JP3884692B2 - 紐固定具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣服、帽子、バック、テント、リュックサック等に取り付けられた紐の締付状態や係止位置を調整するために、紐に取り付けられる紐固定具に関する。
【0002】
【背景技術】
ジャケット等に設けられた紐を締め付けるための紐固定具として、プラグおよびソケットで構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような紐固定具は、通常、締め付ける対象の紐のみに固定されているが、その紐が取り付けられた衣服等に対しても固定される紐固定具も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
この紐固定具は、前記紐とは別に設けられたテープや紐を通す腕部や孔を備え、このテープ等を衣服等に縫いつけることなどで衣服等の取付対象部材に固定されていた。
すなわち、衣服等に縫いつけられる固定テープを、紐固定具の腕部等に挿通し、腕部近傍でテープの一方の端縁とテープとを縫いつけることなどでテープ端縁をループ状にし、テープに対し紐固定具が移動しないように取り付けていた。
【0004】
【特許文献1】
実公平1−39449号公報(第11図参照)
【特許文献2】
特開平8−89316号公報(図3,4参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成では、固定テープは、一方の端縁を紐固定具の固定用のテープに縫いつけ、他方の端縁を衣服などに縫いつけなければならず、作業が煩雑になるという問題がある。
また、固定テープを縫いつけた後に、デザイン変更等で紐固定具を交換したり、紐固定具の取付位置を変更する必要が生じた場合、縫いつけた固定テープをほどいて取り外さなければならず、非常に手間が掛かるという問題もある。
【0006】
本発明の目的は、衣服などの取付対象部材に対する取付作業が簡単に行えて、交換作業も容易に行える紐固定具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の紐固定具は、プラグと、このプラグが挿入されるソケットとを備えて構成され、前記プラグは、第1紐通し孔を有するプラグ本体と、プラグ本体から延びる弾性変形可能な複数本の弾性脚片とを有し、前記ソケットは、前記第1紐通し孔と連通可能な第2紐通し孔と、第3紐通し孔とを有し、前記第3紐通し孔に挿通された紐は、前記複数本の弾性脚片の間、または、弾性脚片とソケット内面の間に配置され、前記弾性脚片は、前記第3紐通し孔に挿通された紐を、前記弾性脚片のみで又は弾性脚片およびソケット内面で保持可能に構成されていることを特徴とする。
【0008】
ここで、前記複数本の弾性脚片は、前記プラグをソケット内に挿入した際に前記ソケット内面に当接して弾性変形し、その弾性変形時の弾性力で前記プラグを前記挿入方向とは逆の反挿入方向に付勢するとともに、前記第3紐通し孔に挿通された紐を前記複数本の弾性脚片で挟持することで保持可能に構成されていることが好ましい。
【0009】
これらの各発明によれば、第1、2紐通し孔に挿通される紐の他に、第3紐通し孔に挿通される紐を利用できるので、この紐を紐固定具の固定テープ等として利用することができる。この際、第3紐通し孔に挿通された紐は、プラグの弾性脚片を利用して保持可能とされているので、別途、紐端部をループ状等に形成する必要もなく、紐固定具を紐に対して移動しないように容易に固定できる。
このため、例えば、前記第3紐通し孔に挿通された紐を介して紐固定具を衣服等に取り付ける際に、紐固定具側では紐をループ状に縫いつける必要もなく、取付作業を容易に行うことができる。さらに、紐固定具は、前記紐を弾性脚片を利用して、例えば2本の弾性脚片で挟持したり、弾性脚片およびソケット内面で挟持して保持しているため、その保持状態の解除も容易に行え、紐固定具の交換作業も簡単に実行できる。
【0010】
また、第3紐通し孔に挿通された紐を、複数の弾性脚片で挟持する場合には、各弾性脚片を対称的に形成することで、紐を各弾性脚片で両側から挟んで保持できるため、その保持力の調整を比較的容易に行え、バランスの良い保持が可能となる。
さらに、第3紐通し孔に挿通された紐を、弾性脚片およびソケットの内面で挟持する場合には、弾性脚片はソケット内面に向かって紐を押しつけるように構成すればよく、弾性脚片を容易に設計でき、かつソケット内面を利用して紐を保持できるので、保持強度を容易に向上させることができる。
【0011】
ここで、前記プラグは、互いに離隔して配置された2本の弾性脚片を備え、前記ソケット内面は、互いに対向して形成されて各弾性脚片が当接される2つの当接面を備え、この当接面はプラグを挿入する方向に進むに従って各当接面間の間隔が狭くなるように傾斜されており、前記プラグの各弾性脚片は、前記当接面間の間隔が最も広い部分に当接している場合には、各弾性脚片間の間隔が、第3紐通し孔に挿通される紐の幅寸法よりも大きくされるとともに、前記第1紐通し孔および第2紐通し孔に挿通された紐が、前記弾性脚片の弾性力で付勢されたプラグおよびソケットで咬止されている状態では、各弾性脚片間の間隔が、前記第3紐通し孔に挿通される紐の幅寸法よりも小さくされていることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、2本の弾性脚片を前記当接面間の間隔が最も広い部分に当接させることで、各弾性脚片間の間隔を紐の幅寸法よりも大きくできるので、第3紐通し孔に挿通された紐の保持状態を解除できる。一方で、プラグを押し込んで、第1,2紐通し孔に紐を挿通し、この紐を押し込みが解除されたプラグおよびソケットで咬止させた状態では、各弾性脚片間の間隔を紐の幅寸法よりも小さくできるので、第3紐通し孔に挿通された紐を挟持して保持できる。
これにより、ソケットに対するプラグの挿入位置で、第3紐通し孔に挿通された紐の保持状態および保持解除状態を容易に切り替えることができ、取付作業や紐固定具の交換作業を容易に行うことができる。
【0013】
また、前記複数本の弾性脚片は、前記第1紐通し孔および第2紐通し孔に挿通された紐が、前記複数本の弾性脚片の弾性力で付勢されたプラグおよびソケットで咬止された状態で前記第3紐通し孔に挿通された紐を保持し、紐が咬止されていない状態では、前記複数本の弾性脚片が前記第3紐通し孔に挿通された紐の保持を解除可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によっても、ソケットに対するプラグの挿入位置で、第3紐通し孔に挿通された紐の保持状態および保持解除状態を容易に切り替えることができ、プラグを移動するだけで取付作業や紐固定具の交換作業を容易に行うことができる。
【0014】
この際、前記プラグがソケットに対してその挿入方向および反挿入方向に移動可能な範囲を規制する移動規制手段を備え、前記複数本の弾性脚片は、前記プラグが反挿入方向の移動を規制する位置にある時に、前記第3紐通し孔に挿通された紐の保持を解除可能に構成されているものでもよい。
この場合、プラグをソケットに装着後、前記プラグが反挿入方向の移動規制位置にある時に、第3紐通し孔に紐を挿通することで容易に紐を挿通できる。その後、第1、2紐通し孔に紐を挿通してプラグおよびソケットで咬止すれば、第3紐通し孔に挿通された紐も保持されるため、各紐の装着作業を容易に行うことができる。
【0015】
さらに、前記移動規制手段は、前記プラグ本体の第1紐通し孔の開口端縁から外側に突設され、かつ前記ソケットの第2紐通し孔内に配置されて第2紐通し孔の縁に当接可能な係止突起により構成されていることが好ましい。
移動規制手段が設けられていれば、各紐を抜き取った場合でも、プラグおよびソケットが分解されることがなく、取扱いを容易にできる。さらに、移動規制手段を係止突起で構成すれば、簡単な構成でよく、低コストで製造できる。
【0016】
なお、ソケットに設けられる第2紐通し孔および第3紐通し孔は、各孔に挿通した紐が互いに干渉しないように形成されていればよい。例えば、第2紐通し孔および第3紐通し孔をそれぞれソケットのプラグ挿入方向(軸方向)に直交する方向(プラグ径方向)に貫通させている場合には、各孔の前記プラグ挿入方向の位置が異なるように形成すればよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、第2実施形態以降において、前述した各実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、各実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
【0018】
〔第1実施形態〕
図1〜図6に、第1実施形態の紐固定具1を示す。紐固定具1は、プラグ(嵌合子)10と、プラグ10が挿入されるソケット(外筒)20との2つの部材で構成されている。これらのプラグ10およびソケット20は、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン等の合成樹脂を用いて射出成形や押出成形等で一体成形されたものである。
【0019】
プラグ10は、略円柱状に形成されたプラグ本体(頭部)11と、このプラグ本体11の軸方向端面から本体11の軸方向に延びる複数本の弾性脚片12とを備えて構成されている。なお、プラグ本体11の軸方向とは、円柱状に形成されたプラグ本体11の各端面間を結ぶ方向であり、プラグ10をソケット20内に挿入した際の挿入方向(反挿入方向)に沿った方向である。ここで、挿入方向とは、プラグ10がソケット20の開口端面から底21に向かって移動する方向であり、反挿入方向とは、プラグ10がソケット20の底21から離れる方向つまり底21から開口端面側に移動する方向を意味する。
プラグ本体11には、本体軸方向に直交する方向つまり円柱状のプラグ本体11の径方向に本体11を貫通する断面略楕円形状の第1紐通し孔111と、第1紐通し孔111の開口端縁において、孔111の貫通方向外側に突設された係止突起112とを備えている。
【0020】
弾性脚片12は、本体11の端面から本体11の略軸方向に延長されて複数本(本実施形態では2本)設けられている。
そして、各弾性脚片12は、本体軸直交方向に互いに離隔して形成されている。このため、各弾性脚片12の互いに対向する内面121間には、各内面121およびプラグ本体11の端面で区画される溝部122が形成されている。
【0021】
なお、本実施形態では、この溝部122の挿通方向が前記第1紐通し孔111の貫通方向と直交するように、つまり各内面121は孔111の貫通方向に略直交するように、各弾性脚片12が形成されている。このため、後述するように、紐2,3は、紐固定具1に対して互いに直交するように挿通されることになる。但し、溝部122の挿通方向が前記第1紐通し孔111の貫通方向と平行となるように各弾性脚片12を形成してもよい。この場合、紐2,3は、紐固定具1に対して互いに平行に挿通されることになる。
【0022】
各弾性脚片12の端部の外面側には突出部123がそれぞれ形成されている。
そして、この突出部123は、前記ソケット20の内面22に当接し、内面22の形状によって各弾性脚片12を内方(各弾性脚片12が互いに近づく方向)に弾性変形させて撓ませることができるように構成されている。
【0023】
ソケット20は、一方の端面側が開口されかつ他方の端面側が底21とされた有底略円筒状に形成されている。そのソケット20の内面22において、開口側から底21に向かう方向の略中間部までは直径が一定の円周面221とされている。
一方、中間部から先は全体としては底21に向かうにしたがって径(対向する内面間の間隔)が小さくなる傾斜面(略テーパ状の面)とされている。
この傾斜面は、図5に示す弾性脚片12の突出部123が当接する部分(対向する2カ所)と、図4に示す当接しない部分(前記当接する部分に直交する2カ所)とで傾斜角度などが相違するように形成されている。
【0024】
すなわち、図5に示すように、突出部123が当接するテーパ面(当接面)222は、当接しないテーパ面223よりも傾斜角度が浅く形成されている。つまり、テーパ面222,223の境界部分には段差が形成されており、テーパ面223に対してテーパ面222が凹むように形成されている。この凹部状のテーパ面222は、突出部123の幅寸法と同程度の幅寸法とされており、この突出部123をテーパ面222内を移動させて前記段差でガイドすることで、プラグ10はその周方向に回転しないように回り止めされている。
なお、テーパ面223の底21側は同一径の円周面224とされているが、テーパ面222の底21側はテーパ面222に比べて緩やかな角度つまり直径の変化量が小さいテーパ面(当接面)225とされている。したがって、円周面224およびテーパ面225間にも段差が生じている。
【0025】
また、ソケット20には、その径方向に貫通する第2紐通し孔23および第3紐通し孔24が形成されている。
第2紐通し孔23は、ソケット20内に挿入した前記プラグ10の前記第1紐通し孔111が挿通可能な位置、具体的には、内面22が円周面221とされているソケット20の開口端面に近い部分(図5ではソケット20の上半分)に形成され、前記第1紐通し孔111と同様に断面楕円形状とされている。
第3紐通し孔24は、第2紐通し孔23とはソケット20の軸方向つまりプラグ10の挿入方向に異なる位置、具体的には、第2紐通し孔23よりも底21に近い位置であり、内面22が円周面221からテーパ面223を介して円周面224となる部分に跨って形成されている。
この第3紐通し孔24は、断面略矩形状に形成されている。第3紐通し孔24の挿通方向(貫通方向)は、各弾性脚片12の溝部122の挿通方向と揃っており、第3紐通し孔24に挿通された紐3は、各弾性脚片12間の溝部122部分を介して挿通されるように構成されている。
【0026】
なお、プラグ10をソケット20に挿入した際に、プラグ10の第1紐通し孔111が第2紐通し孔23と揃っている状態、つまり図6(B)に示すように、係止突起112が第2紐通し孔23の底21側に当接した状態では、突出部123はテーパ面225に当接する位置とされている。また、係止突起112が第2紐通し孔23のソケット開口面側に当接した状態、つまり図6(A)に示す状態では、突出部123がテーパ面222の直径大側つまり円周面221に連続する部分に当接する位置とされている。
そして、後述するように、第1紐通し孔111および第2紐通し孔23に挿通された紐2をプラグ10およびソケット20で咬止している状態、つまり図5に示す状態では、突出部123はテーパ面222の直径小側つまりテーパ面225に連続する部分に当接する位置とされている。
なお、本実施形態では、図5,6に示すように、係止突起112が第2紐通し孔23に当接することでプラグ10の挿入方向および反挿入方向の移動が規制される。従って、係止突起112により移動規制手段が構成されている。
【0027】
〔紐固定具の組立〕
次に、本実施形態に係る紐固定具1の組立手順について説明する。
まず、プラグ10およびソケット20を組み立てるには、プラグ10の係止突起112が第2紐通し孔23とプラグ軸方向にほぼ揃う状態でプラグ10を弾性脚片12側からソケット20内に挿入する。この際、各係止突起112の外面間の長さは、ソケット20内部の円周面221の直径よりも大きいため、そのままではソケット20内に挿入できない。
しかし、係止突起112の底21側の面は傾斜面とされており、かつ第2紐通し孔23によりソケット20の開口端面から孔23までは変形し易くなっているので、プラグ10を押し込むと、各係止突起112でソケット20の第2紐通し孔23から開口端面までの部分が押し広げられて弾性変形する。
従って、そのままプラグ10を挿入方向に押し込むことで、各係止突起112がソケット20内に入り、第2紐通し孔23部分に達する。係止突起112が第2紐通し孔23に達すると、弾性変形していたソケット20も元の状態に復帰し、図6(A)に示す状態となる。
この状態になると、係止突起112が第2紐通し孔23に係止されるため、通常の使用ではプラグ10およびソケット20は互いに外れない状態になる。
【0028】
なお、プラグ10をソケット20から取り外すには、ソケット20の第2紐通し孔23の上部分(開口端面側)に外側に力を加えて弾性変形させ、その状態でプラグ10を引っ張って係止突起112をソケット20の円周面221内に移動させ、そのままプラグ10を反挿入方向に引き抜けばよい。
【0029】
〔紐固定具への紐装着〕
次に、組み立てられた紐固定具1に通常の紐2および衣服等への固定用の紐(テープ)3を装着する手順について説明する。
まず、図6(A)に示す、プラグ10およびソケット20を組み立てた状態で、第3紐通し孔24に紐3を挿通する。この際、紐3の挿通方向と溝部122の挿通方向とが一致しており、かつ図6(A)の状態では、溝部122の幅寸法つまり各弾性脚片12間の隙間幅寸法は紐3よりも大きくされているので、紐3はスムーズに第3紐通し孔24に挿通される。
【0030】
紐3の挿通後、プラグ10を作業者の手や適宜な治具等を利用して挿入方向に押し込む。この際、プラグ10は、弾性脚片12の突出部123がテーパ面222に当接して弾性変形しているため、弾性脚片12によってソケット20から外れる方向(反挿入方向)、つまり図6(A)では上方に向かって付勢されている。従って、この付勢力よりも強い力でプラグ10を押し込むと、プラグ10は、図6(B)に示すように、係止突起112が第2紐通し孔23の底21側に当接する位置(挿入方向の移動規制位置)に移動する。
この際、各弾性脚片12は、突出部123がテーパ面222からテーパ面225に当接することで順次内方に弾性変形し、各弾性脚片12間に配置されている紐3を弾性脚片12で挟持する。これにより、紐3に対する紐固定具1の位置が一旦固定される。
そして、プラグ10の第1紐通し孔111と、ソケット20の第2紐通し孔23とがほぼ対面した状態になって連通するため、各孔111,22に紐2を挿通すればよい。
【0031】
紐固定具1に紐2を挿通した後、プラグ10の押し込みを解除すると、前述したように、各弾性脚片12がテーパ面222,225で装着孔の内方(中心軸)側に弾性変形しているため、各弾性脚片12が元の状態に弾性復帰しようとする。このことから、プラグ10は反挿入方向に移動し、図5に示すように、第1紐通し孔111、第2紐通し孔23を挿通する紐2は、プラグ10およびソケット20で挟まれて強固に咬止される。
また、図5に示すように、各弾性脚片12は、突出部123がテーパ面222に当接して内方に弾性変形されているので、図6(B)に比べると保持力は小さくなっているが、紐3を挟持している。これにより、紐3に対する紐固定具1の位置も固定された状態に維持される。
【0032】
〔紐固定具からの紐取り外し〕
紐2,3を取り外すには、上記紐装着と逆の手順で作業すればよい。すなわち、図5の状態からプラグ10を挿入方向に押し込んで図6(B)の状態とし、紐2を抜き取る。
そして、プラグ10の押し込みを解除すると、各弾性脚片12が弾性変形している力でプラグ10は押し上げられて反挿入方向に移動し、図6(A)の状態となる。従って、紐3を簡単に抜き取ることができる。
なお、図6(A)の状態においても、各弾性脚片12は弾性変形しているため、プラグ10にはソケット20から外れる方向(反挿入方向)の付勢力が加わるが、係止突起112が第2紐通し孔23に係止されるため、プラグ10がソケット20から自動的に飛び出して分解することはない。
【0033】
〔第1実施形態の効果〕
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 紐3を各弾性脚片12で挟持して固定しているので、紐3の端部をループ状などにして紐固定具1に取り付ける必要が無く、紐3に紐固定具1を簡単に装着できる。従って、衣服等に縫いつけられた紐3に紐固定具1を取り付ける作業を非常に簡単に行うことができる。
【0034】
(2) さらに、紐3は各弾性脚片12で挟持されているだけなので、紐2を抜き取り、プラグ10を図6(A)の反挿入方向の移動規制位置まで移動すれば、紐3の保持状態を容易に解除できる。このため、紐3から紐固定具1を容易に取り外すことができ、紐固定具1の交換作業も簡単に行うことができる。
【0035】
(3) ソケット20に第3紐通し孔24を形成し、各弾性脚片12間の溝部122に紐3を挿通しているので、紐3をソケット20の中心を通して挿通でき、紐3に対して紐固定具1を確実かつ強固に保持することができる。従って、ソケット側面に紐固定用の腕部を形成する場合に比べて、紐固定具1の保持強度を向上できる。
また、ソケット20の外周側に腕部等の突起を設ける必要がないため、紐固定具1をコンパクトに形成することができ、かつ容易に製造できて製造コストも低減できる。
【0036】
(4) 図1に示すように、ソケット20において紐3で隠れる部分が少なく、表面からは紐3が見えにくくなっているので、シンプルなデザインにできる。従って、ソケット20の表面に、ロゴマーク等を印刷することもでき、意匠性も向上できる。
【0037】
(5) 紐3は、第3紐通し孔24から差し込めば各弾性脚片12でガイドされつつ他方の第3紐通し孔24まで挿通できるので、紐3を通す作業を容易に行うことができ、取付作業性をより一層向上できる。
【0038】
(6) 紐2を挿通する際に、紐固定具1と紐3とが固定されているので、紐3に対する紐固定具1の位置を決めた状態で紐2の締め付け位置(保持位置)を設定でき、紐2の締め付け量の設定なども適切に行うことができる。
【0039】
(7) 各弾性脚片12は、紐3の同じ箇所を両側から挟持しているので、紐3に捻れ方向の力が加わることがなく、圧縮方向の力のみを加えて保持することができる。このため、紐3の材質を選定する際に、捻れ方向の力の影響をあまり考慮する必要が無く、その材質などを容易に選定できる。
【0040】
〔第2実施形態〕
図7ないし図9に、第2実施形態に係る紐固定具1Bを示す。紐固定具1Bは、プラグ10Bおよびソケット20Bを備えて構成されている。プラグ10Bは、前記プラグ10と同様に、第1紐通し孔111および係止突起112を備えるプラグ本体11と、プラグ本体11の軸方向端面から本体11の軸方向に延びる複数本の弾性脚片12Bとを備えて構成されている。
【0041】
一方、ソケット20Bは、第1実施形態のソケット20と同様に、底21を有する有底円筒状に形成され、その円周面には、第2紐通し孔23および第3紐通し孔24がソケット20Bの軸方向つまりプラグ10Bの挿入方向に異なる位置に形成されている。但し、ソケット20Bの内面22には、第1実施形態のソケット20のような傾斜面は形成されていない。
【0042】
本実施形態のプラグ10Bでは、第1実施形態と異なり、3本の弾性脚片12Bが設けられている。各弾性脚片12Bは、略円弧状に湾曲して形成されている。これらの各弾性脚片12Bは、紐3に沿った方向には、同方向に湾曲された2本の各弾性脚片12B間に、逆方向に湾曲された1本の弾性脚片12Bが配置されるように順次並べられている。また、紐3に直交する方向には、同方向に湾曲された2本の各弾性脚片12Bの基端側(プラグ本体11側)と、逆方向に湾曲された1本の弾性脚片12Bの基端側とが、互いに離隔して配置されている。
【0043】
〔紐固定具の組立〕
本実施形態に係る紐固定具1Bも、第1実施形態と同様に、プラグ10Bをソケット20Bの開口端面から挿入して押し込むことで組み立てることができる。なお、係止突起112の弾性脚片12B側の面を第1実施形態と同様に傾斜面としておけば、より一層容易に押し込むことができる。
そして、係止突起112が第2紐通し孔23に達すれば、係止突起112が第2紐通し孔23に当接することで、プラグ10Bの挿入方向および反挿入方向の移動がそれぞれ規制され、通常の使用ではプラグ10Bおよびソケット20Bは互いに外れない状態になる。
【0044】
〔紐固定具への紐装着〕
まず、図9(A)に示すように、プラグ10Bの係止突起112がソケット20Bの第2紐通し孔23に当接し、プラグ10Bの反挿入方向への移動が規制されている状態では、各弾性脚片12Bは本体11近傍のみで交差配置されている。このため、各弾性脚片12B間の間隔は、第3紐通し孔24に挿通された紐3の幅寸法よりも大きくなっており、第3紐通し孔24に紐3を容易に挿通することができる。
【0045】
この状態から、プラグ10Bを押し込むと、図9(B)に示すように、係止突起112が第2紐通し孔23の底21側に当接し、プラグ10Bの挿入方向の移動が規制される位置に移動する。
この際、各弾性脚片12Bは、先端がソケット20Bの内面22(底21)に当接しながら移動し、弾性変形によってその湾曲が大きくなるとともに、先端側でも互いに交差する状態になる。これにより、各弾性脚片12Bで紐3が挟持され、紐3に対する紐固定具1Bの位置が一旦固定される。なお、紐3が挟持される各弾性脚片12Bの交差位置間の部分は、図9(B)の状態では、第3紐通し孔24に比べて、底21側に位置するため、紐3は各第3紐通し孔24間で略V字状にも折曲され、紐3に対する紐固定具1Bの位置がより強固に固定される。そして、互いに連通されたプラグ10の第1紐通し孔111と、ソケット20の第2紐通し孔23とに紐2を挿通する。
【0046】
紐固定具1Bに紐2を挿通した後、プラグ10の押し込みを解除すると、大きく湾曲していた各弾性脚片12が元の状態に弾性復帰しようとし、プラグ10Bを反挿入方向に移動する。このため、図7に示すように、第1紐通し孔111、
第2紐通し孔23を挿通する紐2は、プラグ10Bおよびソケット20Bで挟まれて強固に咬止される。
また、図7,8に示すように、各弾性脚片12Bは、2カ所の交差状態を維持しており、図9(B)に比べると保持力は小さくなっているが、紐3を挟持し続けている。これにより、紐3に対する紐固定具1の位置も固定された状態に維持される。
【0047】
〔紐固定具からの紐取り外し〕
紐2,3を取り外すには、上記紐装着と逆の手順で作業すればよい。すなわち、図7の状態からプラグ10Bを挿入方向に押し込んで図9(B)の状態とし、紐2を抜き取る。
そして、プラグ10Bの押し込みを解除すると、各弾性脚片12が弾性変形している力でプラグ10Bは反挿入方向に押し上げられて図9(A)の状態となる。従って、紐3を簡単に抜き取ることができる。
なお、図9(A)の状態においても、係止突起112が第2紐通し孔23に係止されるため、プラグ10Bがソケット20Bから自動的に飛び出して分解することはない。
【0048】
〔第2実施形態の効果〕
このような本実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(6)と同様の効果を奏する上、次のような効果も得られる。
(8) 弾性脚片12Bを互いに交差させて紐3を挟持しているので、弾性脚片12Bが紐3を挟持する一方で、弾性脚片12Bつまりはプラグ10Bの反挿入方向の移動も紐3である程度規制される。従って、図7に示すような、紐2を咬止する際の弾性脚片12Bによる付勢力の一部を紐3で支持することになり、紐2を咬止する力を多少調整することができ、紐2を適切な力で咬止するように容易に設定できる。
【0049】
(9) 3本の弾性脚片12Bを紐3に沿って交互に配置しているので、紐3は各弾性脚片12B部分でその長手方向に多少ジグザクに折曲される。このため、紐3の長手方向の保持力を向上することができ、紐3に対する紐固定具1Bの位置ずれもより確実に防止できる。
(10)ソケット20Bは、内面22が傾斜されていない有底円筒状であるため、ソケット20に比べてより一層容易に製造することができる。
【0050】
〔第3実施形態〕
図10,11に、第3実施形態に係る紐固定具1Eを示す。紐固定具1Eは、プラグ10Eおよびソケット20Eを備えて構成されている。プラグ10Eは、第1紐通し孔111および係止突起112を備えるプラグ本体11と、基端側がプラグ本体11の軸方向端面に連続して形成された2本の弾性脚片12Eとを備えて構成されている。
弾性脚片12Eは、プラグ本体11の端面における第1紐通し孔111の貫通方向の略中央部分から、先端側が互いに離れる方向つまり挿入方向に対して斜めとなる方向に向かって突設されている。
【0051】
一方、ソケット20Eは、ソケット20と同様に、底21を有する有底円筒状に形成され、その円周面(外周面)には、第2紐通し孔23および第3紐通し孔24がソケット20Eの軸方向に異なる位置に形成されている。但し、第3紐通し孔24は、前記各実施形態とは異なり、ソケット20Eの軸中心位置(軸直交面の中心位置)を挿通せず、偏心した位置に形成されている。
すなわち、ソケット20Eの内面22は、第2紐通し孔23から底21に向かうに従って間隔が徐々に広がるように対向して形成された第1傾斜面226と、この第1傾斜面226に連続して形成され、底21に向かうに従って間隔が徐々に狭くなるように対向して形成された第2傾斜面227とを備えている。
そして、前記第3紐通し孔24は、対向して形成された2つの第1傾斜面226のうちの一方に沿って形成されている。すなわち、前記第3紐通し孔24の一面が第1傾斜面226にほぼ連続するように形成されている。
【0052】
〔紐固定具の組立〕
本実施形態に係る紐固定具1Eも、各実施形態と同様に、プラグ10Eをソケット20Eの開口端面から挿入して押し込むことで組み立てることができ、係止突起112が第2紐通し孔23に達すれば、プラグ10Eの挿入方向および反挿入方向の移動がそれぞれ規制され、通常の使用ではプラグ10Eおよびソケット20Eは互いに外れない状態になる。
【0053】
〔紐固定具への紐装着〕
まず、図11(A)に示すように、プラグ10Eの係止突起112がソケット20Eの第2紐通し孔23に当接し、プラグ10Eの反挿入方向への移動が規制されている状態では、弾性脚片12Eは、ほぼ第1傾斜面226に沿った位置に配置される。すなわち、各弾性脚片12Eは、その先端がソケット20Eの内面22に当接しない状態で、第1傾斜面226にほぼ沿う角度に形成されている。
【0054】
この状態から、プラグ10Eを挿入方向に押し込むと、図11(B)に示すように、弾性脚片12Eの先端部が第2傾斜面227に案内され、弾性脚片12Eが弾性変形する。この際、弾性脚片12Eは第1傾斜面226から離れ、第1傾斜面226と弾性脚片12E間の間隔は、前記第3紐通し孔24の幅寸法よりも大きくなる。従って、前記第3紐通し孔24に紐3を容易に挿通することができる。
また、プラグ10Eの第1紐通し孔111と、ソケット20Eの第2紐通し孔23とが連通されるので、各孔111,23に紐2を挿通する。
【0055】
紐固定具1Eに紐2,3を挿通した後、プラグ10Eの押し込みを解除すると、湾曲していた弾性脚片12Eが元の状態に弾性復帰しようとし、プラグ10Eは反挿入方向に移動する。このため、図10に示すように、第1紐通し孔111、第2紐通し孔23を挿通する紐2は、プラグ10Eおよびソケット20Eで挟まれて強固に咬止される。
また、図10に示すように、弾性脚片12Eは、その先端が第2傾斜面227に沿って移動することで、第1傾斜面226に近づく。これにより、紐3が第1傾斜面226および弾性脚片12Eで挟持され、紐3に対する紐固定具1Eの位置も固定される。
【0056】
〔紐固定具からの紐取り外し〕
紐2,3を取り外すには、上記紐装着と逆の手順で作業すればよい。すなわち、図10の状態からプラグ10Eを挿入方向に押し込んで図11(B)の状態として紐2、3を抜き取る。その後、プラグ10Eの押し込みを解除して図11(A)の状態とすればよい。
なお、図11(A)の状態においても、係止突起112が第2紐通し孔23に係止されるため、プラグ10Eがソケット20Eから自動的に飛び出して分解することはない。
【0057】
〔第3実施形態の効果〕
このような本実施形態によれば、第1〜2実施形態の(1),(2),(4),(7) と同様の効果を奏する上、次のような効果も得られる。
(11)第1傾斜面226と弾性脚片12Eとで紐3を挟持して保持しているので、第1傾斜面226によって紐3の支持面積を大きくでき、保持力を向上することができる。その上、紐3に対して移動するのは弾性脚片12Eのみであるため、弾性脚片12E側の設定のみで紐3の保持力を調整でき、必要な保持力を得るための設定が容易に行える。
【0058】
(12)第1傾斜面226に沿って紐3を配置できるので、紐3を第1傾斜面226でガイドしながら挿通することができ、前記第3紐通し孔24への紐3の挿通作業を容易に行うことができる。
(13)前記第3紐通し孔24をソケット20Eの軸中心位置から偏心した位置に形成したので、例えば、紐3に対して紐固定具1Eが傾斜して配置され、ソケット20Eの所定の面が常に上面側に位置するような設定もできる。従って、上面側に所定のロゴを印刷することなどで、紐固定具1Eの意匠性を工夫することができる。
【0059】
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、以上述べた実施の形態に対し、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができる。
【0060】
例えば、プラグの構成は前記各実施形態に限らない。例えば、弾性脚片は、2〜3本に限られず、4本以上配置してもよい。また、弾性脚片の具体的な形状等も各実施形態に限らない。要するに、弾性脚片は、プラグを挿入方向に移動した際に、ソケット内面に当接して弾性変形し、プラグを反挿入方向に移動させる付勢力を発生できるものであればよく、その具体的な形状、材質等は適宜設定すればよい。
【0061】
ソケットの構成も、前記実施形態に限られない。例えば、有底のものに限らず、底21部分に孔が形成されているものでもよい。また、円筒状のものに限らず、角筒状のもの、略球体状のものなどでもよい。なお、プラグの形状もソケットの形状などに応じて適宜設定すればよい。
また、ソケットに形成される第2紐通し孔23、第3紐通し孔24は、互いに直交方向に形成される場合に限らず、互いに平行に形成してもよい。
さらに、第3紐通し孔24は、ソケットの軸直交方向に貫通するものに限らず、軸方向に貫通するものでもよい。要するに、第3紐通し孔24に挿通される紐3をプラグの弾性脚片やコイルばね等の付勢手段を利用して保持できるように構成されていればよい。
【0062】
また、紐3は衣服などの取付対象部材への固定用として利用する場合に限らず、例えば、紐2と同様に締め付けなどのために設けられる紐の固定に利用してもよい。
さらに、移動規制手段としては、第2紐通し孔23に係止される係止突起112に限られない。例えば、プラグの弾性脚片をソケットの底21に当接可能に構成し、プラグの挿入方向の移動を規制してもよい。また、紐3で弾性脚片を係止してプラグの反挿入方向の移動を規制してもよい。さらには、プラグに形成した係合突起を、第2紐通し孔23ではなく、移動規制用の孔や溝に係合させることでプラグの移動を規制してもよい。要するに、移動規制手段としては、ソケットに対するプラグの挿入・反挿入方向の移動範囲を規制できるものであればよい。
【0063】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の紐固定具によれば、衣服などの取付対象部材に対する取付作業が簡単に行えて、交換作業も容易に行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る紐固定具を示す斜視図である。
【図2】 第1実施形態の紐固定具の側面図である。
【図3】 第1実施形態の紐固定具の他の側面図である。
【図4】 図3のA−A線に沿った断面図である。
【図5】 図2のB−B線に沿った断面図である。
【図6】 (A)は第1実施形態の紐固定具の紐挿通前の状態を示す断面図、(B)は紐挿通時の状態を示す断面図である。
【図7】 本発明の第2実施形態に係る紐固定具を示す断面図である。
【図8】 第2実施形態の弾性脚片を示す斜視図である。
【図9】 (A)は第2実施形態の紐固定具の紐挿通前の状態を示す断面図、(B)は紐挿通時の状態を示す断面図である。
【図10】 本発明の第3実施形態に係る紐固定具を示す断面図である。
【図11】 (A)は第3実施形態の紐固定具の紐挿通前の状態を示す断面図、(B)は紐挿通時の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1B,1E…紐固定具、2,3…紐、10,10B,10E…プラグ、11…プラグ本体、12,12B,12E…弾性脚片、20,20B,20E…ソケット、21…底、22…内面、23…第2紐通し孔、24…第3紐通し孔、111…第1紐通し孔、112…係止突起(移動規制手段)、121…内面、122…溝部、123…突出部、221…円周面、222…テーパ面(当接面)、223…テーパ面、224…円周面、225…テーパ面(当接面)。
Claims (6)
- プラグ10と、このプラグ10が挿入されるソケット20とを備えて構成され、
前記プラグ10は、第1紐通し孔111を有するプラグ本体11と、プラグ本体11から延びる弾性変形可能な複数本の弾性脚片12とを有し、
前記ソケット20は、前記第1紐通し孔111と連通可能な第2紐通し孔23と、第3紐通し孔24とを有し、
前記第3紐通し孔24に挿通された紐3は、前記複数本の弾性脚片12の間、または、弾性脚片とソケット内面の間に配置され、
前記弾性脚片12は、前記第3紐通し孔24に挿通された紐3を、前記弾性脚片12のみで又は弾性脚片12およびソケット内面で保持可能に構成されている紐固定具。 - 前記複数本の弾性脚片12は、前記プラグ10をソケット20内に挿入した際に前記ソケット内面に当接して弾性変形し、その弾性変形時の弾性力で前記プラグ10を前記挿入方向とは逆の反挿入方向に付勢するとともに、前記第3紐通し孔24に挿通された紐3を前記複数本の弾性脚片12で挟持することで保持可能に構成されている請求項1に記載の紐固定具。
- 前記プラグ10は、互いに離隔して配置された2本の弾性脚片12を備え、
前記ソケット内面は、互いに対向して形成されて各弾性脚片12が当接される2つの当接面222を備え、この当接面222はプラグ10を挿入する方向に進むに従って各当接面222間の間隔が狭くなるように傾斜されており、
前記プラグ10の各弾性脚片12は、前記当接面222間の間隔が最も広い部分に当接している場合には、各弾性脚片12間の間隔が、第3紐通し孔24に挿通される紐3の幅寸法よりも大きくされるとともに、前記第1紐通し孔111および第2紐通し孔23に挿通された紐2が、前記弾性脚片12の弾性力で付勢されたプラグ10およびソケット20で咬止されている状態では、各弾性脚片12間の間隔が、前記第3紐通し孔24に挿通される紐3の幅寸法よりも小さくされている請求項1または請求項2に記載の紐固定具。 - 前記複数本の弾性脚片12は、前記第1紐通し孔111および第2紐通し孔23に挿通された紐2が、前記複数本の弾性脚片12の弾性力で付勢されたプラグ10およびソケット20で咬止された状態で前記第3紐通し孔24に挿通された紐3を保持し、紐2が咬止されていない状態では、前記複数本の弾性脚片12が前記第3紐通し孔24に挿通された紐3の保持を解除可能に構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の紐固定具。
- 前記プラグ10がソケット20に対してその挿入方向および反挿入方向に移動可能な範囲を規制する移動規制手段112を備え、
前記複数本の弾性脚片12は、前記プラグ10が反挿入方向の移動を規制する位置にある時に、前記第3紐通し孔24に挿通された紐3の保持を解除可能に構成されている請求項4に記載の紐固定具。 - 前記移動規制手段112は、前記プラグ本体11の第1紐通し孔111の開口端縁から外側に突設され、かつ前記ソケット20の第2紐通し孔23内に配置されて第2紐通し孔23の縁に当接可能な係止突起112により構成されている請求項5に記載の紐固定具。
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