JP2710825B2 - 多層構造体 - Google Patents

多層構造体

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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、加熱延伸、特に加熱高速延伸操作時ピンホ
ール、クラツク、局所的偏肉などがなく、しかもガスバ
リアー性に優れた、エチレン−ビニルアルコール共重合
体(以下EVOHと記す)組成物層を中間層とする多層構造
体、とくに加熱延伸、さらには加熱高速延伸多層構造体
に関する。
B.従来の技術 EVOHは、今日、食品等の包装用フイルム、特に酸素、
臭気、フレイバー等に対するバリアー性が必要な食品、
保香性を必要とする他の製品などに対する使用を目的と
する分野において、有効性が認められている。そして、
EVOHはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の熱過疎
性樹脂層と、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重
合体などで代表される各種接着性樹脂層とを積層してな
る多層構造体の形で用いられる。
ところで、各種方法で製造した多層構造体(フイル
ム、シート、パリソンなど)、とくにEVOH層を中間層と
し、その両側にポリプロピレン系樹脂またはポリスチレ
ン系樹脂層を有する多層構造体を容器などに二次加工す
る場合、特にEVOHの融点以下で延伸成形を行う場合、EV
OH層に小さなボイド、クラツク、局所的偏肉などが多発
し、その結果、成形容器の酸素バリアー性が大巾に悪化
し、食品等の容器として使用に耐えない状況にあつた。
そこで従来から、加熱延伸時に発生するEVOH層のピン
ホール、クラツクなどを防止する目的で、EVOH層に各種
可塑剤の添加(特開昭53−88067、特開昭59−20345)、
ポリアミド系樹脂のブレンド(特開昭52−141785、特開
昭58−36412)等が検討されてはいるが、いずれの場合
も、下記の点で十分満足すべきものではない事が判明し
た。すなわち、各種可塑剤の添加系においては、加熱延
伸特性を充分改善する為には、可塑剤をEVOH100重量部
に対して、10〜20重量部添加する必要があり、ガスバリ
アー性の大巾な低下、EVOH層との層間接着強度の低下な
どの多くの問題があり使用に耐えない。
一方、ポリアミド系樹脂の添加系においては、EVOHと
の化学反応性が大きい為か、成形物に多数のゲル状物の
存在、顕著な着色などの為、使用に耐えない。また、ゲ
ル着色が比較的少ないポリアミド系樹脂の添加系におい
ては、EVOHとポリアミドとの相溶性が十分でない為か、
見掛け上、良好な容器が得られるが、特に、加熱高速延
伸成形時微少なピンホールが存在するためか、ガスバリ
アー性の測定値のバラツキが大きく、ガスバリアー性容
器としての信頼性がなく、使用に耐えなかつた。
それゆえ、透明性、高ガスバリアー性、及びガスバリ
アー性容器としての信頼性(バラツキ)が良好である。
すなわち、加熱高速延伸成形時、EVOH層に微少なピンホ
ール、クラツク、偏肉などが生じない、EVOHの開発が重
要な課題の一つである。
C.発明が解決しようとする課題 本発明は、EVOHの優れたガスバリアー性をそこなうこ
となく、かつEVOH多層構造体を容器などに二次加工する
場合に生じるEVOH層のクラツク、ピンホール、局所的偏
肉などの発生を防止し、高ガスバリアー性、及び信頼性
の高いガスバリアー性を有するEVOH組成物層を中間層と
する多層容器を提供するものである。
D.課題を解決するための手段 前記課題は、エチレン含有量20〜60モル%のEVOH
(A)、あるいはとくにエチレン含有量25〜60モル%、
ビニルシラン系化合物含有量0.0001〜0.5モル%のEVOH
(A)60〜95重量%およびメタキシリレン基含有ポリア
ミド樹脂(B)40〜5重量%からなるEVOH組成物層を中
間層とし、その両側にポリプロピレン系樹脂またはポリ
スチレン系樹脂層を有する多層構造体を提供することに
よって解決される。
本発明者らは、種々の可塑剤、ポリマー等をEVOHにブ
レンドし、接着性樹脂、熱可塑性樹脂を配してなる各種
多層シートを作製し、再加熱、延伸操作によつて、カツ
プ、ボトルを得、該容器の外観及びガスバリアー性の測
定を行つた。一般に、EVOHの二次加工性、たとえば加熱
高速延伸性を改善する方法としては、EVOHにブレンドす
る化合物、樹脂の特性が重要であり、加熱高速延伸性温
度でEVOHにブレンドする化合物、樹脂が軟化あるいは溶
融していることが必須条件とされていた。しかしなが
ら、該ブレンドする化合物、樹脂は通常ガスバリアー性
が悪く、加熱高速延伸性を改善するため、ブレンド率を
高くする必要があり、その結果ブレンドされたEVOH組成
物自身のガスバリアー性が悪化する問題があつた。そこ
で、鋭意検討した結果、驚くべき事にメタキシリレン基
含有ポリアミド樹脂をEVOHにブレンドしたEVOH組成物は
加熱高速延伸性が改善されるだけでなく、メタキシリレ
ン基含有ポリアミド樹脂自身のガスバリアー性が良いた
めか、EVOHへのブレンド率を高くしてもブレンドされた
EVOH組成物自身のガスバリアー性の悪化はほとんど問題
なく、逆に加熱高速延伸性がますます改善される。しか
しながら、該EVOH組成物層を中間層とし、その両側にポ
リプロピレン系樹脂またはポリスチレン系樹脂層を有す
る多層構造体を比較的低い温度(100〜150℃)で加熱高
速延伸した場合、ときとして、透明性、あるいはガスバ
リアー性が悪化する場合があつた。そこで本発明者ら
は、さらに検討を重ねた結果、驚くべき事に、EVOHとし
て、エチレン含有量20〜60モル%、ビニルシラン系化合
物含有量0.0001〜0.5モル%のEVOH(A)を用いた場
合、成形性が良好なだけでなく、透明性、ガスバリアー
性の悪化もほとんどなく、さらに、ガスバリアー性の測
定値のバラツキが少なく、信頼性の高い、高ガスバリア
ー性容器が得られる事を見出し本発明を完成するにいた
つた。
本発明において、EVOH(A)とは、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体けん化物であり、エチレン含有量20〜60モ
ル%、好適には25〜50モル%、さらに酢酸ビニル成分の
ケン化度が90%以上、好適には95%以上のものが使用で
きる。エチレン含有量20モル%未満では溶融成形性が悪
く、一方60モル%以上では、ガスバリアー性が不足す
る。また、けん化度が90%未満では、ガスバリアー性お
よび熱安定性が悪くなる。また、EVOH(A)にビニルシ
ラン系化合物が含有する場合は、その含有量は、0.0001
〜0.5モル%、好適には、0.005〜0.2モル%である。シ
ラン系化合物を含有するEVOHはエチレン−酢酸ビニル−
ビニルシラン化合物共重合体をけん化することによつて
得られる。
またビニルシラン系化合物の含有量が0.5モル%を越
えると、ゲル、ブツなどが多発し熱成形容器の外観が悪
化するだけでなく、ガスバリアー性の信頼性も低下す
る。ところで、ビニルシラン系化合物としては、下記
(I)、(II)および(III)で示される化合物が好適
である。
[ただし、ここでnは0〜1、mは0〜2、R1は低級
アルキル基、アリル(aryl)基、またはアリル基を有す
る低級アルキル基、R2は炭素数1〜40のアルコキシル基
であり、そのアルコキシル基は酸素を含有する置換基を
有していてもよい。R3は水素またはメチル基、R4は水素
原子または低級アルキル基、R5はアルキル基または連鎖
炭素原子が酸素もしくは窒素にとつて相互に結合された
2価の有機残基、R6は水素、ハロゲン、低級アルキル
基、アリル基、またはアリル基を有する低級アルキル
基、R7はアルコキシル基またはアシロキシル基(ここで
アルコキシル基またはアシロキシル基は酸素もしくは窒
素を含有する置換基を有していてもよい。)、R8は水
素、ハロゲン、低級アルキル基、アリル基、またはアリ
ル基を有する低級アルキル基、R9は低級アルキル基であ
る。]さらに詳しく述べれば、R1は炭素数1〜5の低級
アルキル基、炭素数6〜18のアリル基、または炭素数6
〜18のアリル基を有する炭素数1〜5の低級アルキル
基、R4は水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基
を示し、R5は炭素数1〜5のアルキル基または連鎖炭素
原子が酸素もしくは窒素にとつて相互に結合された2価
の有機残基を示し、R6は水素、ハロゲン、炭素数1〜5
の低級アルキル基、炭素数6〜18のアリル基、または炭
素数6〜18のアリル基を有する炭素数1〜5の低級アル
キル基を示し、R7はアルコキシル基またはアシロキシル
基(ここでアルコキシル基またはアシロキシル基は酸素
もしくは窒素を含有する置換基を有していていもよ
い。)、R8は水素、ハロゲン、炭素数1〜5の低級アル
キル基、炭素数6〜18のアリル基、または炭素数6〜18
のアリル基を有する炭素数1〜5の低級アルキル基を示
し、R9は炭素数1〜5の低級アルキル基を示す。そし
て、より具体的な化合物名としては、例えば、ビニルメ
トキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリ(β
−メトキシ、エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシ
プロピルメトキシシランなどが用いられる。好適には、
ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシランである。
さらに、本発明においてはEVOH(A)として、上記の
EVOH以外にDSC測定において、2個以上の吸熱ピークを
有し、あるいは/およびシラン含有量が0.0001〜0.5モ
ル%、好適には0.005〜0.2モル%、含有してなる、エチ
レン含有量20〜60モル%、好適には25〜50モル%、けん
化度90%以上、好適には95%以上のEVOHが効果的であ
る。ここで、DSC測定(10℃/min)において、2個以上
の吸熱ピークを有するとは、独立した2個以上の吸熱ピ
ークである必要は必ずしもなく、ピークが重なりシヨル
ダー状、こぶ状のピークであつてもよく、最大ピーク温
度と最小ピーク温度との差が5℃以上、好適には7℃以
上が効果的である。なお、熱処理などにより、吸熱ピー
ク温度が移動したり、ピークが発現、消失するようなピ
ークは吸熱ピークには相当しない。
また、該EVOHには本発明の目的が阻害されない範囲
で、他の共単量体[例えば、プロピレン、ブチレン、不
飽和カルボン酸又はそのエステル{(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸エステル(メチル、エチル)な
ど}、ビニルピロリドン(N−ビニルピロリドンな
ど)]を共重合体することも出来るし、さらに可塑剤、
熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フイラ
ー、他の樹脂(ポリアミド、部分けん化エチレン−酢酸
ビニル共重合体など)をブレンドすることも自由であ
る。また、本発明に用いるEVOHの好適なメルトインデツ
クス(MI)(190℃、2160g荷重下)は0.1〜50g/10min、
最適には0.5〜20g/10minである。
本発明において、メタキシリレン基含有ポリアミド樹
脂とは、メタキシリレンジアミンと全量の80%以下のパ
ラキシリレンジンアミンを含む混合キシリレンジアミン
と、炭素数が6〜10個のα,ω−脂肪族ジカルボン酸と
から生成された構成単位を分子鎖中に少なくとも70モル
%含有した重合体である。これらの重合体の例として
は、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレ
ンセバカミド、ポリメタキシリレンスペラミド等のよう
な単独重合体、およびメタキシリレン/パラキシリレン
アジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレン
アゼラミド共重合体、などのような共重合体、ならびに
これらの単独重合体または共重合体の成分とヘキサメチ
レンジアミンのような脂肪族ジアミン、ピペラジンのよ
うな脂環式ジアミン、パラ−ビス−(2−アミノエチ
ル)ベンゼンのような脂肪族ジアミン、テレフタル酸の
ような脂肪族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムのよう
なラクタム、γ−アミノヘプタン酸のようなω−アミノ
カルボン酸、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香
族アミノカルボン酸等とを共重合した共重合体等が挙げ
られる。上記の共重合体において、パラキシリレンジア
ミンは全キシリレンジアミンに対して80%以下であり、
好適には、75%以下である。またキシリレンジアミンと
脂肪族ジカルボン酸とから生成された構成単位は分子鎖
中において少なくとも70モル%以上、好適には、75モル
%以上である。また、これらのポリマーにたとえばナイ
ロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン6−12等の重合体、帯電防止
剤、滑剤、耐ブロツキング剤、安定剤、染料、顔料等を
含有してもよい。そして、該メタキシリレン基含有ポリ
アミド樹脂の相対粘度{96%硫酸溶液(1g/100ml)、25
℃}は1.0〜5dl/g、さらには1.5〜4dl/gあることがのぞ
ましい。
また、EVOH(A)へのメタキシリレン基含有ポリアミ
ド樹脂(B)の添加量に関しては、(A)と(B)の含
有量に対し5〜40重量%、好適には7〜35重量%であ
る。添加量が5重量%未満では成形性の改善効果が十分
でなくクラツク、ムラが発生しやすい。一方、40重量%
こえるとガスバリアー性および透明性が低下し、使用に
耐えない。EVOHとメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂
とのブレンド組成物の260℃、2190g荷重下での溶融粘性
指数(MFI)は1〜100g/10min.、好適には、5〜80g/10
min.である。
EVOHとメタキシリレン基含有性ポリアミド樹脂とをブ
レンドする方法に関しては、特に限定されるものではな
いが、EVOHとメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂とを
ドライブレンドしてそのまま使用する、あるいはより好
適にはバンバリーミキサー、単軸又は二軸スクリュー押
出し機などでペレツト化、乾燥する方法等がある。ブレ
ンドが不均一であつたり、またブレンドペレツト化操作
時にゲル、ブツの発生、混入があると加熱延伸成形時EV
OH組成物層の破れ、クラツク、ムラが発生する可能性が
大きい。従つて、ブレンド化ペレツト操作時混練度の高
い押出機を使用し、ホツパー口を窒素の存在下にシール
し、低温で押出しする事が望ましい。また、ブレンド、
ペレツト化する際、他の添加剤(可塑剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フイラー、他の樹脂
など)を本発明の目的が阻害されない範囲で使用する事
は自由である。特に、ゲル発生防止対策として、ハイド
ロタルサイト系化合物、ヒンダードフエノール系、ヒン
ダードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カルボン酸の金属
塩(たとえば、ステアリン酸カルシウムなど)の一種ま
たは二種以上を0.01〜1重量%添加する事は好適であ
る。
次に、本発明のEVOH組成物層を中間層とし、その両側
にポリプロピレン系樹脂またはポリスチレン系樹脂層を
有する多層構造体、とくに加熱延伸多層構造体について
説明する。
本発明においては、下記式を満足する条件により加熱
延伸することにより、とくに好適な加熱延伸多層構造体
を得ることができる。
X−10℃≧Y≧X−110℃ 但し、XはEVOHの融点{DSC(スキャニングスピード1
0℃/min)で測定した最大吸熱ピーク温度)}を、また
Yは加熱延伸温度℃を示す。Yが(X−10)℃より高い
場合は、加熱延伸成形時EVOHが軟化、融解する為、添付
剤を加え無くても成形が可能である。一方、Yが(X−
110)℃より低い場合、成形物の形状、寸法安定性が悪
くなる。
本発明においてEVOH組成物とポリプロピレン系樹脂ま
たはポリスチレン系樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂とを
多層化するために、使用される接着性樹脂としては、EV
OH組成物層と該熱可塑性樹脂層とを強固に接着するもの
であれば、特に限定されるものではないが、不飽和カル
ボン酸又はその無水物(無水マイレン酸など)をオレフ
イン系重合体または共重合体[ポリエチレン{低密度ポ
リエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、超低密度ポリエチレン(SLDPE)}、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル(メチルエステル、またはエチルエステル)共重合
体]にグラフトしたものが、好適にもちいられる。
多層構造体を得る方法としては、該EVOH組成物とポリ
プロピレン系樹脂およびポリスチレン系樹脂から選ばれ
る熱可塑性樹脂とをしばしば接着性樹脂を介して押出ラ
ミネート法、ドライラミネート法、共押出ラミネート
法、共押出シート成形法、共押出パイプ成形法、共射出
成形法、溶液コート法などにより積層体を得、次いで該
積層体を真空圧空深絞り成形、二軸延伸ブロー成形など
により、EVOHの融点以下の範囲で再加熱し延伸操作を行
う方法、あるいは、該積層体(フイルム又はシート)を
二軸延伸機に供し、加熱延伸する方法、さらにはEVOH組
成物と熱可塑性樹脂とを共射出二軸延伸ブローする方法
などがあげられる。
さらに、多層構造体の厚み構成に関しても、特に限定
されるものではないが、成形性およびコスト等を考慮し
た場合、全厚みに対するEVOH組成物層の厚み比率は2〜
20%程度が好適である。また、多層構造体の構成として
は、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH組成物層/接
着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/接着性
樹脂層/EVOH組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層
/接着性樹脂層/EVOH組成物層が代表的なものとしてあ
げられる。EVOH組成物層の両側の熱可塑性樹脂層は異な
っていてもよいし、また同じものでもよい。また成形時
発生するトリムなどのスクラツプを熱可塑性樹脂層にブ
レンドしたり、別途回収層をもうけて再使用される場合
もある。
本発明において、加熱延伸多層構造体とは前記したと
おり、加熱延伸する事により得られるカツプ、ボトルな
どの容器あるいはシート、フイルム状物であり、また加
熱とは該多層構造体を加熱延伸に必要な温度に所定の時
間放置し、該多層構造体が熱的にほぼ均一になる様に操
作す方法であればよく、操業性を考慮して、種々のヒー
ターで加熱、均一化する方法が好ましい。
加熱操作は、延伸と同時におこなつてもよいし、また
延伸前に行つても良い。ただし、加熱延伸操作を行う原
反シートは可能な限りシート成形直後(1〜3日以内)
の物が好ましく、またEVOH組成物層への吸湿(0.2%以
下)を防止し、さらに出来るだけ速く(2℃/sec.以
上)シートを昇温する事も重要であり、この条件を外れ
ると、時として、クラツク、ムラ、透明性不良、ガスバ
リアー性のバラツキが増すなどの異常が発現する場合が
あるので注意が必要である。
また、延伸操作とは、熱的に均一に加熱された多層構
造体をチヤツク、プラグ、真空力、圧空力などにより容
器、カツプ、ボトル、フイルム状に均一に成形する操作
を意味し、一軸延伸、二軸延伸(同時または逐次)のい
ずれでも採用できる。また、延伸倍率、延伸速度は目的
に応じて適宜選択できるが、本発明において高速延伸と
は、延伸速度が5×105%/min.以上の高速で均一に延伸
する方法を意味し、必ずしも成形品が配向している必要
はない。
また、本発明において、EVOHの含水率については、EV
OH組成物を作る工程、あるいは組成物を多層構造体に成
形する工程においては、EVOHの含水率は0.01〜1重量%
と可能な限り低いほうが望ましい。一方多層構造体の熱
成形においては、EVOH組成物層の含水率は0.001〜0.2重
量%と、さらに低いほうが加熱延伸成形性の面で好適で
ある。
このようにして得られた本発明の加熱延伸多層構造体
は、EVOH組成物にピンホール、クラツク、偏肉がみられ
ないので、ガスバリアー性がきわめて良く、バラツキの
ほとんどない非常に良好な食品包装用容器、あるいは保
香性を要求される容器などに有効である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、これ
によりなんら限定されるものではない。
E.実施例 実施例1 エチレン含有量32モル%、トリメトキシビニルシラン
含有量0.015モル%、けん化度99.4%、メルトインデツ
クス(MI 190℃、2160g荷重)1.3g/10min.のEVOH
(A)80重量部、メタキシリレン基含有ポリアミドとし
て、ポリメタキシリレンアジパミド(メタキシリレン/
パラキシリレン重量比=95/5)20重量部を、二軸スクリ
ユータイプ、ベント式40Φ押出機に入れ、窒素存在下、
270℃で押出しペレツトを行つた。この時、ペレツトのM
I(190℃、2160g荷重下)は2.5g/10min.であつた。
該ペレツトを用いて3種5層共押出装置にかけ、多層
シート(ポリスチレン樹脂層/接着性樹脂層/EVAL組成
物層/接着性樹脂層/ポリスチレン樹脂層)を作成し
た。シートの構成は両最外層のポリスチレン樹脂層(出
光石化 出光スチレール ET−61)が800μ、また接着性
樹脂層(東ソメルセンM−5410、マイレン酸変性エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体)が各50μ、さらに中間層(EV
OH組成物層)が50μである。得られたシートを真空圧空
熱成形機にかけ(延伸速度9×105%/min.)、130℃で
成形をおこなつた。
得られた成形物はクラツク、ムラ、偏肉もなく、外観
も良好であつた。この容器を20℃−65%RHに調湿し、ガ
スバリアー性を測定した所(モコン社製10/50型)、0.5
cc.20μ/m2・24hr・atmと非常に良好なガスバリアー性
を示すだけでなく、20サンプル測定した時の測定値のバ
ラツキ(R=最大値−最少値)が0.1と非常に小さく、
信頼性の高い高ガスバリアー性容器であつた。
実施例2〜5、および比較例1〜4 表1に示す以外は、実施例1の条件で容器を得た、そ
の結果を表1に示す。
F.発明の効果 本発明は、加熱延伸、特に加熱高速延伸操作時、ピン
ホール、クラツク、ムラ、局所的偏肉などがなく、しか
もガスバリアー性およびその信頼性に優れた、EVOH樹脂
組成物、およびそれを用いた加熱延伸多層構造体を提供
することにある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含有量20〜60モル%のエチレン−
    ビニルアルコール共重合体(A)60〜95重量%およびメ
    タキシリレンジアミン基含有ポリアミド樹脂(B)40〜
    5重量%からなる組成物層を中間層とし、その両側にポ
    リプロピレン系樹脂またはポリスチレン系樹脂層を有す
    る多層構造体。
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