JP3267016B2 - 携帯型測定器 - Google Patents

携帯型測定器

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JP3267016B2
JP3267016B2 JP30634593A JP30634593A JP3267016B2 JP 3267016 B2 JP3267016 B2 JP 3267016B2 JP 30634593 A JP30634593 A JP 30634593A JP 30634593 A JP30634593 A JP 30634593A JP 3267016 B2 JP3267016 B2 JP 3267016B2
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聡 中嶋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定化酵素センサを用
いた生化学用の携帯型測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】酵素は、その優れた基質特異性と固定化
技術により、繰り返し安定して使用できるようになって
実用化が促進され、現代は食品工業分野や臨床検査分野
など幅広く利用されている。検査分野では、酵素を利用
した複合試料中の特定物質の検知・定量に利用されてお
り、主に次の2種類の方法が実用化されている。その1
つの方法は、酵素と発色試薬との混合により酵素反応量
を色調変化に変換し、この色調変化を光学的に検知して
特定物質(基質)の測定を行う方法であり、他法は、酵
素と電極を組み合わせて酵素反応に伴って増減する物質
を電気化学的に検出して電気量変化から特定物質(基
質)の測定を行う方法である。
【0003】後者の方法の場合、酵素を試料溶液と混合
して用いる場合もあるが、装置が大がかりになるので、
一般用途向けには装置の小型化が可能な酵素の固定化・
薄膜化と電極の組合せが利用される。この場合、固定化
酵素膜と電極の密着、センサ部の湿潤状態の双方を一定
に保つ必要がある。これは、液体試料中の測定対象物質
(基質)の固定化酵素層への拡散量と酵素反応に伴って
増減する物質の電極表面への拡散量を一定に保ち、測定
結果を安定させるためである。逆に、酵素膜と電極の密
着性や酵素膜と電極の湿潤状態が変化すると、結果とし
て測定結果が変動するためである。
【0004】そこで、酵素膜装着時の電極と酵素膜の密
着性を一定に維持するために酵素膜装着治具を設けるな
ど操作性向上の試みがなされているが、飽くまでユーザ
が交換するため装着不良による密着不安定は避けられな
い。また、固定化酵素センサ部を一定の湿潤状態に保つ
ために、センサ部をフローセル内に設けて、試料・保存
液を供給する方法も用いられてきたが、フローセル以外
にポンプも必要となる。
【0005】いずれにしても、防水と保存液の維持のた
めに装置が大きくなり、高価なものとなっていた。ま
た、試料についても一定量を分取してセンサに供給する
か、試料を容器に集めてセンサを浸漬する必要があり、
試料の前処理扱いが必要であった。これに対して近年、
スポンジ状の多孔質体に保存液を吸収させ、この多孔質
体を固定化酵素センサの感応表面と接触させることによ
り、酵素センサの湿潤状態を保つ提案がなされている
(例えば特開平4−43947号公報、実開昭64−5
0号公報参照)。
【0006】この場合、小型化により携帯性は向上した
が、拡散制限膜が分離されていて、測定毎に拡散制限膜
を取付ける必要があり、操作性と安定性は十分とは言え
ない。更に、軟質吸水体の弾性変化により電極と吸水体
の圧接状態が変化し易く、保存液の循環も行われ難く、
収納液量も少なくなる。また、保存時は密封状態とな
り、温度変化等による圧力変化が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記のような従来の問題点に着目してなされたもので、主
に小型化、操作性の向上、出力安定性の向上、防水性の
向上を実現する携帯型測定器を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の携帯型測定器は、酵素セン
サを内蔵したセンサホルダ、測定回路及び電源部を備え
た測定器本体と、この測定器本体から突出する酵素セン
サを覆うように測定器本体に着脱可能に取付けられ、酵
素センサ用の保存液を収納する保存液収納部を備えたカ
バーとからなることを特徴とする。
【0009】
【作用】請求項1記載の測定器では、測定時にカバーを
測定器本体から取り外せば、センサホルダ(即ち酵素セ
ンサ)が現れて、測定可能な状態となり、逆にカバーを
測定器本体に取付ければ、酵素センサをカバー内の保存
液中へ浸漬することができ、酵素センサを一定の湿潤状
態に維持できるだけでなく、操作性が向上する。
【0010】センサホルダを測定器本体に着脱可能にす
ること(請求項2記載)により、酵素センサをセンサホ
ルダごと取り替えることができ、酵素センサの交換が容
易となる上に、酵素膜と電極の密着性も一定する。セン
サホルダを測定器本体に固定具によって液密に固定する
こと(請求項3記載)により、密閉性が高まり、防水性
が向上する。
【0011】センサホルダ及び/又はカバーがそれぞれ
測定器本体に装着されているか否かを検知する検知手段
を備えること(請求項4記載)により、センサホルダや
カバーの装着状態又は非装着状態を測定器に自動的に判
断させることができ、更に操作性が良くなると共に、カ
バーの脱着により測定器のON/OFFを行わせること
も可能となる。
【0012】センサホルダは、その内部の酵素センサの
感応部に対応する開口部を有し、この開口部における横
断面形状が半円形状であること(請求項5記載)によ
り、センサホルダの開口部から酵素センサの感応部に試
料を掛けて供給することができ、酵素センサに対する試
料の供給方法の選択幅が広がり、使い勝手が良くなる。
センサホルダは、その内部の酵素センサの感応部に対応
する開口部を有し、この開口部がすり鉢形状であること
(請求項6記載)により、センサホルダを保存液に浸漬
する際にセンサホルダの開口部に気泡が残存し難くな
り、保存液が開口部を通じて確実に酵素センサに浸入す
る。
【0013】カバーは、その内部に設けられた軟質薄膜
袋と環状のパッキング部材とで形成される密閉空間内に
保存液を内包し、センサホルダは、パッキング部材を貫
通してカバー内に挿入され、これによりセンサホルダ内
の酵素センサがカバー内の保存液に接すること(請求項
7記載)により、軟質薄膜袋内は保存液のみで満たすこ
とができ、吸水体を用いた従来の場合よりも保存液の収
納効率が向上する。
【0014】カバーは、その内部に設けられた環状のパ
ッキング部材を有し、このパッキング部材は、中央付近
に設けられた凹部及びこの凹部に続くスリット部を有
し、センサホルダはパッキング部材の凹部とスリット部
を通過してカバー内に対して進退すること(請求項8記
載)により、ゴミ等の異物が外部から保存液内に侵入す
るのを防止することができるだけでなく、保存液が外部
に漏るのも防ぐことができる。しかも、凹部がセンサホ
ルダの挿入時(即ちカバーの装着時)にガイドとして機
能するので、センサホルダの挿入が容易になる。
【0015】以上により、全体として小型化・軽量化さ
れた操作性・信頼性の良好な携帯型測定器となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の携帯型測定器を実施例に基づ
いて説明する。その一実施例に係る測定器の外観上面図
を図1に、外観側面図を図2に示す。この測定器1は、
酵素センサを内蔵したセンサホルダ、測定回路及び電源
部を備えた測定器本体2と、この測定器本体2から突出
するセンサホルダを覆うように測定器本体2に着脱可能
に取付けられ、酵素センサ用の保存液を収納する保存液
収納部を備えたカバー3とからなる。測定器本体2は、
表示部6及び電池ケース7を有し、内部の測定回路は演
算器やブザー等を始めとする各種電子部品からなる。
又、図3及び図4に示すように、測定器本体2からカバ
ー3を取り外せば、酵素センサを内蔵したセンサホルダ
5が測定器本体2から現出する。
【0017】センサホルダ5に内蔵する酵素センサは、
例えば図5に示すようにセンサホルダ5に取付けられた
下地電極10と、この下地電極10上に積層された固定
化酵素膜13とで構成される一体化プレーナ型酵素セン
サ18である。下地電極10としては、次の2例,
が挙げられる。 電圧→電流変換素子としての電界効果トランジスタを
使用する。この場合、絶縁されたゲート部を最外部に設
け、その外部に続けて固定化酵素層を形成し、酵素反応
に伴うpH変化をゲート電圧変化(ドレイン電流変化に
同時に変換される)として捕らえる。 電流→電圧変換素子としてプレーナ型の酸素電極・過
酸化水素電極を使用する。この場合、感応部表面に固定
化酵素層を形成し、酵素反応に伴う酸素や過酸化水素の
増減を下地電極の酸化電流変化として捕らえる。電極と
しては、各種の金属が利用されるが、作用極としては主
に白金(Pt)を用い、参照極・対極には金(Au)、
白金(Pt)、銀(Ag)等を用いる。
【0018】酵素センサ18に使用される酵素として
は、次のようなもの〜が例示される。 グルコース酸化酵素(GOD) Glucose +O2 →グルコン酸+H2 2 酸素(O2 )の消費(減少)と過酸化水素(H2 2
の発生(増加)とグルコン酸の発生(pH減少)とを伴
う。 乳酸酸化酵素(LOD) L-Lactate +O2 → Pyruvate +H2 2 酸素(O2 )の消費(減少)と過酸化水素(H2 2
の発生(増加)とを伴う。 ウレアーゼ 尿素+H2 O→2NH3 +CO2 アンモニアの発生(水素イオン濃度の減少によるpHの
増加)とCO2 ガスの増加とを伴う。 ウリカーゼ 尿酸+O2 +2H2 O→アラントイン+H2 O+CO2 酸素(O2 )の消費(減少)と過酸化水素(H2 2
の発生(増加)とCO2ガスの増加とを伴う。
【0019】固定化酵素膜13の例としては、上記のよ
うな酵素からなる固定化酵素層15を上下層で保護する
サンドイッチ構造が代表的である。固定化酵素層15
は、官能基を有する架橋材を用いる架橋法、ゲルの格子
内や高分子で被覆する包括法などで形成される。下部保
護膜14は、必要により電極表面への干渉物質の透過を
制限するものであり、下地電極10及び固定化酵素層1
5との密着性・安定性が必要であり、アセチルセルロー
スやイオン交換性膜材などが利用される。上部保護膜1
6は、固定化酵素層15の保護、固定化酵素層15への
基質の拡散制限を目的とするものであり、固定化酵素層
15との密着性と機械的強度が必要である。
【0020】これら各層の形成には、ディップコート法
やスピンコート法を用いることで、薄く均一な膜を得る
ことができる。例えば、下部保護膜14は、5%アセチ
ルセルロース薄膜(溶媒組成;アセトン:シクロヘキサ
ノン=3:1)を金属電極12に滴下し、2000rp
mで5秒間回転させて形成できる。固定化酵素層15
は、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で調整された
0.5%グルタルアルデヒド溶液と酵素とを混合した酵
素溶液を、下部保護膜14と同様にスピンコートして形
成できる。上部保護膜16は、2.5%アセチルセルロ
ース薄膜(溶媒組成;アセトン:エタノール=1:1)
を1cm/secでディップコートして形成できる。
【0021】この実施例では、下地電極10としてのプ
レーナ型過酸化水素電極は、例えばセラミックや樹脂フ
ィルムの絶縁性フィルム11の表面に、金属電極12と
して例えば白金・金・銀の薄膜を選択的に形成したもの
である。又、固定化酵素膜13は、固定化酵素層15と
してGODやLODを架橋固定し、更に上部保護膜16
の機能を強化するために、ナイロン格子やポリカーボネ
イト等からなる表面保護膜17を別途に上部保護膜16
上に密着させたものである。
【0022】このような酵素センサ18を内蔵したセン
サホルダ5の構造例を図6(上面図)、図7(側面
図)、図8(縦断面図)及び図9(図8の線A−Aにお
ける断面図)に示す。プレーナ型酵素センサ18は、そ
の感応部21とコネクタ部22以外がセンサホルダ5内
に収納されている。酵素センサ18をセンサホルダ5内
に一体収納しておくことにより、酵素センサ18の交換
時や測定開始時に、保護膜等を追加装着する必要がなく
なる。しかも、酵素センサ18を交換するには、センサ
ホルダ5ごと取り替えればよいので、酵素センサ18に
おける電極表面と酵素膜との密着性は交換作業に影響さ
れずに一定となる。又、センサホルダ5から酵素センサ
18のコネクタ部22が突出しており、センサホルダ5
を測定器本体2に挿入すればコネクタ部22が測定器本
体2内の回路に接続されるようになっているので、リー
ド線等を用いて配線する必要がなくなり、交換作業等の
操作性が向上し、接続の信頼性も高くなる。
【0023】センサホルダ5は、図8に示すように、酵
素センサ18の感応部21に対応する開口部30a(図
6参照)を有する部分30と、この部分30に螺合され
ると共に、測定器本体2への水や異物等の侵入を防ぐた
めに防水用のOリング(図示せず)を装着する装着部
(図示せず)を有する部分31と、酵素センサ18のコ
ネクタ部22を部分31と共に位置決め・固定する部分
32と、酵素センサ18の感応部21を部分30との間
で凸状に位置決めする部分33と、酵素センサ18の感
応部21付近を部分33と共に固定する部分34とから
なる。なお、これらのセンサホルダ部分30〜34は、
例えば溶着固定することで、センサホルダ5内への試料
や洗浄水等の浸入を防ぐことができる。
【0024】図9において、酵素センサ18の表面保護
膜17は支持部材37に接着固定されており、センサホ
ルダ部分30内に表面保護膜17を取付けた後、酵素セ
ンサ18、センサホルダ部分33を順次挿入し、これら
をセンサホルダ部分34で固定すると共に、酵素センサ
18の感応部21に表面保護膜17を密着固定する。更
に、センサホルダ部分30の開口部30aからセンサホ
ルダ5内への試料や洗浄水等の浸入を防ぐために、開口
部30aの内側にはOリング38が設けられている。
【0025】センサホルダ部分30の開口部30aはす
り鉢形状になっており(図9参照)、しかも開口部30
aはセンサホルダ5の縦断方向に長円で、横断方向に短
円の楕円形状を呈している(図6参照)。これにより、
カバー3を測定器本体2に取付ける際に、即ちセンサホ
ルダ5内の酵素センサ18がカバー3内の保存液に浸漬
される際に、保存液が開口部30a内に浸入し易くなる
が、気泡は開口部30aに残り難くなる。なお、センサ
ホルダ5の先端部は滑らかな凸形状(湾曲状)になって
いるため、カバー3内への挿入は容易である。
【0026】また図9から分かるように、センサホルダ
部分30は、開口部30a側が凸形状となる断面半円形
状を有し、センサホルダ部分34は、平面又は部分30
の断面曲率より低曲率の断面形状を有する。このため、
酵素センサ18の感応部21に試料を直接掛けた場合で
も、試料が開口部30aの周囲に飛散することがなく、
開口部30aに試料を供給する方法の選択幅が広くな
り、使い勝手が良い。更に、図7及び図8から分かるよ
うに、センサホルダ5の後部(センサホルダ部分31,
32)の形状が非対称であるので、測定器本体2に対す
るセンサホルダ5の誤挿入を防ぐことができる。
【0027】図10に、測定器本体2に着脱可能に取付
けられ、保存液を収納する保存液収納部を備えたカバー
3と測定器本体2の先端部の構造例(センサホルダ5の
内蔵状態)を示す。カバー3内の保存液は、保存液袋
(軟質薄膜袋)40と、リング状の固定部材44,45
により所定位置で固定されたパッキング部材41とで形
成される内部空間に収容されている。保存液袋40は、
カバー3の肉壁42内面とパッキング部材41側面との
間で挟持・固定されている。従って、保存液袋40は、
パッキング部材41の側面に接触し、その収縮力により
肉壁42内面とパッキング部材41側面に密着するの
で、保存液の漏洩が効果的に防止され、防水性が向上す
る。又、保存液袋40とパッキング部材41は、固定部
材44,45によりカバー3内に収納・固定されている
ので、測定器本体2に対するカバー3の着脱の際に、即
ちカバー3内へのセンサホルダ5の挿入・離脱の際に、
その位置が一定に保持される。なお、保存液袋40の材
質としては、シリコン膜、ポリエチレン膜、ラテックス
膜などの水蒸気バリヤー性の高いものが好ましい。
【0028】又、カバー3の適所には、カバー3の内部
と外部を連通する貫通口43が形成されており、保存液
袋40は大気圧下に保たれるようになっている。従っ
て、保存液袋40は、自由に伸縮することになり、その
自己伸縮力により、カバー3の脱着による内部圧変化を
和らげ、酵素センサ18の感応部21を急激な圧力変化
から保護する。
【0029】パッキング部材41の中央部には、センサ
ホルダ5を挿入するためにセンサホルダ5の先端部と近
似形状の凹部が形成されると共に、この凹部に連続する
スリット部が形成されており、スリット部はセンサホル
ダ5の有無により開閉する。好ましくは、スリット部に
開閉補助用として収縮リング(図示せず)を装着してお
けば、スライド部が閉じた時の密閉性が向上する。又、
センサホルダ5の挿入時(カバー3の装着時)に、パッ
キング部材41の凹部からの保存液の漏洩を防止するた
めに、凹部入口と固定部材44との間にOリング46が
設けられている。これらの構成により、外部からゴミ等
の異物が保存液内に侵入するのを防止することができる
だけでなく、保存液の外部への漏れも効果的に防げる。
【0030】なお、パッキング部材41のスリット部
は、パッキング部材41を製作後に形成してもよいし、
パッキング部材41を2分割部材とし、この2分割部材
を合わせてカバー3内に圧入して圧入部以外をフリー部
分とし、このフリー部分をスリット部としてもよい。カ
バー3の測定器本体2に対する脱着によりセンサホルダ
5が測定器本体2から簡単に離脱しないようにするため
に、測定器本体2の先端側には固定具51が設けられて
いる。センサホルダ5内の酵素センサ18は、非測定時
も含めて常時測定状態にすることで安定するものであ
り、従って固定具51でセンサホルダ5を測定器本体2
に確実に固定することにより、酵素センサ18の交換時
にセンサホルダ5を操作する以外は、軽く触れたり洗浄
したりする程度ではセンサホルダ5は測定器本体2から
外れないようになる。
【0031】次に、センサホルダ5(即ち酵素センサ1
8)が測定器本体2に装着されているか否かを検知する
と共に、カバー3が測定器本体2に装着されているか否
かをも検知する検知手段を備えた実施例を図11に示
す。但し、検知手段以外の構造は図10に示す実施例と
同一であるため、同じ要素には同一符号を付し、その説
明は省略する。この実施例では、測定器本体2内部にお
いて、測定回路基板60をセンサホルダ5の端部付近ま
で延長し、この回路基板60の、測定器本体2とカバー
3との係合部に対応する部分に、リードリレー61が取
付けられ、センサホルダ5の端部に対応する部分に、マ
イクロスイッチ62が取付けられ、更にセンサホルダ5
から突出する酵素センサ18のコネクタ部22に対面す
る部分に、酵素センサ18と電気的に接続されるコネク
タ64が取付けられている。一方、カバー3の対応部分
にはマグネット63が埋設されている。
【0032】このような検知手段を設けておけば、カバ
ー3を測定器本体2に装着すると、マグネット63の磁
気作用によりリードリレー61がONになり、カバー3
が装着されていることが検知される。これを利用して、
カバー3を外すことにより自動的に測定開始状態とする
ことができるので、測定開始スイッチを測定器本体2に
設ける必要がなくなる。又、センサホルダ5を測定器本
体2に挿入すると、酵素センサ18のコネクタ部22が
回路基板60のコネクタ64に接続されると共に、セン
サホルダ5によりマイクロスイッチ62がONになり、
センサホルダ5が装着されていることが検知される。こ
のため、センサホルダ5が測定器本体2に取付けられて
いない状態でカバー3を装着した場合、即ちカバー3内
の保存液に酵素センサ18が浸漬されていない場合、そ
の旨の注意を促すことができる。
【0033】このような検知手段を設けることで、カバ
ー3やセンサホルダ5の未装着を確実に検知することが
できる。なお、検知信号に基づいて装着の有無を報知す
るには、例えば測定器本体2の表示部6にその旨を表示
したり、或いはブザー等で発音してもよい。上記のよう
に構成した測定器1の操作について簡潔に述べると、測
定に際してはまず測定器本体2からカバー3を外し、測
定可能であることを知らせる表示又はブザー音を確認し
た後、容器内に入れた試料中にセンサホルダ5の開口部
30aを浸漬するか、若しくは試料を開口部30aに連
続的に掛ける。そして、測定終了の表示又はブザー音を
確認してから測定操作を終了し、測定結果を表示により
確認する。その後、センサホルダ5の開口部30a、即
ち酵素センサ18の感応部21付近を水等によって洗浄
してから、カバー3を測定器本体2に装着する。
【0034】
【発明の効果】本発明の携帯型測定器は、以上説明した
ように構成されるため下記の効果を有する。 (1)請求項1記載の測定器では、酵素センサを内蔵し
たセンサホルダ、測定回路及び電源部を備えた測定器本
体と、この測定器本体から突出する酵素センサを覆うよ
うに測定器本体に着脱可能に取付けられ、酵素センサ用
の保存液を収納する保存液収納部を備えたカバーとから
なるため、測定時にカバーを測定器本体から取り外せ
ば、センサホルダ(即ち酵素センサ)が現れて、測定可
能な状態となり、逆にカバーを測定器本体に取付けれ
ば、酵素センサをカバー内の保存液中へ浸漬することが
でき、酵素センサを一定の湿潤状態に維持できるだけで
なく、操作性が向上する。 (2)センサホルダを測定器本体に着脱可能にすること
(請求項2記載)により、酵素センサをセンサホルダご
と取り替えることができ、酵素センサの交換が容易とな
る上に、酵素膜と電極の密着性も一定する。 (3)センサホルダを測定器本体に固定具によって液密
に固定すること(請求項3記載)により、密閉性が高ま
り、防水性が向上する。 (4)センサホルダ及び/又はカバーがそれぞれ測定器
本体に装着されているか否かを検知する検知手段を備え
ること(請求項4記載)により、センサホルダやカバー
の装着状態又は非装着状態を測定器に自動的に判断させ
ることができ、更に操作性が良くなると共に、カバーの
脱着により測定器のON/OFFを行わせることも可能
となる。 (5)センサホルダが、その内部の酵素センサの感応部
に対応する開口部を有し、この開口部における横断面形
状が半円形状であること(請求項5記載)により、セン
サホルダの開口部から酵素センサの感応部に試料を掛け
て供給することができ、酵素センサに対する試料の供給
方法の選択幅が広がり、使い勝手が良くなる。 (6)センサホルダが、その内部の酵素センサの感応部
に対応する開口部を有し、この開口部がすり鉢形状であ
ること(請求項6記載)により、センサホルダを保存液
に浸漬する際にセンサホルダの開口部に気泡が残存し難
くなり、保存液が開口部を通じて確実に酵素センサに浸
入する。 (7)カバーが、その内部に設けられた軟質薄膜袋と環
状のパッキング部材とで形成される密閉空間内に保存液
を内包し、センサホルダが、パッキング部材を貫通して
カバー内に挿入され、これによりセンサホルダ内の酵素
センサがカバー内の保存液に接すること(請求項7記
載)により、軟質薄膜袋内は保存液のみで満たすことが
でき、吸水体を用いた従来の場合よりも保存液の収納効
率が向上する。 (8)カバーが、その内部に設けられた環状のパッキン
グ部材を有し、このパッキング部材が、中央付近に設け
られた凹部及びこの凹部に続くスリット部を有し、セン
サホルダがパッキング部材の凹部とスリット部を通過し
てカバー内に対して進退すること(請求項8記載)によ
り、ゴミ等の異物が外部から保存液内に侵入するのを防
止することができるだけでなく、保存液が外部に漏るの
も防ぐことができる。しかも、凹部がセンサホルダの挿
入時(即ちカバーの装着時)にガイドとして機能するの
で、センサホルダの挿入が容易になる。 (9)以上のような効果により、全体として小型化・軽
量化された操作性・信頼性の良好な携帯型測定器を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係る測定器の外観上面図である。
【図2】図1に示す測定器の外観側面図である。
【図3】図1に示す測定器の、カバーを取り外した状態
での上面図である。
【図4】図3に示す測定器の側面図である。
【図5】センサホルダに収納された酵素センサの構造例
を示す要部断面図である。
【図6】センサホルダの構造例を示す上面図である。
【図7】図6に示すセンサホルダの側面図である。
【図8】図7に示すセンサホルダの縦断面図である。
【図9】図8に示すセンサホルダの線A−Aにおける断
面図である。
【図10】センサホルダを装着した状態での測定器本体
の先端部とカバーとの構造例を示す縦断面図である。
【図11】センサホルダを装着した状態での測定器本体
の先端部とカバーとの別の構造例を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 携帯型測定器 2 測定器本体 3 カバー 5 センサホルダ 18 酵素センサ 21 酵素センサの感応部 30a センサホルダの開口部 40 保存液袋(軟質薄膜袋) 41 パッキング部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−237349(JP,A) 特開 平5−72172(JP,A) 特開 平4−215057(JP,A) 特開 平4−43947(JP,A) 特開 平1−287455(JP,A) 特開 平5−249068(JP,A) 特開 平6−229972(JP,A) 実開 平5−23125(JP,U) 実開 平1−102757(JP,U) 実開 平4−55560(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/28 G01N 27/28 331 G01N 27/327

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酵素センサを内蔵したセンサホルダ、測定
    回路及び電源部を備えた測定器本体と、この測定器本体
    から突出する酵素センサを覆うように測定器本体に着脱
    可能に取付けられ、酵素センサ用の保存液を収納する保
    存液収納部を備えたカバーとからなることを特徴とする
    携帯型測定器。
  2. 【請求項2】前記センサホルダは、測定器本体に着脱可
    能であることを特徴とする請求項1記載の携帯型測定
    器。
  3. 【請求項3】前記センサホルダは、測定器本体に固定具
    によって液密に固定されることを特徴とする請求項2記
    載の携帯型測定器。
  4. 【請求項4】前記センサホルダ及び/又はカバーがそれ
    ぞれ測定器本体に装着されているか否かを検知する検知
    手段を備えることを特徴とする請求項2記載の携帯型測
    定器。
  5. 【請求項5】前記センサホルダは、その内部の酵素セン
    サの感応部に対応する開口部を有し、この開口部におけ
    る横断面形状が半円形状であることを特徴とする請求項
    1記載の携帯型測定器。
  6. 【請求項6】前記センサホルダは、その内部の酵素セン
    サの感応部に対応する開口部を有し、この開口部がすり
    鉢形状であることを特徴とする請求項1記載の携帯型測
    定器。
  7. 【請求項7】前記カバーは、その内部に設けられた軟質
    薄膜袋と環状のパッキング部材とで形成される密閉空間
    内に保存液を内包し、前記センサホルダは、パッキング
    部材を貫通してカバー内に挿入され、これによりセンサ
    ホルダ内の酵素センサがカバー内の保存液に接すること
    を特徴とする請求項1記載の携帯型測定器。
  8. 【請求項8】前記カバーは、その内部に設けられた環状
    のパッキング部材を有し、このパッキング部材は、中央
    付近に設けられた凹部及びこの凹部に続くスリット部を
    有し、前記センサホルダはパッキング部材の凹部とスリ
    ット部を通過してカバー内に対して進退することを特徴
    とする請求項1記載の携帯型測定器。
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