JP3281464B2 - ストレッチ包装用フィルム - Google Patents

ストレッチ包装用フィルム

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JP3281464B2
JP3281464B2 JP26503393A JP26503393A JP3281464B2 JP 3281464 B2 JP3281464 B2 JP 3281464B2 JP 26503393 A JP26503393 A JP 26503393A JP 26503393 A JP26503393 A JP 26503393A JP 3281464 B2 JP3281464 B2 JP 3281464B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストレッチ包装用フィ
ルムに係わり、特に、ヘイズ(透明性),グロス(光
沢),クラリティ(透視性),変形回復性,中間層の耐
熱性の良好なストレッチ包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ストレッチ包装用フィルムは、
青果物,鮮魚,鮮肉,惣菜等の食品包装やダンボール,
缶,瓶,建材等の集積包装に使われてきた。その中で特
に、食品を直接またはプラスチックトレー上に載せてス
トレッチ包装するフィルムとしては、次に示すような特
性が要求される。 (1)商品価値の向上(ディスプレイ効果)のための透
明性,光沢,透視性 (2)鮮度保持と水分を多く含んだ食品のディスプレイ
効果のための通気性と防曇性 (3)商品の乾燥防止と鮮度維持のための水蒸気透過性 (4)包装をタイトに維持するための自己粘着性とヒー
トシール性 (5)タイトな包装を得るための均一な伸び特性と変形
回復性 (6)ストレッチ包装の作業性向上のための包装機械適
【0003】従来、このような特性を満たすフィルムと
しては、可塑化ポリ塩化ビニルフィルムが使われてき
た。しかし、可塑化ポリ塩化ビニルフィルムは大量の可
塑剤を使用しているため、水蒸気透過性が大きく、可塑
剤が被包装物に移行し易いという問題があった。また、
耐寒性に劣るため包装物を低温で保存する場合に、フィ
ルムが硬く脆くなって破れ易くなるという欠点がある。
【0004】さらに、フィルムの使用後の処理に関し
て、可塑化ポリ塩化ビニルフィルムは可塑剤が廃棄後に
フィルムから流出しやすく、流出した可塑剤は海や河川
を汚染する可能性がある。また、ゴミ処理場で焼却する
際に、塩化水素ガスを発生するため、焼却炉に特殊な処
理設備が必要であり、家庭で焼却される場合には、放出
される有毒ガスが直接健康上好ましくなく、さらに、酸
性雨の促進に寄与しているという問題があった。
【0005】これらの問題を解決するストレッチ包装用
フィルムとして、ポリプロピレン系樹脂および低結晶性
エチレン−α−オレフィン共重合体を配合してなる中間
層の両面にエチレン−酢酸ビニル共重合体を積層した多
層フィルムが提案されている(特開昭60−17114
8号公報参照)。しかしながら、この多層フィルムにつ
いては、縦横の物性バランスが取り難く切れ性等に劣
り、さらに最も重要な、充分な変形回復性を有していな
いという問題があった。
【0006】さらに、エチレン及び炭素数4〜8のα−
オレフィンの中から選ばれた少なくとも一種のα−オレ
フィンとプロピレンとのランダム共重合体であって、α
−オレフィン単位含有量が4〜19重量%で、メルトフ
ローレートが1〜10g/10分である樹脂を主成分と
する層の両面に、酢酸ビニル単位含有量が5〜25重量
%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を主成分とする
層を積層した、全厚みが6〜40μmであるストレッチ
包装用フィルムが提案されている(特開昭61−446
35号公報参照)。しかしながら、このストレッチ包装
用フィルムについても、フィルム物性の縦横のバランス
が取り難く切れ性等に劣り、さらに、中間層の耐熱性と
変形回復性のバランスが充分でないという問題があっ
た。
【0007】これらのストレッチ包装用フィルムは、包
装後の熱板ヒートシール時に溶融して穴があくことのな
いように、表面層より中間層に融点の高い組成物を用い
ることによって、中間層の耐熱性を高め、ヒートシール
温度範囲が広くなるように図られている。しかしなが
ら、中間層の耐熱性を高める反面、ストレッチ包装に必
要な変形回復性が低下してしまい、また、適度なバラン
スを図るために低結晶性エチレン−α−オレフィン共重
合体等のゴム成分を多く配合していくと光学特性が低下
する等の問題がある。
【0008】このように、多くのストレッチ包装用フィ
ルムが提案されているが、ヘイズ(透明性),グロス
(光沢),クラリティ(透視性),変形回復性,中間層
の耐熱性等の要求特性を同時に満足し、しかも廃棄処理
や食品衛生上問題のないストレッチ包装用フィルムは未
だ提案されていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明における課題
は、特に、ヘイズ(透明性),グロス(光沢),クラリ
ティ(透視性),変形回復性,中間層の耐熱性に優れた
ストレッチ包装用フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の従来
のフィルムの問題点を解消し、特に、ヘイズ(透明
性),グロス(光沢),クラリティ(透視性),変形回
復性,中間層の耐熱性に優れたストレッチ包装用フィル
ムを開発するべく研究を重ねた。その結果、特定の組成
物をビスブレークした組成物を中間層とした積層フィル
ムが、上記目的にかなうフィルムであることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。
【0011】すなわち本発明は、少なくとも三層構造か
らなる積層フィルムであって、該フィルムの両側の表面
層(A層)が、直鎖状低密度ポリエチレン,エチレン以
外の単量体の含有量が5〜25重量%であるエチレン−
酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリル酸エチル共重
合体,エチレン−アクリル酸メチル共重合体,エチレン
−アクリル酸共重合体,エチレン−メタアクリル酸共重
合体,エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体,エチ
レン−メタアクリル酸エチル共重合体,アイオノマー樹
脂の中から選ばれた少なくとも一種のエチレン系共重合
体からなり、前記表面層(A層)より中心側の層(B
層)が、結晶性ポリプロピレン(B1 )と、エチレンお
よび炭素数が4〜12のα−オレフィンの中から選ばれ
た少なくとも一種のα−オレフィンとプロピレンとの共
重合体であって、α−オレフィンの含有量が10重量%
以上90重量%以下である共重合体(B2 )からなり、
パーオキサイドによりビスブレークして、ビスブレーク
前の230℃のメルトフローレート(MFR1 )とビス
ブレーク後の230℃のメルトフローレート(MFR
2 )の比(MFR2 /MFR1 )が1.1〜15である
組成物(B3 )からなることを特徴とするストレッチ包
装用フィルムを提供するものである。
【0012】本発明のストレッチ包装用フィルムは、少
なくとも三層構造の積層フィルムであって、その両側の
表面層が(A層)、この(A層)より中心側の層が(B
層)である。すなわち、本発明のストレッチ包装用フィ
ルムの基本的な構造は(A層)/(B層)/(A層)と
なるが、(A層)と(B層)の間あるいは(B層)の間
に複数の層を設けてもよい。
【0013】本発明の表面層(A層)において使用する
直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンとα−オレフィ
ンとの共重合体であり、好ましくは密度が、0.860
〜0.930g/cm3 、さらに好ましくは0.860
〜0.910g/cm3 、190℃におけるメルトフロ
ーレートが0.1〜10g/10分、さらに好ましくは
0.5〜5g/10分である。α−オレフィンとして
は、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、
1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数3
〜12のものが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンの
密度が0.860g/cm3 未満では強度特性が著しく
低下し、0.930g/cm3 を超える場合は、透明性
が著しく低下する恐れがある。さらに、190℃におけ
るメルトフローレートが0.1g/10分未満では、押
出性に問題を有する恐れがあり、10g/10分を超え
ると、強度特性が低下し、また成形安定性が得られない
という恐れがある。
【0014】さらに、エチレン系共重合体は、エチレン
以外の単量体の含有量が5〜25重量%であるエチレン
−酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリル酸エチル共
重合体,エチレン−アクリル酸メチル共重合体,エチレ
ン−アクリル酸共重合体,エチレン−メタアクリル酸共
重合体,エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体,エ
チレン−メタアクリル酸エチル共重合体,アイオノマー
樹脂の中から選ばれた少なくとも一種の重合体であり、
このなかでも、エチレン−酢酸ビニル共重合体が最も好
ましい。エチレン以外の単量体の含有量は、より好まし
くは7〜25重量%、さらに好ましくは10〜20重量
%である。エチレン以外の単量体の含有量が5重量%未
満では、ヒートシール性、透明性、柔軟性等が充分に得
られない恐れがあり、25重量%を越えると、強度特性
が低下し、またブロッキングを起こす恐れがある。
【0015】さらに、表面層(A層)をなすエチレン系
共重合体は、190℃でのメルトフローレートが好まし
くは0.1〜10g/10分、さらに好ましくは0.5
〜5g/10分である。このメルトフローレートが、
0.1g/10分未満では、押出性に問題を有する恐れ
があり、10g/10分を超えると、強度特性が低下
し、また成形安定性が得られないという恐れがある。
【0016】本発明の表面層(A層)は、上記樹脂を単
独あるいは、2種類以上の組成物として使用できる。ま
た、本発明の表面層(A層)は、前述の樹脂組成物から
なるものであり、さらに、適度の滑り性,自己粘着性,
帯電防止性,防曇性を得るために、添加剤を配合するこ
とができる。具体的には、低重合度ポリブテン,低重合
度ポリイソブテン,流動パラフィン,ソルビタン脂肪酸
エステル,プロピレングリコール脂肪酸エステル,グリ
セリン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル,ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリエチ
レングリコール脂肪酸エステル,ポリプロピレングリコ
ール脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪族アルコ
ール,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これ
らの添加剤は、単独あるいは混合組成物として使用され
るが、添加量としては、通常0.1〜5.0重量%、好
ましくは0.5〜3.0重量%である。添加量が0.1
重量%未満では、フィルムの改質効果が充分でなく、
5.0重量%を超える場合には、フィルム表面への浮き
出し量が多く、フィルムがべたつき、その結果、作業性
が著しく低下するほか、被包装物を汚染するなどの問題
が生じる恐れがある。
【0017】次に上記表面層(A層)より中心側の層
(B層)は、結晶性ポリプロピレン(B1 )と、エチレ
ンおよび炭素数が4〜12のα−オレフィンの中から選
ばれた少なくとも一種のα−オレフィンとプロピレンの
共重合体であって、α−オレフィンの含有量が10重量
%以上90重量%以下である共重合体(B2 )との組成
物からなるものである。
【0018】第一成分である結晶性ポリプロピレン(B
1 )は、従来公知の方法で製造されるポリプロピレンあ
るいは他の樹脂単位との共重合体であり、230℃での
メルトフローレートが0.1〜30g/10分、好まし
くは0.2〜15g/10分、さらに好ましくは0.5
〜3.0g/10分のものである。230℃でのメルト
フローレートが0.1g/10分未満では、成形安定性
に問題が生じ、30g/10分を超えるとフィルムの強
度が不足するとともに、成形安定性に問題が生じる。ま
た好ましくは、エチレンおよび炭素数が4〜12のα−
オレフィンの中から選ばれた少なくとも一種のα−オレ
フィンとプロピレンとの共重合体であり、さらに好まし
くは、エチレンあるいは1−ブテンとプロピレンとの共
重合体である。ここでのα−オレフィンの含有量として
は、10重量%未満、好ましくは2重量%以上10重量
%未満、さらに好ましくは6重量%以上8重量%以下で
ある。α−オレフィンの含有量が10重量%を超える
と、中間層の耐熱性が低下し、熱板でのヒートシール可
能な温度範囲が狭くなり、ヒートシール性が低下する恐
れがある。
【0019】第一成分である結晶性ポリプロピレン(B
1 )は、中間層の耐熱性を高め、熱板でのヒートシール
時に溶融して穴があくという問題を解決するために重要
な役割を果たすものであり、さらにストレッチ時に不均
一な伸びを起こさないために特定の範囲で有しているこ
とが重要である。すなわち、層(B層)をなす組成物中
の結晶性ポリプロピレン(B1 )の含有量は、他の成分
にもよるが、好ましくは10重量%以上50重量%以
下、さらに好ましくは30重量%以上50重量%以下で
ある。結晶性ポリプロピレン(B1 )の含有量が、10
重量%未満では、中間層の耐熱性の改良効果が充分に得
られない恐れがあり、ヒートシール可能な適正な温度範
囲が狭いため、自動包装機の熱板などによってヒートシ
ールする場合にフィルムが一部溶融して穴があいてしま
うという問題が生じ、それを防止するためには、内容物
の重量が変化するのに合わせて温度条件を変更せざるを
得なくなり、作業性が著しく低下する恐れがある。ま
た、50重量%を超えると、フィルムの伸び特性が低下
し、ストレッチ包装を行なうときに被包装物の変形が起
こり張りのある包装が得られないという問題が生じ、さ
らに、フィルムを引き伸ばすときに不均一な伸びを生ず
るため包装にしわが入るという問題を起こす恐れがあ
る。
【0020】次に第二成分である共重合体(B2 )は、
エチレンおよび炭素数が4〜12のα−オレフィンの中
から選ばれた少なくとも一種のα−オレフィンとプロピ
レンとの共重合体である。ここで用いられるα−オレフ
ィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどであ
る。共重合体(B2 )のα−オレフィンの含有量は、1
0重量%以上90重量%以下、好ましくは12重量%以
上50重量%以下が好ましい。α−オレフィンの含有量
が10重量%未満では、フィルムの変形回復性や伸び特
性などが充分に得られない恐れがあり、50重量%を超
えるとヒートシール可能な適正な温度範囲が狭くなるた
め、自動包装機の熱板などによってヒートシールする場
合にフィルムが一部溶融して穴があいてしまうという問
題が生じる恐れがある。
【0021】第二成分である共重合体(B2 )は、フィ
ルムの柔軟性を高め、張りのある包装の仕上がりを得る
ために重要な役割を果たすものであり、さらにストレッ
チ時にフィルム破れやヒートシール時に溶融して穴があ
くという問題を起こさないために特定の範囲で有するこ
とが重要である。すなわち、上記結晶性ポリプロピレン
(B1 )の成分にもよるが好ましくは、50重量%以上
90重量%以下、さらに好ましくは60重量%以上80
重量%以下とされる。共重合体(B2 )が、50重量%
未満では、フィルムの柔軟性が不足し、変形回復性の改
良効果が充分に得られない恐れがあり、90重量%を超
えると包装時にフィルム破れが起こりやすく、また、中
間層の耐熱性が不足するためにヒートシール可能な温度
範囲が狭くなり熱板でのヒートシール時に溶融して穴が
あくという問題を起こす恐れがある。
【0022】第一成分である結晶性ポリプロピレン(B
1 )と第二成分である共重合体(B2 )からなる(B
層)用の組成物は、一般的には多段重合法、溶融ブレン
ド法等で調整されるが、これらの組成物は、ヘイズ(透
明性),クラリティ(透視性)に劣るため、パーオキサ
イドによって特定の割合にビスブレークする必要があ
る。ここで、パーオキサイドによってビスブレークされ
る特定の割合をビスブレーク前の230℃のメルトフロ
ーレート(MFR1 )とビスブレーク後の230℃のメ
ルトフローレート(MFR2 )の比(MFR2 )/(M
FR1 )で表し、この比は、1.1〜15、好ましくは
1.5〜10、さらに好ましくは2〜5である。(MF
2 )/(MFR1 )が1.1未満では、ヘイズ(透明
性),クラリティ(透視性)の改良効果が充分でなく、
15を超えると低分子量成分が増加し、フィルム表面へ
のブリードが発生する恐れがある。
【0023】ビスブレークする方法としては、第一成分
である結晶性ポリプロピレン(B1)と第二成分である
共重合体(B2 )からなる組成物をパーオキサイドとブ
レンドし溶融押し出しすることによって行い、パーオキ
サイドの種類、添加量によってメルトフローレートを調
整する。また必要によって分解促進剤、抑制剤を用いる
こともできる。パーオキサイドとしては、各種のものが
利用可能であるが例えば、ハイドロパーオキサイド類,
ジアルキルパーオキサイド類,ジアシルパーオキサイド
類,ケトンパーオキサイド類,アルキルパーエステル
類,パーオキシジカーボネート類が挙げられる。
【0024】層(B層)の組成物(B3 )の230℃に
おけるメルトフローレートは、好ましくは0.1〜10
g/10分、より好ましくは1.0〜3.0g/10分
である。このメルトフローレートが、0.1g/10分
未満では、押出性に問題を有する恐れがあり、10g/
10分を超えると、張りのある包装が得られ難くなり、
強度特性が低下し、また成形安定性が得られないという
恐れがある。また、層(B層)の組成物(B3 )のプロ
ピレン含有量は、好ましくは65〜90重量%、さらに
好ましくは70〜85重量%である。プロピレン含有量
が65重量%未満では、ヒートシール性に劣り、90重
量%を超える場合には、充分な変形回復性が得られない
恐れがある。
【0025】本発明の層(B層)は、前述の樹脂組成物
からなるものであり、さらに、これらの樹脂成分に対し
て適度な滑り性、自己粘着性、帯電防止性、防曇性を得
るために上記表面層(A層)と同様な添加剤を配合する
ことができる。
【0026】本発明において、フィルムの両側の表面層
に直鎖状低密度ポリエチレン,エチレン系共重合体から
なる(A層)を設け、この(A層)より中心側の層に結
晶性ポリプロピレン(B1 )と共重合体(B2 )との組
成物をビスブレークして得られた組成物(B3 )からな
る(B層)を設ける主たる目的は、直鎖状低密度ポリエ
チレン,エチレン系共重合体からなる単体フィルムで
は、熱板でのヒートシール可能な温度範囲が充分得られ
ず、また強度等の充分満足できるものが得られないため
であり、逆に結晶性ポリプロピレン(B1 )と共重合体
( B2 )との組成物をビスブレークして得られた組成
物(B3 )からなる単体フィルムでは、フィルムの柔軟
性,ヘイズ(透明性),グロス(光沢),クラリティ
(透視性),自己粘着性,変形回復性等が充分得られな
いためである。これらの問題は、フィルムの両側の表面
層に直鎖状低密度ポリエチレン,エチレン系共重合体か
らなる(A層)を設け、この(A層)より中心側の層に
結晶性ポリプロピレン(B1 )と共重合体(B2 )との
組成物をビスブレークして得られた組成物(B3 )から
なる(B層)を積層することによって初めて解決される
ものである。
【0027】本発明のストレッチ包装用フィルムは、フ
ィルムの両側の表面層にエチレン系共重合体からなる
(A層)を設け、この(A層)より中心側の層に結晶性
ポリプロピレン(B1 )と共重合体(B2 )との組成物
をビスブレークして得られた組成物(B3 )からなる
(B層)を設けた少なくとも三層構造からなる積層フィ
ルムであって、両側の(A層)は、同一の組成物を使用
してよく、あるいは上記の組成物の範疇に属するもの
の、その成分組成の異なる組成物を使用してもよい。
【0028】このような積層フィルムの製造方法は、T
ダイ法、インフレーション法、押出しラミネート法等に
よって製造できる。中でも、縦横の物性バランスが良好
なインフレーション法が好ましい。
【0029】また、本発明のストレッチ包装用フィルム
の厚みについては、通常8〜40μm、好ましくは、1
0〜30μmである。該フィルムの厚みが8μm未満で
は、フィルムの強度や腰の低下によって、フィルムの取
り扱い性が著しく低下し、40μmを超えるとフィルム
の引き伸ばし時の応力が大きくなりすぎるという問題が
起こる恐れがある。
【0030】さらに、本発明のストレッチ包装用フィル
ムの層(B層)の厚みは、フィルム全厚みの20%以上
85%以下が好ましく、具体的には、1〜35μm、好
ましくは2〜20μmとしたものが好適である。ここ
で、層(B層)の厚みがフィルム全厚みの20%未満で
は、中間層の耐熱性の改良効果が期待できず、85%を
超えると均一な伸び特性を損ねる恐れがある。
【0031】
【実施例】次に本発明を、実施例および比較例を挙げて
さらに詳しく説明するが、本発明は、この実施例のみに
限定されるものではない。 (実施例1)表面層(A層)用樹脂として、エチレン−
酢酸ビニル共重合体を用いた。この共重合体のメルトフ
ローレート(以下、MFRと略す)(JIS−K721
0,190℃,荷重=2.16Kg、以下MFRは温度
を除いてすべてこの条件)は、1.5g/10分、酢酸
ビニル単位含有量は、18重量%であった。このエチレ
ン系共重合体98.0重量%、ジグリセリンモノオレー
ト2.0重量%からなる組成物を表面層(A層)用樹脂
とした。上記表面層(A層)より中心側の層(B層)用
樹脂として、多段重合によって作られた(B1 )成分が
プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含有
量4重量%):40重量%、(B2 )成分がプロピレン
ーエチレンランダム共重合体(エチレン含有量30重量
%):60重量%からなる組成物(230℃におけるM
FR1 0.8g/10分)にパーオキサイド(カヤヘキ
サAD)を0.08重量%加え、ビスブレークして23
0℃のMFR2 が、2.0g/10分となるように調整
した組成物99重量%、ジグリセリンモノオレート1.
0重量%からなる組成物を用いた。
【0032】これらの樹脂を口径50mm、L/D26
の押出機2台、50mmの環状3層ダイスからなるイン
フレーション成形機を用いて、樹脂温度190℃、ブロ
ーアップ比8.0で成形し、各層の厚みが、5μm/5
μm/5μm、全体の厚みが15μmのフィルムを得
た。このフィルムを使用し、発泡ポリスチレン製トレー
に、肉、魚、惣菜、果実等を載せてストレッチ自動包装
機にて包装を行った。フィルムの性状および測定結果を
下記表1に示す。
【0033】(実施例2)表面層(A層)用樹脂として
実施例1と同様のエチレン−酢酸ビニル共重合体98.
0重量%、ジグリセリンモノオレート2.0重量%から
なる組成物を用い、上記表面層(A層)より中心側の層
(B層)用樹脂として、実施例1のパーオキサイド(カ
ヤヘキサAD)の添加量を0.32重量%として230
℃のMFR2 を8.0g/10分となるように調整した
組成物99重量%、ジグリセリンモノオレート1.0重
量%からなる組成物を用いた。
【0034】これらの組成物を用いた以外は、実施例1
と同様の方法で行い、各層の厚みが5μm/5μm/5
μm、全体の厚みが、15μmのフィルムを得た。この
フィルムを使用し、発泡ポリスチレン製トレーに、肉、
魚、惣菜、果実等を載せてストレッチ自動包装機にて包
装を行った。フィルムの性状および測定結果を下記表1
に示す。
【0035】(実施例3)表面層(A層)用樹脂とし
て、直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.890g/c
3 、190℃におけるMFR3.5g/10分):9
8重量%,ジグリセリンモノオレート2重量%からなる
組成物を用い、上記表面層(A層)より中心側の層(B
層)用樹脂として、多段重合によって作られた(B1
成分がプロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレ
ン含有量8重量%):40重量%、(B2 )成分がプロ
ピレンーエチレンランダム共重合体(エチレン含有量2
0重量%):60重量%からなる組成物(230℃にお
けるMFR1 0.8g/10分)にパーオキサイド(カ
ヤヘキサAD)を0.08重量%加え、ビスブレークし
て230℃のMFR2 が2.0g/10分となるように
調整した組成物99重量%、ジグリセリンモノオレート
1.0重量%からなる組成物を用いた。
【0036】これらの組成物を用いた以外は、実施例1
と同様の方法で行い、各層の厚みが5μm/5μm/5
μm、全体の厚みが、15μmのフィルムを得た。この
フィルムを使用し、発泡ポリスチレン製トレーに、肉、
魚、惣菜、果実等を載せてストレッチ自動包装機にて包
装を行った。フィルムの性状および測定結果を下記表1
に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1中、各項目の物性測定および評価は、
下記の方法で実施した。 1)MFR;JIS K7210 2)密度;JIS K6760 3)ヘイズ(透明性);JIS K7105 4)グロス(光沢);JIS K7105 5)クラリティ(透視性);村上色彩技術研究所製クラ
リティメータを用いスリット幅1mmで測定 6)変形回復性;幅15mm、長さ100mmの試料片
を200mmまで伸長し、直ちに解放し30秒後に試料
片の長さを測定し、試料片が戻った長さで示した。 7)ヒートシール性;自動包装機の熱板のヒーター温度
を50〜160℃に設定し、ストレッチ包装されたトレ
ーを熱板上に数秒間静止させ、トレー底部のシール強度
および穴あきの有無で評価し、良好なシールが可能な温
度範囲で示した。 8)自動包装機適性;しわの発生、トレーの割れや歪
み、フィルムの繰り出し性、切れ性等の問題がなく、ス
トレッチ包装が可能かを判定した。
【0039】(比較例1)実施例1において、中心側の
層(B層)用樹脂をビスブレークせずに用いた以外は、
実施例1と同様の方法で行い、各層の厚みが、5μm/
5μm/5μm;全厚みが15μmのフィルムを得た。
このフィルムを使用し包装を行なった。フィルムの性状
および測定結果を下記表2に示す。
【0040】(比較例2)実施例1において、パーオキ
サイド(カヤヘキサAD)の添加量を0.5重量%と
し、ビスブレーク後の中心側の層(B層)用樹脂の23
0℃のMFR2 が13.0g/10分となるように調整
した組成物99重量%、ジグリセリンモノオレート1.
0重量%からなる組成物を用いた以外は、実施例1と同
様の方法で行い、各層の厚みが、5μm/5μm/5μ
m;全厚みが15μmのフィルムを得た。このフィルム
を使用し包装を行なった。フィルムの性状および測定結
果を下記表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2中、各項目の物性測定および評価は、
実施例と同様の方法で行なった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明のストレッチ
包装用フィルムは、特にヘイズ(透明性)、グロス(光
沢)、クラリティ(透視性)、変形回復性、中間層の耐
熱性に優れたものである。また、ストレッチ包装用フィ
ルムに要求される通気性,防曇性,水蒸気透過性,自己
粘着性等の物性も良好であり、従来の可塑化ポリ塩化ビ
ニル製ストレッチフィルムのような使用済み後の廃棄処
理性の問題がなく、食品衛生上も全く問題の無いもので
ある。したがって、本発明のストレッチ包装用フィルム
は、種々の青果物,鮮魚,鮮肉,惣菜等の食品をストレ
ッチ包装するためのフィルムとして幅広い利用が期待さ
れる。さらに、ダンボール,缶,瓶,建材等の集積包装
用ストレッチフィルムとしても、被包装物の視認性の優
れたフィルムとして幅広い利用が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 太助 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−44635(JP,A) 特開 平4−292944(JP,A) 特開 平6−100019(JP,A) 特開 昭60−171148(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも三層構造からなる積層フィル
    ムであって、該フィルムの両側の表面層(A層)が、直
    鎖状低密度ポリエチレン,エチレン以外の単量体の含有
    量が5〜25重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合
    体,エチレン−アクリル酸エチル共重合体,エチレン−
    アクリル酸メチル共重合体,エチレン−アクリル酸共重
    合体,エチレン−メタアクリル酸共重合体,エチレン−
    メタアクリル酸メチル共重合体,エチレン−メタアクリ
    ル酸エチル共重合体,アイオノマー樹脂の中から選ばれ
    た少なくとも一種のエチレン系共重合体からなり、前記
    表面層(A層)より中心側の層(B層)が、結晶性ポリ
    プロピレン(B1 )と、エチレンおよび炭素数が4〜1
    2のα−オレフィンの中から選ばれた少なくとも一種の
    α−オレフィンとプロピレンとの共重合体であって、α
    −オレフィンの含有量が10重量%以上90重量%以下
    である共重合体(B2 )からなり、パーオキサイドによ
    りビスブレークして、ビスブレーク前の230℃のメル
    トフローレート(MFR1 )とビスブレーク後の230
    ℃のメルトフローレート(MFR2)の比(MFR2
    MFR1 )が1.1〜15である組成物(B3 )からな
    ることを特徴とするストレッチ包装用フィルム。
  2. 【請求項2】 層(B層)の結晶性ポリプロピレン(B
    1 )が、エチレンおよび炭素数4〜12のα−オレフィ
    ンの中から選ばれた少なくとも一種のα−オレフィンと
    プロピレンとの共重合体であって、α−オレフィンの含
    有量が10重量%未満であることを特徴とする請求項1
    記載のストレッチ包装用フィルム。
  3. 【請求項3】 層(B層)をなす組成物中の結晶性ポリ
    プロピレン(B1 )の含有量が10重量%以上50重量
    %以下であることを特徴とする請求項1記載のストレッ
    チ包装用フィルム。
  4. 【請求項4】 層(B層)の組成物(B3 )のメルトフ
    ローレート(MFR2 )が0.1〜10g/10分,プ
    ロピレン含有量が65〜90重量%であることを特徴と
    する請求項1記載のストレッチ包装用フィルム。
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