-25のカラム(2×85 cm)に
付し同溶媒で展開した。 102-156mlの画分を集めて凍
結乾燥し、白色粉末(9.25mg)を得た。 アミノ酸分析値 Asp 2.00(2), Thr 0.93(1), Ser 2.46(3), Glu 1.09
(1), Gly 1.01(1),Ala 3.11(3), Val 1.91(2), Ile 1.0
6(1), Leu 1.99(2), Tyr 2.36(3),Phe 1.03(1), Lys 2.
90(3), His 0.83(1), Arg 1.96(2) 質量分析による(M+H)+ 3163.6 HPLC溶出時間 20.4分 カラム条件 カラム:YMC ODS AM 301(4.6x100 cm) 溶離液:A液(0.1%-トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%-トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル)を用
いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 : 1.0 ml/分 。
【0028】
【試験例】副腎髄質由来の株化細胞PC12hを準牛胎児血
清10%を含むダルベッコ変法イーグル培地中37℃で培養
し、コラーゲン処理した48穴プレートに1穴あたり5×
104個の細胞をまき、7〜10日間培養した。 その後、
培地を500μlのハンクス平衡塩類溶液にかえ37℃で30分
間置き、ここへ、同じ溶液に溶解した被検体(実施例化
合物[Ia-f]、 PACAP38-NH2またはPACAP27-NH2)を加
え、37℃で2時間培養した。 次にこの培養液中のc-AM
Pの量をアマシャム社製c-AMP測定用キットを用いて測定
した。 その結果は図1に示した通りである。
【0029】
【0030】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:38 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys- 5 10 15 Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg- 20 25 30 Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-Lys 35。
【0031】配列番号:2 配列の長さ:27 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys- 5 10 15 Gln-Arg-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu 20 25。
【0032】配列番号:3 配列の長さ:27 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys- 5 10 15 Gln-Ser-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu 20 25。
【0033】配列番号:4 配列の長さ:27 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys- 5 10 15 Gln-Phe-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu 20 25。
【0034】配列番号:5 配列の長さ:27 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys- 5 10 15 Gln-Leu-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu 20 25。
【0035】配列番号:6 配列の長さ:27 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys- 5 10 15 Gln-Glu-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu 20 25。
【0036】配列番号:7 配列の長さ:27 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys- 5 10 15 Gln-Gly-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu 20 25。
【0037】配列番号:8 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys- 5 10 15 Gln-Arg-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val 20 25。
【0038】配列番号:9 配列の長さ:23 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys- 5 10 15 Gln-Arg-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu 20。
【0039】配列番号:10 配列の長さ:38 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys- 5 10 15 Gln-Arg-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg- 20 25 30 Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-Lys 35。
【0040】配列番号:11 配列の長さ:38 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys- 5 10 15 Gln-Ser-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg- 20 25 30 Tyr-Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-Lys 35。
【0041】配列番号:12 配列の長さ:27 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys- 5 10 15 Gln-Arg-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Ala-Ala-Val-Leu 20 25。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物[Ia−f]、 PACAP27-NH2およ
びPACAP38-NH2のc−AMP産生活性を比較して示した
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−22987(JP,A) 特開 平3−123798(JP,A) 特開 昭62−246595(JP,A) 米国特許4605641(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN) PubMed

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-Tyr-Ser-Arg-Ty
    r-Arg-Lys-Gln-NH-CHX-CO-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Y [式中、NH-CHX-COがGlu,Gly,SerまたはArg残
    基であり、YはLeu-Ala-Ala-Val-Leu-Gly-Lys-Arg-Tyr-
    Lys-Gln-Arg-Val-Lys-Asn-LysのN末端側から数えて1
    ないし16個のアミノ酸もしくはペプチドを示す]で表
    されるポリペプチドまたはそのアミド、エステルもしく
    は塩。
  2. 【請求項2】NH-CHX-COがSerまたはArg残基であ
    る請求項1記載のポリペプチドまたはそのアミド、エス
    テルもしくは塩。
  3. 【請求項3】NH-CHX-COがGlu残基である請求項
    1記載のポリペプチドまたはそのアミド、エステルもし
    くは塩。
  4. 【請求項4】YがLeu,Leu-Ala,Leu-Ala-Ala,Leu-Ala
    -Ala-ValまたはLeu-Ala-Ala-Val-Leuである請求項1記
    載のポリペプチドまたはそのアミド、エステルもしくは
    塩。
  5. 【請求項5】H-His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-
    Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-Arg-Ala-Val-Lys-Lys-Ty
    r-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-NH2で表わされる請求項1記載
    のポリペプチドまたはその塩。
  6. 【請求項6】H-His-Ser-Asp-Gly-Ile-Phe-Thr-Asp-Ser-
    Tyr-Ser-Arg-Tyr-Arg-Lys-Gln-Ser-Ala-Val-Lys-Lys-Ty
    r-Leu-Ala-Ala-Val-Leu-NH2で表わされる請求項1記載
    のポリペプチドまたはその塩。
  7. 【請求項7】請求項1に記載のポリペプチドまたはその
    アミド、エステルもしくは薬理学的に許容される塩を含
    有する神経賦活剤用医薬組成物。
  8. 【請求項8】請求項1に記載のポリペプチドまたはその
    アミド、エステルもしくは薬理学的に許容される塩を含
    有する神経障害治療剤または損傷神経修復剤用医薬組成
    物。
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