JP3285046B2 - ヒドロキシピバリン酸エステルの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシピバリン酸エステルの製造方法

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JP3285046B2 JP23007392A JP23007392A JP3285046B2 JP 3285046 B2 JP3285046 B2 JP 3285046B2 JP 23007392 A JP23007392 A JP 23007392A JP 23007392 A JP23007392 A JP 23007392A JP 3285046 B2 JP3285046 B2 JP 3285046B2
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロキシピバルアル
デヒドとアルコールからヒドロキシピバリン酸エステル
を電解製造する方法に関する。ヒドロキシピバリン酸エ
ステルは、医薬、農薬やポリエステル等の各種化合物合
成用の中間原料として工業的に有用なものである。
【0002】
【従来の技術】電解反応によりアルデヒドとアルコール
からカルボン酸エステルを合成する方法は、特公昭43
−14683号、及びJ. Org. Chem.,vol.53
(1988),p218 に示されている。これらの方法では、電解
質としてアルカリ金属アルコラートが使用されている。
アルカリ金属アルコラートの使用は、水、空気等によっ
て分解する不安定な物質であり取扱にくいことに加え
て、電解過程や生成物分離の蒸留工程において原料アル
デヒドの存在に起因するアルドール縮合やカニッツァロ
反応等の副反応を誘起し、目的とするエステルの収率を
低下させる等の欠点がある。特に後述の不都合を回避す
るには、電解終了後はアルカリ金属アルコラートを中和
等操作により速やかに分解する必要があり、そのために
工程が複雑化すると共に、電解質の回収、 再使用が不可
能となる等、更なる実用上の不都合が生ずる等、公知法
には改善すべき点が多々存在する。また、公知法におけ
る電解反応では、白金電極の使用、及びハロゲン酸塩電
解質の使用が一般的であるが、特に白金陽極、ハロゲン
酸塩電解質なる系においては電解による電極の消耗が極
めて著しく、定常的な電解反応が困難となるばかりでな
く、高価な白金電極の消耗という点で工業的には好まし
くない。更にまた、これら公知法をヒドロキシピバルア
ルデヒドとアルコールからヒドロキシピバリン酸エステ
ル合成に適用した場合には、ヒドロキシピバリン酸エス
テルへの選択性は充分とは云えないものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術における上述の如き課題を解決し、穏和な条件下で
ヒドロキシピバルアルデヒドとアルコールから一段でヒ
ドロキシピバリン酸エステルを効率よく電解製造する方
法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、白金陽極及びア
ルカリ金属アルコラートを使用せずに、炭素材質の陽極
(以下、炭素陽電極と称す)と中性ハロゲン酸塩の支持
電解質とを組み合わせた系においてヒドロキシピバルア
ルデヒドとアルコールの電解反応を行うことにより、ヒ
ドロキシピバリン酸エステルを効率良く合成できること
を見い出し、本発明に到達した。本発明におけるヒドロ
キシピバリン酸エステルの生成反応は、下式によって表
すことができる。
【0005】
【化1】HC(O)-C(CH3)2-CH2OH + ROH → RO-C(O)-C(C
H3)2-CH2OH + 2H + + 2 e - 本発明で用いられるアルコールは: 一般式ROHで表さ
れ、R基はアルキル基を示し、例としてメチル、エチ
ル、nー プロピル、iー プロピル、2ー ホルミル- 2ー
メチルー プロピル、ベンジル基などが挙げられる。
【0006】本発明で用いられる炭素陽電極は、通常の
電極反応に用いられるような炭素からなる導電体であれ
ば良く、黒鉛、無定形炭素等を種々の方法で成形したも
のやグッラシーカーボンなどが使用できる。これらの電
極の形状については、特に制限はない。本発明で用いら
れる溶媒は、ヒドロキシピバルアルデヒド、アルコー
ル、支持電解質を溶解できるものであれば良く、その例
としてはアセトニトリル、ジメチルホルムアミド等が挙
げられる。これらの溶媒にヒドロキシピバルアルデヒ
ド、アルコールを溶解させるか、またはアルコールその
ものを溶媒としてヒドロキシピバルアルデヒドを溶解さ
せ使用することができる。溶媒中に水が含まれると電解
により酸素が発生し、アルデヒドの酸素酸化等の副反応
が進行するため、含水量は極力少ないことが望ましい。
【0007】本発明で用いられる支持電解質は、中性の
ハロゲン酸塩で、且つ電解溶媒に溶解するものであれば
特に制限はなく、カチオンの例としては周期律表第1A
族元素のイオン、四級アルキルアンモニウムカチオン等
が、またアニオンの例としては塩素イオン、臭素イオ
ン、ヨウ素イオン等が挙げられ、これらのカチオンとハ
ロゲンアニオンの組み合わせによるハロゲン酸塩を用い
ることができる。ハロゲンイオンの中では、特にヨウ素
イオンがヒドロキシピバリン酸エステルへの高選択性を
得るためには有効である。
【0008】本発明に使用される電解室は、隔膜型、無
隔膜型等いずれのタイプのものでもよい。隔膜型電解室
を用いる場合には、ヒドロキシピバルアルデヒドを陽極
液にのみ溶解させ電解を行う。この時の陰極及び隔膜に
ついては、通常の電解反応に用いられるものであれば特
に制限はない。無隔膜型電解室を用いる場合には、水素
過電圧の高い電極を陰極に用いるとネオペンチルグリコ
ールの副生が多くなるため、陰極としては水素過電圧の
低い電極を用いる事が望ましい。例としては白金、炭
素、銅等が挙げられる。電極対の形状や配置について
は、通常の電解反応に用いられるものを使用することが
できる。特に陽極と陰極の間隔は、電流及び電圧効率を
良くするために極力小さいことが望ましく、キャピラリ
ーギャップセル等の使用が実用的である。
【0009】本発明における電解温度、電解圧力、及び
電流密度等の条件は、特に制限はないが、実用的な観点
からは、それぞれ0〜80℃、1〜10気圧、1〜25
A/dm2 程度であることが好ましい。また、電解溶媒
中のヒドロキシピバルアルデヒド、アルコール、支持電
解質の濃度は、実用上、溶媒1kg当たりヒドロキシピ
バルアルデヒド10g〜1. 2kg、アルコール10g
〜1. 2kg、支持電解質1〜200g程度であること
が望ましい。 溶媒にアルコールそのものを用いる場合
には、アルコール1kg当たりヒドロキシピバルアルデ
ヒド10g〜1. 2kg、支持電解質1〜150g程度
であることが望ましい。
【0010】
【発明の効果】電極反応を適用し、ヒドロキシピバルア
ルデヒドとアルコールからヒドロキシピバリン酸エステ
ル合成するに際し、炭素陽電極という廉価な材質と中性
ハロゲン酸塩を使用することによって、電解反応過程で
の電極の耐摩耗性が向上し、且つ効率良くヒドロキシピ
バリン酸エステルを製造することが可能となった。
【0011】
【実施例】以下に、実施例に基づき本発明を具体的に説
明する。但し本発明はこれらの実施例に制限されるもの
ではない。次の値の計算に際しては下式を用いた。
【0012】実施例1 250mlのセパラブルフラスコの中に、メタノール1
80g、ヒドロキシピバルアルデヒド20.4g、ヨウ
化テトラエチルアンモニウム3.6gを混合した。幾何
表面積が約15cm2 の円盤状の炭素電極2枚を極間距
離4mmで固定した電極対を2セット用意し、各セット
を単極式に結線し、上記の電解液中に浸した。電流密度
6.8A/dm2 、定電流制御で通電した。電解反応中
は、電解電圧は12〜15Vの値であった。液の撹拌
は、マグネッチクスターラーで行い水浴によって電解液
の温度を約10〜20℃に保った。結果を表1に示す。
【0013】実施例2 臭化ナトリウム1.5gを支持電解質として用い、実施
例1の装置、及び電極対を用い、同様の条件で電解反応
を行った。結果を表1に示す。実施例3 ヨウ化ナトリウム2.0gを支持電解質として用い、実
施例1の装置、及び電極対を用い、同様の条件で電解反
応を行った。結果を表1に示す。なお、この時の炭素電
極の電解による消耗量は、生成ヒドロキシピバリン酸メ
チル単位キロ重量当たり0.9g以下であった。
【0014】比較例1 支持電解質としてヨウ化ナトリウム1.5g,ナトリウ
ムアルコラート0.7gを用いて、チタン板上に白金メ
ッキしたもの2枚を陽極としてセットし、実施例3と同
じ手法、及び装置を用い、同様の条件で電解反応を行っ
た。結果を表1に示す。 なお、この時の陽電極の電解
による消耗量は、生成ヒドロキシピバリン酸メチル単位
キロ重量当たり18.7gであった。
【0015】
【表1】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシピバルアルデヒドとアルコー
    ルから電解反応によりヒドロキシピバリン酸エステルを
    一段で電解合成するに際し、炭素材質からなる陽極と
    性ヨウ素酸塩を支持電解質として用いることを特徴とす
    るヒドロキシピバリン酸エステルの電解製造方法。
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