JP3188360B2 - 紐止め具とその成形金型 - Google Patents

紐止め具とその成形金型

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JP3188360B2
JP3188360B2 JP12378294A JP12378294A JP3188360B2 JP 3188360 B2 JP3188360 B2 JP 3188360B2 JP 12378294 A JP12378294 A JP 12378294A JP 12378294 A JP12378294 A JP 12378294A JP 3188360 B2 JP3188360 B2 JP 3188360B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テント、リュックサッ
ク、ヤッケ等の締結用の紐やリボンを所望の締結位置に
て固定するための紐止め具と、その成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の紐止め具は一般に部品点数が多
く、これらの部品を組み合わせて一個の紐止め具を完成
させている。しかも、各部品は別工程にて製造され、紐
止め具として組み立てるものであり、工程数の増加と共
に煩雑な組立て作業を必要としている。
【0003】こうした実情を踏まえて、部品点数を少な
くすると共に、煩雑な組立て作業を必要としない合成樹
脂製の紐止め具が、例えば実公平5−40731号公報
に開示されているように既に開発されている。この紐止
め具は、ソケットの内部に弾性プレートを一体に成形す
ると共に、プラグのソケットに挿入される部分の前後面
を傾斜面として楔状に形成し、プラグをソケットに挿入
したとき、前記弾性プレートの上端部が前記傾斜面に弾
接し、前記プラグを上方に付勢して、紐の係着固定を図
るものである。このように、先に開発された前記紐止め
具は部品点数が2点に過ぎず、格別の組立て作業を要し
ない点で、一般のこの種紐止め具と比較して有利な構造
を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、前述の紐止
め具におけるソケットは、前後壁面に紐挿通用の開口部
を有すると共に、左右に側壁を有するボックス状をなし
ており、同ソケットとプラグとを同一の金型によって同
時に成形することは不可能である。そのため、ソケット
とプラグは、それぞれ別個に成形され、両者を改めて組
付ける必要がある。このことは、成形工程が複数である
ことと、簡単ではあるが組立て工程を必要とすることを
意味し、ソケットとプラグの在庫点数などを管理する必
要があることをも意味している。
【0005】本発明は、かかる不具合をなくし、別個の
成形工程を不要とすると共に、組立て工程をも排除し、
しかもプラグがソケットから不用意に抜け落ちることの
ない構成を備えた紐止め具とその成形金型を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するため、前後壁部に紐を挿通する紐挿通口を有す
るソケットの内部に、前記紐挿通口に整合する貫通孔を
有するプラグを収納し、前記紐挿通口及び貫通孔に挿通
した紐を、該プラグに対する抜出方向の付勢により係着
固定するようにした合成樹脂製の紐止め具において、前
記プラグのソケット挿入部は前後面の少なくとも一表面
が下方に向けて肉薄となる傾斜面を有する楔状をなして
おり、同ソケット収納部の左右側面に上方に傾斜して突
出する抜け止片を有し、前記ソケットは左右側壁に開口
を有すると共に、ソケットの内部空間の底面から一体に
立ち上がり、その先端で前記ソケット挿入部の傾斜面を
弾性的に押圧する弾性プレートを有しており、同弾性プ
レートの立上り基端が前記紐挿通口の底辺とほぼ一致し
てなることを特徴とする構成を備えている。
【0007】そして、好適には前記楔状ソケット挿入部
の傾斜面の上端中央から下端にかけて案内リブを有する
と共に、同ソケット収納部の下端縁に沿ってフランジを
有し、前記弾性プレートの先端部に前記案内リブが係着
する係着溝を有すると共に前記フランジに当接する当接
面を有してなり、また前記弾性プレートが間隙を前後に
有する2枚から構成される。
【0008】また本発明が、前後壁部に紐を挿通する紐
挿通口を有するソケットと、その内部に収納される前記
紐挿通口に整合する貫通孔を有するプラグとからなり、
前記紐挿通口及び貫通孔に挿通した紐が該プラグの抜出
方向の付勢により係着固定される合成樹脂製紐止め具の
成形金型であって、固定型及び同固定型に向けて進退す
る可動型からなる主金型と、該主金型の左右側部に相対
して配設され、前記固定型及び可動型の間に形成される
成形空間に対して挿脱する左右のスライド型からなるス
ライド金型とを備え、前記主金型及びスライド金型は、
前記ソケット及びプラグの成形空間を形成するための対
応する成形面を有してなり、前記主金型には、その成形
空間に連通する第1ゲートと、前記スライド金型の摺接
嵌合部と、同摺接嵌合部の一部に形成され、前記スライ
ド金型の上端面との間に上記ソケットの左右開口の上枠
部を成形する上枠成形空間とを有し、前記スライド金型
には、上記プラグのソケットに挿入する部分を成形する
ソケット挿入部成形空間を有しており、前記ソケット挿
入部成形空間の左右側面上部と前記主金型の上枠成形空
間とがスライド金型に形成される上向き傾斜の第2ゲー
トを介して連通されてなることを特徴とする成形金型を
主要な構成を備えていることにより、上述の種々の目的
が達成される。
【0009】そして、その好適な態様として、前記主金
型とスライド金型とにより形成される成形空間におい
て、前記ソケット挿入部成形空間をスライド金型により
形成され、その前後面は下方で交差する楔状の傾斜面と
されており、同傾斜面を上端部で弾性的に押圧すると共
に、ソケットの底面から立ち上がる弾性プレートの成形
空間が主金型とスライド金型との間に形成され、また前
記スライド金型の傾斜面の上端中央から下端にかけて直
線状の案内リブ成形空間が形成されており、前記弾性プ
レートの成形空間の前記案内リブ成形空間に対応する同
一直線上には同案内リブが嵌合する直線状の嵌合溝成形
空間が形成される。
【0010】
【作用】上述の構成をもつ本発明の紐止め具を使用する
にあたっては、プラグのソケット挿入部をソケットの上
方から押し込み、楔状のソケット挿入部を弾性プレート
による側面からの弾力に抗して押し下げ、その傾斜面に
より弾性プレートをその基端部から外方に弾性変形させ
て押し開きながら、プラグの上端に形成されたフランジ
がソケットの上端に当接するまで下降させる。このと
き、好適にはプラグに形成された案内リブがソケットの
係着案内溝に係着案内されるようにして、プラグのガタ
ツキを防止する。この状態において、ソケットの前後紐
挿通口はプラグの貫通孔と合致し、紐に沿って紐止め具
を摺動させることを可能にする。紐止め具を紐に沿って
移動させ、締結を必要をする所望の位置にてプラグの押
下げ力を解除すると、プラグはソケットの弾性プレート
の弾性復帰力によってプラグの傾斜面を押圧してプラグ
を上方に移動させ、ソケットの紐挿通口及びプラグの貫
通孔により紐が捕捉され、紐を所望の位置で紐止め具に
より締結固定する。
【0011】ここで特筆すべき点は、成形完了時におい
て製品が成形機から取り出されるときに、プラグに成形
される上記抜け止片の先端がソケットの上枠部の下面に
当接した状態にあるため、同プラグがソケットから抜け
落ちることがなく、このことは紐止め具の使用時におい
て何らかの都合で紐が抜けてしまったとしても、ソケッ
トからプラグが抜け落ちることを防止することをも意味
する。
【0012】次に、本発明の成形金型により上記紐止め
具を成形する場合の手順を説明すると、前回の型開がな
されて、成形された紐止め具が型内から取り出される
と、まず可動型が固定型に向けて移動して型閉がなされ
る。次いで、左右のスライド型が作動して主金型の内部
を接近するまで摺動し、完全な型閉がなされる。型閉が
なされると、射出部が移動して溶融した射出材料を同ノ
ズル部から金型内に射出する。ここで、型締めがなされ
るが、このとき射出された溶融材料はランナーを通って
第1ゲートに達し、同第1ゲートから主金型及びスライ
ド金型によって形成される紐止め具の各部成形空間内に
流入し、ソケット及びプラグを同時に成形する。
【0013】即ち、第1ゲートから流入する溶融材料
は、まずプラグの各部成形空間を充填すると共に、スラ
イド金型のソケット挿入部の成形空間に流入した溶融材
料が第2ゲートを介してソケット上枠の成形空間に入
り、前記ソケット挿入部の成形空間から順次ソケットの
各成形空間に行き渡り充填される。全ての成形空間に充
填された溶融材料の冷却を待って、まず左右のスライド
型が後退したのち、可動型が移動を開始して型開がなさ
れる。このとき、主金型とスライド金型との間を連結し
ている第2ゲート内に成形された抜け止片は、その先端
とソケット上枠部との接続部で容易に切り離される。次
いで、可動型に付着して移動する成形品である紐止め具
は、エジェクトピンなどの成形品取出部により可動型か
ら取り出されて製品収容部に収容される。
【0014】なお、上述の成形操作の手順は一例を示す
ものであり、例えば可動型及び左右のスライド型の全て
が、固定型に対して型閉動作及び型開動作を同時に連動
させるようにすることも可能であり、必ずしも上記操作
手順に限定されるものではない。
【0015】こうして、本発明の上述の構成をもつ紐止
め具は、プラグのソケット挿入部をソケットの内部に挿
入した状態で、且つその抜け止片がソケットから切り離
されて、上枠部の下面に当接した状態で同時に成形され
る。同時に成形された本発明の紐止め具は、改めて組み
立てる必要がなく、しかも既述したような簡単な操作で
紐止め具としての機能を十分に果たすばかりでなく、成
形時にソケットとプラグとを連結して同時成形を可能と
するゲート成形部分を、プラグが妄りにソケットから抜
け出ないようにする抜け止片として活用する極めて合理
的な構造を備えている。
【0016】
【実施例】以下、本発明の代表的な実施例である紐止め
具とその成形金型を図面に基づいて説明する。図1は本
発明の成形金型によりソケットとプラグが同時成形され
たときの型開時における主要部を上方から見た斜視図で
ある。また、図2及び図3は同金型により同時成形され
る本発明のソケットとプラグの代表的な構造例を示して
いる。
【0017】本発明の紐止め具はアセタール樹脂等の熱
可塑性合成樹脂を成形して得られるソケットとプラグの
2部材からなり、図1に示すごとく本発明の単一金型に
より同時に成形される。先ず、図示実施例の紐止め具に
ついて図2〜図4を参照しながら具体的に説明する。こ
れらの図に示すソケット1とプラグ2との組合せ形態
は、図1に示すごとく成形直後の形態と同じである。
【0018】図示例によれば、ソケット1は、矩形状を
なす底部11の四隅から直立する4本の略方形断面をも
つ縦枠部12、並びに同縦枠部12の上端間を連結する
略方形断面をもつ上枠部13から構成されたボックス状
のソケット本体10と、同ソケット本体10の前記底部
11の中央部からその長辺に平行に立設された前後(図
3の左右)一対の弾性プレート14とを備えている。従
って、前記ソケット本体10の前後及び左右(図2の左
右)には、それぞれ開口が形成されていることになり、
それらの開口のうち前後に形成される開口は本発明の紐
挿通口15に相当する。そして、前記弾性プレート14
の高さは、前記紐挿通口15の上辺と弾性プレート14
の上端との間に紐を挿通するに十分な間隔をもつように
設定されている。
【0019】また、前記開口のうち左右の開口は、後に
詳述する本発明の成形金型による成形時において、その
スライド金型5がソケット本体成形空間内に挿入される
ことにより必然的に形成される開口16である。更に、
ソケット本体10の底部上面から立ち上がる前記弾性プ
レート14の立上り基端は、同弾性プレート14が後述
する本発明の主金型3及び前記スライド金型5により成
形されるため、少なくとも前記基端の前後外端縁が前記
紐挿通口15の下辺位置とほぼ同一位置となる。そし
て、本実施例では前後2枚を配した前記弾性プレート1
4の上端部には互いに接近する方向に突出する押圧片1
4aを有している。
【0020】上記プラグ2は、図2及び図3に示すごと
く上端にフランジ21をもち、ボックス状の上記ソケッ
ト1の内部空間に嵌合可能な矩形断面をもつプラグ本体
20と、同プラグ本体20の下方に延設されたソケット
挿入部22とを有している。同ソケット挿入部22は、
その肉厚が下方に向けて漸次減少する前後面を傾斜面2
2aとする楔状をなしている。また、前記プラグ本体2
0の中央部にはソケット本体10の上記紐挿通口15に
整合する貫通孔23が形成されている。この貫通孔23
の底面中央部には同貫通孔23を横切るようにして断面
が3角形状の係止突条23aが突設されている。更に、
前記プラグ本体20の左右側面の上端寄りには、図1及
び図2に明示されているごとく本発明の最も重要な構成
部分をなす抜け止片24が斜め上方に向けて突出されて
いる。この抜け止片24は、その突端が上記ソケット1
の上枠部13の下面に衝接して、ソケット本体10から
プラグ2が抜け落ちることを防ぐ機能を有している。後
に詳述するが、かかる機能のほかにも、同抜け止片24
のもつ注目すべき点は、同抜け止片24が本発明の成形
金型内に形成されるプラグ成形空間とソケット成形空間
とを連結するゲート部をそのまま利用して成形される点
にある。
【0021】また図示例によれば、前記プラグ2のソケ
ット挿入部22には、ソケット1とのガタツキを防止す
べく、同ソケット挿入部22の上記傾斜面22aの上端
中央から下端にかけて直線状の案内リブ22bを突出形
成すると共に、同ソケット挿入部22の下端縁に沿って
フランジ22cを形成している。一方、ソケット1の上
記2枚の弾性プレート14の各上端縁には、前記案内リ
ブ22bを係着して案内する係着案内溝14bが同端縁
を横切るようにして形成されると共に、2枚の弾性プレ
ート14の相対する押圧片14aの対向面を前記フラン
ジ22cの前後面にそれぞれ当接する当接面14cを有
している。
【0022】上述のごとく構成された紐止め具の使用に
あたっては、プラグ2のソケット挿入部22をソケット
1の上方から押し込み、楔状のソケット挿入部22を2
枚の弾性プレート14の間に差し込んで押し下げ、その
傾斜面22aにより2枚の弾性プレート14をその基端
部から外方に弾性変形させて押し開きながら、プラグ2
の上端に形成されたフランジ21がソケット1の上端に
当接するまで下降させる。このとき、プラグ2はその案
内リブ22bがソケット1の係着案内溝14bに係着案
内されるためガタツクことがない。この状態において、
ソケット1の前後紐挿通口15はプラグ2の貫通孔23
と合致し、2本の紐Sに沿って紐止め具を摺動させるこ
とを可能にする。紐止め具を2本の紐Sに沿って移動さ
せ、締結を必要をする所望の位置にてプラグ2の押下げ
力を解除すると、プラグ2はソケット1の弾性プレート
14の弾性復帰力によってプラグ2の傾斜面22aを押
圧してプラグ2を上方に移動させ、図4に示すごとくソ
ケット1の紐挿通口15及びプラグ2の貫通孔23に挿
通された2本の紐Sが、ソケット1の上枠23とプラグ
貫通孔23の下端縁との間に挟持固定され、紐止め具に
より所望の位置で紐Sを締結固定する。このとき、図4
に示すごとく前記紐Sには貫通孔23の底面から上方に
向けて突設された係止突条23aが食い込んで、更に紐
Sに対する紐止め具の移動を強力に阻止する。
【0023】また、上記紐止め具の特筆すべき点は、成
形完了時において製品が成形機から取り出されるとき
に、プラグ2に成形される上記抜け止片24の先端がソ
ケット1の上枠部13の下面に当接状態にあるため、同
プラグ2がソケット1から抜け落ちることがなく、この
ことは紐止め具の使用時において何らかの都合で紐Sが
抜けてしまったとしても、ソケット1からプラグ2が抜
け落ちることを防止することをも意味する。
【0024】次に、上述の紐止め具を成形するための本
発明の成形金型について、その代表的な実施例を図1及
び図5を参照しながら具体的に説明する。図5は同実施
例金型の一部破断断面図である。本実施例に係る紐止め
具の成形金型は、上述の実施例に代表されるように、前
後壁部に紐Sを挿通する紐挿通口15を有するソケット
1と、その内部に挿入され、前記紐挿通口15に整合す
る貫通孔23を有するプラグ2とからなり、前記紐挿通
口15及び貫通孔23に挿通した紐Sが該プラグ2の抜
出方向の付勢により係着固定される合成樹脂製紐止め具
を同時成形するための成形金型である。
【0025】そして同成形金型は、図1及び図5に示す
ごとく固定型31及び同固定型31に向けて進退する可
動型32からなる主金型3と、該主金型3の左右側部
(図5の左右)に相対して配設され、前記固定型31及
び可動型32の間に形成される成形空間に対して挿脱す
る左右のスライド型51,52からなるスライド金型5
とを備え、前記主金型3及びスライド金型5は、前記ソ
ケット1及びプラグ2を成形するための成形空間を形成
するための、それぞれに対応する成形面を有している。
図示例の場合、固定型31及び可動型32と、左右のス
ライド型51,52との各成形面は、それぞれが鏡面対
称の関係にあるため、ここでは可動型32及び右スライ
ド型52を中心に説明することにする。なお、前記主金
型3及びスライド金型5の配置を、図示せぬ横型射出成
形機における金型配置としているが、縦型射出成形機に
おける配置、即ち固定型31と可動型32とを上下に水
平に配置すると共に両スライド型51,52を90°反
転させて配置することもできる。
【0026】前記主金型3は、プラグ本体20の成形空
間20Aに連通する第1ゲート33と、前記スライド金
型5の摺接嵌合部34と、スライド金型5との間でソケ
ット底部11を成形する底部成形空間11Aと、同じく
スライド金型5との間でソケット1の縦枠部12を成形
する縦枠形成空間12Aと、前記摺接嵌合部34の一部
に形成され、前記スライド金型5の上端面との間に上記
ソケット1の左右開口16の上枠部13を成形する上枠
成形空間13Aと、前後一対の弾性プレート14の外側
側面を成形する弾性プレート成形空間14Aとを有して
いる。また図示例によれば、前記弾性プレート成形空間
14Aの略中央部にプラグ2の上記案内リブ22bの一
部を成形するための突出部35を有すると共に、同突出
部35の先端面にはスライド金型5との間に前記案内リ
ブ22bの下端部を成形するための案内リブ成形空間3
5Aが形成されている。
【0027】前記スライド金型5は、前記主金型3と同
スライド金型5との間でソケット1の底部11、縦枠部
12及び上枠部13を成形する成形面と、前記主金型3
と共に上記プラグ2のソケット挿入部22を成形する略
楔状断面を有するソケット挿入部成形空間22Bと、同
じく主金型3の前記弾性プレート成形空間14Aとの間
に前後一対の弾性プレート14を成形する弾性プレート
成形空間14Bとを有している。更に、同スライド金型
5の前記ソケット挿入部成形空間22Bの中央には前記
ソケット挿入部22の中央に直線状に成形される案内リ
ブ22bの下端部を除く部分を成形するための直線状の
案内リブ成形溝35Bが形成されており、また弾性プレ
ート成形空間14Bの中央部上端縁には、主金型3の上
記突出部35が嵌合する嵌合空間35Cが形成されてい
る。
【0028】そして、前記スライド金型5には本発明の
最も特徴部とする抜け止片24の成形空間が形成されて
いる。この成形空間は、既述したごとく単に抜け止片2
4を成形するに止まらず、ソケット1とプラグ2とを同
時に成形するための湯道である第2ゲート36を構成し
ている。図5によれば、この第2ゲート36はサブマリ
ーンゲートであり、プラグ2のソケット挿入部22の成
形空間22Bの上部寄りとソケット1の上枠成形空間1
3Aの下面との間を連結している。なお、図示例によれ
ば同第2ゲート36は左右のスライド型51,52の双
方に、それぞれ前後2個一対が形成されているのみであ
るが、前記ソケット挿入部成形空間22Bの同第2ゲー
ト36を含む周囲に図示せぬ上方に広がる逆スカート部
を一体に成形するための図示せぬスカート部成形空間を
形成しておくことも可能である。
【0029】かかる構成を備えた図示例による成形金型
は、前記主金型3が常法に従って図示せぬ射出成形機の
固定側及び可動側の金板等を介して固定側取付板及び可
動側取付板に取り付けられると共に、スライド金型5も
常法に従って図示せぬ流体圧シリンダーに取り付けられ
る。前記固定側の金板には上記第1ゲート33に連通す
る図示せぬランナーやスプルーが形成されている。
【0030】次に、前述の射出成形機により紐止め具を
成形する手順を説明する。前回の型開がなされて、成形
された紐止め具が型内から取り出されると、まず可動型
32が固定型32に向けて移動して型閉がなされる。次
いで、左右のスライド型51,52が図示せぬ流体圧シ
リンダーにより作動されて、主金型3に形成された摺接
嵌合部34の内部を接近するまで摺動し、完全な型閉が
なされる。型閉がなされると、図示せぬ射出部が移動し
固定側取付板に形成されているロケートリング部にノズ
ル部を当接させる。ここで射出が行われ、図示せぬ射出
シリンダーの内部で混練溶融がなされた合成樹脂からな
る射出材料が同ノズル部から図示せぬスプルー内に射出
される。ここで、型締めがなされるが、このときスプル
ー内に射出された溶融材料は図示せぬランナーを通って
第1ゲート33に達し、同第1ゲート33から主金型3
及びスライド金型5によって形成される紐止め具の各部
成形空間内に流入し、ソケット1及びプラグ2を同時に
成形する。
【0031】このとき、第1ゲート33から流入する溶
融材料は、まずプラグ2の各部成形空間を充填すると共
に、スライド金型5のソケット挿入部成形空間22Bに
流入した溶融材料が第2ゲート36を介して上枠成形空
間13Aに入り、前記ソケット挿入部成形空間22Bか
ら順次ソケット1の各成形空間に行き渡り充填される。
全ての成形空間に充填された溶融材料の冷却を待って、
まず左右のスライド型51,52が後退したのち、可動
型32が移動を開始して型開がなされる。このとき、主
金型3とスライド金型5との間を連結している第2ゲー
ト36内に成形された抜け止片24は、その先端と上枠
部13との接続部で容易に切り離される。次いで、可動
型32に付着して移動する成形品である紐止め具は、図
示せぬエジェクトピンなどの成形品取出部が作動して、
同紐止め具を可動型32から取り出し図示せぬ収容部に
収容される。
【0032】このように本発明の上述の構成をもつ紐止
め具が、プラグ2のソケット挿入部22をソケット1の
内部に挿入した状態で、且つその抜け止片24がソケッ
ト1から切り離されて、上枠部13の下面に当接した状
態で同時に成形される。同時に成形された本発明の紐止
め具は、改めて組み立てる必要がなく、しかも既述した
ような簡単な操作で紐止め具としての機能を十分に果た
すばかりでなく、成形時にソケット1とプラグ2とを連
結して同時成形を可能とするゲート成形部分を、プラグ
2が妄りにソケット1から抜け出ないようにする抜け止
片として活用する極めて合理的な構造を備えている。
【0033】なお、本発明は上述のごとく多様な変形が
可能であり、その精神を逸脱しない限り上記実施例に限
定されるものではない。例えば、上記成形時における各
金型の動作は一例を挙げているに過ぎず、その成形手順
も多様な態様を採用することが可能である。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
の紐止め具はソケットとプラグとが組み立てられた状態
で同時に成形されるため、生産効率に優れるばかりでな
く、在庫管理等においても煩雑性が回避でき、しかも成
形時に必要なゲート部分を抜け止片として活用して、ソ
ケットからプラグが容易に抜け落ちないようにするた
め、成形金型に改めて抜け止片用の成形空間を形成する
必要もない、極めて有為な発明である。
【0035】また、本発明の紐止め具の成形金型によれ
ば、上述のごとくソケットとプラグとが組立て状態で同
時に成形されるばかりでなく、ソケットとプラグを連結
するゲート部分を抜け止片として活用するため、成形空
間の加工をを最小限に抑えることが可能となり、極めて
合理的な金型構造が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紐止め具例とその成形状態を示す分解
斜視図である。
【図2】成形時における紐止め具の正面図である。
【図3】図2におけるII-II 線の矢視断面図である。
【図4】同紐止め具の使用時の状態を示す断面図であ
る。
【図5】同紐止め具の成形時における金型の内部構造を
切開して示す本発明に係る成形金型の正面図である。
【符号の説明】
1 ソケット 10 ソケット本体 11 底部 11A 底部成形空間 12 縦枠部 12A 縦枠形成空間 13 上枠部 13A 上枠成形空間 14 弾性プレート 14A,14B 弾性プレート成形空間 14a 押圧片 14b 係着案内溝 14c 当接面 15 紐挿通口 16 開口 2 プラグ 20 プラグ本体 20A プラグ本体成形空間 21 フランジ 22 ソケット挿入部 22B ソケット挿入部成形空間 22a 傾斜面 22b 案内リブ 22c フランジ 23 貫通孔 24 抜け止片 3 主金型 31 固定型 32 可動型 33 第1ゲート 34 摺接嵌合部 35 突出部 35A 案内リブ成形空間 35B 案内リブ成形溝 35C 嵌合空間 36 第2ゲート 5 スライド金型 51,52 左右のスライド型

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後壁部に紐を挿通する紐挿通口(15)を
    有するソケット(1) の内部に、前記紐挿通口に整合する
    貫通孔(23)を有するプラグ(2) を収納し、前記紐挿通口
    (15)及び貫通孔(23)に挿通した紐を、該プラグ(2) に対
    する抜出方向の付勢により係着固定するようにした合成
    樹脂製の紐止め具において、 前記プラグ(2) のソケット挿入部(22)は前後面の少なく
    とも一表面を下方に向けて肉薄となる傾斜面(22a) を有
    する楔状をなしており、同ソケット挿入部(22)の左右側
    面に上方に傾斜して突出する抜け止片(24)を有し、 前記ソケット(1) は左右側壁に開口(16)を有すると共
    に、ソケット(1) の内部空間の底面から一体に立ち上が
    り、その先端で前記ソケット挿入部(22)の傾斜面(22a)
    を弾性的に押圧する弾性プレート(14)を有しており、同
    弾性プレート(14)の立上り基端が前記紐挿通口(15)の底
    辺とほぼ一致してなる、ことを特徴とする紐止め具。
  2. 【請求項2】 前記楔状ソケット挿入部(22)の傾斜面(2
    2a) の上端中央から下端にかけて案内リブ(22b) を有す
    ると共に、同ソケット挿入部(22)の下端縁に沿ってフラ
    ンジ(22c) を有し、前記弾性プレート(14)の先端部に前
    記案内リブ(22b) が係着する係着溝(14b) を有すると共
    に前記フランジ(22c) に当接する当接面を有してなる請
    求項1記載の紐止め具。
  3. 【請求項3】 前記弾性プレート(14)が間隙を前後に有
    する2枚からなる請求項1記載の紐止め具。
  4. 【請求項4】 前後壁部に紐を挿通する紐挿通口(15)を
    有するソケット(1) と、その内部に収納される前記紐挿
    通口(15)に整合する貫通孔(23)を有するプラグ(2) とか
    らなり、前記紐挿通口(15)及び貫通孔(23)に挿通した紐
    が該プラグ(2)の抜出方向の付勢により係着固定される
    合成樹脂製紐止め具の成形金型であって、 固定型(31)及び同固定型(31)に向けて進退する可動型(3
    2)からなる主金型(3)と、該主金型(3) の左右側部に相
    対して配設され、前記固定型(31)及び可動型(32)の間に
    形成される成形空間に対して挿脱する左右のスライド型
    (51,52) からなるスライド金型(5) とを備え、前記主金
    型(3) 及びスライド金型(5) は、前記ソケット(1) 及び
    プラグ(2) の成形空間を形成するための対応する成形面
    を有してなり、 前記主金型(3) には、その成形空間に連通する第1ゲー
    ト(33)と、前記スライド金型(5) の摺接嵌合部(34)と、
    同摺接嵌合部(34)の一部に形成され、前記スライド金型
    (5) の上端面との間に上記ソケット(1) の左右開口(16)
    の上枠部(13)を成形する上枠成形空間(13A) とを有し、
    前記スライド金型(5) には、上記プラグ(2) のソケット
    挿入部(22)を成形するソケット挿入部成形空間(22B) を
    有しており、 前記ソケット挿入部成形空間(22B) の左右側面上部と前
    記主金型(3) の上枠成形空間(13A) とがスライド金型
    (5) に形成される上向き傾斜の第2ゲート(36)を介して
    連通されてなる、ことを特徴とする紐止め具の成形金
    型。
  5. 【請求項5】 前記主金型(3) とスライド金型(5) とに
    より形成される成形空間において、前記ソケット挿入部
    成形空間(22B) をスライド金型(5) により形成され、そ
    の前後面は下方で交差する楔状の傾斜面とされており、
    同傾斜面を上端部で弾性的に押圧すると共に、ソケット
    の底面から立ち上がる弾性プレート(14)の成形空間(14
    A) が主金型(3) とスライド金型(5) との間に形成され
    てなる請求項4記載の成形金型。
  6. 【請求項6】 前記スライド金型(5) の傾斜面の上端中
    央から下端にかけて直線状の案内リブ成形空間(35A) が
    形成されており、前記弾性プレート(14)の成形空間(14
    A) の前記案内リブ成形空間(35A) に対応する同一直線
    上には同案内リブ(35)が嵌合する直線状の嵌合溝成形空
    間(35B) が形成されてなる請求項5記載の成形金型。
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