JP3226125U - 膝サポーター - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者が着用したときに、歩行等の日常動作を補助したり、関節軟骨、腱や靭帯の損傷を防止したりするために、膝蓋骨の周囲をサポートするとともに、使用者の大腿四頭筋等の筋肉の運動を促進することができる膝サポーターを提供することを目的とする。【解決手段】使用者の膝近傍を覆設する筒状の本体部1と、前記本体部1の上部に周回して延設された上縁部2と、前記本体部1の下部に周回して延設された下縁部3と、前記本体部1に設けられ、前記本体部1より緊締力が強く使用者の膝蓋骨の下方において下端となり両端が上縁部2側に延びる略U状の第一緊締部4と、前記本体部1に設けられ、前記本体部1より緊締力が強く使用者の膝蓋骨の下方において極大となって前記第一緊締部4と一体となり両端が下縁部3側に延びさらに膝裏側にまで延びる第二緊締部5を備えることを特徴とする膝サポーターによって解決することができた。【選択図】図1
Description
本考案は、使用者が着用時に膝及びその近傍の安定性を向上し、膝蓋靭帯等への負担を軽減するテーピング機能を発現させるとともに大腿四頭筋等の筋肉の運動を促進することができる膝サポーターに関するものである。
加齢などにより、膝及びその近傍の筋肉、例えば大腿四頭筋等の筋肉の筋力が低下すると、歩行、着座、起立、階段の昇降などの日常動作が困難となってくる。そして、筋力が低下した状態では、膝近傍の腱や靭帯などによる支持によって関節軟骨の磨耗や腱や靭帯の炎症を引き起こしやすくなってくる。このため、日常動作を補助したり、関節軟骨、腱や靭帯の損傷を防止したりするために、膝蓋骨の周囲をサポートする必要がある。
このような膝蓋骨の周囲をサポートする部材としては、例えば、特許文献1に、伸縮素材を筒状に形成してなり、緊締力が強い強緊締力編地部と、強緊締力編地部よりも緊締力が弱い弱緊締力編地部とを備えており、その強緊締力編地部が、着用時において、体表面の一面側において関節を囲むように通り、更に関節の側面を斜め方向に通って、一面側の裏面側となる体表面の他面側において関節を囲むように閉じる一続きの帯状編地体で形成される関節用サポーターが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の関節用サポーターにおいて、テーピング機能を奏して膝蓋骨の周囲をサポートし着用移置から移動しにくかったとしても、着用時に大腿四頭筋等の筋肉の運動を十分促進することができないという課題があった。
本考案は上記課題に鑑みてなされたものであり、使用者が着用したときに、歩行等の日常動作を補助したり、関節軟骨、腱や靭帯の損傷を防止したりするために、膝蓋骨の周囲をサポートするとともに、使用者の大腿四頭筋等の筋肉の運動を促進することができる膝サポーターを提供することを目的とする。
〔1〕すなわち、本考案は、使用者の膝近傍を覆設する筒状の本体部1と、前記本体部1の上部に周回して延設された上縁部2と、前記本体部1の下部に周回して延設された下縁部3と、前記本体部1に設けられ、前記本体部1より緊締力が強く使用者の膝蓋骨の下方において下端となり両端が上縁部2側に延びる略U状の第一緊締部4と、前記本体部1に設けられ、前記本体部1より緊締力が強く使用者の膝蓋骨の下方において極大となって前記第一緊締部4と一体となり両端が下縁部3側に延びさらに膝裏側にまで延びる第二緊締部5を備えることを特徴とする膝サポーターである。
〔2〕そして、前記第一緊締部4の内側であって、使用者の膝蓋骨を覆設し前記本体部1より上下方向において緊締力が弱い膝蓋骨覆設部6を備えることを特徴とする前記〔1〕に記載の膝サポーターである。
〔3〕そして、使用者の脚における膝蓋骨の反対側である膝裏を覆設し前記本体部1より上下方向において緊締力が弱い膝裏覆設部7を備えることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔12に記載の膝サポーターである。
〔4〕そして、前記上縁部2の周回方向の長さの方が前記下縁部3の周回方向の長さよりも長いことを特徴とする前記〔1〕から前記〔3〕のいずれかに記載の膝サポーターである。
本考案の膝サポーターによれば、使用者が着用したときに、歩行等の日常動作を補助したり、関節軟骨、腱や靭帯の損傷を防止したりするために、膝蓋骨の周囲をサポートするとともに、使用者の大腿四頭筋等の筋肉の運動を促進することができる。
以下、本考案の膝サポーターに係る実施形態について図面に基づいて詳しく説明する。明細書中における上下の方向は図1及び図2における上下方向であり、左右方向は図1及び図2における左右方向である。また、以下に説明する実施形態は、本考案を実施するのに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本考案は、以下の説明において特に考案を限定する旨が明記されていない限り、この実施形態に限定されるものではない。
図1から図3を参照して、本考案の膝サポーターに係る実施形態について説明する。図1は、左右一揃いの膝サポーターのうち片方のものを使用者の膝蓋骨側から見た正面図であり、図2は、使用者の膝裏側から見た背面図である。図3は、実際に使用者が着用した状態を示す上方からの斜視図である。本実施形態の膝サポーターは、使用者の膝及びその近傍を覆設する本体部1と、上縁部2、下縁部3、第一緊締部4、第二緊締部5などから構成されている。このうち、第一緊締部4、第二緊締部5は、図1から図3において、薄墨を施している。
本体部1は、本考案の膝サポーターが形成される基礎であり、使用者の膝近傍を覆設する筒状の部材である。本体部1は、具体的には、使用者の膝蓋骨の近傍に存在する大腿四頭筋、大腿四頭腱、脛骨、前脛骨筋、腓腹筋などを適切な緊締力にて覆設している。本体部1は、合成繊維などにより編まれており、上下方向と左右方向に同程度に伸縮するように形成されている。
上縁部2は、本体部1の上部に周回して延設され部材である。上縁部2は、本体部1の上部において筒状に形成されており、図1及び図2において、略逆台形状に形成され、すなわち、上端から下端にかけて幅が徐々に狭くなるように形成されている。このために、使用者が本考案の膝サポーターをスムーズに履くことができるとともに着用したときに膝サポーターがずり下がりにくくなるようにしている。また、上縁部2は、合成繊維などにより本体部1より強い緊締力となるように編まれており、使用者が動いているときにおいても膝サポーターがずり下がりにくくなるようにしている。
そして、上縁部2は、その周回方向の長さの方が下縁部3の周回方向の長さよりも長く形成されている。このため、上縁部2の緊締力によって膝サポーターがずり下がりにくくも膝上の大腿四頭筋等を挟圧し過ぎないようにしており、さらに、使用者の大腿四頭筋等の筋肉の運動を促進することができる。
そして、上縁部2の正面視の略中央の下部側には、逆三角形状の識別標識21が形成されている。これにより、使用者が着用時に裏表や上下方向を識別しやくなり、スムーズに着用することができる。識別標識21は、本実施形態において、上縁部2の正面視の略中央の下部側に逆三角形の形状を有しているが、他の実施形態において、上縁部2の正面視の略中央であれば丸印、星型など他の形状とすることもできる。
下縁部3は、本体部1の下部に周回して延設され部材である。下縁部3は、本体部1の下部において筒状に形成されている。下縁部3は、図1及び図2に示されているように、略逆台形状に形成することもできるし、上下幅が均等になるような筒状とすることもできる。また、下縁部3は、合成繊維などにより本体部1より強い緊締力となるように編まれており、使用者が動いているときにおいても膝サポーターがずり上がりにくくなるようにしている。
第一緊締部4は、本体部1に設けられ、本体部1より緊締力が強く使用者の膝蓋骨の下方において下端となり両端が上縁部2側に延びる略U状の部材である。第一緊締部4は、膝蓋骨の下方に位置する膝蓋腱、膝蓋靭帯や、膝蓋骨の側方に位置する大腿二頭筋や腸脛靭帯などを覆設するように、使用者の膝蓋骨の下方において下端となって、そこから左右両側に上縁部2に向かって上方へ延びる曲線となる略U字状に形成されている。そして、第一緊締部4は、編地、ゴム糸、又はそれらを組み合わせた伸縮性の部材であり、本体部1よりも伸縮性が乏しいことから緊締力が強くなっている。さらに、後述するように、第一緊締部4の下端においては、第二緊締部5の極大となる部分と当接して一体となっており、第一緊締部4と第二緊締部5が使用者の膝蓋骨の下方において図1及び図3に示すように交差してX字状に形成されている。このように形成されることにより、歩行等の日常動作を補助したり、関節軟骨、腱や靭帯の損傷を防止したりするために、膝蓋骨の周囲をサポートするとともに、使用者の大腿四頭筋等の筋肉の運動を促進することができる。
第二緊締部5は、本体部1に設けられ、本体部1より緊締力が強く使用者の膝蓋骨の下方において極大となって第一緊締部4と一体となり、両端が下縁部3側に延びさらに膝裏側にまで延びる部材である。第一緊締部4は、膝蓋骨の下方に位置する膝蓋靭帯や、膝蓋骨の側方に位置する前脛骨筋や腓腹筋などを覆設するように、使用者の膝蓋骨の下方において極大となって第一緊締部4と一体となり、そこから左右両側に下縁部3に向かって下方へ延び、さらに膝裏側にまで延びて結合し略円環状に形成されている。そして、第二緊締部5は、編地、ゴム糸、又はそれらを組み合わせた伸縮性の部材であり、本体部1よりも伸縮性が乏しいことから緊締力が強くなっている。さらに、前述したように、第二緊締部5の極大となる部分において、第一緊締部4の下端と当接して一体となっており、第一緊締部4と第二緊締部5が使用者の膝蓋骨の下方において図1及び図3に示すように交差してX字状に形成されている。このように形成されることにより、歩行等の日常動作を補助したり、関節軟骨、腱や靭帯の損傷を防止したりするために、膝蓋骨の周囲をサポートするとともに、使用者の大腿四頭筋等の筋肉の運動を促進することができる。
膝蓋骨覆設部6は、第一緊締部4の内側であって、使用者の膝蓋骨を覆設し本体部1より上下方向において緊締力が弱い部材である。膝蓋骨覆設部6は、図1及び図3に示すように、略U状の第一緊締部4の内側と、本体部1の一部との間で囲まれた使用者の膝蓋骨に対応する部分に、本体部1より上下方向において緊締力が弱く形成されている。より具体的には、膝蓋骨覆設部6は、図1及び図3に示すように、中央部では上下方向に層状となるように異なる2種類の編み方によって上下方向に伸縮しやすいように形成されている。これにより、使用者が着用したときに、歩行、着座、起立、階段の昇降などの日常動作に対して、スムーズに伸縮し、そのような日常動作の妨げにならない。
膝裏覆設部7は、使用者の脚における膝蓋骨の反対側である膝裏を覆設し、本体部1より上下方向において緊締力が弱い部材である。膝裏覆設部7は、図2に示すように、第一緊締部4と本体部1の一部との間で囲まれて、使用者の脚における膝蓋骨の反対側である膝裏に対応する部分に、本体部1より上下方向において緊締力が弱く形成されている。これにより、膝蓋骨覆設部6と同様に、使用者が着用したときに、歩行、着座、起立、階段の昇降などの日常動作に対して、スムーズに伸縮することができ、そのような日常動作の妨げにならない。
そして、本考案の膝サポーターによる筋肉の運動を促す効果については、以下の方法により測定して確認した。25℃、相対湿度50%RHの環境下において、本考案の膝サポーターを履いた被験者が、腓腹筋下部である足首及び腓腹筋上部であるふくらはぎに測定器(株式会社ミユキ技研製、ポリメイトIIAP216)の電極を取り付けられて、屋内でウォーキングを行える健康器具であるトレッドミルを用いて1分安静後に時速3.0kmの速さで5分間歩き、それぞれの部位の筋電図から筋肉の活動量を測定した。比較のために、本考案の膝サポーターを装着せずに同様の試験を行った。
この結果、本考案の膝サポーターを着用時には、大腿四頭筋下部である膝上における活動量が412mV・msecであり、大腿四頭筋上部である太ももにおける活動量は420mV・msecであった。これに対して、本考案の膝サポーターを着用していない素足のときには、大腿四頭筋下部である膝上における活動量が401mV・msecであり、大腿四頭筋上部である太ももにおける活動量は420mV・msecであった。この結果を表1に示す。
表1より、本実施形態の膝サポーターを着用したときには、筋肉活動量が未着用時に比べて、膝上あたりでは2.6%増加しており、太ももあたりでは7.4%低下していることから、太ももあたりではサポートしており、使用者の太ももを正しい位置に矯正することで、散漫な筋肉の動きを抑制し、使用者の太ももあたりの筋肉における適切な運動を促進し、さらにひざ上あたりでは筋肉の運動状態を作り出して筋肉の衰えを低減できることがわかった。
1・・・本体部
2・・・上縁部
21・・・識別標識
3・・・下縁部
4・・・第一緊締部
5・・・第二緊締部
6・・・膝蓋骨覆設部
7・・・膝裏覆設部
2・・・上縁部
21・・・識別標識
3・・・下縁部
4・・・第一緊締部
5・・・第二緊締部
6・・・膝蓋骨覆設部
7・・・膝裏覆設部
Claims (4)
- 使用者の膝近傍を覆設する筒状の本体部(1)と、
前記本体部(1)の上部に周回して延設された上縁部(2)と、
前記本体部(1)の下部に周回して延設された下縁部(3)と、
前記本体部(1)に設けられ、前記本体部(1)より緊締力が強く使用者の膝蓋骨の下方において下端となり両端が上縁部(2)側に延びる略U状の第一緊締部(4)と、
前記本体部(1)に設けられ、前記本体部(1)より緊締力が強く使用者の膝蓋骨の下方において極大となって前記第一緊締部(4)と一体となり両端が下縁部(3)側に延びさらに膝裏側にまで延びる第二緊締部(5)を備えることを特徴とする膝サポーター。 - 前記第一緊締部(4)の内側であって、使用者の膝蓋骨を覆設し前記本体部(1)より上下方向において緊締力が弱い膝蓋骨覆設部(6)を備えることを特徴とする請求項1に記載の膝サポーター。
- 使用者の脚における膝蓋骨の反対側である膝裏を覆設し前記本体部(1)より上下方向において緊締力が弱い膝裏覆設部(7)を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の膝サポーター。
- 前記上縁部(2)の周回方向の長さの方が前記下縁部(3)の周回方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の膝サポーター。
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