JP3347467B2 - 着色薄膜形成用塗布液、着色薄膜とその製造方法、およびガラス物品 - Google Patents
着色薄膜形成用塗布液、着色薄膜とその製造方法、およびガラス物品Info
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Description
用される着色薄膜形成用塗布液、該塗布液を用いて形成
される着色薄膜、およびその製造方法に関する。
膜、低反射帯電防止膜、着色低反射帯電防止膜のコーテ
ィング方法については従来より光学機器、特にTV、コ
ンピュータ端末の陰極線管(CRT)に関し多くの検討
がなされてきた。
面を350℃程度に加熱してCVD法により酸化スズお
よび酸化インジウム等の導電性酸化物層を設ける方法が
提案されている(たとえば特開昭63−76247)。
膜の着色に関しては、水溶性フタロシアニン化合物を用
いる方法が提案されている(特開平1−27566
4)。帯電防止性能をもつ着色薄膜については、メチル
バイオレットを用いた帯電防止膜の記述がある(特開平
1−251545)。低反射性に関しては、ブラウン管
表面に防眩効果をもたせるため表面に微細な凹凸を有す
るSiO2 層を付着させたり、フッ酸により表面をエッ
チングして凹凸を設ける等の方法が採られてきた(たと
えば特開昭61−118931)。
せるノングレア処理と呼ばれ、本質的に低反射層を設け
る方法ではないため、反射率の低減には限界があり、ま
たブラウン管等においては解像度を低下させる原因とも
なっていた。
ーティング法による光学多層膜を設ける方法が提案され
ている(特開平3−93136)。
VD法により帯電防止膜を形成する手法は装置コストが
かかることに加えてブラウン管表面を高温に加熱するた
めブラウン管内の蛍光体の脱落を生じたり、寸法精度が
低下する等の問題があった。またこの場合通常400℃
程度の高温を必要とし、低温で焼成した場合、充分低抵
抗な膜が得られないという欠点があった。
化合物を用いる方法は、有機染料を用いるため耐熱性、
耐候性に乏しく、特定波長に吸収をもつため可視光全波
長領域にわたっての均一な吸収を得ることが難しいとい
う欠点を有している。
も同様な理由より耐熱性、耐候性に乏しく可視光全波長
領域にわたっての均一な吸収を得ることが難しい。
業的に安価とはいえず、また可視光波長領域にわたって
の均一な吸収を得られないため、陰極線管に成膜したと
きコントラストの向上も望めない。
を解決し、低温熱処理が可能な着色薄膜形成用塗布液、
着色薄膜とその製造方法、およびガラス物品を新規に提
供することを目的とする。
るTiの酸化物と、Inの化合物とを含む着色薄膜形成
用塗布液を提供する。
物と、Inの酸化物とを含み、かつ、380〜700n
mの波長領域において透過率の低下が生じることを特徴
とする着色薄膜を提供する。
層膜において、該多層膜のうちの少なくとも1層が、前
記着色薄膜で形成されてもよい。例えば、基体上に形成
される多層膜において、基体側から、前記着色薄膜、そ
の上に該着色薄膜よりも低い屈折率を有する膜が順次形
成された多層膜が挙げられる。
多層膜が形成されたことを特徴とするガラス物品を提供
する。本発明の着色薄膜はディスプレイ用途に供される
ガラス物品に好ましく用いられる。
ュータの端末表示等に使用される場合、高解像度の要求
とともにハイコントラストの要求も高まりつつある。し
かしコントラストの向上を期してガラス自体の透過率を
低下させた場合、ディスプレイの大型化に伴ってフェイ
スプレートの肉厚も厚くなることから、特に大型ディス
プレイでは透過率の著しい低下が問題となる。
となくその表面に膜を形成しこの膜で光吸収を生じさせ
ることによりコントラストの向上を図る。したがって、
種々の肉厚をもつディスプレイ用ガラスパネルへの適用
がきわめて容易になる。
トルで構成されるが、発光スペクトルのバランスを崩さ
ずにコントラストの向上を図るには、特定の光吸収を持
つ着色薄膜よりも可視光領域にわたって均一の光吸収を
持つ着色薄膜が好ましい。
果、窒素を含有するTiの酸化物(以下、酸窒化チタン
ともいう)を含む着色薄膜を構成することにより、可視
光領域、特に380〜700nmの波長領域において均
一な光吸収を可能とし上記の問題点を解決できた。
素を0. 1〜30wt%含有するTiOx (1.0≦x
<2.0)であることが好ましい。x<1では屈折率が
1.9以下となり好ましくなく、また、x<2.0でな
ければ好ましい導電性が得られない。
めに、長周期型周期表において示される3〜11族元
素、たとえば、V、Nb、Taなどの遷移金属元素を酸
窒化チタンに対して5. 0wt%以下添加するのも好ま
しい。
り、酸窒化チタン粒子は還元処理した酸化チタンを用い
ることが好ましく、還元処理にはN2 ガス、NH3 ガス
等を用いることができる。
mであることが好ましい。ここでいう粒径とは、粒子の
平均1次粒径をいう。これよりも小さい粒径の場合は、
粒子の隠蔽力の点で着色性能が充分発現されず、また、
これよりも大きい粒径の場合、表面の凹凸構造が大きく
なり過ぎ、かつ、ヘーズが増加し好ましくない。
x (1≦x<2)に関しては、これよりも含有される窒
素量が少ないと、充分な着色度が得られず、かつこれよ
りも含有される量が多いと、赤みの色相が増加し、着色
薄膜に適用した場合均一な光の吸収が得られず好ましく
ない。
Hf、V、Ta、Nbの窒素含有酸化物は電気伝導率の
点で導電成分または導電補肋成分として優れている。A
l、Siの窒素含有酸化物は、硬度が高く、膜中での膜
補強成分として好適に使用できる。
酸化物を含有させることによりディスプレイのオン、オ
フ時に生起する静電気を抑える帯電防止性能も付与さ
せ、埃等の付着を抑制することも可能とした。
よりも低屈折率を有する膜を構成し、解像度を損なうこ
となく蛍光灯の映り込み等を抑制する低反射性能をも付
与することも可能とした。
れ、膜厚が厚過ぎると種々の特性より好ましくないこと
から、0.5μm以下がよい。
する屈折率と膜厚で決定される。ここで一定の屈折率n
S を有する基体上に屈折率nを有する薄膜を付着させ、
屈折率n0 の媒質中から波長λの光が入射した場合のエ
ネルギー反射率Rは光が膜中を通過する際の位相差をΔ
とするとΔ=4πnd/λ(d:膜厚)であり、Δ=
(2m+1)π、すなわち位相差Δが半波長の奇数倍の
とき、極小値をとり、このとき、式1となる。
R=0とおき、式2が導かれる。
る。ただし、n1 は媒質側層の屈折率、n2 は基体側層
の屈折率である。
(ガラス)を式3に適用した場合、n2 /n1 =1.2
3となり、この場合、2層構成膜の最大の低反射性が得
られる。n 2 /n1 =1.23を満たさなくても、2層
膜の屈折率がこれに近い値をとれる場合、低反射性が得
られる。したがって、基体側に設ける高屈折率層と媒質
側に設ける低屈折率層は両者の屈折率比ができるだけ
1.23に近い値となるように選択するのが望ましい。
は、多層膜間の屈折率差と合わせて膜厚も重要な要素で
ある。
成としては、反射防止をしたい波長をλとして、基体側
より高屈折率層および低屈折率層をそれぞれ光学膜厚λ
/2およびλ/4で構成した低反射膜、基体側より中屈
折率層、高屈折率層および低屈折率層をそれぞれ光学膜
厚λ/4、λ/2およびλ/4で順次形成した3層の低
反射膜、基体側より低屈折率層、中屈折率層、高屈折率
層および低屈折率層をそれぞれ光学膜厚λ/4、λ/
4、λ/2およびλ/4で順次形成した4層の低反射膜
等が典型的な例として知られている。
た酸化チタンを用いる。還元処理にはN2 ガス、NH3
ガス等を使用できる。
め、帯電防止膜を構成する場合、導電補助成分として機
能する。
ついては、着色薄膜の場合1〜90wt%が好ましく、
これ以下の場合、着色性能が充分でなくこれ以上の場合
は膜の強度が低下し好ましくない。
1〜80wt%であることが特に好ましい。酸窒化チタ
ン量が少なすぎると着色性能が充分でなく、また多すぎ
ると帯電防止能および膜の透過率が悪化し好ましくな
い。
使用できる。酸化物は塗布液中に粒子として分散させて
用いることもでき、また溶液として用いて基体上で酸化
物化させることもできる。
されず、種々の溶媒および分散法が使用できる。好まし
くは、水またはアルコール等の有機溶媒中に粒子を添加
し、酸またはアルカリを添加してpHを調整し、コロイ
ドボールミル、サンドミル、ホモジナイザー等の市販の
粉砕器で分散させて得ることができる。
00nm以下となっていることが好ましい。溶液を用い
る場合、キレート錯体のような有機化合物、硝酸塩のよ
うな無機化合物を用い上記の粒子を分散した液と混合し
て用いる。
法、ディップ法、スプレー法、ロールコート法、メニス
カスコート法等、種々考えられるが、特にスピンコート
法は量産性、再現性に優れ、好ましく用いられる。かか
る方法によって10nm〜1μm程度の膜が形成でき
る。
折率膜を構成する物質としてはケイ素化合物が屈折率、
膜強度の点から好ましく用いられる。ケイ素化合物とし
ては、Si(OR)m Rn (m+n=4、m=1〜4、
n=0〜3、R=炭素数1〜4のアルキル基)で示され
る化合物またはその部分加水分解物を用いることが好ま
しい。ケイフッ化水素酸、ホウ酸を含む水溶液に二酸化
ケイ素粉末を飽和させてなる溶液より析出させてできる
ケイ素化合物も使用できる。
はその部分加水分解物の着色帯電防止膜上への塗布方法
としては、前述した方法と同様に種々の方法が好ましく
用いられる。
るため、高屈折率を有し上記低屈折率膜との2層で構成
した場合前述の低反射性能が容易に発現される。
ため、上記溶液に前記Si(OR)m Rn で示される化
合物(たとえば、シリコンエトキシド、シリコンメトキ
シド、シリコンイソプロポキシド、シリコンブトキシド
等)またはその部分加水分解物を添加してもよい。
としては特に限定されず、目的に応じてソーダライムシ
リケートガラス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ
酸塩ガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、石英
ガラス等のガラス、鋼玉等の単結晶、マグネシア、サイ
アロン等の透光性セラミックス、ポリカーボネート等の
プラスチックも使用できる。
窒化チタンを用いるので着色性能に関して熱安定性、耐
候性に優れている。
ため、陰極線管に適用した場合、陰極線管内の蛍光体の
発するスペクトルのバランスを崩すことなくコントラス
トの向上が図れる。
て低反射特性も向上する。
ているため帯電防止能を発現させる成分として機能して
いる。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。例3、
7、9が実施例であり、それ以外は比較例である。得ら
れた膜の評価結果は下記のように行った。
フォトメータU−3500により380nm、550n
m、780nmの透過率を測定した。
ズコンピュータにより膜自体のヘーズを測定した。
帯電防止膜について三菱油化社製ハイレスタ抵抗測定器
により相対湿度30%以下の雰囲気中で膜表面の表面抵
抗値を測定した。
ムで膜表面を50回往復後、その表面の傷の付きを目視
で判断した。評価基準は次の通りとした。○:傷が全く
付かない、△:傷が多少付く、×:多くの傷が付くか剥
離。
膜表面を走査し、その後目視により表面の傷の生じ始め
る鉛筆の硬度を膜の鉛筆硬度と判断した。
ついてGAMMA分光反射スペクトル測定器により膜の
380〜700nmの視感反射率を測定した。
0)15gをあらかじめpH3.0に調整した水溶液8
5g 中に添加してサンドミルで4時間粉砕して90℃で
1時間加熱したのち、濃度10wt%に調整し、平均粒
径90nmのゾルを得た(A液)。
物換算で固形分20wt%)にSi(OEt)4 に対し
て水(pH3.0に調整した塩酸酸性水溶液)を8mo
l比(Si(OEt) 4 1molに対して水を8mol
の割合)で添加し、2時間撹拌した(B液)。
となるようにエタノールで希釈した後、A液:B液=
2:3(重量比)となるように混合し、ブラウン管パネ
ル表面に100rpmの回転速度で60秒間塗布し、そ
の後160℃で30分間加熱し約100nmの膜厚の膜
を得た。
10nm)15gを水85g中に添加してサンドミルで
16時間粉砕して90℃で1時間加熱した後、濃度10
wt%に調整し、平均粒径50nmの粒子からなるゾル
を得た(C液)。
wt%となるようにエタノールで希釈した後、A液:B
液:C液=3:2:5(重量比)となるように混合し、
ブラウン管パネル表面に100rpmの回転速度で60
秒間塗布し、その後160℃で30分間加熱し約90n
mの膜厚の膜を得た。
末をITO粉末(Sn/In=10/90mol比、1
次粒径30nm) に変更し水85gをKOHであらかじ
めpH10.0に調整した水溶液に変更した以外は例2
と同様に行い約80nmの膜厚の膜を得た。
末をAlが10mol%ドープされたZnO粉末(1次
粒径20nm) に変更した以外は例2と同様に行った。
末をGaが8mol%ドープされたZnO粉末(1次粒
径40nm) に変更した以外は例4と同様に行った。
0分の加熱処理に変更し約100nmの膜厚の膜を得
た。この膜上にB液を酸化物換算で0.9wt%にエタ
ノールで希釈した溶液を例2記載のスピンコート法で塗
布し160℃で30分加熱処理し着色低反射帯電防止膜
を得た。
末をITO粉末(Sn/In=10/90mol比、1
次粒径30nm) に変更し水85gをKOHであらかじ
めpH10.0に調整した水溶液に変更した以外は例6
と同様に行った。
液=3:2:5(重量比))をA液:B液:C液=4:
2:4(重量比)となるように変更した以外は例6と同
様に行った。
アセチルアセトンに溶解し130℃で1時間還流を行っ
た(D液)。塩化第一スズをアセチルアセトンに酸化物
換算で10wt%となるように溶解し135℃で2時間
加熱還流を行った(E液)。D液とE液を各酸化物換算
で1.2wt%となるようにエタノールで希釈した後、
D液:E液=85:15(重量比)となるように混合し
た(F液)。
後の焼成を370℃、6分に変更した以外は例7と同様
に行った。
行った。
し酸化物換算で1.4wt%になるようにエタノールで
希釈しブラウン管パネル表面に100rpmの回転速度
で60秒間塗布しその後160℃で30分間加熱し膜を
得た。
タノールで希釈した後、ブラウン管パネル表面に100
rpmの回転速度で60秒間塗布しその後160℃で3
0分加熱した。
液:C液=9.5:0.25:0.25(重量比)とな
るように混合した以外は例2と同様に行った。
果を表1に示す。
に優れるとともに、特定の可視光波長に吸収を生じない
ため、陰極線管に適用した場合、陰極線管内の蛍光体の
発するスペクトルのバランスを崩すことなくコントラス
トの向上が図れる。
は導電性を有しているため、本発明の着色薄膜は帯電防
止能も発現する。
Claims (6)
- 【請求項1】窒素を含有するTiの酸化物と、Inの化
合物とを含む着色薄膜形成用塗布液。 - 【請求項2】前記窒素を含有するTiの酸化物は、窒素
を0. 1〜30wt%含有するTiOx (1.0≦x<
2.0)であることを特徴とする請求項1記載の着色薄
膜形成用塗布液。 - 【請求項3】基体表面に請求項1または2記載の着色薄
膜形成用塗布液を塗布した後、加熱および/または紫外
線照射し基体表面に着色薄膜を形成することを特徴とす
る着色薄膜の製造方法。 - 【請求項4】窒素を含有するTiの酸化物と、Inの酸
化物とを含み、かつ、380〜700nmの波長領域に
おいて透過率の低下が生じることを特徴とする着色薄
膜。 - 【請求項5】基体上に形成される多層膜において、基体
側から、請求項4記載の着色薄膜、その上に該着色薄膜
よりも低い屈折率を有する膜が順次形成されたものであ
ることを特徴とする多層膜。 - 【請求項6】請求項4記載の着色薄膜または請求項5記
載の多層膜が形成されたことを特徴とするガラス物品。
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DE102010048089B4 (de) * | 2010-10-01 | 2016-09-01 | Carl Zeiss Vision International Gmbh | Verfahren zur Erzeugung einer mehrere Schichten aufweisenden antistatischen Beschichtung für ein Linsenelement |
-
1994
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