JP3241522B2 - ア−ク溶接用細径鋼ワイヤ - Google Patents
ア−ク溶接用細径鋼ワイヤInfo
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Description
に係り、さらに詳しくは、溶接時の送給性がすぐれたア
−ク溶接用細径鋼ワイヤに関する。
動化、高能率化が進むとともに、さらに多く使われる傾
向にあるが、最近、能率の点より自動、半自動溶接を問
わず、高電流の溶接条件が採用される方向にある。その
結果、必然的にワイヤ送給速度が大となる。また、対象
となる構造物によっては溶接が狭隘部で行われる場合も
多く、それらの場所での使い易さの点から、溶接機のワ
イヤ送給装置の送給ロ−ラから溶接ト−チまでのコンジ
ットケ−ブルは曲げて使い易くするため、軟らかく、か
つ長くなる傾向にある。
となるとともに、長くて曲げ易いコンジットケ−ブルで
使用されると、ワイヤ送給時そのコンジットケ−ブル内
のコンジットチュ−ブ内をワイヤが通る時に摩擦抵抗が
大きくなり、溶接時のワイヤ送給に支障をきたし、ア−
クが不安定となって溶接ができなくなるという問題が生
じる。このため、これまでに溶接用細径鋼ワイヤには、
ワイヤ送給性を良くするために、種々の対策が施されて
いるが未だ十分なものはなく、溶接作業者は苛酷な条件
下でしばしば溶接の中断を余儀なくされ、摩耗したコン
ジットチュ−ブの交換など、その対応に苦慮している。
問題に対しては、従来、例えば特開昭55−40068
号公報に高位脂肪酸と高級一価アルコ−ルからなるエス
テルおよび前記エステルとMoS2 、グラブァイトなど
を混合被覆したア−ク溶接用鋼ワイヤ、あるいは特開昭
58─184095号公報に記載されているグラファイ
ト、二硫化モリブデン、ガラス粉末などの固形潤滑剤を
混合したものを鋼ワイヤ表面に塗布したア−ク溶接用鋼
ワイヤなどが提案されている。
イヤにおいても前述した軟質で長尺のコンジットケ−ブ
ルを使用し、かつ高電流条件で溶接されるような苛酷な
条件下では、送給ロ−ラ部でワイヤがスリップしたりコ
ンジットチュ−ブ内での摩擦抵抗が大きく、またコンジ
ットチュ−ブ内が摩擦熱およびコンジットライナ−を包
む溶接用ケ−ブルの発熱で高温となりワイヤ表面の潤滑
剤が部分的に溶けて凝集してワイヤ表面に潤滑剤が均一
に被覆されなくなるなどで、その送給性は満足できるも
のではなかった。
質で長尺のコンジットケ−ブルを使用し、かつ高電流条
件で溶接される場合においても、送給ロ−ラでスリップ
がなく、かつ摩擦抵抗の少ない送給性が良好なア−ク溶
接用細径鋼ワイヤを提供することを目的とする。
とするところは、ア−ク溶接用鋼ワイヤ表面に二硫化モ
リブデンおよびに二硫化タングステンの1種または2種
を3〜40wt%、融点50℃以上の脂肪酸,脂肪酸の
1価または2価アルコ−ルのエステルおよび石油ろうの
1種または2種以上を30〜70wt%含み残部は常温
で液体である潤滑性剤からなる潤滑剤をワイヤ10kg
当たり0.20〜1.80g有することを特徴とする。
ンおよびに二硫化タングステンの1種または2種、融点
の高い脂肪酸,脂肪酸の1価または2価アルコ−ルのエ
ステルおよび石油ろうの1種または2種以上と液体潤滑
剤とを適量有することにより、苛酷なコンジットケ−ブ
ルの使用や高電流条件下においても送給ロ−ラでスリッ
プがなく、かつ摩擦抵抗が少ないのでワイヤ送給性を極
めて良好とする。これらの効果は、各組成物それぞれの
共存効果、相乗効果によりなし得たものであるが、各々
組成物の限定理由について以下に述べる。
グステンはその1種または2種で3〜40wt%とす
る。二硫化モリブデンおよび二硫化タングステンの1種
または2種が3wt%未満であると、コンジットチュ−
ブ内の摩擦抵抗が大きくなってワイヤの送給性が不良と
なる。逆に40wt%を超えるとワイヤ送給ロ−ラ部で
ワイヤがスリップして送給にむらが生じア−クが不安定
となる。
または2価アルコ−ルのエステルおよび石油ろうの1種
または2種以上は30〜70wt%である必要がある。
これらは撥水性があり防錆効果がある。また固体である
ので二硫化モリブデンおよび二硫化タングステンを均一
に保持することができる。融点が50℃未満であるとワ
イヤの摩擦熱およびコンジットライナ−を包む溶接用ケ
−ブルの発熱で長時間溶接をすると、高温になったコン
ジットチュ−ブ内で前記脂肪酸,脂肪酸の1価または2
価アルコ−ルのエステルおよび石油ろうなどがワイヤ表
面で溶けて部分的に凝集してしまいワイヤ表面の潤滑剤
が均一とならず、コンジットチュ−ブ内の摩擦抵抗が大
きくなってワイヤ送給性が不良となる。また、これらが
30wt%未満になるとコンジットチュ−ブ内の摩擦抵
抗が大きくなってワイヤ送給性が不良となる。逆に70
wt%を超えるとワイヤ送給ロ−ラ部でワイヤがスリッ
プして送給にむらが生じア−クが不安定となる。
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、メリシン酸など融点
が50℃以上のものをいい、脂肪酸の1価または2価ア
ルコ−ルのエステルとは蜜ろう、カルナウバろう、綿ろ
うおよび高級脂肪酸の合成ろうなど融点が50℃以上の
ものをいう。また、石油ろうは固形パラフィン、ベトロ
ラタムなど石油精製で得られる融点50℃以上のものを
いう。
モリブデンおよび二硫化タングステンの1種または2
種、融点の高い脂肪酸,脂肪酸の1価または2価アルコ
−ルのエステルおよび石油ろうの1種または2種以上と
液体潤滑剤の量はワイヤ10kg当たり0.20〜1.
80gである必要がある。0.20g未満であるとコン
ジットチュ−ブ内で摩擦抵抗が大きくなりワイヤ送給性
が不良となり、1.80gを超えるとワイヤ送給ロ−ラ
部でワイヤがスリップして送給にむらが生じてア−クが
不安定となる。本発明のア−ク溶接用細径鋼ワイヤはJ
IS G3312に規定されるSi−Mn系、Si−M
n−Ti系などのソリッドワイヤ、JIS G3313
に規定されるフラックス入りワイヤを示し、径は0.8 〜
2.0mm の細径ワイヤである。
明する。まず、ア−ク溶接用鋼ワイヤ表面の二硫化モリ
ブデンおよびに二硫化タングステン、脂肪酸,脂肪酸の
1価または2価アルコ−ルのエステルおよび石油ろうと
液体潤滑剤の量を種々変化したワイヤ径1.2 〜1.6mm の
JIS G3312に規定されるYGW11のソリッド
ワイヤおよびJIS G3313に規定されるYFW2
4のシ−ムレスフラックス入りワイヤ(フラックス充填
率14%)を試作した。ワイヤ送給性の調査は図1に示す装
置を用いた。すなわち、送給抵抗を高める目的で直径1
50mmのル−プ2回転を設けた6mのコンジットケ−
ブル1にスプ−ル2から引き出されたワイヤを送給モ−
タ3によって送給してト−チ4に送り、ワイヤ各10k
gを溶接した。その時の溶接条件は表1の通りである。
流の測定により調べた。なお、ワイヤ送給性は電機子電
流が3.5Aを超えるとワイヤの突き出し長さが変化し
てア−クが不安定となる。ワイヤ送給ロ−ラ部でのワイ
ヤのスリップは、送給ロ−ラの周速と送給ロ−ラ出口側
のワイヤ速度を測定し、下記式でスリップ率を算出して
調べた。ワイヤのスリップ率は5%を超えると、ワイヤ
送り速度に緩急が生じてワイヤの送給むらによってア−
クが不安定となるとともにスパッタ発生量が多くなる。 スリップ率={(送給ロ−ラの周速)−(送給ロ−ラ出
口側のワイヤ速度)}/(送給ロ−ラの周速)×100 それらの結果を表2にまとめて示す。
のア−ク溶接用細径鋼ワイヤ、試験No. 6〜12が比較
例である。本発明例の試験No. 1〜5は、溶接時スリッ
プ率および送給モ−タの電機子電流が低く、ア−クも安
定しており極めて満足な結果であった。比較例中、試験
No. 6は二硫化モリブデンおよび二硫化タングステンの
合計量が多く、試験No. 9は脂肪酸,脂肪酸の1価また
は2価アルコ−ルのエステルおよび石油ろうの合計量が
多く、また試験No. 11はワイヤ10kg当たりの潤滑
剤含有量が多いので、いずれも溶接時にスリップ率が高
くなりア−クが不安定であった。試験No. 7は二硫化モ
リブデンおよび二硫化タングステンの合計量が少ないの
で、また試験No. 12はワイヤ10kg当たりの潤滑剤
含有量が低いので、いずれもコンジットチュ−ブ内でワ
イヤの摩擦抵抗が大きくなって送給モ−タの電機子電流
が高くなりア−クが不安定であった。
接用細径鋼ワイヤによれば、軟質で長尺のコンジットケ
−ブルを使用し、かつ高電流条件で溶接される場合にお
いても、送給ロ−ラでスリップがなく、かつ摩擦抵抗の
少ないなど送給性が良好でア−クが安定した溶接が可能
となる。
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 ア−ク溶接用鋼ワイヤ表面に二硫化モリ
ブデンおよびに二硫化タングステンの1種または2種を
3〜40wt%、融点50℃以上の脂肪酸,脂肪酸の1
価または2価アルコ−ルのエステルおよび石油ろうの1
種または2種以上を30〜70wt%含み残部は常温で
液体である潤滑性剤からなる潤滑剤をワイヤ10kg当
たり0.20〜1.80g有することを特徴とするア−
ク溶接用細径鋼ワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3515194A JP3241522B2 (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | ア−ク溶接用細径鋼ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3515194A JP3241522B2 (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | ア−ク溶接用細径鋼ワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07241694A JPH07241694A (ja) | 1995-09-19 |
JP3241522B2 true JP3241522B2 (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=12433907
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3515194A Expired - Fee Related JP3241522B2 (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | ア−ク溶接用細径鋼ワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3241522B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8952295B2 (en) | 2008-06-18 | 2015-02-10 | Lincoln Global, Inc. | Welding wire with perovskite coating |
US8901455B2 (en) | 2008-06-18 | 2014-12-02 | Lincoln Global, Inc. | Welding wire for submerged arc welding |
-
1994
- 1994-03-07 JP JP3515194A patent/JP3241522B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07241694A (ja) | 1995-09-19 |
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