よって、本発明の実施形態は、高耐食性であり、容易に製造でき、貴重な材料を節約できる接点を提供することができる。これらの接点を電子機器の表面、コネクタインサートの表面、又はケーブル上のコネクタインサート内、電子機器上のコネクタレセプタクル内、又はコネクタシステム内の何処かに配置することができる。
本発明の例示的な実施形態は、耐食性を改良するために貴金属合金で形成された層又は部分を含むコネクタ接点を提供することができる。耐食性及び耐磨耗性を更に改良するために貴金属合金層をメッキすることができる。銅又は主に銅に基づく材料等、より一般的な材料を用いて接点のバルク又は基材領域を形成することにより資源を節約することができる。貴金属合金と、より一般的なバルク又は基材領域との組み合わせによって、耐食性が改良されるとともに貴重な資源の全体的な消費が少ない接点を提供することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、貴金属合金層又は接触部分を高エントロピー材料で形成することができる。この材料の例は、ASTM規格B540、B563、B589、B683、B685、又はB731に適合する材料、黄色金、又は他の材料を含むことができる。高硬度及び高強度を有するように、並びに接点抵抗が下がるように高導電性又は低電気抵抗を有するように、貴金属合金層に用いる材料を選択することができる。本発明の各種の実施形態では、貴金属合金層は、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。貴金属合金として用いるために、製造性を改良するための高い成形性及び伸び率を有する材料を選択することができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、貴金属合金層が、10マイクロメートル未満、10マイクロメートル超、10マイクロメートル〜100マイクロメートル、10マイクロメートル〜数百マイクロメートル、100マイクロメートル超、100マイクロメートル〜数百マイクロメートルの厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、接点の部分又は全てを貴金属合金で形成することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、より一般的な材料で形成された基材の上に貴金属合金層を被覆することができるが、本発明の他の実施形態では、接点の部分又は全てを貴金属合金で形成することができる。銅又はリン青銅等の銅に基づく材料を用いて、この基材を形成することができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、銅−ニッケル−スズ、銅−ニッケル−銀合金、鋼、又は他の適当な材料若しくは合金を用いて基材を形成することができる。接点基材の形成に用いるために、高い導電性及び高い入手可能性を有する材料を選択することができる。貴金属合金層に用いる材料と同様の高い成形性、伸び率、及び硬度を有するように材料を選択することもできる。本発明の各種の実施形態では、基材層は、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、バルク又は基材層は、接点の大部分を形成することができ、1mm未満、1mm超、0.5mm〜1.5mm、凡そ1.0mm、1mm〜10mm、10mm超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、貴金属合金を基材に接合又は被覆するときに、拡散層又は接合層を形成することができる。この接合層は、貴金属合金と基材の合金との金属間接合とすることができる。この拡散層又は接合層は、1マイクロメートル未満、1マイクロメートル超、1〜5マイクロメートル、5マイクロメートル、又は5マイクロメートル超の厚さとすることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、貴金属合金層と基材との間に1つ以上の中間層を配置することができる。これらの中間層は、銅よりも高い耐食性を有することができ、貴金属合金として用いる材料よりも容易に入手することができる。チタン、鋼、タンタル、又は他の材料を用いて1つ以上の中間層を形成することができる。その入手可能性、成形性、伸び率、硬度、導電性、スタンピングの可能性、又は他の特性に基づいて、この材料を選択することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、硬質、耐久性、耐磨耗性及び耐食性のメッキ積層体で貴金属合金層をメッキすることができる。この積層体を1つ以上のメッキ層で形成することができる。
平坦化及び付着のために、第1のメッキ層を貴金属合金層の上にメッキすることができる。例えば、金、銅、又は他の材料は、平坦化するものとして作用することができ、貴金属合金層の表面にわたる垂直ギャップを埋めることができる。これによって、電解研磨又は化学研磨工程により残され得るノジュール又はノード等の、基材の欠陥を覆うことを促すことができる。この第1のメッキ層は、貴金属合金層と第2のメッキ層又は上部プレートとの間の付着をもたらすこともできる。金又は銅の代わりに、ニッケル、スズ、スズ銅、硬質金、金コバルト、又は他の材料で第1のメッキ層を形成することができるが、本発明の他の実施形態では、第1のメッキ層を省略することができる。この第1のメッキ層は、0.01マイクロメートル未満、0.01〜0.05マイクロメートル、0.05〜0.1マイクロメートル、0.05〜0.15マイクロメートル、0.1マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、上部プレートを第1のメッキ層の上にメッキすることができる。上部プレートは、接点を収容する電子機器上の接点が第2の電子機器上の対応する接点に係合されるときのための耐久性のある接触面を提供することができる。本発明の各種の実施形態では、上部プレートは、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。ロジウムルテニウム、暗色ロジウム、暗色ルテニウム、金銅、又は他の代替物を用いて上部プレートを形成することができる。ロジウムルテニウム又はロジウムの使用によって、酸素生成を促すことができ、その腐食を減らせる。ロジウムの割合は、85〜100質量パーセントとすることができ、例えば、95又は99質量パーセントとすることができ、ここで、残りの材料の大部分又は全てがルテニウムである。その色、磨耗、硬度、導電性、耐擦傷性、又は他の特性により、この材料を選ぶことができる。この上部プレートは、0.5マイクロメートル未満、0.5〜0.75マイクロメートル、0.75〜0.85マイクロメートル、0.85〜1.1マイクロメートル、1.1マイクロメートル超の厚さを有することができ、異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、上部プレートを第1のメッキ層の上にメッキする代わりに、第2のメッキ層を第1のメッキ層の上にメッキすることができる。第2のメッキ層は、貴金属合金層から接点の表面への色漏れを防ぐためのバリア層として作用することができ、この点をふまえて、第2のメッキ層に用いる材料を選ぶことができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、ニッケル、パラジウム、スズ−銅、銀、又は他の適当な材料を用いて第2のメッキ層を形成することができる。パラジウム又は他の材料の使用によって、ロジウムルテニウム、ロジウム、又は他の材料の上部プレートよりも正電荷を帯び易い第2のメッキ層を提供することができる。このことによって、上部プレートを犠牲層として作用させ、それにより、下にあるパラジウムを保護することができる。この第2のメッキ層は、0.1マイクロメートル未満、0.1〜0.5マイクロメートル、0.5〜1.0マイクロメートル、1.0〜1.5マイクロメートル、1.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、第1のメッキ層を省略することができ、第2のメッキ層を貴金属層に直接メッキすることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、第3のメッキ層を第2のメッキ層の上にメッキすることができる。第3のメッキ層は、第1のメッキ層と同じように、平坦化及び付着をもたらすことができる。例えば、金は、第2のメッキ層、バリア層の表面にわたる垂直ギャップを埋める傾向があり、第2のメッキ層と上部プレートとの間の付着をもたらすことができる。例えば、金メッキ層は、パラジウムの第2のメッキ層とロジウムルテニウムの上部プレートとの間の付着をもたらすことができる。金層は、メッキされた金ストライクとすることができる。金の代わりに、ニッケル、銅、スズ、スズ銅、硬質金、金コバルト、又は他の材料で第3のメッキ層を形成することができる。この第3のメッキ層は、0.01マイクロメートル未満、0.01〜0.05マイクロメートル、0.05〜0.1マイクロメートル、0.05〜0.15マイクロメートル、0.1マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、第3のメッキ層を省略することができ、上部プレートを第2のメッキ層に直接メッキすることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、上述した上部プレートを第3のメッキ層の上にメッキすることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、貴重な資源の節約の要求、成形性、伸び率、硬度、導電性、スタンピングの可能性、又は他の特性に基づいて、使用するメッキ材料を選択することができる。
本発明の各種の実施形態では、これらの接点を各種の方法で形成することができる。本発明の例示的な実施形態では、貴金属合金の層は、基材材料の層を少なくとも部分的に覆うことができる。ここに記述するように、貴金属合金の層と基材との間に1つ以上の中間層を配置することができる。貴金属合金層が、バルク若しくは基材層に被せられる、又は1つ以上の中間層を挟んでバルク若しくは基材層の上方に被せられるように、接点をスタンピングすることができる。使用する材料をスタンピング中に加熱(及び場合によりアニールし)し、延ばすことができる。例えば、35、50、又は70パーセントの伸び率を用いることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、キャリアをバルク材料でスタンピングすることができる。ブラスティング、研磨、サンディング、(例えば、ここに記述するような)メッキ、更なるアニール、又は他の処理工程等の更なる製造工程中に、接点を支持し、そうでなければ取り扱うために、これらのキャリアを用いることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、スタンピング前に貴金属合金の層をバルク又は基材材料の層の上面に配置することができる。本発明の他の実施形態では、バルク又は基材材料の層に1つ以上の溝を形成することができ、貴金属合金の層を1つ以上の溝内に配置することができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、溝の1つ以上を残りの溝の1つ以上よりも深くすることができる。このようにして、接点内の貴金属合金の層は、接点の側部の少なくとも一部分に沿ってより大きな深さを有することができる。これによって、得られる接点の側部に沿って耐食性の改良を促すことができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、他の方法で接点を形成することができ、接点は、異なるメッキ層を有することができる。例えば、銅合金又は他の材料のストリップを貴金属合金のストリップの側部に突合せ溶接し、又は他の方法で固定し若しくは取り付けて、スタンピングに用いる材料のストリップ又はロールを形成することができる。接点の全てを貴金属合金で形成し、キャリアを銅合金又は他の材料で形成するように、接点をスタンピングすることができる。資源を節約するために、接触部分等の部分のみを貴金属合金で形成でき、接点の残り部分及びキャリアを銅合金又は他の材料で形成できるように、接点をスタンピングすることもできる。
本発明のこれら及び他の実施形態は、接点の接触部分又は他の部分に各種のメッキ層を含むことができる。一例では、例えば、銅のシート若しくはストリップから、又は貴金属合金のストリップの側部に溶接された銅のストリップを含むストリップから、接点基材をスタンピングすることができる。電解研磨工程を用いて、基材中のニッケルシリサイド又は他の粒子を露出させ得るスタンピングバリを除去してもよい。残念ながら、電解研磨工程は、接点表面にノジュールを残す場合がある。その場所に化学研磨を用いることができる。ただし、化学研磨は接点表面にノードを残す場合がある。
よって、表面平坦化をもたらすための第1のメッキ層を基材にメッキすることができる。この第1のメッキ層は、銅、又は、金、ニッケル、スズ、スズ銅、硬質金、若しくは金コバルト等の他の材料とすることができ、接点基材の上にメッキされて、スタンピングされた基材の表面を平坦化し、電解研磨により残されたノジュール、又は化学研磨により残されたノード、並びにスタンピング処理による残りのバリ若しくは他の欠陥を覆うことができる。本発明のこれらの他の実施形態では、第1のメッキ層で十分である場合があり、電解研磨工程を省略することができる。第1のメッキ層は、基材と、第1のメッキ層の上にメッキされ得る第2のメッキ層との間の付着をもたらすこともできる。第1のメッキ層は、0.5〜1.0マイクロメートル、1.0〜3.0マイクロメートル、3.0〜4.5マイクロメートル、3.0〜5.0マイクロメートル、若しくは5.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
これらのメッキ層のひび割れによって、腐食を生じさせ得る流体の経路になる場合がある。よって、より硬質の第2のメッキ層を、第2のメッキ層の上にある層のひび割れを防ぐために、第1のメッキ層の上にメッキすることができる。この第2のメッキ層を無電解ニッケル化合物で形成することができる。この第2のメッキ層は、0.5〜1.0マイクロメートル、1.0〜2.0マイクロメートル、2.0〜5.0マイクロメートル、若しくは5.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。本発明の各種の実施形態では、この第2の層を省略することができる。
第3のメッキ層が第2のメッキ層と共に機能してもよい。第3のメッキ層を第2のメッキ層の上にメッキすることができる。この第3のメッキ層は、衝撃を吸収するために柔軟であることができ、それにより第3のメッキ層の上の層のひび割れを最小化することができる。第3のメッキ層は、金、又は、銅、ニッケル、スズ、スズ銅、硬質金、若しくは金コバルト等の他の材料とすることができる。第3のメッキ層は、その隣接層同士の間の付着をもたらすことができ、平坦化効果をもたらすこともできる。この第3のメッキ層は、0.55〜0.9マイクロメートル、0.5〜1.25マイクロメートル、1.25〜2.5マイクロメートル、2.5〜5.0マイクロメートル、若しくは5.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。本発明の各種の実施形態では、これらの第2及び第3のメッキ層を省略することができ、又は第2の層を省略することができるが、他の層も追加若しくは省略することもできる。
耐食性をもたらすための第4のメッキ層を第3のメッキ層の上にメッキすることができる。第4のメッキ層は、接点の表面への色漏れを防ぐためのバリア層として作用することができ、この点をふまえて、第4のメッキ層に用いる材料を選ぶことができる。パラジウム、又は、ニッケル、スズ−銅、若しくは銀等の他の材料で、この層を形成することができる。パラジウム又は他の材料の使用によって、ロジウムルテニウム、ロジウム、又は他の材料の上部プレートよりも正電荷を帯び易い第2のメッキ層を提供することができる。これによって、上部プレートを犠牲層として作用させ、それにより、下にあるパラジウムを保護することができる。この層は、その上の第5のメッキ層よりも幾分硬質とすることができ、接続中に圧力に晒されるときに第4のメッキ層の上方の層のひび割れを防ぐことができる。第4のメッキ層は、0.5〜0.8マイクロメートル、0.5〜1.0マイクロメートル、1.0〜1.5マイクロメートル、1.5〜3.0マイクロメートル、若しくは3.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。パラジウムを用いるとき、それを0.6±0.1ASDの速度又は他の適当な速度でメッキすることができる。
第4のメッキ層と上部プレートとの間の付着層として作用するための第5のメッキ層を、第4のメッキ層の上にメッキすることができる。第5のメッキ層は、金、又は、銅、ニッケル、スズ、スズ銅、硬質金、若しくは金コバルト等の他の材料とすることができる。第5のメッキ層は、更なる平坦化をもたらすこともできる。第5のメッキ層は、0.02〜0.05マイクロメートル、0.05〜0.15マイクロメートル、0.10〜0.20マイクロメートル、0.15〜0.30マイクロメートル、若しくは0.30マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
上部プレートを第5のメッキ層の上に形成することができる。上部プレートは、高耐食性及び高耐磨耗性とすることができる。ひび割れのリスクを下げるために、この層を高応力位置において薄くすることができる。上部プレートは、接点を収容する電子機器上の接点が第2の電子機器上の対応する接点に係合されるときのための耐久性のある接触面を提供することができる。本発明の各種の実施形態では、上部プレートは、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。ロジウムルテニウム、暗色ロジウム、暗色ルテニウム、金銅、又は他の代替物を用いて上部プレートを形成することができる。ロジウムルテニウム又はロジウムの使用によって、酸素生成を促すことができ、その腐食を減らせる。ロジウムの割合は、85〜100質量パーセントとすることができ、例えば、95又は99質量パーセントとすることができ、ここで、残りの材料の大部分又は全てがルテニウムである。その色、磨耗、硬度、導電性、耐擦傷性、又は他の特性により、この材料を選ぶことができる。上部プレートは、0.5マイクロメートル未満、0.5〜0.75マイクロメートル、0.65〜1.0マイクロメートル、0.75〜1.0マイクロメートル、1.0〜1.3マイクロメートル、1.3マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明の各種の実施形態では、これらの層を変えることができる。例えば、各種の理由により接点の部分の上の上部プレートを省略することができる。例えば、接点が、プリント回路基板上の対応する接点にはんだ付けされる表面実装又は貫通孔接触部分を有する場合に、はんだ付け可能性を改良するために、表面実装又は貫通孔接触部分から上部プレートを省略することができる。本発明の他の実施形態では、第2及び第3のメッキ層等の他の層を省略することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、接点の長さに沿って厚さを変化させて1つ以上のメッキ層を適用することができる。これらの実施形態では、ドラム式メッキを用いることができる。物理的な気相蒸着又は他のメッキを生じさせ得る外側ドラム上のウィンドウにキャリア上の接点を位置合わせすることができる。外側ドラム上のウィンドウは、内側ドラムにより回転中に変化する開口を有することができ、内側ドラムは外側ドラムの内側にある。
これらの接点のそれぞれは、対応するコネクタ内の接点と係合する高磨耗接触部分を有することができる。接点は、低応力ビーム部分、高応力ビーム部分、及び、プリント回路基板上又は他の適当な基板上の対応する接点と係合する表面実装若しくは貫通孔接触部分等の接触部分を有することができる。例えば、銅のシート若しくはストリップから、又は、貴金属合金のストリップの側部に溶接された銅のストリップを含むストリップから、接点用の基材をスタンピングすることができる。接点表面にノジュール又はノードを残す場合があるが、スタンピングバリを除去するために、電解研磨又は化学研磨工程を用いることができる。
よって、表面平坦化をもたらすための第1のメッキ層を基材にメッキすることができる。この第1のメッキ層は、銅、又は、金、ニッケル、スズ、スズ銅、硬質金、若しくは金コバルト、若しくは他の材料等の他の材料とすることができ、第1のメッキ層は、スタンピングされた基材の表面を平坦化するために接点基材の上にメッキすることができる。本発明のこれらの他の実施形態では、第1のメッキ層は十分である場合があり、電解研磨工程を省略することができる。この第1のメッキ層は、その隣接基材と第2のメッキ層との間の付着をもたらすこともできる。第1のメッキ層は、0.5〜1.0マイクロメートル、1.0〜3.0マイクロメートル、3.0〜5.0マイクロメートル、若しくは5.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
耐食性をもたらすための第2のメッキ層を第1のメッキ層の上にメッキすることができる。第2のメッキ層は、接点の表面への色漏れを防ぐためのバリア層として作用することができ、その点をふまえて、第2のメッキ層に用いる材料を選ぶことができる。この第2のメッキ層を、パラジウム、又は、ニッケル、スズ−銅、若しくは銀等の他の材料で形成することができる。パラジウム又は他の材料の使用によって、ロジウムルテニウム、ロジウム、又は他の材料の上部プレートよりも正電荷を帯び易い第2のメッキ層を提供することができる。これによって、上部プレートを犠牲層として作用させ、それにより、下にあるパラジウムを保護することができる。この層は、その上の第3のメッキ層よりも幾分硬質とすることができ、接続中に圧力に晒されるときに第3のメッキ層の上方の層のひび割れを防ぐことができる。第2のメッキ層は、接点の長さに沿って厚さを変化させることができる。例えば、第2のメッキ層は、0.1〜0.2マイクロメートル、0.2〜0.3マイクロメートル、0.3〜0.5マイクロメートル、0.3〜1.5マイクロメートル、1.0〜1.5マイクロメートル、若しくは1.5マイクロメートル超により変化することができ、異なる厚さ範囲内の厚さを接点の長さに沿って有することができる。第2のメッキ層は、高磨耗接触部分の近くでより厚くすることができ、高磨耗領域から離れたところで薄くすることができる。
第2のメッキ層と上部プレートとの間の付着層として作用するための第3のメッキ層を、第2のメッキ層の上にメッキすることができる。第3のメッキ層は、金、又は、銅、ニッケル、スズ、スズ銅、硬質金、若しくは金コバルト等の他の材料とすることができる。第3のメッキ層は、平坦化効果をもたらすこともできる。第3のメッキ層は、0.02〜0.05マイクロメートル、0.05〜0.15マイクロメートル、0.15〜0.30マイクロメートル、若しくは0.30マイクロメートル超の厚さとすることができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを接点の長さに沿って有することができる。
第3のメッキ層の上に上部プレートを形成することができる。上部プレートは、高耐食性及び高耐磨耗性とすることができる。ひび割れのリスクを下げるために、この上部プレートを高応力ビーム部分においてより薄くすることができる。上部プレートは、接点を収容する電子機器上の接点が第2の電子機器上の対応する接点に係合されるときのための耐久性のある接触面を提供することができる。本発明の各種の実施形態では、上部プレートは、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。ロジウムルテニウム、暗色ロジウム、暗色ルテニウム、金銅、又は他の代替物を用いて上部プレートを形成することができる。ロジウムルテニウム又はロジウムの使用によって、酸素生成を促すことができ、その腐食を減らせる。ロジウムの割合は、85〜100質量パーセントとすることができ、例えば、95又は99質量パーセントとすることができ、ここで、残りの材料の大部分又は全てがルテニウムである。その色、磨耗、硬度、導電性、耐擦傷性、又は他の特性により、この材料を選ぶことができる。上部プレートは、0.3マイクロメートル未満、0.3〜0.55マイクロメートル、0.3〜1.0マイクロメートル、0.75〜1.0マイクロメートル、1.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。再び、表面実装又は貫通孔接触部分から上部プレートを省略することができる。上部プレートは、高磨耗接触部分でより厚くすることができ、高磨耗領域から離れたところで薄くすることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、磨耗及び腐食を防ぐために他の層を接点に形成することができる。例えば、電気プラスチック溶着(electroplastic deposition)又は電気溶着(ED)を用いてプラスチック絶縁層を形成することができる。この層は、腐食を防ぐために接点の一部分を覆うことができる。接点の接触部分は、対応するコネクタ内の接点との電気接続を形成できるように、露出したままにすることができる。また、表面実装又は貫通孔接触部分は、基板上又は他の適当な基材上の対応する接点にはんだ付けできるように、露出したままにすることができる。
本発明の実施形態は、接点構造及びそれらの製造方法によく適しているが、本発明のこれら及び他の実施形態を用いて他の構造の耐食性を改良することができる。例えば、電子機器のケース及び筐体、コネクタハウジング及びシールド、バッテリ端子、磁気要素、計測及び医療機器、センサ、ファスナ、ウェアラブルコンピューティング機器のクリップ及びバンド等の各種の部分、ベアリング、ギア、チェーン、ツール、又はそれらの任意の部分を、ここに記述し、そうでなければ本発明の実施形態により提供されるような貴金属合金及びメッキ層で覆うことができる。これらの構造用の貴金属合金層及びメッキ層を、ここに記述し、そうでなければ本発明の実施形態により提供されるように、形成又は製造することができる。例えば、ファスナ、コネクタ、スピーカ、レシーバ磁石、レシーバ磁石アセンブリ、マイク、及び他の機器用の磁石及び他の構造は、ここに示すもの及び本発明の他の実施形態で示すもの等の構造及び方法により改良された、それらの耐食性を有することができる。
本発明の各種の実施形態では、接点及びそれらのコネクタアセンブリの構成要素を各種の方法によって各種の材料で形成することができる。例えば、接点及び他の導電性部分を、スタンピング、コイニング、金属射出成形、機械加工、微細加工、3Dプリンティング、又は他の製造処理により形成することができる。ここに記述するように、ステンレス鋼、鋼、銅、銅チタン、リン青銅、パラジウム、パラジウム銀、若しくは他の材料、又は材料の組み合わせで導電性部分を形成することができる。ここに記述するように、ニッケル、金、パラジウム、又は他の材料で導電性部分をメッキ又は被覆することができる。射出若しくは他の成形、3Dプリンティング、機械加工、又は他の製造処理を用いてハウジング及び他の部分等の非導電性部分を形成することができる。非導電性部は、シリコン若しくはシリコーン、マイラ、マイラテープ、ゴム、硬質ゴム、プラスチック、ナイロン、エラストマ、液晶ポリマ(LCP)、セラミック、若しくは他の非導電性材料、又は材料の組み合わせから形成することができる。
本発明の実施形態は、ポータブルコンピューティング機器、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、オールインワンコンピュータ、ウェアラブルコンピューティング機器、携帯電話、スマートフォン、メディアフォン、記憶装置、キーボード、カバー、ケース、ポータブルメディアプレイヤ、ナビゲーションシステム、モニタ、電源、アダプタ、リモコン機器、充電器、及び他の機器等の各種の機器内に配置でき、各種の機器に接続できる接点及びそれらのコネクタアセンブリを提供することができる。これらの接点及びそれらのコネクタアセンブリは、ユニバーサルシリアルバス(USB)、高精細度マルチメディアインターフェース(HDMI)(登録商標)、デジタルビジュアルインターフェース(DVI)、イーサネット、ディスプレイポート、Thunderbolt(登録商標)、Lightning、Joint Test Action Group(JTAG)、テストアクセスポート(TAP)、誘導型自動ランダムテスト(DART)、汎用非同期送受信回路(UART)等の各種の規格に準拠する信号、クロック信号、電力信号、並びに開発された、開発中の、又は将来的に開発される、及び、他の種類の規格化、非標準、及び独占権下にあるインターフェース、及びそれらの組み合わせのための経路を提供することができる。本発明の各種の実施形態では、これらのコネクタにより提供されるこれらのインターコネクトパスを用いることによって、電力、接地、信号、テストポイント、及び他の電圧、電流、データ、若しくは他の情報を伝達することができる。
各種の本発明の実施形態は、本明細書に記述されるこれら及び他の特徴の1つ以上を組み込んでもよい。以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することにより、本発明の性質及び利点の理解をより深めることができる。
図1は、本発明のある実施形態による電子システムを示している。この図は、含まれる他の図と同じように、例示の目的で示され、本発明の可能な実施形態又は請求項のいずれをも限定するものではない。
この例では、データ、電力、又は両方を共有するためにホスト機器110をアクセサリ機器120に接続することができる。具体的には、ホスト機器110上の接点220をアクセサリ機器120上の接点222に電気的に接続することができる。ホスト機器110上の接点220を、ケーブル130を介してアクセサリ機器120上の接点222に電気的に接続することができる。本発明の他の実施形態では、ホスト機器110上の接点220をアクセサリ機器120上の接点222に物理的に接触させ、電気的に直接接続することができる。
ホスト機器110上の接点220とアクセサリ機器120上の接点222との間の方向接続を容易にするために、ホスト機器110上の接点220及びアクセサリ機器120上の接点222をそれらそれぞれの機器の表面に配置することができる。しかし、この配置によって、接点は、液体又は他の流体に露出し易くなる場合がある。この露出によって、特に、露出した接点に電圧が存在するときに、それらの腐食を招く場合がある。この腐食は、接点の外見を損ねる場合があり、ユーザの目に容易にふれる場合がある。この腐食は、機器の動作低下を招く場合があり、機器を動作不能にする場合さえある。このような腐食が機器不良のレベルに達しなくても、機器及び機器の製造者に弊害をもたらし得る悪い心象をユーザに与える場合がある。
よって、本発明の実施形態は、高耐食性の接点を提供することができる。しかし、通常、このような耐食性の向上は、製造性の低下を招く場合がある。よって、本発明の実施形態は、容易に製造でき、貴重な資源を少量用いて製造できる接点を提供することができる。以下の図に例を示している。
図2は、電子機器の表面にある、本発明のある実施形態による複数の接点を示している。この例では、筐体210の表面にあるものとして接点220を示している。接点アセンブリハウジング230により接点210を機器筐体210から絶縁することができる。本発明の他の実施形態では、例えばハウジング210が非導電性である場合に、接点アセンブリハウジング230によりもたらされる絶縁性が不要となる場合があり、接点アセンブリハウジング230を省略することができる。本発明の更に他の実施形態では、コネクタインサート(ここに示すコネクタインサート等)、コネクタレセプタクル、又は他のコネクタ構造に接点220を用いることができる。
以下の例では、接点220をより詳細に示している。本発明のこれら及び他の実施形態では、アクセサリ機器120上の接点222を、ホスト機器110上の接点220と同じに、実質的に同様に、同様に、又は異なるようにすることができる。
本発明の各種の実施形態では、機器筐体210の表面は、各種の形状又は輪郭を有することができる。例えば、ハウジング210は、平坦でもよく、湾曲してもよく、又は他の形状を有してもよい。接点220の表面は、機器筐体210の隣接部の輪郭又は局所的な輪郭に整合するように、同様の輪郭を有することができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、ハウジング210の部分は、接点220及び機器筐体210の隣接部の輪郭又は局所的な輪郭に整合する同様の輪郭を有することができる。この例では、同様な大きさの3つの接点を示しているが、本発明の他の実施形態では、2つ、4つ、又は、4つ超の接点等、他の数の接点を用いることができ、これらの接点のうちの1つ以上を異なる大きさとすることができる。
図3は、本発明のある実施形態による、接点アセンブリハウジング内の複数の接点を示している。この例では、接点220を接点ハウジング230内に配置することができる。本発明の各種の実施形態では、接点220の下側をフレキシブル回路基板、プリント回路基板、又は他の適当な基材と係合することができる。
図4は、本発明のある実施形態による接点の断面を示している。前と同じように、接点アセンブリハウジング230内に配置するものとして接点220を示している。接点220は、バルク又は基材層410を含むことができる。接点220は、主にディスク形状を有することができるが、本発明の実施形態に適合する他の形状を有してもよい。バルク又は基材層410は、狭窄部分422を含むことができ、狭窄部分をはんだ領域450により基板440に電気的に接続することができる。基板440は、フレキシブル回路基板、プリント回路基板、又は他の適当な基材とすることができる。基板440は、接点220を収容する電子機器内の電気的又は機械的構成要素に接続することができる。このようにして、この電子機器と第2の電子機器との間で接点220を介して電力及び信号を伝達することができる。
接点220は、バルク又は基材層410を含むことができる。銅、又はリン青銅などの主に銅に基づく材料等の、より容易に入手できる材料を用いてバルク又は基材層410を形成することにより、接点220に費やす資源を減らすことができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、銅−ニッケル−スズ、銅−ニッケル−銀合金、鋼、又は他の適当な材料若しくは合金を用いてバルク又は基材層410を形成することができる。バルク又は基材層410の形成に用いるために、導電性及び入手可能性が高い材料を選択することができる。貴金属合金層420に用いる材料と同様の高い成形性若しくは伸び率及び硬度を有するように、材料を選択することもできる。本発明の各種の実施形態では、基材層は、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、バルク又は基材層410は、接点の大部分を形成することができ、1mm未満、1mm超、0.5mm〜1.5mm、凡そ1.0mm、1mm〜10mm、10mm超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
バルク又は基材層410を貴金属合金層420により被覆することができる。貴金属合金層420は、ASTM規格B540、B563、B589、B683、B685、若しくはB731に適合する材料、黄色金、又は他の材料等の高エントロピー材料とすることができる。高硬度及び高強度、並びに高導電性又は低電気抵抗性を有するように貴金属合金層420に用いる材料を選択することができる。貴金属合金として用いるために、製造性を改良するための高い成形性又は高い伸び率を有する材料を選択することができる。本発明の各種の実施形態では、貴金属合金層420は、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、貴金属合金層420は、10マイクロメートル未満、10マイクロメートル超、10マイクロメートル〜100マイクロメートル、10マイクロメートル〜数百マイクロメートル、100マイクロメートル超、100マイクロメートル〜数百マイクロメートルの厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、貴金属合金層420とバルク又は基材層410との間に1つ以上の中間層を配置することができる。これらの中間層は、銅よりも高い耐食性を有することができ、貴金属合金として用いる材料よりも容易に入手することができる。チタン、鋼、タンタル、又は他の材料を用いて1つ以上の中間層を形成することができる。その入手可能性、成形性、伸び率、硬度、導電性、スタンピングの可能性、又は他の特性に基づいて、この材料を選択することができる。
ここではメッキ積層体430として示す1つ以上のメッキ層により、クラッド層又は貴金属合金層420をメッキすることができる。図1に示すような機器筐体210との色整合又は所望の色不整合をもたらすために、メッキ積層体430等のメッキ積層体を用いることができる。接点220のための硬質かつ耐擦傷性の表面を提供するために、メッキ積層体430等のメッキ積層体を用いることもできる。このようなメッキ積層体の例を以下の図に示している。
図5は、本発明のある実施形態による接点の接触面をメッキするために使用できるメッキ積層体を示している。このメッキ積層体430は、平坦化及び付着のために、図4に示すような貴金属合金層420の上にメッキできる第1のメッキ層510を含むことができる。例えば、金は、貴金属合金層420の表面にわたる垂直ギャップを埋める傾向がある。これらの垂直ギャップは、下の材料に施される電解研磨及び化学研磨により残り得るノード及びノジュールを含む場合がある。第1のメッキ層510は、貴金属合金層420と第2のメッキ層520との間の付着をもたらすこともできる。金の代わりに、ニッケル、銅、スズ、スズ銅、硬質金、金コバルト、又は他の材料で第1のメッキ層510を形成することができる。この第1のメッキ層510は、0.01マイクロメートル未満、0.01〜0.05マイクロメートル、0.05〜0.1マイクロメートル、0.05〜0.15マイクロメートル、0.1マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、第1のメッキ層510を省略することができ、第2のメッキ層520を貴金属層に直接メッキすることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、第2のメッキ層520を第1のメッキ層510の上にメッキすることができる。第2のメッキ層520は、貴金属合金層420から接点220の表面への色漏れを防ぐためのバリア層として作用することができ、この点をふまえて、第2のメッキ層520に用いる材料を選ぶことができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、ニッケル、パラジウム、スズ−銅、銀、又は他の適当な材料を用いて第2のメッキ層520を形成することができる。パラジウム又は他の材料の使用によって、ロジウムルテニウム、ロジウム、又は他の材料の上部プレート540よりも正電荷を帯び易い第2のメッキ層520を提供することができる。これによって、上部プレート540を犠牲層として作用させ、それにより、第2のメッキ層520の下のパラジウムを保護することができる。この第2のメッキ層520をその上の第3のメッキ層530よりも幾分硬質とすることができ、これにより、接続中に圧力に晒されるときに第3のメッキ層530の上方の層のひび割れを防ぐことができる。この第2のメッキ層520は、0.1マイクロメートル未満、0.1〜0.5マイクロメートル、0.5〜1.0マイクロメートル、1.0〜1.5マイクロメートル、1.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、第3のメッキ層530を第2のメッキ層520の上にメッキすることができる。第3のメッキ層530は、第1のメッキ層510と同じように、平坦化及び付着をもたらすことができる。例えば、金は、第2のメッキ層、バリア層の表面にわたる垂直ギャップを埋める傾向があり、第2のメッキ層520と上部プレート540との間の付着をもたらすことができる。金の代わりに、ニッケル、パラジウム、銅、スズ、スズ銅、硬質金、金コバルト、又は他の材料で第3のメッキ層530を形成することができる。この第3のメッキ層530は、0.01マイクロメートル未満、0.01〜0.05マイクロメートル、0.05〜0.1マイクロメートル、0.05〜0.15マイクロメートル、0.1マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、上部プレート540を第3のメッキ層530の上にメッキすることができる。上部プレート540は、接点を収容する電気機器上の接点220が第2の電子機器上の対応する接点に係合されるときのための耐久性のある接触面を提供することができる。本発明の各種の実施形態では、上部プレート540は、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。ロジウムルテニウム、暗色ロジウム、暗色ルテニウム、金銅、又は他の代替物を用いて上部プレート540を形成することができる。その色、磨耗、硬度、導電性、耐擦傷性、又は他の特性により、この材料を選ぶことができる。ロジウムルテニウム又はロジウムの使用によって、酸素生成を促すことができ、上部プレート540の腐食を減らせる。ロジウムの割合は、85〜100質量パーセントとすることができ、例えば、95又は99質量パーセントとすることができ、ここで、残りの材料の大半又は全てがルテニウムである。上部プレート540は、0.5マイクロメートル未満、0.5〜0.75マイクロメートル、0.75〜0.85マイクロメートル、0.85〜1.1マイクロメートル、1.1マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、第3のメッキ層530を省略することができ、上部プレート540を第2のメッキ層520に直接メッキすることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、上部プレート540を第1のメッキ層510の上に直接メッキすることができ、第2及び第3のメッキ層520及び530を省略することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、入手可能性、成形性、伸び率、硬度、導電性、スタンピングの可能性、又は他の特性に基づいて、使用するメッキ材料を選択することができる。ここに示し本発明の実施形態に適合するこれら及び他の接点を各種の方法で形成することができる。以下の図に例を示している。
図6は、本発明のある実施形態による接点を製造する方法を示している。ここに示す上記及び他の接点、並びに本発明の実施形態による他の接点を製造するために、この方法及び同様の方法を用いることができる。この例では、貴金属合金420の層によりバルク又は基材層410を少なくとも部分的に覆うことができる。これらの層をロール610で提供することができる。ロール610をスタンピング又はコイニングして接点220を形成することができる。接点220に取り付けられたキャリア620を同様にスタンピングすることができる。ブラスティング、研磨、エッチング、アニール、又は他の加工工程等、後の加工工程中に接点220を取り扱うためにキャリア620を用いることができる。貴金属合金420を効率的に利用するように接点220をスタンピングすることができる。貴金属層420等の貴金属層、並びにバルク又は基材410等のバルク又は基材の未使用材料をリサイクルし、そうでなければ再使用することができる。
バルク又は基材層410を貴金属合金420でメッキすることが、非常に難しい場合がある。よって、本発明のこの実施形態では、バルク又は基材層410並びに貴金属合金層420から接点220をスタンピングすることができる。このスタンピング処理は、コイニング又は他の種類の処理とすることができる。このスタンピング処理によって、貴金属合金層420をバルク又は基材層410に接合することができる。このスタンピング処理を(アニールのために使用できる)高温で行うことができる。貴金属合金層420とバルク又は基材層410を接合するために、スタンピング中又はコイニング中にロール610の材料を広げたり、伸ばしたりすることができる。例えば、35、50、又は70パーセントの伸び率を用いることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、貴金属合金を基材に接合又は被覆するときに、この拡散層又は接合層を形成することができる。この接合層は、貴金属合金420とバルク又は基材層410の合金との金属間接合とすることができる。この拡散層又は接合層は、1マイクロメートル未満、1マイクロメートル超、1〜5マイクロメートル、5マイクロメートル、又は5マイクロメートル超の厚さとすることができる。
ここに記述する接点及び本発明の他の実施形態に記述する接点を形成するために、この処理及び同様の処理を用いることができる。スタンピングされた接点の例を以下の図に示している。
図7は、本発明のある実施形態によるスタンピング又はコイニングされた接点の側面図を示している。接点220は、狭窄部分422を有するバルク又は基材層410を含むことができる。狭窄部分422をフレキシブル回路基板、プリント回路基板、又は他の適当な基材にはんだ付けすることができる。バルク又は基材層410を貴金属合金層420で被覆することができる。テール部分710は、キャリア620が接点220から切り離された後、そうでなければ物理的に外された後に残ってもよい。スタンピング後、ここに示すように、接点220にブラスティング、アニール、研磨、メッキ、又は他の加工工程を施すことができる。
上の例では、機器筐体210の表面にある接点として接点220を示している。本発明の他の実施形態では、同じ又は同様の構造、層、製造、及び加工工程を用いて、コネクタインサート用又はコネクタレセプタクル用、例えば接点が機器筐体の開口に位置するコネクタレセプタクル用の接点を形成することができる。コネクタインサート又はコネクタレセプタクルに使用できる、このような接点の例を以下の図に示す。機器の表面の接点又は上に示した何処かにある接点としても本発明のこれら及び他の実施形態を用いることができる。
図8は、本発明のある実施形態を組み込むことにより改良できるコネクタインサートを示している。この例では、コネクタインサートが、接点820用の開口830を囲む接地リング810を含むことができる。接点820は、X方向の短軸に沿う長さよりも長い、Y方向の長軸に沿う長さを有することができる。典型的には、接点820の表面のみが露出するように、開口830をオーバーモールドで埋めることができる。ここでは、コネクタインサート内に位置するものとして接点820を示すが、本発明の他の実施形態では、接点820、及びここに示し本発明の実施形態に適合する他の接点を機器筐体の表面、コネクタレセプタクル内、又は別の種類の接触構造内に配置することができる。
図9は、本発明のある実施形態による接点の側面図を示している。接点820は、バルク又は基材層910を含むことができる。バルク又は基材層910は、狭窄部分912で終端することができる。フレキシブル回路基板、プリント回路基板、又は他の適当な基材とすることができる基板970上の接点に、はんだ960により狭窄部分912を電気的に接続することができる。バルク又は基材層910の部分の下方のエリア950は、接点820間の側面容量を減らすための空隙を含むことができる。基板970は、接点820を収容するコネクタインサート内の導体又は電気的若しくは機械的構成要素に接続することができる。このようにして、第1の電子機器と第2の電子機器との間で接点820を介して電力及び信号を伝達することができる。
バルク又は基材層910を貴金属合金層920により被覆することができる。貴金属合金層920をメッキ層930によりメッキすることができる。メッキ層30は、接点のうち領域933として示す側部に沿って延在することができる。領域933を省略することができ、又は領域933は、接点820の下側の他の部分に沿って延在することができる。接点820は、図8に示すような接地リング810の開口830内のオーバーモールド領域940内に位置することができる。
銅又はリン青銅等の主に銅に基づく材料等の、容易に入手できる材料を用いてバルク又は基材層910を形成することにより、接点820に費やす資源を減らすことができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、銅−ニッケル−スズ、銅−ニッケル−銀合金、鋼、又は他の適当な材料若しくは合金を用いてバルク又は基材層910を形成することができる。バルク又は基材層910の形成に用いる高い導電性及び入手可能性の材料を選択することができる。貴金属合金層920に用いる材料と同様の高い成形性及び伸び率及び硬度を有するように材料を選択することもできる。本発明の各種の実施形態では、バルク又は基材層910は、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、バルク又は基材層910は、接点の大部分を形成することができ、1mm未満、1mm超、0.5〜1.5mm、凡そ1.0mm、1mm〜10mm、10mm超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
バルク又は基材層910を貴金属合金層920により被覆することができる。貴金属合金層920は、ASTM規格B540、B563、B589、B683、B685、若しくはB731に適合する材料、黄色金、又は他の材料等の高エントロピー材料とすることができる。高硬度及び高強度、並びに高導電性又は低電気抵抗を有するように、貴金属合金層920に用いる材料を選択することができる。貴金属合金として用いるために、製造性の改良のための高い成形性及び高い伸び率を有する材料を選択することができる。本発明の各種の実施形態では、貴金属合金層920は、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、貴金属合金層920は、10マイクロメートル未満、10マイクロメートル超、10マイクロメートル〜100マイクロメートル、10マイクロメートル〜数百マイクロメートル、100マイクロメートル超、100マイクロメートル〜数百マイクロメートルの厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、貴金属合金層920とバルク又は基材層910との間に1つ以上の中間層を配置することができる。これらの中間層は、銅よりも高い耐食性を有することができ、貴金属合金として用いる材料よりも容易に入手することができる。チタン、鋼、タンタル、又は他の材料を用いて1つ以上の中間層を形成することができる。その入手可能性、成形性、伸び率、硬度、導電性、スタンピングの可能性、又は他の特性に基づいて、この材料を選択することができる。
ここでメッキ積層体930として示す1つ以上のメッキ層により、クラッド層又は貴金属合金層920をメッキすることができる。図8に示すような接地リング810との色整合、又は所望の色不整合をもたらすために、メッキ積層体930を用いることができる。接点820のための硬質かつ高耐擦傷性の表面を提供するためにメッキ積層体930を用いることもできる。このようなメッキ積層体の例を以下の図に示す。
図10は、本発明の実施形態による接点の接触面をメッキするために使用できるメッキ積層体を示している。このメッキ積層体930は、平坦化及び付着のために、図9に示すような貴金属合金層920の上にメッキできる第1のメッキ層1010を含むことができる。例えば、金は、貴金属合金層920の表面にわたる垂直ギャップを埋める傾向がある。これらの垂直ギャップは、下の材料に施される電解研磨及び化学研磨により残り得るノード及びノジュールを含む場合がある。第1のメッキ層1010は、貴金属合金層920と第2のメッキ層1020との間の付着をもたらすこともできる。金の代わりに、ニッケル、銅、スズ、スズ銅、硬質金、金コバルト、又は他の材料で第1のメッキ層1010を形成することができる。この第1のメッキ層1010は、0.01マイクロメートル未満、0.01〜0.05マイクロメートル、0.05〜0.1マイクロメートル、0.05〜0.15マイクロメートル、0.1マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、第2のメッキ層1020を第1のメッキ層1010の上にメッキすることができる。第2のメッキ層1020は、貴金属合金層920から接点の表面への色漏れを防ぐバリア層として作用することができ、この点をふまえて、使用できる材料を選ぶことができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、ニッケル、パラジウム、スズ−銅、銀、又は他の適当な材料を用いて第2のメッキ層1020を形成することができる。パラジウム又は他の材料の使用によって、ロジウムルテニウム、ロジウム、又は他の材料の上部プレート1040よりも正電荷を帯び易い第2のメッキ層1020を提供することができる。これによって、上部プレート1040を犠牲層として作用させ、それにより第2のメッキ層1020の下のパラジウムを保護することができる。この第2のメッキ層1020をその上の第3のメッキ層1030よりも幾分硬質とすることができ、接続中に圧力に晒されるときに第3のメッキ層1030の上方の層のひび割れを防ぐことができる。この第2のメッキ層1020は、0.1マイクロメートル未満、0.1〜0.5マイクロメートル、0.5〜1.0マイクロメートル、1.0〜1.5マイクロメートル、1.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、第1のメッキ層1010を省略することができ、第2のメッキ層1020を貴金属合金層920に直接メッキすることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、第3のメッキ層1030を第2のメッキ層1020の上にメッキすることができる。第3のメッキ層1030は、第1のメッキ層1010と同じように、平坦化及び付着をもたらすことができる。例えば、金は、第2のメッキ層、バリア層の表面にわたる垂直ギャップを埋める傾向があり、第2のメッキ層1020と上部プレート1040との間の付着をもたらすことができる。金の代わりに、ニッケル、銅、スズ、スズ銅、硬質金、金コバルト、又は他の材料で第3のメッキ層1030を形成することができる。この第3のメッキ層1030は、0.01マイクロメートル未満、0.01〜0.05マイクロメートル、0.05〜0.1マイクロメートル、0.05〜0.15マイクロメートル、0.1マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、上部プレート1040を第3のメッキ層1030の上にメッキすることができる。上部プレート1040は、接点を収容する電子機器上の接点820が第2の電子機器上の対応する接点と係合されるときのための耐久性のある接触面を提供することができる。ロジウムルテニウム、暗色ロジウム、暗色ルテニウム、金銅、又は他の代替物を用いて上部プレート1040を形成することができる。その色、磨耗、硬度、導電性、耐擦傷性、又は他の特性に基づいて、この材料を選ぶことができる。ロジウムルテニウム又はロジウムの使用によって、酸素生成を促すことができ、上部プレート540の腐食を減らせる。ロジウムの割合は、85〜100質量パーセントとすることができ、例えば、95又は99質量パーセントとすることができ、ここで、残りの材料の大部分又は全てがルテニウムである。本発明の各種の実施形態では、上部プレート1040は、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。上部プレート1040は、0.5マイクロメートル未満、0.5〜0.75マイクロメートル、0.75〜0.85マイクロメートル、0.85〜1.1マイクロメートル、1.1マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、第3のメッキ層1030を省略することができ、上部プレート1040を第2のメッキ層1020に直接メッキすることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、上部プレート1040を第1のメッキ層1010の上に直接メッキすることができ、メッキ層1020及び1030のいずれか又は両方を省略することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、入手可能性、成形性、伸び率、硬度、導電性、スタンピングの可能性、又は他の特性に基づいて、使用するメッキ材料を選択することができる。
ここに示し本発明の実施形態に適合するこれら及び他の接点を各種の方法で形成することができる。以下の図に例を示している。
図11は、本発明のある実施形態による接点を製造する方法を示している。ここに示す上記及び他の接点、並びに本発明の実施形態による他の接点を製造するために、この方法及び同様の方法を用いることができる。
この例では、バルク又は基材層910を貴金属合金層920により少なくとも部分的に覆うことができる。これらの層を図6のロール610として示すようなロール上に提供することができる。これらの層に接点820をスタンピング、コイニング、又はその他の方法で形成することができる。キャリア(示していない)を同時にスタンピングして、更なる加工工程中に接点820を取り扱うために用いることができる。
本発明の他の実施形態では、貴金属合金層920をバルク又は基材層910に埋め込むことができる。以下の図に例を示している。
図12は、本発明のある実施形態による接点を製造する方法を示している。この例では、バルク又は基材層910の表面に溝を削り、切り、エッチングし、又はその他の方法で形成することができる。この溝に貴金属合金層920を置き、又は形成することができる。前と同じように、接点820をスタンピング又はコイニングすることができる。キャリア(示していない)を同時にスタンピングして、更なる加工工程中に接点820を取り扱うために用いることができる。
図13は、本発明のある実施形態による別の接点を示している。この例では、層及び構造の一部又は全てを、図9に示す接点と同一とすることができる。貴金属合金層920は、バルク又は基材層910の側部に沿って延在することができる。このことは、腐食の低減を更に促すことができる。具体的には、水分又は液体が940と接点820との間に浸透する場合に、バルク又は基材層910の側部が腐食に晒される場合がある。貴金属合金層920の側部部分922の存在によって、この腐食を減らすことができる。接点820の先端又は端部に、例えば、接点820の長軸の端部に、側部部分922を形成することができる。他の例では、貴金属合金層920の側部部分922をバルク又は基材層910の側部の全体又は部分の周りとすることができる。
貴金属合金層920の側部部分922を各種の方法で形成することができる。以下の図に例を示している。
図14は、本発明のある実施形態による接点を製造する方法を示している。この例では、バルク又は基材層910に1つ以上の溝を形成している。つまり、バルク又は基材層910の表面に1つ以上の溝を削り、切り、エッチングし、又はその他の方法で形成している。これらの1つ以上の溝を貴金属合金層920で満たしている。側部領域922を形成するために、より大きな深さを有する2つの溝を用いることができる。ここに記述するように接点820及びキャリアをスタンピング又はコイニングすることができる。
バルク又は基材層910の1つ以上の溝は各種の方法で形成することができる。以下の図に例を示している。
図15は、本発明のある実施形態による接点用の層を形成する方法を示している。この例では、バルク又は基材層910に溝1520を形成することができる。削り、切り、エッチング、又は他の適当な方法により、この溝を形成することができる。次いで、削り、切り、エッチング、又は他の処理工程により、バルク又は基材層910に、より深い溝1510を形成することができる。得られた溝を貴金属合金層920で埋めることができる。
図16は、本発明のある実施形態による接点用の層を形成する別の方法を示している。この例では、削り、切り、エッチング、又は他の処理により、バルク又は基材層910に溝1610を最初に形成することができる。次いで、再び削り、切り、角付け、又は他の処理工程により、溝1620を形成することができる。次いで、溝1610及び1620により形成された開口を埋めるために、クラッド層又は貴金属合金層920を用いることができる。
図17は、本発明のある実施形態による別の接点を示している。この例では、層及び構造の一部又は全てを、図9に示す接点と同一又は同様とすることができる。この例では、バルク若しくは基材層910及び貴金属合金層920のいずれか又は両方は、タブ及びノッチ1710及び1720を含むことができる。例えばレーザ溶接と組み合わせて、バルク又は基材層910を貴金属合金層920に固定するために、これらのタブ及びノッチ1710及び1720を用いることができる。本発明の各種の実施形態では、これらのタブのいずれかを、隣接層を通過しその反対側でかしめる(revet)又はレーザ溶接できるほど十分に長くすることにより、バルク又は基材層910を貴金属合金層920に固定することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、接点を他の方法で形成することができ、接点は、様々なメッキ層を有することができる。例えば、銅合金又は他の材料のストリップを貴金属合金のストリップの側部に突合せ溶接し、又は他の方法で固定し又は取り付けて、スタンピングに用いる材料のストリップ又はロールを形成することができる。接点の全てを貴金属合金で形成し、キャリアを銅合金又は他の材料で形成するように、接点をスタンピングすることができる。資源を節約するために、接触部分等の部分のみを貴金属合金で形成でき、接点の残り部分及びキャリアを銅合金又は他の材料で形成できるように、接点をスタンピングすることもできる。以下の図に例を示している。
図18は、本発明のある実施形態による接点を形成するためにスタンピングできる材料のロールを示している。貴金属合金1820のストリップを銅合金ストリップ1830及び1840の縁部1850に突合せ溶接し、又はその他の方法で固定し若しくは取り付けることができる。取扱い及び製造を目的として、これらのストリップをロール1810に巻き付けることができる。本発明の各種の実施形態では、接点の全て又は部分を貴金属合金1820で形成するように、接点をスタンピングすることができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、製造中に接点を取り扱うために使用できるキャリアを銅合金ストリップ1830及び1840に形成することができる。本発明の各種の実施形態では、これらのストリップの相対幅を変えることができる。また、使用する材料を変えることができる。例えば、貴金属合金1820を別の材料で置き換えることができる。銅合金ストリップ1830及び1840を、代わりに銅、鋼、又は他の材料で形成することができる。接点をスタンピングして貴金属合金1820で全体的に又は部分的に形成できる方法を示す例を以下の図に示している。
図19は、本発明のある実施形態による接点をスタンピングする際に使用できるパターンを示している。前と同じように、貴金属合金1820のストリップを縁部1850で銅合金ストリップ1830及び1840に突合せ溶接することができる。この例では、貴金属合金1820で全体的に形成されるように接点1910をスタンピングすることができる。キャリア(示していない)を銅合金ストリップ1830及び1840内に形成することができる。この長手方向の接点1910によって、貴金属合金1820が良好に使用される。また、グレイン方向は、得られた接点の耐久性を良好にできるようなものである。本発明のこの実施形態では、スタンピング機械への供給方向を矢印1920により示すことができる。
図20は、本発明のある実施形態による接点をスタンピングする際に使用できる別のパターンを示している。前と同じように、貴金属合金1820のストリップを縁部1850で銅合金ストリップ1830及び1840に突合せ溶接することができる。全体的に貴金属合金1820で形成されるように、接点1910をスタンピングすることができる。キャリア(示していない)を銅合金ストリップ1830及び1840に形成することができる。この横方向の接点1910によって、グレイン方向を最適にできないかもしれないが、図19の例よりも材料の利用を改良することができる。前と同じように、スタンピング機械への供給方向を矢印1920により示すことができる。
図21は、本発明のある実施形態による接点をスタンピングする際に使用できる別のパターンを示している。前と同じように、貴金属合金1820のストリップを縁部1850で銅合金ストリップ1830及び1840に突合せ溶接することができる。この例では、接点1910の接触部分2110を貴金属合金1820で形成することができ、接点1910の残り部分2120を銅合金ストリップ1830及び1840に形成することができる。前と同じように、スタンピング機械への供給方向を矢印1920により示すことができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、貴金属合金ストリップ1820等の貴金属合金層又は接触部分は、ASTM規格B540、B563、B589、B683、B685、若しくはB731に適合する材料、黄色金、又は他の材料等の高エントロピー材料とすることができる。高硬度及び高強度、並びに高導電性又は低電気抵抗を有するように、貴金属合金層1820に用いる材料を選択することができる。貴金属合金1820として用いるために、製造性を改良するための高い成形性又は高い伸び率を有する材料を選択することができる。本発明の各種の実施形態では、貴金属合金層1820は、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態は、接点の接触部分又は他の部分に各種のメッキ層を含むことができる。以下の図に例を示している。
図22は、本発明のある実施形態によるメッキ層を示している。この例では、ここで各種の例に示す接点等の接点をメッキ積層体2210でメッキすることができる。また、他の種類の接点、例えばスタンピング又は他の処理により形成され、銅、銅合金、又は他の材料で形成された接点を、このメッキ積層体2210でメッキすることができる。スタンピング又は他の製造工程の後、電解研磨工程を用いて、基材中のニッケルシリサイド又は他の粒子を露出させ得るスタンピングバリを基材から除去してもよい。残念なことに、電解研磨工程は、接点表面にノジュールを残す場合がある。その場所に化学研磨を用いることができる。ただし、化学研磨は接点表面にノードを残す場合がある。
よって、表面平坦化をもたらすために、第1のメッキ層2220を基材にメッキすることができる。この第1のメッキ層2220は、銅、又は、金、ニッケル、スズ、スズ銅、硬質金、若しくは金コバルト等の他の材料とすることができ、接点基材の上にメッキされて、基材の表面を平坦化し、電解研磨により残されたノジュール、又は化学研磨により残されたノード、並びにスタンピング処理による残りのバリ若しくは他の欠陥を覆うことができる。本発明のこれらの他の実施形態では、第1のメッキ層2220は十分である場合があり、電解研磨工程を省略することができる。第1のメッキ層2220は、基材と、第1のメッキ層2220の上にメッキできる第2のメッキ層2230との間の付着をもたらすこともできる。第1のメッキ層2220は、0.5〜1.0マイクロメートル、1.0〜3.0マイクロメートル、3.0〜4.5マイクロメートル、3.0〜5.0マイクロメートル、若しくは5.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。本発明の他の実施形態では、この第1の層2220を省略することができる。
これらのメッキ層のひび割れは、腐食を生じさせ得る流体の経路になる場合がある。よって、より硬質の第2のメッキ層2230を、その上にある層のひび割れを防ぐために、第1のメッキ層2220の上にメッキすることができる。この第2のメッキ層2230を無電解ニッケル化合物で形成することができる。この第2のメッキ層は、ニッケル−タングステン合金で形成することができる。この第2のメッキ層2230は、0.5〜1.0マイクロメートル、1.0〜2.0マイクロメートル、2.0〜5.0マイクロメートル、若しくは5.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。本発明の他の実施形態では、この第2の層2230を省略することができる。
第3のメッキ層2240が第2のメッキ層2230と共に機能してもよい。第3のメッキ層2240を第2のメッキ層の上にメッキすることができる。この第3のメッキ層2240は、衝撃を吸収するために柔軟にすることができ、それにより、第3のメッキ層2240の上の層のひび割れを最小限とすることができる。第3のメッキ層2240は、金、又は、銅、ニッケル、スズ、スズ銅、硬質金、若しくは金コバルト等の他の材料とすることができる。第3のメッキ層2240は、その隣接層間の付着をもたらすことができ、平坦化効果もまたもたらすこともできる。この第3のメッキ層2240は、0.55〜0.9マイクロメートル、0.5〜1.25マイクロメートル、1.25〜2.5マイクロメートル、2.5〜5.0マイクロメートル、若しくは5.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。本発明の各種の実施形態では、これらの第2及び第3のメッキ層2230及び2240を省略することができ、又は第2のメッキ層2230を省略することができるが、他の層を同様に又は代わりに追加又は省略することができる。
耐食性をもたらすための第4のメッキ層2250を第3のメッキ層2240の上にメッキすることができる。第4のメッキ層2250層は、接点の表面への色漏れを防ぐためのバリア層として作用することができ、この点をふまえて、第4のメッキ層2250に用いる材料を選ぶことができる。この層をパラジウム、又は、ニッケル、スズ−銅、若しくは銀等の他の材料で形成することができる。パラジウム又は他の材料の使用によって、ロジウムルテニウム、ロジウム、又は他の材料の上部プレート2270よりも正電荷を帯び易い第4のメッキ層2250を提供することができる。これによって、上部プレート2270を犠牲層として作用させ、それにより第4のメッキ層2250の下のパラジウムを保護することができる。この第4のメッキ層2250をその上の第5のメッキ層2260よりも幾分硬質とすることができ、接続中に圧力に晒されるときに第4のメッキ層2250の上方の層のひび割れを防ぐことができる。第4のメッキ層2250は、0.5〜0.8マイクロメートル、0.5〜1.0マイクロメートル、1.0〜1.5マイクロメートル、1.5〜3.0マイクロメートル、若しくは3.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。パラジウムを用いるとき、それを0.6±0.1ASDの速度又は他の適当な速度でメッキすることができる。
第4のメッキ層2250と上部プレート2270との間の付着層として作用するための第5のメッキ層2260を、第4のメッキ層2250の上にメッキすることができる。第5のメッキ層2260は、金、又は、銅、ニッケル、スズ、スズ銅、硬質金、若しくは金コバルト等の他の材料とすることができる。第5のメッキ層2260層は、更なる平坦化をもたらすこともできる。第5のメッキ層2260層は、0.02〜0.05マイクロメートル、0.05〜0.15マイクロメートル、0.10〜0.20マイクロメートル、0.15〜0.30マイクロメートル、若しくは0.30マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
第5のメッキ層2260の上に上部プレート2270を形成することができる。上部プレート2270は、高耐食性及び高耐磨耗性とすることができる。ひび割れのリスクを下げるために、この上部プレート2270を高応力位置において薄くすることができる。上部プレート2270は、接点を収容する電子機器上の接点が第2の電子機器上の対応する接点と係合されるときのための耐久性のある接触面を提供することができる。本発明の各種の実施形態では、上部プレート2270は、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。ロジウムルテニウム、暗色ロジウム、暗色ルテニウム、金銅、又は他の代替物を用いて上部プレート2270を形成することができる。ロジウムルテニウム又はロジウムの使用によって、酸素生成を促すことができ、その腐食を減らせる。ロジウムの割合は、85〜100質量パーセントとすることができ、例えば、95又は99質量パーセントとすることができ、ここで、残りの材料の大部分又は全てがルテニウムである。その色、磨耗、硬度、導電性、耐擦傷性、又は他の特性により、この材料を選ぶことができる。上部プレート2270は、0.5マイクロメートル未満、0.5〜0.75マイクロメートル、0.65〜1.0マイクロメートル、0.75〜1.0マイクロメートル、1.0〜1.3マイクロメートル、1.3マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
本発明の各種の実施形態では、これらの層を変えることができる。例えば、各種の理由により、接点の部分の上で上部プレート2270を省略することができる。例えば、接点が、プリント回路基板上の対応する接点にはんだ付けされる表面実装又は貫通孔接触部分を有する場合に、表面実装又は貫通孔接触部分から上部プレート2270を省略することができる。本発明の他の実施形態では、第2及び第3のメッキ層2230及び2240等の他の層を省略することができる。
また、本発明のこれら及び他の実施形態では、接点の長さに沿って厚さを変化させて1つ以上のメッキ層を適用することができる。これらの実施形態では、ドラム式メッキを用いることができる。第1のドラム上のウィンドウにキャリア上の接点を位置合わせすることができ、そのウィンドウを通して物理的な気相蒸着又は他のメッキ工程が生じ得る。第1のドラム上のウィンドウは、第2のドラム上のウィンドウにより回転中に変化する開口を有することができ、第2のドラムは第1のドラムの内側にある。以下の図に例を示している。
図23は、本発明のある実施形態による接点をメッキする際に使用できるデュアルドラムを示している。この例では、外側ドラム2310が、外側縁部の周りに多数のウィンドウ2320を有することができる。(図27に示すような)キャリア上の接点を各ウィンドウ2320に位置合わせすることができる。外側ドラム2310は回転することができ、メッキ層を接点上に形成することができる。各ウィンドウ2320の開口は、回転中に変化することができ、第2の内側ドラム(示していない)上のウィンドウ2330により調整することができ、ここで、内側ドラムは、外側ドラム2310よりも高速で回転する。回転中の開口の変化によって、接点のうち、より長い期間露出する部分が、より多くのメッキを受けることができる。この開口の変化の例を以下の図に示している。
図24は、図23のデュアルドラムのメッキウィンドウの開口を示している。(図27に示すような)キャリア上の接点を外側ドラム2310上の各ウィンドウ2320に位置合わせすることができる。内側ドラム上のウィンドウ2330を外側ドラム上のウィンドウ2320に位置合わせすると、開口が完全に開き、接点全体(又は接点の全体部分)をメッキすることができる。内側ドラムが外側ドラム2310に対して回転するにつれて、内側ドラム上のウィンドウ2330同士の間の遮断部分2410が徐々にウィンドウ2320をブロックすることができる。この図では、この狭くなる開口を2321及び2322として示すことができる。このデュアルドラム装置を用いてメッキできる接点の例を以下の図に示している。
図25は、本発明のある実施形態によりメッキできる接点を示している。接点1910は、対応するコネクタ内の接点と係合する高磨耗接触部分2510を有することができる。接点1910は、低応力ビーム部分2510と、高応力ビーム部分2530と、プリント回路基板上若しくは他の適当な基材上の対応する接点(示していない)に係合するための表面実装若しくは貫通孔接触部分等の接触部分2540とを有することができる。よって、接点1910は、磨耗を防ぐために高磨耗接触部分2510でより厚く、ひび割れを避けるために高応力ビーム部分2530でより薄い、硬質層を有することができる。ひび割れは、水分浸透、よって腐食の経路として作用し得る。
接点1910等の接点をコネクタレセプタクル内、コネクタインサート内、又はコネクタシステムの何処かに位置することができる。
例えば、銅のシート若しくはストリップ、又は貴金属合金のストリップの側部に溶接された銅のストリップを含むストリップ、又はここに示す例のいずれかに示すようなものから、接点1910用の基材をスタンピングすることができる。接点表面にノジュール又はノードを残す場合があるが、スタンピングバリを除去するために電解研磨又は化学研磨工程を用いることができる。再び、本発明の各種の実施形態において、この接点1910をメッキすることができる。以下の図に例を示している。
図26は、本発明のある実施形態によるメッキ層を示している。この例では、メッキ積層体2610が4つの層を含むことができるが、本発明の各種の実施形態では、4つ未満又は4つ超の層が存在してもよい。表面平坦化をもたらすための第1のメッキ層2620を基材にメッキすることができる。この第1のメッキ層2620は、銅、又は、金、ニッケル、スズ、スズ銅、硬質金、若しくは金コバルト、又は他の材料等の他の材料とすることができ、スタンピングされた基材の表面を平坦化するために、第1のメッキ層2620を接点基材の上にメッキすることができる。本発明のこれらの他の実施形態では、第1のメッキ層2620は十分である場合があり、電解研磨工程を省略することができる。この第1のメッキ層2620は、その隣接基材と第2のメッキ層2630との間の付着をもたらすこともできる。第1のメッキ層2620は、0.5〜1.0マイクロメートル、1.0〜3.0マイクロメートル、3.0〜5.0マイクロメートル、若しくは5.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。
耐食性をもたらすための第2のメッキ層2630を第1のメッキ層2620の上にメッキすることができる。第2のメッキ層2630は、接点の表面への色漏れを防ぐためのバリア層として作用することができ、この点をふまえて、第2のメッキ層2630に用いる材料を選ぶことができる。この第2のメッキ層2630をパラジウム、又は、ニッケル、スズ−銅、若しくは銀等の他の材料で形成することができる。パラジウム又は他の材料の使用によって、ロジウムルテニウム、ロジウム、又は他の材料の上部プレート2650よりも正電荷を帯び易い第2のメッキ層2630を提供することができる。これによって、上部プレートを犠牲層として作用させ、それにより、下にあるパラジウムを保護することができる。この層をその上の第3のメッキ層2640よりも幾分硬質とすることができ、接続中に圧力に晒されるときに第2のメッキ層2630の上方の層のひび割れを防ぐことができる。第2のメッキ層2630は、接点の長さに沿って厚さを変化させることができる。例えば、第2のメッキ層2630は、0.1〜0.2マイクロメートル、0.2〜0.3マイクロメートル、0.3〜0.5マイクロメートル、0.3〜1.5マイクロメートル、1.0〜1.5マイクロメートル、若しくは1.5マイクロメートル超により変化することができ、又は異なる厚さ範囲の厚さを接点の長さに沿って有することができる。第2のメッキ層2630を高磨耗接触部分の近くでより厚くすることができ、高磨耗領域から離れたところで薄くすることができる。これによって、接触部分2510の上に、磨耗に耐えるためのより厚い硬質層を提供し、(図25に示すような)接点1910の高応力ビーム部分2530の上に、ひび割れを避けるためのより薄い硬質層を提供することができる。
第2のメッキ層2630と上部プレート2650との間の付着層として作用するための第3のメッキ層2640を、第2のメッキ層2630の上にメッキすることができる。第3のメッキ層2640は、金、又は、銅、ニッケル、スズ、スズ銅、硬質金、若しくは金コバルト等の他の材料とすることができる。第3のメッキ層は、平坦化効果をもたらすこともできる。第3のメッキ層2640は、0.02〜0.05マイクロメートル、0.05〜0.15マイクロメートル、0.15〜0.30マイクロメートル、若しくは0.30マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを接点の長さに沿って有することができる。
上部プレート2650を第3のメッキ層の上に形成することができる。上部プレート2650は、高耐食性及び高耐磨耗性とすることができる。この上部プレート2650は、ひび割れのリスクを下げるために、(図25に示すような)接点1910の高応力ビーム部分2930で薄くすることができる。上部プレート2650は、接点を収容する電子機器上の接点が第2の電子機器上の対応する接点に係合されるときのための、(図25に示すような)接点1910の接触部分2510のための耐久性のある接触面を提供するために、より厚くすることができる。本発明の各種の実施形態では、上部プレート2650は、100未満、100〜200、200〜300、300超のビッカース硬度、又は別の範囲内の硬度を有することができる。ロジウムルテニウム、暗色ロジウム、暗色ルテニウム、金銅、又は他の代替物を用いて上部プレート2650を形成することができる。ロジウムルテニウム又はロジウムの使用によって、酸素生成を促すことができ、その腐食を減らせる。ロジウムの割合は、85〜100質量パーセントとすることができ、例えば、95又は99質量パーセントとすることができ、ここで、残りの材料の大部分又は全てがルテニウムである。その色、磨耗、硬度、導電性、耐擦傷性、又は他の特性により、この材料を選ぶことができる。上部プレート2650は、0.3マイクロメートル未満、0.3〜0.55マイクロメートル、0.3〜1.0マイクロメートル、0.75〜1.0マイクロメートル、1.0マイクロメートル超の厚さを有することができ、又は異なる厚さ範囲内の厚さを有することができる。再び、(図25に示すような)接点1910の表面実装又は貫通孔接触部分から上部プレート2650を省略することができる。
図27は、本発明のある実施形態による多数の接点及びキャリアを示している。この例では、多数の接点1910をキャリア2710に取り付けることができる。ロール方向を矢印2720により示すことができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、磨耗及び腐食を防ぐために他の層を接点に形成することができる。以下の図に例を示している。
図28は、本発明のある実施形態による、プラスチック、レジン、又は他の材料で部分的にメッキされた接点を示している。この例では、電気泳動溶着(ED)又は他の適当な方法を用いてプラスチック絶縁層又はコーティング2850を形成することができる。この層又はコーティング2850は、腐食を防ぐために接点1910の一部分、主にビーム2810を覆うことができる。接点1910の接触部分2820は、対応するコネクタ内の接点との電気接続を形成できるように、露出したままにすることができる。また、表面実装2830又は貫通孔接触部分(示していない)は、基板又は他の適当な基材の対応する接点にはんだ付けできるように、露出したままにすることができる。
図29は、本発明のある実施形態による、プラスチック、レジン、又は他の材料で部分的にメッキされた接点を含むコネクタレセプタクルを示している。このコネクタは、ハウジング2970により支持された多数の接点1910を含むことができる。ハウジング2970は、コネクタインサート(示していない)を受け入れるための前面開口2972を含むことができ、上部シールド2980及び下部シールド2982により少なくとも部分的に囲まれることができる。側部接地接点2960は、コネクタインサートがコネクタレセプタクルに挿入されるときに、コネクタインサートのシールドに接触することができる。
各接点1910は、ビーム2910、接触部分若しくはエリア2920、表面実装接触部分2830、及び機械的安定化部分2940を含むことができる。接触部分又はエリア2920は、コネクタインサートがコネクタレセプタクルに挿入されるときに、対応するコネクタインサート内の接点に係合することができる。基板のトレース及び平面への電気接続を形成するために、表面実装接触部分2830をフレキシブル若しくはプリント回路基板又は他の適当な基材にはんだ付けすることができる。コネクタレセプタクルの所定の位置に接点1910を固定するために、機械的安定化部分2940をハウジング2970に成形し、又はハウジング2970に挿入することができる。
ビーム2910は、コネクタインサートがコネクタレセプタクルに挿入されるときに、撓むことができる。この撓みによって、ビームが腐食によるひび割れを生じ易くなる場合がある。この効果は、応力腐食割れと呼ばれる場合がある。同様に、腐食の影響は、この撓みによりビームにおいてより酷くなる場合がある。つまり、機械的安定化部分2940に近いビーム2910の基部の基部において、多くの腐食が存在する又は腐食の影響を受け易くなる場合があり、そのため、僅かな腐食により接点1910が破壊又は損傷する場合がある。一部の接点では、ビーム2910の基部をメッキすることによって、ひび割れ及び疲労が生じる場合があり、腐食を加速させる場合がある。
よって、本発明のこれら及び他の実施形態は、ビーム部分2910を腐食から保護するEDコーティング2950を形成するために、電気泳動溶着(ED)又は他の適当な方法を用いることができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、コーティングを導電性又は部分的に導電性とし得るが、この電気泳動溶着は、非導電性コーティングを形成することができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、使用する電気泳動溶着処理は、電気被覆、陰極若しくは陽極電気溶着、電気プラスチック溶着、電気溶着、電気泳動被覆、電気泳動塗装、又は他の適当な処理とすることができる。
接点1910を各種の方法で形成することができる。例えば、接点1910は、接触エリア2920及び表面実装接触部分2930の一方又は両方をマスキング層により覆われてもよい。マスキング層は、ワックス、パラフィン、又は他の材料とすることができる。インクジェット、ローラ、パッド、若しくは他の塗布器などを用いたプリンティング、又は他の方法により、この材料を機械的に塗布することができる。
次いで接点1910をEDコーティング2950で覆うことができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、コーティング材料は、アクリルレジン、プラスチック、又は他の材料とすることができる。アクリルレジン、又は他の材料を、エーテル及びアルコールのいずれか若しくは両方又は他の揮発性溶剤と混合することができる。例えば、コーティング材料は、アルコール、ブタノール、エタリン(ethaline)、グリコール、モノブチルその他の揮発性溶剤と混合されたアクリルレジンとすることができる。エーテル及びアルコールは、塗布前にレジンが液状であることを可能にすることができる。接点1910をこの槽内に高電圧、例えば20〜100ボルトで配置することができる。電圧によって、レジンイオンを接点1910に引き付けることができ、レジンは、接点1910にEDコーティング2950を形成することができる。
EDコーティング2950を適用した後、マスキング層を除去することができる。例えば、マスキング層がワックスである場合に、マスキング層を温水を用いて除去することができる。これによって、接点1910上のEDコーティング2950の固化を促すこともできる。
上の図21に示したように、本発明の一部の実施形態では、接点1910の先端を貴金属合金で形成することができる。この例では、接点エリア2920(及び図28の2820)を貴金属合金で形成することができ、一方、ビームがEDコーティング2950で覆われるので、他の材料を用いてビーム2910を形成することができる。レジン又は他のコーティング2950の使用によって、材料の混合物を使用することができる。例えば、結果として脆いビーム2910を有することなく、硬質の貴金属合金又は他の材料を接点エリア2920のために用いることができる。これによって、より柔軟かつ脆くない材料でビーム2910を形成することができる。それ以上に、上の図25に示した傾斜コーティング技術を用いることもできる。
接触エリア2920が貴金属合金で形成される場合に、その大きさを小さくすることにより資源を節約することが望ましい場合がある。これによって、マスキング層のより正確な塗布が必要となる場合がある。よって、本発明のこれら及び他の実施形態では、インクジェット、ローラ、パッド、又は他の塗布器などを用いたプリンティングによりマスキング層を形成することができる。本発明のこれら及び他の実施形態は、3Dプリンティングを用いて形成される接点を提供することができる。使用する貴金属合金は、ここの例のものと同じ又は同様とし、本発明の他の実施形態に適合することができる。
接点1910及びこれらの例の他の接点等の接点を、各種の材料で形成することができる。例えば、ビーム及び他の接触部分を銅又は他の材料で形成することができる。図4、図9、図22、及び図26に示したもの等の各種の層でビーム及び他の部分をメッキすることができる。
本発明のこれら及び他の実施形態の各種の方法で、接点1910等の接点を形成することができる。以下の図に例を示している。
図30は、本発明のある実施形態による、プラスチック、レジン、又は他の材料で部分的にメッキされた接点を製造する方法を示している。行為3010では、接点1910等の接点及びキャリアを形成することができる。接点及びそのキャリアは、スタンピング、鋳造、成形、金属射出成形、3Dプリンティング、又は、他の製造処理、例えば、図21に示した処理、若しくはここに示すか、そうでなければ本発明の実施形態に適合する他の任意の処理により、形成することができる。例えば、図4、図9、図22、及び図26に示したような層を用いて、接点をメッキすることができる。行為3020では、接点エリア2920等の接点エリアにマスキング層を塗布することができる。表面実装接触部分2930等の他の領域をマスクすることもできる。インクジェット、ローラ、パッド、若しくは他の塗布器等を用いたプリンティング、又は他の方法により、このマスキング層を機械的に塗布することができる。ワックス、パラフィン、又は他の材料でマスキング層を形成することができる。
行為3030では、電気泳動溶着又は他の適当な方法を用いてEDコーティング2950等の電気泳動コーティングを、接点に適用することができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、使用する電気泳動溶着処理は、電気被覆、陰極若しくは陽極電気溶着、電気プラスチック溶着、電気溶着、電気泳動被覆、電気泳動コーティング、又は他の適当な処理とすることができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、コーティング材料は、アクリルレジン、プラスチック、又は他の材料とすることができる。アクリルレジン又は他の材料をエーテル及びアルコールのいずれか又は両方と混合することができる。例えば、コーティング材料は、アルコール、ブタノール、エタリン、グリコール、モノブチルその他等の揮発性溶剤と混合されたアクリルレジンとすることができる。エーテル及びアルコールによって、コーティング材料が液状であることを可能にすることができる。接点1910等の接点を、この槽内に高電圧、例えば20〜100ボルトで配置することができる。電圧によって、レジンイオンを接点に引き付けることができ、レジンによって、EDコーティング2950を接点に形成することができる。
行為3030でEDコーティングを適用した後、行為3040でマスキング層を除去することができる。例えば、マスキング層がワックスである場合に、マスキング層を温水を用いて除去することができる。これによって、接点上のEDコーティングの固化を促すことができる。行為3050ではキャリアを除去することができる。次いで、上の図29に示したコネクタレセプタクル等のコネクタレセプタクルに、接点1910等の接点を挿入することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態は、コネクタ内の接点用の基材として各種の材料を用いることにより腐食の速度を下げることができる。腐食性の電圧印加電気化学操作において寸法的に安定した陽極を提供できる材料から基材材料を選択することができる。例えばメッキにより、腐食性の用途に際しても安定した触媒活性材料で基材の上部を被覆することができる。つまり、本発明は、接点コーティング材料と組み合わされて、高電圧腐食環境でも安定し得る接点をコネクタ内に形成する寸法的に安定した陽極を提供する基材材料を用いることができる。
これらの寸法的に安定した陽極材料は、銅よりも高くなり得る電気抵抗を有する場合がある。これによって、これらの材料は、通常、電気接点用の候補としては劣る場合がある。しかし、接点基材の寸法が小さい場合に、絶対抵抗の増加を制限することができ、腐食特性の改良によって、抵抗の増加を正当化するのに十分なほど大きな利益をもたらす。
本発明のこれら及び他の実施形態では、チタン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、タングステン、又は他の寸法的に安定した陽極材料を基材に用いることができる。これらの材料を用いて合金化することにより、電圧印加電気化学抵抗性に負の影響を与えずに、機械的特性を変更することもできる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、コーティング材料は、白金、金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、及びパラジウムを含むことができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、これらの接点コーティング及び基材材料の酸化物を用いることができる。選択される材料の多くは、高腐食環境にも耐え得る安定した酸化物を形成する。これらは、二酸化チタン、酸化ルテニウム、及び酸化パラジウムを含むことができる。本発明のこれら及び他の実施形態では、接点コーティング材料を基材材料として用いることができる。これらの材料を用いるとき、接点の表面に追加のコーティングを用いることができる。
本発明の特定の実施形態では、コネクタに用いる接点をニオブ基材で形成することができる。初めに白金層、続いて金中間層、次いでロジウム/ルテニウム合金の上部接点層でのメッキにより基材を被覆することができる。
本発明のこれら及び他の実施形態では、コネクタの非係合部分を密閉されたエポキシ等の耐液性材料中に封入することができ、腐食性材料は、コネクタを越えて、耐食性コネクタの後方にある銅等の腐食性材料に進むことができない。
接点220、222、820、及び1910等の幾つかの接点を特定の文脈で示している。本発明の各種の実施形態では、これらの接点を他の文脈で用いることができる。例えば、接点は、機器筐体の表面、コネクタインサート内、コネクタインサート上、コネクタレセプタクル内、又は別の接触構造内若しくは別の接触構造上に位置することができる。また、これらの接点を特定の形状を有するものとして示しているが、これらの形状は、本発明のこれら及び他の実施形態で変えることができる。
銅又は、銅と貴金属合金との何らかの組み合わせから接点をスタンピングする等、接点を形成する幾つかの方法をここに示している。また、接点用の各種のフォームファクタで、幾つかのメッキ積層体及びメッキ方法を示している。本発明の各種の実施形態では、各種のフォームファクタのこれらの接点のそれぞれを、銅、銅と貴金属合金との何らかの組み合わせ、若しくは他の材料で形成することができ、又は、ここに示す各種の積層体の1つ以上でメッキすることができる。例えば、メッキ積層体430、930、2210、2610の1つ以上、又は本発明のある実施形態による他のメッキ積層体を用いて、接点220等の接点をメッキすることができる。メッキ積層体430、930、2210、2610の1つ以上、又は本発明のある実施形態による他のメッキ積層体を用いて、接点222等の接点をメッキすることができる。メッキ積層体430、930、2210、2610の1つ以上、又は本発明のある実施形態による他のメッキ積層体を用いて、接点820等の接点をメッキすることができる。メッキ積層体430、930、2210、2610の1つ以上、又は本発明のある実施形態による他のメッキ積層体を用いて、接点1910等の接点をメッキすることができる。メッキ積層体430、930、2210、2610の1つ以上、又は本発明のある実施形態による他のメッキ積層体を用いて、他の接点をメッキすることができる。
本発明の実施形態は、接点構造及びそれらの製造方法によく適しているが、本発明のこれら及び他の実施形態を用いて他の構造の耐食性を改良することができる。例えば、電子機器のケース及び筐体、コネクタハウジング及びシールド、バッテリ端子、磁気要素、計測及び医療機器、センサ、ファスナ、ウェアラブルコンピューティング機器のクリップ及びバンド等の各種の部分、ベアリング、ギア、チェーン、ツール、又はこれらのいずれかの部分を、ここに記述するような、そうでなければ本発明の実施形態により提供されるような貴金属合金及びメッキ層で覆うことができる。これらの構造用の貴金属合金及びメッキ層を、ここに記述するように、そうでなければ本発明の実施形態により提供されるように、形成又は製造することができる。例えば、ファスナ、コネクタ、スピーカ、レシーバ磁石、レシーバ磁石アセンブリ、マイク、及び他の機器用の磁石及び他の構造は、ここに示すもの及び本発明の他の実施形態で示すもの等の構造及び方法により改良された、それらの耐食性を有することができる。
上記の接点を含む、本発明のこれら及び他の実施形態では、内部構造の腐食を防ぐためのバリア層等の他の層を含むことができる。例えば、クラッド層又はメッキ層により磁石又は他の内部構造を腐食から保護するために、亜鉛バリア層等のバリア層を用いることができる。他の層の溶着速度を改良し、それにより製造処理を改良するために、触媒層を用いることができる。これらの触媒層をパラジウム又は他の材料で形成することができる。上記の接点を含む、本発明のこれら及び他の実施形態では、銅で形成される等の応力分離層を含むこともできる。他の擦傷保護層、不活性化層、及び耐食性層を含むこともできる。
本発明の各種の実施形態では、接点及びそれらのコネクタアセンブリの構成要素を各種の方法によって各種の材料で形成することができる。例えば、接点及び他の導電性部分を、スタンピング、金属射出成形、機械加工、マイクロ機械加工、3Dプリンティング、又は他の製造処理により形成することができる。導電性部分は、ステンレス鋼、鋼、銅、銅チタン、リン青銅、パラジウム、パラジウム銀、若しくは他の材料又は材料の組み合わせで形成することができる。これらをニッケル、金、又は他の材料でメッキ又は被覆することができる。射出若しくは他の成形、3Dプリンティング、機械加工、又は他の製造処理を用いて、ハウジング及び他の部分等の非導電性部分を形成することができる。シリコン、シリコーン、マイラ、マイラテープ、ゴム、硬質ゴム、プラスチック、ナイロン、エラストマ、液晶ポリマ(LCP)、セラミック、若しくは他の非導電性材料、又は材料の組み合わせで非導電性部分を形成することができる。
本発明の実施形態は、ポータブルコンピューティング機器、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、オールインワンコンピュータ、ウェアラブルコンピューティング機器、携帯電話、スマートフォン、メディアフォン、記憶装置、キーボード、カバー、ケース、ポータブルメディアプレイヤ、ナビゲーションシステム、モニタ、電源、アダプタ、リモコン機器、充電器、及び他の機器等の各種の機器内に配置でき、各種の機器に接続できる接点及びそれらのコネクタアセンブリを提供することができる。これらの接点及びそれらのコネクタアセンブリは、ユニバーサルシリアルバス(USB)、高精細度マルチメディアインターフェース(HDMI)、デジタルビジュアルインターフェース(DVI)、イーサネット、ディスプレイポート、Thunderbolt、Lightning、Joint Test Action Group(JTAG)、テストアクセスポート(TAP)、誘導型自動ランダムテスト(DART)、汎用非同期送受信回路(UART)等の各種の規格に準拠する信号、クロック信号、電力信号、並びに開発された、開発中の、又は将来的に開発される、及び、他の種類の規格化、非標準、及び独占権下にあるインターフェース、及びそれらの組み合わせのための経路を提供することができる。本発明の各種の実施形態では、これらのコネクタにより提供されるこれらのインターコネクトパスを用いることによって、電力、接地、信号、テストポイント、及び他の電圧、電流、データ、若しくは他の情報を伝達することができる。
本発明の実施形態の上記の説明は、例示及び説明を目的として提示されている。本発明の実施形態の上記の説明は、本発明を網羅すること、又は記述した通りの厳密な形態に限定することを意図するものではなく、上記の教示に照らして多くの改良及び変形が可能である。本発明の原理及びその実際的な応用を最良の形で説明し、それによって他の当業者が種々の実施形態で、及び想到される特定の用途に好適な種々の改良と共に本発明を最良な形で利用することを可能とするために、これらの実施形態を選択し説明した。それゆえ、本発明は、以下の請求項の範囲内での、全ての変形例及び均等物を包含することを意図するものであることが理解されるであろう。