JP3271574B2 - ビレット鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

ビレット鋳片の連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭素鋼、ステンレス
鋼および高合金鋼等の鋳片に発生する中心偏析やポロシ
ティを改善するビレット鋳片の連続鋳造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造法によりビレット鋳片を製造す
る際に、中心偏析やポロシティが発生するが、鋳造時に
電磁攪拌および未凝固軽圧下を適用し、分塊および圧延
加工工程で大きい圧下率をかけることにより中心偏析や
ポロシティ等が問題の無いレベルに至ることは周知のこ
とである。
【0003】例えば、特開昭64−4863号公報に
は、電磁攪拌と未凝固軽圧下の併用により中心偏析を低
減する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのような従
来技術にあっても分塊工程を省略できるまでの改善に至
っていないのが実状であり、鋳片の段階で中心偏析やポ
ロシティをさらに低減する必要がある。
【0005】ビレット鋳片の段階で、大きな圧下率の未
凝固圧下を行うことが有効と考えられるが、圧下率の大
きい未凝固圧下を行うと内部割れが発生するためこの対
策が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため種々の実験、調査、検討を行い下記
(A)〜(C)の知見を得た。
【0007】(A)中心偏析やポロシティは、中心固相
率0.4〜0.9の範囲では、固相と液相が共存する半
凝固状態であり、大きな圧縮力により濃化残溶鋼を鋳片
の上流側に排出でき、しかもポロシティを潰すことがで
きる。
【0008】鋳片の中心固相率が0.9を超えると、中
心部の濃化残溶鋼は中心偏析したままほとんど凝固して
しまい、鋳片の上流側に排出できない。また、ポロシテ
ィも、同様に凝固しており、ポロシティを潰すことは困
難である。
【0009】(B)ビレット鋳片を未凝固圧下すると、
鋳片は、厚さが小さくなる方向と幅が拡がる方向および
引抜方向に延びる方向にそれぞれ変形することになる
が、鋳片の表面温度が高い場合、表層部が延び易くまた
は、幅拡がり方向に変形し易くなり、その分、厚さ方向
の変形が小さくなる。即ち、鋳片の未凝固圧下の際に、
鋳片の表面温度が高い場合、鋳片の延び方向の変形の割
合が大きく、厚さ方向の変形が小さくなり、厚さ方向の
内部浸透性が低下する。
【0010】(C)ビレット鋳片の圧下面を低温にする
ことで、延び方向と幅方向の変形が抑制され、かつ非圧
下面を高温にすることで、圧下方向すなわち厚さ方向の
変形が促進されて良好な内部浸透性が得られる。 鋳片
の圧下直前の望ましい温度は、圧下面で800℃〜90
0℃、非圧下面では、900℃〜1100℃である。
【0011】なお、圧下面とは、圧下ロールが接する鋳
片面であり、非圧下面とは、圧下時に圧下ロールが接し
ていない鋳片面である。例えば、ビレットを天地方向に
圧下する時、鋳片の天地面が圧下面であり、鋳片の側面
が非圧下面である。
【0012】本発明は、以上の知見に基づいてなされた
もので、その要旨は、鋳片の中心固相率が0.4〜0.
9のときに、鋳片径の10%〜40%の量の圧下を少な
くとも1対のロールで鋳片に与える際に、圧下面を非圧
下面側より低温に保持することを特徴とするビレット鋳
片の連続鋳造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、鋳片の中心固相率が
0.4〜0.9のときに、鋳片径の10%〜40%の量
の圧下を少なくとも1対のロールで鋳片に与える方法で
あり、圧下の直前から鋳片表面の圧下面側を冷却し、圧
下面を非圧下面側より低温に保持するビレット鋳片の連
続鋳造方法である。
【0014】なお、断面形状が正方形の場合には辺長
さ、長方形の場合には鋳片厚さ、丸形の場合には鋳片径
を総称して以下の説明では、鋳片径という。
【0015】鋳片径の10%以上の圧下量を必要とする
理由は、凝固収縮量を補い、かつ残溶鋼の排出が可能と
なる臨界の圧下量が10%であるからである。40%以
下とする理由は、これ以上では、効果がほぼ飽和するか
らである。好ましくは15〜30%である。
【0016】鋳片の中心固相率を0.4以上とした理由
は、0.4未満で圧下すると内部割れが発生するからで
ある。中心固相率が0.4以上であると、圧下により凝
固シェルに一旦内部割れが発生するが、圧下の進行とと
もに圧縮力が働き、一旦発生した内部割れを閉じる効果
が生じる。
【0017】上限を0.9としたのは、前記のように、
鋳片の中心固相率が0.9を超えると、中心部の濃化残
溶鋼は中心に偏析したままほとんど凝固してしまい、鋳
片の上流側に排出できないからである。またポロシティ
が存在する所も凝固しており、ポロシティを潰すことが
困難である。
【0018】未凝固圧下装置で、少なくとも一対のロー
ルを使用するが、ロール対数を多くしても必ずしも効果
的でなく、設備コストと効果との対比から3対以下とす
るのが好ましく、上述の未凝固圧下率が確保できるなら
一対のロールでも十分である。
【0019】未凝固圧下直前に鋳片の上下の圧下面を冷
却し、非圧下面の温度より低温にする理由は、圧下方向
すなわち厚さ方向の変形が促進されて良好な内部浸透性
が得られ、鋳片中心部の欠陥が低減できるからである。
冷却方法は、特に限定されないが、水スプレーまたはミ
ストスプレーが好ましい。上下の圧下面を冷却すること
で相対的に非圧下面を高温にすることであり、必要によ
り非圧下面を加熱してもよい。温度差は、特に制限され
ないが、100〜300℃が好ましい。
【0020】本発明においては、鋳片径の10%〜40
%の未凝固圧下をかけるために、鋳片の本来の形状を大
きく損ねるおそれがあり、温度が高く変形が容易な未凝
固圧下直後に、未凝固圧下方向と垂直な方向で圧下する
成形ロール、例えば、未凝固圧下が水平ロールであれ
ば、成形ロールは垂直型ロールとする成形装置を直後に
設置することが好ましい。
【0021】
【実施例】図1に示す湾曲型の連続鋳造設備を用いて本
発明を実施した。ビレットの形状は正方形角ビレット
(0.8%炭素鋼、200mm×200mmの断面積)であ
り、鋳造速度は1.8〜2.2m/min に制御した。
【0022】鋳片のバルジング防止用に鋳型直下の二次
冷却帯5を2m の長さで設置し、未凝固圧下直前の二次
冷却帯8までは、冷却帯を設置していない。鋳型直下の
二次冷却の比水量は0.2l/kg-steelである。
【0023】未凝固圧下は、上下から鋳片1を圧下する
一対の水平ロール9を使用して行い、鋳型溶湯面より2
2m の位置に水平ロール9がくるように配置した。未凝
固圧下直前の二次冷却帯8では、長さ2m で鋳片1の上
下面のみ水スプレーで冷却し、冷却の比水量は、0〜
0.3l/kg-steelで実施した。
【0024】水平ロール9に入る直前の鋳片1の上面温
度と側面温度を放射温度計により測定した。水平ロール
9は、ロール径が400mmのフラットロールであり、油
圧により圧下でき、圧下力は最大で70ton である。
【0025】未凝固圧下後の鋳片1の成形ロールは、垂
直型成形ロール10を使用し、水平ロール9の1.5m
下流に配置して鋳片1の両側面を圧下し成形した。ロー
ル径は、400mmのフラットロールであり、圧下力は最
大100ton である。
【0026】本例において鋳片の中心固相率は、鋳造条
件毎に、鋳片の径方向一次元の非定常伝熱計算により推
定した。この推定結果から、所定の中心固相率になるよ
うに鋳造速度を調整した。なお、伝熱計算の精度は、鋳
片表面温度の計算値と実測結果との比較、および鋲打ち
による凝固シェル厚の比較により確認した。
【0027】表1に、実施例の操作条件と評価結果を示
す。比較例6は、未凝固圧下をしないで鋳造のみを行っ
た例である。比較例7では、中心固相率が0.1〜0.
90の間を連続軽圧下を行い、圧下率を5% (圧下量1
0mm) 実施した。なお、この場合に限り、図1の水平ロ
ール9を取り外し、軽圧下用の圧下ロールセグメント
(ロール対数が5対、ロール径が210mm、セグメント
長さが5m )を配置した。圧下前の二次冷却は圧下面、
非圧下面とも実施しなかった。
【0028】実施例の評価は、鋳造後、鋳造定常部に相
当する2m の鋳片サンプルを採取し、200mmピッチ
で、11枚の横断面サンプルを切り出し、中心偏析、ポ
ロシティおよび内部割れについて行った。
【0029】中心偏析は、横断面中心を通る直径直線上
の中心から径方向に5mmピッチで、2mm径の化学分析サ
ンプルを鋳片の中心50mmφの範囲で採取した。化学分
析により炭素濃度を求め、 最大濃度となる値を求めた。
この最大濃度C(重量%)を平均濃度C0 (重量%)で
除したもの、すなわちC/C0 (−)を中心偏析比とし
た。中心偏析比の良好な範囲は、1.03以下とした。
【0030】ポロシティは、横断面に存在するポロシテ
ィの面積をサンプル毎に求め、サンプルの平均値を鋳片
断面積で除したものをポロシティ面積率(%)として評
価した。ポロシティの良好な範囲は、0.02%以下と
した。
【0031】内部割れについては、各断面サンプルをサ
ルファプリントし、目視により有無を判定した。表1に
その結果を示すように、本発明例1〜6における鋳片の
内部品質(中心偏析、ポロシティ、内部割れ)は良好で
あった。
【0032】比較例1は、圧下時の中心固相率が0.4
より低いため、内部割れが発生した。比較例2は、中心
固相率が0.9より高いため、ポロシティおよび中心偏
析の改善ができなかった。比較例3では圧下率が5%と
低いため、ポロシティおよび中心偏析を改善ができなか
った。比較例4は、圧下面および非圧下面とも二次冷却
を実施した場合であり、比較例5は、いずれも実施しな
かった場合であるが、比較例4および比較例5とも中心
偏析およびポロシティとも良好な範囲に入らなかった。
比較例6は、未凝固圧下を実施せずに単に連続鋳造した
ものであり、比較例7は、軽圧下をしたものであるが、
比較例6および比較例7とも本発明例1〜6に比べてポ
ロシティおよび中心偏析とも良好な範囲に入らなかっ
た。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明により、ビレット鋳片に内部割れ
を発生させることなく、ポロシティや中心偏析を低減で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を示す概念図である。
【符号の説明】
1:鋳片、 2:浸漬ノズル、 3:溶鋼面、 4:鋳型、 5:鋳型直下の二次冷却帯、 6:溶鋼、 7:凝固シェル、 8:未凝固圧下直前の二次冷却帯、 9:水平ロール、 10:垂直型成形ロール、 11:ピンチロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−60424(JP,A) 特開 昭62−45458(JP,A) 特開 平7−185763(JP,A) 特開 平9−174211(JP,A) 特開 平8−150451(JP,A) 特開 平8−52555(JP,A) 特開 昭57−11757(JP,A) 特開 平6−182516(JP,A) 国際公開97/747(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/20 B22D 11/128 350 B22D 11/22 B22D 11/124

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳片の中心固相率が0.4〜0.9のと
    きに、断面形状が正方形の場合には辺長さ、長方形の場
    合には鋳片厚さ、丸形の場合には鋳片径のそれぞれの
    0%〜40%の量の圧下を少なくとも1対のロールで鋳
    片に与える連続鋳造方法であって、圧下面を非圧下面側
    より低温に保持することを特徴とするビレット鋳片の連
    続鋳造方法。
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JP3317260B2 (ja) * 1998-12-24 2002-08-26 住友金属工業株式会社 連続鋳造による丸ビレット鋳片の製造方法
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