JP3299471B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3299471B2 JP08579697A JP8579697A JP3299471B2 JP 3299471 B2 JP3299471 B2 JP 3299471B2 JP 08579697 A JP08579697 A JP 08579697A JP 8579697 A JP8579697 A JP 8579697A JP 3299471 B2 JP3299471 B2 JP 3299471B2
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雅穂 榎本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、衣料、衛生資材
用布帛に対して水膨潤性を有し、かつ耐光性、透湿性に
すぐれた皮膜を提供することのできる被覆用樹脂組成物
に係り、詳しくは、親水性ポリウレタン樹脂とポリイソ
シアネート架橋剤とからなり、主材である親水性ポリウ
レタン樹脂が、架橋可能な官能基をその末端と側鎖の双
に共存している樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、水膨潤性樹脂としては、ポリ
アクリル酸ソーダを主体とするアクリル系樹脂、ポリビ
ニルアルコール、デンプン、セルロース誘導体等の吸水
性水溶性樹脂やこれらと他の合成樹脂との混合樹脂が挙
げられるが、これらの水膨潤性樹脂は、何れも皮膜にし
た時の硬度、強度、弾性回復率や耐久性等の性能が不十
分であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、水膨潤性樹脂を
ポリウレタン樹脂系についてみると、ポリエチレングリ
コール等のエチレンオキサイド基を主体とするポリウレ
タン樹脂で架橋しないタイプ、あるいは末端にヒドロキ
シル基を有するポリエチレングリコール等のエチレンオ
キサイド基を主体とするポリウレタン樹脂でポリイソシ
アネート架橋するタイプがあるが、水膨潤性と耐光性を
両立させることは極めて難しいため、例えば水膨潤性の
性能を生かして衣料裏材用のような限定した用途に使用
されるだけであった。
【0004】この発明は、上記した従来の水膨潤性樹脂
組成物における問題点を解消して、衣料、衛生資材用布
帛に対して水膨潤性能にすぐれるとともに、耐光性能や
透湿性能にもすぐれた皮膜を付与することができる被覆
樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明のうち請求項1記載の発明は、分子内に
活性水素を2個有する単量体および分子内に活性水素を
3個以上有する多官能性単量体に有機ジイソシアネート
を反応させて得た末端および側鎖の双方に活性水素を官
能基として有する親水性ポリウレタン樹脂と、ポリイソ
シアネート架橋剤とよりなる衣料、衛生資材用布帛に対
する水膨潤性、耐光性および透湿性に優れた被覆用樹脂
組成物を特徴とするものである。
【0006】また、請求項2記載の発明は、請求項1に
おける末端および側鎖の双方に活性水素を官能基として
有する親水性ポリウレタン樹脂において、上記側鎖に活
性水素を付与するための分子内に活性水素を3個以上有
する多官能性単量体を、分子内に2個の活性水素を有す
る単量体の5〜70モル%用いることを特徴とするもの
である。
【0007】さらに、請求項3記載の発明は、請求項1
または2において得た樹脂組成物を用いた架橋フィルム
の水膨潤率が50〜300%であることを特徴とするも
のである。
【0008】要するに、この発明は、親水性ポリウレタ
ン樹脂の製造において、有機ジイソシアネートと反応さ
せる単量体として、分子内に活性水素を2個有する単量
体とともに分子内に活性水素を3個以上有する多官能性
単量体を併用することによって、架橋剤と結合可能な官
能基としての活性水素を末端と側鎖の双方に持たせたポ
リウレタン樹脂であって、この樹脂中の上記末端と側鎖
の活性水素をポリイソシアネートと反応させることで水
膨潤性、耐光性、透湿性にすぐれた三次元架橋構造の樹
脂組成物を得ることができるのである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明を詳細に説明する
と、この発明で目的とする水膨潤性、耐光性(耐光変色
および耐光劣化)および透湿性を満足させるためには、
末端と側鎖の双方に活性水素を有する親水性ポリウレタ
ン樹脂と架橋剤との架橋構造および架橋密度が特に重要
であることはいうまでもないが、水膨潤性能を十分なも
のとするには、親水性ポリウレタン樹脂の製造に当たっ
て、まず分子内に活性水素を2個有する単量体として平
均分子量400〜4000の親水性の大きいポリアルキ
レンエーテルグリコールや末端にヒドロキシル基を有す
るポリエステルポリールを用いることが好ましい。
【0010】そのようなポリアルキレンエーテルグリコ
ールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル、グリセリンプロピレンオキシド付加物、末端にエチ
レンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール、ビ
ニルモノマーグラフト化ポリエーテルポリオール等があ
り、また末端にヒドロキシル基を有するポリエステルポ
リオールとしては、エチレングリコール、ブチレングリ
コール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール
等のアルキレングリコール類と、コハク酸、グルタール
酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール
酸、フタル酸、トリメリット酸等のカルボン酸類とを末
端がヒドロキシル基となるように反応して得られるもの
がよい。さらには、ポリε−カプロラクトンポリオー
ル、ポリカーボネートジオール等の単独あるいは混合物
を用いることができる。
【0011】次に、この親水性ポリウレタン樹脂製造の
際に、側鎖に官能基としての活性水素を持たせるために
使用する、分子内に活性水素を3個以上有する多官能性
単量体としては、グリセリン、ペトリオール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリエタノー
ルアミン等の多価アルコール類、イミノビスプロピルア
ミン、トリエチレンテトラミン等の多価アミン類、ジエ
タノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等のア
ルコールとアミンの共存によって有機ジイソシアネート
との反応可能な活性水素を3個以上有する単量体を、単
独または混合して使用することができる。
【0012】有機ジイソシアネートとしては、2,4−
及び2,6−トルイレンジイソシアネート、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の
芳香族系ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネート、シクロヘキシルメタン−4,4′−ジ
イソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,
5′−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、2,
6−ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族系
ジイソシアネートがあり、これらを単独あるいは混合し
て使用すればよい。但し、耐光性能の中でも、特に耐光
変色性を重視する場合には、脂肪族系ジイソシアネート
を用いることが好ましく、芳香族系ジイソシアネートを
用いる時には紫外線吸収剤等の光変色防止剤の添加が望
ましい。
【0013】上記した単量体と有機ジイソシアネートと
の反応においては、必要に応じて硬度調整剤および/ま
たは鎖延長剤としてヒドラジン、エチレンジアミン、テ
トラメチレンジアミン、水、無水ピペラジン、3−アミ
ノメチル−3,5,5′−トリメチルシクロヘキシルア
ミン、エチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキ
シレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール等を単独あるい
は混合して用いることができる。
【0014】また、上記で得られる親水性ポリウレタン
樹脂は、必要に応じてフッ素、アミノ酸、シリコーン等
のモノマーと共重合した変性ポリウレタン樹脂、あるい
はこれらの樹脂との混合物としたものでもよい。
【0015】この発明における末端と側鎖の双方に活性
水素を有する親水性ポリウレタン樹脂は、上記した素成
分を用いて、末端にイソシアネート基が残存しないよう
に配合し、反応させた平均分子量が30000〜120
000の範囲のものが望ましく、その配合において、側
鎖に活性水素を持たせるために使用する分子内に3個以
上の活性水素を有する多官能性単量体の使用量として
は、分子内に活性水素を2個有する単量体の量の5〜7
0モル%(好ましくは20〜50モル%)であることが
望ましい。
【0016】これは、分子内に活性水素を2個有する単
量体に対する分子内に3個以上の活性水素を有する多官
能性単量体の量が5モル%より少ない場合は、得られた
樹脂溶液中における架橋剤と反応する側鎖の活性水素が
少なく、この発明が特徴とする水膨潤性、耐光性、透湿
性をすべて具有させることが難しい。また、70モル%
より多く用いると、得られた樹脂溶液の架橋密度が高す
ぎて、液安定性、液粘性、溶媒に対する溶解性などに難
点が生じ、水膨潤性が著しく低下するためである。
【0017】上記の素成分にて親水性ポリウレタン樹脂
を得る際に使用する有機溶剤としては、メチルエチルケ
トン(MEK)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ト
ルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、sec−
ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、シク
ロヘキサノン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等を単
独または混合して使用すればよい。
【0018】この発明で、親水性ポリウレタン樹脂の末
端および側鎖の双方に有する官能基としての活性水素と
結合させて三次元架橋構造の親水性ポリウレタン樹脂溶
液を得るために使用する架橋剤としては、トリメチロー
ルプロパンとジイソシアネートよりなるポリイソシアネ
ートアダクト体、ジイソシアネートをイソシアヌレート
変性したポリイソシアヌレート体、あるいはこれらポリ
イソシアネート類をオキシム類、フェノール類でブロッ
ク化したブロックイソシアネート類の単独または混合物
が用いられる。また、このようなポリイソシアネート類
のほかに、メトキシメチロール化メラミン、メトキシメ
チル尿素などのアミノプラスト類を架橋剤として用いて
もよく、これらは単独または混合して使用すること
きる。
【0019】そして、これら架橋剤の使用量としては、
末端および側鎖の双方に活性水素を有する親水性ポリウ
レタン樹脂の固形分100重量部に対して1重量部以下
では架橋密度が小さくて耐光性が向上せず、また70重
量部より多いと、架橋密度が大きすぎて水膨潤性、弾性
が損なわれることから1〜70重量部(好ましくは3〜
20重量部)が適当である。
【0020】なお、この発明で親水性ポリウレタン樹脂
の末端および側鎖の双方に有する活性水素とは、ポリイ
ソシアネート架橋剤と反応可能な活性水素であって、水
酸基、カルボキシル基、アミノ基等の形で有するもので
ある。
【0021】上記したような素成分によって得た末端お
よび側鎖の双方に活性水素を有する親水性ポリウレタン
樹脂に架橋剤を加えて架橋反応させることにより、
料、衛生資材用布帛に対して水膨潤性がよく、かつ耐光
性、透湿性にすぐれた皮膜を形成する樹脂組成物が得ら
れるが、水膨潤性は水膨潤率として50〜300%(好
ましくは60〜200%)であることが望ましい。これ
は、水膨潤率が300%より大きいと、たとえ末端と側
鎖の双方で架橋反応がなされているとしても、主鎖の長
さに対する架橋密度が小さいために、耐光性が芳しくな
い。また、50%より小さい場合は、この発明の特徴と
する水膨潤性が不十分である。
【0022】上記した水膨潤率は、上記の樹脂組成物を
硬化後の厚さが40μmとなるように離型紙上に塗布
し、80℃×10分、120℃×10分の乾燥を行って
から60℃で96時間熟成を行って硬化フィルムを得、
離型紙を取り除いたのち、一辺が5cmの正方形に切り
取ったフィルムを試料として用い、この試料フィルムを
25℃の純水中に1時間浸漬させたのち取り出し、浸漬
によって膨潤した各辺の長さの積を膨潤後のフィルムの
面積として、次の数式1により算出した。
【0023】
【数1】
【0024】このようにして得られるこの発明の樹脂組
成物は、水膨潤性、耐光性、透湿性などの諸性能を兼ね
備えていることから、透湿衣料、手袋、衛生資材など
布帛の被覆用として、そのほかインクジェット印刷用プ
ライマーとして用いることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例によりこの発明をさらに詳細に
説明するが、この発明はこれらの実施例によって何ら限
定されるものではない。なお、実施例中の部数は全て重
量部である。
【0026】実施例1 両末端にヒドロキシル基を有する平均分子量2000の
ポリカーボネートジオール200部、同じく平均分子量
2000のポリエチレングリコール800部、ヘキシレ
ングリコール59部を配合し、窒素気流下で均一に混合
した。次いで、この混合物にジシクロヘキシルメタン−
4,4′−ジイソシアネート524部を加えて110℃
で3時間加熱した後、DMF1605部、MEK240
8部を加え、さらにアミノエチルエタノールアミン52
部、3−アミノメチル−3,5,5′−トリメチルシク
ロヘキシルアミン85部を加えて加熱反応を行ない、モ
ノエタノールアミンを用いて反応液中のイソシアネート
残基を封鎖し、末端および側鎖に活性水素を有する親水
性ポリウレタン樹脂溶液を得た。この溶液の粘度は30
%濃度で29000cps/30℃であった。
【0027】上記で得た親水性ポリウレタン樹脂溶液1
00部にMEK30部、トリメチロールプロパンとジイ
ソシアネートとよりなるポリイソシアネート(日本ポリ
ウレタン工業社製、コロネートHL)3部を均一に混和
した後、この混和液を離型紙(味の素社製、DNTP−
NML)上に乾燥フィルム膜厚が40μになるようにコ
ーティングして乾式フィルムを得た。
【0028】比較例1 実施例1で得た、末端および側鎖に活性水素基を有する
親水性ポリウレタン樹脂溶液100部にMEK30部を
混和したのち、実施例1と同様にして乾式フィルムを得
た。
【0029】実施例2 両末端にヒドロキシル基を有する平均分子量2000の
エチレンジエチレンアジペート100部、両末端にヒド
ロキシル基を有する平均分子量4000のポリエチレン
グリコール1200部、ブチレングリコール58.5部
を配合し、窒素気流下で均一に混合した。次いで、この
混合物に3−イソシアネートメチル−3,5,5′−ト
リメチルシクロヘキシルイソシアネート444部を加え
て120℃で2.5時間加熱した。さらにDMF178
0部、MEK2670部、ジエタノールアミン105部
を加えて加熱し、この溶液を抽出して粘度を測定し、3
0%濃度で20000cps/30℃に達した時点でモ
ノエタノールアミンを加えて反応溶液中のイソシアネー
ト残基を封鎖し、末端および側鎖の双方に活性水素を有
する親水性ポリウレタン樹脂溶液を得た。
【0030】上記で得た親水性ポリウレタン樹脂溶液1
00部にMEK30部、ジイソシアネートをイソシアヌ
レート変性したポリイソシアヌレート型のポリイソシア
ネート(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHX)
2部を均一に混和した後、この混和液を離型紙上に乾燥
フィルム膜厚が40μになるようにコーティングして乾
式フィルムを得た。
【0031】比較例2 両末端にヒドロキシル基を有する平均分子量2000の
エチレンジエチレンアジペート100部、両末端にヒド
ロキシル基を有する平均分子量4000のポリエチレン
グリコール1200部、ブチレングリコール58.5部
を配合し、窒素気流下にて均一に混合した。次いで、こ
の混合物に3−イソシアネートメチル−3,5,5′−
トリメチルシクロヘキシルイソシアネート444部を加
えて120℃で2.5時間加熱したのち、さらにDMF
1780部、MEK2670部、無水ピペラジン86部
を加えて加熱し、30%濃度で23000cps/30
℃の粘度に達した時点でモノエタノールアミンにて反応
溶液中のイソシアネート残基を封鎖して末端に活性水素
を有する親水性ポリウレタン樹脂溶液を得た。
【0032】上記で得た親水性ポリウレタン樹脂溶液を
用いて実施例2と同様にして乾式フィルムを得た。
【0033】参考例 両末端にヒドロキシル基を有する平均分子量3000の
ポリエチレングリコール1200部、ヘキシレングリコ
ール106.2部、DMF624部を配合し、窒素気流
下で均一に混合した。次いでこの混合物に4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート150部を加えて70
℃で2時間加熱した。その後、反応液中のイソシアネー
トが無くなったことを確認してから、3−イソシアネー
トメチル−3,5,5′−トリメチルシクロヘキシルイ
ソシアネート310.8部を加えて115℃で2時間加
熱した後、さらにDMF1129部、MEK2629
部、グリセリン9.2部、3−アミノメチル−3,5,
5′−トリメチルシクロヘキシルアミン102部を加え
て加熱を行い、30%濃度で29000cps/30℃
に達した時点でモノエタノールアミンにて反応液中のイ
ソシアネート残基を封鎖し、末端および側鎖の双方に活
性水素を持った親水性ポリウレタン樹脂溶液を得た。
【0034】上記で得た親水性ポリウレタン樹脂溶液1
00部にMEK30部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤(日本チバガイギー社製、チヌビンP)0.1部、
変性メトキシメチロール化メラミン樹脂(三井東圧化学
社製、ユーラミンT−21)5部、P−トルエンスルホ
ン酸0.1部を加えて均一に混和したのち、この混和液
を用いて実施例1と同様にして乾式フィルムを得た。
【0035】比較例3 両末端にヒドロキシル基を有する平均分子量4000の
ポリエチレングリコール2400部、エチレングリコー
ル24.8部を配合し、窒素気流下で均一に混合した。
次いで、この混合物に3−イソシアネートメチル−3,
5,5′−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート2
22部、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート16
8部を加えて110℃で3時間加熱した。その後、DM
F4142部、MEK2762部、ジエタノールアミン
42部、3−アミノメチル−3,5,5′−トリメチル
シクロヘキシルアミン102部を加えて加熱した。そし
て、30%濃度で25000cps/30℃の粘度に達
した時点でモノエタノールアミンにて溶液中のイソシア
ネート残基を封鎖し、末端および側鎖に活性水素を有す
る親水性ポリウレタン樹脂溶液を得た。
【0036】この親水性ポリウレタン樹脂溶液100部
にMEK30部、多官能ポリイソシアネート(日本ポリ
ウレタン工業社製、コロネートHL)2部を均一に混和
したのち、この混和液を用いて実施例1におけると同様
にして乾式フィルムを得た。
【0037】上記実施例1〜2、参考例および比較例1
〜3で得た乾式フィルムは、これらを80℃×10分、
120℃×10の乾燥を行った後、60℃×96時間
の熟成をして硬化フィルムとした。そして、これらの硬
化フィルムを離型紙から剥がし、上述した方法による水
膨潤率の測定および耐光性の測定を行った。その結果は
表1に示した。
【0038】なお、耐光性は、試料フィルムをフェ−ド
メーター(ブラックパネル温度83℃)中にて100時
間照射したのち、その変色度合いをJIS L 084
4の変褪色用グレースケールを用いて5段階評価する耐
光変色性、および上記100時間照射後のフィルムにつ
いて視感、触感にて判定する耐光劣化性について行っ
た。耐光劣化性は、5:異常なし、4:僅かにひび割
れ、粘着あり、3:部分的にひび割れ、粘着あり、2:
かなりひび割れ、粘着あり、1:全面にひび割れ、粘着
あり、の5段階で判定した。
【0039】
【表1】
【0040】表1から、この発明の実施例1〜2および
参考例で得た架橋硬化フィルムは、何れも水膨潤性とと
もに耐光変色性、耐光劣化性などの耐光性においても良
好な結果を示した。これに対して比較例1によるフィル
ムは非架橋タイプであり、水膨潤性はよいものの、フェ
ードメーター100時間照射後のフィルムの耐光劣化が
大きかった。また、比較例2は末端のみポリイソシアネ
ート架橋されたフィルムであり、架橋密度が小さく耐光
劣化が全面に認められた。比較例3の硬化フィルムは末
端および側鎖でポリイソシアネート架橋されてはいるも
のの、主鎖の長い構造でフィルム自体が柔らかいため、
水膨潤性が大きすぎ、かつ耐光劣化も芳しくなかった。
【0041】実施例3 実施例1で得た末端と側鎖の双方に活性水素を有する親
水性ポリウレタン樹脂溶液100部にMEK30部、メ
チルエチルケトオキシムでブロック化したポリイソシア
ネートアダクト体(日本ポリウレタン工業社製、B−2
507)5部を加えて均一に混和した混和溶液を、離型
紙上に乾燥フィルム膜厚が10μになるようにコーティ
ングし、100℃で2分間加熱して乾式フィルムを作成
した。次に、この乾式フィルムの上にポリウレタン系二
液接着剤として、ポリウレタン樹脂(セイコー化成社
製、ラックスキンUD−108)100部とポリイソシ
アネート(日本ポリウレタン工業社製、コロネートH
L)8部、トルエン20部を混和した溶液を32メッシ
ュのグラビヤプリンターにて塗工し、100℃で1分間
乾燥したのち、ナイロン平織物をラミネートした。その
後、150℃で2分間加熱し、さらに60℃×48時間
の熟成を行ってから冷却して離型紙を剥離し、乾式衣料
用の透湿性防水布帛を得た。
【0042】かくして得られた防水布帛のJIS L
1099A−1法によって測定した透湿度は7200g
/m2 ・24hrs、またJIS L 1092B法の
静水圧法に準拠した耐水圧は1.47kgf/cm2
良好な値を示した。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、末端
と側鎖の双方に活性水素を官能基として共存する親水性
ポリウレタン樹脂と架橋剤とよりなる樹脂組成物とした
ことによって、この樹脂組成物を用いた架橋硬化フィル
ムは、水膨潤性で透湿性にすぐれ、かつ耐光性も良好な
ことから、衣料用、衛生資材用の用途に極めて好適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭47−27240(JP,A) 特開 昭55−58278(JP,A) 特開 昭60−133020(JP,A) 特開 昭62−227915(JP,A) 特開 平2−292322(JP,A) 特開 昭51−119038(JP,A) 特開 昭50−27828(JP,A) 特表 昭61−500174(JP,A) 特表 昭61−500173(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 175/04 C08G 18/00 - 18/87 C08L 75/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に活性水素を2個有する単量体お
    よび分子内に活性水素を3個以上有する多官能性単量体
    に有機ジイソシアネートを反応させて得た末端および側
    の双方に活性水素を官能基として有する親水性ポリウ
    レタン樹脂と、ポリイソシアネート架橋剤とよりなるこ
    とを特徴とする衣料、衛生資材用布帛に対する水膨潤
    性、耐光性および透湿性に優れた被覆用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 末端および側鎖の双方に活性水素を官能
    基として有する親水性ポリウレタン樹脂において、上記
    側鎖に活性水素を付与するための分子内に活性水素を3
    個以上有する多官能性単量体を、分子内に2個の活性水
    素を有する単量体の5〜70モル%用いることを特徴と
    する請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記樹脂組成物よりなる架橋フィルムの
    水膨潤率が50〜300%であることを特徴とする請求
    項1または2記載の樹脂組成物。
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