JP3216904B2 - 金属層を有する樹脂膜およびその製造方法 - Google Patents

金属層を有する樹脂膜およびその製造方法

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JP3216904B2 JP7577392A JP7577392A JP3216904B2 JP 3216904 B2 JP3216904 B2 JP 3216904B2 JP 7577392 A JP7577392 A JP 7577392A JP 7577392 A JP7577392 A JP 7577392A JP 3216904 B2 JP3216904 B2 JP 3216904B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2325/00Details relating to properties of membranes
    • B01D2325/48Antimicrobial properties

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属層を有する樹脂膜
およびその製造方法に係わり、特に、中空糸膜とその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多孔質樹脂で構成された樹脂膜、特に、
中空糸膜は、従来より高純度水、無菌水、血液の浄化、
火力,原子力発電所の復水及び排水の濾過等、液中の種
々の混在物の濾過,除去に広く使用されている。ところ
で、この中空糸膜は細菌の透過を阻止するが、それ自体
殺菌性を有していないため、この中空糸膜の内部は濾過
されない菌が徐々に蓄積・増殖するおそれがある。ま
た、中空糸膜は絶縁性の樹脂から形成されているため帯
電する傾向となり、付着物が逆電荷を帯びると中空糸膜
と付着物との間の付着力が高くなり、膜の逆洗頻度を増
すと共に膜の耐用年数を短くするおそれがあった。この
ことは、特に、火力,原子力発電所の復水,排水に混在
するクラッドを浄化する際に問題となっていた。
【0003】そこで、中空糸膜自体に殺菌性を付与する
ため、または、中空糸膜に導電性を付与して帯電した電
荷を放出する等のために、金属を表面にコートした中空
糸膜の従来例が複数存在する(特開昭60−26150
2号、特開昭63−152404号、特開昭64−56
106号)。
【0004】しかしながら、従来の中空糸膜の金属処理
では、メッキ,蒸着,スパッタリングにより金属を中空
糸膜へ単に付着させているだけなので、十分な量の金属
層を中空糸膜に形成することが困難であると共に、金属
層と中空糸膜との接着強度が弱く、金属層が中空糸膜か
ら剥離し易いという問題があった。例えば、中空糸膜を
湾曲させたりすると湾曲部において簡単に金属層が剥離
することも考えられる。
【0005】また、中空糸膜への金属の付着量は少な
く、このことと、金属層の剥離の問題とを合わせると、
従来の中空糸膜では、殺菌性や導電性の向上において、
十分でないという問題があった。さらに、金属の付着量
が少ないことにより、中空糸膜の強化が図れず膜の耐圧
性能にも限界があった。そこで、この発明は、樹脂と金
属層との接着強度を増大し、かつ金属層を十分な量で形
成した樹脂膜を提供することを目的とし、あわせて、こ
のような樹脂膜を製造する方法を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、多孔質樹脂
に金属が化学的に結合した樹脂膜を提供することによ
り、樹脂と金属層との接着強度を増大するとともに金属
層の被覆量を増大させたものである。金属を樹脂に化学
的に結合させるために、樹脂をまずエッチング処理す
る。エッチング処理は、例えば、高濃度のアルカリ、高
濃度クロム酸・硫酸、高濃度の硫酸・硝酸、及びフッ化
水素アンモニウム・硝酸のいずれかにより行うことが好
ましく、樹脂の種類に応じて使い分けられる。
【0007】エッチング処理された樹脂を金属塩の溶液
で処理すると、金属と樹脂とが化学的に結合する。金属
層は、例えば、PdおよびSnの少なくとも一つを含む
触媒金属と、これを核にして形成され、主として無電界
メッキである無電界処理用の金属である、例えば、N
i,Co,Fe,Mo,W,Cu,Re,Au,Agの
少なくとも一つの金属から成る層とを有する。この金属
層の上にさらに、主として電界メッキである電界処理用
の金属である、例えば、Cr,Zn,Ag,Au,P
t,Al,Mn,Bi,Se,Te,Cd,Ir,Ti
の少なくとも一つの金属からなる層を形成することもで
きる。エッチング処理及び上記の金属処理により十分な
量の金属層を樹脂膜に形成することができる。
【0008】本発明に使用される多孔質樹脂としては、
エッチング処理によって金属との化学結合可能な官能基
を生じるものが好ましく、特に、ポリアクリロニトリ
ル,ポリアリレート,ポリスルフォン,フェノキシ樹
脂,ポリアミドイミド,ポリエーテルスルフォン,AB
S,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリ
エーテルイミド,アクリルウレタン,ポリイミド,シリ
コン系樹脂、セルロース系樹脂の少なくとも一つを有す
る。尚、樹脂膜とは、多孔質樹脂によって構成された中
空糸膜あるいは平膜等各種の多孔質状の膜をいう。特に
中空糸膜が望ましい。そして、この樹脂膜には、表面か
ら内面に向かって微小な小孔が複数形成され、この孔の
存在により、樹脂膜は、濾過、分離膜として機能するも
のである。
【0009】
【作用】この出願の発明者は、樹脂をエッチングして金
属塩の溶液で処理すると、接着強度が高い金属層を形成
できる機構について鋭意検討した結果、次のような知見
を得るに至った。高濃度のエッチング処理を樹脂につい
て行うと、樹脂の脱水素化、樹脂の酸化、樹脂の開裂、
加水分解等により、樹脂側に炭素ラジカル,カルボキシ
ル基(−COOH),カルボニル基(−C=O),水酸
基(−OH)基、スルホン基(−SO3 H)、ニトリル
基(−CN)等、金属と化学結合可能な官能基を生じ
る。これらの官能基が、金属原子又は金属イオン(M)
と結合することにより、例えば、−CM,−COOM,
−COM,−OM、−SO3 M,−CMNを形成して金
属が樹脂に化学的に結合する。
【0010】次に、例えば、高濃度のクロム酸・硫酸混
合液を使用してポリプロピレンをエッチングした場合の
考えられる機構について説明する。高濃度クロム酸・硫
酸溶液では、次に示す化1の反応式のように、発生期の
酸素が生ずる。
【0011】
【化1】
【0012】そして、次に示す化2の反応式のように、
この発生期の酸素はポリプロピレンの三級炭素を酸化し
て、これを水酸基にする。この水酸基は、アンモニア水
中でアンモニウムイオン(NH4 + ) とイオン結合を形
成し、次いで、金属原子又は金属イオンと反応すると、
金属(M)はアンモニウムイオンと置換し、金属が配位
又は電気的に酸素原子に化学的に結合する。従って、−
COMの化学結合が生じ、この結果、樹脂膜に金属が化
学的に結合することになる。
【0013】
【化2】
【0014】クロム酸・硫酸濃度がさらに高くなった
り、反応温度が高くなった場合等エッチング条件がより
厳しいものになると、次の化3の反応式のようにポリプ
ロピレンが開裂して、カルボキシル基が発生する。この
場合でも、化2の反応と同様の機構により、カルボキシ
ル基に金属原子又は金属イオンが配位又は電気的に結合
して、−COOMが生じることにより樹脂膜に金属が化
学的に結合する。したがって、金属層と樹脂膜との境界
では樹脂−金属の化学的な結合が生じているために、樹
脂膜に金属を確実に被覆することができるとともに、金
属層の接着強度を従来技術と比較して格段に大きくでき
る。
【0015】
【化3】
【0016】エッチング処理液としては、樹脂に金属と
化学結合可能な官能基を形成できるものである必要があ
り、高濃度のクロム酸・硫酸溶液、高濃度の硫酸・硝酸
混合液、高濃度の水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等
の強塩基、フッ化水素アンモニウム・硝酸等が挙げられ
る。エッチング処理液は樹脂に前記官能基を形成する必
要から、高濃度であることが必要であり、具体的には、
クロム酸濃度が30〜50%で硫酸濃度が10〜40%
のクロム酸・硫酸溶液、10〜30%の強アルカリ、1
0〜30%硫酸と10〜30%硝酸とからなる硫酸・硝
酸混液、10〜40%フッ化水素アンモンと40〜70
vol%の硝酸とからなるフッ化水素アンモン・硝酸混
液が挙げられる。
【0017】また、樹脂は、エッチング処理液により金
属と化学結合可能な官能基を形成できる反応領域を有す
ることが望ましく、特に、三級炭素を有するポリプロピ
レン、不飽和結合を有するABS、スルホニル結合(O
=S=O)を有するポリスルフォン,ポリエーテルスル
フォン、(-O-Si(CH3)2-O-)n を有するシリコーン系樹
脂、(-C-O-C-)n のエーテル結合を有するポリエーテル
イミド、ポリエーテルスルフォン、エーテル基及びOH
基を有するフェノキシ樹脂およびセルロース系樹脂、−
CN基を有するポリアクリロニトリルであることが望ま
しい。そして、高濃度アルカリエッチングで加水分解さ
れてカルボキシル基を生じるポリアリレート等のエステ
ル樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、
アクリルウレタン等のポリウレタン系樹脂、ポリエーテ
ルイミド系樹脂も望ましい。
【0018】もっとも、ポリエチレン等のようにこれら
の反応領域を有しない樹脂であっても、エッチング条件
をより厳しくすることにより炭素−炭素結合が開裂した
り、炭素が酸化される等により、前記官能基を発生する
ものでも良い。以上のように、いかなるエッチング処理
液が使用されるかは、樹脂の種類に応じて決定される。
尚、予め金属と化学結合可能な前記各種の官能基を有す
る樹脂(例えば、ニトリル基を有するポリアクリルロト
リル)では、エッチング工程を省略しても金属を樹脂に
結合することができる。
【0019】金属を樹脂膜に化学的に結合するために
は、無電解処理によることが好ましい。この時、金属の
還元反応を促進する触媒を介在させてこの金属を化学的
に結合することが望ましく、特に、無電解処理の触媒と
なるPd又はPd,Snのような触媒金属を介在させる
ことが望ましい。この場合、樹脂膜に一旦触媒金属が結
合する。
【0020】前記エッチング処理を多孔質中樹脂につい
て行うと、多孔質樹脂の金属の溶液に対する濡れ性が向
上して触媒金属の溶液が多孔質内に浸透し、かつ前記化
1,化2に示す反応式により触媒金属が樹脂と化学的に
結合する。このような触媒金属が結合した樹脂を金属イ
オン、錯形成剤、及び還元剤を含有する金属の溶液で処
理すると、触媒金属表面で金属イオンの還元反応が生
じ、他の金属が触媒金属に結合する等の理由により、触
媒金属を核にして、金属層が均一に形成される。このよ
うな樹脂膜は、金属層が樹脂の表面から内部に渡って形
成された傾斜機能的材料となっている。
【0021】触媒金属は多孔質樹脂に化学的に結合して
いるために、触媒金属量も多くなり、この結果、金属層
の無電解処理層の量を大きくすることができる。金属の
結合量は、エッチング処理液の濃度、エッチング処理時
間、金属原子または金属イオンの量を変更することによ
って制御することが可能である。
【0022】無電解処理に際して金属イオンを発生させ
るための金属塩としては、硫酸塩,塩化物,硝酸塩の如
く水溶性のものであれば良く特に限定されない。無電解
処理されて中空糸膜に被覆される金属としては、例え
ば、Ni,Co,Fe,Mo,W,Cu,Re,Au,
Agの少なくとも一種が挙げられる。この金属の析出量
は、金属イオン濃度,温度,反応時間を変えることによ
って制御可能である。樹脂膜に被覆する金属の合計量の
下限は、樹脂膜に必要な殺菌性,樹脂の強化,導電性等
を付与する観点および樹脂膜のハンダ付け性を確保する
観点から決定され、そして、その上限は、樹脂膜の空孔
を必要以上に閉塞しない観点から制限されることが望ま
しい。還元剤としては、次亜リン酸ナトリウム等のリン
化合物、ホウ素化水素等のボロン化合物の他、ホルマリ
ン、ブドウ糖等公知のものが使用される。また、錯化剤
としては、金属イオンと安定した錯体を形成できるもの
であるなら良くアンモニア、クエン酸、酒石酸、シュウ
酸等公知のものが挙げられる。
【0023】本発明によれば、処理液が多孔質樹脂の空
孔内に進入しながら、金属が樹脂に化学的に結合し、金
属が樹脂膜の表面ばかりでなく内部にまで進入した、傾
斜機能材料の状態となりながら、樹脂と金属層との結合
力を極めて高くできる。そして、金属層の厚さを樹脂膜
の肉厚に対して10〜100%にもでき、金属層の被覆
量を、2.2×10-3〜15.0×10-3モル/m程度
まで増大することもできる。金属層の量が多いと、樹脂
膜の剛性を向上することができ、必要とされる耐圧性能
を向上できる。そして、金属の量が多いことにより、導
電性を向上することもできる。さらに、多孔質中空糸膜
の細孔内部まで金属層が樹脂と結合しているために、極
めて大きい導電表面積が得られ、電池電極等に有効であ
る。
【0024】このような導電性を有するようになった樹
脂膜は、さらに電解処理が可能となり、各種触媒作用
(重合、クラッキング、水素化、脱水素化、異性化、環
化等)を有する金属を前記金属層(無電解処理金属層)
上に形成することができる。この結果、樹脂膜の有用性
を濾過・分離以外の重合、クラッキング、水素化、脱水
素化、異性化、環化等の反応膜にまで拡張することがで
きる。電解処理される金属としては、例えば、Cr,Z
n,Ag,Au,Pt,Al,Mn,Bi,Se,T
e,Cd,Ir,Ti,Niの少なくとも一つが挙げら
れる。尚、無電解処理される金属の中にも触媒作用を有
するものがあるので、このような金属層を有する樹脂膜
を反応膜として使用することができる。
【0025】樹脂膜に金属層が化学的に結合すると、樹
脂膜と樹脂膜同志、あるいは樹脂膜と金属とのハンダ付
けが可能となる。このことは、多数の中空糸膜をモジュ
ール化するのに極めて有効になる。本発明のように多孔
質中空糸膜に十分な量の金属層が確実に形成できるよう
になると、金属層とハンダとの合金化が良好であること
により、ハンダ付け性が極めて高く、中空糸膜のモジュ
ール化がハンダ付けにより簡単に行えることになる。そ
して、中空糸膜と金属層との結合力が強いために、中空
糸膜とハンダとの界面における剥離を防止することがで
き、中空糸膜の固定をより完全かつ確実なものにでき
る。
【0026】本発明によれば、十分な量の金属を樹脂膜
に確実に形成できるから、樹脂膜の導電性を一層向上で
きることは、先に述べた通りである。本発明により比抵
抗が1〜20Ω/cmの極めて導電性が良好な樹脂膜が
得られる。十分な導電性を付与できると、非水系溶液を
樹脂膜で濾過する際に発生する静電気を完全に除去でき
る。従来は、このような静電気を除去するために、金網
を樹脂膜に巻きつけアースを形成していたが、樹脂膜自
体に十分な導電性を付与できるため、このことを不要に
できる。
【0027】また、十分な導電性を有する樹脂膜では、
所望に応じて樹脂膜を正又は負にチャージすることがで
きる。このことは、溶液中に存在する浮遊物のチャージ
に応じて膜のチャージをコントロールすることにより、
樹脂膜の耐用年数を増大したり、または精密濾過が可能
となる、ことを意味する。即ち、浮遊物のチャージと同
電荷に樹脂膜をチャージすると、浮遊物が膜に付着する
のを防止でき、この結果、樹脂膜の逆洗頻度を低減させ
て樹脂膜の耐用年数を大幅に向上できる。そして、浮遊
物と逆電荷に樹脂膜をチャージすると、樹脂膜に存在す
る孔よりも小さい浮遊物でもトラップでき、膜の孔径の
大きさがそのままでも精密な濾過が可能となる。
【0028】このような導電性を有する中空糸膜は、さ
らに、EMC(電磁環境両立)対策用としても有用であ
る。十分な量の金属層が被覆された中空糸膜内に信号線
を挿入することにより、EMC対策が簡単に行える。
【0029】本発明者が鋭意検討したところ、無電解処
理の際に使用される還元剤量、特に、金属層中に存在す
るリン量を増減すると樹脂膜の導電性をコントロールで
きることが見い出された。金属層中のリン量が多くなる
と導電性は低下し、逆にリン量が少なくなると、導電性
が向上する。
【0030】結合力が十分高く、かつ十分な量の金属層
を樹脂に形成できることは、樹脂膜の耐熱性を向上する
ことにもなる。耐熱温度が低い樹脂膜(特に、オレフィ
ン系)でも、本発明のような金属層を形成できることに
より、耐熱温度を大幅に向上できる。従って、樹脂膜を
加熱殺菌等の加熱処理に供することができるようにな
る。例えば、金属層が形成されていない未処理の膜の耐
熱温度が70℃程度であると仮定した場合、金属層を形
成することにより耐熱温度をさらに50℃以上に高める
ことができる。ここで、多孔質樹脂の内径は20〜30
00μm、好ましくは5〜1000μmである。膜厚
は、5〜1000μm、空孔率は3〜15%、好ましく
は、5〜7%である。
【0031】尚、以上の説明では、多孔質樹脂に金属を
化学的に結合する場合について説明したが、金属が結合
される相手の樹脂は、多孔質樹脂に限らず、エッチング
処理によって、金属と化学的に結合できる官能基を生ず
るものであれば、特に限定されない。したがって、本発
明は、樹脂に化学的に結合する金属層を形成する方法と
して把握することもできる。
【0032】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 実施例1(中空糸膜への金属Ni層の形成・その1) 内径600μ,空孔率6%の多孔質ポリプロピレン製中
空糸膜(アクゾ社製)を、クロム酸(CrO3 )30〜
50%、硫酸10〜40%の混合液(液温50〜65
℃)に数分間浸漬することにより中空糸膜をエッチング
処理した。次いで、クロム酸・硫酸溶液から中空糸膜を
取り出して十分水洗した後、塩酸の弱酸溶液(塩酸濃度
数%)、アンモニア・苛性ソーダの弱アルカリ溶液を順
に浸漬して中和する。この後、塩化パラジウム(PdC
2 )0.2〜5%、塩酸20%、塩化第二錫(SnC
l)15〜40%溶液(液温30〜50℃)に中空糸膜
を2〜数分浸漬することによりPdを中空糸膜に化学的
に結合させた。次いで、中空糸膜を水洗の後、塩酸の弱
酸溶液(塩酸濃度数%)(液温40℃)に1〜2分浸漬
して再度水洗する。次いで、NiSO4 (Ni1〜7
%)、クエン酸ソーダ0.1〜0.3mol、次亜リン
酸ソーダ0.2〜0.5mol、アンモニア水でpHを
9.0〜10.0にした弱アルカリ性のNiイオン溶液
に中空糸膜を1〜15分間浸漬して無電解メッキ処理を
行った。この後中空糸膜を取り出して水洗したところ、
金属Ni層が形成された中空糸膜を得ることができた。
【0033】このようにして得られた中空糸膜を径方向
に切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で調
べたことろ図1に示すようなSEM像(×220)が得
られた。図2は、図1を拡大したSEM像(×150
0)である。図1、2において、図の右方向が最外表面
である。図1から明らかなように中空糸膜を形成する多
孔質樹脂材の表面から内部に向かって金属Ni層1が連
続して、均一、かつ厚膜状に形成されていることが分か
る。このことは、エッチング処理及び金属処理がされて
いない生の中空糸膜の図3に示すSEM像(×200)
と比較すると明らかとなる。尚、図3で下方向が中空糸
膜の最外表面である。
【0034】図4は、本実施例に係る多孔質中空糸膜の
外周表面組織のSEM像(×200)であり、図5はそ
の拡大SEM像(×1000)である。本実施例の多孔
質中空糸膜の外側表面に金属Ni層が形成されているこ
とは、前記生の多孔質中空糸膜のSEM像と比較するこ
とにより明らかとなる。図6,7は図4,5にそれぞれ
対応する応する生の中空糸膜のSEM像である。これら
の図をそれぞれ対比してみると明らかなように、中空糸
膜を形成する多孔質樹脂の表面からその内部に渡って金
属Ni層が均一に形成されていることが分かる。
【0035】実施例2(中空糸膜への金属Ni層の形成
・その2) 内径0.8mm,空孔率70%の多孔質ポリアリレート
製多孔質中空糸膜を、塩酸10〜20%溶液(液温30
〜60℃)に数分間浸漬し、次いで水洗する。この後、
苛性ソーダ10〜30%溶液(液温60℃)に5分間浸
漬することによりエッチング処理を行った。水洗の後、
塩酸の溶液(塩酸10〜20%,液温数十℃)に数分
間、次いで、さらに塩酸の弱酸溶液(塩酸数%、液温室
温)に数分浸漬して中和をおこなった後、塩化パラジウ
ム(PdCl2 )数%、塩酸20%、塩化第二錫(Sn
Cl)15〜40%溶液(液温30〜50℃)に中空糸
膜を2〜数分間浸漬することによりPdを中空糸膜に化
学的に結合させた。次いで、中空糸膜を水洗の後、硫酸
10〜40%溶液(液温数十℃)に数分間浸漬して水洗
し、苛性ソーダ10〜20%溶液(液温数十℃)に数分
間浸漬して中和を行った後水洗する。次いで、NiSO
4 (Ni1〜7%)、クエン酸ソーダ0.2mol、次
亜リン酸ソーダ0.3mol、アンモニア水でpHを
9.0〜10.0にした弱アルカリ性のニッケルイオン
溶液に中空糸膜を1〜15分間浸漬させた。この後中空
糸膜を取り出して水洗したところ、ポリアリレートに金
属Ni層が形成された金属被覆中空糸膜を得ることがで
きた。
【0036】比較例1 エッチング処理工程を省略した以外は前記実施例1,2
の工程と同様にしたところ、金属Ni層は殆ど中空糸膜
に形成されなかった。
【0037】実施例3(中空糸膜への金属Cu層の形
成、金属層の導電性試験)
【0038】NiSO4 に変えてCuSO4 (Cu1〜
7%)を使用した以外は前記実施例と同様にして金属C
uが形成された複数の中空糸膜を得た。この中空糸膜の
金属Cu層厚をそれぞれ計測したところ、金属Cu層厚
は、中空糸膜肉厚の平均20〜30%であった。そし
て、金属の被覆量は、平均6×10-3mol/mであっ
た。さらに、これらの中空糸膜の比抵抗を測定したとこ
ろ、平均3Ω/cmであった。そこで、通常のニッケル
ワット氏浴(液温40℃)に中空糸を1〜3A/dmの
条件で5〜10分間通電して電解処理を行うことにより
金属Ni層を形成した。そして、比抵抗を測定したとこ
ろ、平均1Ω/cmであった。また、実施例で得られた
中空糸膜について、前記実施例3と同様な方法により、
金属被覆量,金属層厚、比抵抗を測定したところ、それ
ぞれ実施例3と同様の結果を得た。
【0039】実施例4(金属層の耐剥離性試験) 次に、実施例1で得られた、金属Cu層を有する複数の
中空糸膜の表面に形成された無電解金属Ni層の耐剥離
性能を、テープ剥離試験(セロハン粘着テープCT−1
8(商品名)、ニチバン製を使用)によって確認した。
中空糸膜にテープを装着し、次いでテープを勢い良く剥
がし、テープに粘着面に金属が付着している場合、耐剥
離性なし、と判定した。この結果、いずれの中空糸膜に
ついてもNi層の剥離が認められなかった。また、実施
例3で得られた無機電界金属Cu層を有する中空糸膜に
ついて、同様の方法により耐剥離性能試験を行ったとこ
ろ、全く金属層の剥離は観察されなかった。
【0040】実施例5(耐熱性試験) 次に前記実施例1,3で得たポリプロピレン製多孔質中
空糸膜の耐熱性の試験を行った。本発明材としては、N
i,Cuをそれぞれ無電解処理によって被覆した中空糸
膜を使用し、比較材として金属が全く被覆されていない
生のポリプロピレン中空糸膜を使用した。中空糸膜の耐
熱性試験の操作は次の通りである。金属製の棒状部材に
中空糸膜の先端をくくりつけ、それぞれの中空糸膜の他
の先端に0.4gの重りを取り付ける。そして、公知の
潤滑油(エンジン油10W−30)をビーカ内に入れ、
この潤滑油にこれら中空糸膜の略全長が浸漬されるよう
に、前記棒状部材を支持する。次いで、ホットプレート
上で潤滑油を2〜3℃/分の速度で加熱した。
【0041】中空糸膜が切断された温度は、生の中空糸
膜で75℃、Cu被覆中空糸膜で90℃、Ni被覆中空
糸膜で120℃であった。このことは、中空糸膜に十分
な量で、かつ、接着強度の高い金属層が形成されること
により、耐熱性が向上できることを示している。
【0042】実施例6(ハンダ付け性試験) 次に、前記実施例1および実施例3により作成された金
属Ni,Cu層が形成されたポリプロピレン製中空糸
膜、および金属被覆されていない未処理のポリプロピレ
ン製中空糸膜のハンダ付け性について試験を行った。本
実施例では、実施例1,実施例3で得られた中空糸膜、
未処理の中空糸膜とをそれぞれ数本束ね、融点がそれぞ
れ72℃、68℃、58℃の低融点ハンダ(千住金属工
業株式会社製、低温棒ハンダ)の溶融液に浸してハンダ
付け性を観察し、ハンダ付け性の良否を対比した。この
結果、金属層が形成された中空糸膜はいずれのハンダと
も良好に付着した。これに対して、金属層が形成されて
いない未処理の中空糸膜には全くハンダが付着しなかっ
た。また、ハンダ付けされた個々の中空糸膜を引き剥が
そうとしても、先に中空糸膜が破断してしまいハンダ付
けされた部位はそのままであった。このことは、中空糸
膜と金属Ni、金属Cu層が強固に化学結合しているこ
とをも示すものである。
【0043】比較例2 多孔質ポリプロピレン製中空糸膜を、特開昭56−56
106号の方法によって処理した。即ち、前記中空糸膜
をエタノールに浸漬し、次いで水洗した後、塩化第1錫
と塩酸の溶液で処理し、続いて、十分水洗した後銀めっ
き溶液に浸漬した。この結果、中空糸膜の表面には銀が
極めて僅かに付着しているだけであった。そして、これ
らの中空糸膜について前記実施例4と同様な方法により
ハンダ付け試験を試みたところ、ハンダ付けは全く不可
能であった。
【0044】比較例3 また、ターゲットに白金−バナジウムを用い、従来のイ
オンイオンスパッタリング方法を用いて、中空糸膜の表
面に白金−バナジウムを蒸着させた。次いで、前記実施
例4と同様の方法により、ハンダ付けを行った。しかし
ながら、ハンダ付けは不可能であった。これは、金属層
の量が十分でなく、この金属層とハンダとの合金化が十
分でないことによる、と考えられる。
【0045】実施例7 その他、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォンから
なる多孔質中空糸膜について前記実施例1又は2と同様
の方法によりエッチング処理、無電解メッキ処理を行っ
たところいずれも均一で厚膜状の金属Ni層が形成でき
た。
【0046】実施例8 旭化成株式会社製限外濾過膜(ポリアクリロニトリル
製、分画分子量13000および6000)について、
エッチング処理をすることなく、それ以外は前記実施例
1と同様の処理を行った。この結果、図8に示すよう
に、中空糸膜の外側(図8において、右方向が中空糸膜
の外側を示す。)に金属Ni層が化学的に結合した中空
糸膜を得ることができた。
【0047】実施例9 前記実施例1のエッチング処理に変えて、62%硝酸6
0〜80%およびフッ化水素アンモニウム20〜40%
の混合液(液温25〜50度)に中空糸膜を数分間浸漬
してエッチング処理を行った以外は、実施例1と同様の
処理を行った。この結果、実施例1と同様に、金属Ni
が結合した中空糸膜を得ることができた。そして、酢酸
セルロース製中空糸膜について、同じ処理を行ったとこ
ろ、同一の結果を得た。
【0048】実施例10 実施例1および実施例3で得られた金属Ni、金属Cu
層を有する複数の中空糸膜を、市販の無電界金めっき液
(奥野製薬社製OPCムデンゴールド)に数分間浸漬し
たところ、中空糸膜の全面に均一金属Au層が形成され
た。
【0049】実施例11 本発明者は、金属が多孔質樹脂の表面の官能基に化学的
に結合可能であることを確認するために、樹脂表面に陽
イオン交換基を有するイオン交換樹脂(オルガノ社製ア
ンバーライト、イオン交換基(IR−120B):−S
3Na)について、実施例1のエッチング処理より後
の処理を行った。この結果、前記イオン交換基の全面に
均一な金属Ni層が形成された。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
金属層は樹脂膜の表面から内部に渡って多孔質樹脂と化
学的に結合しているため、樹脂膜と金属層との接着強度
が増大し、かつ金属の被覆量も増大した樹脂膜を得るこ
とができる。そして、金属の被覆量も多くできるため、
樹脂膜を十分導電化できる。導電化された樹脂膜には電
解処理を行うことにより他の金属を被覆することができ
るため、Pt等の触媒性金属をさらに被覆することもで
きる。さらに、十分な量の金属層を樹脂膜に被覆できる
ことにより、樹脂膜の耐圧性、耐熱性、及びハンダ付け
性を一層向上できる。また、中空糸膜のモジュール化に
有効である。
【0051】さらにまた、本発明の樹脂膜は、静電気の
発生を防止できるため、非水系溶液に使用することがで
きる。また、金属被覆層と多孔質樹脂膜との化学的な結
合は、樹脂膜をエッチング処理することにより簡単に可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属被覆された中空糸膜断面組織の結晶構造の
電子顕微鏡写真である。
【図2】図1の拡大図である。
【図3】金属形成されていない中空糸膜の図1に対応す
る結晶構造の電子顕微鏡写真である。
【図4】金属層が形成された中空糸膜の外側表面組織の
結晶構造の電子顕微鏡写真である。
【図5】図4の拡大図である。
【図6】金属被覆層が形成されていない中空糸膜の外側
表面組織の結晶構造の電子顕微鏡写真図である。
【図7】図6の拡大図である。
【図8】金属被膜されたポリアクリルニトリル製中空糸
膜断面組織の結晶構造の電子顕微鏡写真図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝浦 信夫 神奈川県津久井郡津久井町青野原2111 日幸工業株式会社津久井事業所内 (72)発明者 五十嵐 治 神奈川県津久井郡津久井町青野原2111 日幸工業株式会社津久井事業所内 (72)発明者 中山 敦 神奈川県津久井郡津久井町青野原2111 日幸工業株式会社津久井事業所内 (72)発明者 今村 敏英 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松 製作所システム研究所内 (72)発明者 門谷 皖一 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松 製作所システム研究所内

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属と化学結合する官能基が樹脂に導入
    されてなる多孔樹脂と、 この多孔樹脂を被覆する金属層であって、この金属成分
    が前記官能基に化学結合してなる金属層と、 とを有してなり、前記金属層は前記多孔樹脂の孔の内部
    において前記樹脂と化学結合しており、かつ前記金属層
    は、この孔内部を被覆してなり、 前記樹脂は前記金属と化学結合可能な官能基を形成でき
    る樹脂膜。
  2. 【請求項2】 前記金属層は、多孔質樹脂に化学結合す
    る触媒金属と、この触媒金属を核として形成される無電
    界処理された金属の層とからなる、請求項1記載の樹脂
    膜。
  3. 【請求項3】 前記触媒金属は、PdおよびSnの少な
    くとも一つを有する、請求項2記載の樹脂膜。
  4. 【請求項4】 前記無電界処理された金属の層は、N
    i,Co,Fe,Mo,W,Cu,Re,Au,Agの
    少なくとも一つから構成される、請求項2または3記載
    の樹脂膜。
  5. 【請求項5】 前記金属層の上にさらに電界処理された
    金属の層が形成されている請求項2またば3記載の樹脂
    膜。
  6. 【請求項6】 前記電界処理された金属の層は、Cr,
    Zn,Ag,Au,Pt,Al,Mn,Bi,Se,T
    e,Cd,Ir,Ti,Niの少なくとも一つから構成
    される、請求項5記載の樹脂膜。
  7. 【請求項7】 前記多孔質樹脂はエッチング処理によっ
    て生ずる、金属と化学結合可能な官能基を有する、請求
    項1ないし6のいずれか一項に記載の樹脂膜。
  8. 【請求項8】 前記多孔質樹脂は、ポリアクリロニトリ
    ル、ポリアリレート.ポリスルフオン、フエノキシ樹
    脂.ポリアミドイミド、ポリエーテルスルフォン.AB
    S、ポリエチレン、ポリプロビレン、ポリアミド、ポリ
    エーテルイミド、アクリルウレタン、ポリイミド、シリ
    コーン系、セルロース糸樹脂の少なくと一つである請求
    項1記載の樹脂膜。
  9. 【請求項9】 前記多孔質樹脂は、金属と化学結合可能
    な官能基を予め備える、請求項1ないし6のいずれか一
    項に記載の樹脂膜。 :
  10. 【請求項10】 前記多孔質樹脂は. ポリアクリロニ
    トリルを有する、請求項9記載の樹脂膜。
  11. 【請求項11】 前記多孔質樹脂は中空糸膜である講求
    項1ないし10のいずれか一項に記載の樹脂膜。
  12. 【請求項12】 金属と化学結合可能な官能基を多孔樹
    脂に形成できるエッチング液でこの多孔樹脂を処理する
    工程と、金属塩を含む溶液で前記官能基が形成された前
    多孔質樹脂を処理し、この官能基に前記金属を化学結
    合させる工程と、さらに、この多孔質樹脂に金属層を形
    成する工程と、を備える多孔質樹脂の金属被覆方法。
  13. 【請求項13】 前記エッチング処理は、高濃度のアル
    カリ溶液、高濃度のクロム酸・硫酸溶液、高濃度の硫酸
    ・硝酸溶液、およびフッ化水素アンモニウム・硝酸溶液
    の少なくとも一つで.前記多孔質樹脂を処理する工程を
    有する、請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記多孔質樹脂は、エッチング処理に
    より金属と化学結合可能な官能基を有する.請求項12
    または13記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記多孔質樹脂は、ポリアクリロニト
    リル、ポリアリレート、ポリスルフォン、フェノキシ樹
    脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルフォン、AB
    S.ポリエチレン.ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
    エーテルイミド、アクリルウレタン、ポリイミド、シリ
    コーン糸、セルロース系樹脂の少なくとも一つ有する、
    請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 多孔質樹脂を金属の溶液で処理する工
    程は、多孔質樹脂を触媒金属の溶液で処理する工程と、
    次いで、この多孔質樹脂を無電界処理用の金属、錯形成
    剤、および還元元剤とを含む混合溶液で処理する工程と
    を有する請求項12記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記触媒金属は、PdおよびSnの少
    なくとも一つを有する、請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 多孔質樹脂を金属の溶液で処理する工
    程は、さらに、電界処理用の金属を合む溶液で、前記多
    孔質樹脂を処理する工程を有する、請求項16記載の方
    法。
  19. 【請求項19】 前記多孔質樹脂は、金属と化学結合可
    能な官能基を予め備える、請求項12記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記多孔質樹脂は、ポリアクリロニト
    リルである、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記無電界処理周の金属は、Ni‐
    Co,Fe,Mo,W,Cu,Re,Au,Agの少な
    くとも一つである、請求項16記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記電界処理用の金属は、Cr,Z
    n,Ag,Au,Pt,Al,Mn,Bi,Se,T
    e,Cd,Ir,Ti,Niの少なくとも一つである、
    請求項18記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記多孔質樹脂は、中空糸膜である
    請求項12ないし22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 【請求項24】 金属と化学結合する官能基が導入され
    てなる多孔樹脂と、この多孔樹脂を被覆する金属層であ
    って、この金属成分が前記官能基に化学結合している金
    属層と、 を有してなり、前記金属は前記多孔樹脂の孔の内部にお
    いて前記樹脂と化学結合しており、かつ前記金属層はこ
    の孔内部を被覆してなり、 前記金属層の被覆厚さは、前記多孔樹脂の厚さに対して
    10乃至100パーセントである樹脂膜。
  25. 【請求項25】前記金属層の被覆量が2.2〜15.0
    ×10 −13 モル/mであり、さらに、全体の比抵抗が
    1〜20オーム/cmである請求項24記載の樹脂膜。
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