JP3926658B2 - 糖検出装置及び糖検出方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、糖検出検出装置に関し、さらに詳しくは、長期間使用しても高感度を維持し、安定性の高い測定値が得られる糖検出装置、及び長期間実施しても高感度を維持し、安定性の高い測定値が得られる糖検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
糖分析は、幅広い分野で実施されており、例えば医療分野においては、血液中の糖濃度、つまり血糖値の測定に実施されている。
【0003】
血糖値測定においては、従来は指先から血液を採取し、その血液試料溶液ごとに直接血糖値を測定する方法が採られていたが、この方法では連続的な測定をすることができず、また患者に苦痛を与えるという欠点があった。
【0004】
そこで電極を用いた電流測定を利用した糖検出装置が開発された。この糖検出装置においては、唾液等を試料として用い、試料溶液に電極を浸して、唾液中の糖がその電極上で反応することにより発生する電流を測定し、唾液中の糖濃度と血液中の糖濃度との関係から血糖値を求める。
【0005】
従来のこのタイプの糖検出装置においては、電極として酵素電極が使用されていた。この酵素電極を使用した糖検出装置では、例えば白金電極上にグルコースオキシダーゼ及びペルオキシダーゼから成る酵素膜を形成させ、これらの酵素により糖を酸化させ、そのときに発生する電流を測定する。この糖検出装置によれば、試料溶液に電極を浸しながら連続測定をすることが可能であり、また採血の必要がないので、患者に苦痛を与えることがない。
【0006】
しかしこの従来の糖検出装置は、酵素を使用しているので、時間の経過とともに酵素の失活が起こることにより感度が低下し、長期間使用することができないという欠点があった。
【0007】
またこの従来の糖検出装置は、試料溶液に蛋白質又は脂質等の不純物が含有されていると、電極に蛋白質等が付着することにより測定値が大きくバラつき、安定した測定ができないという欠点を有していた。
【0008】
この従来の糖検出装置では、そのように電極が汚れた場合においても、電極上に形成された酵素膜が、機械的な作用により損傷を受けやすいことから、洗浄が困難であるという欠点があった
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、従来の糖検出装置の前記欠点を解消することを目的とする。すなわちこの発明の目的は、長期間使用しても高感度を維持することができ、安定性の高い測定値が得られ、洗浄の容易な糖検出装置、及び長期間実施しても高感度を維持することができ、安定性の高い測定値が得られる糖検出方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するためのこの発明は、Ti/Ni合金を備えて成る作用電極、対電極及び参照電極を有して成るセル部と、前記作用電極上での糖の酸化により前記作用電極と対電極との間に流れる電流を測定する電流測定部とを有して成ることを特徴とする糖検出装置であり、
前記糖検出装置の好適な第1の態様として、前記セル部は、先端部に作用電極挿入孔を有する管状セルと、前記作用電極挿入孔に挿入され、一端部が前記管状セル外に突出し、その他の部分が前記管状セル内に収容された状態で前記管状セルに取り付けられた線状の前記作用電極と、前記管状セル内に収容された前記対電極及び前記参照電極とを有して成り、
第2の態様として、前記対電極は、前記作用電極及び前記参照電極を収容することができる内部空間を有する容器状体であり、その内部空間に試料溶液を導入することのできる試料溶液導入部、及びその内部空間から処理済み液を排出することのできる処理済み液排出部を備えて成る。
【0011】
また他の発明は、前記第1の態様に係る糖検出装置を用いて、その作用電極を、アルカリ性に調整した試料溶液に浸漬することにより糖を検出することを特徴とする糖検出方法であり、
また他の発明は、前記第2の態様に係る糖検出装置を用いて、前記試料溶液導入部から前記内部空間に、アルカリ性に調整された試料溶液に導入し、糖を検出することを特徴とする糖検出方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明に係る糖検出装置は、Ti/Ni合金を備えて成る作用電極、対電極及び参照電極を有して成るセル部と、前記作用電極上での糖の酸化により前記作用電極と対電極との間に流れる電流を測定する電流測定部とを有して成る。この糖検出装置は、種々の態様を採ることが可能である。
【0013】
図1は、この発明に係る糖検出装置の第1の態様である糖検出装置1の概念図である。糖検出装置1は、セル部2と電流測定部3とを有して成る。
【0014】
セル部2は、試料溶液に浸漬され、試料溶液中の糖を酸化反応させることにより、その糖濃度に応じた電流を発生させる部位である。セル部2は、セル4と、作用電極5と、対電極6と、参照電極7と、電解液8とを有して成る。
【0015】
セル4は、作用電極5、対電極6、参照電極7及び電解液8を収容し、セル部2の外殻部を形成する部材である。セル4は、管状体であり、その先端部に、作用電極5を挿入することのできる挿入孔14を有する。挿入孔14の大きさは、作用電極5の外径に応じて決定される。セル4は、その内部と外部との通電を阻止する必要があるので、絶縁材で形成されている。前記絶縁材としては、強度、重さ及び安全性等の点から、エポキシ樹脂等の樹脂が好ましい。
【0016】
セル4の大きさは、糖の測定が可能である限り特に制限はなく、目的応じて適宜決定することができる。例えばセル4の直径を20mm前後にすると、使用しやすく、好適である。
【0017】
作用電極5は、線状体であり、セル4の挿入孔14に挿入され、その一端部がセル4内にあり、他端部がセル4の外部に突出した状態でセル4に嵌め込まれている。
【0018】
作用電極5は、試料溶液中の糖を酸化させる機能を有する電極である。
作用電極5は、その材料がTi/Ni合金である。TiNi合金は、アルカリ性溶液中で糖のOH基を定量的に酸化する機能を有する。したがって作用電極5は、その材料がTiNi合金であることにより、試料溶液中の糖と接触して、その糖を酸化させ、その糖濃度に応じた電流を発生させることができる。
【0019】
前記TiNi合金におけるTi及びNiの組成は、この合金の前記機能が確保されれば特に制限はないが、例えば合金全体に対するTiの含有率が40〜60質量%であり、Niの含有率が60〜40質量%であると、前記機能が効果的に発揮される点で好ましい。
【0020】
作用電極5の大きさとしては、試料溶液中の糖と接触して、糖濃度を測定することのできる大きさの電流を発生させることができれば特に制限はなく、例えばその外径が0.01〜2.0mm、長さが0.1〜50mmとすることができる。
【0021】
作用電極5の、セル4の外部に突出している部分の長さは、セル部2の先端部を試料溶液に浸漬させたときに、糖濃度を測定することのできる大きさの電流を発生させることができる程度に試料溶液中の糖を酸化させることができ、またセル部2の取り扱い上不都合がなければ特に制限はなく、例えば作用電極5の外径が1mm前後である場合には、10mm以下とすると、前記条件が好適に満たされるので好ましい。
【0022】
対電極6は、セル4の内部に収容されている。対電極6は、線状体であり、その大きさは、作用電極5との組み合わせにおいて測定電量が円滑に流れるように、作用電極の大きさとの関係において適宜決定される。
【0023】
対電極6の材料としては、作用電極5との組み合わせにおいて測定電量を支障のないように流すことができれば特に制限はなく、公知の対電極の材料、例えばSUS316などのステンレス、白金及びカーボンを使用することができる。
【0024】
参照電極7は、セル4の内部に収容されている。対電極6は、線状体であり、その大きさは、作用電極5の電位を適切に設定することができれば特に制限はなく、セル部2の諸条件に応じて適宜決定される。
【0025】
参照電極7としては、作用電極5の電位を適切に設定することができれば特に制限はなく、公知の参照電極、例えば銀塩化銀電極、甘こう電極及び水素電極を挙げることができる。
【0026】
電解液8は、セル4の内部に収容されている。電解液8は、作用電極のセル4内にある部分、対電極6及び参照電極7を浸漬させている。電解液8としては、前記糖の酸化に基づいて電流を発生させることができれば特に制限はなく、例えば水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、及び水酸化リチウムを挙げることができる。
【0027】
電流測定部3は、セル部2で発生した電流の大きさを測定して、糖濃度を求める部位である。電流測定部3は、リード線9、リード線10、電源11、電源12及び電流計13を有して成る。リード線9は、対電極6と参照電極7とを結ぶ。リード線9には電源11が、対電極6側が陰極、参照電極7側が陽極となるように設けられている。リード線10は、対電極6と作用電極5とを結ぶ。リード線10には電源12が、対電極6側が陰極、作用電極5側が陽極となるように設けられている。またリード線10には、電流計13が設けられている。
【0028】
糖検出装置1は、以上の構成を有することにより次のように作用する。
【0029】
糖を含有した試料をアルカリ溶液に混合して、試料溶液を調製する。セル部2の先端部を試料溶液に浸し、作用電極5の、セル4外に突出した部分を試料溶液に浸漬させる。試料溶液中の糖は作用電極に接触する。作用電極5に接触した糖は、TiNi合金の作用により酸化される。すると作用電極5の周辺部では、その酸化反応によって酸素が消費され、対電極6に到達する酸素量は減少し、対電極6における酸素還元電流は小さくなる。その電流の減少量が電流計13により計測される。その電流の減少量は、試料溶液中の糖濃度に比例する。したがって電流計13によるその計測値に基づいて試料溶液中の糖濃度を求めることができる。
【0030】
このように糖検出装置1は、作用電極5の、セル4から突出した部分を試料溶液に浸漬するだけで、糖濃度を測定することができる。したがって糖検出装置1によれば、連続的な糖分析を行うことができる。また糖検出装置1は、TiNi合金を用いた糖反応を利用するので、酵素電極のような酵素の失活に基づく経時的な性能劣化の問題が生ずることはなく、長期間にわたって安定した測定が可能である。
【0031】
前記試料としては、前記試料溶液を調製することができれば特に制限はなく、例えば唾液、血液及び尿等の体液も好適に用いることができる。
【0032】
前記試料に含有される糖としては、TiNi合金により糖を酸化させることができれば特に制限はない。前述のようにTiNi合金は、糖の炭素原子に結合にOH基を酸化させる。このような糖としては、例えばグルコース、フラクトース及びマンノース等の単糖、スクロース、マルトース及びラクトース等の二糖、並びに三糖以上のオリゴ糖及び多糖を挙げることができる。
【0033】
前記試料溶液を調製するときに使用するアルカリ溶液としては、TiNi合金により糖を酸化させることができれば特に制限はなく、例えば水酸化ナトリウム水溶液及び水酸化カリウム水溶液を挙げることができる。そのアルカリ溶液の濃度としては、前記糖の酸化反応を進行させることができれば特に制限はないが、例えば0.01〜2.0Nとすると、前記酸化反応が好適に進行し、また取り扱いが容易である点で好ましい。
【0034】
前記試料溶液を調製するときの試料とアルカリ溶液との混合比率としては、前記試料溶液において、前記酸化反応に必要なアルカリ性が確保され、検出可能な電流を発生させることができる糖濃度が確保されていれば特に制限はなく、試料の糖濃度等に応じて適宜決定することができる。
【0035】
前記試料溶液における糖濃度としては、電流計13により検出可能な電流を発生させることができれば特に制限はないが、分析精度の点からは100.0g/l以下であることが好ましい。
【0036】
前述のように糖検出装置1は、この発明に係る糖検出装置の一例であって、この発明に係る糖検出装置は、糖検出装置1に制限されることはなく、様々な形態を採ることができる。例えば糖検出装置1において、セル4、作用電極5、対電極6及び参照電極7の形状は適宜変更することが可能である。
【0037】
例えば作用電極については、TiNi合金で形成されていれば、その形状等は特に制限はなく、例えば直線状、螺旋状、柱状及び板状であってもよい。また作用電極の取り付け方法も、試料溶液中の糖の酸化反応を行うことが可能であればどのような方法であってもよく、糖検出装置1のような、セル4からその一部を突出させて取り付ける方法に制限されることはない。この発明に係る作用電極は、公知の三極式の電流測定装置における作用電極と同様に用いることも可能である。
【0038】
また糖検出装置1の電流測定部3の構造についても、前述のようにセル部2で発生した電流を測定することができればどのような構造であってもよく、公知の電流測定部を使用することができる。
【0039】
図2は、この発明に係る糖検出装置の第2の態様である糖検出装置21の概念図である。糖検出装置21は、セル部22と電流測定部23とを有して成る。セル部22は、樹脂製セル24と、作用電極25と、対電極26と、参照電極27とを有して成る。作用電極25及び参照電極27は、例えば線状体又は棒状体であり、それぞれ作用電極5及び参照電極7と同様の材料を用いることができる。対電極26は、例えば板状体であり、対電極6と同様の材料を用いることができる。
【0040】
樹脂製セル24は、作用電極25、対電極26及び参照電極27を収容している。また樹脂製セル24は、その下部に、作用電極25等を収容した空間に試料溶液を導入することのできる試料溶液導入部28と、測定が終了して得られた被処理液を排出する被処理液排出部29とを有する。
【0041】
試料溶液導入部28には、ポンプ30を介して、分岐流路31が接続され、その一端に試料容器32が設けられ、他端にアルカリ溶液を収容した溶離液容器33が設けられている。
樹脂製セル24の材料は、セル4の材料と同様である。
【0042】
糖検出装置21は、次のように作用する。ポンプ30を駆動させ、試料容器32から試料を、溶離液容器33からアルカリ溶液を吸引し、これらを分岐流路31中で混合して試料溶液とし、これを樹脂製セル24の内部空間に送液する。この内部空間において、前記試料溶液に作用電極25、対電極26及び参照電極27が接触する。以下、前述と同様にして、糖の酸化反応に基づく電流が発生し、それを電流測定部23で測定することにより、試料の糖濃度が測定される。樹脂製セル24内で測定が終了して得られた処理済み液は、処理済み液排出部29から樹脂製セル24外に排出される。
【0043】
図3は、この発明に係る糖検出装置の第3の態様である糖検出装置41の概念図である。糖検出装置41は、セル部42と電流測定部43とを有して成る。セル部42は、作用電極45と、対電極46と、参照電極47とを有して成る。作用電極45及び参照電極47は、例えば線状体又は棒状体であり、それぞれ作用電極5及び参照電極7と同様の材料を用いることができる。
【0044】
対電極46は、容器状に形成されており、内部空間54を有し、内部空間54に作用電極45及び参照電極47を収容している。また対電極46は、その下部に、内部空間54に試料溶液を導入することのできる試料溶液導入部48と、測定が終了して得られた処理済み液を排出する処理済み液排出部49とを有する。対電極46の材料は、対電極6の材料と同様にすることができ、例えばSUS316である。
【0045】
試料溶液導入部48には、ポンプ50を介して、分岐流路51が接続され、その一端に試料容器52が設けられ、他端にアルカリ溶液を収容した溶離液容器53が設けられている。
【0046】
糖検出装置41は、次のように作用する。ポンプ50を駆動させ、試料容器52から試料を、溶離液容器53からアルカリ溶液を吸引し、これらを分岐流路51中で混合して試料溶液とし、これを対電極46の内部空間54に送液する。内部空間54において、前記試料溶液に作用電極45、対電極46及び参照電極47が接触する。以下、前述と同様にして、糖の酸化反応に基づく電流が発生し、それを電流測定部43で測定することにより、試料の糖濃度が測定される。対電極46内で測定が終了して得られた処理済み液は、処理済み液排出部49から対電極46外に排出される。
【0047】
以上のように、この発明に係る糖検出装置では、作用電極としてTiNi合金を使用する。従来の作用電極に酵素を使用した糖検出装置では、経時的な酵素の失活を避けることができないので、その寿命が数ヶ月と短かったが、この発明に係る糖検出装置で作用電極として使用するTiNi合金は、酵素のような経時的劣化が生じないので、この発明に係る糖検出装置は少なくとも一年間は使用することができる。
【0048】
また従来の前記糖検出装置においては、電極上に形成された酵素膜が、機械的な作用により損傷を受けやすいことから、洗浄が困難であるという欠点があったが、この発明に係る糖検出装置では、作用電極として使用するTiNi合金の機械的強度が大きいので、洗浄が容易である。
【0049】
この発明に係る糖検出方法は、上記各糖検出装置を用いて、上記各糖検出装置の説明に基づいて行うことが可能である。
【0050】
【実施例】
以下、実施例によりさらに詳しくこの発明に係る糖検出装置及び糖検出方法について説明する。
【0051】
(1)糖検出装置
図3に示した構造のセル部を有する糖検出装置を使用した。作用電極は、Ti50質量%、Ni50質量%から成るTiNi合金製であり、その直径は1.0mmであり、対電極内挿入された部分の長さは5.0mmである。参照電極は、銀塩化銀電極である。
【0052】
(2)試料溶液
0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液にグルコースを溶解し、グルコース濃度が5、10、15及び20g/lである4種類のグルコース溶液を調製した。さらに前記水酸化ナトリウム水溶液をブランク用溶液とした。これらの合計5種類の溶液を試料溶液群1とした。
前記試料溶液群1の5種類の溶液に、それぞれアルブミンを、その濃度が2g/lとなるように溶解し、5種類の新たな溶液を調製した。これらの5種類の溶液を試料溶液群2とした。
同様にして、アルブミンが5g/lとなるように溶解された試料溶液群3、及びアルブミンが7g/lとなるように溶解された試料溶液群4を調製した。
【0053】
(3)測定方法
各試料溶液群の各溶液を、前記対電極の試料溶液導入部から対電極の内部空間に注入して、発生した電流を測定し、その積分値を求めた。
【0054】
(4)結果
図4は、各試料溶液群の各グルコース溶液に対する前記積分値から、その試料溶液群のブランク溶液に対する前記積分値を差し引いて得られる値を、そのグルコース濃度に対してプロットして得られた図である。図4において、折れ線▲1▼、▲2▼、▲3▼及び▲4▼は、それぞれ試料溶液群1、試料溶液群2、試料溶液群3及び試料溶液群4から得られた結果を示す。
【0055】
図4からわかるように、この発明に係る糖検出装置により得られた電流の積分値は、グルコース濃度と強い相関がある。また図4から、この積分値は、アルブミンの存在によっても大きな影響を受けないことがわかる。したがってこの実施例の結果から、この発明に係る糖検出装置及び糖検出方法は、アルブミン等の蛋白質が多量に含有される唾液や血液などに対しても、好適に適用することができることがわかる。
【0056】
【発明の効果】
この発明に係る糖検出装置及び糖検出方法によれば、作用電極にTiNi合金を使用するので、長期間高精度の糖検出が可能であり、また洗浄が容易である。
【0057】
この発明に係る糖検出装置及び糖検出方法は、TiNi合金により酸化することができる糖であれば適用することができる。したがってこの発明に係る糖検出装置及び糖検出方法によれば、幅広い糖の検出が可能である。
【0058】
この発明に係る糖検出装置及び糖検出方法は、試料に蛋白質等の不純物が混在していても、その測定値に大きな影響が現れないので、これらの不純物が存在する唾液及び血液等における糖検出にも好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係る糖検出装置の一具体例である糖検出装置1の概念図である。
【図2】図2は、この発明に係る糖検出装置の一具体例である糖検出装置21の概念図である。
【図3】図3は、この発明に係る糖検出装置の一具体例である糖検出装置41の概念図である。
【図4】図4は、各試料溶液群の各グルコース溶液に対する前記積分値から、その試料溶液群のブランク溶液に対する前記積分値を差し引いて得られる値を、そのグルコース濃度に対してプロットして得られた図である。
【符号の説明】
1・・糖検出装置、2・・セル部、3・・電流測定部、4・・セル、5・・作用電極、6・・対電極、7・・参照電極、8・・電解液、9・・リード線、10・・リード線、11・・電源、12・・電源、13・・電流計、14・・挿入孔、21・・糖検出装置、22・・セル部、23・・電流測定部、24・・樹脂製セル24、25・・作用電極、26・・対電極、27・・参照電極、28・・試料溶液導入部、29・・被処理液排出部、30・・ポンプ、31・・分岐流路、32・・試料容器、33・・溶離液容器、41・・糖検出装置、42・・セル部、43・・電流測定部、45・・作用電極、46・・対電極、47・・参照電極、48・・試料溶液導入部、49・・処理済み液排出部、50・・ポンプ、51・・分岐流路、52・・試料容器、53・・溶離液容器、54・・内部空間

Claims (4)

  1. Ti/Ni合金を備えて成る作用電極、対電極及び参照電極を有して成るセル部と、前記作用電極上での糖の酸化により前記作用電極と対電極との間に流れる電流を測定する電流測定部とを有して成り、
    前記セル部は、先端部に作用電極挿入孔を有する管状セルと、前記作用電極挿入孔に挿入され、一端部が前記管状セル外に突出し、その他の部分が前記管状セル内に収容された状態で前記管状セルに取り付けられた線状の前記作用電極と、前記管状セル内に収容された前記対電極及び前記参照電極とを有して成ることを特徴とする糖検出装置。
  2. Ti/Ni合金を備えて成る作用電極、対電極及び参照電極を有して成るセル部と、前記作用電極上での糖の酸化により前記作用電極と対電極との間に流れる電流を測定する電流測定部とを有して成り、
    前記対電極は、前記作用電極及び前記参照電極を収容することができる内部空間を有する容器状体であり、その内部空間に試料溶液を導入することのできる試料溶液導入部、及びその内部空間から処理済み液を排出することのできる処理済み液排出部を備えて成ることを特徴とする糖検出装置。
  3. 請求項1に記載の糖検出装置を用いて、その作用電極を、アルカリ性に調整した試料溶液に浸漬することにより糖を検出することを特徴とする糖検出方法。
  4. 請求項2に記載の糖検出装置を用いて、前記試料溶液導入部から前記内部空間に、アルカリ性に調整された試料溶液に導入し、糖を検出することを特徴とする糖検出方法。
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