JP3271857B2 - 自動車車体の塗装方法 - Google Patents

自動車車体の塗装方法

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JP3271857B2 JP17612294A JP17612294A JP3271857B2 JP 3271857 B2 JP3271857 B2 JP 3271857B2 JP 17612294 A JP17612294 A JP 17612294A JP 17612294 A JP17612294 A JP 17612294A JP 3271857 B2 JP3271857 B2 JP 3271857B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車車体の塗装方法
に関する。さらに詳しくは本発明は、低膜厚においても
著しく改良された耐チッピング性能を有する自動車車体
の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体の外板、たとえば車体外板下
部や下回り部、足回り部は、走行中常に飛び石が強く衝
突するために、いわゆる「チッピングはがれ」が発生
し、美観を低下させるとともにはがれ部の車体鋼板が露
出して発錆し、腐蝕が進行する。このため、従来より
「チッピングはがれ」に対する対策には重大なる関心が
払われており、耐チッピング性能にすぐれる塗料の研究
開発が行われており、たとえば、車体外板下部のチッピ
ングはがれ対策としての自動車用プライマーまたは中塗
組成物として、特定顔料を使用して傷がついても素地ま
で達しない塗料組成物(特開昭53−45813号公
報)、イソシアネート化合物を利用した塗料組成物(特
開昭54−73836号公報、特開昭57−68176
号公報)などが提案されている。
【0003】しかしながら、粒子径が10〜20μmの
タルク20〜50重量%を含む組成物を使用する方法
(特開昭53−45813号公報)は、チッピングによ
る傷は素地の鋼板面まで達しにくいので、車両の外鋼板
自体の発錆は減少するが、上塗の剥離面積が大きくな
り、美観を損ねるという欠点がある。
【0004】また、イソシアネートを使用した方法(特
開昭54−73836号公報)は、耐チッピング性能が
十分でない欠点があり、また、水酸基をもったポリブタ
ジエンとイソシアネート基とを反応させた化合物を用い
た方法(特開昭57−68176号公報)の場合、耐チ
ッピング性能は良好となるが、上塗塗装後の仕上り外観
が劣るという欠点がある。
【0005】また、車体下回りの防錆を目的とする、い
わゆる、床裏用耐チッピング塗料組成物が種々提案され
ており、たとえば、ポリオール、イソシアネートおよび
アミノ樹脂を使用する組成物(特開平1−174570
号公報)が知られているが、この組成物を用いた耐チッ
ピング塗料を使用する方法においては、良好なる耐チッ
ピング性能を得んとすれば、膜厚を300μ以上塗装す
る必要があり、膜厚が300μ以下になると、耐チッピ
ング性能が急激に低下する欠点がある。さらに塗膜外観
が劣り、車体外鋼板としての使用に耐えないものであ
る。
【0006】一方、車体外鋼板に、電着塗料と中塗塗料
との間に耐チッピング性能を向上させる目的にて、いわ
ゆる「層間耐チッピング塗料」を塗装する方法が提案さ
れている。たとえば、軟質ポリエステル樹脂とメラミン
樹脂からなる塗料組成物を塗装する方法、ポリヒドロキ
シ化合物とブロックイソシアネート化合物からなる塗料
組成物を塗装する方法、マレイン酸をグラフトしたポリ
オレフィン樹脂からなる塗料組成物を塗装する方法など
が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これら層間耐チッピン
グ塗料を使用する方法は、前述の自動車用中塗あるいは
プライマー組成物を用いる場合と比較し、耐チッピング
性能は上回ることが可能であるものの、耐チッピング塗
料を200μm、あるいは300μmもの高膜厚に塗装
する必要があり、さらに、高膜厚に塗装すればするほど
上塗の仕上り外観が低下する欠点を有し、車体外鋼板と
して満足する外観を得んとすれば25〜150μmの膜
厚範囲とする必要があるが、25〜150μmでは耐チ
ッピング性が劣る。また、高膜厚に塗装することによ
り、車体の重量が増大し、自動車の燃費性能低下を来
し、省エネルギーのニーズに反する結果となる。かかる
現状から、低膜厚にて良好なる耐チッピング性能を有す
る車体外鋼板の塗装方法を開発することが待ち望まれて
いた。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる状況に鑑み、本発
明者らは上述の問題点を改良するため鋭意研究を重ね、
上塗塗料の外観を低下させることのない低膜厚すなわち
25〜150μmの膜厚で、良好なる耐チッピング性能
を発揮する塗装方法を見出し、遂に本発明を完成するに
至った。
【0009】すなわち本発明は、自動車車体の外板に、
電着塗料、耐チッピング塗料、中塗塗料、および上塗塗
料を塗り重ねる塗装方法において、(1)前記耐チッピ
ング塗料が、 (A) 水酸基を有するエポキシ樹脂の樹脂固形分10
0重量部に対して、10〜70重量部の環状エステルを
反応させて得られる、水酸基を含有し、数平均分子量5
00〜5000のエポキシ樹脂 (B) 水酸基を含有し、数平均分子量400〜100
0のポリエステルポリオール樹脂および (C) イソシアネート基がブロックされているポリイ
ソシアネート化合物とを、(A)成分および(B)成分
の水酸基1当量に対し、(C)成分のイソシアネート基
が0.5〜2.0当量となる割合で配合した塗料組成物
であって、前記組成物の硬化塗膜のガラス転移温度が−
20℃〜0℃であって、伸び率が温度20℃において1
0〜100%、温度−20℃において1〜50%であ
り、抗張力が温度20℃において400〜700Kgf
/cm2 である塗料組成物であり、前記耐チッピング塗
料を乾燥膜厚25〜150μの範囲にて塗装後、前記耐
チッピング塗料の塗膜ゲル分率が70〜100%の範囲
となる様乾燥させ、次いで中塗塗料を塗装することを特
徴とする塗装方法である。
【0010】本発明において用いられる耐チッピング塗
料組成物について説明する。なお、以降、耐チッピング
塗料と称すれば、車体外鋼板の塗装において、電着塗料
と、中塗塗料の中間に塗装する塗料を意味するものとす
る。
【0011】本発明にて使用する塗料組成物に含まれ
る、水酸基を有するエポキシ樹脂の樹脂固形分100重
量部に対して、10〜70重量部の環状エステルを反応
させて得られる、水酸基を含有し、数平均分子量500
〜5000のエポキシ樹脂とは、ビスフェノールA系、
ビスフェノールF系等のエポキシ樹脂と、環状エステル
類および/または環状エステルの開環重合物類などとを
反応して生成する数平均分子量500〜5000の水酸
基含有エポキシ樹脂の1種または2種以上の混合物であ
る。かかる樹脂を用いる根拠を以下に述べる。
【0012】発明者等の研究によれば、25〜150μ
mの低膜厚で良好なる耐チッピング性を得んとすれば、
硬化塗膜のガラス転移温度が−20℃〜0℃であって、
伸び率が温度20℃において10〜100%、温度−2
0℃において1〜50%であり、抗張力が温度20℃に
おいて400〜700Kgf/cm2 の範囲である必要
がある。
【0013】400〜700Kgf/cm2 の範囲の抗
張力は、石はねによる塗膜の傷つき、破れの防止に効果
があり、また、温度20℃において10〜100%、温
度−20℃において1〜50%の伸び率を有することに
より、耐チッピング塗料の電着塗膜への十分なる付着性
が維持でき、チッピングはがれを防止できる。
【0014】また、自動車車体は、その使用される環境
が概ね−20℃〜40℃であり、かかる環境下で一定の
物性を維持するためにはガラス転移点を−20℃〜0℃
の範囲とする必要がある。
【0015】かかる硬化塗膜の物性を実現するために
は、ウレタン系樹脂を使用することが好ましく、たとえ
ばポリエステルポリオールとブロックイソシアネートを
組み合わせることにより、硬化塗膜のガラス転移温度が
−20℃〜0℃であって、伸び率が温度20℃において
10〜100%、温度−20℃において1〜50%の範
囲の物性を実現することが可能であるものの、この場合
の抗張力は、たかだか300Kgf/cm2 であり、本
発明の目的とする組成物は得られない。
【0016】そこでポリエステルポリオールとブロック
イソシアネートの組み合わせにビスフェノールA系エポ
キシ樹脂たとえばエピコート1004(油化シェルエポ
キシ株式会社製)を更に併用することにより、抗張力は
400Kgf/cm2 〜700Kgf/cm2 に向上す
るが、逆に温度20℃における伸び率が1〜5%にまで
低下し、目的とする物性は得られない。
【0017】一方、エポキシ樹脂に環状エステルを反応
させて得られる、水酸基含有エポキシ樹脂をポリエステ
ルポリオールとブロックイソシアネートの組み合わせと
併用して用いると、前記硬化塗膜物性を得ることが可能
であることを発明者等は見出し、本発明の耐チッピング
塗料組成物に使用するものである。
【0018】エポキシ樹脂に環状エステルを反応させて
得られる、水酸基含有エポキシ樹脂を用いることによ
り、目的とする硬化塗膜物性が得られる理由は、環状エ
ステルを反応して得る直鎖状分子構造に起因する柔構造
と、エポキシ樹脂主鎖が本来有するビスフェノール骨格
に由来する剛構造の双方を同時に含有することが良い為
と考えられる。
【0019】このような樹脂の例として、たとえば、エ
ポキシ当量450グラム/1当量のビスフェノールA系
エポキシ樹脂100重量部とε−カプロタクトン25重
量部の反応物生成物、エポキシ当量700グラム/1当
量のビスフェノールF系エポキシ樹脂100重量部とε
−カプロラクトン16重量部の反応物生成物、エポキシ
当量450グラム/1当量のビスフェノールA系エポキ
シ樹脂100重量部と、γ−バレロラクトン40重量部
との反応生成物などが知られている。
【0020】エポキシ樹脂100重量部に対する上述の
環状エステルの重量比が10重量部より少ないと、仕上
り外観が低下し、また、70重量部より多いと耐チッピ
ング性が低下するため、好ましくない。
【0021】環状エステルを反応して得られたエポキシ
樹脂の分子量は、500〜5000、好ましくは100
0〜4000である。分子量が500より低いと、耐チ
ッピング性能が低下し、また、5000を越えると塗装
作業性が低下し、仕上り外観を損なうため、好ましくな
い。
【0022】また、水酸基を含有し、数平均分子量40
0〜1000のポリエステルポリオール樹脂とは、多価
アルコールと化学量論的量より少ない量の多価カルボン
酸および/またはそれらの無水物との反応生成物の1種
または2種以上の混合物である。数平均分子量が400
より低いと、耐チッピング性能が低下し、また、100
0を越える場合も同様に耐チッピング性能、特に高温、
高湿度環境などの劣化環境にさらされた後の耐チッピン
グ性能が低下し、好ましくない。
【0023】多価アルコールの例として例えばエチレン
グリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロ
パンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、異性体ペンタンジオール類、異性体ヘキサ
ンジオール類またはオクタンジオール類例えば2−エチ
ル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−、1,3−お
よび1,4−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサ
ノン、トリメチロールプロパン、グリセリンなどをあげ
ることができる。
【0024】多価カルボン酸および多価カルボン酸無水
物の例として、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸などの二価カルボン酸、
トリメリット酸などの三価カルボン酸、無水フタル酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリ
メリット酸などの多価カルボン酸無水物、二量体又は三
量体の脂肪酸たとえばひまし油脂肪酸の三量体をあげる
ことができる。
【0025】本発明に用いる塗料組成物においては、上
述のエポキシ樹脂およびポリエステルポリオール樹脂の
混合物を用いる。エポキシ樹脂とポリエステルポリオー
ル樹脂の混合比は特に限定するものではないが、エポキ
シ樹脂100重量部に対しポリエステルポリオール樹脂
50〜90重量部が好ましい。
【0026】次に本発明にて使用する塗料組成物に含ま
れる、イソシアネート基がブロックされているポリイソ
シアネート化合物とは、ポリイソシアネート化合物のイ
ソシアネート基を、通常用いるブロック剤にてブロック
した化合物の1種または2種以上の混合物であり、ポリ
イソシアネート化合物の例としては、2,4−および/
または2,6−ジイソシアネートトルエン、2,4−ジ
イソシアネート−ジシクロヘキシルメタン、4,4′−
ジイソシアネート−ジシクロヘキシルメタン、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、1−イソシアネート−3,
3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロ
ヘキサンなどのジイソシアネート、これらジイソシアネ
ートと、当量未満の多価アルコールたとえばエチレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどと
の反応によって生成したアダクト体、あるいは上記ジイ
ソシアネートのビウレット三量体、上記ジイソシアネー
トのイソシアヌレート三量体などがあげられ、これらポ
リイソシアネート化合物に当量乃至当量以上のブロック
化剤を反応させたものである。
【0027】かかるブロック化剤の例としてはフェノー
ル、p−置換フェノール、アルコール類、ε−カプロラ
クタム、ケトオキシム類、アセトンオキシム類などが知
られており、種々選択が可能である。
【0028】上述のエポキシ樹脂、ポリエステルポリオ
ールの混合物と、ブロックイソシアネートの配合比率
は、エポキシ樹脂、ポリエステルポリオールの混合物成
分の水酸基1当量に対し、ブロックイソシアネート成分
のイソシアネート基が0.5〜2.0当量となる割合で
両成分を配合したものであり、イソシアネート基が0.
5当量より少なくても、また、2.0当量より多くて
も、耐チッピング性能が低下する。
【0029】本発明に用いる塗料組成物は、上述のエポ
キシ樹脂、ポリエステルポリオール樹脂およびブロック
イソシアネートからなる樹脂成分の他に、所望により、
着色剤たとえばカーボンブラック、二酸化チタンなどの
顔料類、三級アミン、有機錫化合物などの硬化触媒、流
動性調整剤、消泡剤など各種添加剤およびトルエン、キ
シレン、ソルベントナフサなどの炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル類、メチル
エチルケトン、メチルブチルケトン、ホロン、イソホロ
ンなどのケトン類などの有機溶剤を含有することができ
る。これら、顔料、添加剤、溶剤等の含有量は、特に限
定するものではないが、顔料類については、前述の硬化
塗膜物性を得るため、樹脂成分総計量に対し、150重
量%以下とすることが望ましい。150重量%を越える
と、20℃および−20℃における伸び率が共に低下す
ることがある。
【0030】本発明においては、上述の塗料組成物を通
常の塗装方法、たとえば、エアースプレー、エアレスス
プレー、静電塗装、浸漬塗装などの手段により車体外鋼
板の電着塗膜上に塗装するが、塗装膜厚は25〜150
μm好ましくは25〜75μmである。25〜150μ
mの範囲で良好なる耐チッピング性能が得られるが、2
5μmより薄いと耐チッピング性能が低下する。また1
50μmより厚いと耐チッピング性能はさらに向上する
が、外観低下を来し、さらに省エネルギー、コストの観
点からも好ましくない。
【0031】塗料組成物は、上述の手段にて塗付後、加
熱乾燥する。加熱乾燥の条件は、塗料組成物の塗膜ゲル
分率が、70〜100%好ましくは、75〜90%の範
囲となる条件である。70%未満であると、中塗塗装
時、ピンホール、わき、または仕上り光沢低下など塗装
作業性上の欠陥が生じるのみならず硬化塗膜物性の諸項
目の中で、抗張力が低下することがあり好ましくない。
ゲル分率が70%未満であると抗張力が低下する理由
は、耐チッピング塗料に引き続き塗装される中塗に含有
される溶剤によって、耐チッピング塗膜層が溶解し、硬
化が不完全になるためと考えられる。このような塗膜ゲ
ル分率を得る乾燥条件の一例としては、100〜140
℃にて3分ないし30分である。
【0032】本発明の塗装方法においては、耐チッピン
グ塗料に用いる組成物を除く、電着塗料、中塗塗料、上
塗塗料に関しては、特に制限はなく、従来使用されてい
る市販品を用いることができる。
【0033】以下、実施例をもって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、説明中、部及び%と表記したものは、特に断
わりのない限り重量による。
【0034】
【実施例】
【0035】耐チッピング塗料組成物の製造 エポキシ樹脂として、プラクセルG−702(エポキシ
当量1700グラム/1当量のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂100部と、ε−カプロラクトン25部の反応
生成物、数平均分子量4000、ダイセル化学工業株式
会社製)のキシレン溶液(樹脂固形分含有量60%)1
2.5部、ポリエステルポリオール樹脂として、ディス
モフェン670(数平均分子量900、水酸基価140
mgKOH当量、固形分100%、住友バイエルウレタ
ン株式会社製)7.5部、ブロックイソシアネートとし
て、バーノックDB−980K(理論イソシアネート含
有量10.5%、固形分75%、大日本インキ化学工業
株式会社製)18.1部、キシレン36.7部、二酸化
チタン25部、カーボンブラック0.2部をサンドミル
を用いて混練し、耐チッピング塗料を製造した。
【0036】耐チッピング塗料、、、の製造 後掲の表1に示す配合にて耐チッピング塗料組成物と
同様にして耐チッピング塗料、、、を製造した
【0037】実施例 1 化成処理を施し、カチオン電着塗装を行った車体外鋼板
に、耐チッピング塗料を乾燥膜厚30μになるようス
プレー塗装し、100℃×5分乾燥した。次いで、ポリ
エステル・メラミン樹脂系中塗塗料を乾燥膜厚30μに
なるようスプレー塗装し、140℃×20分焼付けた。
さらに、ポリエステル・メラミン樹脂系上塗塗料を乾燥
膜厚30μになるようスプレー塗装で塗重ね、140℃
×20分焼付けた。
【0038】得られた試験板を、各種塗膜性能試験に供
したところ、後掲の表2に記載する如く結果は良好であ
った。
【0039】実施例 2〜6 実施例1と同様に試験板を作成し、塗膜性能試験を実施
した。結果は後掲の表2に記載する如く、いずれも良好
であった。
【0040】比較例 1 比較例として、ポリエステルポリオール、ブロックイソ
シアネートおよびアミノ樹脂からなる組成物を用い、下
記の耐チッピング塗料を製造した。耐チッピング塗料
を実施例1と同様に塗装して試験板を作成し、耐チッ
ピング性試験を実施したが、実用に耐えないものであっ
た。
【0041】なお、耐チッピング塗料の製造は、次の
とおり実施した。アジピン酸633部、トリメチロール
プロパン109部、ネオペンチルグリコール206部、
ジエチレングリコール210部、ジブチルチンオキサイ
ド0.5部を180℃〜240℃の反応温度で脱水反応
を行い、酸価が1.5に達した時点で反応を停止し、キ
シレン125部、セロソルブアセテート125部にて希
釈し、ポリエステルポリオールを得た。次にこのポリエ
ステルポリオール100部に、オレスターP49−75
S(トリメチロールプロパンとトルエンジイソシアネー
トが反応したプレポリマー、不揮発分75%、三井東圧
化学株式会社製)1000部にメチルエチルケトオキシ
ム260部を滴下して製造したブロックイソシアネート
(樹脂固形分60%、有効NCO11.9%)83.9
部、ユーバン2020(ブチル化メラミン樹脂、不揮発
分80%、三井東圧化学株式会社製)24.5部、炭酸
カルシウム222部、カーボンブラック2部を配合し
た。
【0042】比較例 2〜4 後掲の表3の比較例2〜4は、本発明の範囲外の塗装方
法により、試験板を作成したものである。いずれも、耐
チッピング性能に問題があり、実用に耐えないものであ
った。
【0043】比較例 5〜9 後掲の表3の比較例5〜9は、本発明の範囲外の組成物
を用い試験板を作成した例である。耐チッピング塗膜の
組成は、表−1に示した。いずれも、耐チッピング性能
に問題があり、実用に耐えないものであった。
【0044】なお、各種試験は次に記載する試験条件に
基づき実施した。
【0045】(1)外観 上塗後の塗膜を目視にて観察し、タレ、わき、ピンホー
ル、光沢むらなどの欠陥の有無をチェックする。
【0046】(2)耐チッピング性 飛石試験機(スガ試験機株式会社、JA−400型)を
使用。同試験機の資料ホルダーに塗装試験板を水平から
角度20°になるよう斜めに取り付け、500gの玄武
岩7号砕石を同試験機の圧力で4Kg/cm2 の空気圧
で噴射し、衝突させる。その後、試験板は水洗・乾燥さ
せ、チッピングによって浮き上がった塗膜を粘着テープ
で除去してから、はがれ傷の程度を評価した(◎最も良
好;○良好;△劣る;×最も劣る)。
【0047】(3)耐水性 試験板を40℃の温イオン交換水に240時間浸漬し、
取り出し後、直ちに水滴をぬぐい取り、外観の異常有無
を確認し、さらにカッターナイフで幅2mmのクロスハ
ッチを100個切り込み、粘着テープを用いて剥離試験
を実施する。剥離が無く、100個の碁盤目が全て残留
している場合を合格とする。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、従来困難であった25
μm〜50μmの低膜厚で、良好な耐チッピング性能を
有する車体外鋼板の塗装が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B05D 7/24 302 B05D 7/24 302U 302V C09D 175/04 C09D 175/04 175/06 175/06 (72)発明者 住友 靖夫 兵庫県尼崎市南塚口町6丁目10番73号 神東塗料株式会社内 (72)発明者 中山 文孝 兵庫県尼崎市南塚口町6丁目10番73号 神東塗料株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−160572(JP,A) 特開 昭62−65773(JP,A) 特開 昭62−45381(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/36 C09D 175/04 C09D 175/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車車体の外板に、電着塗料、耐チッ
    ピング塗料、中塗塗料、および上塗塗料を塗り重ねる塗
    装方法において、(1)前記耐チッピング塗料が、 (A) 水酸基を有するエポキシ樹脂の樹脂固形分10
    0重量部に対して、10〜70重量部の環状エステルを
    反応させて得られる、水酸基を含有し、数平均分子量5
    00〜5000のエポキシ樹脂 (B) 水酸基を含有し、数平均分子量400〜100
    0のポリエステルポリオール樹脂および (C) イソシアネート基がブロックされているポリイ
    ソシアネート化合物とを、(A)成分および(B)成分
    の水酸基1当量に対し、(C)成分のイソシアネート基
    が0.5〜2.0当量となる割合で配合した塗料組成物
    であって、前記組成物の硬化塗膜のガラス転移温度が−
    20℃〜0℃であって、伸び率が温度20℃において1
    0〜100%、温度−20℃において1〜50%であ
    り、抗張力が温度20℃において400〜700Kgf
    /cm2 である塗料組成物であり、前記耐チッピング塗
    料を乾燥膜厚25〜150μの範囲にて塗装後、前記耐
    チッピング塗料の塗膜ゲル分率が70〜100%の範囲
    となる様乾燥させ、次いで中塗塗料を塗装することを特
    徴とする塗装方法。
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