JP3320769B2 - 意匠性貼付用塗装物 - Google Patents

意匠性貼付用塗装物

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JP3320769B2
JP3320769B2 JP11775192A JP11775192A JP3320769B2 JP 3320769 B2 JP3320769 B2 JP 3320769B2 JP 11775192 A JP11775192 A JP 11775192A JP 11775192 A JP11775192 A JP 11775192A JP 3320769 B2 JP3320769 B2 JP 3320769B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なる意
匠性貼付用塗装物に関する。
【0002】さらに詳細には、三次元架橋構造をもった
特定のポリウレタンポリ尿素粒子と、結合剤樹脂とを必
須の成分として含んで成る、とりわけ、ラベル、エンブ
レム、ステッカーまたはストライプテープなどに用いら
れるマーキング材や塗工紙などとして、
【0003】あるいは、建築資材材料などとして、塗料
産業分野や印刷インキ産業分野において、極めて実用性
の高い、すぐれた耐擦傷性ならびに二次加工性を有する
と共に、視覚および触覚性をも兼備した意匠性塗膜を形
成しうる貼付用塗料樹脂組成物を塗装してなる塗装物に
関する。
【0004】
【従来の技術】これまでにも、種々の意匠性貼付用塗料
組成物は知られているが、就中、種々の弾性ないしは非
弾性の樹脂粒子と、合成樹脂バインダーとから成る艶消
し塗膜なるものは、良く知られており、意匠性付与塗装
材料として用いられてこそいるものの、非弾性樹脂粒子
を用いた艶消し塗膜は、とりわけ、ソフトな感触(ソフ
トタッチ)や耐擦傷性などに劣るし、
【0005】一方、弾性樹脂粒子を用いた塗膜は、非弾
性樹脂粒子のものよりも、これらの感触や耐擦傷性など
の面では優れるものの、溶剤により膨潤ないしは溶解し
たり、屋外耐久性などの点でも、充分なものであるとは
言えない。
【0006】しかるに、近年は、こうした諸欠点を改良
すべく、たとえば、特開昭48−51949号、特開昭
62−67003号、特開昭62−149333号もし
くは特開昭63−58610号公報などに開示されてい
るような、ポリイソシアネートとポリアミンとの界面重
合反応によって形成されたポリウレタンポリ尿素粒子を
用いるという報告が為されている。
【0007】しかしながら、このような方法で得られる
粒子は、いずれも、該粒子の形成が尿素化反応により行
われるものであり、したがって、単なる粒子の外壁の形
成化のみに留まるものであるために、粒子は中空構造な
いしは小孔(ミクロボイド)構造のものとなるし、ある
いは、こうした方法で、粒子中に顔料を内包させようと
すると、どうしても、イソシアネート類やイソシアネー
ト・プレポリマー類を用いて顔料分散をしなければなら
なく、したがって、顔料中の水分などの管理が生じるこ
ととなり、不都合が多い。
【0008】とりわけ、かかるミクロボイド構造の粒子
は、多くの不均一な穴があるという処から、合成樹脂バ
インダーと組み合わせて塗膜を形成した場合には、耐擦
傷性ないしは耐引掻き傷性(爪で擦ったときに傷が出来
にくいこと)の上で、強度に劣るという傾向にある。
【0009】ところで、上述した耐擦傷性などの欠点
が、弾性粒子と組み合わせるべき合成樹脂バインダーそ
れ自体に、強度を付与せしめることによって改善し得る
ことは知られており、たとえば、アクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂またはエポ
キシ樹脂などをはじめ、特定のウレタン樹脂などが、こ
の種の合成樹脂として知られている。
【0010】しかしながら、これらの樹脂をバインダー
成分として使用した弾性粒子含有塗膜は、一般的に、耐
擦傷性とソフト感とを、共に、良くすることができな
く、それがために、こうした諸性能を発現するためのバ
インダーそれ自体の組成や塗料の設計などの面で、極端
に制限されることとなり、したがって、最近の各種製品
におけるデザインの多様化や個性化などに対処し切れな
いという、いわば致命的な欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の意
匠性付与塗装材料にあっては、とかく、問題の弾性樹脂
粒子が充分な三次元架橋構造のものではないために、溶
剤に膨潤し易いし、しかも、耐侯性の点でも好ましくな
いし、さらに、中空構造のものであるために、耐擦傷性
にとって重要な強度の点でも不利である処から、結局の
処は、かかる弾性粒子と組み合わせるべきバインダーそ
れ自体が、極めて制限されることになる、という大きな
課題が残されている。
【0012】こうした課題は、取りも直さず、まさに解
決の迫られるものであるが、本発明は、上述した如き従
来技術における種々の課題を、根底から解決しようとす
るものである。
【0013】そこで、本発明者らは、塗料産業界の要望
に添って、無公害塗料として、優れた意匠性とソフト感
触とが得られる意匠性の貼付用塗料樹脂組成物を得るべ
く、研究を開始した。
【0014】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、一にかかって、とりわけ、耐擦傷性、耐久性、な
らびに視覚性および触覚性(以下、両感覚性を合わせて
視蝕感とも言う。)などに優れる、しかも、広範な用途
に適用し得る、多目的で多機能の意匠性貼付用塗装物品
を提供することである。
【0015】つまり、本発明が解決しようとする課題
は、すぐれた耐擦傷性ならびに二次加工性を有すると共
に、視覚および触覚性をも兼備した意匠性塗膜を有する
意匠性貼付用塗装物を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明者ら
は、上述した如き発明が解決しようとする課題に照準を
合わせて、鋭意、検討を重ねた結果、粒子の外壁と内壁
とが充分に形成されているような、しかも、三次元架橋
構造を有するような特定のポリウレタンポリ尿素粒子
と、結合剤樹脂とから構成される塗料組成物が、耐擦傷
性、耐久性ならびに視覚感などに優れるものであること
は、もとよりのこと、
【0017】加えて、こうした意匠性貼付用塗料樹脂組
成物が、金属素材およびその加工品、プラステイック素
材およびその加工品、木材およびその加工品、皮革類や
紙類などに塗装された各種物品が、極めて有用なもので
あることを見い出すに及んで、本発明を完成させるに到
った。
【0018】即ち、本発明は基本的には、三次元架橋構
造を有するポリウレタンポリ尿素粒子と、結合剤樹脂と
を、必須の被膜形成性成分として含有する塗料樹脂組成
が基材に塗装された塗装物であって、この塗装された
面とは別の片面には、粘着剤または接着剤層を有し、さ
らに、その上に保護層として剥離材を有する意匠性貼付
用塗装物を提供しようとするものである。また、基材
が、それぞれ、金属材料またはその製品、プラスティッ
ク材料またはその製品、木材およびその製品、皮革類や
紙類などの各種物品であることを特徴としている
【0019】とりわけ、当該三次元架橋構造を有するポ
リウレタンポリ尿素粒子が、イソシアネート基がヒドロ
キシル基に対して過剰となるように配合されて成る有機
相であって、しかも、反応によって三次元架橋構造を形
成し得る有機相と、該有機相中の過剰なイソシアネート
基に対して等当量以下のポリアミンとの間での界面重合
反応、ならびに、粒子内部におけるウレタン化反応を通
して得られるものであること、
【0020】また、当該粒子がその内部に顔料を含有
し、内包するものであること、さらに、当該粒子が、そ
の初期弾性率として、50〜500kgf/cm2 とい
う特定の皮膜特性を有するものである点を特徴としてい
る。
【0021】ここにおいて、まず、本発明において用い
られる前記の三次元架橋を有するポリウレタンポリ尿素
粒子は、たとえば、ポリイソシアネート化合物、ポリヒ
ドロキシ化合物およびポリアミン化合物から得られるも
のであるが、そのうち、まず、かかるポリイソシアネー
ト化合物としては、それら自体が公知であるようなもの
は、いずれも使用し得る。
【0022】それらのうちでも特に代表的なもののみを
例示するに止めれば、トリレンジイソシアネート、水添
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、水添ジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイ
ソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシ
アネートメチル)ベンゼン、シクロヘキシル−1,4−
ジイソシアネート、オキサジアジントリオンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネートもしくはトリフェ
ニルメタンジイソシアネートの如き、脂肪族、芳香族ま
たは脂環式ジ−ないしはトリイソシアネートモノマー
類;
【0023】あるいは、これらの各種モノマー類に基づ
く3官能以上のポリイソシアヌレート型ポリイソシアネ
ートまたはビューレット型ポリイソシアネートの如き各
種の変性ポリイソシアネート類;
【0024】さらには、上掲された各種のモノマー類や
変性ポリイソシアネート類の少なくとも1種と多価アル
コール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリブタジエンポリオールもしくはポリペン
タジエンポリオールの如き各種のポリヒドロキシ化合物
の1種以上とのウレタン化反応によって得られる、末端
にイソシアネート基を有するウレタン変性ポリイソシア
ネートプレポリマー類などであり、これらは単独使用で
も、2種以上の併用でもよい。
【0025】得られるポリウレタンポリオール尿素粒子
(以下、ポリマー粒子とも言う。)が、特に、強靭性に
優れるものである為には、当該ポリイソシアネート化合
物の数平均分子量が200〜10,000なる範囲内、
好ましくは、300〜7,000なる範囲内、さらに好
ましくは、500〜5,000なる範囲内に入るもので
あることが望ましい。
【0026】また、前記した有機相中に、ポリカプロラ
クトンポリエステルポリオールとジイソシアネートとの
反応によって得られるウレタン変性ポリイソシアネート
化合物を、全ポリイソシアネート化合物中に、10重量
%以上、好ましくは、20重量%以上含有せしめるよう
にすれば、ポリマー粒子の強靭性は一段と向上する。
【0027】当該ポリイソシアネート化合物の設計に当
たっては、とくに耐候性などを考慮した場合には、イソ
シアネートモノマー類単位の種類としては、脂肪族およ
び/または脂環式系に限るべきであり、かかる使用の仕
方が推奨される。
【0028】一方、当該ポリイソシアネート化合物と共
に、前記有機相を構成する成分としてのポリヒドロキシ
化合物は、ポリマー粒子の壁部の形成に伴う内部架橋の
不足を補い、この粒子の機械的強度を一層、向上せしめ
るために、極めて重要なる成分であるが、かかるポリヒ
ドロキシ化合物としては、それら自体が公知であるよう
なものは、いずれも使用し得る。
【0029】それらのうちでも特に代表的なもののみを
例示するに留めれば、次のような、いずれかのグループ
に属するものである。 a) エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−ビス(ヒドロキシチル)シクロヘキサン、ビス
フェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバ
リルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオー
ル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート
もしくはペンタエリストリールの如き多価アルコール
類;
【0030】b) ポリオキシエチレングリコール、ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンテ
トラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンテトラ
メチレングリコールもしくはポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコールの
如きポリエーテルグリコール類;
【0031】c) 上掲された如き各種の多価アルコー
ル類とエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラ
ヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグ
リシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニ
ルグリシジルエーテルまたはアリルグリシジルエーテル
などとの開環重合によって得られる変性ポリエーテルポ
リオール類;
【0032】d) 上掲された如き各種の多価アルコー
ルの少なくとも1種と多価カルボン酸類との共縮合によ
って得られるポリエステルポリオール類。ここに言う多
価カルボン酸として代表的なもののみを挙げるに止めれ
ば、こはく酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン
酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸、グルタコン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,
4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼント
リカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボ
ン酸または2,5,7−ナフタレントリカルボン酸など
である。
【0033】e) 上掲された如き各種の多価アルコー
ルの少なくとも1種と、ε−カプロラクトン、δ−バレ
ロラクトンもしくは3−メチル−δ−バレロラクトンの
如き各種のラクトン類との重縮合反応によって得られる
ラクトン系ポリエステルポリオール類、あるいは、上掲
された如き、それぞれ、各種の多価アルコールと多価カ
ルボン酸と上掲された如き各種のラクトン類との重縮合
反応によって得られるラクトン変性ポリエステルポリオ
ール類;
【0034】f) ビスフェノールA型エポキシ化合
物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、一価およ
び/または多価アルコールのグリシジルエーテル、ある
いは、一塩基酸および/または多塩基酸のグリシジルエ
ステルの如き各種のエポキシ化合物を、ポリエステルポ
リオールの調製時に、少なくとも1種、併用して得られ
るエポキシ変性ポリエステルポリオール類;さらには、
【0035】g) ポリエステルポリアミドポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリ
オール、ポリペンタジエンポリオール、ひまし油、ひま
し油誘導体、水添ひまし油、水添ひまし油誘導体または
ヒドロキシル基含有アクリル共重合体などである。
【0036】これら(a)〜(g)に示されたようなポ
リヒドロキシ化合物は、単独使用でも、2種以上の併用
でもよいことは勿論であるが、その数平均分子量として
は、200〜10,000なる範囲内、好ましくは、3
00〜7,000なる範囲内、さらに好ましくは、50
0〜5,000なる範囲内に入るものであることが、ポ
リマー粒子内部の充分な架橋のために好適である。
【0037】また、強靭なるポリマー粒子を得るために
は、ポリエステルポリオールの使用が好ましく、就中、
ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンまたは3−メ
チル−δ−バレロラクトンの如きラクトン類との重縮合
反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオー
ル類の使用が望ましい。
【0038】本発明においては、ポリイソシアネート化
合物のイソシアネート基当量と、ポリヒドロキシ化合物
のヒドロキシル基当量との比率が1:0.1〜1:0.
9の範囲、好ましくは、1:0.1〜1:0.8の範囲
となるように、さらに好ましくは、1:0.1〜1:
0.7の範囲となるように、これらの両成分を混合し、
しかも、両成分の混合物それ自体が三次元架橋化しうる
ような組成比と為すべきである。
【0039】すなわち、これらの混合物を完全にウレタ
ン化させたさいには、ゲル状となり、加温や真溶剤の希
釈によっても、流動性が得られないような配合にする必
要がある。
【0040】前記有機相を設計するに当たっての上記の
二つの条件は、後述するポリアミン化合物の添加による
界面重合反応だけでは得られない内部架橋状態を得るた
めの必須の条件であり、本発明の基本的な要件の一つで
ある。
【0041】このさい、界面重合を無理なく実効あらし
めるためには、上述した範囲の過剰なイソシアネート基
が必要であり、こうした範囲は、粒子の外壁が速やかに
形成されるべく設定されているものである。
【0042】また、本発明においては、粒子内における
ウレタン化反応を三次元的に進行されることで、従来技
術では、到底、得られなかった粒子全体の強靭性や耐溶
剤性などの向上化が図られている。
【0043】こうしたポリマー粒子内部の三次元的ウレ
タン化反応の設計上、3官能性以上のポリイソシアネー
ト化合物および/またはポリヒドロキシ化合物を、有機
相中に含有されるポリイソシアネート化合物とポリヒド
ロキシ化合物との総量中に、0.1モル%以上、好まし
くは0.2モル%以上、さらに好ましくは、0.3モル
%以上含有させることによって、良好な粒子内部の三次
元架橋状態を得ることができる。
【0044】有機相中のポリイソシアネート基が、後述
のポリアミンと界面重合反応の進行に伴って消費される
ことで、ポリマー粒子中のイソシアネート基とヒドロキ
シル基との当量比が接近し、ポリマー粒子内部の架橋密
度がウレタン化反応の進行に伴って更に増大し、本発明
において用いられる、当該ポリウレタンポリ尿素粒子の
強靭性や耐久性などの諸特性が、より一層、向上化す
る。
【0045】また、本発明において内包されるべき顔料
は、公知慣用の有機顔料、無機顔料および体質顔料など
が使用されるが、そのうちでも特に代表的なもののみを
挙げるに止めれば、有機顔料としては、ベンチジンエロ
ー、ハンザエローまたはレーキレッド4Rなどの不溶性
アゾ顔料;レーキレッドC、カーミン6Bまたはボルド
ー10の如き溶性アゾ顔料;
【0046】フタロシアニンブルーまたはフタロシアニ
ングリーンの如き銅フタロシアニン系顔料;ローダミン
レーキまたはメチルバイオレットレーキの如き塩基性染
付けレーキ;キノリンレーキまたはファストスカイブル
ーの如き酸性染付けレーキ;アリザリンレーキの如き媒
染々料系顔料;
【0047】アンスラキノン系;チオインジゴ系または
ペリノン系の如き建染々料系顔料;シンカシアレッドB
の如きキナクリドン系顔料;ヂオキサジン・バイオレッ
トの如きヂオキサジン系顔料;クロモフタールの如き縮
合アゾ系顔料などが挙げられ、無機顔料としては、黄
鉛、ジンククロメートまたはモリブデート・オレンジの
如きクロム酸塩;
【0048】紺青の如きフェロシアン化合物;チタン
白、亜鉛華、マピコエロー、鉄黒、ベンガラまたは酸化
クロムグリーンの如き金属酸化物;カドミウムエロー、
カドミウムレッドまたは硫化水銀の如き硫化物セレン化
物;硫酸バリウムまたは硫酸鉛の如き硫酸塩;ケイ酸カ
ルシウムまたは群青の如きケイ酸塩;炭酸カルシウムま
たは炭酸マグネシウムの如き炭酸塩;コバルトバイオレ
ットまたはマンガン紫の如き燐酸塩;アルミニウム粉、
金粉、銀粉または、しんちゅう粉の如き金属粉末;ある
いは、パール顔料などが挙げられるし、
【0049】体質顔料としては、沈降性硫酸バリウム、
炭酸バリウム、ご粉、セッコウ、アルミナ白、クレー、
シリカ、シリカ白、タルク、ケイ酸カルシウムまたは沈
降性炭酸マグネシウムなどが挙げられ、無機顔料と有機
顔料の双方に属さないカーボンブラックなども、勿論、
使用することができる。
【0050】これらの顔料は、前記したポリヒドロキシ
化合物の1種以上と共に、予め均一に混練して、ミルベ
ースとして使用するが、必要に応じて使用に供する以前
や、混練中に顔料を化学的に表面処理したり、混練に当
たって2種以上の顔料を組み合わせたり、あるいは、塗
料産業や印刷インキ産業分野などで公知慣用の顔料分散
剤や色分かれ防止剤などの添加剤類を併用することもで
きる。
【0051】混練は、ボールミル、ペブルミル、サンド
ミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散
機または高速ストーンミルなどの公知慣用の分散機を用
いて行ない、必要に応じ、ヒドロキシル基やイソシアネ
ート基に対して不活性な有機溶剤類を添加して、混練系
の粘度を調整することも差し支えない。
【0052】使用できる有機溶剤としては、芳香族系ま
たは脂肪族系炭化水素、エステル、エーテル、ケトン系
のものが適し、就中、ベンゼン、トルエン、キシレン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジフェニルエ
ーテルまたはミネラルスピリットなどが適している。
【0053】ミルベース混練工程における樹脂と顔料の
比率としては、樹脂固形分100重量部に対して顔料が
1〜900重量部、好ましくは、2〜800重量部、特
に好ましくは、5〜500重量部なる範囲内で適切であ
る。
【0054】かくして得られるミルベースと、ポリヒド
ロキシ化合物またはポリイソシアネート化合物とを、前
述した如き種々の範囲内において配合し、均一に混合し
て疎水性有機相(1)とするが、該疎水性有機相(1)
中に含有される顔料の比率としては、全樹脂固形分の1
00重量部に対して0.5〜200重量部、好ましく
は、1〜150重量部、さらに好ましくは、2〜100
重量部なる範囲内が適切である。
【0055】この疎水性有機相(1)を、水相(2)中
に微細分散させ、該有機相中に含まれる過剰なるイソシ
アネート基の1当量につき、ポリアミン化合物を、0.
2〜1.0当量となるように、好ましくは、0.3〜
1.0当量となるように、さらに好ましくは、0.4〜
0.9当量となるように添加し、粒子界面における尿素
化反応を行ない、また、ポリマー粒子内部でウレタン化
反応を実施することによって、極めて強靭なる、顔料化
されたポリウレタンポリ尿素粒子が得られる。
【0056】本発明において使用する好適なポリアミン
化合物は、公知慣用のジアミン、ポリアミンまたはそれ
らの混合物であるが、そのうちでも特に代表的なものの
みを挙げるに止めれば、1,2−エチレンジアミン、ビ
ス−(3−アミノプロピル)−アミン、ヒドラジン、ヒ
ドラジン−2−エタノール、ビス−(2−メチルアミノ
エチル)−メチルアミン、1,4−ジアミノシクロヘキ
サン、3−アミノ−1−メチルアミノプロパン、N−ヒ
ドロキシエチルエチレンジアミン、N−メチル−ビス−
(3−アミノプロピル)−アミン、テトラエチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、1−アミノエチル−
1,2−エチレンジアミン、ビス−(N,N’−アミノ
エチル)−1,2−エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘ
キサミン、フェニレンジアミン、トルイレンジアミン、
2,4,6−トリアミノトルエントリイハイドロクロラ
イド、1,3,8−トリアミノナフタレン、イソホロン
ジアミン、キシリレンジアミン、水添キシリレンジアミ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンまたは水添
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
【0057】あるいは、これらポリアミンモノマーの誘
導体などが挙げられるが、耐候性の観点からは、脂肪族
系および/または脂環族系の使用が望ましい。本発明に
おいて、水相中に分散される有機相は、それ自体が非反
応性であり、かつ、この疎水性の有機溶剤の粘度を、必
要に応じ添加して低下せしめ、水相への分散性を向上さ
せることができる。
【0058】この場合の有機溶剤の量としては、全有機
相中の50重量%以下、好ましくは、40重量%以下、
さらに好ましくは、30重量%以下となる量が適切であ
る。
【0059】使用できる有機溶剤としては、芳香族系ま
たは脂肪族系炭化水素、エステル、エーテル、ケトン系
のものが適し、就中、ベンゼン、トルエン、キシレン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジフェニルエ
ーテルまたはミネラルスピリットなどが適している。
【0060】これらの有機溶剤は、必要に応じ、ポリマ
ー粒子形成中、あるいは、ポリマー粒子形成後に、加熱
や減圧などの処理によって、留去してもよい。有機相が
分散される水相は、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ
アルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、
アラビアゴム、ポリアクリレート、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルピロリドンおよびエチレン無水マレイン
酸共重合体などの各種保護コロイドから選ばれる1種以
上を、0.2〜20重量%なる範囲内で含有する。
【0061】また、この水相は0.2〜10重量%のノ
ニオン系、アニオン系またはカチオン系の各種界面活性
剤を含有していても差し支えない。本発明にあっては、
ポリマー粒子の内部において、積極的に、ウレタン化反
応させることに特徴を有するものであるが、公知の如
く、ヒドロキシル基とイソシアネート基とのウレタン化
反応は、特にイソシアネート基が脂肪族系あるいは脂環
式系に基づく場合には、アミノ基との尿素化反応に比し
て、速度が遅いという傾向にある。
【0062】周知の如く、水とイソシアネートとの反応
性はヒドロキシル基との反応性に比較し極めて遅く、か
つ、ポリアミン化合物の添加によって形成される外壁に
よる隔離効果により、水分の粒子内部への浸透は無視で
きる処から、反応温度を上げ、時間をかけることによっ
て、粒子中でのウレタン化反応を実施するという、本発
明の目的は達成されるが、
【0063】本発明者らは、上記反応条件の改善を図る
べく研究を重ねた結果、ナフテン酸コバルト、ナフテン
酸亜鉛、塩化第一錫、塩化第二錫、テトラ−n−ブチル
錫、トリ−n−ブチル錫アセテート、n−ブチル錫トリ
クロライド、トリメチル錫ハイドロオキサイド、ジメチ
ル錫ジクロライド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル
錫ジラウレート、オクテン酸錫またはカリウムオレエー
トの如き各種有機金属触媒の1種以上を、
【0064】疎水性の有機相に対して、5〜10,00
0ppm、好ましくは、10〜5,000ppmなる範
囲内でで添加することによって、極めて短時間に、強靭
なる架橋ポリマー粒子が形成されることを見い出した。
【0065】これらの有機金属触媒は、イソシアネート
基とヒドロキシル基との反応を、極めて効果的に促進せ
しめるものである。水分散化(微細分散化)に先立っ
て、有機相中に上掲の如き有機金属触媒を添加したりす
ることは、有機相の粘度が上昇して、水相中への分散性
が低下したりするので、決して、実用的ではなく、ま
た、ポリアミン添加後の有機金属触媒の添加は、ポリマ
ー粒子の外壁が形成されつつある状態のために、該有機
金属触媒が、このポリマー粒子の内部に取り込まれ難く
なり、ひいては、ポリマー粒子内部でのウレタン化反応
の促進効果が低減化されるという傾向にある処から、該
有機金属触媒の添加時期としては、有機相を水相に分散
させる水分散化工程中、あるいは、該分散化工程からポ
リアミンを添加する工程の中間までの間が、最も適切で
ある。
【0066】次いで、前記した結合剤樹脂としては、基
本的には、塗膜を形成し得るものであればよく、したが
って、いずれでも良いが、それらのうちでも特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、ポリウレタン樹
脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、
メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂または、フッ
素系樹脂の如き各種の合成樹脂類;
【0067】あるいは、天然ゴムないしは合成ゴムの如
き各種のゴム類をはじめ、さらには、セルロースの如き
各種の天然高分子化合物なであり、これらは単独使用で
も2種以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0068】そして、意匠性貼付用塗料組成物の調製方
法としては、予め、粒度を調整した結合剤樹脂と、ポリ
マー粒子とをブレンドせしめるという方法が推奨され
る。
【0069】また、三次元架橋構造を有するポリウレタ
ンポリ尿素粒子と結合剤樹脂との混合比率としては、結
合剤樹脂/ポリマー粒子なる固形分重量比が、20/8
0〜80/20となる範囲内が適切である。
【0070】かくして得られる、本発明の意匠性貼付用
塗装物に用いられる塗料組成物は、必要に応じて、その
内の前記結合剤樹脂に希釈可能なる溶剤または水などで
希釈して、刷毛塗り、ロールコーター、フローコータ
ー、スプレー塗装または浸漬塗装などの公知慣用の各種
の塗装法により、種々の基材に対して塗装を行うことが
できる。
【0071】すなわち、以上のようにして得られる、本
発明組成物は、たとえば、ABS樹脂、AS樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂
(就中、ナイロン)、PS樹脂、ポリプロピレン樹脂、
アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂またはエポキシ樹脂の
如き各種のプラステイックス類;
【0072】鋼板、亜鉛鉄板、亜鉛めっき鋼板、ブリキ
板、銅板、アルミニウム板もしくは亜鉛板の如き各種の
金属材料;紫檀、黒檀、ローズウッド、チーク、楢、シ
ナ、桜もしくはラワンの如き各種の木材;上質紙、コー
ト紙、クラフト紙もしくはロール紙の如き各種の紙類;
あるいは、天然皮革またはウレタン、ナイロンもしくは
塩化ビニル系などの合成皮革の如き各種の皮革類などに
塗布し塗装し、これらの塗装面とは別の面に、粘着剤ま
たは接着剤なる層を有し、さらに、該層上に保護層とし
て、剥離材を有する形の塗装物を与える。
【0073】本発明において使用される、上記の粘着剤
または接着剤としては、アクリル系、ゴム系、ウレタン
系、シリコン系、ポリエステル系またはエポキシ系など
の、汎用なる各種の粘着剤が、あるいは、酢酸ビニル
系、ウレタン系、エポキシ系または、にかわ系などの、
汎用なる各種の接着剤が、特に代表的なものである。
【0074】さらに、本発明において使用される、前記
の剥離材としては、シリコン加工紙、フィルムまたは離
型紙などの、汎用なる各種のものが、特に代表例であ
る。
【0075】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により、一層、具体的に説明することにする。以下にお
いて、部および%は特に断りのない限り、すべて重量基
準であるものとする。
【0076】なお、用いられる各原料成分について、予
め、説明しておくことにすると、次の通りである。その
うち、まず、ポリイソシアネート化合物としては次のよ
うなものである。
【0077】すなわち、「バーノック DN−950」
〔大日本インキ化学工業(株)製の、ヘキサメチレンジ
イソシアネート・アダクト型ポリイソシアネート化合
物;数平均分子量=640、固形分換算イソシアネート
基含有率=16.8%〕の固形分を用いたが、以下、こ
れをPI−1と略記する。
【0078】「バーノック DN−980S」(同上社
製の、ヘキサメチレンジイソシアネートを用いて得られ
るイソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物;イソ
シアネート基含有率=21.0%);以下、これをPI
−2と略記する。
【0079】また、トリメチロールプロパンとε−カプ
ロラクトンと重縮合反応によって得られる、水酸基価が
168.5なるポリカプロラクトンポリエステルトリオ
ールの1,000部と、イソホロンジイソシアネートの
666部とを、ウレタン化反応せしめて得られる、イソ
シアネート基含有率が7.5%なるポリイソシアネート
化合物をも用いたが、以下、これをPI−3と略記す
る。
【0080】さらに、水添4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネートまたは1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネートをも用いたが、以下、それぞれH12MDI
またはHDIと略記する。
【0081】次いで、ポリヒドロキシ化合物としては、
次のようなものである。すなわち、ネオペンチルグリコ
ールとアジピン酸との共縮合によって得られる、水酸基
価187なるポリエステルポリオールを用いたが、以
下、これをPO−1と略記する。
【0082】また、ネオペンチルグリコールとε−カプ
ロラクトンとの重縮合反応によって得られる、水酸基価
が187なるポリカプロラクトンポリエステルジオール
をも用いたが、以下、これをPO−2と略記する。
【0083】さらに、トリメチロールプロパンとε−カ
プロラクトンとの重縮合反応によって得られる、水酸基
価が168.5なるポリカプロラクトンポリエステルポ
リオールをも用いたが、以下、これをPO−3と略記す
る。
【0084】さらにまた、トリメチロールプロパンとε
−カプロラクトンとの重縮合反応によって得られる、水
酸基価が112.2で、かつ、数平均分子量が1,50
0なるポリカプロラクトンポリエステルトリオールをも
用いたが、以下、これをPO−4と略記する。
【0085】さらに、ポリアミンとしては、次のような
ものである。すなわち、エチレンジアミンを用いたが、
以下、これをEDAと略記する。また、1,6−ヘキサ
メチレンジアミンをも用いたが、以下、これをHMDA
と略記する。
【0086】さらに、イソホロンジアミンをも用いた
が、以下、これをIPDAと略記することにする。 参考例 1(ポリウレタンポリ尿素粒子の調製例) 1リットルのフラスコに「PVA−217」〔(株)ク
ラレ製の、ポリビニルアルコールの部分鹸化物〕の0.
2%水溶液の300部を入れて、これを水相とする一
方、別の容器で、PI−1の55.7部、HDIの9.
3部およびPO−1の30部を混合せしめて、これを有
機相とした。
【0087】20℃において、ホモミキサーを用いて、
7,000〜7,500rpm.で、水相を攪拌しなが
ら、ここへ、予め用意しておいた有機相を仕込み、1分
間のあいだ攪拌せしめて分散液を得た。
【0088】次いで、この分散液を別のフラスコに移
し、パドラー型の攪拌翼によって200rpm.で攪拌
しながら、ジn−ブチル錫ジラウレート(DBTDL)
の0.1部を添加し、2分後にHMDAの50%水溶液
の21.7部をも添加した。
【0089】室温(約25℃)に2時間のあいだ保持し
たのち、50℃に昇温して同温度に1時間、さらに、8
0℃に2時間のあいだ保持して反応を続行させ、目的と
するポリウレタンポリ尿素粒子の懸濁液を得た。
【0090】この粒子の平均粒径は30ミクロン(μ
m)であった。また、この粒子はアセトン、酢酸エチル
またはキシレンなどに対して膨潤し溶解することがな
く、極めて安定なものであり、さらに、この粒子は内部
まで充分にポリマーで充填されているものであること
も、電子顕微鏡による観察の結果、確認された。
【0091】参考例 2(顔料を含有するポリウレタン
ポリ尿素粒子の調製例) まず、PO−2の80部、「ファーストゲン・スーパー
・レッド(Fast−ogen Super Red)
7093Y」〔大日本インキ化学工業(株)製のキナ
クリドン系有機顔料〕の20部およびトルエンの25部
を混合し、サンドグラインダーにて、1時間のあいだ分
散せしめて、赤のミルベースを得た。以下、これをMB
−1と略記する。
【0092】次いで、1リットルのフラスコに「PVA
−217」の0.2%水溶液の300部を仕込み、20
℃において、ホモミキサーを用いて、7,000〜7,
500rpm.で攪拌しながら、ここへ、予め、別の容
器で、MB−1の37.5部、PO−1の16部、PI
−1の30部およびHDIの20部を混合して調製して
おいた有機相を添加し、さらに、DBTDLの0.2部
を添加し、1分間のあいだ攪拌せしめて分散液を得た。
【0093】しかるのち、この分散液を別のフラスコに
移し、パドラー型の攪拌翼によって200rpm.で攪
拌しながら、EDAの25%水溶液の22.3部を添加
した。
【0094】室温(約25℃)に2時間のあいだ保持し
たのち、50℃に昇温して、同温度に1時間、さらに、
80℃に2時間のあいだ保持して反応を続行させ、目的
とする、顔料化された、赤色のポリウレタンポリ尿素粒
子の懸濁液を得た。
【0095】ここに得られたポリマー粒子の平均粒径
は、37μmであった。また、この粒子はアセトンに膨
潤し溶解することもなく、したがって、アセトン中にお
いて、赤色顔料の流出も認められなかった。
【0096】参考例 3(顔料を含有するポリウレタン
ポリ尿素粒子の調製例) まず、PO−2の80部、「カーボンブラックCF−
9」〔三菱化成(株)製〕の20部およびトルエンの2
5部を混合し、サンドグラインダーにて、1時間のあい
だ分散せしめて、黒のミルベースを得た。以下、これを
MB−2と略記する。
【0097】次いで、1リットルのフラスコに「PVA
−217」の0.2%水溶液の400部を仕込み、20
℃において、ホモミキサーを用いて、7,000〜7,
500rpm.で攪拌しながら、ここへ、予め、別の容
器で、MB−2の37.5部、PO−1の16部、PI
−1の30部およびHDIの20部を混合して調整して
おいた有機相を添加し、さらに、DBTDLの0.2部
を添加し、1分間のあいだ攪拌せしめて分散液を得た。
【0098】しかるのち、この分散液を別のフラスコに
移し、パドラー型の攪拌翼によって200rpm.で攪
拌しながら、EDAの25%水溶液の22.3部を添加
した。
【0099】室温(約25℃)に2時間のあいだ保持し
たのち、50℃に昇温して、同温度に1時間、さらに、
80℃に2時間のあいだ保持して反応を続行させ、目的
とする、顔料化された、黒色のポリウレタンポリ尿素粒
子の懸濁液を得た。
【0100】ここで得られたポリマー粒子の平均粒径
は、13μmであった。
【0101】実施例 1〜5 第1表に示されるような組み合わせに従って、ポリマー
粒子の20部と、結合剤樹脂の20部と、シリコーン系
レベリング剤の0.2部と、ポリアミド系沈澱防止剤の
0.4部と、キシレン/酢酸n−ブチル=50/50
(重量比)なる混合物の60部とを、均一に混合せしめ
て、PWC(顔料重量濃度)が50%なる、目的とする
各種の意匠性貼付用塗料樹脂組成物を得た。
【0102】比較例 1〜5 第1表に示されるような組み合わせに従って、顔料の2
0部と、結合剤樹脂の20部と、シリコーン系レベリン
グ剤の0.2部と、ポリアミド系沈澱防止剤の0.4部
と、キシレン/酢酸n−ブチル=50/50(重量比)
なる混合物の60部とを、均一に混合せしめて、PWC
が50%なる、対照用の各種の貼付用塗料樹脂組成物を
得た。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】各実施例および比較例で得られた各種の貼
付用塗料樹脂組成物を、それぞれ、鉄板またはABS板
上に、各別に、乾燥膜厚が50μmとなるように塗布
し、60℃で30分間の乾燥硬化を行った。
【0106】次いで、室温に1週間のあいだ放置してか
ら、諸塗膜性能の評価を行った。それらの結果は、まと
めて、第2表に示す。それらの諸性能の評価は、次のよ
うな要領で行なったものである。
【0107】外 観…光沢度計にて60度の鏡面光沢
を測定し、塗面の艶消し状態を目視により判定した。 ◎…光沢が2以下で、かつ、塗面が一様に、完全艶消し
の状態である ○…光沢が2以下で、塗面の艶むらが認められる ×…光沢は2以下である
【0108】触 感…手で触ってみて、ソフトな感触
の程度で判定した。 ◎…極めてソフトな感じ ○…かなりソフトな感じ ×…硬く剛直な感じ
【0109】ザラツキ感 ◎・・・極めてソフトでザラツキ感が少ない ○・・・極めてソフトでザラツキ感がある ×・・・硬くて剛直、ザラツキ感がない
【0110】耐擦傷性…#000スチールウールを30
g/cm2 なる面圧で擦って、その1時間後に、塗面の
状態を目視により判定した。 ◎…全く跡が付かない ○…僅かに跡が付く ×…はっきりと、擦り傷が残る
【0111】屈 曲 性…塗装したブリキ板を180度だ
け折り曲げて(2mmφ)、塗面の状態を目視により判
定した。(JIS K−5400に準拠した。) ◎…全く変化が認められない ×…折り曲げ部に、クラックが発生
【0112】耐溶剤性…塗面上に、アセトンの入ったガ
ラスキャップを、常に、このアセトンが塗面に掛かるよ
うに置いて、24時間放置させたのちの塗面の状態を目
視により判定した。 ◎…全く変化が認められない ×…塗膜が溶解した
【0113】
【表3】
【0114】実施例 6〜8 基材として、それぞれ、片面に粘着剤または接着剤を有
し、保護層として剥離材を有する、0.1mm厚のポリ
エステルシート、塩化ビニルシートまたはコート紙を用
い、必要に応じて、これらの基材を前処理してから、実
施例1で得られた意匠性貼付用塗料樹脂組成物を、乾燥
膜厚が50μmとなるように塗布した。
【0115】次いで、かくして得られた、それぞれの塗
装物品を、室温に1週間のあいだ放置してから、実施例
1〜5と同様にして、諸塗膜性能の評価を行った。それ
らの結果は、まとめて、第3表に示す。
【0116】
【表4】
【0117】
【発明の効果】以上のように、本発明の意匠性貼付用塗
装物は、塗装される塗料樹脂組成物が三次元架橋構造を
有するポリウレタンポリ尿素粒子と、結合剤樹脂とを、
必須の被膜形成性成分として含有するものであり、塗装
物は、いずれも、該ポリマー粒子が該粒子表面に突き出
した状態となる処から、極めて高級感を有する、高度な
艶消し塗膜が形成されたものと為すこともできる。
【0118】加えて、該ポリマー粒子が、それ自体、三
次元架橋構造を有するものであるために、本発明の意匠
性貼付用塗装物は、耐溶剤性、耐摩耗性、耐擦傷性、耐
引掻き性ならびに耐久性などにも優れるという効果を持
った塗膜を有するものであり、とりわけ、結合剤樹脂の
塗膜性能を限定することによって、一層、かかる特徴的
効果が高められた塗膜となり得るものであり、しかもソ
フト感触(ソフトタッチ)にも優れる塗膜となり得るも
のである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09J 7/02 C09J 7/02 B // C08G 18/09 C08G 18/65 Z 18/65 18/08 (72)発明者 湯川 重男 和歌山県和歌山市小倉620−5 (56)参考文献 特開 平3−139582(JP,A) 特開 平2−4869(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 175/04 C09D 175/06 C09D 5/28 C09D 161/28 C09J 7/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元架橋構造を有するポリウレタンポ
    リ尿素粒子と、結合剤樹脂とを、必須の被膜形成性成分
    として含有する塗料樹脂組成物が基材に塗装された塗装
    物であって、この塗装された面とは別の片面には、粘着
    剤または接着剤層を有し、さらに、その上に保護層とし
    て剥離材を有することを特徴とする、意匠性貼付用塗装
  2. 【請求項2】 基材が、金属材料、プラスティック材
    料、木材、皮革類または紙類である、請求項1記載の
    匠性貼付用塗装物。
  3. 【請求項3】 前記した三次元架橋構造を有するポリウ
    レタンポリ尿素粒子が、化学量論的にイソシアネート基
    が過剰となるようなポリイソシアネート化合物と、ポリ
    ヒドロキシ化合物との混合になる有機相にして、しか
    も、反応によって三次元架橋構造を形成しうる有機相
    と、該有機相中の化学量論的に過剰なイソシアネート基
    に対して等当量以下のポリアミン化合物との間で界面重
    合反応、ならびに粒子内部におけるウレタン化反応を通
    して得られるポリウレタンポリ尿素粒子である、請求項
    または2記載の意匠性貼付用塗装物
  4. 【請求項4】 前記した三次元架橋構造を有するポリウ
    レタンポリ尿素粒子が、顔料を含有し、かつ、化学量論
    的にイソシアネート基が過剰となるようなポリイソシア
    ネート化合物と、ポリヒドロキシ化合物との混合になる
    有機相にして、しかも、反応によって三次元架橋構造を
    形成しうる有機相と、該有機相中の化学量論的に過剰な
    イソシアネート基に対して等当量以下のポリアミン化合
    物との間での界面重合反応、ならびに粒子内部における
    ウレタン化反応を通して得られる、顔料化されたポリウ
    レタンポリ尿素粒子である、請求項1または2記載の
    匠性貼付用塗装物。
  5. 【請求項5】 前記した結合剤樹脂が、50〜500k
    gf/cm 2 なる範囲内の初期弾性率を有するものであ
    る、請求項1または2記載の意匠性貼付用塗装物
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