JP2604485B2 - 多層構造体 - Google Patents

多層構造体

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JP2604485B2
JP2604485B2 JP2142108A JP14210890A JP2604485B2 JP 2604485 B2 JP2604485 B2 JP 2604485B2 JP 2142108 A JP2142108 A JP 2142108A JP 14210890 A JP14210890 A JP 14210890A JP 2604485 B2 JP2604485 B2 JP 2604485B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.本発明の技術分野 本発明は、外観が美麗で、ガスバリヤー性に優れた多
層構造体に関する。
B.従来の技術 耐湿性、機械的特性に優れた熱可塑性樹脂、とくにポ
リオレフインの層と酸素バリヤー性に優れたエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下EVOHという)層とを
接着性樹脂を介して積層した多層プラスチツク包装材
は、ボトル、カツプ、パウチ等の形で酸素バリヤー性に
優れた容器として食品、化粧品、医化学薬品、トイレタ
リー等の種々の分野で広く使用されている。
このような多層プラスチツク容器を製造する際、ボト
ル等のブロー成形ではピンチオフによるバリ、またカツ
プ成形の場合には、打抜きクズ等のリグラインドが必然
的に発生し、その再利用がコストおよび省資源の見地か
ら必要とされている。このリグラインドを有効に再利用
するために、主材料のポリオレフインなどの熱可塑性樹
脂層にリグラインドを混合して使用する方法(特公昭59
-29409)、ポリオレフインなどの熱可塑性樹脂層とEVOH
層との間にリグラインドを介在させる方法(特開昭59-1
01338)が提案されている。しかしながら、多くの熱可
塑性樹脂、特にポリオレフイン系樹脂とEVOHとを含むス
クラツプ樹脂を同時溶融押出成形する場合、EVOHが劣化
する傾向にあり、混練溶融押出に際して押出機内部にお
ける黒色状付着物(焦げ)等の発生、或いは押出に際し
てダイリツプなどに付着するゲル状物質(メヤニ)等が
生じ、不均一な相分離異物、あるいは流動異常が生じ、
またこれにより容器の外観特性の低下、樹脂分解物の匂
い等によりフレーバー低下、耐衝撃性等の機械的特性の
低下等がもたらされ、押出成形は実用的に全く実施でき
ないか、できても短時間しか運転できない場合が多いの
が実情である。またポリオレフインとEVOHのブレンド物
およびEVOHを共押出し成形する場合、成形物表面に波模
様が発生し、さらにデラミも発生する。
C.発明が解決しようとする課題 本発明は、このような相溶性不良に原因を発すると考
えられる焦げ、メヤニ、流動異常を解消し、リグライン
ド等のスクラツプ組成物を有効に再利用することを目的
として、波模様のない、外観美麗で、しかもガスバリヤ
ー性の優れた成形物を得んとするものである。
D.課題を解決するための手段 本発明者らは、熱可塑性樹脂、とくにポリオレフイン
(A)およびEVOH(B)にエチレン含有率68〜98モル
%、酢酸ビニル成分のケン化度20%以上の特殊なエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C)(以下S−EVOH
という)を適当量含有させ、この組成物とEVOHを用いて
多層成形する場合には、焦げ、メヤニがなく、流動異常
がなく、しかも波模様のない外観美麗で、ガスバリヤー
性の優れた多層構造体が得られることを見出して本発明
を完成したものである。
本発明において熱可塑性樹脂(A)として代表的にあ
げられるポリオレフイン(A)とは、高密度、中密度あ
るいは低密度のポリエチレン、酢酸ビニル、アクリル酸
エステル、あるいはブテン、ヘキセン、4−メチル−1
−ペンテンなどのα−オレフイン類を共重合したポリエ
チレン、アイオノマー樹脂、ポリプロピレンホモポリマ
ー、エチレンをグラフト重合したポリプロピレン、ある
いはエチレン、ブテン、ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテンなどのα−オレフイン類を共重合したポリプロピ
レン、ゴム系ポリマーをブレンドした変性ポリプロピレ
ン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、
あるいは上述のポリオレフインに無水マレイン酸を作用
させた変性ポリオレフインなどを含んでいる。本発明に
おいて特に重要なのはポリプロピレン系樹脂であり、次
いでポリエチレン系樹脂である。
さらにポリオレフイン以外の熱可塑性樹脂(A)とし
ては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリル系
樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂などが挙げられるが、これらの中
でその効果と実用性能において本発明にとつて特に重要
なのはポリアミド系樹脂およびポリエステル系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂およびポリスチレン系樹脂である。
ポリアミド系樹脂としては、ポリカプラミド(ナイロ
ン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−
7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポ
リウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリンラ
クタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパ
ミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジパミ
ド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド
(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド
(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナ
イロン−10,6)、ポリドデカメチレンセバカミド(ナイ
ロン−10,8)あるいは、カプロラクタム/ラウリンラク
タム共重合体、カブロラクタム/ヘキサメチレンジアン
モニウムアジペート共重合体、ラウリンラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ヘキサ
メチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジ
アンモニウムセバケート共重合体、エチレンジアンモニ
ウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペ
ート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアン
モニウムアジペート/ヘキサメチレンアンモニウムセバ
ケート共重合体などが挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、ポリ(エチレンテレフ
タレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ
(エチレンテレフタレート/イソフタレート)、ポリ
(エチレングリコール/シクロヘキサンジメタノール/
テレフタレート)などがその代表としてあげられ、さら
にこれらの重合体に共重合成分としてエチレングリコー
ル、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオールなどの
ジオール類、あるいはイソフタル酸、ベンゾフエノンジ
カルボン酸、ジフエニルスルホンジカルボン酸、ジフエ
ニルメタンジカルボン酸、プロピレンビス(フエニルカ
ルボン酸)、ジフエニルオキサイドジカルボン酸、シユ
ウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、
ジエチルコハク酸などのジカルボン酸を含有せしめたも
のも含まれる。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重
合体のほか、酢酸ビニル、マレイン酸誘導体、高級アル
キルビニルエーテルなどとの共重合体が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体
の他にブホタジエンをグラフト共重合したポリエチレ
ン、スチレン−ブタジエンゴムを混合したもの、あるい
はスチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられ
る。
また、本発明にいうEVOH(B)とはエチレンと酢酸ビ
ニルの共重合体中の酢酸ビニル単位を加水分解したもの
であれば任意のものを含むものであるが、ポリオレフイ
ンとの相溶性が不良であるものは比較的エチレン単位が
少なく酢酸ビニル成分のケン化度(加水分解度)が高い
ものである。特に、エチレン含有率が20〜65モル%、好
適には20〜60モル%、最適には20〜50モル%で、酢酸ビ
ニル成分のケン化度が96%以上、とりわけ99%以上のも
のは、熱可塑性樹脂、とりわけポリオレフインと複合し
て用いることにより優れた容器類が得られることから、
本発明の適用対象として特に重要である。またEVOH
(B)のメルトフローインデツクス(MI)(190℃、216
0g荷重下で測定)は0.1g/10分以上、好適には0.5g/10分
以上であり、また100g/10分以下、好適には50g/10分以
下、最適には30g/10分以下であることが望ましい。
本発明にいうEVOH(B)は5モル%以下の範囲の共重
合モノマーで変性されていてもよく、かかる変性用モノ
マーとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、高級脂肪酸ビニルエステル、アルキルビニルエー
テル、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルア
ミド類あるいはその4級化物、N−ビニルイミダゾー
ル、あるいはその4級化物、N−ビニルピロリドン、N,
N′−ブトキシメチルアクリルアミド、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジ
メチルメトキシシラン等を例示することができる。
本発明において、S−EVOH(C)とは、熱可塑性樹
脂、とりわけポリオレフイン(A)およびEVOH(B)の
相溶性を顕著に改善する目的で、特に選ばれ、新規に開
発した特殊なEVOHであり、エチレン含有率68〜98モル
%、酢酸ビニル成分のケン化度20%以上のエチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物である。とくに相溶性改良に
有効なのは、エチレン含有率70モル%以上であり、さら
に96モル%以下、好適には94モル%以下である。また、
酢酸ビニル成分のより有効なケン化度は30モル%以上、
とりわけ40%以上である。ケン化度の上限は、とくに限
定されないが、実質的に100%のケン化度のものも使用
できる。
エチレン含有率が68モル%未満、あるいは酢酸ビニル
成分のケン化度が20%未満ではポリオレフインとの相溶
性が悪い。また、エチレン含有率が98モル%以上ではEV
OHとの相溶性が悪くなるため焦げ、流動異常が生じ外観
が著しく悪くなる。
またS−EVOH(C)のエチレン含有率は(B)のEVOH
のエチレン含有率より、好適には少なくとも5モル%高
く、最適には少なくとも10モル%高いことが望ましい。
またS−EVOH(C)のメルトフローインデツクス(M
I)(190℃、2160g荷重下で測定)は0.1g/10分以上、好
適には50g/10分以上であり、また100g/10分以下、好適
には50g/10分以下、最適には30g/10分以下であることが
望ましい。
本発明にいうS−EVOH(C)は不飽和カルボン酸また
はその誘導体で変性されていてもよく、かかる変性用酸
モノマーとしてはα,β不飽和カルボン酸、そのエステ
ルあるいはその無水物であり、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸や
フマル酸のモノメチルあるいはエチルエステル、無水マ
レイン酸、無水イタコン酸を例示することができる。こ
れらの酸モノマーは単独あるいは組合せて用いられる。
熱可塑性樹脂(A)とEVOH(B)の組成比としては、
熱可塑性樹脂(A):EVOH(B)の重量比として60:40〜
99.9:0.1、とりわけ65:35〜99.7:0.3の範囲のものが本
発明の効果の点で特に重要であるといえる。
本発明に用いられるS−EVOH(C)の添加量は、熱可
塑性樹脂およびEVOHの種類、組成により影響し、{熱可
塑性樹脂(A)とEVOH(B)}の合計量:S−EVOH(C)
の重量比として99.7:0.3〜70:30であることが重要であ
り、さらには99.7:0.3〜80:20、とりわけ99.7:0.3〜90:
10の範囲が好適である。S−EVOH(C)の添加量が、0.
3部より少ないと相溶性改善効果が見られず、好ましく
ない。また、30部より多いと本発明の効果が充分期待で
きなくなる。
なお前記組成物のうち、とくに、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂およびポリ
スチレン系樹脂のうちから選ばれる少なくとも1種の熱
可塑性樹脂(A)、EVOH(B)およびS−EVOH(C)か
らなり、かつ前記と同様の組成比を有する樹脂組成物は
新規であり、有用である。
さらに本発明において、熱可塑性樹脂(A)およびEV
OH(B)からなる組成物を溶融成形するに際し、S−EV
OH(C)を、あらかじめ熱可塑性樹脂(A)あるいはEV
OH(B)あるいは(A)、(B)両方に配合してブレン
ドペレツト化し、これを(A)および(B)からなる組
成物に配合して溶融成形すれば、本発明の効果はさらに
顕著となる。
S−EVOH(C)をあらかじめEVOH(B)に配合してお
く例としては、EVOH(B)100部にS−EVOH(C)を5
〜100部配合したものが挙げられる。このように、あら
かじめS−EVOH(C)をEVOH(B)にブレンドした場合
には、S−EVOH(C)の添加量を少なくしても効果は大
きい。
本発明の組成物を得るためのブレンド方法は、特別に
制限はなく、3者をドライブレンドする方法、S−EVOH
(C)を熱可塑性樹脂(A)および/またはEVOH(B)
の全部または一部にあらかじめ配合しておく方法、ある
いは、各樹脂の粉砕物をドライブレンドする方法、上記
組成物をブレンドペレツト化する方法、あるいは熱可塑
性樹脂(A)層およびEVOH(B)層のいずれかを含む多
層シート、カツプ、ボトル等の粉砕物(回収物)にS−
EVOH(C)、さらには必要に応じ、熱可塑性樹脂
(A)、EVOH(B)をドライブレンド、あるいはブレン
ドペレツト化する方法などがあげられる。
本発明の組成物を得るための各成分の配合手段として
は、リボンブレンダー、高速ミキサーコニーダー、ミキ
シングロール、押出機、インテイシブミキサー等が例示
される。
また上記(A)、(B)および(C)からなる組成物
に熱可塑性樹脂(A)またはEVOH(B)に慣用の他の添
加剤を配合することもできる。このような添加剤の例と
しては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止
剤、滑剤、着色剤、充填剤、熱安定性改良剤、あるいは
他の高分子化合物を挙げることができ、これらを本発明
の作用効果が阻害されない範囲内でブレンドすることが
できる。添加剤の具体的な例としては次の様のものが挙
げられる。
酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−チオビス
−(6−t−ブチルフエノール)、2,2′−メチレン−
ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフエノール)、オ
クタデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−
ヒドロキシフエニル)プロピオネート、4,4′−チオビ
ス−(6−t−ブチルフエノール)等。
紫外線吸収剤:エチレン−2−(シアノ−3,3′−ジフ
エニルアクリレート、2−(2′−ヒドロキシ−5′−
メチルフエニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフエニル)
5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフエノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフエノン、2−ヒドロキシ−4−オクト
キシベンゾフエノン等。
可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル
酸ジオクチル、ワツクス、流動パラフイン、リン酸エス
テル等。
帯電防止剤:ペンタエリスリツトモノステアレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフイン類、
ポリエチレンオキシド、カーボワツクス等。
滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレー
ト等。
着色剤:カーボンブラツク、フタロシアニン、キナクリ
ドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等。
充填剤:グラスフアイバー、アスベスト、バラストナイ
ト、ケイ酸カルシウム等。
また、他の多くの高分子化合物も本発明の作用効果が
阻害されない程度にブレンドすることもできる。
本発明において、前記した(A)、(B)および
(C)からなる組成物層にEVOH層を積層することが重要
である。これらを積層することにより、波模様がなく、
外観が美麗のみならず、さらにはガスバリヤー性に優れ
た、しかも樹脂組成物(F)層の相溶性が良く、均一で
あるため、層内および層間接着性、さらには耐ピンホー
ル性、耐衝撃性の優れた多層構造体を得ることができ
る。ここでEVOHとしては前記したEVOH(B)が使用され
る。
積層にあたつては通常は接着性樹脂を使用する。熱可
塑性樹脂としてポリオレフインを使用する場合は、不飽
和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフ
イン系の接着性樹脂が好適なものとしてあげられる。
変性ポリオレフイン樹脂とは、アクリル酸、メタアク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン
酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸またはその無水
物:アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、
メタクリル酸ブチル、酢酸ビニル、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸
ナトリウム等の不飽和カルボン酸誘導体;の群より選ば
れた少なくとも1種の不飽和カルボン酸またはその誘導
体により変性されたポリオレフイン樹脂もしくはその配
合物である。ここでポリオレフイン樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニルまた
はアクリル酸エステル共重合体などが好適なものとして
あげられる。
熱可塑性樹脂(A)がポリアミド樹脂である場合には
接着性樹脂を使用せずに共押出成形により積層が可能で
あるが、以下に述べる接着性樹脂を用いることもでき
る。熱可塑性樹脂(A)がポリエステル系樹脂あるいは
ポリカーボネート系樹脂である場合の接着性樹脂として
もつとも好ましいものは熱可塑性ポリエステル系接着性
樹脂である。特に好ましいものとして、ジカルボン酸成
分とグリコール成分とから構成されるポリエステル中に
Al、Cr、Sn、Ge及びSiからなる群より選ばれた、一種以
上の元素をジカルボン酸成分100モルに対し、0.1〜5モ
ル含有してなる変性ポリエステルがあげられる。金属元
素としては、これらのなかでもAlとCrが大きな接着力が
得られるので好ましく、Alが特に好ましい。
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフ
エニルエーテルジカルボン酸、ジフエニル−4,4ジカル
ボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シユウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸、及びシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環
式ジカルボン酸があげられ、これらを一種あるいはそれ
以上使用することが出来る。またグリコール成分として
は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコールなどの脂肪族グリコー
ル及びシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノールなどの脂環式ジオールなどがあげられ、これらを
一種あるいはそれ以上使用することが出来る。
樹脂(A)がポリエステルあるいはポリカーボネート
系樹脂である場合の他の接着性樹脂としてはエステル基
/アミド基のモル比率が90/10〜10/90のポリエステル−
アミド共重合体があげられる。該共重合体のカルボン酸
成分とグリコール成分は前記のものから選ばれる。
アミンあるいはアミド成分としてはピペラジン、ある
いはペンタエチレンジアミン、ヘキサエチレンジアミ
ン、ノナエチレンジアミン、デカエチレンジアミン、ウ
ンデカエチレンジアミン、ノデカエチレンジアミンなど
のジアミン、そしてラウリンラクタム、ウンデカンアミ
ド、ヘキサメチレンセバカミド、ヘキサメチレンアジパ
ミド、ω−アミノヘプタン酸、ω−アミノノナン酸など
が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂(A)がポリスチレン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリ
デン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂
等の場合は前記した変性ポリオレフイン系樹脂が接着性
樹脂として使用できる。
本発明の多層構造体の適当な例としては、本発明の樹
脂組成物をF、熱可塑性樹脂をA、EVONをB、接着性樹
脂をADで表わすと次の如き層構成となる。
2層 B/F 3層 A/F/B、F/B/F、F/AD/B 4層 F/B/AD/A、A/F/AD/B 5層 F/AD/B/AD/F、A/F/B/AD/A、A/F/B/F/A 6層 A/F/AD/B/AD/A 7層 A/F/AD/B/AD/F/A またこのような多層構造体において、本発明の樹脂組
成物は、多層構造体のスクラツプで代用することもでき
る。また他のポリオレフイン成形体のスクラツプを混合
して使用することもできる。
上記の層構成の多層構造体は、ガスバリヤー性に優れ
たEVOHを含有しているので、とくにガスバリヤー性の要
求される食品包装材、医療品(医薬品、医療用具など)
包装材として有用である。
多層成形方法としては、一般的にいつて樹脂層の種類
に対応する数の押出機を使用し、この押出機内で溶融さ
れた樹脂の流れを重ねあわせた層状態で同時押出成形す
るいわゆる共押出成形により実施する方法が最良であ
る。別の方法として、エキストルージヨンコーテイン
グ、ドライラミネーシヨンなどの多層成形方法も採用さ
れうる。また、このようにして得た、パリソン、フイル
ム、シートなどの多層構造体を一軸延伸、二軸延伸、あ
るいはブロー延伸などの延伸を実施することにより、ま
たは熱成形することにより、力学的物性、ガスバリアー
性などにさらに特長ある物性を有する容器(ボルト、カ
ツプなど)を得ることができる。
ここで熱成形とは、シートを予め、加熱軟化させたの
ち、プラグおよび真空圧空により変形させると同時に冷
却してカツプを成形する操作を意味する。また、加熱と
は該シートを変形に必要な温度に所定の時間放置し、該
シートが熱的にほぼ均一になる様に操作する方法であれ
ば良く、操作性を考慮して種々のヒーターで加熱均一化
する方法が好ましい。
以下、実施例により更に具体的に説明する。なお、部
は重量部を意味している。
E.実施例 実施例1 ポリプロピレン樹脂(A)(メルトフローインデツク
スASTM−D−1238、230℃、0.5g/10分)95部、EVOH
(B){エチレン含有率33モル%、ケン化度99.9%、メ
ルトフローインデツクス(190℃、2160g)1.5g/10分}
5部、およびS−EVOH(C){エチレン含有率89モル
%、ケン化度91%、メルトフローインデツクス(190
℃、2160g)5.1g/10分}2部をドライブレンドした後、
直径が40mm、L/D=24、圧縮比3.8のフルフライト型スク
リユーを有する押出機で溶融押出し、ペレツト(F)を
得た。このブレンド品(F)、上述のポリプロピレン
(A)、上述のEVOH(B)および接着性樹脂(無水マレ
イン酸変性ポリプロピレン)(E)を別々の押出機に仕
込み、A/F/E/B/E/F/A(膜厚比30/15/2.5/5/2.5/15/30)
の構成を有する4種7層の共押出成形を実施し、シート
を得た。押出成形はAが直径が65mm、L/D=22の一軸ス
クリユーを備えた押出機を200〜240℃の温度として、B
は直径が40mm、L/D=26の一軸スクリユーを備えた押出
機を170〜210℃の温度として、Fは直径が40mm、L/D=2
6の一軸スクリユーを備えた押出機を160〜220℃の温度
として、Eは直径が40mm、L/D=22の一軸押出機を備え
た押出機を160〜210℃の温度として、フイードブロツク
型ダイ(巾600mm)を240℃として、厚さ1000μのシート
を得た。24時間の連続運転後も良好なシートが得られ、
相溶不良の相分離異物、波模様は見られず、流動異常、
デラミネーシヨンは起らなかつた。
更に、公知の熱成形法により、カツプを成形した。成
形後もシートと同様に相溶不良の相分離異物は見られ
ず、成形異常による波模様、デラミネーシヨンは起らな
かつた。
比較例1 ポリプロピレン樹脂(A)(メルトフローインデツク
スASTM−D−1238、230℃、0.5g/10分)95部、EVOH
(B){エチレン含有率33モル%、ケン化度99.9%、メ
ルトフローインデツクス(190℃、2160g)1.5g/10分}
5部をドライブレンドした後、直径が40mm、L/D=24、
圧縮比3.8のフルフライト型スクリユーを有する押出機
で溶融押出し、ペレツト(F)を得た。
実施例1において、ブレンド品(F)の代りに上述の
ペレツト品を使用した他は実施例1と同様にして厚さ10
00μのシートを得た。運転開始直後より、シートには実
施例1では見られない不均一な相分離異物および波模様
が多数観察され、その数は時間経過と共に増大し、得ら
れたシートの外観は極めて不良であつた。
更に実施例1と同様にしてカツプを成形した。成形後
はシートよりも更に相分離異物が数多く見られ、波模様
も激しくなり、外観は極めて不良であり、一部にデラミ
ネーシヨンが起こつていた。
実施例2〜5 実施例1で使用したポリプロピレン樹脂(A)、実施
例1で使用したEVOH(B)と各種S−EVOH(C)とを第
1表に示す割合でブレンドペレツト化した後、Fの代わ
りに使用した他は実施例1と同様にして押出製膜を実施
した。得られたシートの膜面状態の評価を第1表に合わ
せて示した。
膜面の状態の評価は次の基準により判定した。
秀:均一かつ良好な相溶性を示し、波模様がなく、相分
離異物が見られない。
優:均一かつ良好な相溶性を示しているが、長時間の成
形において小さな相分離異物がわずかに見られる。波模
様はない。
良:相溶性は良好であるが、一部わずかに相分離異物が
見られる。
可:相溶性に改善効果は見られるが、相分離異物がわず
かに見られる。
実施例6 実施例1で得たシートを粉砕し、この粉砕物100部に
対して実施例1で使用したS−EVOH(C)を4部の割合
でドライブレンドした後、Fの代わりにこの粉砕物を使
用した他は、実施例1と同様にして、厚さ1000μのシー
トを得た。48時間の連続運転後も良好なシートが得ら
れ、相溶不良の相分離異物は見られず、流動異常、波模
様、デラミネーシヨンは起らなかつた。
比較例2 比較例1で得たシートを粉砕し、この粉砕物をFの代
わりに使用した他は、実施例1と同様にして厚さ1000μ
のシートを得た。運転開始30分ごろより、シートには、
実施例1で見られない不均一な相分離異物が多数観察さ
れ、その数は時間経過と共に増大し、得られたシートの
外観は波模様が発生し、極めて不良であつた。
実施例7 低密度ポリエチレン(A)(メルトフローインデツク
スASTM−D−1238、2.1g/10分、密度ASTM−D−1505、
0.92g/cm3)、EVOH(B)(エチレン含有率32.5モル
%、酢酸ビニル成分のケン化度99.9%、メルトフローイ
ンデツクス1.4g/10分)およびS−EVOH(C)(エチレ
ン含有率74モル%、酢酸ビニル成分のケン化度82%、メ
ルトフローインデツクス4.9g/10分)をA:B:C=63:10:4
の比率のブレンドペレツト(F)を作製した。このブレ
ンド品(F)を直径が40mm、L/D=23のスクリユーを有
する押出機、低密度ポリエチレン(A)を直径が45mm、
L/D=22のスクリユーを有する押出機およびEVOH(B)
を直径が35mm、L/D=23のスクリユーを有する押出機、
および接着性樹脂(E){三井石油化学製ADMER LF-500
(無水マレイン酸変性ポリエチレン)}を直径が35mm、
L/D=23のスクリユーを有する押出機によつて、温度が2
40℃の4種5層ダイ用いて共押出しをおこない、且つ公
知の中空成形法により、(内側)A/E/B/E/F(外側)
(肉厚比12/1/2/1/12)の構成を有する4種5層の横断
面が楕円状のボトルを成形した。その結果、48時間の連
続運転後も、厚みが均一でかつ外観良好なボトルが得ら
れ、またF層中に相溶性不良の相分離異物は見られなか
つた。なお得られたボトルはいずれも平均肉厚が約600
μ、内容積が約280ccであつた。
実施例8 実施例6で得たボトルを粉砕し、この粉砕物100部に
S−EVOH(C)を2部ドライブレンドした後、Fの代わ
りにこの粉砕物−S−EVOHブレンドを使用した他は実施
例7と同様にして、共押出しをおこない、且つ公知の中
空成形法により、楕円状のボトルを得た。24hr後の連続
運転後も良好なボトルが得られ、粉砕物とS−EVOHのブ
レンド層中に相溶不良の相分離異物は見られず、波模
様、流動異常、外観不良は見られななつた。
比較例3 実施例8でS−EVOH(C)を使用しない他は、実施例
8と同様にして、4種5層の構造を有する楕円状のボト
ルを成形した。その結果、運転直後から実施例8では見
られない不均一な相分離異物が多数発生し、その数は時
間の経過とともに増大し、得られたボトルの外観は極め
て不良であつた。
実施例9 ポリプロピレン樹脂(A)(メトルフローインデツク
ス0.5g/10分)、EVOH(B)(エチレン含有率32.5モル
%、酢酸ビニル成分のケン化度99.9%、メルトフローイ
ンデツクス1.4g/10分)、S−EVOH(C)(エチレン含
有率89モル%、酢酸ビニル成分のケン化度91%、メルト
フローインデツクス5.1g/10分)および接着性樹脂(無
水マレイン酸変性ポリプロピレン)(E)をA:B:C:E=6
3:10:2:5の比率のブレンドペレツト(F)を作成した。
このブレンド品(F)、上述のポリプロピレン(A)、
上述のEVOH(B)と接着性樹脂(E)を別々の押出機に
仕込み、A/F/E/B/E/F/A(膜厚比30/15/2.5/5/2.5/15/3
0)の構成を有する4種7層の共押出成形を実施し、シ
ートを得た。押出成形は(A)が直径が65mm、L/D=22
の一軸スクリユーを備えた押出機を160〜220℃の温度と
して、(B)は直径が40mm、L/D=26の一軸スクリユー
を備えた押出機を170〜210℃の温度として、フイードブ
ロツク型ダイ(巾600mm)を240℃として、厚さ1000μの
シートを得た。24時間の連続運転後も良好なシートが得
られ、相溶不良の相分離異物は見られず、流動異常、デ
ラミネーシヨンは起らなかつた。更に、公知の熱成形法
により、カツプを成形した。成形後も、シートと同様に
相溶不良の相分離異物は見られず、成形異常による波模
様、デラミネーシヨンは起らなかつた。
実施例10 実施例9で得たシートを粉砕し、この粉砕物100部に
S−EVOH(C)を4部ドライブレンドした後、(F)の
代わりにこの粉砕物−S−EVOHブレンドを使用した他は
実施例9と同様にして共押出成形を実施し、シートを得
た。24時間の連続運転後も良好なシートが得られ、粉砕
物−S−EVOHブレンド物層中に相溶不良の相分離異物は
見られず、波模様、流動異常、デラミネーシヨンは起ら
なかつた。
実施例11 EVOH(B){エチレン含有率33モル%、酢酸ビニル成
分のケン化度99.9%、メルトフローインデツクス(190
℃、2160g)1.4g/10分}100部とS−EVOH(C){エチ
レン含有率89モル%、酢酸ビニル成分のケン化度91%、
メルトフローインデツクス(190℃、2160g)5.1g/10
分}30部をドライブレンドした後、直径が40mm、L/D=2
4、圧縮比3.8のフルフライト型スクリユーを有する押出
機で溶融押出し、ペレツト(G)を得た。
実施例1において、ペレツト(F)を製造するにあた
り、EVOH(B)5部の代りに上記ペレツト(G)5部を
使用し、S−EVOH(C)を使用しない他は実施例1と同
様にして厚さ1000μのシートを得た。24時間の連続運転
後も良好なシートが得られ、相溶不良の相分離異常およ
び波模様は見られず、流動異常、デラミネーシヨンは起
こらなかつた。
実施例12 耐衝撃性ポリスチレン樹脂(A)(メルトフローイン
デツクスASTM−D−1238、2.2g/10分)95部、EVOH
(B){エチレン含有率33モル%、ケン化度99.9%、メ
ルトフローインデツクス(190℃、2160g)1.5g/10分}
5部、およびS−EVOH(C){エチレン含有率89モル
%、ケン化度91%、メルトフローインデツクス(190
℃、2160g)5.1g/10分}2部をドライブレンドした後、
直径が40mm、L/D=24、圧縮比3.8のフルフライト型スク
リユーを有する押出機で溶融押出し、ペレツト(F)を
得た。このブレンド品(F)、上述の耐衝撃ポリスチレ
ン(A)、上述のEVOH(B)および接着性樹脂(無水マ
レイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体)(E)を
別々の押出機に仕込み、A/F/E/B/E/F/A(膜厚比30/15/
2.5/5/2.5/15/30)の構成を有する4種7層の共押出成
形を実施し、シートを得た。押出成形はAが直径が65m
m、L/D=22の一軸スクリユーを備えた押出機を200〜240
℃の温度として、Bは直径が40mm、L/D=26の一軸スク
リユーを備えた押出機を170〜210℃の温度として、Fは
直径が40mm、L/D=26の一軸スクリユーを備えた押出機
を160〜220℃の温度として、Eは直径が40mm、L/D=22
の一軸押出機を備えた押出機を160〜210℃の温度とし
て、フイードブロツク型ダイ(巾600mm)を240℃とし
て、厚さ1000μのシートを得た。24時間の連続運転後も
良好なシートが得られ、相溶不良の相分離異物は見られ
ず、流動異常、デラミネーシヨンは起らなかつた。
更に、公知の熱成形法により、カツプを成形した。成
形後もシートと同様に相溶不良の相分離異物は見られ
ず、成形異常による波模様、デラミネーシヨンは起らな
かつた。
比較例4 耐衝撃ポリスチレン樹脂(A)(メルトフローインデ
ツクスASTLM−D−1238、2.2g/10分)95部、EVOH(B)
{エチレン含有率33モル%、ケン化度99.9%、メルトフ
ローインデツクス(190℃、2160g)1.5g/10分}5部を
ドライブレンドした後、直径が40mm、L/D=24、圧縮比
3.8のフルフライト型スクリユーを有する押出機で溶融
押出し、ペレツト(F)を得た。
実施例12において、ブレンド品(F)の代りに上述の
ペレツト品を使用した他は実施例12と同様にして厚さ10
00μのシートを得た。運転開始直後より、シートには実
施例12では見られない不均一な相分離異物および波模様
が多数観察され、その数は時間経過と共に増大し、得ら
れたシートの外観は極めて不良であつた。
更に実施例12と同様にしてカツプを成形した。成形後
はシートよりも更に相分離異物が数多く見られ、波模様
も激しくなり、外観は極めて不良であり、一部にデラミ
ネーシヨンが起こつていた。
実施例13〜16 実施例12で使用した耐衝撃性ポリスチレン樹脂
(A)、実施例で使用したEVOH(B)と各種S−EVOH
(C)とを第2表に示す割合でブレンドペレツト化した
後、Fの代わりに使用した他は実施例12と同様にして押
出製膜を実施した。得られたシートの膜面状態の評価を
第2表に合わせて示した。
実施例17 実施例12で得たシートを粉砕し、この粉砕物100部に
対して実施例12で使用したS−EVOH(C)を4部の割合
でドライブレンドした後、Fの代わりにこの粉砕物を使
用した他は、実施例12と同様にして、厚さ1000μのシー
トを得た。48時間の連続運転後も良好なシートが得ら
れ、相溶不良の相分離異物および波模様は見られず、流
動異常、デラミネーシヨンは起らなかつた。
比較例5 比較例4で得たシートを粉砕し、この粉砕物をFの代
わりに使用した他は、実施例12と同様にして厚さ1000μ
のシートを得た。運転開始30分ごろより、シートには、
実施例12で見られない不均一な相分離異物が多数観察さ
れ、その数は時間経過と共に増大し、得られたシートの
外観は極めて不良であつた。
実施例18 ポリエチレンテレフタレート(A){メルトフローイ
ンデツクス(MI)ASTM−D−1238:2.6g/10分(210
℃)、密度ASTM−D−1505:1.4g/cm3}、EVOH(B)
(エチレン含有率32.5モル%、酢酸ビニル成分のケン化
度99.9%、メルトフローインデツクス1.4g/10分)およ
びS−EVOH(C)(エチレン含有率74モル%、酢酸ビニ
ル成分のケン化度82%、メルトフローインデツクス4.9g
/10分の)をA:B:C=63:10:4の比率のブレンドペレツト
(F)を作製した。このブレンド品(F)を直径が40m
m、L/D=23のスクリユーを有する押出機、ポリエチレン
テレフタレート(A)を直径が45mm、L/D=22のスクリ
ユーを有する押出機およびEVOH(B)を直径が35mm、L/
D=23のスクリユーを有する押出機、および接着性樹脂
(E)ピペラジン/1,4−シクロヘキサンジメタノール/
アゼライン酸共重合体{41/9/50(モル比)}を直径が3
5mm、L/D=23のスクリユーを有する押出機によつて、温
度が240℃の4種5層ダイを用いて共押出しをおこな
い、且つ公知の中空成形法により、(内側)A/E/B/E/F
(外側)(肉厚比12/1/2/1/12)の構成を有する4種5
層の横断面が楕円状のボトルを成形した。その結果、48
時間の連続運転後も、厚みが均一でかつ外観良好なボト
ルが得られ、またF層中に相溶性不良の相分離異物、波
模様は見られなかつた。なお得られたボトルはいずれも
平均肉厚が約600μ、内容積が約280ccであつた。
実施例19 実施例18で得たボトルを粉砕し、この粉砕物100部に
S−EVOH(C)を2部ドライブレンドした後、Fの代わ
りにこの粉砕物−S−EVOHブレンドを使用した他は実施
例18と同様にして、共押出しをおこない、且つ公知の中
空成形法により、楕円状のボトルを得た。24hr後の連続
運転後も良好なボトルが得られ、粉砕物とS−EVOHのブ
レンド層中に相溶不良の相分離異物、波模様は見られ
ず、流動異常、外観不良は見られなかつた。
比較例6 実施例19でS−EVOH(C)を使用しない他は、実施例
19と同様にして、4種5層の構造を有する楕円状のボト
ルを成形した。その結果、運転直後から実施例19では見
られない不均一な相分離異物が多数発生し、その数は時
間の経過とともに増大し、得られたボトルの外観は極め
て不良であつた。
実施例20 ポリ塩化ビニル樹脂(A)(平均重合度1300)、EVOH
(B)(エチレン含有率32.5モル%、酢酸ビニル成分の
ケン化度99.9%、メルトフローインデツクス1.4g/10
分)、S−EVOH(C)(エチレン含有率89モル%、酢酸
ビニル成分のケン化度91%、メルトフローインデツクス
5.1g/10分)および接着性樹脂(無水マレイン酸変性エ
チレン−酢酸ビニル共重合体)(E)をA:B:C:E=63:1
0:2:5の比率のブレンドペレツト(F)を作成した。こ
のブレンド品(F)、上述の塩化ビニル(A)、上述の
EVOH(B)と接着性樹脂(E)を別々の押出機に仕込
み、A/F/E/B/E/F/A(膜厚比30/15/2.5/5/2.5/15/30)の
構成を有する4種7層の共押出成形を実施し、シートを
得た。押出成形は(A)が直径が65mm、L/D=22の一軸
スクリユーを備えた押出機を215℃の温度として、
(B)は直径が40mm、L/D=26の一軸スクリユーを備え
た押出機を170〜210℃の温度として、フイードブロツク
型ダイ(巾600mm)を240℃として、厚さ1000μのシート
を得た。24時間の連続運転後も良好なシートが得られ、
相溶不良の相分離異物は見られず、流動異常、デラミネ
ーシヨンは起らなかつた。更に、公知の熱成形法によ
り、トレーを成形した。成形後も、シートと同様に相溶
不良の相分離異物は見られず、成形異常による波模様、
デラミネーシヨンは起らなかつた。
実施例21 実施例20で得たシートを粉砕し、この粉砕物100部に
S−EVOH(C)を4部ドライブレンドした後、(F)の
代わりにこの粉砕物−S−EVOHブレンドを使用した他は
実施例20と同様にして共押出成形を実施し、シートを得
た。24時間の連続運転後も良好なシートが得られ、粉砕
物−S−EVOHブレンド物層中に相溶不良の相分離異物は
見られず、流動異常、デラミネーシヨンは起らなかつ
た。
実施例22 ナイロン−6/12共重合体樹脂(A)(カプロラクタム
の構成単位とラウリルラクタムの構成単位との重量比が
80/20で、融点が196℃、相対粘度が2.5)、EVOH(B)
(エレチン含有率32.5モル%、酢酸ビニル成分のケン化
度99.8%、メルトフローインデツクス1.4g/10分)、お
よびS−EVOH(C)(エチレン含有率89モル%、酢酸ビ
ニル成分のケン化度91%、メルトフローインデツクス5.
1g/10分)をA:B:C=77:20:3の比率で混合し、押出機に
より溶融ブレンドペレツトを作製した。このブレンド品
(F)とナイロン−6(G)を別々の押出機に仕込みG/
F/Gの構成(膜厚比10/15/10μ)を有する2種3層の共
押出成形を実施し、多層フイルムを得た。24時間の連続
運転後も良好なフイルムが得られ相溶不良の相分離異物
および波模様は見られなかつた。
比較例7 実施例22でS−EVOH(C)を使用しない他は、実施例
22と同様にして、2種3層の多層フイルムを作製した。
実施例22では見られない波模様や相分離異物が発生し
た。
実施例23 低密度ポリエチレン(A)(メルトフローインデツク
スASTM−D−1238、2.1g/10分、密度ASTM−D−1505、
0.92)、EVOH(B)(エチレン含有率32.5モル%、酢酸
ビニル成分のケン化度99.9%、メルトフローインデツク
ス1.4g/10分)およびS−EVOH(C)(エチレン含有率7
4モル%、酢酸ビニル成分のケン化度82%、メルトフロ
ーインデツクス4.9g/10分の)をA:B:C=85:10:5の比率
のブレンドペレツト(F)を作製した。このブレンド品
(F)を直径が40mm、L/D=23のスクリユーを有する押
出機、低密度ポリエチレン(A)を直径が45mm、L/D=2
2のスクリユーを有する押出機およびEVOH(B)を直径
が35mm、L/D=23のスクリユーを有する押出機によつて
温度が240℃の3種3層ダイを用いて共押出しをおこな
い、且つ公知の中空成形法により、(内側)B/F/A(外
側)(肉厚比2/10/12)の構成を有する3種3層の楕円
状のボトルを成形した。その結果、48時間の連続運転後
も、厚みが均一でかつ外観良好なボトルが得られ、また
F層中に相溶性不良の相分離異物、波模様は見られなか
つた。なお得られたボトルはいずれも平均肉厚が約600
μ、内容積が約280ccであつた。このボトルに生のオレ
ンジジユースを入れ、5℃に10日間保存した。保存後の
オレンジジユースを飲んだところ、保存前とほぼ同様の
味覚であり、良好なフレーバーバリヤー性を示した。更
にこのボトルの酸素ガス透過量(OTR)Modern Control
社製のOX-TRAN10-50Aを使用し20℃、65%RHの条件で測
定した。OTRは20cc・20μ/m2・day・atmで良好な酸素ガ
スバリヤー性を示した。
比較例8 実施例23において、ボトル成形で内側のEVOH(B)層
の代わりに低密度ポリエチレン(A)層を使用した他
は、実施例23と同様にして、3種3層の楕円状のボトル
を成形した。このボトルに生のオレンジジユースを入
れ、5℃に10日間保存した。保存後のオレンジジユース
を飲んだところ、オレンジの香りがなく、ポリエチレン
臭がし、不快な味であり、フレーバーバリヤー性にとぼ
しかつた。更にこのボトルのOTRは2000cc・20μm/m2・d
ay・atmであり、酸素ガスバリヤー性は不良であつた。
比較例9 実施例23において、S−EVOH(C)5部をS−EVOH
(C)85部に代え、さらに多層構成B/F/AをA/F/Aに代
え、それ以外は実施例23と同様の方法により、ボトルを
成形した。
F層中に相溶性不良の相分離異物、波模様は見られな
かったが、OTRは2800cc・20μm/m2・day・atmであり、
酸素ガスバリヤー性は不良であった。
比較例10 実施例1において、ポリプロピレン樹脂(A)をナイ
ロン6に代え、さらにS−EVOH(C){エチレン含有率
89モル%、ケン化度91%、メルトフローインデックス
(190℃、2160g)5.1g/10分}をエチレン含有率44モル
%、ケン化度91%、メルトフローインデックス(190
℃、2160g)5.1g/10分のEVOHに代えた以外は実施例1と
同様の方法によりシートを得、さらにシートからカップ
を成形した。シートおよびカップに成形異常が生じ波模
様が発生し、外観が著しく悪かった。
F.発明の効果 本発明の多層構造体は、波模様がなく、外観が美麗で
あるのみならず、ガスバリヤー性、耐層内剥離性に優れ
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77/00 LQS C08L 77/00 LQS (56)参考文献 特開 昭54−156082(JP,A) 特開 昭57−32952(JP,A) 特開 昭49−114688(JP,A) 特開 昭49−4772(JP,A) 特開 昭61−157554(JP,A) 特開 昭53−39380(JP,A) 特公 昭63−56893(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 熱可塑性樹脂、 (B) エチレン含有率20〜65モル%、酢酸ビニル成分
    のケン化度96%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合
    体ケン化物および (C) エチレン含有率68〜98モル%、酢酸ビニル成分
    のケン化度20%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合
    体ケン化物 からなり、かつ各成分の重量比が(A):(B)=60:4
    0〜99.9:0.1および{(A)+(B)}:(C)=99.7:
    0.3〜70:30である樹脂組成物を含む層とエチレン含有率
    20〜65モル%、酢酸ビニル成分のケン化度96%以上であ
    るエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層の少なくと
    も2層からなる多層構造体。
  2. 【請求項2】(A) ポリアミド系樹脂、ポリエステル
    系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂およびポリスチレン系樹
    脂のうちから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂 (B) エチレン含有率20〜65モル%、酢酸ビニル成分
    のケン化度96%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合
    体ケン化物および (C) エチレン含有率68〜98モル%、酢酸ビニル成分
    のケン化度20%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合
    体ケン化物からなり、かつ各成分の重量比が(A):
    (B)=60:40〜99.9:0.1および{(A)+(B)}:
    (C)=99.7:0.3〜70:30である樹脂組成物。
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