JP3240183B2 - 試料中の抗原または抗体の測定方法およびその測定装置 - Google Patents

試料中の抗原または抗体の測定方法およびその測定装置

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JP3240183B2 JP16636792A JP16636792A JP3240183B2 JP 3240183 B2 JP3240183 B2 JP 3240183B2 JP 16636792 A JP16636792 A JP 16636792A JP 16636792 A JP16636792 A JP 16636792A JP 3240183 B2 JP3240183 B2 JP 3240183B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、免疫学的凝集反応によ
る試料中の抗原または抗体の測定方法、および当該測定
方法で用いる測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】免疫学的な測定方法は高い特異性と感度
を有するため、近年医療分野において臨床上極めて有用
となっている。特に免疫学的凝集反応を利用する方法
は、簡便に検査を実施することができるために、便潜血
やリウマチ因子の検出、妊娠診断等、種々の診断用途に
使用されている。
【0003】従来、これらの検査を実施するためには、
被検物質である抗原または抗体に対応する抗体または抗
原を感作したラテックス粒子の懸濁液(試薬)と、被検
液とを検査用プレートの液溜部(検査用プレート内に設
けたくぼみまたは検査用プレート内で疎水性のリングな
どで囲まれた部分)内で混合し、数分間、手または揺動
装置により反応液を揺動させ、肉眼で凝集の有無を観察
する方法がとられている。通常、凝集が観察されるもの
を陽性、観察されないものを陰性とされている。
【0004】これらの方法は、肉眼によって凝集の有無
を観察して最終的な判定を下すものであるので、判定者
の個人差を生じやすい。特に微妙な陽陰性の判別が必要
となる濃度付近(いわゆる、判定保留領域)において
は、微弱な凝集が起きているか否かを判定せねばならな
いために、観察時の光量(明るさ)や、反応時間、揺動
の程度などによって、判定を見誤る可能性がある。
【0005】これら肉眼判定によるバラツキや誤判定の
問題を解消する方法として、光学的手段等を含む装置を
使って測定を行う方法が種々提案されている。例えば、
特公昭58−11575号には、凝集反応を吸光度測定
用セル内で行い、凝集反応に伴う反応液の吸光度増加を
測定する方法が提案されている。
【0006】しかしながら、この方法は反応の進行と同
時に吸光度測定を行うため、攪拌または振とう下で反応
させて反応液を均一化する必要があり、検体由来の不溶
物の影響を受けやすい。また、高濃度の抗原または抗体
を含有する試料の測定では、吸光度が抗体または抗原量
に正しく対応しないことがあり、測定可能な濃度範囲が
限られる。このため高濃度試料を測定する際は試料を前
希釈する必要があり、操作が煩雑となったり、希釈によ
る誤差が生じやすいといった欠点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、肉眼
判定によることなく試料中の抗原または抗体を定量的に
測定しうる新規測定方法を提供することである。さらに
本発明の目的は、上記測定方法で好適に使用される測定
装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、凝集反応
を検査用プレートの液溜部内で行わせるとともに、液溜
部内の反応液が水平に旋回するようにさせると、液溜部
略中央の反応液の光透過率が一旦減少した後、増加する
図6のような経時変化をすることに着目し、この現象を
利用して、試料中の抗原または抗体の量を測定すること
が可能であることを見出し本発明を完成したものであ
る。
【0009】本発明の試料中の抗原または抗体の測定方
法は、抗原または抗体を含有する試料を、該抗原または
抗体に対応する抗体または抗原を感作した担体粒子と凝
集反応させて試料中の抗原または抗体を測定する方法で
あって、該凝集反応を検査用プレートの液溜部内で行わ
せるとともに、液溜部内の反応液を水平に旋回させなが
ら液溜部略中央の反応液の光透過率を所定時間T1 経過
後から連続的に測定し、この光透過率の時間変化の特性
値を求めることにより、抗原または抗体の量を測定する
ことを特徴とする。
【0010】また、上記方法に好適に使用される本発明
の試料中の抗原または抗体の測定装置は、光源と試料取
付部と受光部とを備え、上記試料取付部に取り付けた検
査用プレートの液溜部内に収容した試料の略中央部へ上
記光源から光を照射し、透過した光を受光部が感知して
試料の光透過率を測定する測定部と、駆動源を配設した
駆動部と、上記測定部と駆動部とを連結し上記駆動源の
駆動力を伝達して上記測定部を水平方向へ回動させる駆
動力伝達手段とで構成されてなり、望ましくは該測定部
が、光源を備える蓋体と、この光源から照射される光が
液溜部略中央を通過するように配設される検査用プレー
ト取付用台座と、この台座の下部に設けられ上記液溜部
略中央部を透過した光を下方へ通過させるスリットと、
このスリットの直下に配設されスリットを通過した光を
感知する受光部とを備える測定部本体とで構成され、さ
らに望ましくは該受光部が、演算装置に接続され、測定
部で測定される光透過率から試料中の抗原または抗体の
量を演算する構成よりなる。
【0011】以下、本発明をより詳細に説明する。凝集
反応に伴う光透過率の変化を図6に示している。抗原ま
たは抗体を含有する試料に、該抗原または抗体に対応す
る抗体または抗原を感作した担体粒子の懸濁液(試薬)
を滴下すると、最初試薬が液溜部中央付近にあるため光
透過率は小さいが、水平に旋回させることにより、液溜
部全体に分散するため時間T1 まで光透過率が増加す
る。T1 経過後、凝集反応の進行に伴い粒子が凝集し、
見かけの粒子径が増大して散乱光が増大するため光透過
率は減少する。一方、凝集した粒子は水平に旋回するこ
とにより遠心力によって次第に液溜部周辺に移動するた
め、中央部は透明になり光透過率は増加してくる。後者
の現象は前者の現象より遅れて生ずるため光透過率は減
少した後、増加する。
【0012】図7に示すように反応液中の抗原または抗
体の量が多いときは、T1 経過後二次曲線に近似される
光透過率の曲線は鋭くなり、逆に抗原または抗体の量が
少ないときは光透過率の曲線はなだらかとなる。そこで
本発明の測定方法は、 (1)反応液の光透過率を所定時間T1 経過後から連続
的に測定し、該光透過率を二次式y=a0 +a1 x+a
2 2 〔式中、xは時間、yは光透過率を示す〕に近似
し、二次係数a2 の値により抗原または抗体の量を測定
するものである。
【0013】また図7に示すように反応液中の抗原また
は抗体の量が多いときは、T1 経過後の光透過率の曲線
において光透過率が最小となるまでの時間は短く、抗原
または抗体の量が少ないときは最小となるまでの時間は
長くなる。そこで本発明の別の測定方法は、 (2)反応液の光透過率を所定時間T1 経過後から連続
的に測定し、該光透過率が最小となる時間により抗原ま
たは抗体の量を測定するものである。光透過率が最小と
なる時間は、実測値に基づいて定めてもよいし、前記
(1)と同様に連続的に測定した光透過率を二次式y=
0 +a1 x+a2 2 〔式中、xは時間、yは光透過
率を示す〕に近似し、この二次式を微分して得られるx
=−a1 /2a2 を、yが最小となる時間としてもよ
い。
【0014】さらに本発明の測定方法は、前述の光透過
率の曲線の特性に着目して、図6において光透過率が最
小となる時間から所定時間T2 の光透過率の増加の度合
(L 2 −L1 )および図6において光透過率が最小とな
る時間以後の所定時間T3 における光透過率の値
(L3 )から抗原または抗体の量を測定する。すなわ
ち、本発明の別の測定方法は、 (3)反応液の光透過率を所定時間T1 経過後から連続
的に測定し、該光透過率が最小となる時間から所定時間
2 の光透過率の増加を測定することにより抗原または
抗体の量を測定するものである。 さらに本発明の別の測定方法は、 (4) 反応液の光透過率を所定時間T1 経過後から連
続的に測定し、該光透過率が最小となる時間以後の所定
時間T3 における光透過率の値により抗原または抗体の
量を測定するものである。 これら(3)および(4)の測定方法においても光透過
率が最小となる時間は、実測値に基づいて定めてもよい
し、また前述の二次式を微分して得られるx=−a1
2a2 を、yが最小となる時間としてもよい。
【0015】ここで光透過率とは透過光の入射光に対す
る強さの割合であり、光透過率T(%)は次式で表され
る。 T=(I/I0 )×100 (ただし、Iは透過光の強さ、I0 は入射光の強さを表
わす。) なお、本明細書において「連続的に測定する」とは、連
続的にモニターしながら測定することのみならず、一定
時間間隔で測定することも包含した意味である。
【0016】これらの方法ではいずれも、濃度既知の標
準液希釈系列で光透過率を測定して検量線を作成してお
き、該標準希釈系列の測定と同一条件下で未知試料の光
透過率を測定し、検量線と照合することにより、該未知
試料中の抗原または抗体の量(または濃度)を定量する
ことができる。
【0017】なお、本発明の測定方法はすべて光透過率
を基準とするものであるが、透過率(T)と吸光度
(A)は、A=−log(1/T)の関係にあるので、
吸光度を測定することによっても、本願発明の前記
(1)〜(4)の方法を用いて、同様に試料中の抗原ま
たは抗体の量を測定することができる。それゆえ、光透
過率の代わりに吸光度を用いた場合もこの発明の特許請
求の範囲に含まれるものとする。
【0018】本発明の測定方法によれば、肉眼の判定に
よることなく試料中の抗原または抗体を定量的に測定す
ることができる。また、液溜部略中央の光透過率の変化
を測定しているので、試料中に不溶物が混入する場合も
該不溶物が旋回中に遠心力によって液溜部周辺部に移動
して光透過率の測定は妨害されないという利点を有する
ものである。
【0019】本発明方法を適用しうる抗体または抗原に
は特に限定はなく、本発明は例えば便潜血反応や腫瘍マ
ーカーなどの血清蛋白の測定、妊娠診断等のホルモンの
測定、ウイルスや自己抗体の測定等に用いられる。
【0020】本発明において用いられる担体粒子として
は、特に限定はなく、生物学的に不活性で、水に不溶で
あり、且つ抗原または抗体の担体として機能するもので
あればいずれも用いることができるが、光透過率測定に
おける担体粒子自体の光散乱が少ない等の理由から、平
均粒径が0.05〜10μm、好ましくは0.1〜1.
0μmのラテックス粒子が好適に用いられる。ラテック
スの種類には特に限定はないが、スチレン系、オレフィ
ン系、ビニル系、アクリル酸エステル系、メタクリル酸
エステル系、ジエン系等のラテックスおよびこれらにア
クリル酸やアクリロニトリル等の改質用モノマーを反応
させてなるラテックス等が例示され、中でもポリスチレ
ンラテックス等が好ましく用いられる。
【0021】上記担体粒子を分散させる水性溶媒として
は、pH緩衝液(例えばリン酸塩緩衝液、ホウ酸塩緩衝
液など)などが好適に用いられ、適宜、塩化ナトリウ
ム、防腐剤、ウシ血清アルブミンなどの蛋白を添加して
もよい。
【0022】本発明に用いられる検査用プレートとして
は、光透過率の測定に影響を及ぼさない材質のものが使
用される。例えば周縁部に疎水性のリングを有する液溜
部を設けた透明な試験板や、浅いU字型の液溜部を設け
たガラス製またはプラスチック製のプレート等が挙げら
れるが、中でも浅いU字型の液溜部を設けたプラスチッ
ク製の透明な検査用プレートは、光透過率の測定に影響
が少ないといういう理由から好ましく用いられる。
【0023】検査用プレートの液溜部の形状としては、
その水平断面形状が円または楕円であることが好まし
い。また、液溜部の側壁部はなめらかな曲面であること
が好ましい。これは、本発明方法において液溜部内の反
応液を旋回させる際、その旋回がスムーズにいくように
するためのものである。また、旋回中の反応液は、液溜
部の側壁に沿って旋回するので、この旋回によって、液
溜部の中央部付近に生じる透明ないし半透明部分の形状
は、液溜部の水平断面形状と相似の形を示す。液溜部略
中央の光透過率の測定には、この透明ないし半透明部分
の形が正円または正円に近い形状であることが望まし
い。従って、本発明においては液溜部の水平断面形状が
正円またはこれに近い円である検査用プレートが最も好
ましく用いられる。
【0024】本発明において光透過率の測定は、凝集反
応に用いる水性溶媒および担体粒子による吸収が少ない
波長の光線を用いて行なわれ、通常、400〜2400
nm、好ましくは600〜1300nm付近の波長の光
線を用いて行なわれる。光透過率を測定する領域は、液
溜部中心部付近で反応液の液面面積を100%としてそ
の約1〜25%程度、好ましくは1〜10%程度を測定
することが望ましく、例えば、直径20mmの正円断面を有
するプレートを使用する場合は、直径2〜7mm程度の同
心円領域の光透過率を測定することが好ましい。
【0025】反応液の旋回の回転数および回転半径は、
液溜部の形状、反応液の量、ラテックス粒子の比重等に
より、最適な回転数および回転半径が変わるため、適宜
設定することとなるが、通常、回転数が20〜200r
pm、好ましくは80〜140rpm、回転半径が5〜
50mm、好ましくは10〜30mmの範囲から選択す
ればよい。
【0026】上記のような光線を照射する光源として
は、タングステンランプ、ハロゲンランプ、炭化ケイ素
棒、ニクロム線などに前記波長に設定するためのフィル
ターを組み合わせたものや、特定の波長特性を有する発
光ダイオード(LED)などが用いられ、特にLEDは
散乱光のないシャープな線状の光を照射できるので好ま
しい。
【0027】本発明においては、抗原または抗体を含有
する試料を、該抗原または抗体に対応する抗体または抗
原を感作した担体粒子と検査用プレートの液溜部内で混
合して凝集反応を行わせるとともに、液溜部内の反応液
を水平面で旋回させるようにするので、検査用プレート
を一定の周期で水平方向に旋回させる必要がある。この
ためには液溜部内の反応液に回転運動を与える揺動装置
が必要である。しかし、回転運動に傾斜運動あるいは並
進運動が付加されると、液溜部略中央に生じる反応液の
透明ないし半透明部分の形成が妨げられるので好ましく
ない。このような揺動装置として、例えば回転する動力
取出軸の軸方向に垂直にシャフトを固定し、このシャフ
ト上の動力取出軸心と異なる任意の位置に、上記動力取
出軸の軸方向に平行に軸を固定し、これを検査用プレー
ト取付用回転テーブルの軸受部に軸支して、このテーブ
ルを水平に保持するとともに、水平方法へ旋回させる装
置が使用できる。
【0028】図1は上記揺動装置の回転テーブル(図示
せず)上に載架され、水平に旋回されている検査用プレ
ートの動きを示す平面図である。図中、1は10個の液
溜部2を有する検査用プレートである。液溜部2内には
測定用試料液(図示せず)が入っている。例えば、図
中、Iで示した位置をスタートの位置として、検査用プ
レートをI→II→III →IV→Iというように水平に回転
させることによって、試料液が液溜部2内で水平に旋回
させられる。
【0029】図2は、上記の如く回転中の検査用プレー
ト1のIにおけるA−A’断面の一部を示すものであ
る。液溜部2内で水平に旋回させられている試料液3
は、Iの位置では図2で示されるような状態となってい
る。試料液がこのように旋回を続けることにより、凝集
反応によって生成した凝集粒子が遠心力を受けて液溜部
2の周辺部へ移動する結果、液溜部2の略中央部にはそ
の凝集の程度に応じた透明ないし半透明部分が生じると
考えられる。
【0030】なお、上記方法に好適に使用できる装置と
しては、検査用プレートを一定の周期で水平方向に旋回
させることができ、液溜部内の試料液に回転運動を与え
る揺動部と、液溜部内の試料液に光を照射しその光透過
率を測定できる測定部とを具備するものである。本発明
では、上記2つの機能を具備する試料中の抗原または抗
体の測定装置を提供する。以下、この測定装置につい
て、一実施例を示す図面に基づき詳細に説明する。
【0031】図3において、(a)は本発明の一実施例
を示す測定装置の斜視図、(b)はその一部破断正面図
である。図3(a)において、Sは光透過率測定装置
で、光源10を備える蓋体11と、検査用プレート取付
部12と受光部13とを具備し試料液の光透過率を測定
する測定部本体14とで構成される測定部20と、駆動
源15を配設した駆動部21と、上記測定部20と駆動
部21とを接続し上記駆動源15の駆動力を伝達して上
記測定部20を水平方向へ回動させる駆動力伝達手段2
2とで構成される。
【0032】上記測定部20は、図4で示すように、外
部からの光を遮断するための蓋体11と、この蓋体11
に取付けられる光源10と、この光源10からの照射光
が検査用プレート1の液溜部2の略中央を通過するよう
に配設される検査用プレート取付用台座16と、上記台
座16の下部に設けられ上記液溜部2の略中央を透過し
た光を下方へ導くスリット16aと、このスリット16
aの直下に配設されこのスリット16aを通過した透過
光を感知する受光部13とを備える測定部本体14とで
構成される。
【0033】上記光源1としては前記例示した光源が用
いられ、特にLEDが好適に用いられる。なお図4で仮
想線で示すように、上記台座16の上方にスリット17
aを形成した遮蔽板17を設置し、光源1からの照射光
を案内するようにすれば、検査用プレート1の液溜部2
の略中央へ正確に光を照射できるようになり好ましい。
【0034】上記駆動源15としては、動力取出軸18
に回転運動を与え、かつ、測定部20を回動させる力を
付与できる手段であればよく、一般的には電動モータ等
が使用される。
【0035】上記駆動力伝達手段22としては、駆動源
15に直接連結される動力取出軸18にその軸方向に対
し垂直にシャフト19を固定し、このシャフト19上の
動力取出軸の軸心と偏心する任意の位置に、上記動力取
出軸18の軸方向に対し平行に連結軸19aの一端を固
定し、他端を測定部本体の底部に設けられた軸受部19
bに軸支させ、測定部20を支持する構成となってい
る。
【0036】つぎにこの装置の動作を説明すると、図3
において、モータ等の駆動源15の作動により、動力取
出軸18が回転し、この回転にともなってシャフト19
が回転する。このシャフト19には偏心させた連結軸1
9aが固定されているので、連結軸19aは動力取出軸
18の軸心を中心として円運動を行う。この連結軸19
aは測定部本体14の底部に軸支されているので、この
円運動によって測定部本体14が水平方向へ回動する。
したがって、図4に示す測定部本体14の台座16に取
付けた検査用プレート1の液溜部2に収容される試料液
は、液溜部2の側壁に沿って旋回するようになり、その
略中央部の凝集体が周辺部へ移動する。
【0037】一方、上記測定部20の旋回作動と同時
か、または一定時間をおいて、光源10から光が下方へ
照射される。この照射光が上記台座16に取付けられ液
溜部2の側壁に沿って旋回する試料液3の略中央部を透
過し、この透過光をその下方に配設された受光部13が
感知して、試料液3の光透過率を測定する。
【0038】この装置では、上記光源10から照射され
る照射量と受光部13が感知する透過光量とで、前記し
たように光透過率が算出されるので、この結果から、光
透過率の時間変化の特性値を求めることにより抗原また
は抗体を測定することができる。
【0039】上記測定装置によれば、検査用プレートを
一定の周期で水平方向に旋回させることができ、液溜部
内の反応液に回転運動を与える揺動装置と液溜部内の反
応液に光を照射し反応液の光透過率を精密に測定できる
ようになる。
【0040】なお、図5の系統図で示すように、上記受
光部13を、演算装置32に接続する構成にすると、上
記光透過率の値に基づいて試料中の抗原または抗体の量
が自動的に演算されるようになるので、より正確に抗体
または抗原が測定できるようになり特に好ましい。この
とき、接続回路に増幅器30やA/D変換器31を併用
することが好ましい。
【0041】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的
に説明する。 実施例1 ヒトヘモグロビンの測定 (材料)5%カルボキシル化ポリスチレンラテックス
(平均粒径0.30μm)10mlに、1mg/mlの1−エ
チル−3−(3−ジアミノプロピル)カルボジイミド1
0mlを加え、20分間反応させた後、0.01mol/
リットルホウ酸緩衝液(pH8.0)で2回遠心洗浄し
た。このラテックスに抗ヒトヘモグロビン抗体(ウサギ
IgG・5mg/ml)7mlを加え、5時間反応させ、さら
に0.1%ウシ血清アルブミンを溶解した0.01mo
l/リットルホウ酸緩衝液(pH8.0)で3回遠心洗浄
し、ラテックス濃度1%の抗ヒトヘモグロビン抗体感作
ラテックス試薬を得た。検査プレートとしては、直径2
0mmの正円開口部を有するU字型の液溜部を設置した透
明なポリスチレン製プレートを使用した。
【0042】(装置)測定装置としては、図3で示され
る光透過率測定装置を用い、940nmの波長を有するL
EDを光源として使用し、シリコンフォトダイオードを
受光部として使用した。上記光源の光軸を検査プレート
に垂直に設置し、液溜部部中心より同心円上の(4.8
mmφの)領域に光を照射するようにセットした。
【0043】(測定)ヒトヘモグロビンを、0.1%ウ
シ血清アルブミン、0.9%塩化ナトリウム、0.1%
アジ化ナトリウムを含有した0.1mol/リットルホ
ウ酸緩衝液(pH8.0)に溶解し、標準液とした。標準
液を適時前記緩衝液にて希釈し、標準液希釈系列を作製
した。検査プレート液溜部内に注入した標準液希釈液1
00μl に前記調製したラテックス試薬25μl を添加
した後、これを測定装置の台座に取付け、測定装置を始
動させて測定部を回転半径25mm、回転数110rpm に
て水平方向に旋回させるとともに、LEDから光照射し
て液溜部内に注入した試料を透過した光をシリコンフォ
トダイオードに感知させて、その光透過率を5〜6秒間
隔で3分間にわたって測定した。各抗原濃度における光
透過率時間変化を図7に示す。
【0044】(1)33秒経過後からの光透過率を最小
二乗法で二次式y=a0 +a1 x+a 2 2 〔式中、x
は時間、yは光透過率を示す〕に近似し、二次係数a2
の値を求める。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】上記データを、標準液の抗原濃度を横軸と
し、二次係数a2 の値を縦軸としてグラフ上にプロット
した検量線を図8に示す。抗原濃度と二次係数a2 の値
は良好な対応を示す。
【0047】(2)33秒経過後からの光透過率を最小
二乗法で二次式y=a0 +a1 x+a 2 2 〔式中、x
は時間、yは光透過率を示す〕に近似し、該二次式を微
分して光透過率yが最小となる時間xを求める(すなわ
ちx=−a1 /2a2 を求める)。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】上記データを、標準液の抗原濃度を横軸と
し、光透過率最小時間xを縦軸としてグラフ上にプロッ
トした検量線を図9に示す。抗原濃度と時間xとは良好
な対応を示す。
【0050】(3)各濃度について光透過率が最小にな
る時間を実測値に基づいて定め、その時間から22秒間
の光透過率の増加を求める。結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】上記データを、標準液の抗原濃度を横軸と
し、光透過率の増加(%)を縦軸としてグラフ上にプロ
ットした検量線を図10に示す。抗原濃度と光透過率の
増加とは良好な対応を示す。
【0053】(4)各濃度について光透過率が最小にな
る時間を実測値に基づいて定め、その時間以後である1
25秒における光透過率の値を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】上記データを、標準液の抗原濃度を横軸と
し、125秒における光透過率(%)を縦軸としてグラ
フ上にプロットした検量線を図11に示す。抗原濃度と
光透過率の値とは良好な対応を示す。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、肉眼判定によることな
く試料中の抗原または抗体を定量的に測定することが可
能であり、従来の肉眼判定による方法のような検査者に
よる判定結果のバラツキや判定保留領域における誤判定
の問題が解消され、再現性が高く正確な測定が可能とな
る。本発明方法は従来の方法と異なり、反応液を旋回さ
せながら液溜部略中央部の光透過率の変化を測定するも
のである。旋回中の遠心力により検体由来の不溶物は液
溜部周辺部に移動するため、これら不溶物による測定の
妨害がないという利点がある。便潜血反応など検体由来
の不溶物が混入するおそれのある試料の測定に好適に用
いられる。
【0057】また従来の肉眼判定法で使用している検査
プレートや試薬をそのまま利用できるという利点もあ
る。従来の攪拌しながら吸光度増加を測定する方法で
は、高濃度の抗原または抗体を含有する試料は、実際の
濃度より低く測定されてしまうことがある。本発明の測
定方法によれば、高濃度の試料でも精度は若干低下する
が、ある一定の濃度以上の抗原または抗体が含まれるか
否かの判定(陰性または陽性の判定)は容易に行うこと
ができ、試料を前希釈することなく測定ができ操作が簡
便である。
【0058】また、本発明の測定装置によれば、検査用
プレートを一定の周期で水平方向に旋回させながら、試
料に光を照射できるので、試料液の光透過率を連続的に
精密に測定できる。また、光透過率測定装置を演算装置
に接続すると、測定結果の演算処理が自動的に行われる
ので迅速な測定が可能になる。したがって、従来の人の
操作や目視による判定が不要となり、時間短縮が図れる
とともに、精密で正確な判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水平に旋回する検査用プレートの動きを示す平
面図である。
【図2】旋回中の検査用プレート1のIにおけるA−
A’断面の一部を示すものである。
【図3】(a)は本発明の一実施例を示す測定装置の斜
視図であり、(b)はその一部破断正面図である。
【図4】上記装置の測定部を示す部分断面図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す測定装置の系統図で
ある。
【図6】液溜部内の反応液を水平に旋回させたときの、
液溜部略中央の光透過率の時間変化を示すグラフであ
る。
【図7】実施例1における各抗原濃度の光透過率時間変
化を示すグラフである。
【図8】実施例1(1)で得た検量線を示すグラフであ
る。
【図9】実施例1(2)で得た検量線を示すグラフであ
る。
【図10】実施例1(3)で得た検量線を示すグラフで
ある。
【図11】実施例1(4)で得た検量線を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10 光源 12 検査用プレート取付部 13 受光部 15 駆動源 20 測定部 21 駆動部 22 駆動力伝達装置 S 光透過率測定装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543 G01N 21/59

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗原または抗体を含有する試料を、該抗
    原または抗体に対応する抗体または抗原を感作した担体
    粒子と凝集反応させて試料中の抗原または抗体を測定す
    る方法であって、該凝集反応を検査用プレートの液溜部
    内で行わせるとともに、液溜部内の反応液を水平に旋回
    させながら液溜部略中央の反応液の光透過率を所定時間
    1経過後から連続的に測定し、該光透過率を二次式y
    =a0+a1x+a22〔式中、xは時間、yは光透過率
    を示す〕に近似し、二次係数a2の値により抗原または
    抗体の量を測定することを特徴とする試料中の抗原また
    は抗体の測定方法。
  2. 【請求項2】 抗原または抗体を含有する試料を、該抗
    原または抗体に対応する抗体または抗原を感作した担体
    粒子と凝集反応させて試料中の抗原または抗体を測定す
    る方法であって、該凝集反応を検査用プレートの液溜部
    内で行わせるとともに、液溜部内の反応液を水平に旋回
    させながら液溜部略中央の反応液の光透過率を所定時間
    1 経過後から連続的に測定し、該光透過率が最小とな
    る時間により抗原または抗体の量を測定することを特徴
    とする試料中の抗原または抗体の測定方法。
  3. 【請求項3】 抗原または抗体を含有する試料を、該抗
    原または抗体に対応する抗体または抗原を感作した担体
    粒子と凝集反応させて試料中の抗原または抗体を測定す
    る方法であって、該凝集反応を検査用プレートの液溜部
    内で行わせるとともに、液溜部内の反応液を水平に旋回
    させながら液溜部略中央の反応液の光透過率を所定時間
    1経過後から連続的に測定し、該光透過率が最小とな
    る時間から所定時間T2の光透過率の増加を測定するこ
    とにより抗原または抗体の量を測定することを特徴とす
    る試料中の抗原または抗体の測定方法。
  4. 【請求項4】 抗原または抗体を含有する試料を、該抗
    原または抗体に対応する抗体または抗原を感作した担体
    粒子と凝集反応させて試料中の抗原または抗体を測定す
    る方法であって、該凝集反応を検査用プレートの液溜部
    内で行わせるとともに、液溜部内の反応液を水平に旋回
    させながら液溜部略中央の反応液の光透過率を所定時間
    1 経過後から連続的に測定し、該光透過率が最小とな
    る時間以後の所定時間T3 における光透過率の値により
    抗原または抗体の量を測定することを特徴とする試料中
    の抗原または抗体の測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の試料中
    の抗原または抗体の測定方法を実行するための測定装置
    であって、 光源と試料取付部と受光部とを備え、上記試料取付部に
    取り付けた検査用プレートの液溜部内に収容した試料の
    略中央部へ上記光源から光を照射し、透過した光を受光
    部が感知して試料の光透過率を測定する測定部と、駆動
    源を配設した駆動部と、上記測定部と駆動部とを連結し
    上記駆動源からの駆動力を伝達して上記測定部を水平方
    向に回動させる駆動力伝達手段とで構成される試料中の
    抗原または抗体の測定装置。
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