JP3305486B2 - エチレン系共重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン系共重合体の製造方法

Info

Publication number
JP3305486B2
JP3305486B2 JP05766794A JP5766794A JP3305486B2 JP 3305486 B2 JP3305486 B2 JP 3305486B2 JP 05766794 A JP05766794 A JP 05766794A JP 5766794 A JP5766794 A JP 5766794A JP 3305486 B2 JP3305486 B2 JP 3305486B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
stage
component
catalyst
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05766794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07258327A (ja
Inventor
尚志 物井
雅一 山本
克行 吉川
哲也 牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP05766794A priority Critical patent/JP3305486B2/ja
Publication of JPH07258327A publication Critical patent/JPH07258327A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3305486B2 publication Critical patent/JP3305486B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチレン系共重合体の製
造方法に関する。さらに詳しくは、インフレーション成
形に適した、押出特性と溶融物性に優れたエチレン系共
重合体を与える方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インフレーション成形の分野において
は、高分子量でかつ分子量分布の広いエチレン系共重合
体が必要とされる。これまで、二段重合によって分子量
分布の広いインフレーション成形用エチレン系共重合体
を製造する方法に関しては数多くの提案がある。特に特
公平3−18645に開示された方法がある。これは、
プロパン、イソブタンなどの易揮発性の炭化水素溶媒を
用いて連続二段重合を行い、高分子量成分を第一段、低
分子量成分を第二段で製造する方法である。水素で分子
量調節する場合に、第一段から第二段の移行に当たり、
中間の水素のフラッシュタンクを必要とせず、生産性の
面から非常に望ましい。
【0003】また、二段重合によるエチレン系共重合体
の製造に用いられる固体触媒成分として、特開昭53−
78287、特開昭53−132082、特開昭54−
75491、特開昭54−81190、特開昭55−3
459、特開昭57−205410、特開昭58−14
9906、特開昭58−225105などに開示された
高活性の担持型固体触媒成分があげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記固
体触媒成分から成る触媒系によって上記の方法で二段重
合を行って得られたエチレン系共重合体は、触媒の活性
が高く生産性は非常に高いものの、インフレーション成
形時の押出特性と溶融物性が必ずしも満足し得るもので
はないという問題があった。本発明の課題は、これらの
従来技術の問題点を解決し、成形時の押出特性と溶融物
性に優れたエチレン系共重合体の製造方法を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて鋭意検討した結果、エチレンとα−オレフィン
とを第1の重合帯域で高分子量成分を、第2の重合帯域
で低分子量成分を重合する2段重合にてエチレン系共重
合体を製造するに当たり、(1)三ハロゲン化アルミニ
ウム、Si−O結合を有する有機化合物およびマグネシ
ウムアルコラートを共粉砕させることによって得られる
共粉砕生成物、および(2)少なくとも一個のハロゲン
原子を有する四価のチタン化合物を液相にて接触させる
ことによって得られる固体成分を有機アルミニウム化合
物と組み合わせて予備重合量が固体成分1gあたりO.
01〜100gとなるようエチレンで予備重合した予重
合触媒を、一般式R1 AlX2 (R1 はアルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基およびアラルキル基を、X
はハロゲン原子を示す)で表されるジハロゲン化有機ア
ルミニウム化合物で予備重合触媒中のチタン原子に対し
てAl/Ti=2〜20モル比の範囲で処理することに
より得られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物か
らなる触媒系を用いるエチレン系共重合体の製造方法に
よって前記課題を解決した。
【0006】以下、本発明を具体的に説明する。 固体成分 本発明のエチレン系共重合体の製造で用いられる固体成
分としては、、少なくともマグネシウム、チタンおよび
ハロゲンを含有する固体成分が用いられる。例えば、特
開昭58−225105などに記載されたものを用いる
ことができる。具体的には、(1)三ハロゲン化アルミ
ニウム、Si−O結合を有する有機化合物およびマグネ
シウムアルコラートを共粉砕させることによって得られ
る共粉砕生成物、および(2)少なくとも一個のハロゲ
ン原子を有する四価のチタン化合物を液相にて接触させ
ることによって得られる固体成分である。
【0007】三ハロゲン化アルミニウムは無水物であ
り、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、および
三フッ化アルミニウムがあげられる。特に三塩化アルミ
ニウムが好ましい。該三ハロゲン化アルミニウムの形状
は粉末でも、粒状物でもよい。
【0008】Si−O結合を有する有機化合物として代
表的なものは一般式 Si(OR2p3 q (I) R4 (R5 2SiO)r SiR6 2 (II) (R7 2SiO)s (III) で示されるものである。式において、R2 、R3 および
7 は同一でも異なっていても良く、炭素数が多くとも
20個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基お
よびアラルキル基からなる群から選ばれた炭化水素基
(これらは不飽和でも、ハロゲン原子または炭素数が多
くとも20個のアルコキシ基で置換されても良く、また
グリシジル基のごときエポキシ環を有するものでも良
い)であり(R3 は水素原子またはハロゲン原子でも良
く、R7 は水素原子でも良い)、R4、R5 およびR6
は同一でも異なっていても良く、上記炭化水素基(これ
らは不飽和でも、置換されても良い)またはハロゲン原
子であり、p+qは4であり(ただし、p≠0)、rは
1ないし1000の整数であり、sは2ないし1000
の整数である。
【0009】(I)式で示される化合物の代表的なもの
としては、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチル
シラン、エトキシトリエチルシラン、テトラプロポキシ
シラン、ジプロポキシジプロピルシラン、テトライソプ
ロポキシシラン、ジイソプロポキシジイソプロピルシラ
ン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジブチルシ
ラン、テトラn−ブトキシシラン、ジn−ブトキシ−ジ
n−ブチルシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テ
トラヘキソキシシラン、テトラオクトキシシラン、テト
ラフェノキシシラン、テトラクレジルシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ト
リメトキシクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、
ジメトキシジブロモシラン、トリエトキシクロロシラ
ン、ジエトキシジブロモシラン、ジブトキシジクロロシ
ラン、ジシクロペントキシジエチルシラン、ジエトキシ
ジフェニルシラン、3,5−ジメチルフェノキシトリメ
チルシラン、メチルフェニル−ビス(2−クロロエトキ
シ)シラン、ジメトキシジベンジルシラン、トリn−プ
ロピルアリルオキシシラン、アリルトリス(2−クロロ
エトキシ)シラン、トリメトキシ−3−エトキシプロピ
ルシラン、ビニル(トリブトキシ)シランおよび3−
(グリシドキシ)プロピルトリメトキシシランなどがあ
げられる。
【0010】また、(II)式で示される化合物の代表的
なものとしては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメ
チルトリシロキサン、テトラコサメチルウンデカシロキ
サン、8−ヒドロヘプタメチルトリシロキサン、ヘキサ
フェニルジシロキサン、ヘキサシクロヘキシルジシロキ
サン、1,8−ジメチルジシロキサン、ヘキサエチルジ
シロキサン、オクタエチルトリシロキサン、ヘキサプロ
ピルジシロキサン、1,3−ジクロロテトラメチルジシ
ロキサン、1,3−ビス(p−フェノキシジフェニル)
−1,3−ジメチル−1,3−ジフェニルジシロキサ
ン、1,3−ジアリルテトラメチルジシロキサン、1,
3−ジベンジルテトラメチルジシロキサン、2,2,
4,4−テトラフェニル−2,4−ジシラン−1−オキ
サシクロペンタン、1,1,3,3−テトラメチルジシ
ロキサンおよびヘキサクロロジシロキサンなどがあげら
れる。
【0011】さらに、(III)式で示される化合物の代表
的なものとしては、1,3,5−トリメチルシクロトリ
シロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オク
タメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルクロロ
シクロトリシロキサン、1,3,5−トリメチルトリフ
ェニルシクロトリシロキサン、ヘキサフェニルシクロト
リシロキサン、1,3,5−トリベンジルトリメチルシ
クロトリシロキサンおよび1,3,5−トリアリルトリ
メチルシクロトリシロキサンなどがあげられる。
【0012】これらのSi−O結合を有する化合物のう
ち、前記(I)式においてR2 およびR3 が炭素数が多
くとも8個のアルキル基、フェニル基またはアラルキル
基で表されるものが好ましい。また、前記(II)式にお
いてR4 、R5 およびR6 が炭素数が多くとも4個のア
ルキル基、フェニル基またはハロゲン原子で表されるも
のが望ましく、さらにrが4個以下のものが好ましい。
その上、前記(III)式においてR7 が水素原子、炭素数
が4個以下のアルキル基、フェニル基またはビニル基で
表されるものが望ましく、さらにsが10以下のものが
好ましい。これらの好適なSi−O結合を有する有機化
合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、テトラクレジルシラン、ヘキサメチルジシロキ
サン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシジフェ
ニルシランおよびビニル(トリブトキシ)シランなどが
あげられる。
【0013】マグネシウムアルコラートとしては、代表
的なものの一般式は下式(IV)で示されるものである。 Mg(OR82 (IV) (IV)式において、R8 は炭素数が多くとも8個のアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキ
ル基からなる群から選ばれた炭化水素基である。これら
のマグネシウムアルコラートのうち、代表的なものとし
ては、マグネシウムメチラート、マグネシウムエチラー
ト、マグネシウムプロピラート、マグネシウムブチラー
ト、マグネシウムヘキシラート、マグネシウムフェノラ
ート、マグネシウムシクロヘキサノレート、マグネシウ
ムベンジルアルコラートおよびマグネシウムクレゾレー
トなどがあげられる。これらのマグネシウムアルコラー
トのうち、前記(IV)式においてR8 が炭素数が多くと
も3個のアルキル基またはフェニル基で表されるものが
望ましい。これらの好適なマグネシウムアルコラートと
しては、マグネシウムメチラート、マグネシウムエチラ
ートおよびマグネシウムフェノラートがあげられる。
【0014】上記の共粉砕生成物を製造するに当たり、
1モル当たりの前記マグネシウムアルコラートに対する
三ハロゲン化アルミニウムおよびSi−O結合を有する
有機化合物の添加割合は、いずれも一般に0.02〜
1.0モル比であり、特に0.05〜0.20モル比が
好ましい。また、Si−O結合を有する有機化合物のケ
イ素原子に対する三ハロゲン化アルミニウムのアルミニ
ウム原子の割合が重要である。その比が0.25〜4が
望ましく、とりわけ0.5〜2が好適である。共粉砕の
方法としては、一般に使われているボールミル、振動ボ
ールミル、衝撃式粉砕機およびコロイドミルのごとき粉
砕機を使って通常行われている方法を適用すれば良い。
共粉砕温度は室温において実施すれば良いが、発熱が大
きい場合には、冷却すれば良い。なお、粉砕は乾燥した
不活性ガス(たとえば、窒素、アルゴン)の雰囲気下で
行われる。共粉砕に要する時間は使われる粉砕機の種類
およびその能力ならびに被粉砕物の充填量、種類および
その割合などによって一概に規定することは出来ない
が、共粉砕生成物の粒度および粒度分布が均一になる程
度に粉砕時間を選べば良い。したがって、一般には10
分以上であるが、20時間以上共粉砕したとしても、さ
らに効果が向上することは期待できず、むしろ共粉砕生
成物の収率が低下することもある。この様にして得られ
る共粉砕生成物は、アルミニウム、ケイ素およびマグネ
シウムを含有する複錯体である。この様にして得られる
共粉砕生成物の平均粒度は通常50〜200ミクロンで
あり、比表面積は20〜200m2 /gである。
【0015】以上のようにして得られた共粉砕生成物と
チタン系化合物とを液相にて接触させることによって本
発明の固体成分が得られる。この場合、炭化水素系の溶
媒の存在下で実施しても良く、チタン系化合物が液状の
場合では、そのまま無溶媒で実施しても良い。固体成分
を製造するために使われるチタン系化合物は、少なくと
も1個のハロゲン原子を有する四価のチタン化合物であ
り、その一般式は下式(V)で示されるものである。 TiXt (OR9u (NR1011v (OCOR12w (V) (V)式において、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ
素原子であり、R9 、R10、R11およびR12は炭素数が
多くとも12個の脂肪族、脂環族または芳香族の炭化水
素であり、tは1〜4の数であり、u、vおよびwは0
ないし3の数であり、t+u+v+wは4である。
【0016】チタン化合物の代表例としては、四塩化チ
タン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、メトキシチタン
トリクロライド、ジメトキシチタンジクロライド、トリ
メトキシチタンクロライド、エトキシチタントリクロラ
イド、ジエトキシチタンジクロライド、トリエトキシチ
タンクロライド、プロポキシチタントリクロライド、ブ
トキシチタントリクロライド、ジメチルアミニチタント
リクロライド、ビス(ジメチルアミノ)チタンジクロラ
イド、ジエチルアミノチタントリクロライド、プロピオ
ン酸チタントリクロライドおよび安息香酸チタントリク
ロライドなどがあげられる。なかでも、(V)式におい
て、u、vおよびwが0であり、R9 が炭素数が多くと
も6個のアルキル基であり、かつtが3のものあるいは
uが0(すなわち、tが4)のものが好ましく、とりわ
け四塩化チタン、メトキシチタントリクロライド、エト
キシチタントリクロライドおよびブトキシチタントリク
ロライドが好適である。
【0017】該固体成分を製造するにあたり、必ずしも
炭化水素溶媒の存在下で実施しなくても良いが、炭化水
素溶媒の存在下で実施する場合、用いられる炭化水素溶
媒は0℃ないし140℃で液状であるものが好ましい。
その代表例としては脂肪族炭化水素(たとえば、イソブ
タン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、パ
ラフィン)、脂環族炭化水素(たとえば、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン)
および芳香族炭化水素(たとえば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン)である。
【0018】共粉砕生成物とチタン系化合物を接触させ
る割合としては、共粉砕生成物上にチタン原子の量が一
般には0.5〜15重量%担持されるような適当な条件
を選べば良い。したがって、共粉砕生成物中のマグネシ
ウム1原子に対するチタン系化合物の割合は0.5〜5
0モル比であり、0.5〜40モル比が好ましく、特に
1.0〜20モル比が好適である。接触温度は、通常室
温ないし150℃であり、とりわけ常温ないし130℃
が望ましい。常温以下で接触すれば、接触が不十分であ
る。一方、150℃以上では、満足し得る固体成分が得
られない。また、接触時間は10分ないし5時間が一般
的であるが、特に10分ないし3時間接触させるのが、
重合活性の点から望ましい。接触時間が10分以下で
は、接触が不十分である。一方、5時間以上接触させた
としても、さらに接触が完結に進行することもなく、む
しろ得られる固体成分が失活することもある。この接触
を前記炭化水素溶媒の存在下で実施するには、チタン系
化合物の溶解度にもよるが、共粉砕生成物1重量部当た
り炭化水素溶媒は多くとも10重量部である。
【0019】以上のようにして得られる接触生成物は固
体成分の他に、未反応のチタン系化合物などを含有して
いる。この接触生成物を精製することによって本発明の
固体成分が得られる。この精製を実施するには、接触時
に使用した炭化水素溶媒または他の炭化水素溶媒(とり
わけ、沸点が比較的低いものが望ましい)を用いて、上
澄み液を傾斜法または濾過法により抜き取り、洗液中に
ハロゲンの存在が認められなくなるまで洗浄を繰り返す
のが望ましい。前記炭化水素溶媒を用いて洗浄しても良
く、また得られた固体成分を含有するスラリー(ただ
し、未反応のチタン系化合物を実質的に含まないもの)
を後記の重合器に供給することも可能である。また、洗
浄に使用した炭化水素溶媒を減圧下で除去した後、固体
成分として重合器にマッドフィードすることもできる。
上記固体成分を有機アルミニウム化合物と組み合わせて
不活性炭化水素溶媒中、エチレンで予備重合を行い、固
体成分1gあたり0.01〜100gのエチレン重合体
を生成させる。予備重合量を上記範囲より少なくしても
多くしても、最終的に二段重合で得られるエチレン共重
合体の押出特性と溶融物性に改善効果は認められない。
不活性炭化水素溶媒としてはヘキサン、ヘプタン、オク
タン、デカン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素が
あげられる
【0020】有機アルミニウム化合物は、その一般式が
下式[(VI)式および(VII)式]で表される。 AlR131415 (VI) R1617Al−O−AlR1819 (VII) (VI)式において、R13、R14およびR15は同一でも異
種でも良く、炭素数が多くとも12個の脂肪族、脂環族
もしくは芳香族の炭化水素基、ハロゲン原子または水素
原子であるが、それらのうち少なくとも1個は前記炭化
水素基であり、ハロゲン原子を含有する場合はハロゲン
原子は1個である。また、(VII)式において、R16、R
17、R18およびR19は前記炭化水素基である。
【0021】(VI)式で示される有機アルミニウム化合
物のうち、代表的なものとしては、トリエチルアルミニ
ウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニ
ウム、トリヘキシルアルミニウムおよびトリオクチルア
ルミニウムのごときトリアルキルアルミニウム、ジエチ
ルアルミニウムハイドライドおよびジイソブチルアルミ
ニウムハイドライドのごときジアルキルアルミニウムハ
イドライドならびにジエチルアルミニウムクロライドの
ごときジアルキルアルミニウムハロゲナイドがあげられ
る。
【0022】また、(VII)式で示される有機アルミニウ
ム化合物のうち、代表的なものとしては、テトラエチル
ジアルモキサンおよびテトラブチルジアルモキサンのご
ときアルキルアルモキサン類があげられる。これらの有
機アルミニウム化合物のうちトリアルキルアルミニウム
類が好ましく、特にアルキル基の炭素数が多くとも6個
のトリアルキルアルミニウム類(たとえば、トリエチル
アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム)が好適で
ある。
【0023】予備重合においては、有機アルミニウム中
のAl原子と固体成分中のチタン原子の比率がAl/T
i=0.01〜0.1モル比となるような割合で用いる
のが好ましい。予備重合の温度は−20℃ないし60
℃、特に40℃とするのが好ましい。また、必要に応じ
て水素のような分子量調節剤を用いても良い。
【0024】本発明において使用される触媒系を得るに
当たり使用される三ハロゲン化アルミニウム、Si−O
結合を有する有機化合物およびマグネシウムアルコラー
ト、チタン系化合物ならびに前記有機アルミニウム化合
物はそれぞれ1種のみを使用してもよく、2種以上を併
用しても良い。
【0025】以上の方法によって得られる予備重合触媒
は一般には下記の方法によって精製される。すなわち、
予備重合触媒と未反応物との混合物は、反応時に使用し
た炭化水素溶媒または他の炭化水素溶媒を用いて、上澄
み液を傾斜法または濾過法により抜き取り、前記炭化水
素溶媒を使用して洗浄する。得られた予備重合触媒を含
有するスラリーを後記の反応器に供給する。また、洗浄
に使用した炭化水素溶媒を減圧下で除去した後、反応器
に供給後炭化水素溶媒を加えてスラリーとすることもで
きる。
【0026】上記の予備重合触媒を含有するスラリーは
30℃以下に冷却後、一般式R1 AlX2 (R1 はアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキ
ル基を、Xはハロゲン原子を示す)で表されるジハロゲ
ン化有機アルミニウム化合物で処理される。
【0027】ジハロゲン化有機アルミニウムの具体例と
してはメチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニ
ウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、
ヘキシルアルミニウムジクロリド、メチルアルミニウム
ジブロミド、エチルアルミニウムジブロミド、イソブチ
ルアルミニウムジブロミドなどがあげられるが、なかで
も上記アルキルアルミニウムジクロリドが好ましく用い
られる。
【0028】処理条件としては、処理温度を30℃以上
溶媒の沸点以下、好ましくは40℃以上90℃以下で、
処理時間を15分以上5時間以下、好ましくは30分以
上3時間以下で行われる。またジハロゲン化有機アルミ
ニウムと予備重合触媒中のチタン原子の比はAl/Ti
=2〜20モル比が好ましい。この比が2以下で得られ
た固体触媒成分を用いて製造されたエチレン系共重合体
は押出特性と溶融物性に劣る。この比が20以上で得ら
れた固体触媒成分を用いてエチレン共重合体を製造する
と活性が非常に低く、生産性が低下する。ジハロゲン化
有機アルミニウムで処理後、上記不活性炭化水素で洗液
中のハロゲン成分が検出されなくなるまで洗浄を行い、
固体触媒成分が得られる。
【0029】本発明において使用される触媒系は以上に
よって得られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物
から得られるものである。この触媒系を用いてエチレン
の単独重合またはエチレンとα−オレフィンとの共重合
を行うことによって本発明の重合を達成することができ
る。重合において使用される有機アルミニウム化合物
は、固体成分の予備重合で使用される有機アルミニウム
化合物と同様の化合物が用いられ、とりわけトリアルキ
ルアルミニウム類が好ましく、特に、アルキル基の炭素
数が多くとも6個のトリアルキルアルミニウム(たとえ
ば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム)が好適である。
【0030】上記のごとき触媒系を用いて、炭化水素溶
媒中で50〜100℃の温度でエチレンとα−オレフィ
ンとの共重合を行う。炭化水素溶媒としては、プロパ
ン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペン
タン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素および
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭
化水素が挙げられるが、重合後の後処理から易揮発性の
炭化水素溶媒、プロパン、n−ブタン、イソブタン、イ
ソペンタン、n−ペンタンなどが好ましい。
【0031】エチレンとの共重合に使用されるα−オレ
フィンとしては、炭素数が多くとも20個、好ましくは
12個の鎖状または分岐状のα−オレフィンから選ばれ
る。たとえば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネ
ン−1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチルペンテ
ン−1およびこれらの混合物などである。コモノマーの
含量は、通常0.2〜5重量%の範囲である。
【0032】重合反応は二段階に分けて単一もしくは複
数の反応器にて実施し、複数の反応器を用いて行う場合
は第一段の反応帯域で重合して得られた反応混合物を続
いて第二段の反応帯域に連続して供給する。第一段の反
応帯域より第二段の反応帯域への移送は、連絡管を通し
て行い、第二段反応帯域からの重合反応混合物の連続的
排出による差圧によりおこなわれる。易揮発性の炭化水
素溶媒を用いて多段重合を実施する場合には、水素濃度
の低い条件下でできる高分子量成分を第一段に、水素濃
度の高い条件下での低分子量成分を第二段に重合させる
ことがプロセス上必要である。
【0033】工業的に二段重合プロセスにて連続的に生
産する場合には、二つの重合帯域での重合比活性(固体
触媒成分、重合時間、エチレン分圧当たりの生成重合体
量をRspで表す)が理想から言えば同じであることが
望ましいが、分子量分布を広げる所期の目的に対して高
分子量成分をつくる比活性Rsp,Lと低分子量成分を
つくる比活性Rsp,Hとの活性比Rsp,L/Rs
p,Hが1に近いことが理想である。でなければできる
限りそれに近い値が望ましい。1に近ければ、それぞれ
の重合帯域で同じモノマー濃度、同じ程度の滞留時間に
て、生産量比に応じて余り比率の違わない容積比の反応
器を用いれば良いが、Rsp,Hが極端にRsp,Lに
比し低下すると、容積比に差を付けて活性の低下を別の
デザインや条件でカバーする必要が生じる。また、Rs
p,Hの絶対値が低いと、触媒残が多くなり、無脱灰プ
ロセスには適しない。またプロセス上もRsp,Hが低
いとエチレン濃度や滞留時間を高めることにより触媒効
率(productivity)を高めることが可能で
はあるが水素濃度の高い条件では、モノマー濃度を上げ
るとそれに付随して水素濃度も高まり、当然運転圧力も
上昇するデメリットがある。[η]=1の相対的に低分
子量のエチレン系重合体をつくる触媒の比活性(Rs
p,H)が800g/g・hr・kg/cm2 以上であ
り、かつ、[η]≧2.0の相対的高分子量重合体をつ
くる触媒の比活性(Rsp,L)と前記Rsp,Hとの
活性比が1<Rsp,L/Rsp,H<3の範囲を満た
す高活性触媒であれば限定するものではないが、特に上
記の触媒系が好ましい。
【0034】また、低分子量成分を第一段に、高分子量
成分を第二段にて重合体混合物を製造する場合には、た
とえば上記の触媒系を用いるとRsp,L/Rsp,H
=3になるが、他方その逆の順序にした場合、すなわ
ち、第一段に高分子量成分を、第二段に低分子量成分を
つくる場合には、Rsp,L/Rsp,H=1.2〜2
になり、両段階における活性比が非常に1に近づくこと
がわかった。この両面からも、第一段で高分子量成分を
つくり、第二段で低分子量成分をつくることが必要であ
る。
【0035】第一段においては、[η]≧2.0のエチ
レンとα−オレフィンとの共重合体を、液相中の水素濃
度のエチレン濃度に対する重量比で調節しながら、共重
合反応を行う。この液相中の水素のエチレンに対する濃
度比は、一般的に1.0×10-3(重量比)以下となる
ような水素の存在下にて行う。またこの第一段でつくら
れるエチレンとα−オレフィンとの共重合体は、[η]
が2.0以上の高分子量体で、共重合体中のα−オレフ
ィンの含有量は、0.2〜5重量%が一般的で、特に、
0.5〜2.5重量%が好ましい。
【0036】第二段においては、[η]が0.3〜1.
0の範囲のエチレンとα−オレフィンとの共重合体を液
相におけるエチレン濃度に対する水素濃度の濃度比を1
0〜50×10-3(重量比)に保ち、第一段から流れ込
む反応混合物中のα−オレフィンを共重合させて行う
か、必要に応じて第二段にα−オレフィンを供給しても
良い。従って第二段においては相対的に低分子量の、第
一段で生成するエチレンとα−オレフィンとの共重合体
のコモノマー含量より低い分岐度の共重合体を生成させ
ることになる。
【0037】第一段の高分子量共重合体および第二段の
低分子量重合体の全重合体混合物中の割合をそれぞれ3
0〜70重量%、70〜30重量%にするようにそれぞ
れの反応工程で重合を行う。第一段、第二段の重合は回
分式で行っても良いが、連続重合式で行うのが生産性の
面から望ましい。
【0038】本明細書において極限粘度[η]は、13
5℃、デカリン溶媒中での極限粘度を表す。極限粘度に
関する重量加成性が成り立つので、第二段反応帯域で生
成するエチレン重合体の[η]bは次式で求めることが
できる。 [η]b=([η]c−Wa[η]a)/Wb ただし、[η]cは全重合体の極限粘度、[η]aは第
一段反応帯域で生成するエチレン共重合体の極限粘度、
Wa、Wbはそれぞれ第一、第二両反応帯域で生成する
重合体の重量分率を示し、Wa+Wb=1.0である。
第一段で生成させる共重合体の[η]aは2.0以上
6.2以下の極限粘度を有し、また一方の第二段で生成
させる低分子量重合体の[η]bは0.40より大きく
0.75より小さい範囲の分子量が選ばれる。さらに、
全共重合体の分子量[η]cは2.0〜3.5の範囲で
あることが好ましい。また、第一段と第二段で生成する
重合体の割合は全重合体中の30〜70重量%が好まし
いが、特に第一段で生成する高分子量共重合体の割合は
40〜60重量%が、衝撃強度、耐環境応力亀裂性、成
形性の面から好ましい。
【0039】重合反応は、50℃〜100℃の温度に
て、20分〜10時間、その圧力は使用する溶媒にもよ
るが、0.5〜100Kg/cm2 の圧力下にて実施さ
れる。反応器のタイプは槽型(ベッセル型)でも環状型
(ループ型)でも良い。反応器の各段でもポリマー濃度
は5〜60重量%が一般的で、好ましくは35〜55重
量%が生産性の面からも適している。以上のようにして
得られた重合体は、次いで混練するのが好ましい。単軸
または二軸の押出機または、連続式混練機を用いるのも
良い。混練後、得られた重合体はフィッシュアイも少な
い。
【0040】
【実施例】次に実施例および比較例をあげ、本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、物性試験の方法は次の通り
である。重合体粉末を65mmφ、L/D=26、フル
フライトスクリュー押出機(50rpm,C1 =160
℃,C2 =200℃,C3 =220℃,D=210℃)
で混練し、ペレット化したサンプルを用いて物性測定を
した。密度測定はJIS−K−6760により測定し
た。溶融張力は東洋精機製作所製メルトテンションテス
ターII型により測定した。190℃の溶融樹脂を直径
2.095mm、長さ8.000mmのオリフィスから
17.9mm2 /secの流量で押出し、それを室温に
て108mm/secの速度で伸長固化させたときの張
力を溶融張力とした。押出量は吉井鉄工製50mmφイ
ンフレーション成形機により測定した。L/D=26の
フルフライトスクリューを用いたときの、スクリュー回
転数90rpmにおける1時間あたりの吐出量を押出量
とした。押出機先端には、直径750mm、リップギャ
ップ1.0mmのインフレーションフィルム用ダイスを
取り付けた。設定温度は、ホッパー下からシリンダー1
を240℃、シリンダー2を230℃、シリンダー3、
クロスヘッドおよびダイスは220℃とした。
【0041】実施例1 (1)触媒調製 直径が15.4mmの磁製ボール約260Kgを入れた
内容積が160Lのポット(粉砕用容器)に窒素雰囲気
で市販のマグネシウムエチラート(平均粒径860ミク
ロン)20Kg(17.5モル)、粒状の三塩化アルミ
ニウム1.66Kg(12.5モル)およびジエトキシ
ジフェニルシラン2.72Kg(10モル)を入れた。
これらを振動ボールミルを用い、振幅が8mmおよび振
動数が1200rpmの条件で4時間共粉砕を行った。
共粉砕後、内容物を窒素雰囲気下で磁製ボールと分離し
た。以上のようにして得られた共粉砕生成物20Kgお
よび80Lのn−ヘプタンを800Lの窒素置換した反
応器に加えた。撹拌しながら室温において41.6Lの
四塩化チタンを滴下し、反応系を90℃まで昇温し、9
0分間撹拌を続けた。ついで、反応系を冷却した後、上
澄み液を抜き取り、n−ヘキサンを加えた。この操作を
3回繰り返した。得られた固体成分を含有するスラリー
を一部抜き取り、溶媒を減圧除去して固体成分を分析し
たところ、固体成分中のTi含有量は11重量%、Cl
含量は59重量%であった。
【0042】400Lの窒素置換した反応器に上記固体
成分20Kgを含有するn−ヘキサンスラリーを220
Lおよびトリイソブチルアルミニウムを固体成分中のチ
タン原子に対してAl/Ti=0.03モル比となるよ
うに入れた。撹拌しながら40℃まで昇温後、水素分圧
が0.8Kg/cm2 となるように水素を加え、さらに
エチレン分圧が1.7Kg/cm2 となるようにエチレ
ンを加え、40分間予備重合を行った。水素およびエチ
レンの供給を止めた後、反応系を冷却してから上澄み液
を抜き取り、n−ヘキサンを加えた。この操作を3回繰
り返した。得られた予備重合触媒を含有するスラリーを
一部抜き取り、溶媒を減圧除去して予備重合触媒を分析
したところ、ポリエチレンの予備重合量は固体成分1g
あたり0.42g、Ti含有量は11重量%であった。
【0043】800Lの窒素置換した反応器に、上記予
備重合触媒20Kgを含有するn−ヘキサンスラリーを
400L入れ、30℃以下に冷却した。エチルアルミニ
ウムジクロライドを予備重合触媒中のチタン原子に対し
てAl/Ti=5モル比となるように加えた後、60℃
に昇温して2時間反応させた。室温に冷却後、n−ヘキ
サンで洗液中のハロゲン成分が検出されなくなるまで洗
浄し、固体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分を含
有するスラリーを一部抜き取り、溶媒を減圧除去して固
体触媒成分を分析したところ、ポリエチレンの予備重合
量は固体触媒成分1gあたり0.34g、Ti含有量は
10重量%、Cl含有量は60重量%であった。
【0044】(2)二段重合 内容積200Lの第一段重合器に脱水精製したイソブタ
ンを117L/hr、トリイソブチルアルミニウムを1
75mmol/hrの速度で、上記固体触媒成分を2.
55g/hrの速度で連続的に供給し、重合器内容物を
所要速度で排出しながら、80℃においてエチレンを2
1.0Kg/hr、ヘキセンー1を0.910Kg/h
rの速度で供給し、液相中の水素濃度0.35×10-3
(w/w)、ヘキセンー1の対エチレン濃度比を1.3
(w/w)に保ち、全圧41Kg/cm2 、平均滞留時
間を0.80hrの条件下で液充満の状態で連続的に第
一段共重合を行う。共重合で生成したエチレン・ヘキセ
ンー1共重合体を含むイソブタンのスラリー(重合体濃
度23重量%、重合体の極限粘度[η]は5.47、ヘ
キセン含有量は1.07重量%、共重合体密度は0.9
29g/cm3 )をそのまま内容積400Lの第二段重
合器に全量、内径50mmの連続管を通して導入し、触
媒を追加することなく、イソブタン55L/hrと水素
を供給し、重合器内容物を所要速度で排出しながら、9
0℃において、エチレンを23.7Kg/hrの速度で
供給し、エチレン濃度を1.20重量%、水素の対エチ
レン濃度比を15×10-3(w/w)に保ち、全圧を4
1.0Kg/cm3 、滞留時間を1.05hrの条件下
に第二段重合を行う。
【0045】第二段重合器からの排出物は、エチレン重
合体混合物を31重量%含み、該重合体の極限粘度
[η]は2.83、コモノマーのヘキセン−1含量は
0.71重量%であり、エチレン共重合体混合物の密度
は0.951g/cm3 であった。第一段と第二段の重
合体の生成割合は47:53に相当し、第二段重合器の
みで生成しているエチレン共重合体の極限粘度[η]は
0.50、ヘキセンー1含量は0.40重量%であり、
密度は0.965g/cm3 に相当する。インフレーシ
ョンフィルム成形における押出量は30.8Kg/h
r、フィルムの溶融張力は16.2gと優れ、押出特性
と溶融物性に優れたエチレン系共重合体が得られた。第
一段および第二段の比活性はそれぞれRsp,L=68
00g/g・hr・エチレン圧Kg/cm2 、Rsp,
H=4800g/g・hr・エチレン圧Kg/cm2
あった。
【0046】実施例2 実施例1(1)において、用いるエチルアルミニウムジ
クロライドの量をチタン原子に対してAl/Ti=15
モル比とする以外は実施例1と同様に固体触媒成分を調
製し、二段重合を行った。結果を表1に示す。押出特性
と溶融物性に優れたエチレン系共重合体が得られた。
【0047】比較例1 実施例1(1)において、用いるエチルアルミニウムジ
クロライドの量をチタン原子に対してAl/Ti=0.
5モル比とする以外は実施例1と同様に固体触媒成分を
調製し、二段重合を行った。結果を表1に示す。押出特
性と溶融物性に劣る結果となった。
【0048】比較例2 実施例1(1)において、用いるエチルアルミニウムジ
クロライドの量をチタン原子に対してAl/Ti=30
モル比とする以外は実施例1と同様に固体触媒成分を調
製し、二段重合を行った。結果を表1に示す。押出特性
と溶融物性には優れるが、重合活性は非常に低く、生産
性に劣る結果となった。
【0049】実施例3 実施例1(1)において、ジエトキシジフェニルシラン
のかわりにジメトキシジフェニルシランを用いる以外は
実施例1と同様に固体触媒成分を調製し、二段重合を行
った。結果を表1に示す。押出特性と溶融物性に優れた
エチレン系共重合体が得られた。
【0050】比較例3 実施例1(1)において、予備重合量を固体成分1gあ
たり500gとなるようエチレンで予備重合した予備重
合触媒を用いる以外は実施例1と同様に固体触媒成分を
調製し、二段重合を行った。結果を表1に示す。押出特
性と溶融物性に劣る結果となった。
【0051】実施例4 実施例1(1)において、四塩化チタンのかわりにブト
キシチタントリクロライドを用いる以外は実施例1と同
様に固体触媒成分を調製し、二段重合を行った。結果を
表1に示す。押出特性と溶融物性に優れたエチレン系共
重合体が得られた。
【0052】比較例4 実施例1(1)において、エチレンによる予備重合を全
く行わずに、固体成分をエチルアルミニウムジクロライ
ドで固体成分中のチタン原子に対してAl/Ti=5モ
ル比となるように処理する以外は実施例1と同様に固体
触媒成分を調製し、二段重合を行った。結果を表1に示
す。押出特性と溶融物性に劣り、さらに重合活性も非常
に低く、生産性に劣る結果となった。
【0053】実施例5 実施例1と同じ触媒、同じ重合反応器を用いて、コモノ
マーとしてヘキセン−1のかわりにブテン−1を用い
た。結果を表1に示す。押出特性と溶融物性に優れたエ
チレン系共重合体が得られた。
【0054】実施例6 実施例1と同じ触媒、同じ重合反応器を用いて、第一段
と第二段の重合体の生成割合を変えて二段重合を行っ
た。結果を表1に示す。押出特性と溶融物性に優れたエ
チレン系共重合体が得られた。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明を実施することにより、押出特性
と溶融物性に優れたエチレン系共重合体を製造すること
ができ、工業的に価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法における触媒調製のフローチ
ャート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧 哲也 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−71707(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/65 - 4/658

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンとα−オレフィンとを第1の重
    合帯域で高分子量成分を、第2の重合帯域で低分子量成
    分を重合する2段重合にてエチレン系共重合体を製造す
    るに当たり、(1)三ハロゲン化アルミニウム、Si−
    O結合を有する有機化合物およびマグネシウムアルコラ
    ートを共粉砕させることによって得られる共粉砕生成
    物、および(2)少なくとも一個のハロゲン原子を有す
    る四価のチタン化合物を液相にて接触させることによっ
    て得られる固体成分を有機アルミニウム化合物と組み合
    わせて予備重合量が固体成分1gあたり0.01〜10
    0gとなるようエチレンで予備重合した予備重合触媒
    を、一般式R1 AlX2 (R1 はアルキル基、シクロア
    ルキル基、アリール基およびアラルキル基を、Xはハロ
    ゲン原子を示す)で表されるジハロゲン化有機アルミニ
    ウム化合物で予備重合触媒中のチタン原子に対してAl
    /Ti=2〜20モル比の範囲で処理することにより得
    られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物からなる
    触媒系を用いるエチレン系共重合体の製造方法。
JP05766794A 1994-03-28 1994-03-28 エチレン系共重合体の製造方法 Expired - Fee Related JP3305486B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05766794A JP3305486B2 (ja) 1994-03-28 1994-03-28 エチレン系共重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05766794A JP3305486B2 (ja) 1994-03-28 1994-03-28 エチレン系共重合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07258327A JPH07258327A (ja) 1995-10-09
JP3305486B2 true JP3305486B2 (ja) 2002-07-22

Family

ID=13062269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05766794A Expired - Fee Related JP3305486B2 (ja) 1994-03-28 1994-03-28 エチレン系共重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3305486B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0217522D0 (en) * 2002-07-29 2002-09-04 Borealis Tech Oy Product
JP4749725B2 (ja) * 2005-01-17 2011-08-17 日本ポリエチレン株式会社 ポリエチレン系樹脂材料及びそれを用いた中空成形体
JP5016258B2 (ja) * 2005-05-23 2012-09-05 日本ポリエチレン株式会社 ポリエチレン樹脂・その製造方法並びにその樹脂を用いたパイプおよび継手
WO2006126547A1 (ja) 2005-05-23 2006-11-30 Japan Polyethylene Corporation ポリエチレン樹脂、その製造方法並びにその樹脂を用いたパイプおよび継手
JP4810340B2 (ja) * 2006-07-19 2011-11-09 日本ポリエチレン株式会社 プラスチック燃料タンク用溶着材料

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07258327A (ja) 1995-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4916099A (en) Solid catalyst component for olefin copolymerization and process for olefin copolymerization using said solid catalyst component
US4352915A (en) Process for the polymerization of ethylene
US6248831B1 (en) High strength polyethylene film
CN107207662B (zh) 用于生产聚乙烯的方法
US6887817B2 (en) Olefin polymerization catalyst and process for preparing polyolefins using said catalyst
JPS6334883B2 (ja)
WO1987000184A1 (en) Polyethylene composition
JP3305486B2 (ja) エチレン系共重合体の製造方法
JP3286649B2 (ja) エチレン系共重合体の製造方法
EP2681273B1 (en) Process for preparing polyethylene blend comprising metallocene produced resins and ziegler-natta produced resins
JPS58113212A (ja) オレフイン共重合体ゴムの製造方法
KR20140030090A (ko) 분별 용융 지수 폴리에틸렌 조성물 및 그로부터 제조된 필름
JPH04266911A (ja) α−オレフィンの立体特異重合に有用な触媒固体
JPS5811509A (ja) ポリオレフインの製造方法
JPH0632828A (ja) α−オレフィンの立体特異性重合用触媒系、その重合法及び得られたポリマー
JP3305485B2 (ja) エチレン系共重合体の製造方法
JPH10287707A (ja) オレフィン(共)重合体組成物及びその製造方法
JP3768327B2 (ja) エチレン系重合体
JPS58225105A (ja) 改良されたエチレン系重合体の製造方法
JPS6360766B2 (ja)
JP3686456B2 (ja) プロピレン系重合体および該重合体を用いた中空成形体
JPH0346003B2 (ja)
JP3413917B2 (ja) オレフィン(共)重合用固体触媒成分、該触媒成分からなる触媒及び該触媒を用いるオレフィン(共)重合体の製法
JP3652781B2 (ja) エチレン系重合体の連続重合法
JPH1143507A (ja) エチレン重合用固体触媒成分の製造方法及びエチレン重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090510

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees