JP3345117B2 - 樹脂組成物および多層構造体 - Google Patents

樹脂組成物および多層構造体

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JP3345117B2 JP21734393A JP21734393A JP3345117B2 JP 3345117 B2 JP3345117 B2 JP 3345117B2 JP 21734393 A JP21734393 A JP 21734393A JP 21734393 A JP21734393 A JP 21734393A JP 3345117 B2 JP3345117 B2 JP 3345117B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外観が美麗で、ガスバ
リヤー性に優れ、かつ耐層内・層間剥離性の優れた多層
構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】耐湿性、機械的特性に優れた熱可塑性樹
脂、とくにポリオレフィンの層と酸素バリヤー性に優れ
たエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下EVO
Hという)層とを接着性樹脂を介して積層した多層プラ
スチック包装材は、ボトル、カップ、パウチ等の形で酸
素バリヤー性に優れた容器として食品、化粧品、医化学
薬品、トイレタリー等の種々の分野で広く使用されてい
る。このような多層プラスチック容器を製造する際、ボ
トル等のブロー成形ではピンチオフによるバリ、またカ
ップ成形の場合には、打抜きクズ等のリグラインドが必
然的に発生し、その再利用がコストおよび省資源の見地
から必要とされている。
【0003】このリグラインドを有効に再利用するため
に、主材料のポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂層にリ
グラインドを混合して使用する方法(特公昭59−29
409)、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂層とEV
OH層との間にリグラインドを介在させる方法(特開昭
59−101338)が提案されている。しかしなが
ら、多くの熱可塑性樹脂、特にポリオレフィン系樹脂と
EVOHとを含むスクラップ樹脂を同時溶融押出成形す
る場合、EVOHが劣化する傾向にあり、混練溶融押出
に際して押出機内部における黒色状付着物(操業上「焦
げ」と呼ばれている。)等の発生、或いは押出に際して
ダイリップなどに付着するゲル状物質(操業上「メヤ
ニ」と呼ばれている。)等が生じ、不均一な相分離異
物、あるいは流動異常が生じ、またこれにより容器の外
観特性の低下、樹脂分解物の匂い等によりフレーバー低
下、耐衝撃性等の機械的特性の低下等がもたらされ、押
出成形は実用的に全く実施できないか、できても短時間
しか運転できない場合が多いのが実情である。またポリ
オレフィンとEVOHとのブレンド物およびEVOHを
共押出し成形する場合、成形物表面に波模様が発生し、
さらにデラミネーションも発生する。さらに、特開平3
−215032では、エチレン含有率68〜98モル
%、酢酸ビニル成分のケン化度20%以上であるエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を混合して、使用する
方法が提案されているが、相溶性不良が原因と推定され
る成形物表面の波模様、デラミネーションの発生が一部
認められ、また、耐層間剥離性が十分に改善されていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
相溶性不良に原因を発すると考えられる焦げ、メヤニ、
流動異常を解消し、リグラインド等のスクラップ組成物
を有効に再利用することを目的として、波模様のない、
外観美麗で、耐層内、層間剥離性が良好でしかもガスバ
リヤー性の優れた成形物を得んとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱可塑性
樹脂、とくにポリオレフィン(A)およびEVOH
(B)にプロピレン含有率20〜98モル%、酢酸ビニ
ル成分のケン化度20%以上の特殊なプロピレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物(C)(以下S−EVOHとい
う)を適当量含有させ、この組成物とEVOHを用いて
多層成形する場合には、焦げ、メヤニや流動異常がな
く、しかも波模様のない外観美麗で、ガスバリヤー性の
優れた多層構造体が得られることを見出して本発明を完
成したものである。
【0006】本発明において熱可塑性樹脂(A)として
代表的にあげられるポリオレフィン(A)とは、高密
度、中密度あるいは低密度のポリエチレン、酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル、あるいはブテン、ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類を共
重合したポリエチレン、アイオノマー樹脂、ポリプロピ
レンホモポリマー、エチレンをグラフト重合したポリプ
ロピレン、あるいはエチレン、ブテン、ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類を共重合
したポリプロピレン、ゴム系ポリマーをブレンドした変
性ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−
1−ペンテンなどを含んでいる。ただし、熱可塑性樹脂
(A)として、不飽和カルボン酸またはその誘導体によ
り変性されたポリオレフィンは除かれる。本発明におい
て特に重要なのはポリプロピレン系樹脂であり、次いで
ポリエチレン系樹脂である。
【0007】さらにポリオレフィン以外の熱可塑性樹脂
(A)としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ
アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレ
タン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアセタール系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが挙げられるが、こ
れらの中でその効果と実用性能において本発明にとって
特に重要なのはポリアミド系樹脂およびポリエステル系
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂およびポリスチレン系樹脂
である。
【0008】ポリアミド系樹脂としては、ポリカプラミ
ド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナ
イロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−
9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリ
ラウロラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンアジ
パミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジ
パミド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジ
パミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバ
カミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンド
デカミド(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレン
アジパミド(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンア
ジパミド(ナイロン−10,6)、ポリドデカメチレン
セバカミド(ナイロン−12,10)あるいは、カプロ
ラクタム/ラウロラクタム共重合体、カプロラクタム/
ヘキサメチレンアジパミド共重合体、ラウロラクタム
ヘキサメチレンアジパミド共重合体、ヘキサメチレンア
ジパミドヘキサメチレンセバカミド共重合体、エチレ
ンアジパミドヘキサメチレンアジパミド共重合体、カ
プロラクタム/ヘキサメチレンアジパミドヘキサメチ
レンセバカミド共重合体などが挙げられる。
【0009】ポリエステル系樹脂としては、ポリ(エチ
レンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレー
ト)、ポリ(エチレンテレフタレート/エチレンイソフ
タレート)、ポリ(エチレンテレフタレートシクロヘ
キサンジメチレンテレフタレート)などがその代表とし
てあげられ、さらにこれらの重合体に共重合成分として
エチレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキ
サンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ペンタン
ジオールなどのジオール類、あるいはイソフタル酸、ベ
ンゾフェノンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカル
ボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、プロピレンビ
ス(フェニルカルボン酸)、ジフェニルオキサイドジカ
ルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバチン酸、ジエチレンコハク酸などのジカルボン
酸を含有せしめたものも含まれる。
【0010】ポリ塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニ
ルの単独重合体のほか、酢酸ビニル、マレイン酸誘導
体、高級アルキルビニルエーテルなどとの共重合体が挙
げられる。
【0011】ポリスチレン系樹脂としては、スチレンの
単独重合体の他にブタジエンをグラフト共重合したポリ
エチレン、スチレン−ブタジエンゴムを混合したもの、
あるいはスチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げ
られる。
【0012】また、本発明にいうEVOH(B)とはエ
チレンと酢酸ビニルの共重合体中の酢酸ビニル単位を加
水分解したものであれば任意のものを含むものである
が、ポリオレフィンとの相溶性が不良であるものは比較
的エチレン単位が少なく酢酸ビニル成分のケン化度(加
水分解度)が高いものである。特に、エチレン含有率が
20〜65モル%、好適には20〜60モル%、最適に
は20〜50モル%で、酢酸ビニル成分のケン化度が9
6%以上、とりわけ99%以上のものは、熱可塑性樹
脂、とりわけポリオレフィンと複合して用いることによ
り優れた容器類が得られることから、本発明の適用対象
として特に重要である。またEVOH(B)のメルトフ
ローインデックス(MI)(190℃、2160g荷重
下で測定した値:ただし、融点が190℃付近あるいは
190℃を越えるものは2160g荷重下、融点以上の
複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を
横軸、メルトインデックスを縦軸としてプロットし、1
90℃に外挿した値)は0.1g/10分以上、好適に
は0.5g/10分以上であり、また100g/10分
以下、好適には50g/10分以下、最適には30g/
10分以下であることが望ましい。
【0013】本発明にいうEVOH(B)は5モル%以
下の範囲の共重合モノマーで変性されていてもよく、か
かる変性用モノマーとしては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、高級脂肪酸ビニルエステル、アル
キルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチ
ル)メタクリルアミド類あるいはその4級化物、N−ビ
ニルイミダール、あるいはその4級化物、N−ビニルピ
ロリドン、N,N´−ブトキシメチルアクリルアミド、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、ビニルジメチルメトキシシラン等を例示すること
ができる。
【0014】本発明において、S−EVOH(C)と
は、熱可塑性樹脂、とりわけポリオレフィン(A)およ
びEVOH(B)の相溶性を顕著に改善する目的で、特
に選ばれ、新規に開発した特殊なEVOHであり、プロ
ピレン含有率20〜98モル%、酢酸ビニル成分のケン
化度20%以上のプロピレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物である。このS−EVOH(C)を用いることによ
り、ポリオレフィン(A)およびEVOH(B)の相溶
性改善および耐層間剥離性改善に顕著な効果を示す。こ
の理由は明確ではないが、S−EVOH(C)中のプロ
ピレン成分が存在することによりポリオレフィン(A)
とEVOH(B)の相溶性を改善しているものと思わ
れ、S−EVOH(C)にエチレン含有率20〜98モ
ル%、ケン化度20%以上のエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物が添加されていても良く、S−EVOH
(C)がエチレン−プロピレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物として用いられていても良い。特に相溶性改良に
有効なのはプロピレン含有率30モル%以上である。ま
た、酢酸ビニル成分のより有効なケン化度は30モル%
以上、とりわけ40%以上である。ケン化度の上限は、
とくに限定されないが、実質的に100%のケン化度の
ものも使用できる。プロピレン含有率が20モル%未
満、あるいは酢酸ビニル成分のケン化度が20%未満で
はポリオレフィンとの相溶性が悪い。また、プロピレン
含有率が98モル%以上ではEVOHとの相溶性が悪く
なるため焦げ、流動異常が生じ外観が著しく悪くなる。
またS−EVOH(C)のメルトフローインデックス
(MI)(190℃、2160g荷重下で測定した値:
ただし、融点が190℃付近あるいは190℃を越える
ものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定
し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、メルトイン
デックスを縦軸としてプロットし、190℃に外挿した
値)は0.1g/10分以上、好適には0.5g/10
分以上であり、また100g/10分以下、好適には5
0g/10分以下、最適には30g/10分以下である
ことが望ましい。
【0015】本発明にいうS−EVOH(C)は不飽和
カルボン酸またはその誘導体で変性されていてもよく、
かかる変性用酸モノマーとしてはα,β不飽和カルボン
酸、そのエステルあるいはその無水物であり、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、マレイン酸やフマル酸のモノメチルあるいはエチル
エステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸を例示する
ことができる。これらの酸モノマーは単独あるいは組合
せて用いられる。
【0016】また、S−EVOH(C)に、エチレン含
有率20〜98モル%、酢酸ビニル成分のケン化度20
%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
(D)が(C):(D)の重量比で99:1〜1:99
の割合で添加されていても良い。さらにS−EVOH
(C)として、プロピレン:エチレン=99:1〜1:
99の割合で共重合されたエチレン−プロピレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物用いてもよい。
【0017】熱可塑性樹脂(A)とEVOH(B)の組
成比としては、熱可塑性樹脂(A):EVOH(B)の
重量比として60:40〜99.9:0.1、とりわけ
65:35〜99.7:0.3の範囲のものが本発明の
効果の点で特に重要であるといえる。
【0018】本発明に用いられるS−EVOH(C)の
添加量は、熱可塑性樹脂およびEVOHの種類、組成に
より影響し、一概に決められないが、{熱可塑性樹脂
(A)とEVOH(B)の合計量}:S−EVOH
(C)の重量比として99.7:0.3〜70:30、
さらには99.7:0.3〜80:20、とりわけ9
9.7:0.3〜90:10の範囲が好適である。S−
EVOH(C)の添加量が、0.3部より少ないと相溶
性改善効果が見られず、好ましくない。また、上限は必
ずしもないが実用的には30部以下で充分である。
【0019】なお前記組成物のうち、とくに、ポリアミ
ド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂
およびポリスチレン系樹脂のうちから選ばれる少なくと
も1種の熱可塑性樹脂(A)、EVOH(B)およびS
−EVOH(C)からなり、かつ前記と同様の組成比を
有する樹脂組成物は新規であり、有用である。
【0020】さらに本発明において、熱可塑性樹脂
(A)およびEVOH(B)からなる組成物を溶融成形
するに際し、S−EVOH(C)を、あらかじめ熱可塑
性樹脂(A)あるいはEVOH(B)あるいは(A)、
(B)両方に配合してブレンドペレット化し、これを
(A)および(B)からなる組成物に配合して溶融成形
すれば、本発明の効果はさらに顕著となる。S−EVO
H(C)をあらかじめEVOH(B)に配合しておく例
としては、EVOH(B)100部にS−EVOH
(C)を5〜100部配合したものが挙げられる。この
ように、あらかじめS−EVOH(C)をEVOH
(B)にブレンドした場合には、S−EVOH(C)の
添加量を少なくしても効果は大きい。
【0021】本発明の組成物を得るためのブレンド方法
は、特別に制限はなく、3者をドライブレンドする方
法、S−EVOH(C)を熱可塑性樹脂(A)および/
またはEVOH(B)の全部または一部にあらかじめ配
合しておく方法、あるいは、各樹脂の粉砕物をドライブ
レンドする方法、上記組成物をブレンドペレット化する
方法、あるいは熱可塑性樹脂(A)層およびEVOH
(B)層のいずれかを含む多層シート、カップ、ボトル
等の粉砕物(回収物)にS−EVOH(C)、さらには
必要に応じ、熱可塑性樹脂(A)、EVOH(B)をド
ライブレンド、あるいはブレンドペレット化する方法な
どがあげられる。本発明の組成物を得るための各成分の
配合手段としては、リボンブレンダー、高速ミキサーコ
ニーダー、ミキシングロール、押出機、インテンシブミ
キサー等が例示される。
【0022】また上記(A)、(B)および(C)から
なる組成物に熱可塑性樹脂(A)またはEVOH(B)
に慣用の他の添加剤を配合することもできる。このよう
な添加剤の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可
塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤、熱安定性改
良剤、あるいは他の高分子化合物を挙げることができ、
これらを本発明の作用効果が阻害されない範囲内でブレ
ンドすることができる。添加剤の具体的な例としては次
の様なものが挙げられる。
【0023】酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイ
ドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル
フェノール)等。
【0024】紫外線吸収剤:エチレン−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレ−ト、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メ
チルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−オクトキシベンゾフェノン等。
【0025】可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエ
チル、フタル酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィ
ン、リン酸エステル等。
【0026】帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステ
アレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオ
レフィン類、ポリエチレンオキシド、カーボワックス
等。滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステア
レート等。
【0027】着色剤:カーボンブラック、フタロシアニ
ン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ
等。充填剤:グラスファイバー、アスベスト、バラスト
ナイト、ケイ酸カルシウム等。また、他の多くの高分子
化合物も本発明の作用効果が阻害されない程度にブレン
ドすることもできる。
【0028】本発明において、前記した(A)、(B)
および(C)からなる組成物層にEVOH層を積層する
ことが重要である。これらを積層することにより、波模
様がなく、外観が美麗のみならず、さらにはガスバリヤ
ー性に優れた、しかも樹脂組成物(F)層の相溶性が良
く、均一であるため、層内および層間接着性、さらには
耐ピンホール性、耐衝撃性の優れた多層構造体を得るこ
とができる。ここでEVOHとしては前記したEVOH
(B)が使用される。
【0029】積層にあたっては通常は接着性樹脂を使用
する。熱可塑性樹脂としてポリオレフィンを使用する場
合は、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性された
ポリオレフィン系の接着性樹脂が好適なものとしてあげ
られる。変性ポリオレフィン樹脂とは、アクリル酸、メ
タアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イ
タコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸またはそ
の無水物;アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ブチル、酢酸ビニル、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、メタク
リル酸ナトリウム等の不飽和カルボン酸誘導体;の群よ
り選ばれた少なくとも1種の不飽和カルボン酸またその
誘導体により変性されたポリオレフィン樹脂もしくはそ
の配合物である。ここでポリオレフィン樹脂としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル
またはアクリル酸エステル共重合体などが好適なものと
してあげられる。
【0030】熱可塑性樹脂(A)がポリアミド樹脂であ
る場合には接着性樹脂を使用せずに共押出成形により積
層が可能であるが、以下に述べる接着性樹脂を用いるこ
ともできる。熱可塑性樹脂(A)がポリエステル系樹脂
あるいはポリカーボネート系樹脂である場合の接着性樹
脂としてもっとも好ましいものは熱可塑性ポリエステル
系接着性樹脂である。特に好ましいものとして、ジカル
ボン酸成分とグリコール成分とから構成されるポリエス
テル中にAl、Cr、Sn、Ge及びSiからなる群よ
り選ばれた、一種以上の元素をジカルボン酸成分100
モルに対し、0.1〜5モル含有してなる変性ポリエス
テルがあげられる。金属元素としては、これらのなかで
もAlとCrが大きな接着力が得られるので好ましく、
Alが特に好ましい。
【0031】ジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニル
−4,4’ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸
などの脂肪族ジカルボン酸、及びシクロヘキサンジカル
ボン酸などの脂環式ジカルボン酸があげられ、これらを
一種あるいはそれ以上使用することが出来る。
【0032】またグリコール成分としては、エチレング
リコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコールなどの脂肪族グリコー
ル及びシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノールなどの脂環式ジオールなどがあげられ、これらを
一種あるいはそれ以上使用することが出来る。
【0033】熱可塑性樹脂(A)がポリエステルあるい
はポリカーボネート系樹脂である場合の他の接着性樹脂
としてはエステル基/アミド基のモル比率が90/10
〜10/90のポリエステル−アミド共重合体があげら
れる。該共重合体のカルボン酸成分とグリコール成分は
前記のものから選ばれる。アミンあるいはアミド成分と
してはピペラジン、あるいはペンタメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカ
メチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカ
メチレンジアミンなどのジアミン、そしてラウロラクタ
、ウンデカンアミド、ヘキサメチレンセバカミド、ヘ
キサメチレンアジパミド、ω−アミノヘプタン酸、ω−
アミノノナン酸などが挙げられる。
【0034】また、熱可塑性樹脂(A)がポリスチレン
系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂等の場合は前記した変性ポリオレフィン系樹
脂が接着性樹脂として使用できる。
【0035】本発明の多層構造体の適当な例としては、
本発明の樹脂組成物をF、熱可塑性樹脂をA、EVOH
をB、接着性樹脂をADで表わすと次の如き層構成とな
る。 2層 B/F 3層 A/F/B、F/B/F、F/AD/B 4層 F/B/AD/A、A/F/AD/B 5層 F/AD/B/AD/F、A/F/B/AD/A、A/F/B/F/A 6層 A/F/AD/B/AD/A 7層 A/F/AD/B/AD/F/A またこのような多層構造体において、本発明の樹脂組成
物は、多層構造体のスクラップで代用することもでき
る。また他のポリオレフィン成形体のスクラップを混合
して使用することもできる。上記の層構成の多層構造体
は、ガスバリヤー性に優れたEVOHを含有しているの
で、とくにガスバリヤー性の要求される食品包装材、医
療品(医薬品、医療用具など)の包装材として有用であ
る。
【0036】多層成形方法としては、一般的にいって樹
脂層の種類に対応する数の押出機を使用し、この押出機
内で溶融された樹脂の流れを重ねあわせた層状態で同時
押出成形するいわゆる共押出成形により実施する方法が
最良である。別の方法として、エキストルージョンコー
ティング、ドライラミネーションなどの多層成形方法も
採用されうる。また、このようにして得た、パリソン、
フィルム、シートなどの多層構造体を一軸延伸、二軸延
伸、あるいはブロー延伸などの延伸を実施することによ
り、または熱成形することにより、力学的物性、ガスバ
リアー性などにさらに特長ある物性を有する容器(ボル
ト、カップなど)を得ることができる。
【0037】ここで熱成形とは、シートを予め、加熱軟
化させたのち、プラグおよび真空圧空により変形させる
と同時に冷却してカップを成形する操作を意味する。ま
た、加熱とは該シートを変形に必要な温度に所定の時間
放置し、該シートが熱的にほぼ均一になる様に操作する
方法であれば良く、操作性を考慮して種々のヒーターで
加熱均一化する方法が好ましい。
【0038】
【実施例】以下、実施例により更に具体的に説明する。
なお、部は重量部を意味している。 実施例1 ポリプロピレン樹脂(A)(メルトフローインデックス
ASTM−D−1238、230℃、0.5g/10
分)95部、EVOH(B){エチレン含有率33モル
%、ケン化度99.9%、メルトフローインデックス
(190℃、2160g)1.5g/10分}5部、お
よびS−EVOH(C){プロピレン含有率89モル
%、ケン化度91%、メルトフローインデックス(19
0℃、2160g)2.5g/10分}2部をドライブ
レンドした後、直径が40mm、L/D=24、圧縮比
3.8のフルフライト型スクリューを有する押出機で溶
融押出し、ペレットを得た。このブレンド品(F)、上
述のポリプロピレン(A)、上述のEVOH(B)およ
び接着性樹脂(無水マレイン酸変性ポリプロピレン)
(E)を別々の押出機に仕込み、A/F/E/B/E/
F/A(膜厚比30/15/2.5/5/2.5/15
/30)の構成を有する4種7層の共押出成形を実施
し、シートを得た。押出成形はAが直径が65mm、L
/D=22の一軸スクリューを備えた押出機を200〜
240℃の温度として、Bは直径が40mm、L/D=
26の一軸スクリューを備えた押出機を170〜210
℃の温度として、Fは直径が40mm、L/D=26の
一軸スクリューを備えた押出機を160〜220℃の温
度として、Eは直径が40mm、L/D=22の一軸押
出機を備えた押出機を160〜210℃の温度として、
フィードブロック型ダイ(巾600mm)を240℃と
して、厚さ1000μのシートを得た。24時間の連続
運転後も良好なシートが得られ、相溶不良の相分離異
物、波模様は見られず、流動異常、デラミネーションは
起こらなかった。また、Fを径20mmのフルフライト
型スクリューと350mm巾のコートハンガーダイ(温
度230℃)を有する押出機を用いて、1時間の製膜を
実施した。次にこの製膜機をポリエチレン(PE)1.
5Kgで置換し、装置を分解し装置内面を観察したとこ
ろ、スクリューには付着物はほとんど見られず、ダイス
内面にはわずかに約0.1gの付着物がついているのが
観察された。更に、公知の熱成形法により、カップを成
形した。成形後もシートと同様に相溶不良の相分離異物
は見られず、成形異常による波模様、デラミネーション
は起らなかった。
【0039】比較例1 S−EVOH(C)をエチレン含有率74モル%、酢酸
ビニル成分のケン化度82%、メルトフローインデック
ス4.9g/10分のものに変更し、他は実施例1と同
様にして厚さ1000μのシートを得た。シートおよび
成形したカップ等は、実施例1で得られた結果とほぼ同
等であったが、単層製膜後のダイス内面への付着物は約
1.0gと多かった。
【0040】ポリプロピレン樹脂(A)(メルトフロー
インデックスASTM−D−1238、230℃、0.
5g/10分)95部、EVOH(B){エチレン含有
率33モル%、ケン化度99.9%、メルトフローイン
デックス(190℃、2160g)1.5g/10分}
5部をドライブレンドした後、直径が40mm,L/D
=24、圧縮比3.8のフルフライト型スクリューを有
する押出機で溶融押出し、ペレット(F)を得た。実施
例1において、ブレンド品(F)の代りに上述のペレッ
ト品を使用した他は実施例1と同様にして厚さ1000
μのシートを得た。運転開始直後より、シートには実施
例1では見られない不均一な相分離異物および波模様が
多数観察され、その数は時間経過と共に増大し、得られ
たシートの外観は極めて不良であった。更に実施例1と
同様にしてカップを成形した。成形後はシートよりも更
に相分離異物が数多く見られ、波模様も激しくなり、外
観は極めて不良であり、一部にデラミネーションが起こ
っていた。
【0041】実施例2〜5 実施例1で使用したポリプロピレン樹脂(A)、実施例
1で使用したEVOH(B)と各種S−EVOH(C)
とを表1に示す割合でブレンドペレット化した後、Fの
代わりに使用した他は実施例1と同様にして押出製膜を
実施した。得られたシートの膜面状態の評価を表1に合
わせて示した。膜面の状態の評価は次の基準により判定
した。 秀:均一かつ良好な相溶性を示し、波模様がなく、相分
離異物が見られない。 優:均一かつ良好な相溶性を示しているが、長時間の成
形において小さな相分離異物がわずかに見られる。波模
様はない。 良:相溶性は良好であるが、一部わずかに相分離異物が
見られる。 可:相溶性に改善効果は見られるが、相分離異物がわず
かに見られる。
【0042】
【表1】
【0043】実施例6 実施例1で得たシートを粉砕し、この粉砕物100部に
対して実施例1で使用したS−EVOH(C)を4部の
割合でドライブレンドした後、Fの代わりにこの粉砕物
を使用した他は、実施例1と同様にして、厚さ1000
μのシートを得た。48時間の連続運転後も良好なシー
トが得られ、相溶不良の相分離異物は見られず、流動異
常、波模様もなく、特にデラミネーションは起らなかっ
た。
【0044】比較例3 比較例1で得たシートを粉砕し、この粉砕物をFの代わ
りに使用した他は、実施例1と同様にして厚さ1000
μのシートを得た。運転開始30分ごろより、シートに
は、実施例1で見られない不均一な相分離異物が多数観
察され、その数は時間経過と共に増大し、得られたシー
トの外観は波模様が発生し、極めて不良であった。
【0045】実施例7 低密度ポリエチレン(A)(メルトフローインデックス
ASTM−D−1238、2.1g/10分、密度AS
TM−D−1505、0.92g/cm)、EVOH
(B)(エチレン含有率32.5モル%、酢酸ビニル成
分のケン化度99.9%、メルトフローインデックス
1.4g/10分)およびS−EVOH(C)(プロピ
レン含有率74モル%、酢酸ビニル成分のケン化度82
%、メルトフローインデックス2.5g/10分)を
A:B:C=63:10:4の比率のブレンドペレット
(F)を作製した。このブレンド品(F)を直径が40
mm、L/D=23のスクリューを有する押出機、低密
度ポリエチレン(A)を直径が45mm、L/D=22
のスクリューを有する押出機およびEVOH(B)を直
径が35mm、L/D=23のスクリューを有する押出
機、および接着性樹脂(E){三井石油化学製ADME
RLF−500(無水マレイン酸変性ポリエチレン)}
を直径が35mm、L/D=23のスクリューを有する
押出機によって、温度が240℃の4種5層ダイを用い
て共押出しをおこない、且つ公知の中空成形法により、
(内側)A/E/B/E/F(外側)(肉厚比12/1
/2/1/12)の構成を有する4種5層の横断面が楕
円状のボトルを成形した。その結果、48時間の連続運
転後も、厚みが均一でかつ外観良好なボトルが得られ、
またF層中に相溶性不良の相分離異物は見られず層間で
の剥離も認められなかった。なお得られたボトルはいず
れも平均肉厚が約600μ、内容積が約280ccであ
った。
【0046】実施例8 実施例6で得たボトルを粉砕し、この粉砕物100部に
S−EVOH(C)を2部ドライブレンドした後、Fの
代わりにこの粉砕物−S−EVOHブレンドを使用した
他は実施例7と同様にして、共押出しをおこない、且つ
公知の中空成形法により、楕円状のボトルを得た。24
時間後の連続運転後も良好なボトルが得られ、粉砕物と
S−EVOHのブレンド層中に相溶不良の相分離異物は
見られず、波模様、流動異常、層間での剥離によるデラ
ミネーション、外観不良は見られなかった。
【0047】比較例4 実施例8でS−EVOH(C)を使用しない他は、実施
例8と同様にして、4種5層の構造を有する楕円状のボ
トルを成形した。その結果、運転直後から実施例8では
見られない不均一な相分離異物が多数発生し、その数は
時間の経過とともに増大し、得られたボトルの外観は極
めて不良であった。
【0048】実施例 EVOH(B){エチレン含有率33モル%、酢酸ビニ
ル成分のケン化度99.9%、メルトフローインデック
ス(190℃、2160g)1.4g/10分}100
部とS−EVOH(C){プロピレン含有率89モル
%、酢酸ビニル成分のケン化度91%、メルトフローイ
ンデックス(190℃、2160g)2.5g/10
分}30部をドライブレンドした後、直径が40mm、
L/D=24、圧縮比3.8のフルフライト型スクリュ
ーを有する押出機で溶融押出し、ペレット(G)を得
た。実施例1において、ペレット(F)を製造するにあ
たり、EVOH(B)5部の代りに上記ペレット(G)
5部を使用し、S−EVOH(C)を使用しない他は実
施例1と同様にして厚さ1000μのシートを得た。2
4時間の連続運転後も良好なシートが得られ、相溶不良
の相分離異常および波模様な見られず、流動異常、デラ
ミネーションは起こらなかった。
【0049】実施例10 耐衝撃性ポリスチレン樹脂(A)(メルトフローインデ
ックスASTM−D−1238、2.2g/10分)9
5部、EVOH(B){エチレン含有率33モル%、ケ
ン化度99.9%、メルトフローインデックス(190
℃、2160g)1.5g/10分}5部、およびS−
EVOH(C){プロピレン含有率89モル%、ケン化
度91%、メルトフローインデックス(190℃、21
60g)2.5g/10分}2部をドライブレンドした
後、直径が40mm、L/D=24、圧縮比3.8のフ
ルフライト型スクリューを有する押出機で溶融押出し、
ペレット(F)を得た。このブレンド品(F)、上述の
耐衝撃ポリスチレン(A)、上述のEVOH(B)お
よび接着性樹脂(無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体)(E)を別々の押出機に仕込み、A/F
/E/B/E/F/A(膜厚比30/15/2.5/5
/2.5/15/30)の構成を有する4種7層の共押
出成形を実施し、シートを得た。押出成形はAが直径が
65mm、L/D=22の一軸スクリューを備えた押出
機を200〜240℃の温度として、Bは直径が40m
m、L/D=26の一軸スクリューを備えた押出機を1
70〜210℃の温度として、Fは直径が40mm、L
/D=26の一軸スクリューを備えた押出機を160〜
220℃の温度として、Eは直径が40mm、L/D=
22の一軸押出機を備えた押出機を160〜210℃の
温度として、フィードブロック型ダイ(巾600mm)
を240℃として、厚さ1000μのシートを得た。2
4時間の連続運転後も良好なシートが得られ、相溶不良
の相分離異物は見られず、流動異常、特にデラミネーシ
ョンは起らなかった。更に、公知の熱成形法により、カ
ップを成形した。成形後もシートと同様に相溶不良の相
分離異物は見られず、成形異常による波模様、特に層間
剥離によるデラミネーションは起らなかった。
【0050】比較例5 耐衝撃ポリスチレン樹脂(A)(メルトフローインデ
ックスASTM−D−1238、2.2g/10分)9
5部、EVOH(B){エチレン含有率33モル%、ケ
ン化度99.9%、メルトフローインデックス(190
℃、2160g)1.5g/10分}5部をドライブレ
ンドした後、直径が40mm、L/D=24、圧縮比
3.8のフルフライト型スクリューを有する押出機で溶
融押出し、ペレット(F)を得た。実施例10におい
て、ブレンド品(F)の代りに上述のペレット品を使用
した他は実施例10と同様にして厚さ1000μのシー
トを得た。運転開始直後より、シートには実施例10
は見られない不均一な相分離異物および波模様が多数観
察され、その数は時間経過と共に増大し、得られたシー
トの外観は極めて不良であった。さらに実施例10と同
様にしてカップを成形した。成形後はシートよりも更に
相分離異物が数多く見られ、波模様も激しくなり、外観
は極めて不良であり、一部にデラミネーションが起こっ
ていた。
【0051】実施例11〜14 実施例10で使用した耐衝撃性ポリスチレン樹脂
(A)、実施例で使用したEVOH(B)と各種S−E
VOH(C)とを表2に示す割合でブレンドペレット化
した後、Fの代わりに使用した他は実施例10と同様に
して押出製膜を実施した。得られたシートの膜面状態の
評価を表2に合わせて示した。
【0052】
【表2】
【0053】実施例15 実施例10で得たシートを粉砕し、この粉砕物100部
に対して実施例10で使用したS−EVOH(C)を4
部の割合でドライブレンドした後、Fの代わりにこの粉
砕物を使用した他は、実施例10と同様にして、厚さ1
000μのシートを得た。48時間の連続運転後も良好
なシートが得られ、相溶不良の相分離異物および波模様
は見られず、流動異常、特に層間剥離によるデラミネー
ションは起らなかった。
【0054】比較例6 比較例4で得たシートを粉砕し、この粉砕物をFの代わ
りに使用した他は、実施例10と同様にして厚さ100
0μのシートを得た。運転開始30分ごろより、シート
には、実施例10で見られない不均一な相分離異物が多
数観察され、その数は時間経過と共に増大し、得られた
シートの外観は極めて不良であった。
【0055】実施例16 ポリエチレンテレフタレート(A){メルトフローイン
デックス(MI)ASTM−D−1238:2.6g/
10分(210℃)、密度ASTM−D−1505:
1.4g/cm}、EVOH(B)(エチレン含有率
32.5モル%、酢酸ビニル成分のケン化度99.9
%、メルトフローインデックス1.4g/10分)およ
びS−EVOH(C)(プロピレン含有率74モル%、
酢酸ビニル成分のケン化度82%、メルトフローインデ
ックス2.5g/10分の)をA:B:C=63:1
0:4の比率のブレンドペレット(F)を作製した。こ
のブレンドペレット品(F)を直径が40mm、L/D
=23のスクリューを有する押出機、ポリエチレンテレ
フタレート(A)を直径が45mm、L/D=22のス
クリューを有する押出機およびEVOH(B)を直径が
35mm、L/D=23のスクリューを有する押出機、
および接着性樹脂(E)ピペラジン/1,4−シクロヘ
キサンジメタノール/アゼライン酸共重合体{41/9
/50(モル比)}を直径が35mm、L/D=23の
スクリューを有する押出機によって、温度が240℃の
4種5層ダイを用いて共押出しをおこない、且つ公知の
中空成形法により、(内側)A/E/B/E/F(外
側)(肉厚比12/1/2/1/12)の構成を有する
4種5層の横断面が楕円状のボトルを成形した。その結
果、48時間の連続運転後も、厚みが均一でかつ外観良
好なボトルが得られ、またF層中に相溶性不良の相分離
異物、波模様は見られず、層間剥離によるデラミネーシ
ョンも見られなかった。なお得られたボトルはいずれも
平均肉厚が約600μ、内容積が約280ccであっ
た。
【0056】実施例17 実施例16で得たボトルを粉砕し、この粉砕物100部
にS−EVOH(C)を2部ドライブレンドした後、F
の代わりにこの粉砕物−S−EVOHブレンドを使用し
た他は実施例16と同様にして、共押出しをおこない、
且つ公知の中空成形法により、楕円状のボトルを得た。
24時間後の連続運転後も良好なボトルが得られ、粉砕
物とS−EVOHのブレンド層中に相溶不良の相分離異
物、波模様は見られず、また、層間の剥離によるデラミ
ネーションも見られず、流動異常、外観不良は見られな
かった。
【0057】比較例7 実施例17でS−EVOH(C)を使用しない他は、実
施例17と同様にして、4種5層の構造を有する楕円状
のボトルを成形した。その結果、運転直後から実施例
では見られない不均一な相分離異物が多数発生し、そ
の数は時間の経過とともに増大し、得られたボトルの外
観は極めて不良であった。
【0058】実施例18 ナイロン−6/12共重合体樹脂(A)(カプロラクタ
ムの構成単位とラウロラクタムの構成単位との重量比が
80/20で、融点が196℃、相対粘度が2.5)、
EVOH(B)(エチレン含有率32.5モル%、酢酸
ビニル成分のケン化度99.8%、メルトフローインデ
ックス1.4g/10分)、およびS−EVOH(C)
(プロピレン含有率89モル%、酢酸ビニル成分のケン
化度91%、メルトフローインデックス2.5g/10
分)をA:B:C=77:20:3の比率で混合し、押
出機により溶融ブレンドペレットを作製した。このブレ
ンド品(F)とナイロン−6(G)を別々の押出機に仕
込みG/F/Gの構成(膜厚比10/15/10μ)を
有する2種3層の共押出成形を実施し、多層フィルムを
得た。24時間の連続運転後も良好なフィルムが得られ
相溶不良の相分離異物および波模様および、層間の剥離
によるデラミネーションは見られなかった。
【0059】比較例8 実施例18でS−EVOH(C)を使用しない他は実施
18と同様にして、2種3層の多層フィルムを作製し
た。実施例18では見られない波模様や相分離異物が発
生した。
【0060】実施例19 低密度ポリエチレン(A)(メルトフローインデックス
ASTM−D−1238、2.1g/10分、密度AS
TM−D−1505、0.92)、EVOH(B)(エ
チレン含有率32.5モル%、酢酸ビニル成分のケン化
度99.9%、メルトフローインデックス1.4g/1
0分)およびS−EVOH(C)(プロピレン含有率7
4モル%、酢酸ビニル成分のケン化度82%、メルトフ
ローインデックス2.5g/10分の)をA:B:C=
85:10:5の比率のブレンドペレット(F)を作製
した。このブレンド品(F)を直径が40mm、L/D
=23のスクリューを有する押出機、低密度ポリエチレ
ン(A)を直径が45mm、L/D=22のスクリュー
を有する押出機およびEVOH(B)を直径が35m
m、L/D=23のスクリューを有する押出機によって
温度が240℃の3種3層ダイを用いて共押出しをおこ
ない、且つ公知の中空成形法により、(内側)B/F/
A(外側)(肉厚比2/10/12)の構成を有する3
種3層の楕円状のボトルを成形した。その結果、48時
間の連続運転後も、厚みが均一でかつ層間剥離によるデ
ラミネーションもなく外観良好なボトルが得られ、また
F層中に相溶性不良の相分離異物、波模様は見られなか
った。なお得られたボトルはいずれも平均肉厚が約60
0μ、内容積が約280ccであった。このボトルに生
のオレンジジュースを入れ、5℃に10日間保存した。
保存後のオレンジジュースを飲んだところ、保存前とほ
ぼ同様の味覚であり、良好なフレーバーバリヤー性を示
した。更にこのボトルの酸素ガス透過量(OTR)をM
odern Control社製のOX−TRAN10
−50Aを使用し20℃、65%RHの条件で測定し
た。OTRは18cc・20μ/m・day・atm
で良好な酸素ガスバリヤー性を示した。
【0061】比較例9 実施例19において、ボトル成形で内側のEVOH
(B)層の代わりに低密度ポリエチレン(A)層を使用
した他は、実施例19と同様にして、3種3層の楕円状
のボトルを成形した。このボトルに生のオレンジジュー
スを入れ、5℃に10日間保存した。保存後のオレンジ
ジュースを飲んだところ、オレンジの香りがなく、ポリ
エチレン臭がし、不快な味であり、フレーバーバリヤー
性にとぼしかった。更にこのボトルのOTRは2000
cc・20μ/m・day・atmであり、酸素ガス
バリヤー性は不良であった。
【0062】
【発明の効果】本発明の多層構造体は、波模様がなく、
ガスバリヤー性が良好で外観が美麗であるのみならず、
耐層内剥離性および耐層間剥離性に優れている。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂、 (B)エチレン含有率20〜65モル%、酢酸ビニル成
    分のケン化度96%以上であるエチレン−酢酸ビニル共
    重合体ケン化物、 (C)プロピレン含有率20〜98モル%、酢酸ビニル
    成分のケン化度20%以上であるプロピレン−酢酸ビニ
    ル共重合体ケン化物からなる樹脂組成物。ただし、
    (A)熱可塑性樹脂が、不飽和カルボン酸またはその誘
    導体により変性されたポリオレフィンである場合を除
    く。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物を含む層と、
    エチレン含有率20〜65モル%、酢酸ビニル成分のケ
    ン化度96%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体
    ケン化物からなる層の少なくとも2層からなる多層構造
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の樹脂組成物を含む層と、
    熱可塑性樹脂からなる層の少なくとも2層からなる多層
    構造体。
  4. 【請求項4】(C)プロピレン含有率20〜98モル
    %、酢酸ビニル成分のケン化度20%以上であるプロピ
    レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物からなる相溶化剤。
  5. 【請求項5】 (A)熱可塑性樹脂と(B)エチレン含
    有率20〜65モル%、酢酸ビニル成分のケン化度96
    %以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を
    含む粉砕物に、(C)プロピレン含有率20〜98モル
    %、酢酸ビニル成分のケン化度20%以上であるプロピ
    レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を配合した後、溶融
    成形することを特徴とする成形物の製造方法。ただし、
    (A)熱可塑性樹脂が、不飽和カルボン酸またはその誘
    導体により変性されたポリオレフィンである場合を除
    く。
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