JP3232252B2 - 位置決め制御装置及び位置決め制御方法 - Google Patents

位置決め制御装置及び位置決め制御方法

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JP3232252B2
JP3232252B2 JP31981796A JP31981796A JP3232252B2 JP 3232252 B2 JP3232252 B2 JP 3232252B2 JP 31981796 A JP31981796 A JP 31981796A JP 31981796 A JP31981796 A JP 31981796A JP 3232252 B2 JP3232252 B2 JP 3232252B2
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隆則 米田
史朗 村井
宗明 加賀
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株式会社日平トヤマ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械等におけ
る位置決めサーボシステムの位置決め制御装置及び位置
決め制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、レーザ加工機の様に位置決め速
度や加工送り速度が高速を要求される工作機械において
は、予め設定された位置指令データに基づきサーボモー
タが制御されて、ワークを支持した加工テーブルや加工
ヘッドが位置決め制御されるようになっている。この位
置決め制御を、その制御系のゲインを高くしたりフィー
ドフォワード制御等を取り入れたりすることなく高精度
に行うための技術として、いわゆる周波数領域逆伝達関
数補正制御方法と呼ばれるものが従来より知られてい
る。この制御方法は、位置指令データによって制御され
た結果得られる実際の移動位置データと、理想的な移動
量を与える理想位置指令データとから周波数領域での伝
達関数を算出し、その伝達関数に基づき位置指令データ
の周波数特性を補正するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、周波数領域
での逆伝達関数補正制御方法では、伝達関数の算出に際
してFFT(高速フーリエ変換)処理が必要になる。こ
のFFT処理は時間がかかるものであり、位置決め制御
を高速に行うことが困難であった。特に、加工テーブル
や加工ヘッドの動作速度が高速になると、その動作速度
に対してFFT処理を確実に追随して行うことができな
くなって、高精度な位置決め制御を行い得なくなるとい
う問題があった。
【0004】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであって、その目的は、位置決め制御を、その
制御系のゲインを高くしたりフィードフォワード制御等
を取り入れたりすることなく、高速かつ高精度に行うこ
とができる位置決め制御装置及び位置決め制御方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の位置決め制御装置の発明では、補正後
の位置指令データと、その補正後の位置指令データに基
づき制御対象を位置決め制御した結果得られる実移動位
置データとを記憶する位置データ記憶手段と、前記記憶
された補正後の位置指令データと実移動位置データとに
基づき、現時点での伝達関数時間要素を求める伝達関数
時間要素演算手段と、前記求められた伝達関数時間要素
に基づき位置指令データを補正する位置指令データ補正
手段とを有し、補正後の位置指令データに基づき制御対
象を位置決め制御するようにしたものである。
【0006】請求項2の発明では、請求項1において、
前記位置データ記憶手段は、補正後の位置指令データ及
び実移動位置データをそれぞれ最新のものから過去複数
個分記憶しておくものである。
【0007】請求項3の発明では、請求項2において、
前記位置データ記憶手段は、補正後の位置指令データ及
び実移動位置データをそれぞれ少なくとも5つ分記憶し
ておくものである。
【0008】請求項4の発明では、請求項1〜3のいず
れかにおいて、前記位置指令データの微分データを算出
する第1の微分データ算出手段と、位置データ記憶手段
に記憶された実移動位置データの微分データを算出する
第2の微分データ算出手段とを設け、前記伝達関数時間
要素演算手段は、補正後の位置指令データと実移動位置
データ及びその微分データとに基づき伝達関数時間要素
を求め、前記位置指令データ補正手段は、求められた伝
達関数時間要素と位置指令データ及びその微分データと
に基づき、位置指令データを補正するものである。
【0009】請求項5の位置決め制御方法の発明では、
補正後の位置指令データと、その補正後の位置指令デー
タに基づき制御対象を位置決め制御した結果得られる実
移動位置データとを記憶しておき、その記憶された補正
後の位置指令データと実移動位置データとに基づき、現
時点での伝達関数時間要素を求め、その求められた伝達
関数時間要素に基づき位置指令データを補正し、その補
正後の位置指令データに基づき制御対象を位置決め制御
するようにしたものである。
【0010】従って、請求項1〜5の発明は、次のよう
な作用を奏する。請求項1及び5の発明によれば、位置
指令データは伝達関数時間要素に基づき補正される。そ
して、その補正後の位置指令データに基づき制御対象が
位置決め制御される。また、補正後の位置指令データ
と、その補正後の位置指令データに基づき制御対象を位
置決め制御した結果得られる実移動位置データとが記憶
される。そして、その記憶された補正後の位置指令デー
タと実移動位置データとに基づき、現時点での伝達関数
時間要素が求められ、その求められた伝達関数時間要素
に基づき位置指令データが補正される。
【0011】このように、過去の補正後の位置指令デー
タと実移動位置データとに基づき求められた伝達関数時
間要素によって、現時点での位置指令データが補正さ
れ、その補正後の位置指令データに基づき制御対象が位
置決め制御される。つまり、逆伝達関数補正制御が周波
数領域でなく時間領域だけで行われているので、演算処
理時間のかかるFFTや逆FFT等を行うことなく、簡
単な演算を行うだけでよい。
【0012】請求項2の発明によれば、刻々と変化する
伝達関数時間要素が、直前の過去の複数個のデータに基
づいて逐次求められるので、常に適正な伝達関数時間要
素が求められる。
【0013】請求項3の発明によれば、過去のデータを
少なくとも5つ分だけ記憶しておくだけでよく、大量に
記憶しておく必要がないので、大容量のデータ記憶手段
を設ける必要がない。
【0014】請求項4の発明によれば、微分データを算
出することにより、位置決め制御時において位置指令デ
ータの速度分や加速度分等を反映させることができる。
このため、装置の将来起こり得る挙動を確実に予測した
ことになり、位置決め制御をより高精度に行うことがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の
位置決め制御装置の制御ブロック図を示すものである。
なお、この位置決め制御装置は、例えばレーザ加工機に
おいて、ワークを支持した加工テーブルをX軸方向へ位
置決め制御するとともに、加工ヘッド27をY軸及びZ
軸方向へ位置決め制御するために用いられるものであ
る。各軸方向の駆動手段としてはそれぞれ例えばACサ
ーボモータが用いられ、各サーボモータは、それぞれX
軸用コントローラ11、Y軸用コントローラ12及びZ
軸用コントローラ13によって制御されるようになって
いる。これらのコントローラ11,12,13は、CP
U(中央処理装置)、制御プログラム等を記憶したRO
M及び各種情報を記憶するRAM等によって構成されて
いる。なお、3つのコントローラ11,12,13の構
成は同じであるので、この図1では、X軸用コントロー
ラ11及び同コントローラ11によって制御されるX軸
用サーボモータ14のみを示す。
【0016】X軸用サーボモータ14の出力軸にはボー
ルねじ15が連結され、このボールねじ15にはキャリ
ッジ16が螺合されている。キャリッジ16には図示し
ない加工テーブルが連結されている。従って、サーボモ
ータ14の駆動に伴うボールねじ15の回転により、キ
ャリッジ16が加工テーブルとともにX軸方向へ移動さ
れる。本実施形態では、サーボモータ14及びキャリッ
ジ16等が、制御対象となる。位置検出部17は、サー
ボモータ14の回転角度の検出に基づき、キャリッジ1
6の移動位置を求める。
【0017】位置データプログラム部18には、X軸、
Y軸及びZ軸の3軸方向における目標移動位置データが
予めプログラムされている。位置指令データ分配部19
は、位置データプログラム部18から入力した目標移動
位置データを、X軸、Y軸及びZ軸の各軸方向における
位置指令データr(t) に分配して、各コントローラ1
1,12,13に出力する。
【0018】ここで、X軸用コントローラ11について
説明すると、第1の微分データ算出部20は、位置指令
データ分配部19から入力した位置指令データr(t) を
時間tで1階微分したデータr'(t)と、時間tで2階微
分したデータr"(t)とを算出する。言い換えれば、第1
の微分データ算出部20は、位置指令データr(t) の速
度分と加速度分とを算出する。そして、第1の微分デー
タ算出部20は、位置指令データr(t) 及び同データr
(t) の微分データr'(t),r"(t)を位置指令データ補正
部21に出力する。
【0019】位置指令データ補正部21は、第1の微分
データ算出部20から入力した位置指令データr(t) 及
び微分データr'(t),r"(t)と、後述する伝達関数時間
要素演算部22から入力した伝達関数時間要素α1 ,α
2 ,α3 とに基づき、下記式(1)に従って、補正後の
位置指令データi(t) を求める。そして、位置指令デー
タ補正部21は、求めた補正後の位置指令データi(t)
を減算器23に出力する。 i(t) =α1 ・r(t) +α2 ・r'(t)+α3 ・r"(t) …(1) また、減算器23は、前記位置検出部17からキャリッ
ジ16の移動位置データ(実移動位置データ)O(t) を
入力する。そして、減算器23は、入力した補正後の位
置指令データi(t) と実移動位置データO(t) との差を
求めて、その差をサーボモータ駆動部24に出力する。
サーボモータ駆動部24は、入力値に基づきサーボモー
タ14を駆動制御する。
【0020】一方、位置検出部17の出力であるキャリ
ッジ16の実移動位置データO(t)は、位置データ記憶
部25にも出力される。さらに、位置指令データ補正部
21の出力である補正後の位置指令データi(t) も、位
置データ記憶部25に出力される。位置データ記憶部2
5は、図2及び図3に示すように、過去5つ分の補正後
の位置指令データi(t1)〜i(t5)とこれに対応する実移
動位置データO(t1)〜O(t5)とをそれぞれ格納する。す
なわち、位置データ記憶部25は、最新のデータi(t)
,O(t) が入力されたとき、その最新の入力データi
(t) ,O(t) をt1の欄にi(t1),O(t1)として格納す
るとともに、t1〜t4の欄に格納されていたデータi
(t1)〜i(t4),O(t1)〜O(t4)を、それぞれt2〜t5
の欄に順にシフトして、i(t2)〜i(t5),O(t2)〜O(t
5)として格納し直す。なお、t5の欄に格納されていた
データi(t5),O(t5)は、使用済みのデータとして捨て
られる。
【0021】第2の微分データ算出部26は、位置デー
タ記憶部25に格納されている各実移動位置データO(t
1)〜O(t5)を用いることにより、時間tで1階微分した
データO'(t1) ,O'(t2) ,O'(t3) ,O'(t4) と、時
間tで2階微分したデータO"(t1) ,O"(t2) ,O"(t
3) とを算出する。例えば、図2に示すように、1階微
分データO'(t1) は、実移動位置データO(t1)とO(t2)
との間に存在する単位時間当たりの位置変化量(つまり
速度分)を表し、2階微分データO"(t1) は、1階微分
データO'(t1) とO'(t2) との間に存在する単位時間当
たりの速度変化量(つまり加速度分)を表す。言い換え
れば、第2の微分データ算出部26は、5つの実移動位
置データO(t1)〜O(t5)に基づき、過去4つ分の実速度
データO'(t1) 〜O'(t4) と、過去3つ分の実加速度デ
ータO"(t1) 〜O"(t3) とを算出する。そして、第2の
微分データ算出部26は、それぞれ3つの実移動位置デ
ータO(t1)〜O(t3)、1階微分データO'(t1) 〜O'(t
3) 及び2階微分データO"(t1) 〜O"(t3) を伝達関数
時間要素演算部22に出力する。また、前記位置データ
記憶部25は、格納している補正後の位置指令データi
(t1)〜i(t5)のうちの3つのデータi(t1)〜i(t3)を伝
達関数時間要素演算部22に出力する。
【0022】伝達関数時間要素演算部22は、入力した
各データO(t1)〜O(t3),O'(t1)〜O'(t3) ,O"(t1)
〜O"(t3) ,i(t1)〜i(t3)に基づき、下記の3つの
式(2)に従って、伝達関数時間要素α1 ,α2 ,α3
を求める。そして、伝達関数時間要素演算部22は、求
めた伝達関数時間要素α1 ,α2 ,α3 を、前記位置指
令データ補正部21に出力する。 i(t1)=α1 ・O(t1)+α2 ・O'(t1) +α3 ・O"(t1) i(t2)=α1 ・O(t2)+α2 ・O'(t2) +α3 ・O"(t2) i(t3)=α1 ・O(t3)+α2 ・O'(t3) +α3 ・O"(t3) …(2) 次に、上記のように構成された位置決め制御装置の作用
について、図4のフローチャートに従って説明する。こ
の位置決め制御装置は、例えばレーザ加工機の加工動作
プログラムに従った加工動作の開始に伴って、動作を開
始される。
【0023】加工動作プログラムに従った加工動作が開
始されると、先ず位置データ記憶部25のt1〜t5の
欄に、デフォルト値としてのデータi(t1)〜i(t5),O
(t1)〜O(t5)が設定されるとともに、伝達関数時間要素
α1,α2,α3がデフォルト値により仮決定される
(ステップS1)。すなわち、加工開始時には、位置デ
ータ記憶部25内に伝達関数時間要素α1,α2,α3
を算出するのに必要なデータが格納されていないからで
ある。次に、位置データプログラム部18内の3軸方向
における目標移動位置データが位置指令データ分配部1
9に入力され、それがX軸、Y軸及びZ軸の各軸方向に
おける位置指令データr(t) に分配されて、各第1の微
分データ算出部20に取り込まれる(ステップS2)。
【0024】続いて、第1の微分データ算出部20に
て、位置指令データr(t) の1階微分データr'(t)及び
2階微分データr"(t)が算出される(ステップS3)。
次に、これらのデータr(t) ,r'(t),r"(t)と前記伝
達関数時間要素α1 ,α2 ,α3 とに基づき、上記式
(1)に従って、位置指令データ補正部21にて補正後
の位置指令データi(t) が算出される(ステップS
4)。
【0025】そして、補正後の位置指令データi(t) に
基づきサーボモータ14が制御されて、例えばキャリッ
ジ16が所望のX軸方向における位置に移動される(ス
テップS5)。
【0026】次に、補正後の位置指令データi(t) と、
位置検出部17によって検出されたキャリッジ16の実
移動位置データO(t) とが、位置データ記憶部25のt
1の欄にi(t1),O(t1)として格納される(ステップS
6)。このとき、t1〜t4の欄に格納されていたデー
タi(t1)〜i(t4),O(t1)〜O(t4)は、それぞれt2〜
t5の欄に順にシフトされて、i(t2)〜i(t5),O(t2)
〜O(t5)として格納し直される。
【0027】次に、位置データ記憶部25内の実移動位
置データO(t1)〜O(t5)に基づき、1階微分データO'
(t1) ,O'(t2) ,O'(t3) ,O'(t4) 及び2階微分デ
ータO"(t1) ,O"(t2) ,O"(t3) が、第2の微分デー
タ算出部26にて算出される(ステップS7)。
【0028】続いて、3つの実移動位置データO(t1)〜
O(t3)、3つの1階微分データO'(t1) 〜O'(t3) 、3
つの2階微分データO"(t1) 〜O"(t3) 、及び位置デー
タ記憶部25内の3つの補正後の位置指令データi(t
1),i(t2),i(t3)に基づき、上記式(2)に従って、
伝達関数時間要素演算部22にて、伝達関数時間要素α
1 ,α2 ,α3 が算出される(ステップS8)。次に、
加工動作プログラムが終了したか否かが判断され(ステ
ップS9)、終了した場合には全ての処理が終了する。
一方、加工動作プログラムが終了していない場合には、
前記ステップS2に戻って、ステップS2〜S9の動作
が繰り返される。
【0029】以上のように、本実施形態では、上記式
(1)に示したように、位置指令データr(t) に伝達関
数時間要素αを乗算することによって得られた補正後の
位置指令データi(t) に基づいてサーボモータ14を制
御するようにしている。
【0030】つまり、位置決め制御において、目標値を
R、入力値をI、出力値をO、伝達関数をGとした場
合、伝達関数Gは次式(3)で表すことができる。 G=O/I …(3) この場合、出力値Oが目標値Rと等しくなれば、言い換
えればG=R/Iが成立すれば、位置決め制御が理想的
に行われていることになる。このG=R/Iは、I=
(1/G)・Rと変形することができる。つまり、前記
式(1)において、補正後の位置指令データi(t) を入
力値I、位置指令データr(t) を目標値Rと置き換えれ
ば、伝達関数時間要素αは(1/G)と置き換えること
ができる。従って、伝達関数時間要素αの値を求めるこ
とにより、サーボモータ14に対して理想的な入力値i
(t) を与えることができる。
【0031】伝達関数時間要素αの値は前記式(2)に
従って求めることができる。すなわち、上記式(3)の
G=O/Iは、I=(1/G)・Oと変形することがで
きる。従って、上記式(2)において、過去の3つの位
置指令データi(t1)〜i(t3)を入力値I、過去の3つの
実移動位置データO(t1)〜O(t3)を出力値Oと置き換え
れば、αは(1/G)と置き換えることができる。従っ
て、過去の3つの入力値と出力値とに基づき、式(2)
に従って連立方程式を解くことにより、伝達関数時間要
素αを求めることができる。つまり、この伝達関数時間
要素αは、刻々と変化する位置決め制御系の動特性を表
すものであり、直前の入出力値より求められた時間領域
での伝達関数を表すものである。従って、この伝達関数
時間要素αを先の式(1)に代入すれば、サーボモータ
14に対して理想的な入力値i(t) を与えることができ
る。
【0032】本実施形態の位置決め制御装置は上記のよ
うに動作するので、次のような効果を奏する。 (a)逆伝達関数補正制御が周波数領域でなく時間領域
だけで行われているので、処理時間のかかるFFTや逆
FFT等を行うことなく、上記式(1),(2)のよう
な簡単な演算式を用いるだけでよい。このため、位置決
め制御を高速かつ高精度に行うことができ、応答性に優
れた位置決め制御装置を安価に提供することができる。
【0033】(b)位置指令データの1階微分データ及
び2階微分データを算出することにより、位置決め制御
時において位置指令データの速度分と加速度分とを反映
させることができる。このため、装置の将来起こり得る
挙動を確実に予測したことになり、位置決め制御をより
高精度に行うことができる。
【0034】(c)刻々と変化する伝達関数を直前の過
去の複数のデータに基づいて逐次求めるようにしている
ので、常に適正な伝達関数を位置指令データに反映させ
ることができる。
【0035】(d)過去のデータを、演算に必要な最小
限の数、例えば5つ分だけ記憶しておくだけでよく、大
量に記憶しておく必要がないので、大容量のメモリを設
ける必要がない。
【0036】尚、この発明における実施形態は例えば以
下のように変更してもよい。 (a)本発明の位置決め制御装置を、4軸以上を有する
装置の制御やロボット制御等、各種の位置決め制御に適
用すること。
【0037】(b)過去のデータを6個以上記憶するよ
うにして、微分データとしては3階以上の微分データま
で求めてもよい。n階微分データまで求めた場合には、
それに対応して、伝達関数時間要素としてα1〜α(n-
1) まで求めるようにすればよい。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば次
のような優れた効果を奏する。請求項1及び5の発明に
よれば、逆伝達関数補正制御が周波数領域でなく時間領
域だけで行われているので、演算処理時間のかかるFF
Tや逆FFT等を行うことなく、簡単な演算を行うだけ
でよい。このため、位置決め制御を高速かつ高精度に行
うことができ、応答性に優れた位置決め制御装置を安価
に提供することができる。
【0039】請求項2の発明によれば、刻々と変化する
伝達関数時間要素が、直前の過去の複数個のデータに基
づいて逐次求められるので、常に適正な伝達関数時間要
素が求められて、それが位置指令データに反映される。
【0040】請求項3の発明によれば、過去のデータを
少なくとも5つ分だけ記憶しておくだけでよく、大量に
記憶しておく必要がないので、大容量のデータ記憶手段
を設ける必要がない。
【0041】請求項4の発明によれば、微分データの算
出により、位置決め制御時において位置指令データの速
度分や加速度分等を反映させることができる。このた
め、装置の将来起こり得る挙動を確実に予測したことに
なり、位置決め制御をより高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態における位置決め制御装
置の制御ブロック図。
【図2】 位置データ記憶部に格納された各データを示
す説明図。
【図3】 補正後の位置指令データと実移動位置データ
とを示す説明図。
【図4】 位置決め制御装置の動作を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
11…X軸用コントローラ、12…Y軸用コントロー
ラ、13…Z軸用コントローラ、14…制御対象として
のX軸用サーボモータ、16…制御対象としてのキャリ
ッジ、17…位置検出部、20…第1の微分データ算出
手段としての第1の微分データ算出部、21…位置指令
データ補正手段としての位置指令データ補正部、22…
伝達関数時間要素演算手段としての伝達関数時間要素演
算部、25…位置データ記憶手段としての位置データ記
憶部、26…第2の微分データ算出手段としての第2の
微分データ算出部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−348316(JP,A) 特開 平8−227309(JP,A) 特開 平10−149210(JP,A) 特開 平7−295652(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 19/18 - 19/46 G05B 13/02,11/36,23/02 G05D 3/00 - 3/12 B23Q 15/00 - 15/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補正後の位置指令データと、その補正後
    の位置指令データに基づき制御対象を位置決め制御した
    結果得られる実移動位置データとを記憶する位置データ
    記憶手段と、 前記記憶された補正後の位置指令データと実移動位置デ
    ータとに基づき、現時点での伝達関数時間要素を求める
    伝達関数時間要素演算手段と、 前記求められた伝達関数時間要素に基づき位置指令デー
    タを補正する位置指令データ補正手段とを有し、補正後
    の位置指令データに基づき制御対象を位置決め制御する
    ようにした位置決め制御装置。
  2. 【請求項2】 前記位置データ記憶手段は、補正後の位
    置指令データ及び実移動位置データをそれぞれ最新のも
    のから過去複数個分記憶しておくものである請求項1に
    記載の位置決め制御装置。
  3. 【請求項3】 前記位置データ記憶手段は、補正後の位
    置指令データ及び実移動位置データをそれぞれ少なくと
    も5つ分記憶しておくものである請求項2に記載の位置
    決め制御装置。
  4. 【請求項4】 前記位置指令データの微分データを算出
    する第1の微分データ算出手段と、位置データ記憶手段
    に記憶された実移動位置データの微分データを算出する
    第2の微分データ算出手段とを設け、前記伝達関数時間
    要素演算手段は、補正後の位置指令データと実移動位置
    データ及びその微分データとに基づき伝達関数時間要素
    を求め、前記位置指令データ補正手段は、求められた伝
    達関数時間要素と位置指令データ及びその微分データと
    に基づき、位置指令データを補正する請求項1〜3のい
    ずれかに記載の位置決め制御装置。
  5. 【請求項5】 補正後の位置指令データと、その補正後
    の位置指令データに基づき制御対象を位置決め制御した
    結果得られる実移動位置データとを記憶しておき、 その記憶された補正後の位置指令データと実移動位置デ
    ータとに基づき、現時点での伝達関数時間要素を求め、 その求められた伝達関数時間要素に基づき位置指令デー
    タを補正し、 その補正後の位置指令データに基づき制御対象を位置決
    め制御するようにした位置決め制御方法。
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