JP3348623B2 - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents

助手席用エアバッグ装置

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JP3348623B2
JP3348623B2 JP10231497A JP10231497A JP3348623B2 JP 3348623 B2 JP3348623 B2 JP 3348623B2 JP 10231497 A JP10231497 A JP 10231497A JP 10231497 A JP10231497 A JP 10231497A JP 3348623 B2 JP3348623 B2 JP 3348623B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両前部への所定
の高荷重作用時に、インストルメントパネルにおける助
手席側頂部に配置されたエアバッグドアをウインドシー
ルドガラス側へ展開させ、その際のエアバッグドアの展
開角度を長尺状の規制手段によって規制するようにした
助手席用エアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】所謂トップダッシュタイプの助手席用エ
アバッグ装置では、通常、エアバッグドアがウインドシ
ールドガラス側へ向けて片開きに展開される。このた
め、エアバッグドアとウインドシールドガラスとの干渉
を極力避けるべく、ストラップを用いることが既に提案
されている。この種の構造の開示例として特開平7−3
23800号公報があり、以下に簡単に説明する。
【0003】図10及び図11に示されるように、助手
席用エアバッグ装置150は、インストルメントパネル
152の頂部助手席側に配設された略矩形平板状のエア
バッグドア154と、このエアバッグドア154の下方
に配設され車体側に支持されたエアバッグケース156
と、を備えている。エアバッグケース156内には、車
両前部への所定の高荷重作用時にガスを噴出するインフ
レータ158及び折り畳み状態で配置され噴出されたガ
スによって膨張するバッグ160が収容されている。
【0004】上述したエアバッグドア154の裏面に
は、前端側中央及び後端側両側に略コ字状に形成された
アーチ部162、164が一体に形成されている。前端
側中央に配置されたアーチ部162には、比較的短い帯
状の第1ストラップ166の一端部が係止されている。
第1ストラップ166の他端部は、第1アンカ168を
介してエアバッグケース156の前壁部の上端中央部に
支持されている。
【0005】一方、後端側両側に配置された一対のアー
チ部164には、比較的長い帯状の第2ストラップ17
0が挿通されている。第2ストラップ170の両端部に
は縫合によりループ部170Aがそれぞれ形成されてお
り、このループ部170Aが第2アンカ172を介して
エアバッグケース156の側壁部の上端中央部にそれぞ
れ支持されている。
【0006】上記構成によれば、車両前部への所定の高
荷重作用時になると、インフレータ158からガスが噴
出されバッグ160が膨張される。このため、エアバッ
グドア154は、バッグ160に押圧されてインストル
メントパネル152から若干浮き上がった後に、第1ス
トラップ166側を支点としてウインドシールドガラス
174側へ向けて片開きに展開される。このとき、エア
バッグドア154の展開動作に伴って第2ストラップ1
70が引っ張られ、これによりエアバッグドア154の
展開角度が規制される。その結果、エアバッグドア15
4とウインドシールドガラス174との干渉を防止する
ことができる。
【0007】すなわち、上記構成では、エアバッグドア
154のヒンジ用として第1ストラップ166を用いる
と共に、エアバッグドア154の展開角度規制用として
第2ストラップ170を用いるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成による場合、エアバッグドア154の展開荷重をその
裏面側に設けた一対のアーチ部164に挿通された第2
ストラップ170で支持する構成であるため、一対のア
ーチ部164に最も応力が集中する。このため、アーチ
部164の剛性を確保するべく、例えば一対のアーチ部
164を帯状の鉄板で連結し、当該鉄板をエアバッグド
ア154内にインサート成形により埋設する等の補強対
策が必要となる。ところが、このような補強対策を採る
と、エアバッグドア154の慣性質量が増加する不利が
ある。また、上記構成のエアバッグドア154は単層樹
脂構造のものであるが、ドア基材と表皮との間に発泡層
が充填された三層構造のエアバッグドアもある。この種
のエアバッグドアに上記ストラップ構造を適用すると、
経年変化によりストラップが発泡層の構成材料からの影
響を受けて劣化することも考えられる。従って、補強対
策を講じるとエアバッグドアの慣性質量が増加するとい
う前記問題点を解決するにあたっては、この点にも配慮
する必要がある。
【0009】本発明は上記事実を考慮し、エアバッグド
アの慣性質量の増加を招くことなく、エアバッグドアの
展開角度を確実に規制することができ、更に経年変化に
よる規制手段の劣化を防止することができる助手席用エ
アバッグ装置を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、インストルメントパネルにおける助手席側頂部にウ
インドシールドガラスに対向して展開可能に配置され、
ドア裏面側を構成するドア基材と、このドア基材に対し
て離間して配置され意匠面を構成する表皮と、ドア基材
と表皮との間に充填される発泡層と、から成る三層によ
って構成されたエアバッグドアと、車体側構成部材に支
持されると共にエアバッグドアの下方側に配置され、車
両前部への所定の高荷重作用時にガスを噴出するインフ
レータ及びこのガスによって膨張してエアバッグドアを
ウインドシールドガラス側へ展開させるバッグを収容す
るエアバッグケースと、エアバッグドアとエアバッグケ
ース又は車体側構成部材とを連結し、エアバッグドアの
展開角度をウインドシールドガラスとの関係で所定角度
に規制する長尺状の規制手段と、を含んで構成される助
手席用エアバッグ装置であって、ドア基材の後端側の両
サイドにそれぞれ設けられた開口部内へ規制手段を挿通
させると共に、ドア基材の表面における両サイドの開口
部間に当該規制手段の中間部を配置し、さらに、当該規
制手段を発泡層の構成材料に対する保護性能を有する劣
化防止手段によって摺動可能に被覆した、ことを特徴と
している。
【0011】
【0012】
【0013】請求項2記載の本発明に係る助手席用エア
バッグ装置は、請求項1に記載の発明において、両端部
を結ぶことによって形成されたループ状の紐によって前
記規制手段を構成すると共に、熱収縮性チューブによっ
て前記劣化防止手段を構成し、さらに、当該ループ状の
紐を密着させた状態で当該熱収縮性チューブ内へ摺動可
能に挿通させた、ことを特徴としている。
【0014】請求項3記載の本発明に係る助手席用エア
バッグ装置は、請求項2に記載の発明において、前記エ
アバッグケースの両側壁部に、所定値以上の荷重が作用
することによって塑性変形する略U字状のブラケットを
それぞれ固着すると共に、双方のブラケットに前記ルー
プ状の紐の両端部をそれぞれ通した状態で、当該ブラケ
ットの開放端部同士を結合手段によって結合させた、こ
とを特徴としている。
【0015】請求項4記載の本発明に係る助手席用エア
バッグ装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
の発明において、前記ドア基材の表面側に略車両幅方向
に沿って延びかつ略車両下方側へ向けて凸となる凹溝状
の補強用のリブを形成すると共に、当該補強用のリブ内
に前記規制手段の中間部を収容させた、ことを特徴とし
ている。
【0016】請求項5記載の本発明に係る助手席用エア
バッグ装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
の発明において、前記インストルメントパネルは、その
裏面側を構成するインパネ基材と、このインパネ基材に
対して離間して配置され意匠面を構成する表皮と、イン
パネ基材と表皮との間に充填される発泡層と、から成る
三層によって構成され、前記エアバッグドアは、当該イ
ンストルメントパネルと一体に成形される、ことを特徴
としている。
【0017】請求項1記載の本発明によれば、車両前部
に所定の高荷重が作用すると、エアバッグケース内に収
容されたインフレータからガスが噴出される。このた
め、バッグが膨張してエアバッグドアがウインドシール
ドガラス側へ展開される。このとき、エアバッグドアと
エアバッグケース又はエアバッグケースを支持している
車体側構成部材とを連結している長尺状の規制手段によ
って、エアバッグドアの展開角度がウインドシールドガ
ラスとの関係で所定角度に規制される。これにより、エ
アバッグドアとウインドシールドガラスとの干渉が極力
防止される。
【0018】ここで、本発明では、エアバッグドアの裏
面側を構成するドア基材の後端側の両サイドに開口部が
それぞれ設けられており、これらの開口部内へ前述した
規制手段を挿通させると共に、ドア基材の表面における
両サイドの開口部間に当該規制手段の中間部を配置した
ので、ドア基材に作用するバッグ膨張圧は規制手段の中
間部という広い範囲で支持される。このため、ドア基材
に作用するバッグによる押圧荷重が局部的に集中するの
を回避することができる。従って、応力集中対策として
ドア基材に補強材を別途配設する必要もなくなるので、
エアバッグドアの慣性質量も増加しない。
【0019】また、本発明では、前述したエアバッグド
アが、ドア裏面側を構成するドア基材と、このドア基材
に対して離間して配置され意匠面を構成する表皮と、ド
ア基材と表皮との間に充填される発泡層と、から成る三
層によって構成されていることを前提としている。この
前提において、仮に、規制手段が劣化防止手段によって
被覆されていない場合には、経年変化により規制手段が
発泡層の構成材料からの影響を受けて劣化することもあ
る。しかし、本発明によれば、規制手段を発泡層の構成
材料に対する保護性能を有する劣化防止手段によって被
覆したので、発泡層の構成材料からの影響は規制手段に
は及ばない。
【0020】さらに、本発明では、規制手段が劣化防止
手段によって摺動可能に被覆されているため、以下の作
用が得られる。
【0021】すなわち、本発明では請求項1記載の発明
を前提としていることから、エアバッグドアの成形後の
状態では発泡層と劣化防止手段とは接着されているた
め、ドア基材に対して劣化防止手段が摺動することはな
い。しかし、劣化防止手段とこれによって被覆されてい
る長尺状の規制手段とは接着されていないため、規制手
段に比較的大きな荷重が加われば、当該規制手段は劣化
防止手段に対して摺動することができる。従って、規制
手段によってエアバッグドアとエアバッグケース又は車
体側構成部材とを連結した際に、ドア基材の両サイドの
開口部からそれぞれ引き出された規制手段の各端部の長
手方向寸法にバラツキ(偏差)が生じていても、エアバ
ッグドアが展開した際に、当該各端部の長手方向寸法が
等しくなるまで規制手段が劣化防止手段内を摺動する。
【0022】つまり、本発明によれば、規制手段による
エアバッグドアとエアバッグケース又は車体側構成部材
との連結時に規制手段の各端部の長手方向寸法にバラツ
キ(偏差)が生じたとしても、エアバッグドアの展開荷
重を利用して規制手段を劣化防止手段内を摺動させるこ
とで、当該バラツキを解消することができる。
【0023】請求項2記載の本発明によれば、両端部を
結ぶことによって形成されたループ状の紐によって前述
した規制手段を構成すると共に、熱収縮性チューブによ
って劣化防止手段を構成し、さらに、当該ループ状の紐
を密着させた状態で当該熱収縮性チューブ内へ摺動可能
に挿通させたので、以下の作用が得られる。
【0024】すなわち、両端部を結ぶことによって形成
されたループ状の紐によって前述した規制手段を構成す
ることにより、紐の結び目が一箇所となる。さらに、ル
ープ状の紐を密着させた状態で劣化防止手段を構成する
熱収縮性チューブ内へ摺動可能に挿通させることによ
り、組付に際しては結び目が無い方の紐の端部からドア
基材の開口部内へ順次通していくことができる。このた
め、紐をループ状にせずに、直線状の紐をそのままドア
基材の開口部内へ通した後に各端部をループ状になるよ
うにそれぞれ結ぶ場合に比し、ドア基材の開口部内へ通
した後に紐を結ぶ必要がなくなると共に紐を結ぶ作業が
一回で済む。
【0025】また、熱収縮チューブを用いることにより
ループ状の紐の中間部が隙間無く密着されるため、当該
紐の中間部に弛みが生じるのを防止することができると
共に当該紐の中間部の径も一定になる。
【0026】請求項3記載の本発明によれば、エアバッ
グケースの両側壁部に、所定値以上の荷重が作用するこ
とによって塑性変形する略U字状のブラケットをそれぞ
れ固着すると共に、双方のブラケットに前述したループ
状の紐の両端部をそれぞれ通した状態で、当該ブラケッ
トの開放端部同士を結合手段によって結合させたので、
エアバッグドアがバッグ膨張圧によって展開すると、ル
ープ状の紐の端部が通されたブラケットに引張荷重が作
用する。この引張荷重が所定値以上になると、当該ブラ
ケットが塑性変形される。このため、ブラケットが塑性
変形する過程で当該引張荷重が吸収される。
【0027】また、ブラケットは紐の端部が通される前
の状態では略U字状とされ、紐の端部が通されてから双
方の開放端部同士を結合手段によって結合させるため、
別体のタブ等を用いることなく、紐の端部をエアバッグ
ケース又は車体側構成部材に連結することが可能とな
る。
【0028】請求項4記載の本発明によれば、ドア基材
の表面側に略車両幅方向に沿って延びかつ略車両下方側
へ向けて凸となる凹溝状の補強用のリブを形成すると共
に、当該補強用のリブ内に前記規制手段の中間部を収容
させたので、エアバッグドアにおける規制手段が配設さ
れた箇所と規制手段が配設されていない一般部との板厚
差を抑えることができる。このため、エアバッグドアの
表面(意匠面)への影響(ヒケや脹らみ等)を抑制する
ことができる。
【0029】請求項5記載の本発明によれば、インスト
ルメントパネルが、その裏面側を構成するインパネ基材
と、このインパネ基材に対して離間して発明され意匠面
を構成する表皮と、インパネ基材と表皮との間に充填さ
れる発泡層と、から成る三層によって構成され、エアバ
ッグドアは、当該インストルメントパネルと一体に成形
されるため、簡単に製造することができる。
【0030】すなわち、予め規制手段が組付けられたド
ア基材とインパネ基材とを成形型にセットすると共に表
皮をドア基材及びインパネ基材に対して離間してセット
した後に発泡成形することにより、エアバッグドアを一
体に有するインストルメントパネルを簡単に製造するこ
とができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図9を用いて、本発
明の一実施形態について説明する。
【0032】図2にはインストルメントパネル10にお
ける助手席側の部分の外観斜視図が示されており、又図
3には当該助手席側の部分に配設された後述する助手席
用エアバッグ装置18の縦断面構造が示されている。
【0033】これらの図に示されるように、インストル
メントパネル10は、車室内側に配置されかつ軟質樹脂
材料によって構成されたインパネ表皮12と、このイン
パネ表皮12に対して所定の間隔をあけて配置されかつ
硬質樹脂材料によって構成されたインパネ基材14と、
これらのインパネ表皮12とインパネ基材14との間に
充填されたウレタン発泡による発泡層16と、によって
構成されている。
【0034】一方、助手席用エアバッグ装置18は、イ
ンストルメントパネル10における助手席側頂部に配置
されたエアバッグドア20と、このエアバッグドア20
の裏面側に配設された本体部22と、によって構成され
ている。
【0035】具体的に説明すると、インパネ基材14に
おける助手席側の頂部所定位置には略矩形状の開口24
が形成されており、この開口24の略車両下方側に本体
部22が配設されている。図4にも示されるように、本
体部22は、下端部側が底壁部を兼ねた前壁部26A及
び後壁部26B並びに一対の側壁部26Cによって略箱
体形状に形成された金属製のエアバッグケース26を備
えている。エアバッグケース26の前壁部26Aの下部
の両サイドには、ウエルドナット28が固着された一対
の取付ブラケット30が固着されている。これに対応し
て、インストルメントパネル10の内方側に略車両幅方
向を長手方向として配置された高強度のインパネリイン
フォース32には、一対の取付座34が形成されてい
る。そして、これらの取付座34に取付ブラケット30
を対応させて、固定ボルト36をウエルドナット28に
螺合させることにより、エアバッグケース26がインパ
ネリインフォース32に固定されている。
【0036】上述したエアバッグケース26の内部下方
側には、略円柱形状のインフレータ38が配設されてい
る。インフレータ38の構成の一例について簡単に説明
すると、インフレータ38の周壁部には複数のガス噴出
孔(図示省略)が形成されている。また、インフレータ
38の内部には、コンソールボックス下方に配設された
センタコントロールユニットと接続され点火装置として
機能するスクイブと、スクイブに所定電流が通電される
ことにより着火する着火材と、この着火材が着火される
ことによりガス発生剤に火炎を伝播する伝火材と、燃焼
することにより大量のガスを発生するガス発生剤と、燃
焼後のガス発生剤の砕片の除去等を行うフィルタ等が収
容されている。なお、センタコントロールユニットは、
車両前部両側等に配設され車両前部への所定の高荷重作
用状態を検出するセンサ(図示省略)と接続されてい
る。
【0037】また、エアバッグケース26の内部上方側
には、所定の折り畳み方で折り畳まれたバッグ40が配
設されている。従って、バッグ40は、インフレータ3
8とエアバッグドア20との間に格納されている。な
お、バッグ40の端末部は、エアバッグケース26の前
壁部26A及び後壁部26Bに図示しないリテーナ等を
介してボルト41及びナット43により固定されてい
る。
【0038】一方、図3に示されるように、助手席用エ
アバッグ装置18の本体部22を閉塞するエアバッグド
ア20は、ウインドシールドガラス42に対向して配置
されている。より具体的には、エアバッグドア20は、
車室内側に配置されかつインパネ表皮12と同一材質で
ある軟質樹脂材料によって構成されたドア表皮44と、
このドア表皮44に対して所定の間隔をあけて配置され
金属製かつ矩形状とされたドア基材46と、これらのド
ア表皮44とドア基材46との間に充填されインストル
メントパネル10の発泡層16の一部でもある発泡層4
8(なお、区別するために符号のみ変える)と、によっ
て構成されている。なお、ドア表皮44の周縁部は、イ
ンパネ表皮12の周縁部と共に略車両下方側へ折り曲げ
られて密着されている。
【0039】図1に示されるように、ドア基材46は、
略矩形枠状のドア基材支持部50と、このドア基材支持
部50の内側に所定の隙間を隔てて配置された略矩形平
板状のドア基材本体52と、を含んで構成されている。
ドア基材支持部50の前端部の両側及び後端部の中央に
は、凹部54がそれぞれ形成されている。これらの凹部
54には、その上面側からウエルドボルト56がそれぞ
れ溶着されている。これに対応してインパネ基材14の
開口24の周縁部には、ウエルドボルト56と同軸上に
ボルト挿通孔が形成されている。さらに、前述したエア
バッグケース26の前壁部26Aの上端両側及び後壁部
26Bの上端中央には、狭幅矩形板状かつ中央に円孔又
は組付誤差吸収用の長孔といったボルト挿通孔が形成さ
れた取付フランジ58(図4参照)が一体に形成されて
いる。
【0040】そして、ドア基材46側のウエルドボルト
56がインパネ基材14側のボルト挿通孔及びエアバッ
グケース26の取付フランジ58のボルト挿通孔内へ順
次挿通され、取付フランジ58の裏面側からナット60
が螺合されることにより、ドア基材46のドア基材支持
部50及びエアバッグケース26の取付フランジ58が
インパネ基材14の開口24の周縁部に共締めされてい
る(図3参照)。
【0041】また、ドア基材支持部50の内側に配置さ
れたドア基材本体52の前端部とドア基材支持部50の
前端部とは、ドア表皮44側へ凸となるヒンジ部62に
よって連結されている。従って、ドア基材本体52は、
ヒンジ部62を介してドア基材支持部50に片持ち支持
されている。なお、ドア基材本体52の周縁端末部(エ
ッジ)はその上面側へ折り返されている。また、ドア基
材本体52の前部及び後部には、ドア表皮44側へ凸と
なる一対の凸部64が広範囲に並設されている。各凸部
64の前後方向中間部には略車両幅方向へ延びかつエア
バッグケース26側へ凸となる凹溝状の補強用のリブ6
6がそれぞれ形成されている。さらに、前後の凸部64
間にも、略車両幅方向へ延びかつエアバッグケース26
側へ凸となる凹溝状の補強用のリブ68が形成されてい
る。
【0042】ここで、上述したドア基材46における後
端側の両サイド(具体的には、ドア基材本体52の前後
の凸部64間に形成された補強用のリブ68の両端部)
には、円孔がそれぞれ形成されている。各円孔には当該
円孔の内周エッジに後述するストラップ76及び熱収縮
性チューブ78が引っ掛かるのを防止するための金属製
のハトメ70、72がそれぞれ取り付けられている(図
7にも図示されている)。
【0043】上述したドア基材46における一対のハト
メ70、72には、一本の紐から成るストラップ76が
挿通されている。具体的には、図5に示されるように、
ストラップ76は、所定径寸法の例えばポリエステル糸
で編んだ一本の紐の両端部を揃えて一回転させることに
より、結び目76Aを一箇所に有するループ状に形成さ
れている。
【0044】さらに、図6に示されるように、ストラッ
プ76の中間部76B(両端部76C、76Dを除いた
部分)には、例えば塩ビ等の材料を用いて形成されかつ
薄肉で透明な筒体である熱収縮性チューブ78が被覆さ
れている。なお、ストラップ76はその結び目76Aが
形成されていない方の端部76Cから熱収縮性チューブ
78内へ挿通され、熱収縮性チューブ78がストラップ
76の中間部76Bに配置された状態で、熱収縮性チュ
ーブ78が加熱収縮される。ストラップ76の中間部7
6Bに熱収縮性チューブ78が被覆された状態では、多
少の力をストラップ76に加えて引っ張った程度では熱
収縮性チューブ78内を二本密着状態にあるストラップ
76が摺動することはないが、所定値以上の荷重が作用
すれば、ストラップ76は熱収縮性チューブ78内を摺
動可能である。
【0045】上述した熱収縮性チューブ78が被覆され
たストラップ76は、結び目76Aが形成されていない
方の端部76Cからドア基材46の一方のハトメ70内
へ通されて、前述した凹溝状の補強用のリブ68に沿っ
て中間部76Bが配置され、更に当該端部76Cが他方
のハトメ72内へ通されることにより、双方のハトメ7
0、72からストラップ76の両端部76C、76Dが
垂下された状態とされている。なお、この状態では、双
方のハトメ70、72内に熱収縮性チューブ78の両端
部付近が存在するように、熱収縮性チューブ78の長手
方向寸法が決定されている。
【0046】さらに、図4及び図8に示されるように、
上述したエアバッグケース26の両側壁部26Cには、
ストラップ76の両端部76C、76Dを係止させるた
めの金属製の支持ブラケット80がそれぞれ配設されて
いる。支持ブラケット80は、下向きに開口する略U字
形に形成された係止部80Aと、この係止部80Aの開
放端側からケース外方側へ延出された一対の結合片80
B、80Cと、係止部80Aの上部前後端から互いに離
反する方向へ延出された矩形状の一対の取付片80D、
80Eと、によって構成されている。
【0047】支持ブラケット80は、一対の取付片80
D、80Eがエアバッグケース26の側壁部26Cにス
ポット溶接されることにより固着されている。また、上
下に対向する結合片80B、80Cには同軸上に長孔状
のボルト挿通孔が形成されており、更に上側に位置され
る結合片80Bの上面にはウエルドナット82が予め溶
着されている。そして、ストラップ76の両端部76
C、76Dをそれぞれに対応して設けられた支持ブラケ
ット80の結合片80B、80C間の隙間から係止部8
0A内へ通して係止させた後に、双方の結合片80B、
80C同士を密着させ、ボルト84をウエルドナット8
2に螺合させることにより、エアバッグドア20がエア
バッグケース26にストラップ76を介して連結された
状態となる。
【0048】なお、支持ブラケット80は、所定値(ス
トラップ76が切れるのを防止することができる値であ
り、例えばストラップ76の引張強度を若干下回る或る
値)以上の荷重がストラップ76を介して係止部80A
に作用した場合には、当該係止部80Aが塑性変形する
ように強度設定されている。
【0049】次に、本実施形態の作用並びに効果につい
て説明する。車両前部への所定の高荷重作用時、即ち車
両急減速時になると、当該車両急減速状態がセンサによ
って検出される。これにより、センタコントロールユニ
ットからインフレータ38のスクイブに所定電流が通電
される。このため、インフレータ38が作動して、当該
インフレータ38のガス噴出孔からガスが噴出される。
これにより、バッグ40内にガスが流入され、当該バッ
グ40の膨張圧によってエアバッグドア20がウインド
シールドガラス42側へ向けて片開きに展開されると共
にバッグ40が助手席側へ向けて膨出される。このと
き、エアバッグドア20とエアバッグケース26とを連
結しているストラップ76が伸張し、これによりエアバ
ッグドア20の展開角度が規制される。その結果、エア
バッグドア20とウインドシールドガラス42との干渉
が防止される。
【0050】ここで、本実施形態では、エアバッグドア
20のドア基材46の後端側の両サイドに一対のハトメ
70、72を設け、これらのハトメ70、72内へ前述
した熱収縮性チューブ78によって被覆されたストラッ
プ76を挿通させると共に、当該ストラップ76の中間
部76Bをドア基材46の表面におけるハトメ70、7
2間に配置したので、ドア基材46に作用するバッグ膨
張圧はストラップ76の中間部76Bという広い範囲で
支持される。このため、ドア基材46に作用するバッグ
40による押圧荷重が局部的に集中するのを回避するこ
とができる。従って、応力集中対策としてドア基材46
に補強材を別途配設する必要もなくなるので、エアバッ
グドア20の慣性質量も増加しない。その結果、本実施
形態によれば、エアバッグドア20の慣性質量の増加を
招くことなく、エアバッグドア20の展開角度を所定角
度に確実に規制することができる。
【0051】また、本実施形態では、エアバッグドア2
0の裏面側を構成するドア基材46と、このドア基材4
6に対して離間して配置され意匠面を構成するドア表皮
44と、ドア基材46とドア表皮44との間に充填され
る発泡層48と、から成る三層によってエアバッグドア
20が構成されていることを前提としている。この前提
において、仮に、ストラップ76が熱収縮性チューブ7
8によって被覆されていない場合には、経年変化により
ストラップ76が発泡層48の構成材料からの影響(所
謂アミンアタック)を受けて劣化することもある。しか
し、本実施形態によれば、ストラップ76を発泡層48
の構成材料に対する保護性能を有する熱収縮性チューブ
78によって被覆したので、発泡層48の構成材料から
の影響はストラップ76には及ばない。その結果、本実
施形態によれば、ストラップ76に経年劣化が生じるの
を防止することができる。
【0052】さらに、本実施形態によれば、ストラップ
76が熱収縮性チューブ78に対して摺動可能に被覆さ
れているため、以下の作用並びに効果が得られる。すな
わち、エアバッグドア20の成形後の状態では発泡層4
8と熱収縮性チューブ78とは相互に接着された状態に
あるため、ドア基材46に対して熱収縮性チューブ78
が摺動することはない。しかし、熱収縮性チューブ78
とこれに被覆されているストラップ76とは接着されて
いないため、ストラップ76に比較的大きな荷重が加わ
れば、当該ストラップ76は熱収縮性チューブ78に対
して摺動することができる。従って、ストラップ76に
よってエアバッグドア20とエアバッグケース26とを
連結した際に、ドア基材46の両サイドのハトメ70、
72からそれぞれ引き出されたストラップ76の各端部
76C、76Dの長手方向寸法にバラツキ(偏差)が生
じていても、エアバッグドア20が展開した際に、当該
各端部76C、76Dの長手方向寸法が等しくなるまで
ストラップ76が熱収縮性チューブ78内を摺動する。
【0053】つまり、本実施形態によれば、ストラップ
76によるエアバッグドア20とエアバッグケース26
との連結時にストラップ76の各端部76C、76Dの
長手方向寸法にバラツキ(偏差)が生じたとしても、エ
アバッグドア20の展開荷重を利用してストラップ76
を熱収縮性チューブ78内を摺動させることで、当該バ
ラツキを解消することができる。その結果、本実施形態
によれば、エアバッグドア20が傾きながらウインドシ
ールドガラス42側へ展開するのを防止することができ
る。
【0054】また、本実施形態によれば、両端部を結ぶ
ことによって形成されたループ状の紐によってストラッ
プ76を構成すると共に、このループ状の紐を密着させ
た状態で熱収縮性チューブ78内へ摺動可能に挿通させ
たので、以下の作用並びに効果が得られる。
【0055】すなわち、両端部を結ぶことによって形成
されたループ状の紐によってストラップ76を構成する
ことにより、ストラップ76の結び目76Aは一箇所と
なる。さらに、ループ状の紐を密着させた状態で熱収縮
性チューブ78内へ摺動可能に挿通させることにより、
組付に際しては結び目76Aがない方のストラップ76
の端部76Cからドア基材46のハトメ70、72内へ
順次通していくことができる。このため、紐をループ状
にせずに、直線状の紐をそのままドア基材46のハトメ
70、72内へ通した後に当該紐の各端部をループ状に
なるようにそれぞれ結ぶ場合に比し、ドア基材46のハ
トメ70、72内へ通した後に紐を結ぶ必要がなくなる
と共に、紐を結ぶ作業自体は一回で済む。その結果、本
実施形態によれば、ストラップ76のドア基材46への
組付作業性を向上させることができる。
【0056】また、熱収縮性チューブ78を用いること
によりループ状の紐によって構成されたストラップ76
の中間部76Bが隙間無く密着されるため、当該ストラ
ップ76の中間部76Bに弛みが生じるのを防止するこ
とができると共にストラップ76の中間部76Bの径も
一定になる。従って、この点においても、ストラップ7
6のドア基材46への組付作業性を向上させることがで
きる。
【0057】さらに、ストラップ76を構成する紐の結
び目76Aの位置を熱収縮性チューブ78によって規制
することができるので、結び目76Aがストラップ76
の支持ブラケット80への組付時に支障となることもな
い。従って、この点においても、ストラップ76のドア
基材46及び支持ブラケット80への組付作業性を向上
させることができる。
【0058】また、本実施形態によれば、エアバッグケ
ース26の両側壁部26Cに、所定値以上の荷重が作用
することによって塑性変形する略U字状の係止部80A
を備えた支持ブラケット80をそれぞれ固着すると共
に、双方の支持ブラケット80の係止部80Aにループ
状の紐より成るストラップ76の両端部76C、76D
をそれぞれ通した状態で、当該支持ブラケット80の結
合片80B、80C同士をボルト84及びウエルドナッ
ト82によって結合させたので、エアバッグドア20が
バッグ膨張圧によって展開すると、ストラップ76の端
部76C、76Dが通された支持ブラケット80の係止
部80Aに引張荷重が作用する。この引張荷重が所定値
以上になると、当該支持ブラケット80が塑性変形され
る。このため、支持ブラケット80が塑性変形する過程
で当該引張荷重が吸収される。その結果、本実施形態に
よれば、ストラップ76が切れるのを防止することがで
きる。
【0059】また、支持ブラケット80はストラップ7
6の端部76C、76Dが通される前の状態では下向き
に開口された略U字状とされ、ストラップ76の端部7
6C、76Dが通されてから双方の結合片80B、80
C同士をボルト84及びウエルドナット82によって結
合させるため、別体のタブ等を用いることなく、ストラ
ップ76の端部76C、76Dをエアバッグケース26
に連結することができる。このため、生産性を向上させ
ることができる。
【0060】さらに、本実施形態によれば、ドア基材4
6の表面側に略車両幅方向に沿って延びかつ略車両下方
側へ向けて凸となる凹溝状の補強用のリブ68を形成す
ると共に、当該補強用のリブ68内にストラップ76の
中間部76Bを収容させたので、エアバッグドア20に
おけるストラップ76が配設された箇所とストラップ7
6が配設されていない一般部との板厚差を抑えることが
できる。このため、エアバッグドア20のドア表皮44
(意匠面)への影響(ヒケや脹らみ等)を抑制すること
ができる。その結果、本実施形態によれば、エアバッグ
ドア20の外観品質を向上させることができる。
【0061】また、補強用のリブ68をストラップ76
の収容部としたので、エアバッグドア20の全体の質量
の増加を伴うことなく、ドア基材46の強度アップを図
ることができる。
【0062】さらに、本実施形態によれば、インストル
メントパネル10が、その裏面側を構成するインパネ基
材14と、このインパネ基材に対して離間して配置され
意匠面を構成するインパネ表皮12と、インパネ基材1
4とインパネ表皮12との間に充填される発泡層16
と、から成る三層によって構成され、同じく三層構造の
エアバッグドア20を当該インストルメントパネル10
と一体に成形する構成であるため、簡単に製造すること
ができる。
【0063】すなわち、予めストラップ76が組付けら
れたドア基材46とインパネ基材14とを図示しない成
形型にセットすると共にドア表皮44及びインパネ表皮
12をドア基材46及びインパネ基材に対して離間して
セットした後に発泡成形することにより、エアバッグド
ア20を一体に有するインストルメントパネル10を簡
単に製造することができる。このため、本実施形態によ
れば、生産性を向上させることができると共にコスト削
減を図ることができる。加えて、エアバッグドア20と
インストルメントパネル10とを一体に成形することに
より、両者の建付け性も良くなるので、インストルメン
トパネル10の外観品質を向上させることができる。
【0064】なお、本実施形態では、ヒンジ部62回り
にウインドシールドガラス42側へ片開きするエアバッ
グドア20に対して本発明を適用し、又その場合が最も
功を奏すと思われるが、これに限らず、両開きするタイ
プのエアバッグドアや四方開するタイプのエアバッグド
アに対して本発明を適用しても差し支えない。これらの
場合においても、エアバッグドアの配設位置やウインド
シールドガラスの傾斜角度・曲率半径等によっては、展
開したエアバッグドアがウインドシールドガラスに干渉
することがあり得るので、そのような場合には本発明が
有意義なものとなる。なお、この場合、ストラップを取
り付ける対象となるのはウインドシールドガラス側へ展
開するドア部分である。
【0065】また、本実施形態では、エアバッグドア2
0が展開した際に当該エアバッグドア20の後端部がウ
インドシールドガラス42に干渉しないようにストラッ
プ76の長さ及び支持ブラケット80の係止部80Aの
塑性変形量を調整しているが、必ずしもそのように構成
する必要はなく、エアバッグドア20が展開した際に当
該エアバッグドア20の後端部がウインドシールドガラ
ス42に多少干渉するようにストラップ76の長さ及び
支持ブラケット80の係止部80Aの塑性変形量を調整
してもよい。
【0066】この場合においても、本発明を適用すれ
ば、エアバッグドア20の慣性質量が増加しないことか
ら、ウインドシールドガラス42側への当接荷重は低減
されることに加え、支持ブラケット80の係止部80A
が塑性変形することにより更にエネルギー吸収がなされ
るので、ウインドシールドガラス42側への当接荷重は
更に低減されるからである。すなわち、本明細書におい
て、「エアバッグドアとウインドシールドガラスとの干
渉を極力防止する」との記載には、エアバッグドアがウ
インドシールドガラスに当接するのを完全に阻止する場
合の他、当接荷重を低減させることができることを条件
にエアバッグドアがウインドシールドガラスに当接する
場合の双方が含まれる。さらに、本実施形態では、三層
構造のインストルメントパネル10に同じく三層構造の
エアバッグドア20を一体に成形する構成を採り、この
際にドア表皮44とインパネ表皮12とを分けたが、こ
れに限らず、一枚物の表皮を用いてもよい(即ち、所謂
インビジブルタイプとしてもよい)。なお、この場合に
は、一枚物の表皮の裏面におけるドア表皮44に相当す
る部位に表皮開裂部を設定すればよい。
【0067】また、本実施形態では、三層構造のインス
トルメントパネル10に一体的に設けられるエアバッグ
ドア20に対して本発明を適用したが、これに限らず、
インストルメントパネルとは別体でエアバッグドアが後
付けされるタイプに対して本発明を適用してもよい。
【0068】さらに、本実施形態では、エアバッグケー
ス26の両側壁部26Cに支持ブラケット80をそれぞ
れ設け、これらの支持ブラケット80にストラップ76
の両端部76C、76Dを係止させたが、これに限ら
ず、エアバッグケース26を支持している車体側構成部
材であるインパネリインフォース32にストラップ76
の両端部76C、76Dを直接或いは支持ブラケット8
0を配設した上で係止させる構成を採ってもよい。
【0069】また、本実施形態では、一本の紐から成る
ストラップ76を熱収縮性チューブ78内に挿通させて
加熱収縮させる構成を採ったが、これに限らず、図9に
示されるようにストラップ76の中間部76Bに長手方
向寸法が所定寸法に設定されスラブウレタンから成る被
覆材90を巻き付けて開放端部同士を粘着剤等で貼り付
ける構成を採ってもよい。
【0070】さらに、本実施形態では、ストラップ76
として紐を用いたが、これに限らず、ベルト状のストラ
ップを用いてもよい。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の本発
明に係る助手席用エアバッグ装置は、ドア基材の後端側
の両サイドにそれぞれ設けられた開口部内へ規制手段を
挿通させると共に、ドア基材の表面における両サイドの
開口部間に当該規制手段の中間部を配置したので、ドア
基材に作用するバッグ膨張圧を規制手段の中間部という
広い範囲で支持することができ、その結果、エアバッグ
ドアの慣性質量の増加を招くことなく、エアバッグドア
の展開角度を確実に規制することができるという優れた
効果を有する。
【0072】また、請求項1記載の本発明に係る助手席
用エアバッグ装置は、エアバッグドアを、ドア基材と、
このドア基材に対して離間して配置され意匠面を構成す
る表皮と、ドア基材と表皮との間に充填される発泡層
と、から成る三層によって構成し、さらに、規制手段
を、発泡層の構成材料に対する保護性能を有する劣化防
止手段によって被覆したので、発泡層の構成材料からの
影響が規制手段に及ぶのを防止することができ、その結
果、規制手段の経年劣化を防止することができるという
優れた効果も有する。
【0073】さらに、請求項1記載の本発明に係る助手
席用エアバッグ装置は、規制手段を劣化防止手段によっ
摺動可能に被覆したので、規制手段によるエアバッグ
ドアとエアバッグケース又は車体側構成部材との連結時
に規制手段の各端部の長手方向寸法にバラツキ(偏差)
が生じたとしても当該バラツキを解消することができ、
その結果、エアバッグドアが傾きながら展開するのを防
止することができるという優れた効果を有する。
【0074】請求項2記載の本発明に係る助手席用エア
バッグ装置は、請求項1記載の発明において、両端部を
結ぶことによって形成されたループ状の紐によって規制
手段を構成すると共に、熱収縮性チューブによって劣化
防止手段を構成し、さらに、当該ループ状の紐を密着さ
せた状態で当該熱収縮性チューブ内へ摺動可能に挿通さ
せたので、ドア基材の開口部内へ通した後に紐を結ぶ必
要がなくなると共に紐を結ぶ作業が一回で済み、更には
紐の中間部に弛みが生じるのを防止することができると
共に紐の中間部の径も一定になることから、紐のドア基
材への組付作業性を大幅に向上させることができるとい
う優れた効果を有する。
【0075】請求項3記載の本発明に係る助手席用エア
バッグ装置は、請求項2記載の発明において、エアバッ
グケースの両側壁部に、所定値以上の荷重が作用するこ
とによって塑性変形する略U字状のブラケットをそれぞ
れ固着すると共に、双方のブラケットにループ状の紐の
両端部をそれぞれ通した状態で、当該ブラケットの開放
端部同士を結合手段によって結合させたので、ブラケッ
トが塑性変形する過程でこれに作用する引張荷重を吸収
することができると共に別体のタブ等を用いることなく
紐の端部をエアバッグケース又は車体側構成部材に連結
することができ、その結果、紐切れを防止することがで
きると共に生産性を向上させることができるという優れ
た効果を有する。
【0076】請求項4記載の本発明に係る助手席用エア
バッグ装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
の発明において、ドア基材の表面側に略車両幅方向に沿
って延びかつ略車両下方側へ向けて凸となる凹溝状の補
強用のリブを形成すると共に、当該補強用のリブ内に規
制手段の中間部を収容させたので、エアバッグドアの表
面(意匠面)への影響(ヒケや脹らみ等)を抑制するこ
とができ、その結果、エアバッグドアの外観品質を向上
させることができるという優れた効果を有する。
【0077】請求項5記載の本発明に係る助手席用エア
バッグ装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
の発明において、インストルメントパネルを、その裏面
側を構成するインパネ基材と、このインパネ基材に対し
て離間して配置され意匠面を構成する表皮と、インパネ
基材と表皮との間に充填される発泡層と、から成る三層
によって構成し、エアバッグドアを、当該インストルメ
ントパネルと一体に成形する構成としたので、簡単に製
造することができ、生産性を向上させることができると
いう優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置のエ
アバッグドアに用いられるドア基材にストラップが挿通
された状態を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置が配
設されたエアバッグドア一体タイプのインストルメント
パネルの外観斜視図である。
【図3】図1に示される助手席用エアバッグ装置の縦断
面構造を示す図2の3−3線に沿う断面図である。
【図4】図3に示されるエアバッグケースをインパネリ
インフォースから分離した状態で示す斜視図である。
【図5】本実施形態に係るストラップを構成するループ
状の紐の斜視図である。
【図6】図5に示されるストラップに熱収縮性チューブ
が被覆された状態を示す斜視図である。
【図7】ドア基材のハトメに熱収縮性チューブによって
被覆されたストラップが挿通された状態を示す要部拡大
断面図である。
【図8】図4に示される支持ブラケットを拡大して示す
要部拡大斜視図である。
【図9】図6に示される熱収縮性チューブの代わりにス
ラブウレタンから成る被覆材を用いた実施形態を示す斜
視図である。
【図10】従来例に係る助手席用エアバッグ装置の縦断
面図である。
【図11】図10に示される助手席用エアバッグ装置の
分解斜視図である。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル 12 インパネ表皮 14 インパネ基材 16 発泡層 18 助手席用エアバッグ装置 20 エアバッグドア 26 エアバッグケース 26C 側壁部 32 インパネリインフォース(車体側構成部材) 38 インフレータ 40 バッグ 42 ウインドシールドガラス 44 ドア表皮 46 ドア基材 48 発泡層 68 リブ 70 ハトメ(開口部) 72 ハトメ(開口部) 76 ストラップ(規制手段) 76B 中間部(規制手段の中間部) 78 熱収縮性チューブ(劣化防止手段) 80 支持ブラケット(ブラケット) 82 ウエルドナット(結合手段) 84 ボルト(結合手段) 90 被覆材(劣化防止手段)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インストルメントパネルにおける助手席
    側頂部にウインドシールドガラスに対向して展開可能に
    配置され、ドア裏面側を構成するドア基材と、このドア
    基材に対して離間して配置され意匠面を構成する表皮
    と、ドア基材と表皮との間に充填される発泡層と、から
    成る三層によって構成されたエアバッグドアと、 車体側構成部材に支持されると共にエアバッグドアの下
    方側に配置され、車両前部への所定の高荷重作用時にガ
    スを噴出するインフレータ及びこのガスによって膨張し
    てエアバッグドアをウインドシールドガラス側へ展開さ
    せるバッグを収容するエアバッグケースと、 エアバッグドアとエアバッグケース又は車体側構成部材
    とを連結し、エアバッグドアの展開角度をウインドシー
    ルドガラスとの関係で所定角度に規制する長尺状の規制
    手段と、 を含んで構成される助手席用エアバッグ装置であって、 ドア基材の後端側の両サイドにそれぞれ設けられた開口
    部内へ規制手段を挿通させると共に、ドア基材の表面に
    おける両サイドの開口部間に当該規制手段の中間部を配
    置し、 さらに、当該規制手段を発泡層の構成材料に対する保護
    性能を有する劣化防止手段によって摺動可能に被覆し
    た、 ことを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 両端部を結ぶことによって形成されたル
    ープ状の紐によって前記規制手段を構成すると共に、熱
    収縮性チューブによって前記劣化防止手段を構成し、 さらに、当該ループ状の紐を密着させた状態で当該熱収
    縮性チューブ内へ摺動可能に挿通させた、 ことを特徴とする請求項1に記載の助手席用エアバッグ
    装置。
  3. 【請求項3】 前記エアバッグケースの両側壁部に、所
    定値以上の荷重が作用することによって塑性変形する略
    U字状のブラケットをそれぞれ固着すると共に、 双方のブラケットに前記ループ状の紐の両端部をそれぞ
    れ通した状態で、当該ブラケットの開放端部同士を結合
    手段によって結合させた、 ことを特徴とする請求項2に記載の助手席用エアバッグ
    装置。
  4. 【請求項4】 前記ドア基材の表面側に略車両幅方向に
    沿って延びかつ略車両下方側へ向けて凸となる凹溝状の
    補強用のリブを形成すると共に、 当該補強用のリブ内に前記規制手段の中間部を収容させ
    た、 ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載の助手席用エアバッグ装置。
  5. 【請求項5】 前記インストルメントパネルは、その裏
    面側を構成するインパネ基材と、このインパネ基材に対
    して離間して配置され意匠面を構成する表皮と、インパ
    ネ基材と表皮との間に充填される発泡層と、から成る三
    層によって構成され、 前記エアバッグドアは、当該インストルメントパネルと
    一体に成形される、 ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載の助手席用エアバッグ装置。
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