JP3342776B2 - 平版印刷版用アルミニウム支持体及びその製造方法並びにアルミニウム支持体の粗面化処理方法 - Google Patents

平版印刷版用アルミニウム支持体及びその製造方法並びにアルミニウム支持体の粗面化処理方法

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JP3342776B2 JP20565794A JP20565794A JP3342776B2 JP 3342776 B2 JP3342776 B2 JP 3342776B2 JP 20565794 A JP20565794 A JP 20565794A JP 20565794 A JP20565794 A JP 20565794A JP 3342776 B2 JP3342776 B2 JP 3342776B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オフセット印刷等に利
用される平版印刷版用アルミニウム支持体及びその製造
方法並びにアルミニウム支持体の粗面化処理方法に関す
るものです。
【0002】
【従来の技術】従来、平版印刷版用支持体としてアルミ
ニウム板が広く使用されている。そして、アルミニウム
支持体の上に設けられる感光層との密着性を良好にし、
かつ、アルミニウム支持体から製造される平版印刷版の
非画像部(印刷時に使用される湿し水を受容し、油性イ
ンクを反発する領域で、支持体の表面が露出している領
域がこれを担う)の保水性を改善することを目的とし
て、アルミニウム支持体の表面は粗面化処理されてい
る。
【0003】この粗面化処理は、いわゆる砂目立てと称
され、相当の熟練度を必要とする作業である。そして、
この砂目立てはボールグレイン、ワイヤーグレイン、ブ
ラシグレイン等の機械的な粗面化方法と電気化学的な粗
面化方法に大別される。
【0004】ボールグレインの場合にはボールの材質、
研磨剤の種類、研磨の際の水分の調整等、熟練を要する
因子が多く、また作業を連続的に行なうことは不可能で
一枚一枚仕上げる必要がある。また、ワイヤーグレイン
は、得られる砂目が不均一である。これに対してブラシ
グレインは、これらの方法を改良したものであって、均
一な砂目のものが得られ、連続的処理が可能であるの
で、大量生産に向いている。
【0005】しかし、上述した機械的な方法では、印刷
版用支持体として十分な性能を得るのが難しかった。
【0006】一般に、表面粗さが大きいと水持ち(即
ち、保水性)が良くなると言われており、水持ちを良く
するためや印刷し易くする目的の平版印刷版を作製する
場合には、その支持体の表面形状はできるだけ均一な凹
凸をもっているものが好ましいとされている。このよう
な好ましい表面形状が得られる方法として、電気化学的
な粗面化方法が着目されている。この電気化学的な方法
による場合には、電解液の組成、温度、電解条件などの
諸条件を一定に維持しておけば、一定の粗面化表面を有
するアルミニウム板を得ることができる。
【0007】電気化学的な粗面化処理としては、交流を
用いる方法と直流を用いる方法に大別される。交流を用
いる方法では、アルミニウム板の進行方向と垂直に、電
気化学的な粗面化に用いる交流の周波数とアルミニウム
板の移動速度に対応した処理ムラが発生し易いという欠
点があった。
【0008】これを解決する粗面化処理として、特開平
1−141094号公報(USP第4902389号明細書)におい
て、アルミニウム板に対向して交互に陽極と陰極とを配
置し、これら両極間に直流電圧を印加するとともに、ア
ルミニウム板をこれらの電極と任意の間隔を保って通過
させる粗面化方法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、直流を
用いた粗面化処理だけでは、湿し水を絞ったときの網点
部のインキの絡み難さと、ブラン汚れ性能の両立が難し
く、高級印刷に最適な刷り易さを向上させることができ
なかった。
【0010】また、特開平1−141094号公報(USP490
2389)で提案された直流を用いた粗面化処理では、粗面
化形状の装置依存性が高く、各種平版印刷版用アルミニ
ウム支持体の印刷性能にみあった最適な表面形状を得よ
うとしたとき、電解条件を大きく変更する必要があっ
た。
【0011】本発明は、インキが絡み難く、かつブラン
汚れ性能がよい印刷版用アルミニウム支持体を提供する
ことを目的とする。
【0012】また、本発明は、インキが絡み難く、かつ
ブラン汚れ性能がよい印刷版用アルミニウム支持体を製
造できる製造方法を提供することを目的とする。
【0013】さらに、本発明は、印刷版用支持体として
好適な表面形状を得ることができるアルミニウム支持体
の粗面化処理方法を提供することを目的をする。
【0014】
【問題を解決するための手段】本発明は、以上の問題点
を解決するためになされたもので、本発明の平版印刷版
用アルミニウム支持体の第1態様は、酸性水溶液中で直
流電圧を用いて電気化学的に粗面化処理する際、電解槽
入口にアルミニウム板に加わる電流密度が主電極よりも
低い電流密度で0.0001〜5sec間電解処理する
ソフトスタートゾーンを設けて電気化学的に粗面化を行
ない、平均ピッチが1〜80μmの凹凸に重なり合って
平均直径が0.1〜2μmのハニカムピットが形成さ
れ、平均表面粗さが0.3〜1.5μmであることを特
徴として構成されている。
【0015】平均ピッチが1μm未満であると、耐刷力
および保水性が悪化し、平均ピッチが80μmを越える
と、ブラン汚れ性能が低下する。
【0016】ハニカムピットの平均直径が0.1μm未
満であると、刷り始めのインキの払いが悪化し、また、
ハニカムピットの平均直径が2μmを越えると、ブラン
汚れ性能が低下する。
【0017】平均直径0.1〜2μmのハニカムピットの
密度は100000〜100000000個/mm2が好ましく、1000000
〜80000000個/mm2がより好ましく、25000000〜8000000
0個/mm2が最も好ましい。
【0018】平均表面粗さが0.3μm未満であると、
湿し水をしぼったときの網点部でのインキが絡み易くな
り、平均表面粗さが1.5μmを越えると、ブラン汚れ
性能が低下する。また、平均表面粗さは0.4〜1.0
μmであることが好ましい。
【0019】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
の第2態様は、酸性水溶液中で直流電圧を用いて電気化
学的に粗面化処理する際、電解槽入口にアルミニウム板
に加わる電流密度が主電極よりも低い電流密度で0.0
001〜5sec間電解処理するソフトスタートゾーン
を設けて電気化学的に粗面化を行ない、平均直径が0.
5〜10μmのハニカムピットが形成され、平均表面粗
さが0.3〜1.0μmであることを特徴として構成さ
れている。
【0020】ハニカムピットの平均直径が0.5μm未
満であると、耐刷力が悪化し、また、ハニカムピットの
平均直径が10μmを越えると、ブラン汚れ性能が低下
する。ハニカムピットの平均直径は2〜7μmがより好
ましい。
【0021】平均表面粗さが0.3μm未満であると、
湿し水をしぼったときの網点部でのインキが絡み易くな
り、平均表面粗さが1.0μmを越えると、ブラン汚れ
性能が低下する。
【0022】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
の製造方法の第1態様(以下、製造方法Iという)は、
アルミニウム板の表面を順に、 (1) 酸性またはアルカリ水溶液中で化学的なエッチン
グ処理を行ない、 (2) 酸性水溶液中で直流電圧を用いて電気化学的に粗
面化する際、電解槽内の最初の電極を陰極とするととも
に該陰極からアルミニウム板に加わる電流密度が主電解
よりも低い電流密度で0.0001〜5sec間電解処
理するソフトスタートゾーンを設けて電気化学的に粗面
化を行ない、平均直径が0.5〜10μmのハニカムピ
ットを10000〜100000個/mm2の密度で形
成するとともに、平均直径が0.5μm未満のハニカム
ピットが形成されるか又はハニカムピットが形成されて
いないプラトーな部分が表面の15〜60%になるよう
にし、 (3) 酸性またはアルカリ水溶液中で化学的なエッチン
グ処理を行ない、プラトーな部分を10%以下にし、 (4) 酸性水溶液中で直流または交流を用いて電気化学
的な粗面化を行ない平均直径0.1〜2μmのハニカム
ピットを形成し、 (5) 酸性またはアルカリ水溶液中で化学的なエッチン
グ処理を行ない、 (6) 酸性水溶液中で陽極酸化処理または陽極酸化処理
と親水化処理とを行なうことを特徴として構成されてい
る。
【0023】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
の製造方法の第2態様(以下、製造方法IIという)は、
アルミニウム板の表面を順に、 (1) 酸性またはアルカリ水溶液中で化学的なエッチン
グ処理を行ない、 (2) 酸性水溶液中で直流電圧を用いて電気化学的に粗
面化する際、電解槽内の最初の電極を陰極とするととも
に該陰極からアルミニウム板に加わる電流密度が主電解
よりも低い電流密度で0.0001〜5sec間電解処
理するソフトスタートゾーンを設けて電気化学的に粗面
化を行ない、平均直径が0.5〜7μmのハニカムピッ
トを40000個/mm2〜500000個/mm2の密
度で形成するとともに、平均直径が0.5μm未満のハ
ニカムピットが形成されるか又はハニカムピットが形成
されていないプラトー部分が表面の0〜15%になるよ
うにし、 (3) 酸性またはアルカリ水溶液中で化学的なエッチン
グ処理を行ない、プラトーな部分を10%以下にし、 (4) 酸性水溶液中で陽極酸化処理または陽極酸化処理
と親水化処理を行なうことを特徴として構成されてい
る。
【0024】(1) 製造方法I: 第1化学的エッチング処理:第1化学的エッチング
処理は、酸性またはアルカリ水溶液中でエッチング処理
が行なわれる。この第1化学的エッチング処理は、直流
電圧を用いて電気化学的に粗面化処理の前処理として行
なわれるもので、圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等を除去
することを目的としている。
【0025】酸性水溶液に用いられる酸としては、特開
昭57−16918号公報に記載されているように、弗酸、弗
化ジルコン酸、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸等があり、これ
らを単独または組み合わせて用いることができる。
【0026】アルカリ水溶液に用いられるアルカリとし
ては、特開昭57−16918号公報に記載されているよう
に、水酸化カリウム、第3燐酸ナトリウム、アルミン酸
ナトリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等があ
る。これらを単独または組み合わせて用いることができ
る。
【0027】酸性水溶液の濃度は、0.5〜25重量%が好
ましく、特に1〜5重量%が好ましい。酸性水溶液中に
溶解しているアルミニウムは0.5〜5重量%が好まし
い。
【0028】アルカリ水溶液の濃度は、5〜30重量%が
好ましく、特に20〜30重量%が好ましい。アルカリ水溶
液中に溶解しているアルミニウムは0.5〜30重量%が好
ましい。
【0029】エッチング処理の量は、1〜10g/m2
解することが好ましく、1.5〜5g/m2溶解することが
より好ましい。
【0030】また、この化学的エッチングに、機械的な
粗面化処理、硝酸を主体とする水溶液中で交流を用いて
電気化学的に粗面化処理、塩酸を主体とする水溶液中で
の電気化学的な粗面化処理、中性塩水溶液中での電気化
学的な粗面化処理、中性塩水溶液中での電気化学的なエ
ッチング処理等を組み合わせてもよい。
【0031】 第1直流粗面化処理:第1直流粗面化
処理は、酸性水溶液中で直流電圧を用いて電気化学的に
粗面化を行ない、平均直径が0.5〜10μmのハニカムピ
ットを10000〜100000個/mm2の密度で形成するととも
に、平均直径が0.5μm未満のハニカムピットが形成さ
れるか又はハニカムピットが形成されていないプラトー
部分が表面の15〜60%になるようにする。
【0032】酸性水溶液中で直流電圧を用いて電気化学
的に粗面化を行なうには、電解槽に酸性水溶液を充填
し、この酸性水溶液中に陽極と陰極を交互に配置し、こ
れらの陽極と陰極との間に直流電圧を印加するととも
に、アルミニウム板をこれらの陽極及び陰極と任意の間
隔を保って通過させて行なうものである。
【0033】酸性水溶液は、通常の交流を用いた電気化
学的な粗面化処理に用いるものを使用でき、例えば、塩
酸、硝酸、を主体とする水溶液がある。これらの中で
は、硝酸を主体とする水溶液が好ましい。硝酸を主体と
する水溶液の場合、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウ
ム、硝酸アンモニウム等の硝酸イオンを有する硝酸化合
物を用いることができる。また、アルミニウム塩、アン
モニウム塩の1以上を1〜150g/lの量で混合すること
が好ましい。なお、アンモニウムイオンは硝酸水溶液中
で電解処理することによっても、自然発生的に増加して
いく。
【0034】また、酸性水溶液中には、鉄、銅、マンガ
ン、ニッケル、チタン、マグネシウム、ケイ素等のアル
ミニウム合金中の含まれる金属を溶解していてもよい。
さらに、アンモニウムイオン、硝酸イオン等を添加して
もよい。
【0035】酸性水溶液の濃度は、1.0g/l〜飽和限
界の間が好ましく、5〜100g/lの間がより好まし
い。濃度が1.0g未満であると、液の導電性が悪くなり、
電解電圧が上昇する。濃度が100g/lより多くなると設
備の耐蝕性に問題が生じる。
【0036】また、酸性水溶液の温度は30〜55℃が好ま
しく、40〜50℃がより好ましい。温度が30℃未満である
と、液の導電性が悪くなり、電解電圧が上昇する。温度
が55℃を超えると、設備の耐蝕性に問題が生じる。
【0037】直流電圧を用いた粗面化処理において、陽
極又は陰極は、一つの部材で構成しても、複数の電極片
を組み合わせて構成してもよく、簡単かつ安価に製作で
き、しかも電流分布を均一にできるので、複数の電極片
を組み合わせて構成することが好ましい。複数の電極片
を組み合わせて製作する場合、例えば、複数の電極片を
所定間隔で平行に配置したり、複数の電極片を1〜5mm
程度の絶縁体を介して平行に配置したりする。このよう
な電極片の形状は特に限定されず、角棒状であっても丸
棒状であってもよい。また、絶縁体としては、電気絶縁
性と耐薬品性とを兼ね備えた材料が好ましく、塩化ビニ
ル、ゴム、テフロン、FRP、などを用いる。また、陽
極と陰極は交互に3対以上設置されていることが、特に
3〜15対であることが好ましい。交互に配置された陽
極または陰極の長さL(m)が、アルミニウム板の通過
速度をV(m/sec)としたとき、0.05V〜3V(m)
であることが好ましい。
【0038】陽極には、チタン、タンタル、ニオブなど
のバルブ金属にプラチナなどの白金族系の金属をメッキ
またはクラッドした電極やフェライト電極を用いること
ができる。フェライト電極は、長尺電極の製造が困難な
ため2本以上の電極を突き合わせて又は重ね合わせ接続
とするが、接合部が処理ムラの発生原因となるので、ア
ルミニウム板の進行方向に沿って千鳥状に配置する。
【0039】陰極には、白金、ステンレス、カーボンま
たはチタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、ハフニ
ウムまたはその合金などを用いることができる。陰極と
してチタンを使用する場合、その表面に白金系の金属を
被覆し、その後400〜10000度で30〜60分間
熱処理するとより好ましい。
【0040】本発明でいう直流電圧とは、連続直流電圧
はもちろん、商用交流をダイオード、トランジスタ、サ
イリスタ、GTOなどで整流したものや、矩形のパルス
直流などをいい、一般的な直流の定義にあてはまる極性
の変化しない電圧のことをいい、とくにリップル率10%
以下の連続直流電圧が好ましい。
【0041】電流密度は20〜200A/dm2であることが好
ましく、50〜120A/dm2がより好ましい。第1段目の電
気化学的な粗面化でアルミニウム板に加わる電気量は20
0〜1000C/dm2が好ましく、とくに250〜600C/dm2
好ましい。
【0042】 第2化学的エッチング処理:第2化学
的エッチング処理は、酸性またはアルカリ性水溶液中で
化学的なエッチング処理を行ない、プラトー部を10%以
下にする。この第2化学的エッチング処理は、第1直流
粗面化処理で生成したハニカムピットのエッジを溶解
し、かつ、平均直径が0.5μm未満のハニカムピットが
形成されるか又はハニカムピットが形成されていないプ
ラトー部及び水酸化アルミニウムを主体とするスマット
成分を除去するためのものである。スマット成分がある
と、次に行なう酸性水溶液中での直流または交流を用い
た電気化学的な粗面化が均一に行われなくなる。また、
このプラトー部が存在すると、印刷版としたときにブラ
ン汚れ性能、地汚れ性能が劣ることになる。なお、プラ
トー部の面積は、10%以下であるが、5%以下が好まし
い。酸またはアルカリ水溶液中での化学的なエッチング
処理の後のプラトー部の面積の割合は、10%以下、特に
5%以下とすることが好ましい。
【0043】酸性水溶液及びアルカリ水溶液は、上記第
1化学的エッチング処理方法に用いられるものと同一で
ある。
【0044】エッチング量は、0.1〜20g/m2が好まし
く、3〜15g/m2がより好ましい。エッチング量を0.1
〜20g/m2の範囲で行なう条件としては、例えば、酸
性水溶液またはアルカリ水溶液の濃度が0.05〜40%、液
温が40℃〜100℃、処理時間が2〜300秒間の範囲であ
り、これらの中から選択して行なえばよい。
【0045】アルカリ水溶液を用いて化学的エッチング
を行なった場合、アルミニウム板の表面に不溶解物、即
ち、スマットが生成するので、このスマットを除去する
ために、燐酸、硫酸、硝酸、クロム酸又はこれらの混合
物で洗浄することが好ましい。なお、酸性水溶液を用い
た場合は、スマットが生成し難いので、洗浄を省くこと
ができる。
【0046】 第2直流または交流粗面化処理:第2
直流または交流粗面化処理は、酸性水溶液中で直流また
は交流を用いて電気化学的な粗面化を行ない平均直径0.
1〜2μmのハニカムピットを形成している。すなわち、
この粗面化処理においては、平均直径が0.1〜0.4μm又
は0.5〜2.0μmのハニカムピットを重ね合わせ、汚れ性
能、耐刷性能を向上させるものである。
【0047】i)平均直径0.1〜0.4μmのハニカムピッ
トを生成させる場合:第2段目の電気化学的な粗面化で
平均直径0.1〜0.4μmのハニカムピットを生成させるに
は、硝酸を主体とする水溶液中で直流を用いて電気化学
的な粗面化処理方法(直流粗面化処理)や、塩酸を主体
とする水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化処理
方法(交流粗面化処理)がある。
【0048】a)直流粗面化処理: 直流粗面化処理は、硝酸を含有する水溶液中でアルミニ
ウム板とそれに対向する電極との間に直流を加えて電気
化学的に粗面化処理することをいう。給電方式は液給電
方式や、コンダクタロールを用いた方式を用いることが
できる。硝酸水溶液は、硝酸化合物の濃度が100g/
lから飽和限界の間が好ましく、150〜500g/l
の間がより好ましい。硝酸水溶液に好適な化合物は、硝
酸アルミニウム、硝酸、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニ
ウム、硝酸マグネシウム等であり、硝酸イオンを含有す
るほかの化合物との組み合わせて使用することもでき
る。硝酸水溶液の温度は、30〜55℃が好ましい。
【0049】直流電圧は、連続直流電圧はもちろん、商
用交流をダイオード、トランジスタ、サイリスタ、GT
Oなどで整流したものや、矩形のパルス直流などをい
い、一般的な直流の定義にあてはまる極性の変化しない
電圧のことをいい、とくにリップル率10%以下の連続直
流電圧が好ましい。アルミニウム板に加わる電気量は、
10〜250C/dm2が好ましく、10〜100C/dm2がより好ま
しい。
【0050】b)交流粗面化処理:交流粗面化処理は、
塩酸を含有する水溶液中でアルミニウム板に対向する電
極との間に交流を加えて電気化学的に粗面化処理するこ
とをいう。給電方式は、液給電方式や、コンダクタロー
ルを用いた方式を用いることができる。
【0051】塩酸水溶液は、濃度が1.0g/lから飽和
限界の間が好ましく、5から100g/lの間がより好ま
しい。塩酸水溶液に好適な化合物は、塩化アルミニウ
ム、塩酸、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化マ
グネシウム等であり、塩酸イオンを含有するほかの化合
物との組合せを使用することもできる。塩酸水溶液にア
ルミニウム塩及び/又はアンモニウム塩を20〜150g/l
の量で混合することが特に好ましい。塩酸水溶液の温度
は。30から55℃が好ましい。
【0052】交流電流波形としては、特公昭48−28123
に記載のような正弦波や、特開昭55−25381に記載のよ
うに正弦波交流をサイリスタで位相制御したもの、特開
昭52−58602に記載されているように特殊な波形などを
用いることができるが、設備的に好ましくはDUTY比
1:1の矩形波交流を用いることが好ましい。
【0053】ii)平均直径0.5〜2μmのハニカムピッ
トを生成させる場合:第2段目の電気化学的な粗面化で
平均直径0.5〜2μmのハニカムピットを生成させるに
は、上記i)の場合と同様に、直流粗面化処理と交流粗
面化処理とがある。
【0054】a)直流粗面化処理: 陽極時のアルミニウム板に加わる電気量は、10から3
00C/dm2の電気量の範囲から選ばれる。電流密度
は10〜200A/dm2であることが好ましい。その
他は、上記i)と同様に行なうことができる。
【0055】b)交流粗面化処理: 電気量、電流密度は上記ii)a)と同様に、液組成は上
記i)a)と同様に、交流電源波形は上記i)b)と同
様なものを用いることができる。
【0056】 第3化学的エッチング処理:第3化学
的エッチング処理は、アルミニウム板表面に生成したス
マット成分を除去し、ブラン汚れ、地汚れ性能を向上さ
せるためのものである。
【0057】酸性水溶液としては、弗酸、弗化ジルコン
酸、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸などの水溶液、アルカリ水
溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第
3燐酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、硅酸ナトリ
ウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ水溶液が用いられ
る。これらの酸またはアルカリ水溶液は、それぞれ一種
または二種以上を混合して使用することができる。
【0058】エッチング量は、0.01〜2g/m2が好ま
しく、0.5〜1.5g/m2がより好ましい。上記エッチン
グ量を0.01〜2g/m2の範囲にするには、酸またはアル
カリの濃度を0.05〜40%、液温を40℃から100℃、処理
時間を5〜300秒間の範囲において行なう。
【0059】アルミニウム板表面の軽度なエッチングを
行った場合、その表面に不溶解物すなわちスマットが生
成する。このスマットは、燐酸、硫酸、硝酸、クロム酸
及びこれらの混合物で洗浄することにより除去すること
ができる。
【0060】この第3化学的エッチング処理を行なった
後には、特開平3−104694号公報に記載されているよう
な、平均直径0.5〜2μmのハニカムピットの内部に0.1
μm以下の凹凸が形成されている。
【0061】また、中性塩水溶液中でアルミニウム板を
陰極にして直流電圧を加え電気化学的に軽度なエッチン
グ処理を併用してもよい。
【0062】 陽極酸化処理:陽極酸化処理は、親水
性、保水性、耐印刷性を向上させるためのもので、硫酸
及び/又は燐酸を含む電解液中で直流電圧または交流電
圧を用いて処理するものである。また、陽極酸化処理後
に常法により封孔処理を行うことが出来る。さらに珪酸
ソーダなどを含む水溶液中に浸漬し、親水化処理を行う
こともできる。親水化処理の後には、10〜30重量%の硫
酸を含む水溶液50〜80℃中に5〜300秒浸漬する処理をお
こなってもよい。
【0063】陽極酸化皮膜量は、メイソン液を使った重
量法で測定すると、0.5〜10g/m2が好ましく、1.0〜
5g/m2がより好ましい。親水化処理はケイ素を含む
水溶液中で行なわれ、ケイ素を含む親水化皮膜が生成し
ていることが好ましい。
【0064】以上のような〜の処理工程で処理され
たアルミニウム板は、触針式表面粗さ計で半径1μmの
触針を使って断面プロファイルを測定すると、第1直流
粗面化処理で生成したハニカムピットが第2化学的エッ
チング処理で溶解してできたと思われるうねりと、第1
直流粗面化処理で生成したプラトーな部分とプラトーな
部分との平均ピッチと思われるうねりとが観察された。
すなわち、平均ピッチ1〜80μmの凹凸が重なって混在
して観察された。このとき観察されるピッチが1μm未
満のうねりは、第2段目の電気化学的な粗面化で生成し
たハニカムピットの凹凸である。
【0065】また、上記アルミニウム板は、走査型電子
顕微鏡で観察すると、平均ピッチ2〜80μmの凹凸に
平均直径0.1〜2μmのハニカムピットが重なりあっ
ている。また、平均表面粗さは0.3〜1.5μmが好
ましく、0.4〜1.0μmがより好ましい。
【0066】(2) 製造方法II: 第1化学的エッチング処理:上述した製造方法Iと
同様である。 第1直流粗面加処理:上述した製造方法Iと同様で
ある。 第2化学的エッチング処理:上述した製造方法Iと
同様である。 陽極酸化処理:上述した製造方法Iと同様である。
【0067】以上のような〜の処理行程で処理され
たアルミニウム板の表面は、触針式表面粗さ計で半径1
μmの触針を使って断面プロファイルを測定すると、第
1直流粗面化処理で生成したハニカムピットが、第2化
学的エッチング処理で溶解してできたと思われるうねり
と、第1直流粗粗面化処理で生成したプラトーな部分と
プラトーな部分との平均ピッチと思われるうねりとが観
察、すなわち約1〜80μmピッチの大きなうねりが観察
された。具体的には、平均ピッチ1〜80μmピッチの凹
凸が重なり、かつ混在して観察された。このとき観察さ
れる1μmピッチ未満のうねりはノイズであろう。
【0068】また、その表面を走査型電子顕微鏡で観察
したところ、平均直径0.1〜7μmのハニカムピットが
生成していた。支持体の平均表面粗さは0.3〜1.0μmで
あった。
【0069】本発明のアルミニウム支持体の粗面化処理
方法は、酸性水溶液中で直流電圧を用いてアルミニウム
板を電気化学的に粗面化する粗面化処理方法において、
電解槽入口にアルミニウム板に加わる電流密度が主電極
よりも低い電流密度で0.0001〜5sec間電解処
理するソフトスタートゾーンを設けて電解粗面化処理を
行なうことを特徴として構成されている。
【0070】本発明者らは、鋭意研究の結果、アルミニ
ウム板の粗面化処理の最初において主電極よりも低電流
密度で処理を行なうと、最適な表面形状が得られること
を見出し本発明を完成させたものである。
【0071】ソフトスタートゾーンにおける低電流密度
は、主電解の平均電流密度の約90%以下の電流密度で
あり、ソフトスタートゾーンの電流密度をコントロール
する方法は、電極とアルミニウム板との間の電解液内の
電圧の広がりを利用したり、独立した低電流密度電解用
電源と電極を用いたりする方法があり、これらを単独で
用いても、組み合わせて用いてもよい。また、ソフトス
タートゾーンの電流密度をコントロールすることによ
り、表面形状を変更することができる。
【0072】上記電極からアルミニウム板の間の電解液
内の電圧の広がりを利用する方式は、電解液の電気的な
抵抗により、電極に対向したアルミニウム支持体上の任
意の点から、アルミニウム支持体に沿ってアルミニウム
支持体の入口に近づくにしたがい、アルミニウム支持体
と電解液間に加わる電圧が低くなる現象を利用するもの
である。
【0073】上記独立した低電流密度電解用電源と電極
を用いる方式は、電解反応に用いる主電源と電極とは独
立に低電流密度電解用電源と電極を用いて低電流密度処
理を行なうものである。前記電解液内の電圧の広がりを
利用する方式では、アルミニウムの厚さや幅が変わった
とき、電解槽内の負荷インピーダンスが変化し、ソフト
スタートゾーン内の電圧変化のカーブに差ができてしま
い、その結果、粗面化形状に差が出来てしまうことがあ
る。しかし、この方式では、アルミニウム板の厚さや幅
が変化しても、粗面化形状に差が出ることがない。
【0074】また、アルミニウム板を酸性電解液中で、
少なくとも1対の陽極と陰極と、金属ウェブの入口部分
に同じ及び/又は異なったソフトスタートゾーンを有す
る電解槽を3つ以上組み合わせ、各電解槽の主電解に用
いる電源を、各電解槽毎または1対の陽極と陰極毎にそ
れぞれ独立させ、各電解槽毎または1対の陽極と陰極毎
に平均電流密度を変えて調整することが、最適な表面形
状を得ることができるので好ましい。
【0075】なお、ソフトスタートゾーンは、主電源が
接続された陰極が先頭に配置してある入り口側に設ける
ことが表面形状を制御するうえで好ましい。また、出口
側の陽極から液面までの長さは、できるだけ短いほうが
よい。
【0076】ソフトスタートゾーンで電解が行なわれる
時間は、0.0001sec〜5secが好ましく、0.0005sec〜1s
ecがより好ましく、0.001〜0.5secが最も好ましい。
【0077】ソフトスタートゾーンの電流密度は、0か
ら徐々に電流密度を上げていってもよいし、2段階以上
のステップで電流密度を上げていってもよい。徐々に電
流密度を上げていく場合、直線的、指数関数的又は対数
関数的に電流密度を上げていってもよい。低電流密度用
電極上での電流密度は、100A/dm2以下が好ましく、50
A/dm2以下がより好ましく、30A/dm2以下が最も好ま
しい。
【0078】ソフトスタートゾーンは、主電解槽内に設
けても、主電解槽とは別に槽を設けその槽に設けてもよ
い。主電解槽と別の槽に設ける場合は、電解液、電極、
電源波形等は、主電解槽と同一にすることが設備上好ま
しい。
【0079】ソフトスタートゾーンを電解槽のアルミニ
ウム板の入口側のアルミニウム板が陽極反応する部分に
設けるのは、ソフトスタートゾーンでアルミニウム板の
表面に酸化被膜等表面状態をコントロールすることで、
その後の高電流密度電解ゾーンで生成するハニカムピッ
トの生成状態をコントロールする目的である。もちろん
電解槽の出口側のアルミニウム板の陽極反応部分にソフ
トスタートゾーンを設けてもよい。アルミニウム板の陰
極反応部分のアルミニウム板の入口側や出口側に設ける
ことも水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分の
生成を変えることで、結果として次のアルミニウム板の
陽極反応でのピッティング反応をコントロールすること
になるが、アルミニウム板の陽極反応部に設けるソフト
スタートゾーンほど効果はない。
【0080】酸又はアルカリ水溶液中での前処理をした
後のアルミニウム板を直流を用いて電気化学的な粗面化
をおこなうとき、アルミニウム板の陽極反応を最初にお
こなうとアルミニウム板の走行スピードが20m/min以
上で直流を用いて電気化学的な粗面化をおこなったとき
に連続した、幅約5〜10μm、長さ約20μm以上の溝状
のピットが生成し易くなる。この溝状のピットが生成し
ていると印刷版としての性能が満たされなくなる。そこ
で、酸又はアルカリ水溶液中での前処理をした後のアル
ミニウム板を陰極反応処理から開始すると連続した溝状
のピットが生成しなくなる。
【0081】有利な実施形態としては、第1番目の電解
槽に陽極のみを配置し、アルミニウム板のカソード反応
をおこなう。第2番目以降の電解槽には陰極と陽極とを
交互に配置する。第2番目以降の電解槽は3セル以上あ
ることが好ましく、このとき一つの電解槽には陰極と陽
極が一対ずつ以上あることが好ましい。一つの電解槽に
は1個以上の電源を接続することができる。また、第2
番目以降の電解槽はアルミニウム板の入口に陰極および
ソフトスタートゾーンを配置することが好ましい。第2
番目以降の電解槽では、陰極と陽極を交互に3対以上設
けることがハニカムピットをより均一にアルミニウム板
表面に生成する上で好ましい。2対以下だと均一なハニ
カムピットを少ない電気量で得ることが難しい。
【0082】第1番目の電解槽でアルミニウム板の電解
に用いる電気量は、10〜20c/dm2が好ましく、
10〜100c/dm2がより好ましい。電流密度は、
10〜200A/dm2が好ましい。第1番目の電解槽
での電気量、電流密度、流速等の電解条件は第2番目以
降の電解槽での粗面化形状に影響するため、目的に合わ
せてそれぞれの電界槽での電解条件を最適化することに
よって任意の粗面化形状を得ることができる。第1番目
及び第2番目以降の電解槽の電解条件は同じにしても良
いし、違っていてもよい。これらの電解槽での最適電解
条件は繰り返し実験を行なうことで最適値を求めること
が可能である。
【0083】以上のようなソフトスタートゾーンを用い
たアルミニウム支持体の粗面化処理方法は、上述した製
造方法I及びIIにおいて、第1直流粗面化処理及び第2
直流又は交流粗面化処理の直流粗面化処理に用いること
ができ、特に、第1直流粗面化処理に用いると、大波と
呼ばれる大きなうねりを変化させることが出きるので好
ましい。
【0084】上述した製造方法I及びII並びにアルミニ
ウム支持体の粗面化処理方法において、電解槽の構造、
電極構造及び給液方法は、印刷版または電解コンデンサ
用アルミニウム板の表面処理、鉄鋼、ステンレス鋼など
の金属ウェブ一般の表面処理に用いられる公知のものを
用いることができる。給液口、廃液口は電解槽の中間に
1個以上設けてもよい。
【0085】電解槽は、縦型、横型、ラジアル型、V型
などが一般的に用いられるが、スペースセイビング、ソ
フトスタートゾーンの確保のしやすさの点で、縦型が好
ましい。ウェブ状のアルミニウム板のハンドリングの安
定性はラジアル型電解槽が優れている。縦型電解槽の場
合、アルミニウム板の液流による振動を抑止する点で、
両面に1個以上の給液口及び/又は廃液口を設けること
が望ましい。ラジアル型電解槽の場合は、給液には公知
の方法を適用する。
【0086】各電解槽の主電解に用いる電源は、1個の
電源で各電解槽に供給しても、各電解槽毎に独立した別
個の電源を設けても、1対の陽極と陰極毎(それぞれ別
の電解槽に配置されている)に独立した別個の電源を設
けてもよい。電解槽毎又は1対の陽極と陰極毎に独立し
た電極を設けた場合は、電解槽毎又は1対の陽極及び陰
極毎に電流密度を制御することが出来るので、各電解槽
毎又は1対の陽極及び陰極毎に任意の粗面化形状にコン
トロールすることが出来る。なお、1つの電源で複数の
電極に給電すると、アルミニウム板の厚さ及び幅、電解
液組成、液温などによって、アルミニウム板の負荷イン
ピーダンスが変化するので、各電極の電流の値がなり行
きで変化し、一定条件での製造が困難になる場合がある
ので注意を要する。
【0087】本発明に使用されるアルミニウム板は、純
アルミニウム板及びアルミニウム合金板が含まれる。そ
の製造方法は問わない。アルミニウム合金としては種々
のものが使用でき、例えばケイ素、銅、マンガン、マグ
ネシウム、クロム、鉛、亜鉛、ビスマス、チタン、タン
タル、ニオブ、鉄、ニッケルなどの金属とアルミニウム
の合金が用いられる。
【0088】アルミニウム板は片面のみ処理してもよい
し、両面を処理してもよい。片面を処理するときはアル
ミニウム板のどちら側を処理しても差し支えない。両面
処理するときは、片面側ずつ逐次処理してもよいし、ア
ルミニウム板の両側に電極を設置して両面同時に処理し
てもよい。アルミニウム板に塗布する感光層はポジ型で
もネガ型でもよい。
【0089】
【作用】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体で
は、インキが絡まず、かつ、ブラン汚れ性能を向上させ
る。
【0090】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
の製造方法では、平均ピッチが1〜80μmの凹凸と、平
均直径が0.1〜2μmのハニカムピットとが形成され、平
均表面粗さが0.3〜1.5μmである平版印刷版用アルミニ
ウム支持体又は平均ピッチが1〜80μmの凹凸と、平均
直径が0.1〜7μmのハニカムピッチとが形成され、平
均表面粗さが0.3〜1.0μmである平版印刷版用アルミニ
ウム支持体を確実に製造することにより、インキが絡ま
ず、かつ、ブラン汚れ性能を向上させた平版印刷版用ア
ルミニウム支持体を製造する。
【0091】本発明のアルミニウム支持体の粗面化処理
方法では、ソフトスタートゾーンによりチャタマーク
(アルミニウム板の進行方向に垂直な処理ムラ)の発生
が防止される。これは、ソフトスタートゾーンにより、
アルミニウム支持体のアノード反応の開始で生成する酸
化皮膜の状態が変わり、その結果ピット生成反応をコン
トロールできるからであると考えられる。また、ソフト
スタートゾーンの電流密度をコントロールすることによ
り、ピット形状をコントロールすることでき、アルミニ
ウム支持体がどのようなスピードであっても最適な表面
形状にすることができる。
【0092】次に、本発明の平版印刷版用アルミニウム
支持体の製造方法における直流電圧を用いた粗面化処理
に用いる装置を図1及び図2に基づいて説明する。
【0093】図1に示す直流電圧を用いた粗面化処理装
置は、複数の電解槽1が直列に設けられており、この電
解槽1には酸性水溶液2が貯留されるとともに、陰極3
及び陽極4が底面に直角で互いに平行に配置され、この
陰極3と陽極4とは直流電源5で接続されている。ま
た、この陰極3と陽極4との間には、パーティションウ
ォール6が設けられている。そして、パーティションウ
ォール6の下方に搬送ローラー7が設けられるととも
に、陰極3とパーティションウォール6との間の上方及
び陽極4とパーティションウォール6との間の上方にも
搬送ローラー8が設けられ、アルミニウム板9は、陰極
3とパーティションウォール6との間及び陽極4とパー
ティションウォール6との間を略「U」字状に走行する
ようになっている。
【0094】図2に示す直流電圧を用いた粗面化処理装
置は、複数の電解槽11が直列に設けられており、この電
解槽11には酸性水溶液12が貯留されている。そして、各
電解槽11には、陰極13と陽極14とが交互に設けられ、こ
の陰極13と陽極14とは直流電源15で接続されている。ま
た、各電解槽11の酸性水溶液12には搬送ローラー16が略
半分浸漬した状態で設けら、かつ、各電解槽11の間の上
方にも搬送ローラー17が設けられ、アルミニウム板18が
これらの間を走行するようになっている。
【0095】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
の製造方法における交流電圧を用いた粗面化処理に用い
る装置を図3に基づいて説明する。
【0096】図3に示す交流電圧を用いた粗面化処理装
置は、1つの電解槽21が設けられ、この電解槽21に
酸性水溶液22が貯留されている。この電解槽21には
一対の電極23、24が設けられ、この電極23、24
は交流電源25で接続されている。また、電解槽21に
は、略半分浸漬した状態で一対の搬送ローラー26、2
7が設けられており、アルミニウム板28がこれらの搬
送ローラー26、27を走行するようになっている。
【0097】本発明のアルミニウム支持体の粗面化処理
方法を実施する直流電圧を用いた粗面化処理装置を図4
〜図9に基づいて説明する。
【0098】図4に示す直流電圧を用いた粗面化処理装
置は、陰極41が陽極42より上部がh短くなった状態で設
けられており、その他の構成は、図1に示した例と同様
である。したがって、この装置においては、アルミニウ
ム板9が粗面化処理される初期、即ち酸性水溶液2に入
って直ぐの時、低電流密度で粗面化されるようになって
いる。
【0099】図5に示す直流電圧を用いた粗面化処理装
置は、陰極51の上部が三角形状に切り取られ、上端に
行くにしたがって陽極52から遠くなる斜面部53が形
成されている。その他の構成は、図1に示した例と同様
である。したがって、この装置においては、アルミニウ
ム板9が粗面化処理される初期、即ち酸性水溶液2に入
って直ぐの時、斜面部53によって、低電流密度で粗面
化処理されるようになっている。
【0100】図6に示す直流電圧を用いた粗面化処理装
置は、陰極61が、陰極本体62と、一対のソフトスタート
用陰極片63、64とで構成されており、そして、このソフ
トスタート用陰極片63、64は電圧の低い直流電源65に接
続されている。その他の構成は、図1に示した例と同様
である。したがって、この装置においては、アルミニウ
ム板が粗面化処理される初期、即ち酸性水溶液2に入っ
て直ぐの時、ソフトスタート用陰極片63、64で低電流密
度で粗面化処理されるようになっている。
【0101】図7に示す直流電圧を用いた粗面化処理装
置は、陰極71が、主陰極72とソフトスタート用陰極73で
構成されるとともに、陽極74が、主陽極75とソフトスタ
ート用陽極76で構成され、アルミニウム板の走行方向の
上流側から数えて、奇数番目の電解槽77に設けられたソ
フトスタート用陽極76と偶数番目の電解槽78に設けられ
たソフトスタート用陰極73とが、電圧の低い直流電源79
に接続されている。その他の構成は、図1に示した例と
同様である。
【0102】したがって、この装置においては、アルミ
ニウム板9が粗面化処理される初期、即ち酸性水溶液2
に入って直ぐの時、ソフトスタート用陰極73によって、
低電流密度で粗面化処理されるようになっている。
【0103】図8に示す直流電圧を用いた粗面化処理装
置は、粗面化処理装置の上流にソフトスタート用電解槽
81が設けられ、このソフトスタート用電解槽81には酸性
水溶液82が貯留されるとともに、ソフトスタート用陽極
83が設けられている。また、電解粗面化用の電解槽84の
陰極85は主陰極86とソフトスタート用陰極87で構成され
るとともに、陽極88が、主陽極89とソフトスタート用陽
極90で構成されている。そして、ソフタスタート用電解
槽81のソフトスタート用陽極83と、最初の粗面化処理用
電解槽84のソフトスタート用陰極87とは、電圧の低い直
流電源91で接続され、以後、粗面化処理用電解槽84のソ
フトスタート用陽極83とソフトスタート用陰極87とは、
電圧の低い直流電源91で接続されている。
【0104】したがって、この装置においては、アルミ
ニウム板9が粗面化処理される初期、即ち酸性水溶液2
に入って直ぐの時、ソフトスタート用陰極87によって、
低電流密度で粗面化処理されるようになっている。
【0105】図9及び図10に示す直流電圧を用いた粗
面化処理装置は、粗面化処理装置の上流にソフトスター
ト用電解槽101、111が設けられ、このソフトスタ
ート用電解槽101、111には酸性水溶液102 が
貯留されるとともに、ソフトスタート用陽極103が設
けられている。また、粗面化処理用の最初の電解槽10
4の陰極105は、主陰極106、81とソフトスター
ト用陰極107及び91、92、93とで構成されてい
る。そして、ソフトスタート用電解槽101、111の
ソフトスタート用陽極103と粗面化電解槽104のソ
フトスタート用陰極107及び91、92、93とは、
電圧の低い直流電源108及び131、132、133
で接続されている。
【0106】したがって、これらの装置においては、ア
ルミニウム板9が粗面化処理される初期、即ち酸性水溶
液102に入って直ぐの時、ソフトスタート用陰極107及び
91、92、93によって、低電流密度で粗面化処理されるよ
うになっている。
【0107】
【実施例】
実施例1 厚さ0.24mm、幅300mmのJIS1050アルミニウム板を、6
0℃の5%水酸化ナトリウム水溶液中に20秒間浸漬して
化学的なエッチング処理を行った後、水洗し、次いで1
%硝酸水溶液60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0108】その後、1%の硝酸水溶液(0.5%のアルミ
ニウムイオンと70ppmのアンモニウムイオンを含む)45
℃を酸性水溶液として、図1に示すような装置でアルミ
ニウム板に対向して陽極と陰極を交互に配置し、陽極と
陰極間に連続直流電圧を加え、アルミニウム板をこれら
の電極と10mmの間隔を保って通過させ、電気化学的な粗
面化処理を行った。直流電圧の電流密度は、80(A/d
m2)であった。陽極と陰極の長さは、それぞれ150mm、
アルミニウム板の移動速度は7.2m/minであった。
【0109】液面から陰極または陽極までの距離は、軟
質塩ビ製の堰板によってソフトスタートゾーンをつくっ
た。ソフトスタートゾーンの長さはそれぞれ20mmとし
た。アルミウェブの入り口部分と出口部分は、電極から
の電位の広がりにより、一定電流密度ゾーンよりも低い
電流密度で電気化学的に処理される。
【0110】その後、水洗し、次に25%硫酸水溶液中60
℃に60秒間浸漬し、水酸化アルミニウムを主体としたス
マット成分を除去した後水洗した。
【0111】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、すべて平均直
径2〜5μmのハニカムピットであり、その密度は6000
0個/mm2の割合で存在していた。
【0112】ハニカムピットを有さない、または平均直
径0.5μm未満ハニカムピットを有するプラトーな部分
の面積は25%であった。
【0113】このようにして、直流を用いて粗面化した
アルミニウム板を、60℃の25%水酸化ナトリウム水溶液
(アルミニウムイオン5%含む)に10秒間浸漬しアルミ
ニウム板を8.5g/m2エッチングした後、水洗した。次
に25%硫酸水溶液中60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0114】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、プラトー部は
存在していなかった。
【0115】更に、1%の硝酸水溶液(0.5%のアルミ
ニウムイオンを含む)45℃を電解液としてアルミニウム
板に対向する電極(カーボン)との間にDUTY比1:
1、周波数60Hzの矩形波交流を加え、14秒間、第2段目
の電気化学的な粗面化処理を行った。
【0116】その後、水洗し、5%水酸化ナトリウム水
溶液中(0.5%のアルミニウムイオンを含む)35℃に20秒
間浸漬してアルミニウムを1.0g/m2除去する化学的な
エッチング処理を行った後、水洗し、25%硫酸水溶液中
60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0117】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、大きなうねりの中に平均直径1
μmのハニカムピットが均一に生成していた。そのアル
ミニウム板の平均表面粗さは0.6μmであった。
【0118】その後、常法に従い、硫酸を主体とする水
溶液中での直流を用いた陽極酸化処理、水洗、乾燥、ポ
ジ型感光層の塗布、乾燥をおこない、ポジ型印刷版を作
成して印刷したところ、ブラン汚れ、耐刷、調子再現
性、インキの払い、印刷機上の湿し水を絞ったときの網
点部のインキの絡み難さ等良好な印刷版であった。
【0119】実施例2 厚さ0.24mmのJIS1050アルミニウム板を、60℃の5%
水酸化ナトリウム水溶液中に20秒間浸漬して化学的なエ
ッチング処理を行った後、水洗し、次いで1%硫酸水溶
液60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0120】その後、1%の硝酸水溶液(0.5%のアルミ
ニウムイオンと70ppmのアンモニウムイオンを含む)45
℃を酸性水溶液として、図1に示すような装置でアルミ
ニウム板に対向して陽極と陰極を交互に配置し、陽極と
陰極間に連続直流電圧を加え、アルミニウム板をこれら
の電極と10mmの間隔を保って通過させ、電気化学的な粗
面化処理を行った。直流電圧の電流密度は、80(A/d
m2)であった。陽極と陰極の長さは、それぞれ150mm、
アルミニウム板の移動速度は7.2m/minであった。
【0121】ソフトスタートゾーンの長さは、塩化ビニ
ル製の堰板によって、第1槽目の入口が150mm、出
口が20mm、第2槽、第3槽、第4槽が入口、出口共
に20mmとした。
【0122】アルミウェブの入り口部分と出口部分は、
電極からの電位の広がりにより、一定電流密度ゾーンよ
りも低い電流密度で電気化学的に処理されるが、第1槽
と第2槽、第3槽、第4槽ではソフトスタートゾーンの
長さが異なる。
【0123】その後、水洗し、次に25%硫酸水溶液中60
℃に60秒間浸漬し、水酸化アルミニウムを主体としたス
マット成分を除去した後水洗した。
【0124】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、すべて平均直
径4〜6μmのハニカムピットであり、その密度は4500
0個/mm2の割合で存在していた。
【0125】ハニカムピットを有さない、または平均直
径0.5μm未満ハニカムピットを有するプラトーな部分
の面積は40%であった。
【0126】このようにして、直流を用いて粗面化した
アルミニウム板を、60℃の25%水酸化ナトリウム水溶液
(アルミニウムイオン5%含む)に15秒間浸漬しアルミ
ニウム板を8.5g/m2エッチングした後、水洗した。次
に25%硫酸水溶液中60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0127】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、プラトー部は
存在していなかった。
【0128】更に、1%の硝酸水溶液(0.5%のアルミ
ニウムイオンを含む)45℃を電解液としてアルミニウム
板に対向する電極(カーボン)との間にDUTY比1:
1、周波数60Hzの矩形波交流を加え、14秒間、第2段目
の電気化学的な粗面化処理を行った。
【0129】その後、水洗し、5%水酸化ナトリウム水
溶液中(0.5%のアルミニウムイオンを含む)35℃に20秒
間浸漬してアルミニウムを1.0g/m2除去する化学的な
エッチング処理を行った後、水洗し、25%硫酸水溶液中
60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0130】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、大きなうねりの中に平均直径1
μmのハニカムピットが均一に生成していた。その板の
平均表面粗さは0.7μmであった。
【0131】その後、常法に従い、硫酸を主体とする水
溶液中での直流を用いた陽極酸化処理、水洗、乾燥、ポ
ジ型感光層の塗布、乾燥をおこない、ポジ型印刷版を作
成して印刷したところ、ブラン汚れ、耐刷、調子再現
性、インキの払い、印刷機上の湿しを絞ったときの網点
部のインキの絡み難さ等良好な印刷版であった。とくに
印刷機上の湿し水を絞ったときの網点部インキの絡み難
さは実施例1よりも更に優れており、インキの盛れる高
級印刷に適した支持体であった。
【0132】実施例3 厚さ0.24mmのJIS1050アルミニウム板を、60℃の5%
水酸化ナトリウム水溶液中に20秒間浸漬して化学的なエ
ッチング処理を行った後、水洗し、次いで1%硝酸水溶
液60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0133】その後、1%の硝酸水溶液(0.5%のアル
ミニウムイオンと70ppmのアンモニウムイオンを含む)4
5℃を酸性水溶液として、図2に示すような装置でアル
ミニウム板に対向して陽極と陰極を交互に配置し、陽極
と陰極間に連続直流電圧を加え、アルミニウム板をこれ
らの電極と10mmの間隔を保って通過させ、電気化学的な
粗面化処理を行った。直流電圧の電流密度は、200(A/
dm2)であった。陽極と陰極の長さは、それぞれ20mm、ア
ルミニウム板の移動速度は2.4m/minであった。
【0134】液面から陰極または陽極までのアルミニウ
ム板に沿った距離は、20mmであった。
【0135】その後、水洗し、次に25%硫酸水溶液60℃
に60秒間浸漬し、水酸化アルミニウムを主体としたスマ
ット成分を除去した後水洗した。
【0136】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、平均直径1〜1
0μmのハニカムピットが幅広く分布しており、その密
度は70000個/mm2の割合で存在していた。この時のアル
ミニウム板表面の電子顕微鏡写真を図11に示す。
【0137】ハニカムピットを有さない、または平均直
径0.5μm未満ハニカムピットを有するプラトーな部分
の面積は30%であった。
【0138】このようにして、直流を用いて粗面化した
アルミニウム板を、60℃の25%水酸化ナトリウム水溶液
(アルミニウムイオン5%含む)に10秒間浸漬しアルミ
ニウム板を5.5g/m2エッチングした後、水洗した。次
に25%硫酸水溶液中60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0139】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、プラトー部は
存在していなかった。この時のアルミニウム板表面の電
子顕微鏡写真を図12に示す。
【0140】更に、1%の硝酸水溶液(0.5%のアルミ
ニウムイオンを含む)45℃を電解液としてアルミニウム
板に対向する電極(カーボン)との間にDUTY比1:
1、周波数60Hzの矩形波交流を加え、14秒間、第2段目
の電気化学的な粗面化処理を行った。
【0141】その後、水洗し、5%水酸化ナトリウム水
溶液中(0.5%のアルミニウムイオンを含む)35℃に20秒
間浸漬してアルミニウムを1.0g/m2除去する化学的な
エッチング処理を行った後、水洗し、25%硫酸水溶液60
℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0142】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、大きなうねりの中に平均直径1
μmのハニカムピットが均一に生成していた。そのアル
ミニウム板の平均表面粗さは0.60μmであった。この時
のアルミニウム板表面の電子顕微鏡写真を図13に示す。
【0143】その後、常法に従い、硫酸を主体とする水
溶液中での直流を用いた陽極酸化処理、水洗、乾燥、ポ
ジ型感光層の塗布、乾燥をおこない、ポジ型印刷版を作
成して印刷したところ、ブラン汚れ、耐刷、調子再現
性、インキの払い、印刷機上の湿し水を絞ったときの網
点部のインキの絡み難さ等良好な印刷版であった。
【0144】実施例4 厚さ0.24mmのJIS1050アルミニウム板を、60℃の5%
水酸化ナトリウム水溶液中に20秒間浸漬して化学的なエ
ッチング処理を行った後、水洗し、次いで1%硝酸水溶
液60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0145】その後、1%の硝酸水溶液(0.5%のアル
ミニウムイオンと70ppmのアンモニウムイオンを含む)4
5℃を酸性水溶液として、図2に示すような装置でアル
ミニウム板に対向して陽極と陰極を交互に配置し、陽極
と陰極間に連続直流電圧を加え、アルミニウム板をこれ
らの電極と10mmの間隔を保って通過させ、電気化学的な
粗面化処理を行った。直流電圧の電流密度は、125(A/
dm2)であった。陽極と陰極の長さは、それぞれ20mm、ア
ルミニウム板の移動速度は1.2m/minであった。
【0146】液面から陰極または陽極までのアルミニウ
ム板に沿った距離は、20mmであった。
【0147】その後、水洗し、次に25%硫酸水溶液中60
℃に60秒間浸漬し、水酸化アルミニウムを主体としたス
マット成分を除去した後水洗した。
【0148】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、その全てが平
均直径2〜10μmのハニカムピットであり、その密度は2
4000個/mm2の割合で存在していた。
【0149】ハニカムピットを有さない、または平均直
径0.5μm未満ハニカムピットを有するプラトーな部分
の面積は50%であった。
【0150】このようにして、直流を用いて粗面化した
アルミニウム板を、60℃の25%水酸化ナトリウム水溶液
(アルミニウムイオン5%含む)に30秒間浸漬しアルミ
ニウム板を15g/m2エッチングした後、水洗した。次に
25%硫酸水溶液中60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0151】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、プラトー部は
約5%存在していた。
【0152】更に、1%の硝酸水溶液(0.5%のアルミ
ニウムイオンを含む)45℃を電解液としてアルミニウム
板に対向する電極(カーボン)との間にDUTY比1:
1、周波数60Hzの矩形波交流を加え、14秒間、第2段目
の電気化学的な粗面化処理を行った。
【0153】その後、水洗し、5%水酸化ナトリウム水
溶液中(0.5%のアルミニウムイオンを含む)35℃に20秒
間浸漬してアルミニウムを1.0g/m2除去する化学的な
エッチング処理を行った後、水洗し、25%硫酸水溶液中
60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0154】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、大きなうねりの中に平均直径1
μmのハニカムピットが均一に生成していた。そのアル
ミニウム板の平均表面粗さは0.8μmであった。
【0155】その後、常法に従い、硫酸を主体とする水
溶液中での直流を用いた陽極酸化処理、水洗、乾燥、ポ
ジ型感光層の塗布、乾燥をおこない、ポジ型印刷版を作
成して印刷したところ、ブラン汚れ、耐刷、調子再現
性、インキの払い、印刷機上の湿し水を絞ったときの網
点部のインキの絡み難さ等良好な印刷版であった。
【0156】実施例5 厚さ0.24mmのJIS1050アルミニウム板を、60℃の5%
水酸化ナトリウム水溶液中に20秒間浸漬して化学的なエ
ッチング処理を行った後、水洗し、次いで1%硝酸水溶
液中60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0157】その後、1%の硝酸水溶液(0.5%のアル
ミニウムイオンと70ppmのアンモニウムイオンを含む)4
5℃を酸性水溶液として、図2に示すような装置でアル
ミニウム板に対向して陽極と陰極を交互に配置し、陽極
と陰極間に連続直流電圧を加え、アルミニウム板をこれ
らの電極と10mmの間隔を保って通過させ、電気化学的な
粗面化処理を行った。直流電圧の電流密度は、200(A/
dm2)であった。陽極と陰極の長さは、それぞれ20mm、ア
ルミニウム板の移動速度は2.4m/minであった。
【0158】液面から陰極または陽極までのアルミニウ
ム板に沿った距離は、20mmであった。
【0159】その後、水洗し、次に25%硫酸水溶液中60
℃に60秒間浸漬し、水酸化アルミニウムを主体としたス
マット成分を除去した後水洗した。
【0160】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、平均直径1〜1
0μmのハニカムピットが幅広く分布しており、その密
度は70000個/mm2の割合で存在していた。
【0161】ハニカムピットを有さない、または平均直
径0.5μm未満ハニカムピットを有するプラトーな部分
の面積は30%であった。
【0162】このようにして、直流を用いて粗面化した
アルミニウム板を、60℃の25%水酸化ナトリウム水溶液
(アルミニウムイオン5%含む)に10秒間浸漬しアルミ
ニウム板を5.5g/m2エッチングした後、水洗した。次
に25%硫酸水溶液中60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0163】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、プラトー部は
存在していなかった。
【0164】更に、34%の硝酸水溶液(0.5%のアルミニ
ウムイオンを含む)45℃を電解液としてアルミニウム板
に対向する電極(カーボン)との間にアルミニウム板を
陽極として直流電圧を加え、電流密度20A/dm2で3秒
間、第2段目の電気化学的な粗面化処理を行った。
【0165】その後、水洗し、5%水酸化ナトリウム水
溶液中(0.5%のアルミニウムイオンを含む)35℃に20秒
間浸漬してアルミニウムを0.1g/m2除去する化学的な
エッチング処理を行った後、水洗し、25%硫酸水溶液中
60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0166】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、大きなうねりの中に平均直径0.
3μmのハニカムピットが均一に生成していた。その板
の平均表面粗さは0.6μmであった。
【0167】その後、常法に従い、硫酸を主体とする水
溶液中での直流を用いた陽極酸化処理、水洗、乾燥、ポ
ジ型感光層の塗布、乾燥をおこない、ポジ型印刷版を作
成して印刷したところ、ブラン汚れ、耐刷、調子再現
性、インキの払い、印刷機上の湿し水を絞ったときの網
点部のインキの絡み難さ等良好な印刷版であった。
【0168】〔観察結果〕実施例1〜5で陽極酸化処理
または親水化処理まで施したアルミニウム板の表面を、
触針式の表面粗さ計を使用し、半径1μmの触針を使っ
て断面プロファイルを測定したところ、第1段目の電気
化学的な粗面化で生成したハニカムピットが、次の化学
的なエッチング処理で溶解してできたと思われるうね
り、および第1段目の電気化学的な粗面化で生成したプ
ラトーな部分とプラトーな部分の平均ピッチと思われる
うねり、すなわち約2〜80μmピッチの大きなうねりが
観察された。具体的には、平均ピッチ2〜80μmピッチ
の凹凸が、重なって、または混在して観察された。この
とき観察されるピッチが2μm未満のうねりは、第2段
目の電気化学的な粗面化で生成したハニカムピットの凹
凸である。
【0169】また、その表面を走査型電子顕微鏡で観察
したところ、平均直径0.1〜2μmのハニカムピットが
生成していた。
【0170】その断面プロファイルから2〜80μmピッ
チの大きなうねりの深さを求めたところ、約0.1〜4μ
mであった。そして、その表面を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、第2段目の電気化学的な粗面化処理で生
成した平均直径約0.1〜2μmのハニカムピットが観察
された。平均直径約0.1〜2μmのハニカムピットの密
度は100000〜100000000個/mm2であった。
【0171】断面写真より第2段目の電気化学的な粗面
化で生成した、平均直径0.5〜2μmのハニカムピット
の深さを求めたところ、約0.1〜0.5μmであった。
【0172】また、実施例1〜5の第1段目の電気化学
的な粗面化と、次におこなう化学的なエッチングで処理
したアルミニウム板の表面を走査型電子顕微鏡を用い、
倍率750倍で観察したところ、約8000〜100000個/mm2
密度の、平均直径2〜15μmのお椀型の凹部が観察され
た。
【0173】実施例6 実施例1の陽極酸化処理をしたアルミニウム板に2%の
3号硅酸ソーダ水溶液に10秒間浸漬し、親水化処理を行
った後に水洗した。その後、ネガ型感光層の塗布、乾燥
をおこない、ポジ型印刷版を作成して印刷したところ、
ブラン汚れ、耐刷、調子再現性、インキの払い、印刷機
上の湿し水を絞ったときの網点部のインキの絡み難さ等
良好な印刷版であった。
【0174】実施例7 厚さ0.24mmのJIS1050アルミニウム板を、60℃の5%
水酸化ナトリウム水溶液中に20秒間浸漬して化学的なエ
ッチング処理を行った後、水洗し、次いで1%硝酸水溶
液中60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0175】その後、1%の硝酸水溶液(0.5%のアル
ミニウムイオンと70ppmのアンモニウムイオンを含む)4
5℃を酸性水溶液として、図1に示すような装置でアル
ミニウム板に対向して陽極と陰極を交互に配置し、陽極
と陰極間に連続直流電圧を加え、アルミニウム板をこれ
らの電極と10mmの間隔を保って通過させ、電気化学的な
粗面化処理を行った。直流電圧の電流密度は、80(A/d
m2)であった。陽極と陰極の長さは、それぞれ750mm、
アルミニウム板の移動速度は36m/minであった。
【0176】液面から陰極または陽極までの距離は、軟
質塩ビ製の堰板によって、20mmとした。
【0177】その後、水洗し、次に25%硫酸水溶液中60
℃に60秒間浸漬し、水酸化アルミニウムを主体としたス
マット成分を除去した後水洗した。
【0178】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、すべて平均直
径1〜3μmのハニカムピットであり、その密度は2500
00個/mm2の割合で存在していた。
【0179】ハニカムピットを有さない、または平均直
径0.5μm未満ハニカムピットを有するプラトーな部分
の面積は約5%以下であった。
【0180】このようにして、直流を用いて粗面化した
アルミニウム板を、60℃の25%水酸化ナトリウム水溶液
(アルミニウムイオン5%含む)に10秒間浸漬しアルミ
ニウム板を2.5g/m2エッチングした後、水洗した。次
に25%硫酸水溶液中60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0181】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、プラトー部は
存在していなかった。そのアルミニウム板の平均表面粗
さは0.5μmであった。
【0182】その後、常法に従い、硫酸を主体とする水
溶液中での直流を用いた陽極酸化処理、水洗、乾燥、ポ
ジ型感光層の塗布、乾燥をおこない、ポジ型印刷版を作
成して印刷したところ、ブラン汚れ、耐刷、調子再現
性、インキの払い、印刷機上の湿し水を絞ったときの網
点部のインキの絡み難さ等良好な印刷版であった。
【0183】実施例8 厚さ0.24mmJIS1050アルミニウム板を、60℃の5%水
酸化ナトリウム水溶液中に20秒間浸漬して化学的なエッ
チング処理を行った後、水洗し、次いで1%硝酸水溶液
中60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0184】その後、1%の硝酸水溶液(0.5%のアルミ
ニウムイオンと70ppmのアンモニウムイオンを含む)45
℃を酸性水溶液として、図1に示すような装置でアルミ
ニウム板に対向して陽極と陰極を交互に配置し、陽極と
陰極間に連続直流電圧を加え、アルミニウム板をこれら
の電極と10mmの間隔を保って通過させ、電気化学的な粗
面化処理を行った。直流電圧の直流密度は、80(A/d
m2)であった。陽極と陰極の長さは、それぞれ150mm、
アルミニウム板の移動速度は7.2m/minであった。
【0185】液面から陰極または陽極までの距離は、軟
質塩ビ製の堰板によって、20mmとした。
【0186】その後、水洗し、次に25%硫酸水溶液60℃
に60秒間浸漬し、水酸化アルミニウムを主体としたスマ
ット成分を除去した後水洗した。
【0187】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、すべて平均直
径5〜7μmのハニカムピットであり、その密度は約40
000個/mm2の割合で存在していた。
【0188】ハニカムピットを有さない、または平均直
径0.5μm未満ハニカムピットを有するプラトーな部分
の面積は約15%であった。
【0189】このようにして、直流を用いて粗面化した
アルミニウム板を、60℃の25%水酸化ナトリウム水溶液
(アルミニウムイオン5%含む)に10秒間浸漬しアルミ
ニウム板を2.5g/m2エッチングした後、水洗した。次
に25%硫酸水溶液60℃に10秒間浸漬し、水洗した。その
アルミニウム板の平均表面粗さは0.6μmであった。
【0190】その後、常法に従い、硫酸を主体とする水
溶液中での直流を用いた陽極酸化処理、水洗、乾燥、ポ
ジ型感光層の塗布、乾燥をおこない、ポジ型印刷版を作
成して印刷したところ、ブラン汚れ、耐刷、調子再現
性、インキの払い、印刷機上の湿し水を絞ったときの網
点部のインキの絡み難さ等良好な印刷版であった。
【0191】実施例9 実施例7の電流密度を125(A/dm2)、電極長さを150m
m、ソフトスタートゾーン長さを10mm、アルミニウム板
の移動速度は7.2m/minとした以外は実施例7と全く同
様にアルミニウム板の処理をおこなった。
【0192】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、平均直径1〜
2μmのハニカムピットが全面に均一に生成していた。
【0193】実施例10 実施例1において、第1段目の直流粗面化処理の各電解
槽の電流密度を任意に変化させて行なった。結果を表1
に示す。
【0194】
【表1】
【0195】表1の結果より、各電解槽の電流密度を変
化させることで、表面形状をコントロールできることが
分かる。
【0196】比較例1 実施例2の条件で第1段目の電気化学的な粗面化で直流
を用いて粗面化したアルミニウム板を、60℃の25%水酸
化ナトリウム水溶液(アルミニウムイオン5%含む)に
10秒間浸漬しアルミニウム板を2.5g/m2エッチングし
た後、水洗し、次に25%硫酸水溶液60℃に10秒間浸漬
し、水洗した。
【0197】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、プラトー部は
約15%存在していた。
【0198】さらに、実施例2と同じ条件で第2段目の
電気化学的な粗面化以降の処理を行った。
【0199】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、おおきなうねりの中に平均直径
1μmのハニカムピットが均一に生成していた。その板
の平均表面粗さは0.65μmであった。
【0200】その後、常法に従い、硫酸を主体とする水
溶液中での直流を用いた陽極酸化処理、水洗、乾燥、ポ
ジ型感光層の塗布、乾燥をおこない、ポジ型印刷版を作
成して印刷したところ、実施例2に比較してブラン汚れ
性能が劣っていた。上記実施例1、2、3、4、5及び
比較例1を比較した結果を表2に示す。
【0201】
【表2】
【0202】比較例2 厚さ0.3mmのJIS1050アルミニウム板に、ナイロンブ
ラシとパミンストン縣濁液を使って粗面化処理を施した
金属ロールを用いて、プレスによる粗面化をおこなっ
た。
【0203】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、ハニカムピッ
トは存在しておらず、鍬で畑を耕したような表面形状を
していた。
【0204】このアルミニウム板を、60℃の25%水酸化
ナトリウム水溶液(アルミニウムイオン5%含む)に10
秒間浸漬しアルミニウム板を5.5g/m2エッチングした
後、水洗した。次に25%硫酸水溶液中60℃に10秒間浸漬
し、水洗した。
【0205】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、実施例同様
の、おおきなうねりをもった表面構造をしていた。ただ
し、実施例は、お椀型の形の揃った凹凸構造なのに対
し、比較例4はクレパス状の長い凹部が、お椀型の凹部
に混じって多数存在していた。
【0206】更に、1%の硝酸水溶液(0.5%のアルミ
ニウムイオンを含む)45℃を電解液としてアルミニウム
板に対向する電極(カーボン)との間にDUTY比1:
1、周波数60Hzの矩形波交流を加え、14秒間、第2段目
の電気化学的な粗面化処理を行った。
【0207】その後、水洗し、5%水酸化ナトリウム水
溶液中(0.5%のアルミニウムイオンを含む)35℃に20秒
間浸漬してアルミニウムを1.0g/m2除去する化学的な
エッチング処理を行った後、水洗し、25%硫酸水溶液中
60℃に10秒間浸漬し、水洗した。
【0208】このアルミニウム板の表面を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、おおきなうねりの中に平均直径
1μmのハニカムピットが均一に生成していた。そのア
ルミニウム板の平均表面粗さは0.55μmであった。
【0209】その後、常法に従い、硫酸を主体とする水
溶液中での直流を用いた陽極酸化処理、水洗、乾燥、ポ
ジ型感光層の塗布、乾燥をおこない、ポジ型印刷版を作
成して印刷したところ、実施例に比較してブラン汚れ性
能が劣っていた。またアルミニウム板の平面性も実施例
に比較して悪かった。
【0210】比較例3 実施例1の条件で、ソフトスタートを行なわないで処理
したところ、アルミニウム板表面に液面の変動ムラと思
われる波状の横縞が生じていた。
【0211】
【発明の効果】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持
体は、インキが絡み難くできるとともに、ブラン汚れ性
能を向上させることができる。
【0212】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
の製造方法は、インキが絡み難く、かつブラン汚れ性能
が良い平版印刷版用アルミニウム支持体を製造すること
ができる。
【0213】本発明のアルミニウム支持体の粗面化処理
方法は、印刷版用支持体として良好な平面形状にするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の平版印刷用アルミニウム支持体の製
造方法における直流電圧を用いた粗面化処理に用いる装
置の模式図である。
【図2】 本発明の平版印刷用アルミニウム支持体の製
造方法における直流電圧を用いた粗面化処理に用いる装
置の模式図である。
【図3】 本発明の平版印刷用アルミニウム支持体の製
造方法における交流電流を用いた粗面化処理に用いる装
置の模式図である。
【図4】 本発明のアルミニウム支持体の粗面化処理方
法を実施する直流電圧を用いた粗面化処理装置の模式図
である。
【図5】 本発明のアルミニウム支持体の粗面化処理方
法を実施する直流電圧を用いた粗面化処理装置の模式図
である。
【図6】 本発明のアルミニウム支持体の粗面化処理方
法を実施する直流電圧を用いた粗面化処理装置の模式図
である。
【図7】 本発明のアルミニウム支持体の粗面化処理方
法を実施する直流電圧を用いた粗面化処理装置の模式図
である。
【図8】 本発明のアルミニウム支持体の粗面化処理方
法を実施する直流電圧を用いた粗面化処理装置の模式図
である。
【図9】 本発明のアルミニウム支持体の粗面化処理方
法を実施する直流電圧を用いた粗面化処理装置の模式図
である。
【図10】 本発明のアルミニウム支持体の粗面化処理
方法を実施する直流電圧を用いた粗面化処理装置の模式
図である。
【図11】 本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
の製造方法において第1直流粗面化処理及びデスマット
処理後の表面の状態を示す図面に代わる電子顕微鏡写真
である。
【図12】 本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
の製造方法において第1直流粗面化処理、デスマット処
理及びエッチング処理後の表面の状態を示す図面に代わ
る電子顕微鏡写真である。
【図13】 本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
の製造方法において第1直流粗面化処理、デスマット処
理、エッチング処理、第2交流粗面化処理及びエッチン
グ処理後の表面の状態を示す図面に代わる電子顕微鏡写
真である。
【符号の説明】
1,11,77,78,111,121…電解槽 2,12…酸性水溶液 3,13,41,51,61,71,81,105…陰極 4,14,42,52,62,72…陽極 5,65,79,130…直流電源 6…パーティションウォール 9,18,28…アルミニウム板 25…交流電源 63,64,73,87,90,91,92,93,107…ソ
フトスタート用陰極 76,83,103…ソフトスタート用陽極 108,131,132,133…ソフトスタート用直流
電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−141094(JP,A) 特開 平3−126891(JP,A) 特開 昭55−128494(JP,A) 特開 昭54−133903(JP,A) 特開 平7−61161(JP,A) 米国特許4897168(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/08 B41N 3/03 C23F 1/20

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性水溶液中で直流電圧を用いて電気化
    学的に粗面化処理する際、電解槽内の最初の電極を陰極
    とするとともに該陰極からアルミニウム板に加わる電流
    密度が主電解よりも低い電流密度で0.0001〜5s
    ec間電解処理するソフトスタートゾーンを設けて電気
    化学的に粗面化を行ない、平均ピッチが1〜80μmの
    凹凸に重なり合って平均直径が0.1〜2μmのハニカ
    ムピットが形成され、平均表面粗さが0.3〜1.5μ
    mであることを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支
    持体。
  2. 【請求項2】 酸性水溶液中で直流電圧を用いて電気化
    学的に粗面化処理する際、電解槽内の最初の電極を陰極
    とするとともに該陰極からアルミニウム板に加わる電流
    密度が主電解よりも低い電流密度で0.0001〜5s
    ec間電解処理するソフトスタートゾーンを設けて電気
    化学的に粗面化を行ない、平均直径が0.5〜10μm
    のハニカムピットが形成され、平均表面粗さが0.3〜
    1.0μmであることを特徴とする平版印刷版用アルミ
    ニウム支持体。
  3. 【請求項3】 アルミニウム板の表面を順に、 (1) 酸性またはアルカリ水溶液中で化学的なエッチン
    グ処理を行ない、 (2) 酸性水溶液中で直流電圧を用いて電気化学的に粗
    面化する際、電解槽内の最初の電極を陰極とするととも
    に該陰極からアルミニウム板に加わる電流密度が主電解
    よりも低い電流密度で0.0001〜5sec間電解処
    理するソフトスタートゾーンを設けて電気化学的に粗面
    化を行ない、平均直径が0.5〜10μmのハニカムピ
    ットを10000〜100000個/mm2の密度で形
    成するとともに、平均直径が0.5μm未満のハニカム
    ピットが形成されるか又はハニカムピットが形成されて
    いないプラトーな部分が表面の15〜60%になるよう
    にし、 (3) 酸性またはアルカリ水溶液中で化学的なエッチン
    グ処理を行ない、プラトーな部分を10%以下にし、 (4) 酸性水溶液中で直流または交流を用いて電気化学
    的な粗面化を行ない平均直径0.1〜2μmのハニカム
    ピットを形成し、 (5) 酸性またはアルカリ水溶液中で化学的なエッチン
    グ処理を行ない、 (6) 酸性水溶液中で陽極酸化処理または陽極酸化処理
    と親水化処理とを行なうことを特徴とする平版印刷版用
    アルミニウム支持体の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム板の表面を順に、 (1) 酸性またはアルカリ水溶液中で化学的なエッチン
    グ処理を行ない、 (2) 酸性水溶液中で直流電圧を用いて電気化学的に粗
    面化する際、電解槽内の最初の電極を陰極とするととも
    に該陰極からアルミニウム板に加わる電流密度が主電解
    よりも低い電流密度で0.0001〜5sec間電解処
    理するソフトスタートゾーンを設けて電気化学的に粗面
    化を行ない、平均直径が0.5〜7μmのハニカムピッ
    トを40000個/mm2〜500000個/mm2の密
    度で形成するとともに、平均直径が0.5μm未満のハ
    ニカムピットが形成されるか又はハニカムピットが形成
    されていないプラトー部分が表面の0〜15%になるよ
    うにし、 (3) 酸性またはアルカリ水溶液中で化学的なエッチン
    グ処理を行ない、プラトーな部分を10%以下にし、 (4) 酸性水溶液中で陽極酸化処理または陽極酸化処理
    と親水化処理を行なうことを特徴とする平版印刷版用ア
    ルミニウム支持体の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸性水溶液中で直流電圧を用いてアルミ
    ニウム板を電気化学的に粗面化する粗面化処理方法にお
    いて、電解槽内の最初の電極を陰極とするとともに該陰
    極からアルミニウム板に加わる電流密度が主電解よりも
    低い電流密度で0.0001〜5sec間電解処理する
    ソフトスタートゾーンを設けて電解粗面化処理を行なう
    ことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体の粗
    面化処理方法。
  6. 【請求項6】 ソフトスタートゾーンが、該陰極からア
    ルミニウム板までの間の酸性水溶液内の電圧の広がりを
    利用したものである請求項5に記載のアルミニウム支持
    体の粗面化処理方法。
  7. 【請求項7】 ソフトスタートゾーンが、低電流密度電
    解用電源に接続された別体からなる少なくとも一つの陰
    極で構成されている請求項5に記載のアルミニウム支持
    体の粗面化処理方法。
  8. 【請求項8】 ソフトスタートゾーンが設けられている
    電解槽を3つ以上組み合わせ、電解槽に配置された複数
    対の陰極及び陽極にそれぞれ独立した電源を用い、各対
    の陰極及び陽極毎に電流密度を制御する請求項5に記載
    のアルミニウム支持体の粗面化処理方法。
  9. 【請求項9】 酸又はアルカリ水溶液中での前処理をし
    た後のアルミニウム板を直流を用いて電気化学的な粗面
    化をおこなう際し、まず最初の槽でアルミニウム板の陰
    極反応をおこない、次の槽で陽極反応と陰極反応を交互
    に繰り返すことを特徴とする請求項5に記載のアルミニ
    ウム支持体の粗面化処理方法。
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