JP3245188B2 - 自転車用変速操作装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、変速レバーを揺動自在
に備えた自転車用変速操作装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記操作構造において、従来、図９に示
すように変速操作装置１の変速レバー８がハンドルバー
Ｈに対して軸芯Ｙ周りで揺動するようになっていた。す
なわち、ハンドルバーＨの握り部Ｇに対して接近した
り、離れる方向に揺動するようになっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来、変速レバーの揺
動に伴って変速レバーとハンドル握り部との間隔が変化
することから、変速レバーの操作部がハンドル握り部か
ら遠く離れてた操作位置に位置する際等、変速レバーの
操作位置によっては、ハンドルを握り支持する手の指を
変速レバーに届くように遠くまで伸ばす必要があり、変
速操作時におけるハンドル支持力が大幅に低下する場合
があった。本発明の目的は、ハンドル支持を常に強固に
しながら変速操作できる装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明に係る自転車用変
速操作装置は、ハンドルバーＨに装着される自転車用変
速操作装置であって、取付ブラケット３と、変速レバー
８と、巻取体５とを備えている。取付ブラケット３は、
一端側がハンドルバーＨに装着可能であり、他端側に支
持軸４が設けられている。変速レバー８は、取付ブラケ
ット３の支持軸４に回動自在に設けられ、先端側に操作
部８ａを有している。巻取体５は、取付ブラケット３の
支持軸４に回動自在に設けられ、変速レバー８の揺動操
作により変速ワイヤの巻き取り回動及び巻き戻し回動を
行うものである。そして、変速レバー８の操作部８ａ
は、取付ブラケット３の一端側と同じ側に、ハンドルバ
ーへの装着部とほぼ同じ位置まで延びている。

【０００５】

【作用】このような変速操作装置では、取付ブラケット
３の他端側がハンドルバーの下方に位置するようにして
ハンドルバーに装着したとき、変速レバー８の操作部８
ａは上方に延びてほぼハンドルバーと同じ高さレベルに
位置する。このため、ハンドルバーを握った状態でその
手の指を変速レバーの操作部に当て、押し操作や引き操
作を行うことで容易に操作が可能になる。

【０００６】

【発明の効果】変速レバーを如何なる操作位置に操作す
る場合でも、変速操作のための指をハンドル握り部の極
力近くに位置させ、他の指によるハンドルの支持具合を
適正なものに維持してハンドル支持を強固にできる。

【０００７】

【実施例】図１及び図２に示すように、ブレーキレバー
Ｂを、取付けブラケット２を介して自転車用ハンドルバ
ーＨに付設すると共にブレーキ操作ワイヤＢｗを介して
ブレーキ装置（図示せず）に連結するように構成し、１
本の変速レバー８を備えた変速操作装置１を、取付けブ
ラケット３を介してハンドルバーＨに付設すると共に変
速操作ワイヤＩｗを介して変速装置（図示せず）に連結
するように構成して、自転車用のブレーキ操作及び変速
操作のための操作構造を構成してある。ブレーキレバー
Ｂは軸芯Ｘ周りで揺動して、遊端側がハンドルバーＨの
握り部Ｇに接近するブレーキ入り位置ＯＮと、遊端側が
握り部Ｇから離れると共に基端側が取付けブラケット２
のストッパー部（図示せず）に接当するブレーキ切り位
置ＯＦＦとに切換わるように取付けブラケット２によっ
て枢支し、握り部Ｇを支持する手での握り操作によって
ブレーキ入り位置ＯＮに操作し、握り操作を解除してブ
レーキ操作ワイヤＢｗの張力でブレーキ切り位置ＯＦＦ
に自動復帰させるように構成してある。

【０００８】変速操作装置１は変速操作ワイヤＩｗの巻
取体５、変速レバー８の揺動操作による巻取体５の巻取
り回動及び巻戻し回動操作を可能にするラチェット機構
等を備えてあり、変速レバー８を揺動操作することによ
り、変速装置が増速側に切換わるように変速操作ワイヤ
Ｉｗの引張り操作をしたり、変速装置が減速側に切換わ
るように変速操作ワイヤＩｗの弛め操作をするように構
成してある。すなわち、変速レバー８はハンドルバーＨ
の握り部Ｇより低レベルに位置すると共にブレーキレバ
ーＢの揺動軸芯Ｘに平行又はほぼ平行な軸芯Ｙ周りで揺
動するように、かつ、図２の如く、操作部８ａが握り部
Ｇの後方に位置すると共に握り部Ｇに沿う又はほぼ沿う
移動経路Ｒを移動するように取付けブラケット３によっ
て枢支してある。変速レバー８の長さ及び揺動範囲の設
定により、移動経路Ｒが全長にわたって握り部Ｇの位置
するレベルと同一レベル又はそれに近いレベルに位置す
るように構成すると共に、変速レバー８を操作部８ａが
移動経路Ｒの中間箇所に位置する原位置Ｎに自動復帰す
るように付勢して、握り部Ｇを支持する手の親指のみを
差し出してその指先を操作部８ａに当て、指の伸ばし動
作によって変速レバー８を原位置Ｎから移動経路Ｒの一
端側Ｄに押し揺動操作し、指の曲げ動作によって変速レ
バー８を原位置Ｎから移動経路Ｒの他端側Ｕに引き揺動
操作し、操作部８ａに対する押し操作及び引き操作の解
除によって変速レバー８を原位置Ｎに戻し操作するよう
に構成してある。そして、変速レバー８を原位置Ｎから
前記一端側Ｄに操作することにより、巻取体５が巻取り
回動して変速操作ワイヤＩｗの引張り操作ができ、変速
レバー８を原位置Ｎから前記他端側Ｕに操作することに
より、巻取体５が巻戻し回動して変速操作ワイヤＩｗの
弛め操作ができ、変速レバー８が原位置Ｎに復帰しても
巻取体５がレバー復帰前の巻取り回動位置や巻戻し回動
位置に保持されてレバー操作によって現出した速度状態
の維持ができるように構成してある。操作部８ａの指当
て面をすべり止め凹凸面に形成し、操作部８ａに対する
指のすべりを防止して変速操作が確実にできるように配
慮してある。変速操作装置１は、詳しくは図４ないし図
８に示すように構成してある。すなわち、図５に示すよ
うに、前記ブラケット３から支持軸４を延出させ、この
支持軸４に対して、前記ワイヤーＩｗを巻取る巻取体５
と、位置保持ユニット６と、解除体７と、変速レバー８
とを順次外嵌してある。尚、支持軸４は、後述の如くブ
ラケット３に対する相対回動を阻止するようにスプライ
ン軸として形成してある。前記巻取体５は、図５に示す
ように、その上部外周に前記ワイヤーＩｗの係止部５ａ
と巻取部５ｂとを備えている。そして、この巻取体５
は、前記支持軸４周りに回動自在であると共に、ブラケ
ット３との間に介装した第１ばね９によって、ワイヤー
Ｉｗの巻戻方向（以下、「巻戻方向」とする。)に対して
付勢してある。変速レバー８は、その基端部において間
座１０を介して前記支持軸４周りに回動自在に支持され
ると共に、支持軸４に回動不能に嵌合した第１ストッパ
ー板１１に対し、第２ばね１２によって前記巻戻方向に
付勢されている。又、その先端部側には、樹脂製の操作
部８ａを設けてある。前記解除体７は、図４及び図５に
示すように、間座１３を介して前記支持軸４周りに回動
自在に支持されると共に、支持軸４に回動不能に嵌合し
た第２ストッパー板１４に対し、第３ばね１５によって
ワイヤーＩｗの巻取方向（以下、「巻取方向」とす
る。）に付勢されている。解除体７の外周部には、前記
第１ストッパー板１１から延出する周り止め突起１２ａ
を受け入れる周り止め凹部７ａを形成して、解除体７の
回動を所定範囲内に規制してあり、さらに、前記変速レ
バー８に接当してその原位置を規定するための位置決め
突起７ｂを延出させてある。前記変速レバー８は図４及
び図５に示す第１ワンウエイ機構Ｗ１を介して前記巻取
体５と連動連結してある。この第１ワンウエイ機構Ｗ１
は、巻取体５の外周部に形成した複数のワンウエイ歯１
６に対する係合側に、操作レバー８に枢支したワンウエ
イ爪１７を付勢してなり、操作レバー８を前記巻取方向
に回動操作（以下、「巻取操作」とする。）することに
よって巻取体５を同方向に回転させた後、巻取体５とは
独立に操作レバー８を巻戻方向に復帰可能に構成してあ
る。尚、変速レバー８が原位置にある時に、ワンウエイ
爪１７をワンウエイ歯１６から離脱させるようにガイド
するためのガイド部１２ｂを、前記第１ストッパー板１
１から延出させた周り止め突起１２ａに形成してある。
前記位置保持ユニット６は、図５及び図６に示すよう
に、その外周側に向かって夫々揺動可能な位置保持爪１
８と規制爪１９とを備え、支持軸４に対して回動不能に
嵌合してある。前記巻取体５は、図５及び図６に示す位
置保持機構Ｐにより、ワイヤーＩｗの巻取長さに応じて
段階的にその静止位置を保持される。この位置保持機構
Ｐは、巻取体５の凹部５ｃ内周に形成した複数の位置保
持歯２０に対する係合側に、前記位置保持爪１８を爪ば
ね１８ａにより付勢してなり、変速レバー８の操作によ
る巻取体５の前記巻取方向に対する移動を許容する一
方、巻取体５の前記巻戻方向に対する復動を阻止して、
その巻取体５の静止位置を保持するように構成してある
（この関係は、位置保持爪１８の枢軸と位置保持歯２０
の角度等によって定まる。）。前記位置保持機構Ｐによ
る位置保持は、前記変速レバー８を前記原位置を越えて
巻戻方向に回動操作（以下、「巻戻操作」とする。）す
ることにより、解除可能である。かかる解除を可能とす
る位置保持解除手段Ｒは、図４乃至図６に示すように、
前記位置保持爪１８から位置保持爪突起１８ｂを延出さ
せると共に、前記解除体７が変速レバー８により巻戻方
向に回動させられるに伴って前記位置保持爪突起１８ｂ
をガイドすることにより位置保持爪１８を強制的に揺動
させ、位置保持爪１８と位置保持歯２０との係合を解除
する位置保持解除カム２１を、前記解除体７に形成して
なる。そして、位置保持解除手段Ｒにより回動自在にな
った巻取体５は、前記第１ばね９の付勢によって巻戻方
向に回動する。前記巻戻操作時において、前記巻取体５
の巻戻方向に対する回動は、図５及び図６に示す規制手
段Ｌにより、所定量に規制される。この規制手段Ｌは、
巻取体５の凹部５ｃ内周に複数の規制歯２２を形成する
と共に前記規制爪１９から規制爪突起１９ａを延出さ
せ、前記解除体７が変速レバー８により巻戻方向に回動
させられるに伴って前記規制爪突起１９ａをガイドする
ことにより規制爪１９を規制歯２２係合側に強制的に揺
動させる規制カム２３を、前記解除体７に形成してな
り、前記位置保持機構Ｐによる位置保持が解除される前
に、規制爪１９を規制歯２２との係合可能軌跡内に進入
させ、位置保持が解除された後における巻取体５の巻戻
方向に対する回転を、位置保持歯２０の１ピッチ未満に
規制するように構成してある。図中、２４は前記ワイヤ
ーＩｗに外嵌するアウター筒Ｏを受けるアウター受、２
５は支持軸４に挿通された各部材の抜け止め用ロックナ
ット、２６，２７はワッシャーである。次に、上述の如
く構成した変速操作装置１の作動について説明する。巻
取方向の変速を行うには、図６ないし図８に示すよう
に、変速レバー８により第１ワンウエイ機構Ｗ１を介し
て巻取体５は巻取方向に回動操作され、変速レバー８の
操作をやめると、巻取体５は位置保持機構Ｐにより位置
保持されて静止し、変速レバー８は、第１ワンウエイ機
構Ｗ１の許容によって巻取体５とは独立に復動して、前
記位置決め突起７ｂに接当することにより、操作前の原
位置で静止する。変速レバー８の操作量に応じて、複数
段の変速も一挙に行うことができる。一方、巻戻方向の
変速を行うには、図８に示すように、変速レバー８の操
作により、前記位置決め突起７ｂを設けた解除体７が、
巻戻方向に回動して、前記位置保持機構Ｐを解除すると
共に規制手段Ｌを作動させて巻取体５の巻戻方向に対す
る復帰を位置保持歯２０の１ピッチ以内に規制する。そ
して、変速レバー８の操作をやめると、解除体７は前記
第３ばね１５の付勢によって巻取方向に復帰し、規制手
段Ｌの作動を解除すると共に位置保持機構Ｐによって１
段位巻戻方向に巻取体５を回動させた状態で位置保持
し、同時に、変速レバー８を原位置に復帰させる。

【０００９】変速レバー８の揺動方向と、変速装置が増
減変化する方向とは上記実施構造とは逆になるように構
成して実施しても良い。また、増速側と減速側のいずれ
か一方の操作を変速レバーの揺動操作によって行い、他
方の操作をボタン式等のワンタッチ式操作具によって行
うように構成して実施してもよい。

【００１０】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】レバー配設部の底面図

【図２】レバー配設部の背面図

【図３】レバー配設部の平面図

【図４】変速操作装置の横断面図

【図５】変速操作装置の縦断面図

【図６】変速作動状態を示す横断面図

【図７】変速作動状態を示す横断面図

【図８】変速作動状態を示す横断面図

【図９】従来操作構造の底面図

【符号の説明】

Ｈ ハンドルバー Ｇ 握り部 ８ 変速レバー ８ａ 操作部 Ｙ 軸芯 Ｒ 移動経路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ハンドルバー(H)に装着される自転車用変
   速操作装置であって、 一端側が前記ハンドルバー(H)に装着可能であり、他端
   側に支持軸（4）が設けられた取付ブラケット（3）と、 前記取付ブラケット（3）の支持軸（4）に回動自在に設
   けられ、先端側に操作部（8a）を有する変速レバー
   （8）と、 前記取付ブラケット（3）の支持軸（4）に回動自在に設
   けられ、前記変速レバー（8）の揺動操作により変速ワ
   イヤの巻き取り回動及び巻き戻し回動を行う巻取体
   （5）とを備え、 前記変速レバー（8）の操作部（8a）は、前記取付ブラ
   ケット（3）の一端側と同じ側に、ハンドルバーへの装
   着部とほぼ同じ位置まで延びている、 自転車用変速操作装置。