JP3244622B2 - ベンザンスロンの臭素化方法 - Google Patents

ベンザンスロンの臭素化方法

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JP3244622B2 JP23711595A JP23711595A JP3244622B2 JP 3244622 B2 JP3244622 B2 JP 3244622B2 JP 23711595 A JP23711595 A JP 23711595A JP 23711595 A JP23711595 A JP 23711595A JP 3244622 B2 JP3244622 B2 JP 3244622B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下記式(1)
【化3】 のベンザンスロンの臭素化物である下記式(2)
【化4】 の3,9−ジブロモベンザンスロンを製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】本発明の目的化合物3,9−ジブロモベ
ンザンスロン(以下、DBBzと略す)は、古くから染
料等の精密化学品中間体として重要な化合物である。
【0003】このDBBzを製造する方法としてこれま
でに種々の方法が開示されている。一般的には、水ある
いは鉱酸中で原料のベンザンスロン(以下、Bzと略
す)を溶解あるいは懸濁させ、臭素と反応させる方法が
知られている(DRP 193959)。
【0004】しかしながら、硫酸以外の鉱酸及び水中で
の臭素化は、Bz及び中間体であるブロモベンザンスロ
ン(以下、BBzと略す)の溶解度がほとんどないため
に懸濁状態で反応が進行する。そのため、反応速度が極
めて遅く、DBBzの収率を高くするためには、反応時
間を極力長くするか、大過剰の臭素を用いる必要があ
り、工業的に適した方法とは言い難い。
【0005】また、硫酸中での臭素化反応も知られてい
る。しかし、反応が遅く、大過剰の臭素を用いることで
ようやく反応が進行する。更に、工業的には臭素回収が
不可避である。そのため、60℃以上に加熱し、気体と
なった臭素を凝縮させることで回収する。その際、DB
Bzの分解が進行し、DBBzの収率及び純度低下を招
き、必ずしも工業的に適した方法とは言い難い。
【0006】o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等
の有機溶剤中での反応も知られている(USP2180
835、USP2353049、SU595283、S
U355150)。しかしながら、これらの場合、有機
溶剤の回収工程が不可避であり、工程を煩雑化するた
め、必ずしも工業的に適した方法とは言い難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術を更に改良し、理論量に近い臭素を用いて効率的に
反応を行い、高収率で高品質のDBBzを得る方法を提
供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために鋭意検討した結果、工業的に極めて価
値のある方法を見出し、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、硫酸中で下記式(1)
【化5】 のベンザンスロンを臭素と反応させ、下記式(2)
【化6】 の3,9−ジブロモベンザンスロンを製造する方法にお
いて、ニトロシル硫酸存在下で反応を行うことを特徴と
する3,9−ジブロモベンザンスロンの製造方法であ
る。
【0010】
【発明の実施形態】以下、本発明を詳細に説明する。本
発明の方法において、具体的な方法の一例を示せば、ま
ず98%硫酸に亜硝酸ナトリウムを添加し、ニトロシル
硫酸を調製する。次いで、Bzを添加し、所定温度に昇
温後、臭素を滴下する。更に、所定時間撹拌し、脱ガス
後、水に排出する。固形物を濾過、水洗することによ
り、目的のDBBzが得られる。
【0011】本発明方法において、用いるニトロシル硫
酸の使用量は、Bzに対して0.01〜5モル比、好ま
しくは0.1〜2モル比である。このニトロシル硫酸
は、反応溶媒である硫酸中に、亜硝酸ナトリウムや亜硝
酸カリウム等の亜硝酸塩を添加することで簡単に得られ
る。また、発煙硝酸や発煙硫酸と硫黄を反応させること
でも得られることが知られており、いずれの場合でも、
臭素添加時に反応系中にニトロシル硫酸が存在すればよ
い。
【0012】本発明方法において、用いる硫酸の濃度
は、80重量%以上、好ましくは93〜100重量%、
更に好ましくは、95〜100重量%である。又、使用
する硫酸の量は、原料であるBzに対して2〜20重量
比、好ましくは3〜15重量比用いる。
【0013】本発明の方法において、用いる臭素のモル
比は、原料のBzに対して0.8モル比以上であり、好
ましくは0.9〜3.0モル比である。
【0014】本発明方法において、臭素の滴下温度は、
10〜80℃、好ましくは40〜60℃が良い。また、
10時間以内、好ましくは2〜8時間で滴下する。
【0015】本発明方法において、臭素滴下後の撹拌温
度は20〜100℃、好ましくは50〜90℃が良い。
撹拌時間は、温度にもよるが20時間以内、好ましくは
15時間以内が工業的に効率的であり、高収率で高純度
のDBBzが得られる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。また、文中「収率」とあるの
は、Bzに対するDBBzの収率を示す。又、純度分析
はガスクロマトグラフィーで行った。
【0017】実施例1 98%硫酸200gに亜硝酸ナトリウム9.0g加え、
25℃で5分間撹拌する。次いで、Bz30.0gを装
入し、55℃に昇温する。臭素29.3g(Bzに対し
て1.4モル比)を6.5時間かけて滴下する。そのま
ま2時間撹拌後、80℃に昇温する。80℃で4.5時
間撹拌後、30℃に冷却し、氷水750gにゆっくりと
排出する。サルファイト11gを加え、室温で2時間撹
拌し、濾過する。水洗後、ウェットケーキを乾燥させる
と、目的のDBBz50.2gが得られる。純度90
%、収率89%であった。
【0018】実施例2 98%硫酸1400gに亜硝酸ナトリウム20.0g加
え、15℃で5分間撹拌する。次いで、Bz200gを
装入し、そのまま1時間撹拌する。臭素200g(Bz
に対して1.4モル比)を10分間で滴下し、55℃に
4時間かけて昇温する。そのまま2時間撹拌後、85℃
に昇温する。85℃で4時間撹拌後、30℃に冷却し、
氷水750gにゆっくりと排出する。サルファイト11
gを加え、室温で2時間撹拌し、濾過する。水洗後、ウ
ェットケーキを乾燥させると、目的のDBBz335g
が得られる。純度93%、収率92%であった。
【0019】比較例1 92%硫酸244.8gにヨウ素0.2gとBz22.
3gを加え、25℃で5分間撹拌する。次いで、100
℃に昇温し、臭素30.4g(Bzに対して2.0モル
比)を5.5時間で滴下する。そのまま30分間撹拌
後、30℃に冷却し、8%サルファイト水1300gに
ゆっくりと排出する。室温で2時間撹拌し、濾過する。
水洗後、ウェットケーキを乾燥させると、目的のDBB
z32.8gが得られる。純度28%、収率25%であ
った。
【0020】比較例2 92%硫酸599gにヨウ素0.5gとBz60.5g
を加え、10℃で5分間撹拌する。次いで、10〜15
℃で臭素220g(Bzに対して5.2モル比)を2時
間で滴下する。撹拌しながら、22時間かけて温度を5
5℃に昇温し、55℃で3時間撹拌する。更に内温を8
0℃までゆっくりと加熱し、未反応臭素を留去する。3
0℃に冷却し、8%サルファイト水2500gにゆっく
りと排出する。室温で1時間撹拌し、濾過する。水洗
後、ウェットケーキを乾燥させると、目的のDBBz9
6.8gが得られる。純度85%、収率81%であっ
た。
【0021】
【発明の効果】本発明の方法によれば、染料中間体とし
て工業上極めて有用な化合物である3,9−ジブロモベ
ンザンスロンをベンザンスロンから高収率で得ることが
できる。更に得られた3,9−ジブロモベンザンスロン
は臭素回収操作を行うことなく単離でき、しかも高品質
である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸中で下記式(1) 【化1】 のベンザンスロンを臭素と反応させ、下記式(2) 【化2】 の3,9−ジブロモベンザンスロンを製造する方法にお
    いて、ニトロシル硫酸存在下で反応を行うことを特徴と
    する3,9−ジブロモベンザンスロンの製造方法。
  2. 【請求項2】 使用するニトロシル硫酸のモル比が、ベ
    ンザンスロンに対して0.01〜5.0である請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 使用する臭素のモル比が、ベンザンスロ
    ンに対して0.9〜3.0であることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の方法。
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