JP3275828B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素鋼、ステンレ
ス鋼、高合金鋼等の連続鋳造方法に関し、さらに詳しく
は、中心偏析、センターポロシティおよび内部割れ等の
内部欠陥が少なく、かつ断面形状の良好な鋳片の連続鋳
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造においては、鋳片の中心部
に中心偏析やセンターポロシティ(以下、単にポロシテ
ィと記す)等の内部欠陥が発生しやすい。このような鋳
片を圧延しても、内部品質の良い圧延製品は得られな
い。
【0003】たとえば、硬鋼線材(以下、線材と記す)
の製造用鋳片の中心偏析やポロシティは、熱間圧延後の
線材の中心部にも欠陥として残存する。このような線材
を冷間で伸線加工すると、カッピー断線といわれる事故
が発生することがある。また、このような鋳片を熱間圧
延し、棒鋼(以下、棒鋼と記す)に加工した場合にも棒
鋼の中心部に欠陥として残存する。この棒鋼を冷間で押
し出し加工する際に、シェブロンクラックといわれる欠
陥が発生することがある。
【0004】また同様に、連続鋳造から圧延工程または
鍛造工程を経て、マンネスマン法でシームレスパイプ
(以下、単にパイプと記す)を製造する場合に、鋳片に
ポロシティがあれば、パイプに内面疵が発生することが
ある。さらに、厚板用の鋳片の中心偏析やポロシティ
は、製品厚板(以下、単に厚板と記す)に残存し、溶接
継手に加工した際に継手部の靱性低下の原因となる場合
がある。また、厚板から曲げ加工後、溶接して製造され
るサワーガス輸送用大径鋼管にも、その欠陥が残存し、
水素誘起割れの原因となることがある。
【0005】中心偏析とは、鋳片の厚み方向中心部に
C、S、PおよびMnなどの偏析成分が濃化することで
あり、凝固の進行に伴い濃化した溶鋼が、凝固の際の収
縮やロール間バルジング等により最終凝固部である鋳片
中心部に移動、集積し、そのまま凝固することにより発
生する。
【0006】ポロシティは、最終凝固部では濃化溶鋼が
流動しにくいので、収縮によって生じる狭い隙間に溶鋼
が補給されずに凝固が完了するために発生する。
【0007】したがって、これら中心偏析およびポロシ
ティの防止対策として、濃化した未凝固溶鋼の移動、集
積を抑制するために、最終凝固部付近をロールまたは金
型などで圧下する方法等が提案されている。
【0008】代表的な方法として、鋳片の未凝固軽圧下
法がある。鋳片の未凝固部にロールによる凝固収縮分相
当の鋳片厚みの圧下を行う、いわゆる軽圧下を施し、凝
固収縮やロール間バルジングによって生じる最終凝固部
への濃化溶鋼の流動を極力抑え、中心偏析やポロシティ
の低減を図るものである。
【0009】特開昭61−42460号公報には、最終
凝固部の鋳造方向の上流側に設定した電磁攪拌装置ある
いは超音波印加装置を用いて強制的に溶鋼を流動させ、
凝固した柱状晶を切断することにより最終凝固部付近に
等軸晶を形成させた上で、最終凝固部直前に配置した圧
下ロールにより、凝固収縮相当量以上の3mmから20
mm程度の圧下を与えて、強制的に凝固完了点を形成
し、鋳片内部割れを発生させることなく中心偏析を防止
する方法が提示されている。
【0010】また、特開平3−124352号公報に
は、鋳片の厚さの2〜5倍の直径を有するロールで最終
凝固部を圧下し、中心偏析やポロシティを低減する方法
が提示されている。
【0011】しかし、上記特開昭61−42460号公
報、特開平3−124352号公報のような従来の未凝
固圧下方法には、下記のような問題がある。
【0012】線材、棒鋼、パイプ、厚板等に用いる鋼
では、未凝固圧下に伴う内部割れが鋳片に発生しやす
く、この内部割れが製品の欠陥となる場合がある。
【0013】鋳片の内部割れの発生を防止するため
に、1対のロール当たりの未凝固圧下量を小さくする
と、中心偏析やポロシティの低減が不十分となるばかり
でなく、多数の圧下ロールを必要とするため、設備費が
高くなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭素鋼、ス
テンレス鋼、高合金鋼等の連続鋳造において、中心偏
析、ポロシティおよび内部割れ等の内部欠陥が少なく、
かつ断面形状の良好な鋳片が得られる連続鋳造方法を提
供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
(1)および(2)に示す連続鋳造方法にある。
【0016】(1)鋼の連続鋳造鋳片の未凝固部を、下
記(1)式で表される内部圧下比εが0.5〜3.0とな
るように圧下することを特徴とする連続鋳造方法。
【0017】 ε=L/{(η/100)×R} ・・・(1) ここで、η=Σ(an×Sn)×(D/210)b ・・・(2) Lは、圧下時の未凝固部厚さ(mm) ηは、内部浸透度(%) Rは、未凝固部圧下量(mm) Sは、鋳片横断面における未凝固部の面積比率(%) nは、0、1、2 an は、a0 、a1 、a2 でa0=24.6、a1=−
0.9、a2=0.3 Dは、未凝固部圧下ロール径(mm) b=0.033×{鋼のC含有率(重量%)}+0.5
5 (2)鋳片の完全凝固後、さらに圧下することを特徴と
する上記(1)に記載の連続鋳造方法。
【0018】図5は、本発明の未凝固圧下法の概念を、
断面形状が丸形状の鋳片(以下、丸鋳片と記す)により
説明するための図である。同図(a)は、鋳片の圧下状
態を示す縦断面図であり、同図(b)は、同図(a)中
のI−I’線における鋳片の断面図である。
【0019】図5(a)において、未凝固圧下装置29
は、未凝固部27のある鋳片28を圧下する上下一対の
未凝固圧下水平ロール32を備えている。圧下の際に
は、未凝固部厚さ(以下、未凝固厚と記す)Lの鋳片
を、直径Dの未凝固圧下のロールを使用して未凝固部圧
下量(以下、未凝固圧下量と記す)Rだけ圧下する。
【0020】ここで、未凝固厚Lは、固相率が0.99
以下の領域の厚さである。符号33は、固相率0.99
の線である。固相率は、鋳片の各位置での温度を伝熱凝
固解析により求め、その結果と、その鋼の固有の液相線
温度と固相線温度とから求めることができる。
【0021】図5(b)に示した丸鋳片では、未凝固厚
Lは、ほぼ丸形の未凝固部の直径を意味する。断面が丸
形以外の正方形または矩形の断面の鋳片の場合には、未
凝固厚Lは、鋳片の未凝固部厚みそのものである。矩形
の場合は、長辺側の固相率0.99を超える凝固殻同士
の間の未凝固部厚みのことである。
【0022】本発明では、内部圧下比εが0.5〜3.
0の条件で圧下する。この内部圧下比εは、上記(1)
式に示すとおり未凝固厚Lと、内部浸透度ηを加味した
未凝固圧下量Rとの比で表される。この内部圧下比が大
きい値のときは、未凝固厚みに比べて未凝固圧下量が少
なく、逆に内部圧下比が小さいときは、未凝固厚みに比
べて大きな未凝固圧下量を加えることになる。
【0023】上記(2)式における鋳片横断面における
未凝固部の面積比率S(%)は、図5(b)において、
圧下時の鋳片の未凝固部面積をAL 、鋳片断面積をA0
とすると下記の式で表される。
S(%)=(AL /A0 )×100 なお、圧下時とは、未凝固圧下力が、鋳片にかかる時を
意味し、圧下ロールが鋳片に接触する瞬間のことであ
る。
【0024】また、上記(2)式で表される内部浸透度
ηは、外部から加えた圧下量が実際に未凝固部に伝わる
割合を意味し、実験結果を基にした回帰計算によって求
めた式である。ここで、内部浸透度ηは、圧下時におけ
る鋳片横断面の面積に占める未凝固部の面積の比率S、
未凝固圧下ロールの直径Dと鋼のC含有率から求められ
る。上記(2)式におけるn、an およびbは、現象を
説明するに好適な式と数値を、回帰計算から求めたもの
である。
【0025】本発明の方法による未凝固圧下で内部割れ
の発生を防止できるのは、適正な内部圧下比の条件で未
凝固圧下を行うことにより、圧下を受ける凝固界面が応
力的に圧縮状態となることに加えて、また溶鋼の流動が
強められるので凝固界面近傍の柱状晶間に吸引された濃
化溶鋼が、鋳造方向の上流側に絞り出されやすいためで
ある。
【0026】また、本発明の方法では、適正な未凝固圧
下量の選択により鋳片が大きな変形を受ける。したがっ
て、凝固完了後さらに圧下を行うことが望ましく、この
圧下により断面形状の良好な鋳片を得ることができる。
【0027】さらに、本発明の方法の場合には、1対の
ロール当たりに大きな圧下量を選択できるので、圧下の
ための設備費の低減が可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の方法を実施する
ための連続鋳造装置の1例を示す図である。ここで、浸
漬ノズル21から鋳型22に溶鋼23が注入されると、
鋳型内で凝固殻26が形成され、この凝固殻26は、冷
却ロール群24および案内ロール群25を通過する間に
徐々に厚みを増していく。そして、未凝固部27を有す
る鋳片28となり、この鋳片は未凝固圧下装置29およ
び凝固後圧下装置30で圧下されてピンチロール31に
より引き抜かれる。
【0029】なお、本発明の方法は、線材、棒鋼、パイ
プ等の製造に用いられる、いわゆるブルーム鋳片、また
は丸鋳片を含むビレット鋳片、および厚板の製造に用い
られる断面が長方形のスラブ鋳片の鋳造にとくに適して
いる。
【0030】未凝固圧下装置は少なくとも1対のロール
があればよく、この場合、1対のロールでも十分な圧下
効果が得られる。2対以上のロール圧下装置でも構わな
い。
【0031】図5で示した未凝固圧下ロール32は、1
対の上下水平ロールである。厚板製造のための断面が長
方形の鋳片の場合には、この上下水平ロール方式が、設
備配置の上で適している。線材、棒鋼、パイプ等の製造
用のブルームまたは丸鋳片を含むビレットの場合には、
この上下水平ロール方式以外に、1対の垂直ロールであ
っても構わない。
【0032】また、この未凝固圧下ロールの表面形状
は、丸鋳片以外の形状の鋳片の場合は、フラット形状が
適しているが、丸鋳片の場合は孔型形状であってもよ
い。なお、孔型形状ロールの場合、その平均ロール径を
未凝固圧下ロール直径として計算するのがよい。
【0033】本発明では、未凝固部のある鋳片を内部圧
下比εが0.5〜3.0の範囲になるように未凝固圧下
する必要がある。
【0034】図2は、中心偏析およびポロシティに及ぼ
す内部圧下比εの影響を示す図である。中心偏析の有無
およびポロシティの大きさは、内部圧下比が3.0以下
で著しく改善されていることが分かる。
【0035】図3は、未凝固圧下時の内部割れ発生に及
ぼす内部圧下比εの影響を示す図である。内部割れは、
内部圧下比が3を超えて7程度の値の範囲で発生してお
り、その内部割れ長さは、内部圧下比が5の近傍で極大
となっている。また、内部圧下比が3.0以下では内部
割れは発生しないことがわかる。
【0036】図4は、内部圧下比と未凝固圧下ロール径
が、鋳片内部割れの発生と未凝固圧下の際の圧下ロール
負荷状況に及ぼす影響を示す図である。ロール径によら
ず、内部圧下比が3.0を超えると内部割れ等の内部欠
陥が発生する。また、内部圧下比が0.5未満では、圧
下ロール負荷が大きくなり、連続鋳造の操業における鋳
片の引抜が困難となる。
【0037】上記のように、内部圧下比εが0.5〜
3.0の範囲で未凝固圧下する必要がある。内部圧下比
εのさらに好ましい範囲は1.0〜2.5である。
【0038】未凝固圧下ロールの直径は、100〜10
00mmが望ましい。100mm未満の場合には、圧下
力の内部浸透性が低いため内部欠陥の抑制が不十分とな
る。また、未凝固圧下ロールの直径が1000mmを超
えると、大きな圧下力を必要とするので未凝固圧下装置
が大型化し、設備費用が上昇する。
【0039】本発明の方法を実施する場合には、内部圧
下比εは次の手順で決定する。未凝固部圧下ロールの直
径Dは通常上記の範囲内で設備上定まった値である。鋳
造する鋼のC含有率は、レードル分析値で既知であるの
でbが求められる。鋳片表面等の二次冷却条件および鋳
造速度等の鋳造条件を決めると、未凝固部の面積率Sが
求められ、上記(2)式から圧下の時の内部浸透度ηが
決まる。また、二次冷却条件と鋳造速度を決めると、未
凝固厚Lも求まるので、未凝固圧下量Rを選択すれば、
上記(1)式から内部圧下比εを得ることができる。こ
のεが、目標の値となるように、鋳造速度、未凝固圧下
量などを選択する。
【0040】凝固完了後の圧下は、線材、棒鋼、パイプ
等の製造用のブルーム、丸鋳片を含むビレットを鋳造す
る場合に適用するのが望ましい。たとえば、線材、棒鋼
製造用の熱間圧延用素材として、ブルームを用いる場
合、ブルームが未凝固圧下により大きく変形している
と、その後の熱間圧延が困難である。したがって、未凝
固圧下後に、変形した鋳片を適正な形状に成形すること
を目的に、凝固後圧下を施すのが有効である。
【0041】図1には、1対の垂直ロールとその後段に
1対の上下水平ロールを備えた凝固後圧下装置30を示
している。凝固後圧下の効果を得るのには、少なくとも
1対のロールを用いるのがよい。最初の凝固後圧下ロー
ルを垂直にするか、水平にするかは、最後の未凝固圧下
ロールが水平か垂直かで選択すればよい。すなわち、最
後の未凝固圧下ロールが水平ロールであれば、最初の凝
固後圧下ロールは垂直とするのがよい。
【0042】凝固後圧下装置の設置位置は、未凝固圧下
装置の鋳造方向に下流側で、鋳片中心部が完全凝固する
位置以降である。ただし、未凝固圧下装置と距離が離れ
すぎると、鋳片温度が下がりすぎるため、最後の未凝固
圧下装置から、最初の凝固圧下装置までの距離は2〜1
0m程度が望ましい。
【0043】本発明の方法は、炭素鋼、ステンレス鋼、
高合金鋼等の鋼に対して有効であり、そのいずれの鋼に
おいても中心偏析、ポロシティ、内部割れ等の内部欠陥
が少なく、かつ断面形状の良好な鋳片が得られる。
【0044】
【実施例】表1に示す化学組成の鋼を用い、図1に示す
構成の連続鋳造装置を用いて連続鋳造試験を行った。
【0045】直径250mmの断面形状が丸形の鋳片に
対して、未凝固圧下および凝固後圧下を行い直径190
mmの鋳片を製造した。未凝固圧下装置は、溶鋼メニス
カスから20mの位置に設置し、圧下は表面がフラット
なロールを使用した上下1対の水平ロール1台で行っ
た。ロール径は、300、600および900mmの3
種類とした。凝固後圧下は、ロール表面形状が孔型のロ
ールを使用し、1対の垂直ロールと上下1対の水平ロー
ルの合計2台で行った。鋳片表面の二次冷却の領域は、
鋳型下端から6mまでとし、比水量0.2リットル/k
g・鋼で冷却を行った。
【0046】
【表1】
【0047】表2に、鋳造条件を示す。なお、鋳造速度
を1.7〜2.3m/分の間で調整した。また未凝固厚
は、鋳片温度の伝熱凝固解析により計算で求めるととも
に、Fe−S添加による未凝固厚みの測定で確認した。
【0048】
【表2】
【0049】本発明例のNo.1〜5では、本発明で規
定する内部圧下比0.5〜3.0の範囲の条件で鋳造し
た。
【0050】これに対し、比較例のNo.6は、圧下量
を小さめにして、内部圧下比が本発明で規定する範囲外
の3.30と大きい例であり、比較例のNo.7は、内
部圧下比が本発明で規定する範囲外の0.43と小さめ
の例である。
【0051】鋳片の性状は、鋳造方向に100mmの間
隔で採取した21個の横断面サンプルを対象に調査し
た。
【0052】内部割れは、横断面のサルファプリントに
より判定し、その割れ長さで評価した。
【0053】中心偏析は、横断面サンプルの中心部のC
含有率分析値C1 、とレードル分析値C0との比、すな
わち偏析度比C1/C0 により評価した。
【0054】ポロシティについては、横断面サンプル内
のポロシティの発生個数と形状を目視観察し、さらに寸
法を計測する。ポロシティ総面積は、形状を円または楕
円形状に近似し、計測した寸法から1個のポロシティ面
積を求め、発生個数をかけて求めた。このポロシティ総
面積と鋳片横断面の面積との比をポロシティ面積率とし
て評価した。
【0055】円形偏差率(%)は、鋳片横断面の重心を
求め重心から外表面への距離を周方向に30°ピッチで
計測し、得られるべき目標の円半径との差を目標の円半
径で除した比と定義して評価した。熱間製管圧延に用い
られるビレットに許容される円形偏差率は、通常3%程
度以内である。
【0056】表3に調査結果を示す。
【0057】
【表3】
【0058】本発明例のNo.1〜5の鋳片は、ポロシ
ティ面積率および偏析度比が、いずれも小さく良好であ
り、内部割れもないか、あっても軽微であった。円形偏
差率も3%以下で良好であった。
【0059】一方、内部圧下比εの値が、本発明で規定
する範囲外で大きすぎる比較例のNo.6の鋳片では、
ポロシティおよび中心偏析が残存し、また内部割れが発
生した。その理由は、未凝固厚みに対する未凝固圧下量
が小さいためである。また円形偏差率も3.7と悪く、
熱間圧延用素材としては不適当と判断された。
【0060】比較例のNo.7の場合には、鋳片の引抜
が困難であったため、鋳造試験を途中で中止した。鋳片
の中心部固相率が0.9と大きく、凝固が進行しすぎて
おり、また内部圧下比が本発明で規定する範囲外で、小
さいこと、すなわち未凝固厚みに対して未凝固圧下量が
大きすぎて、圧下ロールへの荷重負荷が大きくなったた
めである。
【0061】
【発明の効果】本発明の方法の適用により、中心偏析、
ポロシティおよび内部割れ等の内部欠陥の少ない、かつ
断面形状の良好な鋳片が得られる。したがって、本発明
の方法で得られるブルーム、ビレット、スラブ等の鋳片
を素材として、内部品質に優れた線材、棒鋼、パイプお
よび厚板等を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための連続鋳造装置の
1例を示す図である。
【図2】センターポロシティに及ぼす内部圧下比εの影
響を示す図である。
【図3】内部割れ長さに及ぼす内部圧下比εの影響を示
す図である。
【図4】未凝固圧下用のロール径Dと内部圧下比εと内
部欠陥および連続鋳造引き抜き可否の関係を示す図であ
る。
【図5】本発明の未凝固圧下の概念を説明するための図
である。
【符号の説明】
21 浸漬ノズル 22 鋳型 23
溶鋼 24 冷却ロール群 25 案内ロール群 26
凝固殻 27 未凝固部 28 鋳片 29
未凝固圧下装置 30 凝固後圧下装置 31 ピンチロール 32 未凝固圧下ロール 33 固相率0.99の
線 L:圧下時の未凝固部厚さ R:未凝固部圧下量 D:未凝固圧下ロール径 AL :未凝固部面積 A0 :鋳片断面積
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−52744(JP,A) 特開 平9−206903(JP,A) 特開 平9−29405(JP,A) 特開 平8−281400(JP,A) 特開 平8−192256(JP,A) 特開 平8−164460(JP,A) 特開 平5−285619(JP,A) 特開 平3−275259(JP,A) 特開 昭63−183765(JP,A) 特開 平11−188468(JP,A) 特開 平10−328800(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/128 350 B22D 11/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼の連続鋳造鋳片の未凝固部を、下記
    (1)式で表される内部圧下比εが0.5〜3.0となる
    ように圧下することを特徴とする連続鋳造方法。 ε=L/{(η/100)×R} ・・・(1) ここで、η=Σ(an×Sn)×(D/210)b Lは、圧下時の未凝固部厚さ(mm) ηは、内部浸透度(%) Rは、未凝固部圧下量(mm) Sは、鋳片横断面における未凝固部の面積比率(%) nは、0、1、2 an は、a0 、a1 、a2 でa0=24.6、a1=−
    0.9、a2=0.3 Dは、未凝固部圧下ロール径(mm) b=0.033×{鋼のC含有率(重量%)}+0.5
  2. 【請求項2】鋳片の完全凝固後、さらに圧下することを
    特徴とする請求項1に記載の連続鋳造方法。
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