JP2000250614A - バックラッシ補正装置および数値制御システム - Google Patents

バックラッシ補正装置および数値制御システム

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JP2000250614A JP11318588A JP31858899A JP2000250614A JP 2000250614 A JP2000250614 A JP 2000250614A JP 11318588 A JP11318588 A JP 11318588A JP 31858899 A JP31858899 A JP 31858899A JP 2000250614 A JP2000250614 A JP 2000250614A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のバックラッシ補正は、その軸における
反転後の移動量に応じて補正値を暫時的に増加させるも
のであったので、異なる送り速度においては適当にバッ
クラッシを補正することができなかった。 【解決手段】 反転後の経過時間に応じて補正値を暫時
的に増加させるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、いわゆるNC加
工システム、NCロボットシステム、NC搬送システム
などの数値制御システムおよびそれに用いられるバック
ラッシ補正装置に係り、特に、制御対象を反転駆動する
際に生じるバックラッシを高度に補正するための改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の数値制御システムは、例
えばNC加工システムを例に説明すれば、被加工対象物
(ワーク)をテーブルの上に固定し、このテーブルと加
工工具との相対的な位置関係を数値制御(座標制御)す
ることで、上記被加工対象物を複雑な形状に加工したり
することができる。また、このNC加工システムでは一
般的に、X−Y−Zの3つの互いに直交する軸方向で独
立に3つのサーボモータを設け、この3つのサーボモー
タの回転駆動力をテーブルや加工工具の支持部材に伝達
することで、テーブルと加工工具との相対位置を制御し
ている。
【0003】そして、このようなNC加工システムに代
表される数値制御システムでは、必然的に、駆動源であ
るサーボモータ、このモータの回転運動を直線運動に変
換するボールネジ、モータとボールネジを連結するカッ
プリング、運動方向を規定するリニアガイド、ワークや
工具が保持されるテーブル等の駆動力伝達機構における
隙間(ガタツキ)などに起因して、モータ回転方向反転
時などにおいて、制御数値の目標移動量と、テーブルや
ワークの相対的な移動量とが一致しなくなってしまい、
いわゆるバックラッシ誤差が生じてしまう。その結果、
加工精度をこのバックラッシ誤差よりも小さくすること
ができなくなってしまう。
【0004】図14はこのようなバックラッシ誤差を補
正するように構成され、特開平10−154007号公
報に開示された従来の数値制御システムの構成を示すブ
ロック図である。図において、4はモータ、35は駆動
力伝達機構部、1は被制御対象物である。
【0005】また、7は位置指令信号を出力する位置指
令生成部、8は位置指令信号の増減方向の反転を判定す
る指令反転判断手段、36は反転後の変位量を累積的に
加算する変位カウンタ、37はバックラッシ補正値の最
大値を設定する設定手段、38は反転後の変位量に応じ
たバックラッシ補正値を出力する変位依存型補正量算出
手段、39は補正周期毎の補正量を算出する補正量差分
手段、40はこの補正量を上記位置指令信号に加算する
加算器、41はこの加算器の出力に応じてモータに制御
電流を供給する制御装置である。
【0006】次に動作について説明する。位置指令生成
部7から増減方向を反転するような位置指令信号が出力
されると、指令反転判断手段8から反転情報が出力さ
れ、変位カウンタ36は新たな変位量を累積的に加算す
る。これとともに、変位依存型補正量算出手段38は設
定手段37のバックラッシ補正値の最大値と、この変位
カウンタ36の変位量とに基づいて、反転後の変位量に
応じたバックラッシ補正値を出力する。補正量差分手段
39は補正周期毎の補正量を算出し、加算器40はこの
補正量を位置指令信号に加算する。
【0007】そして、この加算器40の出力に応じた制
御電流が制御装置41からサーボモータ4に流れ、これ
に応じて駆動力伝達機構部35ひいては被制御対象物1
の位置決め制御が行われる。
【0008】以上のように、この従来の数値制御システ
ムでは、モータ回転方向反転時にその反転方向に応じた
バックラッシ補正値を位置指令値に加算することで、上
記バックラッシ誤差の分だけ余計に移動させるように数
値制御することができ、これにより加工精度をこのバッ
クラッシ誤差よりも小さくすることが可能となる。
【0009】また、上記従来の数値制御システムでは、
単にバックラッシ補正値を位置指令値に加算するだけで
なく、反転後の変位量に応じて漸次的に当該補正値を増
加させているので、バックラッシ誤差が反転後に漸次的
に大きくなっていくのに対して好適に補正を行うことが
できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の数値制御システ
ムは以上のように構成されているので、例えばNC加工
システムを例に説明すると、一定以上の加工精度を得る
ことはできないなどの課題があった。例えば、通常の加
工速度では得られない加工精度を得るために加工工具に
対するテーブルの相対的な送り速度を超低速度に変更し
たとしても、これに応じてバックラッシの発生の仕方も
変化してしまうので、上記従来の変位量を軸とした補正
処理では当該超低速度状態におけるバックラッシ誤差を
好適に補正することができない。その結果、加工精度を
向上させるために相対的な送り速度を超低速度に変更し
たにもかかわらず所望の高い精度を得ることができなく
なる。特に、多軸を同時に制御して真円加工などを行う
場合にはこのバックラッシに起因する加工精度の問題は
顕著に発生する。
【0011】また、従来の数値制御システムにおいて上
記バックラッシ補正値を求めてこれにより加工精度を向
上させることも考えられるが、バックラッシそのものを
求めようとした場合には現在の演算処理装置では多くの
演算を必要とする指数関数演算処理によって演算するこ
ととなる。従って、1回1回のバックラッシ補正値を得
るためには一定以上の演算処理時間を確保する必要が生
じ、単位時間あたりのバックラッシ補正値の更新回数も
これによって制限されてしまうこととなり、ひいては、
各バックラッシ補正値で制御している時間が長くなって
その間における実際のバックラッシ誤差に対するバック
ラッシ補正値の誤差の最大値が増加してしまうこととな
る。その結果、結局、所望の高い精度を得ることができ
ない。
【0012】なお、上記従来の数値制御システムのセミ
クローズドフィードバック方式とは異なり、テーブルの
位置を検出し、この情報に基づいてモータの回転量を補
正することでバックラッシを削減することも考えられる
が、このようなフルクローズドフィードバック方式を採
用した場合には、単に部品点数が増加するだけでなく、
各部品の位置決め調整精度などを向上させる必要があ
り、しかも、フィードバック系の応答遅れによる精度誤
差発生や送り速度上限値の低下などを招いてしまうこと
となりとても実用的とはいえない。
【0013】そこで、発明者らはこれらの問題点を解決
して更に高精度化を図るべく鋭意研究を重ねた結果、反
転時のバックラッシ誤差の漸次的な増加特性は、相対的
な送り速度の大きさを変化させた場合、反転後の変位量
との関係においては増加の仕方が大きく変化してしまう
が、反転後の経過時間との関係においては増加の仕方が
ほとんど変化しない特性を示すこと、すなわち相対的な
送り速度を変化させたとしても反転後の経過時間軸上で
はその増加の仕方が変化し難い特性を示すことを見出
し、更に、相対的な送り速度を変化させてしまうような
多軸同時制御においてもこの増加特性と反転後の経過時
間との関係が変化し難いことをも見出し、本発明を完成
するに至った。
【0014】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、送り速度に拘わらずバックラッシ
誤差を補正することができるバックラッシ補正装置およ
びこれを用いて高精度に数値制御を実行することができ
る数値制御システムを得ることを目的とする。
【0015】また、この発明は、簡易な演算処理により
バックラッシ補正値を得ることができるバックラッシ補
正装置およびこれを用いて高精度に数値制御を実行する
ことができる数値制御システムを得ることを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係るバックラ
ッシ補正装置は、数値制御に利用する制御情報を補正す
るバックラッシ補正装置において、上記制御情報が入力
され、この制御情報の増減に基づいて制御方向の反転を
検出して反転検出情報を出力する反転検出手段と、上記
反転検出情報が入力され、当該反転検出情報が入力され
る度に反転後の制御方向における最大バックラッシ情報
を出力する最大バックラッシ情報生成手段と、上記最大
バックラッシ情報が入力され、反転後の経過時間に応じ
た割合で当該最大バックラッシ情報をバックラッシ情報
として出力するフィルタ手段と、上記バックラッシ情報
を上記制御情報に加算して補正制御情報を出力する加算
手段とを備えたものである。
【0017】この発明に係るバックラッシ補正装置は、
フィルタ手段が、伝達関数において異なる定数の組み合
せとなる複数の伝達関数型フィルタを備え、制御対象の
送り速度に応じてこの複数の伝達関数型フィルタのうち
から1つを選択し、この選択した伝達関数型フィルタを
用いてフィルタリング処理を行うものである。
【0018】この発明に係るバックラッシ補正装置は、
フィルタ手段が、下記式1の伝達関数と等価なフィルタ
リング処理を行って最大バックラッシ情報からバックラ
ッシ情報を生成するものである。
【0019】 a0/(b2・s+b1・s+b0) ・・・式1 但し、a0,b2,b1,b0は定数、sはラプラス演
算子である。
【0020】この発明に係るバックラッシ補正装置は、
フィルタ手段が、下記式2の伝達関数と等価なフィルタ
リング処理を行って最大バックラッシ情報からバックラ
ッシ情報を生成するものである。
【0021】 a1・s+a0/(b2・s+b1・s+b0) ・・・式2 但し、a1,a0,b2,b1,b0は定数、sはラプ
ラス演算子である。
【0022】この発明に係るバックラッシ補正装置は、
フィルタ手段が、下記式3の伝達関数と等価なフィルタ
リング処理を行って最大バックラッシ情報からバックラ
ッシ情報を生成するものである。
【0023】 a0/(b1・s+b0) ・・・式3 但し、a0,b1,b0は定数、sはラプラス演算子で
ある。
【0024】この発明に係るバックラッシ補正装置は、
フィルタ手段が、下記式4の伝達関数と等価なフィルタ
リング処理を行って最大バックラッシ情報からバックラ
ッシ情報を生成するものである。
【0025】 (a2・s+a1・s+a0)/(b2・s+b1・s+b0) ・・・式4 但し、a2,a1,a0,b2,b1,b0は定数、s
はラプラス演算子である。
【0026】この発明に係る数値制御システムは、数値
制御に利用する制御情報を出力する制御情報生成手段
と、上記制御情報を補正して補正制御情報を出力するバ
ックラッシ補正装置と、上記補正制御情報に基づいて制
御信号を出力する制御装置と、上記制御信号に応じて制
御対象を駆動制御する駆動手段とを備えた数値制御シス
テムにおいて、上記バックラッシ補正装置が、上記制御
情報が入力され、この制御情報の増減に基づいて制御方
向の反転を検出して反転検出情報を出力する反転検出手
段と、上記反転検出情報が入力され、当該反転検出情報
が入力される度に反転後の制御方向における最大バック
ラッシ情報を出力する最大バックラッシ情報生成手段
と、上記最大バックラッシ情報が入力され、少なくとも
上記駆動手段の伝達関数と等価なフィルタリング処理を
行って最大バックラッシ情報からバックラッシ情報を生
成して出力するフィルタ手段と、上記バックラッシ情報
を上記制御情報に加算して補正制御情報を出力する加算
手段とを備えたものである。
【0027】この発明に係る数値制御システムは、フィ
ルタ手段が、下記式5の伝達関数と等価なフィルタリン
グ処理を行って最大バックラッシ情報からバックラッシ
情報を生成して出力するものである。
【0028】 (JL+JM)K/ {JL・JM・s+(JL+JM)D・s+(JL+JM)K} ・・・式5 但し、JLは制御対象のイナーシャ定数,JMは駆動手
段のイナーシャ定数,Kは制御対象と駆動手段との間に
介在するバネ要素のバネ定数,Dは前記バネ要素に作用
する粘性摩擦の粘性係数である。
【0029】この発明に係る数値制御システムは、フィ
ルタ手段が、下記式6の伝達関数と等価なフィルタリン
グ処理を行って最大バックラッシ情報からバックラッシ
情報を生成して出力するものである。
【0030】 {(JL+JM)K・Kf・s+(JL+JM)K}/ {JL・JM・s+(JL+JM)D・s+(JL+JM)K} ・・・式6 但し、JLは制御対象のイナーシャ定数,JMは駆動手
段のイナーシャ定数,Kは制御対象と駆動手段との間に
介在するバネ要素のバネ定数,Dは前記バネ要素に作用
する粘性摩擦の粘性係数,Kfは制御装置の応答遅れを
補正する定数である。
【0031】この発明に係る数値制御システムは、フィ
ルタ手段が、下記式7の伝達関数と等価なフィルタリン
グ処理を行って最大バックラッシ情報からバックラッシ
情報を生成して出力するものである。
【0032】 K/(D・s+K) ・・・式7 但し、Kは制御対象と駆動手段の間に介在するバネ要素
のバネ定数,Dは前記バネ要素に作用する粘性摩擦の粘
性係数である。
【0033】この発明に係る数値制御システムは、フィ
ルタ手段が、下記式8の伝達関数と等価なフィルタリン
グ処理を行って最大バックラッシ情報からバックラッシ
情報を生成して出力するものである。
【0034】 {K・s+K(KP+KI)s+K・KP・KI}/ {D・KP・s+KP(D・KI+K)s+K・KP・KI}・・・式8 但し、Kは制御対象と駆動手段の間に介在するバネ要素
のバネ定数,Dは前記バネ要素に作用する粘性摩擦の粘
性係数,KPは位置比例ゲイン,KVは速度比例ゲイ
ン,KIは速度積分ゲインである。
【0035】この発明に係る数値制御システムは、フィ
ルタ手段が、下記式9の伝達関数と等価なフィルタリン
グ処理を行って最大バックラッシ情報からバックラッシ
情報を生成して出力するものである。
【0036】 (K・Kd・s+K・s+K・Ki)/ {D・Kp・s+Kp(D・Ki+K)s+K・Kp・Ki}・・・式9 但し、Kは制御対象と駆動手段の間に介在するバネ要素
のバネ定数,Dは前記バネ要素に作用する粘性摩擦の粘
性係数,Kpは速度比例ゲイン,Kiは位置積分ゲイ
ン,Kdは微分ゲインである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による互
いに直交するX−Y−Zの3軸の駆動系にてテーブルと
加工工具との相対的な位置関係を数値制御するNC加工
システムの1軸(X軸)分の駆動系のみの構成を示すブ
ロック図である。図において、1は被加工対象物(ワー
ク)、2は被加工対象物1が固定されるテーブル(制御
対象)、3はドリルなどの加工工具(制御対象)、4は
サーボモータ(駆動手段)、5はサーボモータ4の回転
子に固定されるネジ軸部材5aおよびテーブル2に固定
されるとともにネジ軸部材5aが螺合されるネジ受部材
5bとからなるX軸用ボールネジ(制御対象)、6はサ
ーボモータ4の回転角度を検出するエンコーダである。
【0038】7は加工プログラムに従ってX軸方向の目
標座標情報をレベル情報として含む位置指令信号(制御
情報)を出力する位置指令生成部(制御情報生成手段)
であり、8は位置指令信号が入力され、この信号のレベ
ルが増加から減少に転じたら負の大きさ1のステップ信
号を出力し、この信号のレベルが減少から増加に転じた
ら正の大きさ1のステップ信号を出力するモータ反転検
出部(反転検出手段,バックラッシ補正装置)であり、
9は予め測定した最大バックラッシ誤差量の座標換算値
を保持し、これを上記ステップ信号に乗算して当該最大
バックラッシ誤差量と同じ大きさを有するステップ信号
(最大バックラッシ情報)を出力するバックラッシゲイ
ン補正部(最大バックラッシ情報生成手段,バックラッ
シ補正装置)であり、10は位置指令信号の増減方向反
転後の経過時間に応じたレベル割合にて補正後のステッ
プ信号の大きさを削減し、これを位置補正信号(バック
ラッシ情報)として出力する時間依存型フィルタ(フィ
ルタ手段,バックラッシ補正装置)であり、11はこの
位置補正信号を位置指令信号に加算して補正位置指令信
号(補正制御情報)を出力するバックラッシ加算器(加
算手段,バックラッシ補正装置)である。
【0039】12はこの補正位置指令信号とともにエン
コーダ6からのモータ回転角度情報が入力され、モータ
回転角度情報に基づいて判別できる現在の座標情報と補
正位置指令信号に基づいて判別できる補正された目標座
標との座標差に基づいて速度指令情報を生成する位置制
御部(制御装置)であり、13はこの速度指令情報とと
もにエンコーダ6からのモータ回転角度情報が入力さ
れ、モータ回転角度情報に基づいて判別できる現在のテ
ーブル2のX軸方向の移動速度情報と上記速度指令情報
とが一致するように電流指令情報を出力する速度制御部
(制御装置)である。
【0040】14はモータ反転検出部8からのステップ
信号が入力され、サーボモータ4の回転損、X軸用ボー
ルネジ5のすべり摩擦損、テーブル2と図示外のガイド
レールとの間のすべり摩擦損などの動摩擦損に相当する
ロストモーション補正ゲインを上記ステップ信号に乗算
し、これをロストモーション補正情報として出力するロ
ストモーション補正部であり、15はこのロストモーシ
ョン補正情報を電流指令情報に加算して補正電流指令情
報を出力するロストモーション加算器であり、16はこ
の補正電流指令情報に基づいてサーボモータ4に対して
駆動電流(制御信号)を出力する電流制御部(制御装
置)である。
【0041】図2はこの発明の実施の形態1によるバッ
クラッシの一要因を説明する説明図である。図におい
て、2aはテーブル下部に形成され、ネジ受部材5bが
嵌挿されるテーブル溝である。そして、例えば、同図
(a)のように紙面の右方向に移動している状態から、
同図(b)のように紙面の左方向に移動している状態へ
駆動方向が反転した場合、ネジ受部材5bがテーブル溝
2a内を移動する間はネジ受部材5bが移動しているに
も拘わらずテーブル2は停止することとなる。これによ
りテーブル2とX軸用ボールネジ5との間のガタつきに
起因して位置精度が低下し、これがバックラッシの一要
因となる。
【0042】次に動作について説明する。図3はこの発
明の実施の形態1によるNC加工システムの1軸(X
軸)分の駆動系の制御動作例を示すタイミングチャート
である。図において、(a)は位置指令生成部7から出
力される位置指令信号、(b)はモータ反転検出部8か
ら出力されるステップ信号、(c)はバックラッシゲイ
ン補正部9から出力されるバックラッシゲイン補正後の
ステップ信号、(d)は時間依存型フィルタ10から出
力される位置補正信号、(e)はバックラッシ加算器1
1から出力される補正位置指令信号であり、これらの縦
軸は信号レベル、横軸は時間である。同図に示すよう
に、位置指令信号のレベルが増加方向から減少方向に変
化すると、モータ反転検出部8から負の大きさ1のステ
ップ信号が出力される。そして、このステップ信号はバ
ックラッシゲイン補正部9においてその大きさがバック
ラッシ誤差量と同等の大きさに変換され、時間依存型フ
ィルタ10において反転後の経過時間に応じたレベル割
合にて削減された後、バックラッシ加算器11において
位置指令信号とレベル加算されて補正位置指令信号が生
成される。
【0043】そして、位置制御部12においてこの補正
位置指令信号に基づいて速度指令情報が生成され、速度
制御部13においてこの速度指令情報に基づいて電流指
令情報が生成され、ロストモーション加算器15におい
てこの電流指令情報にロストモーション補正情報が加算
され、電流制御部16からサーボモータ4に対して駆動
電流が出力され、サーボモータ4がこの駆動電流量に応
じた角度だけ回転し、サーボモータ4の回転量に応じた
距離だけテーブル2およびそれに固定された被加工対象
物1が移動する。
【0044】なお、以上の説明ではX軸用の駆動系につ
いて説明したが、この発明の実施の形態1によるNC加
工システムでは、同様の駆動系がそれぞれY軸およびZ
軸にも形成されおり、これら3軸の駆動系を加工プログ
ラムに従って同期動作させることにより、テーブル2に
固定された被加工対象物1を加工工具3に対して相対的
に任意の方向に移動させ、この被加工対象物1に対する
加工工具3の軌跡に基づいて所望の形状に加工すること
ができる。
【0045】次に真円加工の場合を例に多軸制御と加工
精度との関係について説明する。図4はこの発明の実施
の形態1による位置指令信号(補正位置指令信号)と加
工形状との関係を示す説明図である。図において、
(a)はX軸方向の位置制御信号のグラフ、(b)はY
軸方向の位置制御信号のグラフ、(c)はテーブル2上
の加工工具3の軌跡である。また、17,18はそれぞ
れ送り速度V1の場合のこの発明の実施の形態1におけ
るX軸方向あるいはY軸方向の補正位置指令信号、1
9,20はそれぞれ送り速度V2(>V1)の場合のこ
の発明の実施の形態1におけるX軸方向あるいはY軸方
向の補正位置指令信号、21は送り速度V1の場合のこ
の発明の実施の形態1におけるY軸方向の位置指令信
号、22,23はそれぞれ時間依存型フィルタ10によ
る遅延効果が生じている期間、24はX軸方向およびY
軸方向においてともに補正位置指令信号を使用し且つ上
記送り速度V1あるいはV2で送った場合の加工工具3
のテーブル2上の軌跡、25はX軸方向においては補正
位置指令信号を使用するとともにY軸方向においては位
置指令信号を使用し且つ上記送り速度V1あるいはV2
で送った場合の加工工具3のテーブル2上の軌跡、2
6,27はそれぞれY軸方向のバックラッシ残差、28
は真円度に対する誤差(最大誤差)である。
【0046】そして、同図に示すように、この発明の実
施の形態1では、バックラッシゲイン補正部9と時間依
存型フィルタ10との作用によりサーボモータ4の反転
後において位置指令信号が滑らかに変化するように補正
されているので、バックラッシ残差が殆ど残らないよう
にすることができ、目標とする軌跡においてテーブル2
と加工工具3との相対位置を制御することができる。
【0047】また、送り速度を変化させたとしても、バ
ックラッシ残差が殆ど発生しないようにすることがで
き、目標とする軌跡においてテーブル2と加工工具3と
の相対位置を制御することができる。
【0048】そして、このような補正をしなかった場合
(つまり位置指令信号を使用して制御した場合)におい
ては同図に示すように大きな誤差が生じて真円度が悪か
ったが、この誤差を効果的に削減して真円度を格段に向
上させることができる。
【0049】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、位置指令信号の増減方向が反転したら正あるいは負
の大きさ1のステップ信号を出力するモータ反転検出部
8(反転検出手段)と、予め測定した最大バックラッシ
誤差量の座標換算値を保持し、これを上記ステップ信号
に乗算するバックラッシゲイン補正部9(最大バックラ
ッシ情報生成手段)と、位置指令信号の増減方向反転後
の経過時間に応じたレベル割合において補正後のステッ
プ信号の大きさを削減し、これを位置補正信号(バック
ラッシ情報)として出力する時間依存型フィルタ10
(フィルタ手段)と、位置補正信号を位置指令信号に加
算して補正位置指令信号(補正制御情報)を出力するバ
ックラッシ加算器11(加算手段)とを備えているの
で、制御方向が反転する際には新たな最大バックラッシ
情報が生成されるとともに、この反転後の経過時間に応
じた割合のバックラッシ情報が制御情報に加算される。
【0050】従って、反転時には相対的な送り速度の大
小に拘わらずモータの回転方向の反転後の経過時間に対
して略一定の割合で増加する特性を示すバックラッシ誤
差を、このバックラッシ情報で、相対的な送り速度の大
小に拘わらず一定レベル以下に削減することができる効
果がある。
【0051】その結果、相対的な送り速度の大小に拘わ
らず、テーブル2、加工工具3、サーボモータ4などに
起因するバックラッシ誤差を一定レベル以下に削減する
ことができるので、従来では期待することができなかっ
た高い精度にて加工を行うことができる効果がある。ま
た、送り速度を低下させて高精度に真円加工をすること
ができる効果がある。
【0052】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形
態2によるNC加工システムの1軸(X軸)分の駆動系
のみの構成を示すブロック図である。図において、29
は下記式10の二次遅れ伝達関数と等価なフィルタリン
グ処理を行ってバックラッシゲイン補正部9から出力さ
れる補正後のステップ信号の大きさを削減し、これを位
置補正信号として出力する時間依存型フィルタ(フィル
タ手段,バックラッシ補正装置)である。これ以外の構
成および動作は実施の形態1と同様であり同一の符号を
付して説明を省略する。
【0053】 Y(s)={a0/(b2・s+b1・s+b0)}X(s) ・・・式10 但し、X(s)は補正後のステップ信号、Y(s)は位
置補正信号、a0,b2,b1,b0は定数、sはラプ
ラス演算子である。
【0054】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、時間依存型フィルタ29が、上記式10の伝達関数
と等価なフィルタリング処理を行って位置補正信号を生
成するので、数回の乗算処理と加算演算処理とでバック
ラッシ情報を生成することができる。従って、従来の数
値制御システムのように多くの演算を必要とする指数関
数演算処理を行うことなく簡易な演算処理(5回の乗算
と4回の加算)によりバックラッシ補正値を得ることが
でき、新たなバックラッシ補正値を得るための演算処理
時間を格段に短縮することができる。その結果、相対的
な送り速度の大小に拘わらず、テーブル2、加工工具
3、サーボモータ4などに起因するバックラッシ誤差を
一定レベル以下に削減することができるだけでなく、更
に、新たなバックラッシ補正値を得るための演算処理時
間を格段に短縮して、位置制御における目標位置更新間
隔を短縮して細かい位置間隔毎に目標位置を設定するこ
とができるので、実施の形態1よりも更に低速時に高精
度にて加工を行うことができる効果がある。
【0055】なお、このフィルタリング処理をソフトウ
ェア的に処理する場合には、例えばラプラス演算子sで
表現された上記式10をz変換した下記式11に基づく
フィルタリング処理を実行すればよい。また、式12は
このフィルタリング処理の一例である。
【0056】 Y(z)=[{4・a0・z−8・a0・z+4・a0} /{(b2・T+2・b1・T+4・b0)z +(2・b2・T−8・b0)z +(b2・T−2・b1・T+4・b0)}]X(z) ・・・式11 但し、Tは制御系のサンプリングタイムである。なお、
フィルタリング処理における演算は下記式12により実
行される。 Y(n)=AX(n)+AX(n−1)+AX(n−2) −BY(n−1)−BY(n−2) ・・・式12
【0057】ここで、Y(n)は今回の演算処理におけ
る位置補正信号、Y(n−1)は前回の演算処理におけ
る位置補正信号、Y(n−2)は前前回の演算処理にお
ける位置補正信号、X(n)は今回の演算処理における
補正後のステップ信号、X(n−1)は前回の演算処理
における補正後のステップ信号、X(n−2)は前前回
の演算処理における補正後のステップ信号、A=4・
a0/(b2・T+2・b1・T+4・b0),A
=−8・a0/(b2・T+2・b1・T+4・b
0),A=4・a0/(b2・T+2・b1・T+
4・b0),B=(2・b2・T−8・b0)/(b
2・T+2・b1・T+4・b0),B =(b2・
−2・b1・T+4・b0)/(b2・T+2・
b1・T+4・b0)は、予め計算しておくフィルタ係
数である。
【0058】実施の形態3.図6は緩慢な立ち上がり特
性を有するバックラッシを持つ駆動機構をモデル化した
ものをラプラス演算子sを用いて表現したブロック図で
ある。図において、Trはモータ駆動トルク、Tfは動
摩擦トルク、wMはモータ回転角速度、wLはテーブル
速度をモータ回転角速度に換算した値である。
【0059】また、JLは駆動軸の設計値あるいは計測
値などの制御対象のイナーシャ定数、JMは駆動軸の設
計値あるいは計測値などの駆動手段のイナーシャ定数、
thはサーボモータ4とテーブル2との間に介在するバ
ネ要素の捩れ角度、Kmはサーボモータ4とテーブル2
の間に介在するバネ要素のバネ定数、Dmは前記バネ要
素に作用する粘性摩擦の粘性係数である。
【0060】図7はバネ定数Km及び粘性係数Dmと捩
れ角度thの関係を示すグラフ図である。捩れ角度th
の絶対値が最大バックラッシ誤差量BLより小さい範囲
ではバネ定数Kmを小さな値Kとし、thの絶対値がB
Lより大きい範囲ではKmを大きな値K2とする。ま
た、thの絶対値がBLより小さい範囲では粘性係数D
mを大きな値Dとし、thの絶対値がBLより大きな範
囲ではDmを小さな値D2とする。なお、Dはバックラ
ッシ誤差量の時間変化を観測して、バックラッシ補正量
の時間変化が前記バックラッシ誤差量の時間変化に近く
なるような値に設定する。また、このKは最大バックラ
ッシ誤差量をBLとした場合に下記式13により求まる
制御対象と駆動手段との間に介在するバネ要素のバネ定
数である。さらにまた、Dは前記バネ要素に作用する粘
性摩擦の粘性摩擦係数であり、バックラッシ誤差量の時
間変化を観測し、バックラッシ補正量の時間変化が前記
バックラッシ誤差量の時間変化に近くなる値が設定され
る。
【0061】そして、以上のようなモデルにおいては、
動摩擦トルクTfの影響を打ち消すためにモータ駆動ト
ルクTrとして−Tfを加えた場合の捩れ角度thは下
記式14で表現され、このthがバックラッシ誤差とな
る。また、最大バックラッシ誤差量BLは下記式15と
なるので、これら式14および式15よりTfを消去す
ると、バックラッシ誤差thは下記式16のように変形
される。
【0062】 K =Tf/BL ・・・式13 th =[(JL+JM)/{JL・JM・s+(JL+JM)D・s +(JL+JM)K}]Tf ・・・式14 BL =Tf/K ・・・式15 th =[(JL+JM)K/{JL・JM・s +(JL+JM)D・s+(JL+JM)K}]BL ・・・式16
【0063】そこで、この実施の形態3では上記式10
に下記式17から式20に示す定数を代入する。これ以
外の構成及び動作は実施の形態2と同様であり説明を省
略する。
【0064】 a0 =(JL+JM)K ・・・式17 b2 =JL・JM ・・・式18 b1 =(JL+JM)D ・・・式19 b0 =(JL+JM)K ・・・式20
【0065】これにより、上記のようにバックラッシの
要因を最大捩り角度に制限のある捩り剛性の小さな捩り
バネと仮定して、前記バネの変位に対して大きな粘性摩
擦が作用するモデルを用いて緩慢な立ち上がり特性を有
するバックラッシを持つ駆動機構の特性をモデル化し、
これにより得られる式17から式20の特性値を定数と
して式10に代入することにより、緩慢な立ち上がりを
有するバックラッシを精度よく補正することができる。
【0066】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、バックラッシの要因を最大捩り角度に制限のある捩
り剛性の小さな捩りバネと仮定して、前記バネの変位に
対して大きな粘性摩擦が作用するモデルを用いて緩慢な
立ち上がり特性を有するバックラッシを持つ駆動機構の
特性をモデル化し、これにより得られる特性値を時間依
存型フィルタの式10の定数として用いるので、相対的
な送り速度の大小に拘わらず、緩慢な立ち上がりを有す
るバックラッシを精度よく補正してバックラッシ誤差を
一定レベル以下に削減することができ、しかも、新たな
バックラッシ補正値を得るための演算処理時間を格段に
短縮することができるので、従来では期待することがで
きなかった高い精度にて加工などを行うことができる効
果がある。また、送り速度を低下させて高精度に真円加
工をすることができる効果がある。
【0067】実施の形態4.図8はこの発明の実施の形
態4によるNC加工システムの1軸(X軸)分の駆動系
のみの構成を示すブロック図である。図において、30
は下記式21の二次遅れ伝達関数と等価なフィルタリン
グ処理を行ってバックラッシゲイン補正部9から出力さ
れる補正後のステップ信号の大きさを削減し、これを位
置補正信号として出力する時間依存型フィルタ(フィル
タ手段,バックラッシ補正装置)である。これ以外の構
成および動作は実施の形態1と同様であり同一の符号を
付して説明を省略する。
【0068】 Y(s)={a1・s+a0/(b2・s+b1・s+b0)}X(s) ・・・式21 但し、a1,a0,b2,b1,b0は定数、sはラプ
ラス演算子である。
【0069】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、時間依存型フィルタ30が、上記式21の伝達関数
と等価なフィルタリング処理を行って位置補正信号を生
成するので、数回の乗算処理と加算演算処理とでバック
ラッシ情報を生成することができる。従って、従来の数
値制御システムのように多くの演算を必要とする指数関
数演算処理を行うことなく簡易な演算処理によりバック
ラッシ補正値を得ることができ、新たなバックラッシ補
正値を得るための演算処理時間を格段に短縮することが
できる。その結果、相対的な送り速度の大小に拘わら
ず、テーブル2、加工工具3、サーボモータ4などに起
因するバックラッシ誤差を一定レベル以下に削減するこ
とができるだけでなく、更に、新たなバックラッシ補正
値を得るための演算処理時間を格段に短縮して、位置制
御における目標位置更新間隔を短縮して細かい位置間隔
毎に目標位置を設定することができるので、実施の形態
1よりも更に低速時に高精度にて加工を行うことができ
る効果がある。
【0070】なお、このフィルタリング処理をソフトウ
ェア的に処理する場合には、例えばラプラス演算子sで
表現された上記式21をz変換した下記式22に基づく
フィルタリング処理を実行すればよい。
【0071】 Y(z)=[{(2・a1・T+4・a0)z−8・a0・z +(−2・a1・T+4・a0)} /{b2・T+2・b1・T+4・b0)z +(2・b2・T−8・b0)z +(b2・T−2・b1・T+4・b0)}]X(z) ・・・式22 但し、Tは制御系のサンプリングタイムである。
【0072】実施の形態5.この実施の形態5では上記
式21に下記式23から式27に示す定数を代入する。
但し、JLは制御対象のイナーシャ定数,JMは駆動手
段のイナーシャ定数,Kは制御対象と駆動手段との間に
介在するバネ要素のバネ定数,Dは前記バネ要素に作用
する粘性摩擦の粘性係数,Kfは制御装置の応答遅れを
補正する定数である。ここでDは、バックラッシ誤差量
の時間変化を観測し、バックラッシ補正量の時間変化
が、バックラッシ誤差量の時間変化に近くなる値を設定
する。Kfは、バックラッシ補正後の制御対象の運動を
観測して、制御対象の運動が制御対象の位置指令に近く
なるような値に設定する。これ以外の構成及び動作は実
施の形態4と同様であり説明を省略する。
【0073】 a1 =(JL+JM)K・Kf ・・・式23 a0 =(JL+JM)K ・・・式24 b2 =JL・JM ・・・式25 b1 =(JL+JM)D ・・・式26 b0 =(JL+JM)K ・・・式27
【0074】なお、上記Kは駆動軸の動摩擦トルクTf
と最大バックラッシ誤差量BLを計測すれば下記式28
によって定められる。また、数値制御装置の応答遅れは
下記式29で近似できる。但し、thMはサーボモータ
4の回転角度、Tdは数値制御装置の応答遅れ時定数、
thRはサーボモータ4に対する回転角度指令(位置指
令)である。
【0075】 K =Tf/BL ・・・式28 thM =1/{(Td・s+1)thR} ・・・式29
【0076】また、thMを式16におけるバックラッ
シ誤差thと一致させるためには、位置指令thRを下
記の式30で与えられる、数値制御装置の応答遅れを補
正したものとする必要がある。但し、Kf=Tdとす
る。その結果、数値制御装置の応答遅れを考慮したバッ
クラッシ補正量は下記式31で表現される。
【0077】 thR =(Kf・s+1)th ・・・式30 thR =[{(JL+JM)K・Kf・s+(JL+JM)K} /{JL・JM・s+(JL+JM)D・s +(JL+JM)K}]BL ・・・式31
【0078】これにより、上記のようにバックラッシの
要因を最大捩り角度に制限のある捩り剛性の小さな捩り
バネと仮定して、前記バネの変位に対して大きな粘性摩
擦が作用するモデルを用いて緩慢な立ち上がり特性を有
するバックラッシを持つ駆動機構の特性をモデル化する
とともに、制御装置の応答遅れをも考慮して得られる式
23から式27の特性値を定数として式21に代入する
ので、制御装置の応答遅れをも含めて緩慢な立ち上がり
を有するバックラッシを精度よく補正することができ
る。
【0079】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、バックラッシの要因を最大捩り角度に制限のある捩
り剛性の小さな捩りバネと仮定して、前記バネの変位に
対して大きな粘性摩擦が作用するモデルを用いて緩慢な
立ち上がり特性を有するバックラッシを持つ駆動機構の
特性をモデル化するとともに、制御装置の応答遅れをも
考慮して得られる式23から式27の特性値を定数とし
て式21に代入するので、相対的な送り速度の大小に拘
わらず、制御対象および駆動手段に起因するバックラッ
シ誤差を一定レベル以下に削減することができ、しか
も、制御装置の応答遅れに起因するバックラッシ誤差を
も一定レベル以下に削減することができ、更に、新たな
バックラッシ補正値を得るための演算処理時間を格段に
短縮することができるので、従来では期待することがで
きなかった高い精度にて加工などを行うことができる効
果がある。また、送り速度を低下させて高精度に真円加
工をすることができる効果がある。
【0080】実施の形態6.図9はこの発明の実施の形
態6によるNC加工システムの1軸(X軸)分の駆動系
のみの構成を示すブロック図である。図において、31
は下記式32の一次遅れ伝達関数と等価なフィルタリン
グ処理を行ってバックラッシゲイン補正部9から出力さ
れる補正後のステップ信号の大きさを削減し、これを位
置補正信号として出力する時間依存型フィルタ(フィル
タ手段,バックラッシ補正装置)である。これ以外の構
成および動作は実施の形態1と同様であり同一の符号を
付して説明を省略する。
【0081】 Y(s)={a0/(b1・s+b0)}X(s) ・・・式32 但し、a0,b1,b0は定数、sはラプラス演算子で
ある。
【0082】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、時間依存型フィルタ31が、上記式32の伝達関数
と等価なフィルタリング処理を行って位置補正信号を生
成するので、数回の乗算処理と加算演算処理とでバック
ラッシ情報を生成することができる。従って、従来の数
値制御システムのように多くの演算を必要とする指数関
数演算処理を行うことなく簡易な演算処理によりバック
ラッシ補正値を得ることができ、新たなバックラッシ補
正値を得るための演算処理時間を格段に短縮することが
できる。その結果、相対的な送り速度の大小に拘わら
ず、テーブル2、加工工具3、サーボモータ4などに起
因するバックラッシ誤差を一定レベル以下に削減するこ
とができるだけでなく、更に、新たなバックラッシ補正
値を得るための演算処理時間を格段に短縮して、位置制
御における目標位置更新間隔を短縮して細かい位置間隔
毎に目標位置を設定することができるので、高精度に加
工を行うことができる効果がある。
【0083】なお、このフィルタリング処理をソフトウ
ェア的に処理する場合には、例えばラプラス演算子sで
表現された上記式32をz変換した下記式33に基づく
フィルタリング処理を実行すればよい。
【0084】 Y(z)=[(a0・T・z+a0・T) /{(2・b1+b0・T)z +(−2・b1+b0・T)}]X(z) ・・・式33 但し、Tは制御系のサンプリングタイムである。
【0085】実施の形態7. 図10は緩慢な立ち上が
り特性を有するバックラッシを持つ駆動機構とフィード
バック制御系をモデル化したものをラプラス演算子sを
用いて表現したブロック図である。図において、thR
は回転角度指令(位置指令)、dthはバックラッシ補
正値、Trはトルク指令、Tfは動摩擦トルク、fcは
摩擦補正トルクであり、wMはモータ回転角速度、th
Mはモータ回転角度、thLはテーブル位置をモータ回
転角度に換算した値である。なお、摩擦補正トルクfc
は動摩擦トルクTfの影響を打ち消すために、動摩擦ト
ルクTfと同じ大きさで逆符号の値(fc=−Tf)を
与えるものとする。
【0086】また、JLは制御対象のイナーシャ定数、
JMは駆動手段のイナーシャ定数、Kはサーボモータ4
とテーブル2との間に介在するバネ要素のバネ定数、D
は前記バネ要素に作用する粘性摩擦の粘性係数、KPは
位置制御部12に含まれる位置比例ゲイン、KVは速度
制御部13に含まれる速度比例ゲイン、KIは速度制御
部13に含まれる速度積分ゲインである。電流制御部1
6は応答が十分高速であるとみなして省略してある。
【0087】そして、以上のようなモデルにおいては、
回転角度指令thR、バックラッシ補正量dth、動摩
擦トルクTfからテーブル位置thLは下記式34で表
現される。
【0088】 thL={KP・V(D・s+K)(thR+dth) +(JM・s+V・s+KP・V)Tf} /(A・s+B・V・s+B・KP・V) ・・・式34 但し、V=KV(1+1/s),A=JL・JM・s
+(JL+JM)D・s+(JL+JM)K,B=JL
・s+D・s+Kである。
【0089】テーブル位置thLに対する動摩擦トルク
Tfの影響が打ち消されるようなバックラッシ補正量d
thは下記式35で計算される。
【0090】 dth=−(JM・s+V・s+KP・V)Tf /{(D・s+K)KP・V} ・・・式35
【0091】ここで位置比例ゲインが十分大きく(KP
→∞),位置制御部12の応答がバックラッシ誤差量の
時間変化に比べて十分早いとみなすと上記式35は下記
式36に変形される。また、最大バックラッシ誤差BL
は下記式37となるので、これら式36および式37よ
りTfを消去すると、バックラッシ補正量dthは下記
式38のように変形される。
【0092】 dth=−Tf/(D・s+K) ・・・式36 K=Tf/BL ・・・式37 dth=−{K/(D・s+K)}BL ・・・式38
【0093】そこで、この実施の形態7では上記式32
に下記式39から式41に示す定数を代入する。これ以
外の構成及び動作は実施の形態6と同様であり説明を省
略する。
【0094】 a0=K ・・・式39 b1=D ・・・式40 b0=K ・・・式41
【0095】これにより、上記のようにバックラッシの
要因を最大捩り角度に制限のある捩り剛性の小さな捩り
バネと仮定して、前記バネの変位に対して大きな粘性摩
擦が作用するモデルを用いて緩慢な立ち上がり特性を有
するバックラッシを持つ駆動機構の特性をモデル化する
とともに、フィードバック制御系の特性をも考慮して得
られる式39から式41の特性値を定数として式32に
代入することにより、緩慢な立ち上がり特性を有するバ
ックラッシを精度良く補正することができる。
【0096】以上のように、この実施の形態7によれ
ば、バックラッシの要因を最大捩り角度に制限のある捩
り剛性の小さな捩りバネと仮定して、前記バネの変位に
対して大きな粘性摩擦が作用するモデルを用いて緩慢な
立ち上がり特性を有するバックラッシを持つ駆動機構お
よびフィードバック制御系の特性をモデル化し、これに
より得られる特性値を時間依存型フィルタの式32の定
数として用いるので、相対的な送り速度の大小に拘わら
ず、緩慢な立ち上がり特性を有するバックラッシ誤差を
一定レベル以下に削減することができ、しかも、新たな
バックラッシ補正値を得るための演算処理時間を格段に
短縮することができるので、従来では期待することがで
きなかった高い精度にて加工などを行うことができる効
果がある。
【0097】実施の形態8.図11はこの発明の実施の
形態8によるNC加工システムの1軸(X軸)分の駆動
系のみの構成を示すブロック図である。図において、3
2は下記式42の二次遅れ伝達関数と等価なフィルタリ
ング処理を行ってバックラッシゲイン補正部9から出力
される補正後のステップ信号の大きさを削減し、これを
位置補正信号として出力する時間依存型フィルタ(フィ
ルタ手段,バックラッシ補正装置)である。これ以外の
構成および動作は実施の形態1と同様であり同一の符号
を付して説明を省略する。
【0098】 Y(s)={(a2・s+a1・s+a0) /(b2・s+b1・s+b0)}X(s) ・・・式42 但し、a2,a1,a0,b2,b1,b0は定数、s
はラプラス演算子である。
【0099】以上のように、この実施の形態8によれ
ば、時間依存型フィルタ32が、上記式42の伝達関数
と等価なフィルタリング処理を行って位置補正信号を生
成するので、数回の乗算処理と加算演算処理とでバック
ラッシ情報を生成することができる。従って、従来の数
値制御システムのように多くの演算を必要とする指数関
数演算処理を行うことなく簡易な演算処理によりバック
ラッシ補正値を得ることができ、新たなバックラッシ補
正値を得るための演算処理時間を格段に短縮することが
できる。その結果、相対的な送り速度の大小に拘わら
ず、テーブル2、加工工具3、サーボモータ4などに起
因するバックラッシ誤差を一定レベル以下に削減するこ
とができるだけでなく、更に、新たなバックラッシ補正
値を得るための演算処理時間を格段に短縮して、位置制
御における目標位置更新間隔を短縮して細かい位置間隔
毎に目標位置を設定することができるので、高精度に加
工を行うことができる効果がある。
【0100】なお、このフィルタリング処理をソフトウ
ェア的に処理する場合には、例えばラプラス演算子sで
表現された上記式42をz変換した下記式43に基づく
フィルタリング処理を実行すればよい。
【0101】 Y(z)=[{(4・a2+2・a1・T+a0・T)z +(−8・a2+2・a0・T)z +(4・a2−2・a1・T+a0・T)} /{(4・b2+2・b1・T+b0・T)z +(−8・b2+2・b0・T)z +(4・b2−2・b1・T+b0・T)}]X(z) ・・・式43 但し、Tは制御系のサンプリングタイムである。
【0102】実施の形態9.この実施の形態9では上記
式42に下記式44から式49に示す定数を代入する。
但し、Kは制御対象と駆動手段との間に介在するバネ要
素のバネ定数、Dは前記バネ要素に作用する粘性摩擦の
粘性係数、KPは位置制御部に含まれる位置比例ゲイ
ン、KIは速度制御部に含まれる速度積分ゲインであ
る。ここでDは、バックラッシ誤差量の時間変化を観測
し、バックラッシ補正量の時間変化が、バックラッシ誤
差量の時間変化に近くなる値を設定する。これ以外の構
成及び動作は実施の形態8と同様であり説明を省略す
る。
【0103】 a2=K ・・・式44 a1=K(KP+KI) ・・・式45 a0=K・KP・KI ・・・式46 b2=D・KP ・・・式47 b1=KP(D・KI+K) ・・・式48 b0=K・KP・KI ・・・式49
【0104】なお、上記Kは駆動軸の動摩擦トルクTf
と最大バックラッシ誤差量BLを計測すれば下記式50
によって定められる。また、前記図11に示す緩慢な立
ち上がり特性を有するバックラッシを持つ駆動機構とフ
ィードバック制御系をモデル化したものにおいて、テー
ブル位置thLに対する動摩擦トルクTfの影響が打ち
消されるようなバックラッシ補正量dthは下記式51
で計算される。但し、JMは駆動手段のイナーシャ定
数、V=KV(1+KI/s)、KVは速度制御部13
に含まれる速度比例ゲインである。ここで、動摩擦Tf
はステップ状に変化するため微分不可能であることよ
り、式51の分子に含まれるsの項を省略すると、数
値制御装置の応答遅れを考慮したバックラッシ補正量は
下記式52で表現される。
【0105】 K=Tf/BL ・・・式50 dth=−(JM・s・s+KP・V)Tf/{(D・s+K)KP・V} =−{JM・s+KV・s+KV(KP+KI)s +KP・KV・KI}・K・BL /[KP・KV{D・s+(D・KI+K)s +K・KI}] ・・・式51 dth=―[{K・s+K(KP+KI)s+K・KP・KI} /{KP・D・s+KP(D・KI+K)s +K・KP・KI}]BL ・・・式52
【0106】これにより、上記のようにバックラッシの
要因を最大捩り角度に制限のある捩り剛性の小さな捩り
バネと仮定して、前記バネの変位に対して大きな粘性摩
擦が作用するモデルを用いて緩慢な立ち上がり特性を有
するバックラッシを持つ駆動機構の特性をモデル化する
とともに、フィードバック制御系の特性をも考慮して得
られる式44から式49の特性値を定数として式42に
代入することにより、緩慢な立ち上がり特性を有するバ
ックラッシを精度良く補正することができる。
【0107】以上のように、この実施の形態9によれ
ば、バックラッシの要因を最大捩り角度に制限のある捩
り剛性の小さな捩りバネと仮定して、前記バネの変位に
対して大きな粘性摩擦が作用するモデルを用いて緩慢な
立ち上がり特性を有するバックラッシを持つ駆動機構お
よびフィードバック制御系の特性をモデル化するととも
に、制御装置の応答遅れをも考慮して得られる特性値を
時間依存型フィルタの式42の定数として用いるので、
相対的な送り速度の大小に拘わらず、緩慢な立ち上がり
特性を有するバックラッシ誤差を一定レベル以下に削減
することができ、しかも、新たなバックラッシ補正値を
得るための演算処理時間を格段に短縮することができる
ので、従来では期待することができなかった高い精度に
て加工などを行うことができる効果がある。
【0108】実施の形態10.図12は緩慢な立ち上が
り特性を有するバックラッシを持つ駆動機構と実施の形
態7とは別構成のフィードバック制御系をモデル化した
ものをラプラス演算子sを用いて表現したブロック図で
ある。図において、thRは回転角度指令(位置指
令)、dthはバックラッシ補正値、Trはトルク指
令、Tfは動摩擦トルク、fcは摩擦補正トルクであ
り、wMはモータ回転角速度、thMはモータ回転角
度、thLはテーブル位置をモータ回転角度に換算した
値である。摩擦補正トルクfcは動摩擦トルクTfの影
響を打ち消すために、動摩擦トルクTfと同じ大きさで
逆符号の値(fc=−Tf)を与える。
【0109】また、JLは制御対象のイナーシャ定数、
JMは駆動手段のイナーシャ定数、Kはサーボモータ4
とテーブル2との間に介在するバネ要素のバネ定数、D
は前記バネ要素に作用する粘性摩擦の粘性係数、Kiは
位置制御部12に含まれる位置積分ゲイン、Kpは速度
制御部13に含まれる速度比例ゲイン、Kdは速度制御
部13に含まれる微分ゲインである。電流制御部16は
応答が十分高速であるとみなして省略してある。
【0110】そして、以上のようなモデルにおいては、
回転角度指令thR、バックラッシ補正量dth、動摩
擦トルクTfからテーブル位置thLは下記式53で表
現される。
【0111】 thL={P・Kp(D・s+K)(thR+dth) +(JM・s+Kp・Kd・s+P・Kp)Tf} /(A・s+B・Kp・Kd・s+B・P・Kp)・・・式53 但し、P=(1+Ki/s),A=JL・JM・s
(JL+JM)D・s+(JL+JM)K,B=JL・
+D・s+Kである。
【0112】テーブル位置thLに対する動摩擦トルク
Tfの影響が打ち消されるようなバックラッシ補正量d
thは下記式54で計算される。
【0113】 dth=−(JM・s+Kp・Kd・s+Kp・s+Kp・Ki)Tf /{Kp・D・s+Kp(D・Ki+K)s+K・Kp・Ki} ・・・式54
【0114】ここで,動摩擦Tfはステップ状に変化す
るため微分不可能であることより、上記式54の分子の
s3の項を省略すると、上記式54は下記式55に変形
される。また、最大バックラッシ誤差BLは下記式56
となるので、これら式55および式56よりTfを消去
すると、バックラッシ補正量dthは下記式57のよう
に変形される。
【0115】 dth=−(Kd・s+s+Ki)Tf /{D・s+(D・Ki+K)s+K・Ki} ・・・式55 K=Tf/BL ・・・式56 dth=−[(K・Kd・s+K・s+K・Ki) /{D・s+(D・Ki+K)s+K・Ki}]BL ・・・式57
【0116】そこで、この実施の形態10では上記式4
2に下記式58から式63に示す定数を代入する。これ
以外の構成及び動作は実施の形態8と同様であり説明を
省略する。
【0117】 a2=K・Kd ・・・式58 a1=K ・・・式59 a0=K・Ki ・・・式60 b2=D ・・・式61 b1=D・Ki+K ・・・式62 b0=K・Ki ・・・式63
【0118】これにより、上記のようにバックラッシの
要因を最大捩り角度に制限のある捩り剛性の小さな捩り
バネと仮定して、前記バネの変位に対して大きな粘性摩
擦が作用するモデルを用いて緩慢な立ち上がり特性を有
するバックラッシを持つ駆動機構の特性をモデル化する
とともに、フィードバック制御系の特性をも考慮して得
られる式58から式63の特性値を定数として式42に
代入することにより、緩慢な立ち上がり特性を有するバ
ックラッシを精度良く補正することができる。
【0119】以上のように、この実施の形態10によれ
ば、バックラッシの要因を最大捩り角度に制限のある捩
り剛性の小さな捩りバネと仮定して、前記バネの変位に
対して大きな粘性摩擦が作用するモデルを用いて緩慢な
立ち上がり特性を有するバックラッシを持つ駆動機構の
特性をモデル化し、これにより得られる特性値を時間依
存型フィルタの式42の定数として用いるので、相対的
な送り速度の大小に拘わらず、緩慢な立ち上がり特性を
有するバックラッシ誤差を一定レベル以下に削減するこ
とができ、しかも、新たなバックラッシ補正値を得るた
めの演算処理時間を格段に短縮することができるので、
従来では期待することができなかった高い精度にて加工
などを行うことができる効果がある。
【0120】実施の形態11.図13はこの発明の実施
の形態11によるNC加工システムの1軸(X軸)分の
駆動系のみの構成を示すブロック図である。図におい
て、33は位置指令生成部7から出力される目標送り速
度情報の信号線、34はフィルタリング処理に係る伝達
関数において異なる定数の組み合せとなる複数の伝達関
数型フィルタを備え、上記目標送り速度に応じてこの複
数の伝達関数型フィルタのうちから1つを選択し、この
選択した伝達関数型フィルタを用いてフィルタリング処
理を行う送り速度適応型フィルタ(フィルタ手段,バッ
クラッシ補正装置)である。
【0121】なお、ここでは送り速度の違いに応じて摩
擦現象が変化してこれによりKmとDmとが変化してし
まう場合を想定して、上記複数の伝達関数型フィルタの
定数を設定しており、例えば「50mm/min,30
0〜2000mm/min,5000mm/min」の
それぞれに対応した伝達関数型フィルタを設けている。
これ以外の構成は実施の形態1と同様であり同一の符号
を付して説明を省略する。
【0122】次に動作について説明する。加工プログラ
ムに従って位置指令生成部7が位置指令信号とともに目
標送り速度情報を出力すると、送り速度適応型フィルタ
34はその目標送り速度に示された速度の大きさに基づ
いてその速度を含む速度範囲に対応づけられた伝達関数
型フィルタを選択し、この送り速度適応型フィルタ34
を用いてバックラッシゲイン補正部から出力される補正
後のステップ信号の大きさを削減し、これを位置補正信
号として出力する。これ以外の動作は実施の形態1と同
様であり説明を省略する。
【0123】以上のように、この実施の形態11によれ
ば、送り速度適応型フィルタ34が、伝達関数において
異なる定数の組み合せとなる複数の伝達関数型フィルタ
を備え、目標送り速度に応じてこの複数の伝達関数型フ
ィルタのうちから1つを選択し、この選択した伝達関数
型フィルタを用いてフィルタリング処理を行うので、各
送り速度範囲毎にバックラッシ誤差との誤差が少なくな
るようなバックラッシ情報を加算させることができ、バ
ックラッシ誤差の削減効果を使用する速度範囲全体に渡
って向上させることができる効果がある。また、送り速
度を低下させて高精度に真円加工をすることができる効
果がある。
【0124】なお、この実施の形態11では実施の形態
1の構成を前提として説明をしたが、実施の形態2から
実施の形態10の構成を前提としても同様の効果を奏す
る。
【0125】ところで、これら実施の形態のフィルタリ
ング処理同士を比較した場合、上記実施の形態2および
3では、サーボモータ4とX軸用ボールネジ5とを用い
た直動駆動手段におけるバックラッシ誤差を好適に補正
することができる。そして、上記実施の形態4および5
では、更に制御装置(サーボ制御系)における応答遅れ
をも好適に補正することができる。また、上記実施の形
態6および7では、制御装置の応答遅れが駆動手段の応
答遅れに比べて十分に小さい場合にはバックラッシ誤差
を好適に補正することができ、実施の形態8から10で
は、制御装置(サーボ制御系)が速度制御ループと位置
制御ループとからなるとともにそのサーボ制御系におい
て応答遅れが発生したとしてもバックラッシ誤差を好適
に補正することができるといった効果がある。
【0126】また、上記実施の形態9と10とを比較し
た場合、実施の形態9による補正では速度制御部内に積
分要素を含む制御装置(サーボ制御系)に対して制御装
置の応答遅れに影響されることなくバックラッシ誤差を
好適に補正することができ、逆に実施の形態10による
補正では位置制御部内に積分要素を含む制御装置(サー
ボ制御系)に対して制御装置の応答遅れに影響されるこ
となくバックラッシ誤差を好適に補正することができる
効果がある。
【0127】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、数値
制御に利用する制御情報を補正するバックラッシ補正装
置において、上記制御情報が入力され、この制御情報の
増減に基づいて制御方向の反転を検出して反転検出情報
を出力する反転検出手段と、上記反転検出情報が入力さ
れ、当該反転検出情報が入力される度に反転後の制御方
向における最大バックラッシ情報を出力する最大バック
ラッシ情報生成手段と、上記最大バックラッシ情報が入
力され、反転後の経過時間に応じた割合で当該最大バッ
クラッシ情報をバックラッシ情報として出力するフィル
タ手段と、上記バックラッシ情報を上記制御情報に加算
して補正制御情報を出力する加算手段とを備えるので、
制御方向が反転する際には新たな最大バックラッシ情報
が生成されるとともに、この反転後の経過時間に応じた
割合のバックラッシ情報が制御情報に加算される。従っ
て、反転時には相対的な送り速度の大小に拘わらず反転
後の経過時間に対して略一定の割合で増加する特性を示
すバックラッシ誤差を、このバックラッシ情報で、相対
的な送り速度の大小に拘わらず一定レベル以下に削減す
ることができる効果がある。
【0128】この発明によれば、フィルタ手段が、伝達
関数において異なる定数の組み合せとなる複数の伝達関
数型フィルタを備え、制御対象の送り速度に応じてこの
複数の伝達関数型フィルタのうちから1つを選択し、こ
の選択した伝達関数型フィルタを用いてフィルタリング
処理を行うので、各送り速度範囲毎にバックラッシ誤差
との誤差が少なくなるようなバックラッシ情報を加算さ
せることができ、バックラッシ誤差の削減効果を使用す
る速度範囲全体に渡って向上させることができる効果が
ある。
【0129】そして、このようなフィルタ手段によるフ
ィルタリング処理としては、例えば上記式1の伝達関
数、式2の伝達関数、式3の伝達関数あるいは式4の伝
達関数と等価なフィルタリング処理などであればよい。
特に、これらの式と等価なフィルタリング処理であれ
ば、単にこのフィルタリング処理によって最大バックラ
ッシ情報からバックラッシ情報を生成することができる
だけでなく、数回の乗算処理と加算演算処理のみでバッ
クラッシ情報を生成することができる。従って、従来の
数値制御システムのように多くの演算を必要とする指数
関数演算処理を行うことなく簡易な演算処理によりバッ
クラッシ補正値を得ることができ、新たなバックラッシ
補正値を得るための演算処理時間を格段に短縮すること
ができ、ひいては加工精度を格段に向上させる効果があ
る。
【0130】この発明によれば、数値制御に利用する制
御情報を出力する制御情報生成手段と、上記制御情報を
補正して補正制御情報を出力するバックラッシ補正装置
と、上記補正制御情報に基づいて制御信号を出力する制
御装置と、上記制御信号に応じて制御対象を駆動制御す
る駆動手段とを備えた数値制御システムにおいて、上記
バックラッシ補正装置が、上記制御情報が入力され、こ
の制御情報の増減に基づいて制御方向の反転を検出して
反転検出情報を出力する反転検出手段と、上記反転検出
情報が入力され、当該反転検出情報が入力される度に反
転後の制御方向における最大バックラッシ情報を出力す
る最大バックラッシ情報生成手段と、上記最大バックラ
ッシ情報が入力され、少なくとも上記駆動手段の伝達関
数と等価なフィルタリング処理を行って最大バックラッ
シ情報からバックラッシ情報を生成して出力するフィル
タ手段と、上記バックラッシ情報を上記制御情報に加算
して補正制御情報を出力する加算手段とを備えるので、
相対的な送り速度の大小に拘わらず、制御対象および駆
動手段に起因するバックラッシ誤差を一定レベル以下に
削減することができ、しかも、新たなバックラッシ補正
値を得るための演算処理時間を格段に短縮することがで
きるので、従来では期待することができなかった高い精
度にて加工などを行うことができる効果がある。
【0131】そして、上記式1の伝達関数に基づくフィ
ルタリング処理に対応するものとしては例えば上記式
5、上記式2の伝達関数に基づくフィルタリング処理に
対応するものとしては例えば上記式6、上記式3の伝達
関数に基づくフィルタリング処理に対応するものとして
は例えば上記式7、上記式4の伝達関数に基づくフィル
タリング処理に対応するものとしては例えば上記式8や
式9などがある。
【0132】ところで、これら具体例のフィルタリング
処理同士を比較した場合、上記式1および式5では、モ
ータとボールネジとを用いた直動駆動手段におけるバッ
クラッシ誤差を好適に補正することができ、上記式2お
よび式6では、更に制御装置(サーボ制御系)における
応答遅れをも好適に補正することができ、上記式3およ
び式7では、制御装置の応答遅れが駆動手段の応答遅れ
に比べて十分に小さい場合にはバックラッシ誤差を好適
に補正することができ、式4、式8および式9では、制
御装置(サーボ制御系)が速度制御ループと位置制御ル
ープとからなるとともにそのサーボ制御系において応答
遅れが発生したとしてもバックラッシ誤差を好適に補正
することができるといった効果がある。
【0133】また、上記式8と式9とを比較した場合、
式8による補正では速度制御部内に積分要素を含む制御
装置(サーボ制御系)に対して制御装置の応答遅れに影
響されることなくバックラッシ誤差を好適に補正するこ
とができ、逆に式9による補正では位置制御部内に積分
要素を含む制御装置(サーボ制御系)に対して制御装置
の応答遅れに影響されることなくバックラッシ誤差を好
適に補正することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による互いに直交す
るX−Y−Zの3軸の駆動系にてテーブルと加工工具と
の相対的な位置関係を数値制御するNC加工システムの
1軸(X軸)分の駆動系のみの構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 この発明の実施の形態1によるバックラッシ
の一要因を説明する説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1によるNC加工シス
テムの1軸(X軸)分の駆動系の制御動作例を示すタイ
ミングチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1による位置指令信号
(補正位置指令信号)と加工形状との関係を示す説明図
である。
【図5】 この発明の実施の形態2によるNC加工シス
テムの1軸(X軸)分の駆動系のみの構成を示すブロッ
ク図である。
【図6】 この発明の実施の形態3において、緩慢な立
ち上がり特性を有するバックラッシを持つ駆動機構をモ
デル化したものをラプラス演算子を用いて表現したブロ
ック図である。
【図7】 この発明の実施の形態3において、バネ定数
及び粘性係数と捩れ角度の関係を示すグラフ図である。
【図8】 この発明の実施の形態4によるNC加工シス
テムの1軸(X軸)分の駆動系のみの構成を示すブロッ
ク図である。
【図9】 この発明の実施の形態6によるNC加工シス
テムの1軸(X軸)分の駆動系のみの構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】 この発明の実施の形態7において、緩慢な
立ち上がり特性を有するバックラッシを持つ駆動機構と
フィードバック制御系をモデル化したものをラプラス演
算子を用いて表現したブロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態8によるNC加工シ
ステムの1軸(X軸)分の駆動系のみの構成を示すブロ
ック図である。
【図12】 この発明の実施の形態10において、緩慢
な立ち上がり特性を有するバックラッシを持つ駆動機構
と実施の形態7とは別構成のフィードバック制御系をモ
デル化したものをラプラス演算子sを用いて表現したブ
ロック図である。
【図13】 この発明の実施の形態11によるNC加工
システムの1軸(X軸)分の駆動系のみの構成を示すブ
ロック図である。
【図14】 従来の数値制御システムの構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 被加工対象物(ワーク)、2 テーブル(制御対
象)、3 加工工具(制御対象)、4 サーボモータ
(駆動手段)、5 X軸用ボールネジ(制御対象)、5
a ネジ軸部材、5b ネジ受部材、6 エンコーダ、
7 位置指令生成部(制御情報生成手段)、8 モータ
反転検出部(反転検出手段,バックラッシ補正装置)、
9 バックラッシゲイン補正部(最大バックラッシ情報
生成手段,バックラッシ補正装置)、10 時間依存型
フィルタ(フィルタ手段,バックラッシ補正装置)、1
1 バックラッシ加算器(加算手段,バックラッシ補正
装置)、12 位置制御部(制御装置)、13 速度制
御部(制御装置)、14 ロストモーション補正部、1
5 ロストモーション加算器、16 電流制御部(制御
装置)、17 送り速度V1の場合のX軸方向補正位置
指令信号、18 送り速度V1の場合のY軸方向の補正
位置指令信号、19 送り速度V2(>V1)の場合の
X軸方向補正位置指令信号、20 送り速度V2(>V
1)の場合のY軸方向の補正位置指令信号、21 Y軸
方向の位置指令信号、22,23 遅延効果が生じてい
る期間、24 補正位置指令信号を使用した場合の加工
工具のテーブル上の軌跡、25 Y軸方向においては位
置指令信号を使用した場合の加工工具のテーブル上の軌
跡、26,27 Y軸方向のバックラッシ残差、28
真円度に対する誤差(最大誤差)、29 時間依存型フ
ィルタ(フィルタ手段,バックラッシ補正装置)、30
時間依存型フィルタ(フィルタ手段,バックラッシ補
正装置)、31 時間依存型フィルタ(フィルタ手段,
バックラッシ補正装置)、32 時間依存型フィルタ
(フィルタ手段,バックラッシ補正装置)、34送り速
度適応型フィルタ(フィルタ手段,バックラッシ補正装
置)。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数値制御に利用する制御情報を補正する
    バックラッシ補正装置において、 上記制御情報が入力され、この制御情報の増減に基づい
    て制御方向の反転を検出して反転検出情報を出力する反
    転検出手段と、 上記反転検出情報が入力され、当該反転検出情報が入力
    される度に反転後の制御方向における最大バックラッシ
    情報を出力する最大バックラッシ情報生成手段と、 上記最大バックラッシ情報が入力され、反転後の経過時
    間に応じた割合で当該最大バックラッシ情報をバックラ
    ッシ情報として出力するフィルタ手段と、 上記バックラッシ情報を上記制御情報に加算して補正制
    御情報を出力する加算手段とを備えたことを特徴とする
    バックラッシ補正装置。
  2. 【請求項2】 フィルタ手段は、伝達関数において異な
    る定数の組み合せとなる複数の伝達関数型フィルタを備
    え、制御対象の送り速度に応じてこの複数の伝達関数型
    フィルタのうちから1つを選択し、この選択した伝達関
    数型フィルタを用いてフィルタリング処理を行うことを
    特徴とする請求項1記載のバックラッシ補正装置。
  3. 【請求項3】 フィルタ手段は、下記式1の伝達関数と
    等価なフィルタリング処理を行って最大バックラッシ情
    報からバックラッシ情報を生成することを特徴とする請
    求項1または請求項2記載のバックラッシ補正装置。 a0/(b2・s+b1・s+b0) ・・・式1 但し、a0,b2,b1,b0は定数、sはラプラス演
    算子である。
  4. 【請求項4】 フィルタ手段は、下記式2の伝達関数と
    等価なフィルタリング処理を行って最大バックラッシ情
    報からバックラッシ情報を生成することを特徴とする請
    求項1または請求項2記載のバックラッシ補正装置。 a1・s+a0/(b2・s+b1・s+b0) ・・・式2 但し、a1,a0,b2,b1,b0は定数、sはラプ
    ラス演算子である。
  5. 【請求項5】 フィルタ手段は、下記式3の伝達関数と
    等価なフィルタリング処理を行って最大バックラッシ情
    報からバックラッシ情報を生成することを特徴とする請
    求項1または請求項2記載のバックラッシ補正装置。 a0/(b1・s+b0) ・・・式3 但し、a0,b1,b0は定数、sはラプラス演算子で
    ある。
  6. 【請求項6】 フィルタ手段は、下記式4の伝達関数と
    等価なフィルタリング処理を行って最大バックラッシ情
    報からバックラッシ情報を生成することを特徴とする請
    求項1または請求項2記載のバックラッシ補正装置。 (a2・s+a1・s+a0)/(b2・s+b1・s+b0) ・・・式4 但し、a2,a1,a0,b2,b1,b0は定数、s
    はラプラス演算子である。
  7. 【請求項7】 数値制御に利用する制御情報を出力する
    制御情報生成手段と、上記制御情報を補正して補正制御
    情報を出力するバックラッシ補正装置と、上記補正制御
    情報に基づいて制御信号を出力する制御装置と、上記制
    御信号に応じて制御対象を駆動制御する駆動手段とを備
    えた数値制御システムにおいて、 上記バックラッシ補正装置は、 上記制御情報が入力され、この制御情報の増減に基づい
    て制御方向の反転を検出して反転検出情報を出力する反
    転検出手段と、 上記反転検出情報が入力され、当該反転検出情報が入力
    される度に反転後の制御方向における最大バックラッシ
    情報を出力する最大バックラッシ情報生成手段と、 上記最大バックラッシ情報が入力され、少なくとも上記
    駆動手段の伝達関数と等価なフィルタリング処理を行っ
    て最大バックラッシ情報からバックラッシ情報を生成し
    て出力するフィルタ手段と、 上記バックラッシ情報を上記制御情報に加算して補正制
    御情報を出力する加算手段とを備えたことを特徴とする
    数値制御システム。
  8. 【請求項8】 フィルタ手段は、下記式5の伝達関数と
    等価なフィルタリング処理を行って最大バックラッシ情
    報からバックラッシ情報を生成して出力することを特徴
    とする請求項7記載の数値制御システム。 (JL+JM)K/ {JL・JM・s+(JL+JM)D・s+(JL+JM)K} ・・・式5 但し、JLは制御対象のイナーシャ定数,JMは駆動手
    段のイナーシャ定数,Kは制御対象と駆動手段との間に
    介在するバネ要素のバネ定数,Dは前記バネ要素に作用
    する粘性摩擦の粘性係数である。
  9. 【請求項9】 フィルタ手段は、下記式6の伝達関数と
    等価なフィルタリング処理を行って最大バックラッシ情
    報からバックラッシ情報を生成して出力することを特徴
    とする請求項7記載の数値制御システム。 {(JL+JM)K・Kf・s+(JL+JM)K}/ {JL・JM・s+(JL+JM)D・s+(JL+JM)K} ・・・式6 但し、JLは制御対象のイナーシャ定数,JMは駆動手
    段のイナーシャ定数,Kは制御対象と駆動手段との間に
    介在するバネ要素のバネ定数,Dは前記バネ要素に作用
    する粘性摩擦の粘性係数,Kfは制御装置の応答遅れを
    補正する定数である。
  10. 【請求項10】 フィルタ手段は、下記式7の伝達関数
    と等価なフィルタリング処理を行って最大バックラッシ
    情報からバックラッシ情報を生成して出力することを特
    徴とする請求項7記載の数値制御システム。 K/(D・s+K) ・・・式7 但し、Kは制御対象と駆動手段の間に介在するバネ要素
    のバネ定数,Dは前記バネ要素に作用する粘性摩擦の粘
    性係数である。
  11. 【請求項11】 フィルタ手段は、下記式8の伝達関数
    と等価なフィルタリング処理を行って最大バックラッシ
    情報からバックラッシ情報を生成して出力することを特
    徴とする請求項7記載の数値制御システム。 {K・s+K(KP+KI)s+K・KP・KI}/ {D・KP・s+KP(D・KI+K)s+K・KP・KI}・・・式8 但し、Kは制御対象と駆動手段の間に介在するバネ要素
    のバネ定数,Dは前記バネ要素に作用する粘性摩擦の粘
    性係数,KPは位置比例ゲイン,KVは速度比例ゲイ
    ン,KIは速度積分ゲインである。
  12. 【請求項12】 フィルタ手段は、下記式9の伝達関数
    と等価なフィルタリング処理を行って最大バックラッシ
    情報からバックラッシ情報を生成して出力することを特
    徴とする請求項7記載の数値制御システム。 (K・Kd・s+K・s+K・Ki)/ {D・Kp・s+Kp(D・Ki+K)s+K・Kp・Ki}・・・式9 但し、Kは制御対象と駆動手段の間に介在するバネ要素
    のバネ定数,Dは前記バネ要素に作用する粘性摩擦の粘
    性係数,Kpは速度比例ゲイン,Kiは位置積分ゲイ
    ン,Kdは微分ゲインである。
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