JPH06192293A - 環状ペンタペプチド,その製造法およびその用途 - Google Patents

環状ペンタペプチド,その製造法およびその用途

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JPH06192293A
JPH06192293A JP3148807A JP14880791A JPH06192293A JP H06192293 A JPH06192293 A JP H06192293A JP 3148807 A JP3148807 A JP 3148807A JP 14880791 A JP14880791 A JP 14880791A JP H06192293 A JPH06192293 A JP H06192293A
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ala
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glu
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JP3148807A
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Mitsuhiro Wakimasu
光廣 脇舛
Takashi Kikuchi
崇 菊地
Taiji Asami
泰司 浅見
Setsuo Harada
節夫 原田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エンドセリン受容体を選択的に阻害する新規物
質を見いだす。 【構成】一般式 Cyclo (−A−B−C−D−E−) [式中、AはD−酸性−α−アミノ酸残基を、Bおよび
DはL−α−アミノ酸残基を、CはD−中性−α−アミ
ノ酸残基を、Eは芳香環基を有するD−α−アミノ酸残
基を示す。ただし、Aが D-Glu でBが L-Ala でCが D
-aIle でDが L-Leu, L-Val または L-Nva であるか、
Aが D-Glu でBが L-Ala でCが D-Val または D-Leu
でDが L-Leu または L-Val であるか、Aが D-Glu で
Bが L-AlaでCが D-Nva でDが L-Val または L-Nva
であるとき、Eは D-Trp でなく、Aが D-Glu でBが L
-Ala でCが D-aIle でDが L-Leu であるとき、Eは D
-mTrpでない。]で表される環状ペンタペプチドまたは
その薬理学的に許容される塩。 【効果】本発明の環状ペンタペプチドまたはその薬理学
的に許容される塩は、強力なエンドセリン受容体拮抗作
用を有し、循環機能改善剤または心筋梗塞・急性腎不全
・ぜんそくの予防または治療薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高血圧治療剤、心・脳
循環疾患治療剤、腎疾患治療剤、ぜんそく治療剤等、医
薬として有用性が期待されるエンドセリン拮抗作用を有
する新規環状ペンタペプチド、その製造法およびその用
途に関する。
【0002】
【従来の技術】エンドセリン(ET)は、1988年、柳
沢らによりブタ大動脈内皮細胞の培養上清から単離・構
造決定された21個のアミノ酸から成る血管収縮性ペプ
チドである(柳沢ら、ネイチャー(Nature),332巻、
411〜412頁)。この後、エンドセリンをコードし
ている遺伝子の研究から、エンドセリンに構造の類似し
たペプチドの存在することが明らかにされ、それぞれエ
ンドセリン−1(ET−1)、エンドセリン−2(ET−
2)、エンドセリン−3(ET−3)と命名されている
が、その構造は以下の通りである(ET−1,2,3に
おける構成アミノ酸はすべてL体である)。
【化1】 〔井上ら、プロシージング・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー(Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA),86巻、2863〜2867
頁〕。上記エンドセリンファミリー系ペプチドは、生体
内に存在し、血管収縮作用を有していることから循環系
調節に関与する内因性因子であると予想され、高血圧
症、心・脳循環疾患(例えば心筋梗塞)、腎疾患(例えば
急性腎不全)との関係が推定されている。また、気管支
平滑筋収縮作用も有しており、ぜんそくとの関係も推定
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記エンドセリンファ
ミリー系ペプチドのアンタゴニストが得られれば該ペプ
チドの作用機作の解明に役立つのみならず、これらの疾
患の有効な治療薬になる可能性が大きいと考えられる。
これまで、発酵生産物より得られた、エンドセリンアン
タゴニスト作用を有する環状ペンタペプチドTAN−1
462A,B,TAN−1477C,D,E,F,G,
H,I,JおよびKについて出願がされているが(特願
平2−413828および特願平3−126160)、
同様のあるいはそれ以上の効果を有する新規環状ペンタ
ペプチド誘導体を提供することが本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、エンドセ
リンによる強力な血管平滑筋収縮活性を抑制する作用を
指標として鋭意研究を進め、種々の環状ペンタペプチド
を合成した結果、新規環状ペンタペプチド誘導体に顕著
なエンドセリン拮抗作用のあることを見いだし、本発明
を完成したものである。すなわち本発明は、 1.一般式 Cyclo (−A−B−C−D−E−) (I) [式中、AはD−酸性−α−アミノ酸残基を、Bおよび
DはL−α−アミノ酸残基を、CはD−中性−α−アミノ
酸残基を、Eは芳香環基を有するD−α−アミノ酸残基
を示す。ただし、Aが D-Glu でBが L-Ala でCが D-a
Ile でDが L-Leu,L-Val または L-Nva であるか、Aが
D-Glu でBが L-Ala でCが D-Val または D-Leu でD
が L-Leu または L-Val であるか、Aが D-Glu でBが
L-Ala でCが D-Nva でDが L-Val または L-Nva であ
るとき、Eは D-Trp でなく、AがD-Glu でBが L-Ala
でCが D-aIle でDが L-Leu であるとき、Eは D-mTrp
でない。]で表される環状ペンタペプチドまたはその薬
理学的に許容される塩、
【0005】2.一般式 H−(X)−OH (II) [式中、Xは−A−B−C−D−E−,−B−C−D−
E−A−,−C−D−E−A−B−,−D−E−A−B
−C−または−E−A−B−C−D−を示し、A,B,
C,DおよびEは請求項1の記載と同意義を有する。]
で表されるペプチドまたは該ペプチドの反応性誘導体を
環化剤で処理し、必要に応じて保護基の脱離反応に付す
ことを特徴とする一般式(I)で表される環状ペンタペプ
チドまたはその薬理学的に許容される塩の製造法およ
び、
【0006】3.一般式(I)で表される環状ペンタペプ
チドまたはその薬理学的に許容される塩を含有してなる
エンドセリン受容体拮抗剤に関する。上記一般式(I)に
おいて、Aで表されるD−酸性−α−アミノ酸残基を構
成するアミノ酸としては、例えば、側鎖にカルボキシル
基またはスルホニル基のような酸性基を有するアミノ酸
が挙げられ、さらにその具体例として、グルタミン酸、
アスパラギン酸、システイン酸等が挙げられる。上記一
般式(I)において、BおよびDで表されるL−α−アミ
ノ酸残基を構成するアミノ酸としては、例えば、グリシ
ン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、イソロ
イシン、t−ロイシン、ノルロイシン、メチオニン、α
−アミノ酪酸、セリン、スレオニン、フエニルアラニ
ン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニ
ン、チロシン、プロリン等、通常一般に知られるアミノ
酸が挙げられる。上記一般式(I)において、Cで表され
るD−中性−α−アミノ酸残基を構成するアミノ酸とし
ては、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、アロ
イソロイシン、ノルロイシン、フェニルグリシン、t−
ロイシン、γ−メチルロイシン等が挙げられる。上記一
般式(I)において、Eで表される芳香環状基を有するD
−α−アミノ酸残基を構成するアミノ酸としては、例え
ば、側鎖に芳香環基を有するアミノ酸が挙げられ、その
具体例として、トリプトファン、5−メチルトリプトフ
ァン、フェニルアラニン、チロシン、1−ナフチルアラ
ニン、2−ナフチルアラニン、Nin−ホルミルトリプト
ファン等が挙げられる。
【0007】本明細書において、アミノ酸およびペプチ
ドなどを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Co
mmision on Biochemical Nomenclature による略号ある
いは当該分野における慣用略号に基づくものであり、そ
の例を下記する。 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Nva :ノルバリン Ile :イソロイシン aIle :アロイソロイシン Leu :ロイシン tLeu :ターシャリーロイシン γMeLeu :ガンマメチルロイシン Met :メチオニン Arg :アルギニン Lys :リジン His :ヒスチジン Asp :アスパラギン酸 Glu :グルタミン酸 Ser :セリン Thr :スレオニン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン mTrp :5−メチルトリプトファン Phg :フェニルグリシン Nal (1) :1−ナフチルアラニン Nal (2) :2−ナフチルアラニン また本文中で常用される保護基および試薬を下記の略号
で表記する。 Boc :t−ブトキシカルボニル Bzl :ベンジル BrZ :2−ブロムベンジルオキシカルボニル ClZ :2−クロルベンジルオキシカルボニル Tos :p−トルエンスルホニル For :ホルミル OBzl :ベンジルエステル OPac :フェナシルエステル ONB :HONBエステル TFA :トリフルオロ酢酸 TEA :トリエチルアミン IBCF :イソブチルクロロホルメート DMF :N,N−ジメチルホルムアミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド DCU :N,N’−ジシクロヘキシルウレア HONB :N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,
3−ジカルボキシミド HOBt :1−ハイドロキシベンゾトリアゾール DCM :ジクロルメタン THF :テトラヒドロフラン
【0008】本発明の環状ペンタペプチド(I)の薬理学
的に許容される塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、
カルシウム塩、マグネシウム塩や、塩酸塩、硫酸塩、リ
ン酸塩などの無機酸付加塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、
クエン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、蓚酸塩などの有機
酸塩等が挙げられる。本発明の環状ペンタペプチド(I)
は、ペプチド合成の常套手段で製造しうる。即ち、液相
合成法、固相合成法のいずれによってもよいが、液相合
成法が好ましい場合もある。そのようなペプチド合成の
手段は、任意の公知の方法に従えばよく、たとえば、M.
Bodansky および M. A. Ondetti 著、ペプチド・シン
セシス(Peptide Synthesis)、インターサイエンス、ニ
ューヨーク、1966年;F. M.Finn および K. Hofman
n 著、ザ・プロテインズ(The Proteins)、第2巻、H. N
enrath、R. L. Hill 編集、アカデミックプレスイン
ク、ニューヨーク、1976年;泉屋信夫他著「ペプチ
ド合成の基礎と実験」丸善(株)1985年;矢島治明、
榊原俊平他著、生化学実験講座1、日本生化学会編、東
京化学同人1977年;木村俊他著、続生化学実験講座
2、日本生化学会編、東京化学同人1987年;J. M.
Stewart および J. D. Young 著、ソリッド フェイズ
ペプチド シンセシス(Solid Phase Peptide Synthes
is)、ピアスケミカルカンパニー、イリノイ、1984
年などに記載された方法、たとえばアジド法、クロライ
ド法、酸無水物法、混酸無水物法、DCC法、活性エス
テル法、ウッドワード試薬Kを用いる方法、カルボニル
イミダゾール法、酸化還元法、DCC/HONB法、B
OP試薬を用いる方法などが挙げられる。
【0009】本発明の環状ペンタペプチド(I)は、その
ペプチド結合の任意の位置で2分される2種のフラグメ
ントの一方に相当する反応性カルボキシル基を有する原
料と、他方のフラグメントに相当する反応性アミノ基を
有する原料をペプチド合成の常套手段で縮合させ、つい
で生成物のC末端αカルボキシル基およびN末端αアミ
ノ基の保護基を同時にまたは段階的に除去したのちこの
両者を公知の縮合方法により分子内で縮合し環状化合物
を得、さらに生成物が保護基を有する場合、その保護基
を常套手段で脱離することにより製造しうる。
【00010】原料の反応に関与すべきでない官能基の
保護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に
関与する官能基の活性化などもまた公知のものあるいは
手段から適宜選択しうる。原料のアミノ基の保護基とし
ては、たとえばカルボベンゾキシ、t−ブチルオキシカ
ルボニル、t−アミルオキシカルボニル、イソボルニル
オキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボ
ニル、2−クロルベンジルオキシカルボニル、アダマン
チルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタリ
ル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフ
ェニルホスフィノチオイル、9−フルオレニルメチルオ
キシカルボニルなどが挙げられる。カルボキシル基の保
護基としては、たとえばアルキルエステル(例、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオク
チル、2−アダマンチルなどのエステル基)、ベンジル
エステル、4−ニトロベン ジルエステル、4−メトキ
シベンジルエステル、4−クロロベンジルエステル、ベ
ンズヒドリルエステル、フェナシルエステル、カルボベ
ンゾキシヒドラジド、t−ブチルオキシカルボニルヒド
ラジド、トリチルヒドラジドなどが挙げられる。
【0011】セリンの水酸基は、たとえばエステル化ま
たはエーテル化によって保護することができる。このエ
ステル化に適する基としてはたとえばアセチル基などの
低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、
ベンジルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル
基などの炭酸から誘導される基などがあげられる。また
エーテル化に適する基としては、たとえばベンジル基、
テトラヒドロピラニル基、t−ブチル基などである。し
かしながら、セリンの水酸基は必ずしも保護する必要は
ない。チロシンのフェノール性水酸基の保護基として
は、たとえば、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、
2−ニトロベンジル、2−ブロモベンジルオキシカルボ
ニル、t−ブチルなどが挙げられるが、必ずしも保護す
る必要はない。メチオニンはスルホキサイドの形で保護
しておいてもよい。ヒスチジンのイミダゾールの保護基
としては、p−トルエンスルホニル,4−メトキシ−
2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル,2,4−ジ
ニトロフェニル,ベンジルオキシメチル,t−ブトキシ
メチル,t−ブトキシカルボニル,トリチル,t−ブト
キシカルボニル,トリチル,9−フルオレニルメチルオ
キシカルボニルなどがあげられるが、必ずしも保護する
必要はない。トリプトファンのインドールの保護基とし
ては、ホルミル,2,4,6−トリメチルベンゼンスルホ
ニル,2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホニル,4
−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニ
ル,β,β,β−トリクロルエチルオキシカルボニル,
ジフェニルホスフィノチオイルなどがあげられるが、必
ずしも保護する必要はない。
【0012】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば対応する酸無水物、アジド,活性エス
テル[アルコール(例、ペンタクロロフェノール,2,
4,5−トリクロロフェノール,2,4−ジニトロフェノ
ール,シアノメチルアルコール,p−ニトロフェノー
ル,N−ハイドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボキシイミド,N−ハイドロキシスクシミド,N−
ハイドロキシフタルイミド,N−ハイドロキシベンズト
リアゾール)とのエステル]などがあげられる。原料の
アミノ基の活性化されたものとしては、例えば対応する
リン酸アミドがあげられる。縮合反応は溶媒の存在下に
行うことができる。溶媒としては、ペプチド縮合反応に
使用しうることが知られているものから適宜選択されう
る。例えば無水又は含水のジメチルホルムアミド,ジメ
チルスルホキサイド,ピリジン,クロロホルム,ジオキ
サン,ジクロロメタン,テトラハイドロフラン,アセト
ニトリル,酢酸エチル,N−メチルピロリドンあるいは
これらの適宜の混合物などがあげられる。反応温度は、
ペプチド結合形成反応に使用されうることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜30℃の範
囲から適宜選択される。
【0013】分子内環化反応はペプチドの任意の位置で
公知の方法で行なうことができる。例えば、まず保護さ
れたペンタペプチドのC末端アミノ酸のC−α−カルボ
キシ保護基を公知の方法で脱離しついでこれを公知の方
法で活性化したのちN末端アミノ酸のN−α−アミノ保
護基を公知の方法で脱離するとともに分子内で環化する
こともできる。あるいは保護されたペンタペプチドのC
末端アミノ酸のC−α−カルボキシル保護基およびN末
端アミノ酸のN−α−アミノ保護基を同時に脱離したの
ち公知の縮合反応により分子内で環化してもよい。また
分子内環化反応は高度希釈下で行なったほうが好ましい
場合もある。保護基の脱離方法としては、例えばPd 黒
あるいはPd 炭素等の触媒の存在下での水素気流中での
接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸
あるいはこれらの混合液等による酸処理や、また液体ア
ンモニア中ナトリウムによる還元等もあげられる。上記
酸処理による脱離基反応は、一般に−20℃〜40℃の
適温でおこなわれるが、酸処理においては、アニソー
ル、フェノール、チオアニソール、m-クレゾール、p-ク
レゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオ
ール、1,2−エタンジチオールのごときカチオン補足
剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾー
ル保護基としてもちいられる2,4−ジニトロフェニル
基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファ
ンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上
記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオー
ル等の存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナ
トリウム、希アンモニア等によるアルカリ処理によって
も除去される。
【0014】このようにして製造された環状ペンタペプ
チド(I)は反応終了後、ペプチドの分離手段、例えば、
抽出,分配,再沈殿,再結晶,カラムクロマトグラフィ
ー,高速液体クロマトグラフィーなどによって採取され
る。本発明の環状ペンタペプチド(I)は自体公知の方法
によりナトリウム塩,カリウム塩,カルシウム塩,マグ
ネシウム塩などの塩や、酸付加塩、とりわけ薬理学的に
許容される酸付加塩としても得ることができ、たとえ
ば、無機酸(例、塩酸,硫酸,リン酸)あるいは有機酸
(例、酢酸,プロピオン酸,クエン酸,酒石酸,リンゴ
酸,蓚酸,メタンスルホン酸)などの塩があげられる。
【0015】次に、本発明の環状ペンタペプチドの薬理
作用について述べる。 (1)ブタ冠動脈平滑筋に対する収縮抑制作用の測定 外膜結合組織を除去した冠動脈右回旋枝から作製した2
×15mmの螺旋条片を、4mlのマグヌス装置に固定し、
その張力を変重・変位変換器UL−10GR(ミネベア
社)により検出し、ポリグラフ(日本電気三栄)により記
録した。マグヌス 装置は37℃に保ち、O2 95%,
CO2 5%混合ガスで飽和したクレブス−ヘンゼライト
液(組成〔mM〕:NaCl 118,KCl 4.7,CaCl2
2.5,KH2PO4 1.2,NaHCO3 25.0,MgS
4 1.2,Glucose 10.0)で満た した。条片は1.
25−1.5gの張力をかけ、1.5時間平衡化し、収縮
応答が一定となるまで30分間隔で60mM KCl 投与
を繰り返し、さらに1.5時間平衡化した後、測定試料
の投与を行なった。条片の収縮は、個々の条片の60m
M KCl に対する収縮応答で正規化して統計処理し
た。抑制作用の測定は、所定の濃度の化合物投与の約1
5分後に、10-9Mのエンドセリン−1を投与し、その
収縮のコントロールとの比較で行なった。その結果を表
1に示す。
【表1】 ──────────────────────────────── 実施例 サ ン プ ル ET-1に対する抑制作用 番 号 (Control-Sample)/Control×100 ──────────────────────────────── 1 [D-Asp1]-TAN-1462A 58.1% 2 [Asp2]-TAN-1462A 45.2% 6 [D-Asp1,Asp2]-TAN-1477D 63.8% ──────────────────────────────── Control:10-9M ET−1による収縮 Sample :サンプル3×10-5M存在下の10-9M ET
−1による収縮 本発明の新規環状ペンタペプチド〔I〕およびその塩の
一部のものは、ブタ冠動脈平滑筋において、エンドセリ
ンによる収縮を抑制する作用を示したが、このような例
は未だ報告されていない。したがって、本発明のペプチ
ド誘導体〔I〕またはその塩の一部のものは、哺乳動物
(例、マウス、ラット、ウサギ、犬、ネコ、ブタ、ヒト
等)の高血圧症、心筋梗塞あるいは急性腎不全等の治療
に用いることができる。
【0016】(2)本発明環状ペンタペプチドの、エンド
セリンレセプターへの結合活性を測定した結果を比較例
と共に表2に示す。なおレセプターの結合活性測定法は
以下の通りである。レセプター結合アッセイ ブタの心臓より調製した膜画分をアッセイ用緩衝液を用
いて0.15mg/mlに希釈し、これを100μl ずつア
ッセイチューブに分注しアッセイに用いる。この膜画分
懸濁液に、5μMの放射性ヨードで標識したエンドセリ
ン−1溶液を2μl 、さらに被検ペプチド溶液を3μl
加えて、1時間25℃で保温した。この後、膜画分懸濁
液を氷冷したアッセイ用緩衝液900μl で希釈した
後、12,000×g、10分間遠心して上清と沈さに
分離した。沈さには細胞膜とこれに埋め込まれたエンド
セリンレセプターが含まれ、レセプターに結合した放射
性ヨード標識エンドセリンも沈さに回収される。従っ
て、この沈さの放射性ヨードをガンマ線計測機により測
定することにより、エンドセリンレセプターに結合した
放射性ヨード標識エンドセリン量を定量した。
【表2】 ────────────────────────── 実施例 化 合 物 結合活性(*1) 番 号 比 活 性 ────────────────────────── TAN-1462A 1.00(*2) 1 [D-Asp1]-TAN-1462A 26.6 2 [Asp2]-TAN-1462A 2.70 3 [D-tLeu3]-TAN-1462A 2.44 4 [D-γMeLeu3]-TAN-1462A 1.54 5 [D-Phg3]-TAN-1462A 1.27 6 [D-Asp1,Asp2]-TAN-1477D 22.8 ────────────────────────── *1 ブタ心筋膜画分 *2 IC50=1.10×10-6M 本発明の化合物、例えば化合物 Cyclo(−D−Asp−Ala
−D−aIle−Leu−D−Trp−)は、マウスを用いた急性
毒性試験(LD50)において、経口投与では200mg/kg
以上、腹腔内投与では100−200mg/kgであった。
以上のように本発明の新規環状ペンタペプチド〔I〕ま
たはその塩はエンドセリンのアンタゴニストとしての性
質を有し、循環機能改善剤、血管拡張剤またはぜんそく
治療剤として用いることができる。
【0017】
【作用・効果】本発明の新規な環状ペンタペプチドは、
エンドセリンアンタゴニストとしてエンドセリンの血管
収縮活性の抑制に顕著な効果を奏する。そのため本発明
の新規な環状ペンタペプチドもしくはその塩は、循環機
能改善剤または心筋梗塞・急性腎不全等の治療剤または
ぜんそく治療剤として用いることができる。本発明のペ
プチドを上記治療薬として用いる場合、そのままあるい
は薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合
し、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、注射剤、座剤、軟
膏剤、徐放型製剤などの剤型で経口的または非経口的に
安全に投与することができる。本発明の誘導体は主とし
て非経口的に投与(例、静脈あるいは皮下注射、脳室内
あるいは脊髄内投剤、経鼻投与、直腸投与)されるが、
場合によっては経口投与されることもある。
【0018】本発明の誘導体は物質として安定であるた
め生理食塩水の溶液として保存できるが、マンニトー
ル、ソルビトールを添加して凍結乾燥アンプルとし、使
用時に溶解することもできる。本発明のペプチド誘導体
は、遊離体としてあるいはそのアルカリ付加塩または酸
付加塩として投与され得る。その投与量は、誘導体
〔I〕の遊離体、アルカリ付加塩、酸付加塩ともに、遊
離体の量として、一般に体重1kg当り1μg〜100mg
の範囲の適量である。さらに詳述すれば、投与量は対象
疾患、症状、投与対象、投与方法などによっても異なる
が、たとえば成人の高血圧症患者に対して注射で投与す
る場合、通常薬効成分〔化合物(1)〕1回量として1μ
g/kg〜100mg/kg 体重程度を1日1回〜3回程度投
与するのが好都合である。また、点滴でも効果があり、
点滴の場合の全投与量は注射の場合と同じである。この
ペプチドを治療剤として用いる場合には、注意深く精製
を行ない細菌や発熱物質が存在しないように注意しなけ
ればならない。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例のグリシン以外のアミノ酸は
特記されているものを除いてすべてL体である。以下
〔表3〕に発酵生産物であるTAN−1462A,B、
TAN−1477C〜Kの化学構造を示す。構成アミノ
酸の命名順序は D-Glu を1位とする。
【表3】 ─────────────────────────── 1 2 3 4 5 ─────────────────────────── TAN-1462A Cyclo(-D-Glu-Ala-D-aIle-Leu-D-Trp-) TAN-1462B Cyclo(-D-Glu-Ala-D-Val- Leu-D-Trp-) TAN-1477C Cyclo(-D-Glu-Ala-D-aIle-Val-D-Trp-) TAN-1477D Cyclo(-D-Glu-Ala-D-Leu- Leu-D-Trp-) TAN-1477E Cyclo(-D-Glu-Ala-D-Leu- Val-D-Trp-) TAN-1477F Cyclo(-D-Glu-Ala-D-Val- Val-D-Trp-) TAN-1477G Cyclo(-D-Glu-Ala-D-Nva- Val-D-Trp-) TAN-1477H Cyclo(-D-Glu-Ala-D-Nva- Nva-D-Trp-) TAN-1477J Cyclo(-D-Glu-Ala-D-aIle-Nva-D-Trp-) TAN-1477K Cyclo(-D-Glu-Ala-D-aIle-Leu-D-mTrp-) ─────────────────────────── 実施例で用いた薄相クロマトグラフィーのプレートはメ
ルク社製品(SILICAGEL60F-254)を用い、展開溶媒として
は、Rf1:クロロホルム−メタノール(19:1)、Rf
2:クロロホルム−メタノール−酢酸(9:1:0.5)
を用いた。
【0020】実施例1 [D-Asp1]-TAN-1462A の製造 (I) Boc-D-aIle-Leu-OBzl の製造 Boc-D-aIle-OH・CHA 16.5gにAcOEt,水と1N H2
4 60mlを加え震とうし、AcOEt層を水洗後Na2SO4
で乾燥、濃縮し、残留物を得た。これとH-Leu-OBzl・pT
os 21.6gをDMF 100mlに溶かして氷冷し、T
EA 11.6ml,HOBt 7.4g,DCC 11.4g
を加えて一夜かき混ぜた。生成したDCU をろ別し、
ろ液を濃縮し、残留物をAcOEtに溶かしこれを4%NaH
CO3水、1 0%クエン酸水で洗浄し、水洗後、Na2
4で乾燥、濃縮し、残留物にエーテ ルを加えて沈澱と
してろ取した。 収量 21.1g(収率97.1%) m.p. 109−110℃ Rf2 0.82 [α]D 25 −10.4゜(c=0.93,DMF中) 元素分析 C243825として 計算値:C, 66.33; H, 8.81; N, 6.45 実験値:C, 66.54; H, 9.03; N,6.49
【0021】(II) Boc-D-aIle-Leu-OPac の製造 Boc-D-aIle-Leu-OBzl 21.1gをメタノール500m
lに溶かし、10%Pd−炭素を触媒として水素気流下接
触還元した。触媒をろ別した後濃縮し、残留物とCs2
3 7.9gを90%MeOH水に溶かし、濃縮し、残留
物をDMF 200mlに溶かし、Phenacyl Bromide 1
0.6gを加えて一夜かき混ぜた。生成したTEA塩酸
塩をろ別し、ろ液を濃縮し、残留物をAcOEtに溶かしこ
れを4%NaHCO3水、10%クエン酸水で洗浄し、水
洗後、Na2SO4で乾燥、濃縮し、残留物にエーテルを
加えて沈澱としてろ取した。 収量 22.2g(収率98.7%) m.p. 116−117℃ Rf2 0.79 [α]D 25 −17.6゜(c=0.93,DMF中) 元素分析 C253826として 計算値:C, 64.91; H, 8.28; N, 6.06 実験値:C, 65.17; H, 8.68; N,6.13
【0022】(III) Boc-Ala-D-aIle-Leu-OPac の製造 Boc-D-aIle-Leu-OPac 7.40gにTFA 80mlを加え
て溶かした後濃縮し、残留物をAcOEtに溶かし、4%Na
HCO3水で洗浄し、Na2SO4で乾燥、濃縮した。これ
をDMF 80mlに溶かして氷冷し、TEA 2.2mlを
加えた後Boc-Ala-ONB(Boc-Ala-OH 3.33g,HONB
3.48g,DCC 4.00gより調製)を加え一夜か
き混ぜた。これに(CH3)2N(CH2)3NH2 0.66mlを加え3
0分間振り混ぜた後濃縮し、残留物をAcOEtに溶かし、
これを4%NaHCO3水、10%クエン酸水で洗浄し、
水洗後、Na2SO4で乾燥、濃縮し、残留物にエーテル
を加えて沈澱としてろ取した。 収量 7.80g(収率91.4%) m.p. 154−155℃ Rf2 0.69 [α]D 25 −33.1゜(c=1.01,DMF中) 元素分析 C284337として 計算値:C, 63.01; H, 8.12; N, 7.87 実験値:C, 63.33; H, 8.24; N,7.69
【0023】(IV) Boc-D-Asp(OBzl)-Ala-D-aIle-Leu-OP
ac の製造 Boc-Ala-D-aIle-Leu-OPac 1.71gにTFA 20mlを
加えて溶かした後濃縮し、8N−HCl/ジオキサン1.
0mlを加え、エーテルを加えて析出した結晶をろ取し、
乾燥した。これをDMF 20mlに溶かして氷冷し、T
EA0.67mlを加えた。これに、Boc-D-Asp(OBzl)-ONB
(Boc-D-Asp(OBzl)-OH 1.14g,HONB 0.69
g,DCC 0.80gより調製)を加え一夜かき混ぜた
後濃縮し、残留物に水を加えて沈澱としてろ取した。こ
れをDMFに溶かし、不溶物をろ別した後濃縮し、残留
物にエーテルを加えて沈澱としてろ取した。 収量 2.00g(収率84.6%) m.p. 154−155℃ Rf2 0.68 [α]D 25 −2.1゜(c=0.94,DMF中) 元素分析 C3954410として 計算値:C, 63.39; H, 7.37; N, 7.58 実験値:C, 63.51; H, 7.45; N,7.52
【0024】(V) Boc-D-Trp-D-Asp(OBzl)-Ala-D-aIle
-Leu-OPac の製造 Boc-D-Asp(OBzl)-Ala-D-aIle-Leu-OPac 1.70gにT
FA 20mlを加えて溶かした後濃縮し、8N−HCl/
ジオキサン0.7mlを加え、エーテルを加えて析出した
結晶をろ取し、乾燥した。これをDMF 15mlに溶か
して氷冷し、TEA 0.48mlを加えた。これに、Boc-
D-Trp-ONB(Boc-D-Trp-OH 0.84g,HONB 0.54
g,DCC 0.63gより調製)を加え一夜かき混ぜた
後濃縮し、残留物に水を加えて沈澱としてろ取した。こ
れをDMFに溶かし、不溶物をろ別した後濃縮し、残留
物にエーテルを加えて沈澱としてろ取した。 収量 1.72g(収率80.8%) m.p. 189−190℃ Rf2 0.66 [α]D 25 3.9゜(c=0.90,DMF中) 元素分析 C5064611として 計算値:C, 64.91; H, 6.97; N, 9.08 実験値:C, 64.84; H, 6.78; N,9.13
【0025】(VI) Boc-D-Trp-D-Asp(OBzl)-Ala-D-aIle-
Leu-OH の製造 Boc-D-Trp-D-Asp(OBzl)-Ala-D-aIle-Leu-OPac 1.48
gをAcOH 40mlに溶かし、Zn 粉末5.23gを加
えて3時間かき混ぜた。Zn 粉末をろ別し、ろ液を濃縮
した。残留物にAcOEtを加えて溶かし、10%クエン酸
で洗浄し、水洗した後Na2SO4で乾燥し、濃縮し、残
留物にエーテルを加えて沈澱としてろ取した。 収量 1.14g(収率88.3%) m.p. 128−130℃ Rf2 0.64 [α]D 25 11.6゜(c=1.02,DMF中) 元素分析 C4266610として 計算値:C, 62.51; H, 7.24; N, 10.41 実験値:C, 62.68; H, 7.33; N,10.27
【0026】(VII) Cyclo(−D−Asp−
Ala−D−aIle−Leu−D−Trp−)
([D−Asp]−TAN−1462A)の製造 Boc-D-Trp-D-Asp(OBzl)-Ala-D-aIle-Leu-OH 0.81g
をDCM 20mlに溶かして氷冷し、HONB 0.36
g,DCC 0.41gを加えて3時間かき混ぜた後、生
成したDCUをろ別し、濃縮し、残留物にエーテルを加
えて沈澱としてろ取した。これに氷冷下、エタンジチオ
ール0.17ml,8N−HCl/ジオキサン20mlを加え
て溶かした後10分間かき混ぜて、濃縮し、残留物にエ
ーテルを加えて沈澱としてろ取し、乾燥した。これをD
MF 20mlに溶かし、TEA 1.4mlを含むDMF 2
00ml中に、30分かけて滴下した後、一夜かき混ぜて
濃縮した。残留物にアセトニトリルを加えて沈澱として
ろ取し、乾燥した。これのうち0.50gをDMF 20
mlに溶かし、Pd−炭素を触媒として、水素気流下接触
還元を行なった。触媒をろ別した後濃縮し、残留物を少
量のAcOHに溶かした後、水を加えて、凍結乾燥し
た。さらに、これをワイエムシー社製YMC−D−OD
S−5(2cm×25cm)のカラムを用いる分取液体クロマ
トグラフィーで精製し、目的物を得た。 収量 19.4mg(収率4.0%) アミノ酸分析値(110℃,24時間加水分解;( )内
は理論値を示す。):Asp 1.00(1);Ala 0.99(1);Leu
0.83(1) LSIMS(M+H+)=599 (理論値)=599
【0027】実施例2 [Asp2]-TAN-1462A の製造 (I) Boc-Asp(OBzl)-D−aIle-Leu-OPac の製造 実施例1(II)で調製したBoc-D-aIle-Leu-OPac 1.85
gにTFA 15mlを加えて溶かした後濃縮し、残留物
をAcOEtに溶かし、4%NaHCO3水で洗浄し、Na2
4で乾燥、濃縮した。これをDMF 15mlに溶かして
氷冷し、Boc-Asp(OBzl)-ONB(Boc-Asp(OBzl)-OH 1.42
g,HONB 0.87g,DCC 1.00gより調製)を
加え一夜かき混ぜた。これに(CH3)2N(CH2)3NH2 0.17
mlを加え30分間振り混ぜた後濃縮し、残留物をAcOEt
に溶かし、これを4%NaHCO3水、10%クエン酸水
で洗浄し、水洗後、Na2SO4で乾燥、濃縮し、残留物
にエーテルを加えて沈澱としてろ取した。 収量 2.42g(収率90.6%) m.p. 116−117℃ Rf2 0.75 [α]D 25 −40.1゜(c=1.02,DMF中) 元素分析 C364939として 計算値:C, 64.75; H, 7.40; N, 6.29 実験値:C, 64.86; H, 7.63; N,6.55
【0028】(II) Boc-D-Glu(OBzl)-Asp(OBzl)-D-aIle-
Leu-OPac の製造 Boc-Asp(OBzl)-D-aIle-Leu-OPac 2.27gにTFA 2
0mlを加えて溶かした後濃縮し、8N−HCl/ジオキ
サン1.1mlを加え、エーテルを加えて析出した結晶を
ろ取し、乾燥した。これをDMF 15mlに溶かして氷
冷し、TEA 0.62mlを加えた。これに、Boc-D-Glu
(OBzl)-ONB(Boc-D-Glu(OBzl)-OH 1.26g,HONB
0.74g,DCC 0.85gより調製)を加え一夜かき
混ぜた後濃縮し、残留物に水を加えて沈澱としてろ取し
た。これをDMFに溶かし、不溶物をろ別した後濃縮
し、残留物にエーテルを加えて沈澱としてろ取した。 収量 2.79g(収率92.5%) m.p. 155−156℃ Rf2 0.71 [α]D 25 −24.4゜(c=1.01,DMF中) 元素分析 C4862412として 計算値:C, 64.99; H, 7.05; N, 6.32 実験値:C, 65.02; H, 7.14; N,6.42
【0029】(III) Boc-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Asp(OBzl)-
D-aIle-Leu-OPac の製造 Boc-D-Glu(OBzl)-Asp(OBzl)-D-aIle-Leu-OPac 2.40
gにTFA 20mlを加えて溶かした後濃縮し、エーテ
ルを加えて析出した結晶をろ取し、乾燥した。これをD
MF 15mlに溶かして氷冷し、TFA 0.57mlを加
えた。これに、Boc-D-Trp-ONB(Boc-D-Trp-OH 0.90
g,HONB 0.59g,DCC 0.67gより調製)
を加え一夜かき混ぜた後濃縮し、残留物に水を加えて沈
澱としてろ取した。これをDMFに溶かし、不溶物をろ
別した後濃縮し、残留物にエーテルを加えて沈澱として
ろ取した。 収量 2.35g(収率81.1%) m.p. 164−165℃ Rf2 0.67 [α]D 25 −18.8゜(c=0.99,DMF中) 元素分析 C5972613として 計算値:C, 66.03; H, 6.76; N, 7.83 実験値:C, 65.90; H, 6.72; N,7.77
【0030】(IV) Boc-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Asp(OBzl)-D
-aIle-Leu-OH の製造 Boc-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Asp(OBzl)-D-aIle-Leu-OPac
2.15gをAcOH50mlに溶かし、Zn 粉末6.54
gを加えて3時間かき混ぜた。Zn 粉末をろ別し、ろ液
を濃縮した。残留物にAcOEtを加えて溶かし、10%ク
エン酸で洗浄し、水 洗した後Na2SO4で乾燥し、濃縮
し、残留物にエーテルを加えて沈澱としてろ 取した。 収量 1.74g(収率91.1%) m.p. 175−176℃ Rf2 0.62 [α]D 25 −19.1゜(c=1.13,DMF中) 元素分析 C5166612として 計算値:C, 64.13; H, 6.97; N, 8.80 実験値:C, 64.36; H, 7.09; N,8.89
【0031】(V) Cyclo(-D-Glu-Asp-D-aIle-Leu-D-Trp
-) ([Asp2]-TAN-1462A)の製造 Boc-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Asp(OBzl)-D-aIle-Leu-OH 0.
95gをDCM 20mlに溶かして氷冷し、HONB
0.36g,DCC 0.41gを加えて3時間かき混ぜ
た後、生成したDCUをろ別し、濃縮し、残留物にエー
テルを加えて沈澱としてろ取した。これに氷冷下、エタ
ンジチオール0.17ml,8N−HCl/ジオキサン20
mlを加えて溶かした後10分間かき混ぜて、濃縮し、残
留物にエーテルを加えて沈澱としてろ取し、乾燥した。
これをDMF 20mlに溶かし、TEA 1.4mlを含むD
MF 200ml中に、30分かけて滴下した後、一夜か
き混ぜて濃縮した。残留物にアセトニトリルを加えて沈
澱としてろ取し、乾燥した。これのうち0.50gをD
MF 20mlに溶かし、Pd−炭素を触媒として、水素気
流下接触還元を行なった。触媒をろ別した後濃縮し、残
留物を少量のAcOHに溶かした後、水を加えて、凍結
乾燥した。 収量 328mg(収率 63.7%) アミノ酸分析値(110℃,24時間加水分解;( )内
は理論値を示す。):Asp 1.00(1);Glu 1.06(1);Leu
0.86(1) LSIMS(M+H+)=657 (理論値)=657
【0032】実施例3 [D-tLeu3]-TAN-1462A の製造 (I) Boc-Ala-OPac の製造 Boc-Ala-OH 28.4gとCs2CO3 24.5gを90%
MeOH水に溶かし、濃縮し、残留物をDMF 450ml
に溶かし、Phenacyl Bromide 32.9gを加えて一夜か
き混ぜた。生成するTEA塩酸塩をろ別し、ろ液を濃縮
し、残留物をAcOEtに溶かしこれを4%NaHCO3水、
10%クエン酸水で洗浄し、水洗後、Na2SO4で乾
燥、濃縮し、残留物にエーテルを加えて沈澱としてろ取
した。 収量 42.4g(収率91.9%) m.p. 123℃ Rf1 0.72 Rf2 0.74 [α]D 28 −46.1゜(c=1.36,DMF中) 元素分析 C1621NO5として 計算値:C, 62.53; H, 6.89; N, 4.56 実験値:C, 62.94; H, 6.87; N,4.63
【0033】(II) Boc-D-Glu(OBzl)-Ala-OPac の製造 Boc-D-Glu(OBzl)-OH 2.02gをTHFに溶かし、これ
をかき混ぜながら−15℃に冷やした。N−メチルモル
ホリン0.66mlを加え、次にIBCF 0.80mlを加
えた。2分後HCl・H-Ala−OPac とN−メチルモルホ
リン0.66mlのDMF溶液を加える(HCl・H-Ala−OP
ac は Boc-Ala-OPac 1.84gにTFA20mlを加えて溶
かした後濃縮し、8N−HCl/ジオキサン1.95mlを
加え、エーテルを加えて析出する結晶をろ取し、乾燥す
ることにより得た)。−15℃で30分かき混ぜた後、
室温に戻す。30分後、不溶物をろ別した後濃縮し、残
留物をAcOEtに溶かしこれを水、10%クエン酸水、4
%NaHCO3水で洗浄し、水洗後、Na2SO4で乾燥、
濃縮し、AcOEt−石油エーテルから再結晶する。 収量 2.63g(収率83.2%) m.p. 128℃ Rf1 0.54 Rf2 0.65 [α]D 28 −13.0゜(c=1.19,DMF中) 元素分析 C283428として 計算値:C, 63.87; H, 6.51; N, 5.32 実験値:C, 63.88; H, 6.32; N,5.18
【0034】(III) Boc-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Ala-OPac
の製造 Boc-D-Glu(OBzl)-Ala-OPac 1.05gにTFA 20ml
を加えて溶かした後濃縮し、8N−HCl/ジオキサン
0.58mlを加え、エーテルを加えて析出した結晶をろ
取し、乾燥した。これをDMF 15mlに溶かして氷冷
し、TEA 0.20mlを加えた。これに、Boc-D-Trp-ON
B(Boc-D-Trp-OH 0.67g、HONB 0.43g、DC
C 0.50gより調製)を加え一夜かき混ぜた。生成す
る不溶物をろ別した後濃縮し、残留物をAcOEtに溶しこ
れを水、10%クエン酸水、4%NaHCO3水で洗浄
し、水洗後、Na2SO4で乾燥、濃縮し、残留物にエー
テルを加えて沈澱としてろ取した。 収量 1.39g(収率97.8%) m.p. 127−129℃ Rf1 0.36 Rf2
0.62 [α]D 28 −4.04゜(c=1.04,DMF中) 元素分析 C394449として 計算値:C, 65.72; H, 6.22; N, 7.86 実験値:C, 65.62; H, 6.46; N,7.78
【0035】(IV) Boc-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Ala-OPa
c の製造 Boc−D-Trp-D-Glu(OBzl)-Ala-OPac 21.4gをジオキ
サンに懸濁させ、エタンジチオール5.1mlを加え氷冷
し、8N−HCl/ジオキサンを加え、氷冷下1時間撹
拌した後濃縮し、エーテルを加えて析出する結晶をろ取
し、乾燥する。これをDMF 150mlに溶かして氷冷
し、TEA 8.42mlを加える。これに、Boc-Leu-ONB
(Boc-Leu-OH・H2O 8.22g、HONB 6.51g、
DCC 7.50gより調製)を加え一夜かき混ぜた。生
成する不溶物をろ別した後濃縮し、残留物をAcOEtに溶
かしこれを水、10%クエン酸水、4%NaHCO3水で
洗浄し、水洗後、Na2SO4で乾燥、濃縮し、残留物に
エーテルを加えて沈澱としてろ取 した。 収量 23.0g(収率92.8%) m.p. 127−128℃ Rf1 0.35 Rf2
0.63 [α]D 28 −9.91゜(c=1.15,DMF中) 元素分析 C4555510として 計算値:C, 65.44; H, 6.71; N, 8.48 実験値:C, 65.39; H, 6.92; N,8.30
【0036】(V) Boc-D-tLeu-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-
Ala-OPac の製造 Boc-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Ala-OPac 2.07gをジオ
キサンに懸濁させ、エタンジチオール0.42mlを加え
氷冷し、8N−HCl/ジオキサンを加え、氷冷下30
分撹拌した後濃縮し、エーテルを加えて析出する結晶を
ろ取し、乾燥した。これをDMF 15mlに溶かして氷
冷し、TEA 0.70mlを加えた。これに、Boc-D-tLeu
-OH 0.64g、HONB 0.41g、DCC 0.63
gを加え一夜 かき混ぜた。生成する不溶物をろ別した
後濃縮し、残留物をAcOEtに溶かしこれ を水、10%ク
エン酸水、4%NaHCO3水で洗浄し、水洗後、Na2
4で乾 燥、濃縮し、残留物にエーテルを加えて沈澱と
してろ取した。 収量 2.13g(収率92.1%) m.p. 162−164℃ Rf1 0.27 Rf2
0.64 [α]D 28 −4.77゜(c=0.78,DMF中) 元素分析 C5166611として 計算値:C, 65.23; H, 7.08; N, 8.95 実験値:C, 65.15; H, 7.31; N,9.18
【0037】(VI) Boc-D-tLeu-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-
Ala-OH の製造 Boc-D-tLeu-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Ala-OPac 1.41
gを90%AcOH水20mlに溶かし、Zn 粉末4.91
gを加えて3時間かき混ぜる。Zn 粉末をろ別し、ろ液
を濃縮する。残留物にAcOEtを加えて溶かし、10%ク
エン酸で洗浄し、水洗した後Na2SO4で乾燥し、濃縮
し、残留物にエーテルを加えて沈澱として ろ取した。 収量 1.08g(収率87.7%) m.p. 140−142℃ Rf1 0.04 Rf2
0.61 [α]D 28 +9.09゜(c=0.99,DMF中) 元素分析 C4360610として 計算値:C, 62.91; H, 7.37; N, 10.24 実験値:C, 62.70; H, 7.64; N,10.24
【0038】(VII) Cyclo(-D-Glu-Ala-D-tLeu-Leu-D-Al
a-) ([D-tLeu3]-TAN-1462A)の製造 Boc-D-tLeu-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Ala-OH 0.41g
をDCM 20mlに溶かして氷冷し、HONB 0.18
g、DCC 0.21gを加えて3時間かき混ぜた後、生
成するDCUをろ別し、濃縮し、残留物にエーテルを加
えて沈澱としてろ取した。これに氷冷下、エタンジチオ
ール0.09ml、8N−HCl/ジオキサン20mlを加え
て溶かした後10分間かき混ぜて濃縮し、残留物にエー
テルを加えて沈澱としてろ取し、乾燥した。これをDM
F 10mlに溶かし、TEA 0.7mlを含むDMF 90
ml中に、30分かけて滴下した後、一夜かき混ぜて濃縮
した。残留物にアセトニトリルを加えて沈澱としてろ取
し、乾燥した。これのうち50mgをDMF 15mlに溶
かし、Pd−炭素を触媒として、水素気流下接触還元を
行なった。触媒をろ別した後濃縮し、残留物を少量のA
cOHに溶かした後、水を加えて凍結乾燥した。最後に
これをワイエムシー社製YMC−D−ODS−5(2cm
×25cm)のカラムを用いる分取液体クロマトグラフィ
ーで精製し、目的物を得た。 収量 9.3mg(収率6.8%) アミノ酸分析値(110℃,24時間加水分解;( )内
は理論値を示す。):Glu 1.00(1);Ala 0.98(1);Leu
0.79(1) LSIMS(M+H+)=613 (理論値)=613
【0039】実施例4 [D-γMeLeu3]-TAN-1462A の製
造 (I) Boc-D-γMeLeu-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Ala-OPac
の製造 実施例3(IV)で調製したBoc-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Al
a-OPac 2.07gをジオキサンに懸濁させ、エタンジチ
オール0.42mlを加え氷冷し、8N−HCl/ジオキサ
ンを加え、氷冷下30分撹拌した後濃縮し、エーテルを
加えて析出した結晶をろ取し、乾燥した。これをDMF
15mlに溶かして氷冷し、TEA 0.70mlを加え
た。これに、Boc-D-γMeLeu-OH 0.68g、HONB
0.41g、DCC 0.63gを加え一夜かき混ぜた。
生成する不溶物をろ別した後濃縮し、残留物をAcOEtに
溶かしこれを水、10%クエン酸水、4%NaHCO3
で洗浄し、水洗後、Na2SO4で乾燥、濃縮し、残留物
にエーテルを加えて沈澱としてろ取した。 収量 2.09g(収率87.7%) m.p. 121−124℃ Rf1 0.28 Rf2
0.64 [α]D 28 +7.66゜(c=1.01,DMF中) 元素分析 C5268611として 計算値:C, 65.53; H, 7.19; N, 8.82 実験値:C, 65.53; H, 7.33; N,9.18
【0040】(II) Boc-D-γMeLeu-Leu-D-Trp-D-Glu(OBz
l)-Ala-OH の製造 Boc-D-γMeLeu-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Ala-OPac 1.4
3gを90%AcOH水20mlに溶かし、Zn 粉末4.9
1gを加えて3時間かき混ぜた。Zn 粉末をろ別し、ろ
液を濃縮した。残留物にAcOEtを加えて溶かし、10%
クエン酸で洗浄し、水洗した後Na2SO4で乾燥し、濃
縮し、残留物にエーテルを加えて沈澱としてろ取した。 収量 1.13g(収率90.2%) m.p. 135−136℃ Rf1 0.07 Rf2
0.61 [α]D 28 +22.1゜(c=1.07,DMF中) 元素分析 C4462610として 計算値:C, 63.29; H, 7.48; N, 10.06 実験値:C, 63.29; H, 7.56; N, 9.96
【0041】(III) Cyclo(-D-Glu-Ala-D-γMeLeu-Leu-D
-Ala-) ([D-γMeLeu3]-TAN-1462A)の製造 Boc-D-γMeLeu-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Ala-OH 0.42
gをDCM 20mlに溶かして氷冷し、HONB 0.1
8g、DCC 0.21gを加えて3時間かき混ぜた後、
生成するDCUをろ別し、濃縮し、残留物にエーテルを
加えて沈澱としてろ取した。これに氷冷下、エタンジチ
オール0.09ml、8N−HCl/ジオキサン20mlを加
えて溶かした後10分間かき混ぜて濃縮し、残留物にエ
ーテルを加えて沈澱としてろ取し、乾燥した。これをD
MF 10mlに溶かし、TEA 0.7mlを含むDMF 9
0ml中に、30分かけて滴下した後、一夜かき混ぜて濃
縮した。残留物にアセトニトリルを加えて沈澱としてろ
取し、乾燥した。これのうち51mgをDMF 15mlに
溶かし、Pd−炭素を触媒として、水素気流下接触還元
を行なった。触媒をろ別した後濃縮し、残留物を少量の
AcOHに溶かした後、水を加えて凍結乾燥した。最後
にこれをワイエムシー社製YMC−D−ODS−5(2
cm×25cm)のカラムを用いる分取液体クロマトグラフ
ィーで精製し、目 的物を得た。 収量 2.4mg(収率2.9%) アミノ酸分析値(110℃,24時間加水分解;( )内
は理論値を示す。):Glu 1.00(1);Ala 1.00(1);Leu
1.01(1) LSIMS(M+H+)=627 (理論値)=627
【0042】実施例5 [D-Phg3]-TAN-1462A の製造 (I) Boc-D-Phg-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Ala-OPac の製
造 実施例3(IV)で調製したBoc-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Al
a-OPac 2.07gをジオキサンに懸濁させ、エタンジチ
オール0.42mlを加え氷冷し、8.3N−HCl/ジオ
キサンを加え、氷冷下30分撹拌した後濃縮し、エーテ
ルを加えて析出した結晶をろ取し、乾燥した。これをD
MF 15mlに溶かして氷冷し、TEA0.70mlを加え
た。これに、Boc-D-Phg-OH 0.69g、HONB 0.4
1g、DCC 0.63gを加え一夜かき混ぜた。生成す
る不溶物をろ別した後濃縮し、残留物をAcOEtに溶かし
これを水、10%クエン酸水、4%NaHCO3水で洗浄
し、水洗後、Na2SO4で乾燥、濃縮し、残留物にエー
テルを加えて沈澱としてろ取した。 収量 2.19g(収率91.3%) m.p. 158−159℃ Rf1 0.28 Rf2
0.64 [α]D 28 −15.2゜(c=0.95,DMF中) 元素分析 C5362611として 計算値:C, 66.37; H, 6.52; N, 8.76 実験値:C, 66.24; H, 6.64; N,8.95
【0043】(II) Boc-D-Phg-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-A
la-OH の製造 Boc-D-Phg-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Ala-OPac 1.44g
を90%AcOH水20mlに溶かし、Zn 粉末4.91g
を加えて3時間かき混ぜた。Zn 粉末をろ別し、ろ液を
濃縮した。残留物にAcOEtを加えて溶かし、10%クエ
ン酸で洗浄し、水洗した後Na2SO4で乾燥し、濃縮
し、残留物にエーテルを加えて沈澱として ろ取した。 収量 1.24g(収率98.3%) m.p. 138−140℃ Rf1 0.05 Rf2
0.61 [α]D 28 −3.12゜(c=1.19,DMF中) 元素分析 C4556610として 計算値:C, 64.27; H, 6.71; N, 9.99 実験値:C, 64.18; H, 6.99; N,9.66
【0044】(III) Cyclo(−D−Glu−
Ala−D−Phg−Leu−D−Ala−) ([D
−Phg]−TAN−1462A)の製造 Boc-D-Phg-Leu-D-Trp-D-Glu(OBzl)-Ala-OH 0.42gを
DCM 20mlに溶かして氷冷し、HONB 0.18
g、DCC 0.21gを加えて3時間かき混ぜた後、生
成するDCUをろ別し、濃縮し、残留物にエーテルを加
えて沈澱としてろ取した。これに氷冷下、エタンジチオ
ール0.09ml、8N−HCl/ジオキサン20mlを加え
て溶かした後10分間かき混ぜて濃縮し、残留物にエー
テルを加えて沈澱としてろ取し、乾燥した。これをDM
F 10mlに溶かし、TEA 0.7mlを含むDMF 90
ml中に、30分かけて滴下した後、一夜かき混ぜて濃縮
した。残留物にアセトニトリルを加えて沈澱としてろ取
し、乾燥した。これのうち72mgをDMF 15mlに溶
かし、Pd−炭素を触媒として、水素気流下接触還元を
行なった。触媒をろ別した後濃縮し、残留物を少量のA
cOHに溶かした後、水を加えて凍結乾燥した。最後に
これをワイエムシー社製YMC−D−ODS−5(2cm
×25cm)のカラムを用いる分取液体クロマトグラフィ
ーで精製し、目的物を得た。 収量 7.7mg(収率14.2%) アミノ酸分析値(110℃,24時間加水分解;( )内
は理論値を示す。):Glu 1.00(1);Ala 1.04(1);Leu
0.98(1) LSIMS(M+H+)=633 (理論値)=633
【0045】実施例6 [D-Asp1,Asp2]-TAN-1477Dの製
造 (I)Boc-D-Leu-Leu-OBzlの製造 H-Leu-OBzl・pTos 21.6gをDMF100mlに溶か
して氷冷し、TEA7.7ml,Boc-D-Leu-ONB(Boc-D
-Leu-OH・H2O 12.5g,HONB9.86g, DCC1 1.4gよ
り調製)を加え一夜かき混ぜた。生成したDCUをろ別
し、 ろ液を濃縮し、残留物をAcOEtに溶かしこれを4%N
aHCO3水、10%クエン酸水で洗浄し、 水洗後、Na2SO4
で乾燥、濃縮し、残留物にエーテルを加えて沈澱として
濾取した。 収量 19.8g(収率 91.3%) m.p. 94−95℃ Rf20.76 [α]D 25+3.6°(c=1.06,DMF中) 元素分析 C243625として 計算値:C,66.33;H,8.81;N,6.45 実験値:C,66.38;H,8.87;N,6.53
【0046】(II)Boc-D-Leu-Leu-OPacの製造 Boc-D-Leu-Leu-OBzl 6.0gをメタノール20mlに溶
かし、10%Pd−炭素を触媒として、水素気流下接触
還元を行なった。触媒をろ別した後濃縮し、残留物とC
2CO32.1gを90%MeOH水に溶かし、濃縮し
た。残留物をDMF60mlに溶かし、Phenacyl Bromi
de 2.8gを加えて一夜かき混ぜた。生成したTEA
塩酸塩をろ別し、ろ液を濃縮し、残留物をAcOEtに溶か
しこれを4%NaHCO3水、10%クエン酸水で洗浄
し、水洗後、Na2SO4で乾燥、濃縮し、残留物にエー
テルを加えて沈澱として濾取した。 収量 5.48g(収率 85.8%) m.p.98−99℃ Rf20.66 [α]D 25−3.9°(c=1.09,DMF中) 元素分析 C253826として 計算値:C,64.91;H,8.28;N,6.08 実験値:C,65.21;H,8.54;N,6.24
【0047】(III)Boc-Asp(OBzl)-D-Leu-Leu-OPacの
製造 Boc-D-Leu-Leu-OPac1.85gにTFA15mlを加え
て溶かした後濃縮し、残留物をAcOEtに溶かし、4%N
aHCO3水で洗浄し、Na2SO4で乾燥、濃縮した。
これをDMF20mlに溶かして氷冷し、TEA0.6
mlを加えた後Boc-Asp(OBzl)-ONB(Boc-Asp(OBzl)
-OH 1.42g,HONB0.87g,DCC 1.00g
より調製)を加え一夜かき混ぜた。これに(CH3)2N(C
H2)3NH2 0.17mlを加え30分間振り混ぜた後濃縮
し、残留物をAcOEtに溶かし、これを4%NaHCO
3水、10%クエン酸水で洗浄し、水洗後、Na2SO4
で乾燥、濃縮し、残留物にエーテルを加えて沈澱として
濾取した。 収量 2.40g(収率 89.9%) m.p.121−122℃ Rf20.63 [α] 25−22.8°(c=1.17,DMF中) 元素分析 C364939として 計算値:C,64.74;H,7.40;N,6.29 実験値:C,64.81;H,7.58;N,6.15
【0048】(IV)Boc-D-Asp(OBzl)-Asp(OBzl)-D-Leu-
Leu-OPacの製造 Boc-Asp(OBzl)-D-Leu-Leu-OPac2.20gにTFA20
mlを加えて溶かした後濃縮し、8N−HCl/ジオキ
サン1.0mlを加え、エーテルを加えて析出した結晶
を濾取し、乾燥した。これをDMF20mlに溶かして
氷冷し、TEA0.92mlを加えた。これに、Boc-D-
Asp(OBzl)-ONB(Boc-D-Asp(OBzl)-OH1.17g,HON
B0.71g,DCC0.82gより調製)を加え一夜
かき混ぜた後濃縮し、残留物に水を加えて沈澱として濾
取した。これをDMFに溶かし、不溶物をろ別した後濃
縮し、残留物にエーテルを加えて沈澱として濾取した。 収量 2.50g(収率 87.0%) m.p.118−119° Rf20.63 [α]D 25−13.4°(c=1.12,DMF中) 元素分析 C4768412として 計算値:C,64.66;H,6.93;N,6.42 実験値:C,64.84;H,7.03;N,6.55
【0049】(V)Boc-D-Trp-D-Asp(OBzl)-Asp(OBzl)-D
-Leu-Leu-OPacの製造 Boc-D-Asp(OBzl)-Asp(OBzl)-D-Leu-Leu-OPac1.05g
にTFA10mlを加えて溶かした後濃縮し、8N−H
Cl/ジオキサン0.36mlを加え、エーテルを加え
て析出した結晶を濾取し乾燥した。これをDMF10m
lに溶かして氷冷し、TEA0.34mlを加えた。こ
れにBoc-D-Trp-ONB(Boc-D-Trp-OH0.40g,HON
B0.26g,DCC0.30gより調製)を加え一夜
かき混ぜた後濃縮し、残留物に水を加えて沈澱として濾
取した。これをDMFに溶かし、不溶物をろ別した後濃
縮し、残留物にエーテルを加えて沈澱として濾取した。 収量 0.79g(収率 62.3%) m.p.163−164℃ Rf20.58 [α]D 25−4.9°(c=0.73,DMF中) 元素分析 C5870613として 計算値:C,65.76;H,6.66;N,7.93 実験値:C,65.59;H,6.72;N,7.81
【0050】(VI)Boc-D-Trp-D-Asp(OBzl)-Asp(OBzl)-
D-Leu-Leu-OHの製造 Boc-D-Trp-Asp(OBzl)-Asp(OBzl)-D-Leu-Leu-OPac0.7
5gをAcOH20mlに溶かしZn粉末2.31gを加え
て3時間かき混ぜた。Zn粉末をろ別し、ろ液を濃縮し
た。残留物にAcOEtを加えて溶かし、 10%クエン酸で
洗浄し、水洗した後Na2SO4で乾燥し、濃縮し、残留
物にエーテルを加えて沈澱として濾取した。 収量 0.59g(収率 87.8%) m.p.95−96℃ Rf20.56 [α]D 25+0.1°(c=0.85,DMF中) 元素分析 C5064612として 計算値:C,63.81;H,6.85;N,8.93 実験値:C,64.03;H,6.99;N,8.89
【0051】(VII)cyclo(-D-Asp-Asp-D-Leu-Leu-D-Tr
p-)([D-Asp1,Asp2]-TAN-1477D)の製造 Boc-D-Trp-D-Asp(OBzl)-Asp(OBzl)-D-Leu-Leu-OH 0.
49gをDCM10mlに溶かして氷冷し、HONB
O,19gDCC 0.21gを加えて3時間かき混ぜ
た後、生成したDCUをろ別し、濃縮し、残留物にエー
テルを加えて沈澱として濾取した。これに氷冷下、エタ
ンジチオール0.10ml,8N−HCl/ジオキサン
20mlを加えて溶かした後10分間かき混ぜて、濃縮
し、残留物にエーテルを加えて沈澱として濾取し、乾燥
した。これをDMF 10mlに溶かし、TEA0.7
2mlを含むDMF 100ml中に、30分かけて滴
下した後、一夜かき混ぜて濃縮した。残留物にアセトニ
トリルを加えて沈澱として濾取し、乾燥した。これのう
ち0.20gをDMF20mlに溶かし、Pd−炭素を
触媒として、水素気流下接触還元を行なった。触媒をろ
別した後濃縮し、残留物を少量のAcOHに溶かした
後、水を加えて凍結乾燥した。 収量 149mg(収率61.6%) アミノ酸分析値(110℃,24時間加水分解;()内
は理論値を示す。):Asp2.00(2);Leu1.92(2) LSIMS(M+H+)=643 (理論値)=643
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 1/02 // C07K 99:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 Cyclo (−A−B−C−D−E−) [式中、AはD−酸性−α−アミノ酸残基を、Bおよび
    DはL−α−アミノ酸残基を、CはD−中性−α−アミノ
    酸残基を、Eは芳香環基を有するD−α−アミノ酸残基
    を示す。ただし、Aが D-Glu でBが L-Ala でCが D-a
    Ile でDが L-Leu,L-Val または L-Nva であるか、Aが
    D-Glu でBが L-Ala でCが D-Val または D-Leu でD
    が L-Leu または L-Val であるか、Aが D-Glu でBが
    L-Ala でCが D-Nva でDが L-Val または L-Nva であ
    るとき、Eは D-Trp でなく、AがD-Glu でBが L-Ala
    でCが D-aIle でDが L-Leu であるとき、Eは D-mTrp
    でない。]で表される環状ペンタペプチドまたはその薬
    理学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】一般式 H−(X)−OH [式中、Xは−A−B−C−D−E−,−B−C−D−
    E−A−,−C−D−E−A−B−,−D−E−A−B
    −C−または−E−A−B−C−D−を示し、A,B,
    C,DおよびEは請求項1の記載と同意義を有する。]
    で表されるペプチドまたは該ペプチドの反応性誘導体を
    環化剤で処理し、 必要に応じて保護基の脱離反応に付す
    ことを特徴とする請求項1記載の環状ペンタペプチドま
    たはその薬理学的に許容される塩の製造法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の環状ペンタペプチドまたは
    その薬理学的に許容される塩を含有してなるエンドセリ
    ン受容体拮抗剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6136781A (en) * 1995-04-28 2000-10-24 Takeda Chemical Industries, Ltd. LH-RH receptor antagonists

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6136781A (en) * 1995-04-28 2000-10-24 Takeda Chemical Industries, Ltd. LH-RH receptor antagonists

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