JP3332470B2 - 両頭平面研削方法および装置 - Google Patents

両頭平面研削方法および装置

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JP3332470B2 JP11783893A JP11783893A JP3332470B2 JP 3332470 B2 JP3332470 B2 JP 3332470B2 JP 11783893 A JP11783893 A JP 11783893A JP 11783893 A JP11783893 A JP 11783893A JP 3332470 B2 JP3332470 B2 JP 3332470B2
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正明 松尾
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は両頭平面研削方法およ
び装置に関し、さらに詳細には、両頭平面研削盤を用い
て、OA機器のハードディスク用基板や電子部品用ウェ
ハなどの極薄の工作物の両面を研削する場合に適した技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に工作物(以下、ワークと称する)
の平面仕上げ加工法としては、ラップ仕上やポリッシン
グ等の研磨加工(精密加工)が行われているが、これら
の精密加工は、その加工メカニズムから加工能率はあま
り良くなく、迅速な加工が要求されるワークには不向き
な加工法である。
【0003】このため、迅速な加工を必要とするワーク
に対しては、専ら平面研削盤による研削加工が一般に行
われている。平面研削盤の研削部の一例を図7に示し、
この研削盤はワークの両面を研削する場合に用いられる
立形両頭平面研削盤であって、上下に二つの砥石車a,
bと、これら両砥石車a,b間を通過するキャリア円板
cを備えてなり、キャリア円板cには、ワークWを収納
保持するポケットdが円周方向へ所定間隔をもって複数
設けられている。e,fはそれぞれ上下砥石車a,bの
基台を示している。
【0004】そして、キャリア円板cのポケットd,
d,…内にワークWをそれぞれ保持した状態で、キャリ
ア円板cを矢符方向へ所定の速度で回転駆動すると、各
ワークWが、高速で回転駆動する上下両砥石車a,bを
順次連続的に通し送り(スルーフィード)されながら、
その両面が研削されるように構成されている。
【0005】なお、図示しないが、より精密で高い研削
精度が求められるワークWについては、上記キャリア円
板cの動きに加えて、ワークW自体も強制的に回転させ
る構造が採用されている。また、平面研削の方式として
は、上記のようなロータリキャリア方式の他に、ワーク
Wを上記両砥石車a,b間に対して送り込むインフィー
ド方式や、これにオシレーション作用を付加したオシレ
ートインフィード方式などもあるが、いずれも基本的な
研削メカニズムは上記と同様である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近時はOA
機器等の急速な発展に伴って、その構成部品であるハー
ドディスク用基板や電子部品用ウェハなどの極薄のワー
クについての両面研削の需要が高まるにつれて、以下に
述べるような問題が新たに生じている。
【0007】ワークWの厚さの減小(例えばガラス製ハ
ードディスク用基板の場合、直径が65mmで、厚さが
0.8mm程度)にともなって、このワークWを保持す
る上記キャリア円板cの厚さもこれよりさらに薄くする
必要があるところ、従来一般のキャリア円板cの材質で
は、このように薄肉(例えば0.6mm以下)とすると
強度的に持たない。
【0008】この点に関して、特開平1−92065号
公報に開示されるように、機械的強度保持材としての鋼
板の両面に、耐磨耗性に優れる繊維強化樹脂層が配され
てなるキャリア円板cが開発され、キャリア円板c自体
の薄肉化の問題は一応解消されるに至っている。
【0009】しかしながら、ハードディスク用基板等の
ワークWの場合、その極薄化のみならずより高い研削精
度が要求されており、前述したようなワークW自体を強
制的に回転させる構造を備える必要があるところ、従来
構造はこのような極薄ワークWを対象とする両頭平面研
削盤には適用することができなかった。すなわち、従来
のワーク強制回転構造は、その駆動系もキャリア円板c
と共に上下砥石車a,b間の隙間を通過するように構成
されているところ、極薄ワークWの場合は砥石車a,b
間の隙間も極めて狭いため、構造的に製作不可能であっ
た。
【0010】本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところは、両頭平面
研削において、工作物の肉厚のいかんにかかわらず工作
物を強制的に回転させることにより、高い研削精度を確
保することができる両頭平面研削方法および装置を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の両頭平面研削方法は、対向して設けられた
一対の砥石車の砥石面間に、工作物を保持したキャリア
手段が通過または挿入可能とされた両頭平面研削方式に
おいて、工作物研削時に生じる研削抵抗力を利用する
ことにより、工作物外周面またはこの工作物を保持する
ワーク保持治具外周面を、上記砥石車の外側位置で回転
する摩擦車の外周摩擦面に押し付けて、工作物を強制回
転させるようにしたことを特徴とする。
【0012】また、本発明の第1の両頭平面研削装置
は、上記研削方法を実施する装置であって、対向して設
けられた一対の砥石車の砥石面間に、工作物を保持した
キャリア手段が通過または挿入可能とされた両頭平面研
削装置において、 上記砥石車の外側位置に、工作物を
回転駆動する少なくとも一つの摩擦車およびその駆動機
構が配置され、上記キャリア手段に、円形工作物を回転
可能に収納保持するワークポケットが設けられるととも
に、このワークポケットの周縁部分に連通部が設けられ
てなり、この連通部を介して、上記ワークポケット内に
収納保持された円形工作物の外周面が上記摩擦車の外周
摩擦面に当接係合可能とされ、工作物の研削時に生じる
研削抵抗力により、工作物外周面が上記摩擦車の外周摩
擦面に押し付けられて、工作物が強制回転される構成と
されていることを特徴とする。
【0013】また、本発明の第2の両頭平面研削装置
は、上記研削方法を実施する装置であって、対向して設
けられた一対の砥石車の砥石面間に、工作物を保持した
キャリア手段が通過または挿入可能とされた両頭平面研
削装置において、上記砥石車の外側位置に、工作物を回
転駆動する摩擦車およびその駆動機構が配置され、上記
キャリア手段の治具用円形穴内に、非円形工作物を保持
する円形ワーク保持治具が回転可能に収納保持されると
ともに、上記治具用円形穴の周縁部分に連通部が設けら
れ、この連通部を介して、上記治具用円形穴内に収納保
持された円形ワーク保持治具の外周面が上記摩擦車の外
周摩擦面に当接係合可能とされ、工作物研削時に生じる
研削抵抗力により、上記円形ワーク保持治具外周面が上
記摩擦車の外周摩擦面に押し付けられて、上記円形ワー
ク保持治具と共に工作物が強制回転される構成とされて
いることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明においては、工作物研削時に生じる研削
抵抗力を利用して、工作物外周面またはこの工作物を保
持するワーク保持治具外周面を、上記砥石車の外側位置
で回転する摩擦車の外周摩擦面に押し付け、この摩擦車
と工作物間の摩擦抵抗力により工作物を強制回転させ
る。
【0015】このため、工作物を回転駆動する駆動系を
砥石車外部に配置することを可能として、肉厚のいかん
にかかわらず、極薄の工作物から一般的な工作物まで強
制回転方式を用いた両頭平面研削を実現する。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて
説明する。
【0017】実施例1 本発明に係る両頭平面研削盤を図1および図2に示し、
この研削盤は、具体的には、例えばOA機器のハードデ
ィスク用基板等の極薄ワークWの両面をオシレートイン
フィード方式で同時研削するもので、一対の砥石車1,
2が上下に独立して配されるとともに、これら両砥石車
1,2の外側位置には、ワークWを両砥石車1,2間に
搬入・排出させるためのワーク支持装置3が配置されて
いる。
【0018】上記両砥石車1,2はいわゆるカップ型砥
石車であって、その砥石面1a,2aがそれぞれ平坦な
平面研削面とされるとともに、相互に対向して平行する
ように配されている。また、両砥石車1,2の回転主軸
4,5は、それぞれ図示しない歯車機構等の動力伝達機
構を介して駆動源に連係されている。上記両砥石面1
a,2aの間隔寸法Hは、ワークWの最終仕上げ厚さ寸
法(例えば、ガラス製ハードディスク用基板であれば
0.8mm程度、アルミニウム製ハードディスク用基板
であれば2.0mm程度)に設定されるとともに、上記
回転主軸4,5を軸方向(上下方向)へ移動させること
により、適宜調整可能とされている。
【0019】ワーク支持装置3は、揺動アーム6、キャ
リア板(キャリア手段)7およびワーク回転部8などを
主要部として備える。
【0020】揺動アーム6は、キャリア板7を上記砥石
車1,2間に挿入・退避させるとともに、砥石車1,2
間においてオシレート動作させるものである。この揺動
アーム6は、その揺動軸9が図示しない歯車機構等の動
力伝達機構を介して駆動源に連係されて、水平方向へ揺
動可能とされている。なお、揺動軸9は図2に示すよう
に中空の円筒軸とされ、この内部に後述するワーク駆動
軸20が同心状に設けられている。
【0021】キャリア板7はワークWを保持するもの
で、上記揺動アーム6の下面に取付け固定されており、
ワーク保持部7aがこの揺動アーム6から砥石車1,2
側方向へ突出されるとともに、このワーク保持部7a
に、ワークWを収納保持するワークポケット10を一つ
備える。このワークポケット10はワークWの外形に対
応した円形輪郭を有するとともに、その内径寸法がワー
クWの外径よりも若干大きく設定されている。また、ワ
ークポケット10の周縁の一部には連通部10aが開設
されて、ここからワークWの周縁部分がワークポケット
10外部に臨むようにされている。
【0022】ワークポケット10を有するワーク保持部
7aは、上記揺動アーム6の揺動により、図1におい
て、砥石車1,2の外側のワーク退避位置(二点鎖線位
置)と、砥石車1,2間のワーク研削位置(実線位置)
との間で旋回動作されるとともに、このワーク研削位置
でオシレート動作される。
【0023】この目的のため、キャリア板7は機械的強
度および耐磨耗性に優れる材料から形成されるととも
に、その厚さ寸法は、両砥石面1a,2aの間隔寸法H
つまりワークWの最終仕上げ厚さ寸法よりも薄く設定さ
れており、例えば、ワークWが0.8mm程度の最終仕
上げ厚さ寸法であれば、キャリア板7の厚さ寸法は0.
6mm程度に設定される。
【0024】またこれに関連して、キャリア板7の下側
には、固定側に設けられた定盤11が設けられており、
この平坦な上面11aがキャリア板7の下面を摺動可能
に支持している。定盤11の上面11aは、図2に示す
ように、下側砥石車2の砥石面2aとほぼ同一高さに設
定されており、キャリア板7の補強部として機能すると
ともに、上記ワークポケット10に保持されたワークW
の案内面として機能する。
【0025】ワーク回転部8は、上記キャリア板7のワ
ークポケット10内に収納保持されるワークWを強制回
転させるもので、揺動アーム6上に装着されるととも
に、一対の摩擦車15,16とこれらを回転駆動する駆
動機構17とを主要部として備える。
【0026】一対の摩擦車15,16は、揺動アーム6
に支軸19a,19bを介して回転可能に軸支されると
ともに、その配設位置は、図1に示すように、上記キャ
リア板7のワーク保持部7aがワーク研削位置(図1の
実線位置)にあるとき、砥石車1,2の外側位置におい
て、砥石車外周縁に近接して位置するように設定されて
いる。
【0027】換言すれば、これら両摩擦車15,16
は、図3に示すように、その外周摩擦面15a,16a
が上記ワークポケット10の内周面輪郭に接するべく、
相互に間隔をもって配置されている。これにより、ワー
クポケット10内のワークWの外周面Waは、上記連通
部10aを介して、これら両摩擦車15,16の外周摩
擦面15a,16aに同時に当接係合可能とされてい
る。
【0028】駆動機構17は、ワーク駆動軸20と歯車
列21とから構成されている。ワーク駆動軸20は、前
述した揺動アーム6の揺動軸9の内部に、この揺動軸9
と同心状に設けられるとともに、図示しない歯車機構等
の動力伝達機構を介して駆動源に連係されて、垂直軸ま
わりに回転可能とされている。
【0029】歯車列21は、具体的には相互に噛み合う
5つの伝達歯車25〜29からなる。第1伝達歯車25
は上記ワーク駆動軸20の上端に取付け固定されてい
る。この第1伝達歯車25と噛み合う第2伝達歯車26
は、支軸30を介して揺動アーム6上に軸支されるとと
もに、上記摩擦車15の支軸19a上に取付け固定され
た第3伝達歯車27に噛み合っている。また、この第3
伝達歯車27に噛み合う第4伝達歯車28は、支軸31
を介して揺動アーム6上に軸支されるとともに、上記摩
擦車16の支軸19b上に取付け固定された第5伝達歯
車29に噛み合っている。これにより、上記ワーク駆動
軸20が回転駆動されると、歯車列21を介して、二つ
の摩擦車15,16が回転駆動されることとなる。
【0030】しかして、以上のように構成された両頭平
面研削盤において、キャリア板7のワーク退避位置(第
1図二点鎖線位置)において、ワークポケット10内に
ワークWが自動でもしくは手作業で収納保持されると、
ワーク回転部8の摩擦車15,16が一定の回転速度を
もって回転駆動されながら、揺動アーム6が矢符X方向
へ揺動する。これにより、キャリア板7は、高速で回転
駆動する上下両砥石車1,2間位置つまりワーク研削位
置(第1図二点鎖線位置)まで旋回されるとともに、こ
の位置でオシレートされて、ワークWの両面に上記両砥
石車1,2の砥石面1a,2aによる平面研削が施され
る。
【0031】この際、ワークWの研削時に生じる研削抵
抗力の分力により、ワークWは図3に示すように砥石車
1,2の径方向(矢符Z方向)へ移動されて、ワークW
の外周面Waが上記摩擦車15,16の外周摩擦面15
a,16aに押し付けられる。この結果、ワークWが矢
符方向へ強制回転されながら、砥石面1a,2aによる
平面研削が施されることとなり、高い研削精度が確保さ
れる。
【0032】なお、ワークWは、砥石車1,2から研削
抵抗を受けたときに、そのままでもいずれかの方向へ回
転されるが、この研削抵抗による回転力よりも、上記摩
擦車15,16による回転力の方が強いため、摩擦車の
回転方向および回転速度に応じたワークWの一定回転制
御が実現する。
【0033】以上のようにして一つのワークWの研削が
完了すると、揺動アーム6が矢符Y方向へ揺動して、キ
ャリア板7が上記ワーク退避位置まで旋回される。そし
て、ここでワークポケット10内のワークWに代えて後
続のワークが新たに収納保持されると、以後同様の動作
が再び繰り返される。
【0034】実施例2 本例は図4に示し、異形ワークつまり非円形ワークWに
ついて、強制回転させながらその両面を平面研削する構
造を備えるものである。
【0035】すなわち、キャリア板7のワーク保持部7
aに、実施例1のワークポケット10と同様な治具用円
形穴40が設けられ、ここに円形ワーク保持治具41が
回転可能に保持される構造とされている。治具用円形穴
40の周縁の一部には連通部40aが開設されて、ここ
から円形ワーク保持治具41の外周部分が治具用円形穴
40外部に臨むようにされている。また、この円形ワー
ク保持治具41には、非円形ワークW(図示例において
は矩形状ワーク)を収納保持するワークポケット42が
設けられている。
【0036】しかして、キャリア板7が図示のワーク研
削位置まで旋回されると、ワークWの研削時に生じる研
削抵抗力の分力により、ワークWを収納保持している円
形ワーク保持治具41が、砥石車1,2の径方向(矢符
Z方向)へ移動されて、その外周面41aが上記摩擦車
15,16の外周摩擦面15a,16aに押し付けられ
る。この結果、円形ワーク保持治具41つまりワークW
が矢符方向へ強制回転されながら、砥石面1a,2aに
よる平面研削が施されることとなる。その他の構成およ
び作用は実施例1と同様である。
【0037】なお、円形ワーク保持治具41のワークポ
ケット42の形状を適宜変更することにより、図示例以
外の種々の非円形ワークWについても平面研削を施すこ
とができる。
【0038】実施例3 本例は図5および図6に示し、極薄ワークWの両面をス
ルーフィード方式で強制回転させながら同時研削するも
ので、砥石車1,2の外側位置に配置されたワーク支持
装置3は、キャリア手段として回転駆動するキャリア円
板45を備えてなり、同時に多数のワークW,W,…を
多量生産するのに適した構造とされている。
【0039】すなわち、ワーク支持装置3は、上記キャ
リア円板45、キャリア回転部46およびワーク回転部
47などを主要部として備える。
【0040】キャリア円板45はワークWを保持するも
ので、その材質および厚さの条件は実施例1のキャリア
板7と同様である。このキャリア円板45は、固定側に
設けられた定盤50の平坦な上面50a上に、後述する
キャリア回転部46の駆動歯車51,51,51を介し
て、摺動回転可能に配置されている。定盤50の上面5
0aは、下側砥石車2の砥石面2aとほぼ同一高さに設
定されて、キャリア板7の補強部として機能するととも
に、後述するワークポケット52に保持されるワークW
の案内面として機能する。
【0041】キャリア円板45の形状は、図5に示すよ
うな中央部に円形開口が設けられた略円環状で、その円
周方向に、ワークWを収納保持するワークポケット52
が所定間隔をもって複数(図示例においては8つ)設け
られている。キャリア円板45の外周部の一部は、図5
に示すように上下両砥石車1,2間を通過するように設
定されて、この通過部位がワークWの研削位置とされて
いる。これに関連して、定盤50の一部には下側砥石車
2の外周に沿った円弧状の凹部50bが設けられてい
る。
【0042】上記ワークポケット52は、ワークWの外
形に対応した円形輪郭と直線部からなる形状で、その内
径寸法がワークWの外径よりも若干大きく設定されてい
る。また、ワークポケット52のキャリア円板45内径
側周縁には、上記円形開口に連通する連通部52aが開
設されており、ここからワークWの周縁部分がワークポ
ケット52外部に臨むようにされている。
【0043】キャリア回転部46は、3つの駆動歯車5
1,51,51と、キャリア円板45の外周部に設けら
れた被動歯車53などから構成されている。上記駆動歯
車51,51,51は、キャリア円板45の外周等配位
置において、それぞれ支軸51aを介して定盤50上に
水平回転可能に軸支されるとともに、上記キャリア円板
45の被動歯車53に噛み合って、キャリア円板45の
外周を支持している。
【0044】また、上記各駆動歯車51の支軸51a
は、いずれも共通の伝動ベルト54を介して、キャリア
円板45の軸心位置に配置された駆動軸55に連係され
ている。この駆動軸55は図示のごく中空の円筒軸とさ
れ、この内部に後述するワーク駆動軸61が同心状に設
けられている。
【0045】駆動軸55は、図示しない歯車機構等の動
力伝達機構を介して駆動源に連係されている。この駆動
軸55が回転駆動すると、その回転力が上記伝動ベルト
54を介して3つの駆動歯車51,51,51に伝達さ
れ、これら駆動歯車の回転により、キャリア円板45が
被動歯車53を介して3点支持されながら矢符X方向へ
回転駆動(ワーク送り)される。
【0046】ワーク回転部47は、定盤50上に装着さ
れるとともに、上記キャリア円板45の中央部開口に配
置された一つの摩擦車60と、これを回転駆動するワー
ク駆動軸61とを主要部として備えてなり、図示例にお
いては、キャリア円板45に保持される二つのワーク
W,Wを同時に強制回転させる構造とされている。
【0047】ワーク駆動軸61は、前述したキャリア円
板45の駆動軸55内部に、駆動軸55と同心状に設け
られるとともに、図示しない歯車機構等の動力伝達機構
を介して駆動源に連係されて、垂直軸まわりに回転可能
とされている。このワーク駆動軸61の上端には上記摩
擦車60が取付け固定されて、上記キャリア円板45と
同心状に回転駆動される。
【0048】また、この摩擦車60の外周摩擦面60a
には、各ワークポケット52内のワークWの外周面Wa
が、上記連通部52aを介して当接係合可能とされてい
る。これに関連して、ワークポケット52の周縁部に
は、上記摩擦車60の外周摩擦面60aに対向して傾斜
した傾斜案内部(傾斜部)65が形成されて、後述する
ようにワークWの摩擦車60方向への移動を案内促進す
るように構成されている。
【0049】しかして、キャリア円板45の各ワークポ
ケット52内に収納保持されたワークWは、キャリア円
板45の通し送り方向(矢符X方向)への回転に伴っ
て、高速で回転駆動する上下両砥石車1,2間位置つま
りワーク研削位置を通し送りされながら、その両面に上
記両砥石車1,2の砥石面1a,2aによる平面研削が
施される。
【0050】この際、ワーク回転部47の摩擦車60も
一定の回転速度をもって回転駆動されており、研削位置
にある二つのワークW,Wは、それぞれその研削時に生
じる研削抵抗力の分力により、ワークポケット52の傾
斜案内部65に案内されて、摩擦車60の中心方向(矢
符Z方向)へ移動され、ワークW,Wの外周面Wa,W
aが摩擦車60の外周摩擦面60aに押し付けられる。
この結果、ワークW,Wが矢符方向へ強制回転されなが
ら、砥石面1a,2aによる平面研削が施されることと
なる。
【0051】以上のようにして研削が完了したワーク
W,Wは、キャリア円板45の回転に伴って移動され、
所定のワーク取出し位置でワークポケット52,52か
ら取り出されるとともに、これに代えて後続のワークが
新たに収納保持され、以後同様の動作が繰り返される。
その他の構成および作用は実施例1と同様である。
【0052】なお、キャリア円板45は、駆動軸55の
回転を制御することにより、連続駆動かまたは間欠駆動
され、間欠駆動の場合にはさらに一定のオシレート運動
を付加することも可能である。
【0053】また、図示例においては、二つの工作物
W,Wが同時に摩擦車60に当接係合される構造とされ
ているが、摩擦車60と工作物Wの当接関係は、工作物
W、キャリア円板45または摩擦車60の形状寸法、あ
るいはその他の条件に応じて適宜増減可能である。
【0054】さらに、上記実施例1〜3はあくまでも本
発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこ
れに限定されることなく、その範囲内において種々設計
変更可能である。
【0055】例えば本発明は、上述したように、特にO
A機器のハードディスク用基板や電子部品用ウェハなど
の極薄のワークWの両面を高精度で研削する場合に最適
であるが、もちろん、従来の一般的なワークの研削にも
適用可能である。
【0056】また、各実施例1〜3における上下砥石車
1,2の相対的な回転方向・速度、あるいは、これら砥
石車1,2とキャリア手段7,45との相対的な回転方
向・速度なども、これに限定されることなく種々設定可
能であり、その場合も上述した実施例1〜3で得られる
効果と同様のものが得られる。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
工作物研削時に生じる研削抵抗力を利用して、工作物外
周面またはこの工作物を保持するワーク保持治具外周面
を、上記砥石車の外側位置で回転する摩擦車の外周摩擦
面に押し付け、この摩擦車と工作物間の摩擦抵抗力によ
り工作物を強制回転させるようにしたから、工作物を回
転駆動する駆動系を砥石車外部に配置することが可能と
なる。
【0058】したがって、肉厚のいかんにかかわらず、
極薄の工作物(例えば、0.1mm〜1.0mm程度の
もの)から一般的な厚さの工作物(例えば厚さが5mm
〜10mm程度のもの)まで、強制回転方式を用いた両
頭平面研削を実現することができる。特に、OA機器の
ハードディスク用基板や電子部品用ウェハなどの極薄の
工作物の両面の高精度研削に顕著な効果(とりわけ平面
度向上に大きく貢献)が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1である両頭平面研削盤の
上側砥石車を省略して示す概略平面図である。
【図2】同研削盤を図1のII-II 線に沿って示す断面図
である。
【図3】同研削盤におけるワーク強制回転のメカニズム
を説明するための拡大平面図である。
【図4】本発明に係る実施例2である両頭平面研削盤を
示す図3に対応した拡大平面図である。
【図5】本発明に係る実施例3である両頭平面研削盤の
上側砥石車を省略して示す概略平面図である。
【図6】同研削盤におけるワーク強制回転のメカニズム
を説明するための拡大平面図である。
【図7】従来の両頭平面研削盤を示す概略斜視図であ
る。
【符合の説明】
Z ワークの移動方向 W ワーク Wa ワークの外周面 H 上下砥石面間隔寸法(ワーク最終仕
上げ厚さ寸法) 1 上側砥石車 1a 上側砥石車の砥石面 2 下側砥石車 2a 下側砥石車の砥石面 3 ワーク支持装置 6 揺動アーム 7 キャリア板(キャリア手段) 7a キャリア板のワーク保持部 8 ワーク回転部 9 揺動軸 10 ワークポケット 10a ワークポケットの連通部 15,16 摩擦車 15a,16a 摩擦車の外周摩擦面 17 駆動機構 40 治具用円形穴 40a 治具用円形穴の連通部 41 円形ワーク保持治具 41a 円形ワーク保持治具の外周面 42 ワークポケット 45 キャリア円板(キャリア手段) 46 キャリア回転部 47 ワーク回転部 52 ワークポケット 52a ワークポケットの連通部 60 摩擦車 60a 摩擦車の外周摩擦面 65 ワークポケットの傾斜案内部(傾斜
部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 7/17

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して設けられた一対の砥石車の砥石
    面間に、工作物を保持したキャリア手段が通過または挿
    入可能とされた両頭平面研削方式において、 工作物研削時に生じる研削抵抗力を利用することによ
    り、工作物外周面またはこの工作物を保持するワーク保
    持治具外周面を、上記砥石車の外側位置で回転する摩擦
    車の外周摩擦面に押し付けて、工作物を強制回転させる
    ようにしたことを特徴とする両頭平面研削方法。
  2. 【請求項2】 対向して設けられた一対の砥石車の砥石
    面間に、工作物を保持したキャリア手段が通過または挿
    入可能とされた両頭平面研削装置において、 上記砥石車の外側位置に、工作物を回転駆動する少なく
    とも一つの摩擦車およびその駆動機構が配置され、 上記キャリア手段に、円形工作物を回転可能に収納保持
    するワークポケットが設けられるとともに、このワーク
    ポケットの周縁部分に連通部が設けられてなり、 この連通部を介して、上記ワークポケット内に収納保持
    された円形工作物の外周面が上記摩擦車の外周摩擦面に
    当接係合可能とされ、 工作物の研削時に生じる研削抵抗力により、工作物外周
    面が上記摩擦車の外周摩擦面に押し付けられて、工作物
    が強制回転される構成とされている ことを特徴とする両
    頭平面研削装置。
  3. 【請求項3】 上記砥石車の外側位置に、上記摩擦車が
    一つ配置され、この摩擦車の外周摩擦面に、複数の円形
    工作物の外周面が同時に当接係合可能とされる請求項2
    に記載の両頭平面研削装置。
  4. 【請求項4】 対向して設けられた一対の砥石車の砥石
    面間に、工作物を保持したキャリア手段が通過または挿
    入可能とされた両頭平面研削装置において、 上記砥石車の外側位置に、工作物を回転駆動する摩擦車
    およびその駆動機構が配置され、 上記キャリア手段の治具用円形穴内に、非円形工作物を
    保持する円形ワーク保持治具が回転可能に収納保持され
    るとともに、上記治具用円形穴の周縁部分に連通部が設
    けられ、 この連通部を介して、上記治具用円形穴内に収納保持さ
    れた円形ワーク保持治具の外周面が上記摩擦車の外周摩
    擦面に当接係合可能とされ、 工作物研削時に生じる研削抵抗力により、上記円形ワー
    ク保持治具外周面が上記摩擦車の外周摩擦面に押し付け
    られて、上記円形ワーク保持治具と共に工作物が強制回
    転される構成とされている ことを特徴とする両頭平面研
    削装置。
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