JP3185867U - 浴用タオル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合成繊維、半合成繊維及び天然繊維からなる群より選択される繊維により帯状に織成又は編成された浴用タオル1であって、該浴用タオルの長手方向において、織成又は編成の組織、緯糸の配列の順序、前記緯糸の配列の密度、前記緯糸の太さ又は長さ、及び前記緯糸の種類の少なくとも1つが中央部2と両端部3とで異なることにより、前記両端部よりも厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が大きい部分を前記中央部に有することを特徴とする浴用タオル。
【選択図】図1
Description
この問題を解決するために、浴用タオルの中央に高摩擦係数タオル(アカスリ部)を縫着したもの(特許文献1)、浴用タオルの中央にギャザー部材を取り付けたもの(特許文献2)、浴用タオルの中央にひだを設けたもの(特許文献3)など従来から種々の提案がなされている。しかし、取り付けた高摩擦部材が変形して壊れやすく、耐久性に問題があった。また、タオル本体を編織した後に高摩擦部材を取り付けるという後加工は手間がかかり、生産性に問題があった。
(1)合成繊維、半合成繊維及び天然繊維からなる群より選択される繊維により帯状に織成又は編成された浴用タオルであって、該浴用タオルの長手方向において、織成又は編成の組織、緯糸の配列の順序、前記緯糸の配列の密度、前記緯糸の太さ又は長さ、及び前記緯糸の種類の少なくとも1つが中央部と両端部とで異なることにより、前記両端部よりも厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が大きい部分を前記中央部に有することを特徴とする浴用タオル、
(2)前記中央部の方が前記両端部よりも、生地そのものの厚さ、又は、生地表面の凹凸差、又は、生地のひだ状起伏による凹凸差が大きいことを特徴とする上記(1)に記載の浴用タオル、
(3)前記浴用タオルを平面上に広げて10枚重ね、平板を単位面積荷重2.0g/cm2で端部の上から載せた時の積層された端部の高さに対する、前記平板を単位面積荷重2.0g/cm2で中央部の上から載せた時の積層された中央部の高さの比率が120%以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の浴用タオル、
(4)ナイロン及びポリエステルからなる群より選択される合成繊維からなることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の浴用タオル、
(5)前記中央部の前記両端部よりも厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が大きい部分を構成する緯糸の単位長当たりに配列される本数の30%以上が第一の所定太さ以上の糸であり、前記両端部を構成する緯糸の単位長当たりに配列される本数の50%以上が、前記第一の所定太さよりも細い第二の所定太さ以下の糸であることを特徴とする、上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の浴用タオル、
(6)糸の太さをデニール単位で表したときに、前記第一の所定太さは前記第二の所定太さの2倍以上の数値であることを特徴とする上記(5)に記載の浴用タオル、及び
(7)前記第一の所定太さが1000デニール以上であり、前記第二の所定太さが500デニール以下であることを特徴とする上記(6)に記載の浴用タオルを提供する。
以下、図面を参照して本考案の実施形態について詳細に説明する。
浴用タオル1の中央部2は、タオルの長さの半分の位置Aを中心とした部分を意味し、好ましくは浴用タオル全体の10分の1以上、3分の1以下の面積を有する。中央部2は、浴用タオル1を用いて背中を洗う時に、背中に当接する部分である。中央部2は厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が両端部よりも大きい部分を有する。図1に示すように中央部が一様に両端部よりも厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が大きくてもよいし、図2に示すように中央部に、両端部よりも厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が大きい部分と、そうでない部分(すなわち、両端部と同じ部分、又は、両端部よりも厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が小さい部分)とが、例えば1cmづつ交互に縞状に存在していてもよい。図2に示すような形態の場合には、中央部2における両端部よりも厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が大きい部分が、中央部の面積の50%以上、好ましくは80%以上を占めることによって、中央部全体として、両端部よりも厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が大きいと目視及び手触りで確認することができる。
例えば、図6及び図8に示すように、浴用タオル1を平面上に広げて置いて外力をかけない時に、浴用タオル1の中央部2の生地が巾方向に寄ってひだ状に波打ち、起伏が生じて、該起伏による複数の筋(条)が長手方向に形成された形態が挙げられる。図7(図6のB−B線における矢印方向から見た中央部2の模式的な断面図)に示すように、図6の浴用タオル1は中央部2の巾方向に小さい波形状が生じている。
上記組織において、後述する太さや種類の緯糸を何本づつ、どのような順序で配列するかは特に限定されず、選択した緯糸によって適宜決定することで、両端部よりも厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が大きい部分を中央部に設けることができる。
中央部の緯糸の配列の密度を高く、両端部の緯糸の配列の密度を低くすると、中央部の糸間の隙間が狭くなって、両端部の糸間の隙間が広くなり、両端部よりも中央部の厚さ又は凹凸差を大きくすることができる。
特に、中央部を構成する緯糸の中で第一の所定太さ以上の糸の本数が占める割合は、40%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましい。また、両端部を構成する緯糸の中で第二の所定太さ以下の糸の本数が占める割合は、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが最も好ましい。
中央部の緯糸を比較的太く、両端部の緯糸を比較的細くすると、中央部の糸間の隙間が狭くなって、両端部の糸間の隙間が広くなり、両端部よりも中央部の厚さ又は凹凸差を大きくすることができる。
次に、得られた生地を湯洗いし、必要に応じて染色した後、乾燥する(下セット加工)。
更に、縮んだ生地を必要に応じて所定の巾に引っ張って熱で固定するセット加工を行い(本セット加工)、所定のサイズに裁断、縫製することによって、本考案の浴用タオルを製造することができる。タオル本体を製造した後に高摩擦部材を取り付けるという後加工がないため、本考案の浴用タオルは生産性が高い。
製造工程においては、織機、編機、裁断機、ミシン等の通常の手段を用いればよい。
また、従来のアカスリ部を縫着した浴用タオルにおいて、タオルの両面にアカスリ部を縫着した場合、その部分がタオル本体とアカスリ部2枚を含む三層となって分厚く、水切れや乾きが悪くなり、不衛生になる恐れがあるのに対して、本考案の浴用タオルは、タオル本体に高摩擦部材を接着したものではなく、1枚(一層)からなるため、水切れがよく衛生的である。また、本考案はタオル本体を製造した後に別途用意した高摩擦部材を取り付けるものではないため、高摩擦部材が脱離する恐れがない。
機上で、経糸A(種類:ナイロン;太さ:30デニール)を筬の1目に6本通し、それを8目くり返し、約0.6cmの中に48本配列させた。次の16目は糸を通さず空けて約1.2cmの空間を設けた。これを繰り返した。
次に、緯糸a(種類:ナイロン;太さ:300デニール)を機上で1cmあたり12本の密度で、平組織にて織り込み、端部3aを織成した。
続けて、緯糸b(種類:ナイロン;太さ:1050デニール)2本と、緯糸a(種類:ナイロン;太さ:300デニール)3本を1cmあたり12本の密度で交互に繰り返して平組織にて織り込み、中央部2を織成した。
最後に、前記端部3aと同様に端部3bを織成した。織機はza103i(製品名、津田駒工業株式会社製)を使用した。
湯洗い、染色及び乾燥後、28cm巾に熱でセット加工し、裁断及び縫製を経て、長さ約102cm、巾約28cmの浴用タオル(実施例1)を得た。中央部は長さ約15cmであった。
こうして得られた浴用タオル(実施例1)について、後述する評価方法1〜3を実施した。
実施例1の両端部の緯糸aの配列を1cmあたり9.8本に変更し、中央部の緯糸bを、緯糸c(種類:ナイロン;太さ:2420デニール)に変更し、中央部の配列を、緯糸cを1本、緯糸aを2本のくり返し(密度:1cmあたり9.8本)に変更した以外は、実施例1と同様に作製し、長さ約102cm、巾約28cmの浴用タオル(実施例2)を得た。中央部は長さ約15cmであった。
こうして得られた浴用タオル(実施例2)について、後述する評価方法1及び2を実施した。
機上で、経糸A(種類:ナイロン;太さ:30デニール)を筬の1目に5本通し、それを2目くり返し、次の目に6本入れ、約0.2cmの中に16本配列させた。次の5目は糸を通さず空けて約0.4cmの空間を設けた。これを繰り返した。
次に、緯糸a(種類:ナイロン;太さ:300デニール)15本と、緯糸d(種類:ナイロン;太さ:300デニール)15本を機上で1cmあたり9.8本の密度で交互に繰り返して平組織にて織り込み、縞柄を形成させながら端部3aを織成した。
続けて、緯糸c(種類:ナイロン;太さ:2420デニール)1本と、緯糸d(種類:ナイロン;太さ:300デニール)2本を1cmあたり9.8本の密度で交互に繰り返して平組織にて織り込み、中央部2を織成した。
最後に、前記端部3aと同様に端部3bを織成した。織機は実施例1と同じものを使用した。
湯洗い、染色及び乾燥後、28cm巾に熱でセット加工し、裁断及び縫製を経て、長さ約102cm、巾約28cmの浴用タオル(実施例3)を得た。中央部は長さ約15cmであった。
こうして得られた浴用タオル(実施例3)について、後述する評価方法1及び2を実施した。
実施例3の中央部の緯糸dを緯糸e(種類:ポリエステル;太さ:280デニ−ル)に変更した以外は、実施例3と同様に作製し、長さ約102cm、巾約28cmの浴用タオル(実施例4)を得た。中央部の長さは約15cmであった。
こうして得られた浴用タオル(実施例4)について、後述する評価方法1及び2を実施した。
経糸を実施例3と同様に配列した。
次に、緯糸a(種類:ナイロン;太さ:300デニール)15本と緯糸d(種類:ナイロン;太さ:300デニール)15本を機上で1cmあたり12本の密度で交互に繰り返して平組織にて織り込み、縞柄を形成させながら端部3aを織成した。
続けて、緯糸b(種類:ナイロン;太さ:1050デニール)2本と、緯糸e(種類:ポリエステル;太さ:280デニール)3本を1cmあたり12本の密度で交互に繰り返して平組織にて織り込み、中央部2を織成した。
最後に、前記端部3aと同様に端部3bを織成した。織機は実施例1と同じものを使用した。
湯洗い、染色及び乾燥後、24cm巾に熱でセット加工し、裁断及び縫製を経て、長さ約100cm、巾約24cmの浴用タオル(実施例5)を得た。中央部は長さ約15cmであった。
こうして得られた浴用タオル(実施例5)について、後述する評価方法1〜3を実施した。
実施例5と同様に端部3a、中央部2、端部3bを織成した。
湯洗い及び乾燥後、セット加工を行わないで、裁断及び縫製を経て、長さ約100cm、巾約15cmの浴用タオル(実施例6)を得た。中央部は長さ約15cmであった。
こうして得られた浴用タオル(実施例6)について、後述する評価方法1〜3を実施した。
1.手触り
各実施例の1枚の浴用タオルを広げ、指のはらで触って中央部及び両端部の厚さ及び凹凸差を触感により観察した。
各実施例の1枚の浴用タオルを平面上に広げて、目視により中央部及び両端部の厚さ及び凹凸差を観察した。図10に浴用タオル(実施例6)の写真を示す。
また、各実施例の複数の同じ浴用タオルを平面上に広げて10枚重ね、目視により中央部及び両端部の厚さ及び凹凸差を観察した。図11に浴用タオル(実施例6)を積層した写真を示す。
各実施例の複数の同じ浴用タオルを平面上に広げて10枚重ね、アクリル製の平板を単位面積荷重2.0g/cm2で中央部の上から載せて、中央部の高さ(前記平面から前記平板までの高さ(cm))を測定した。同様の方法で、端部の高さも測定し、積層された端部の高さに対する中央部の高さの比率(%(小数点第1位以下を四捨五入))を求めた。該測定の終了後、一度重ねた浴用タオルを1枚づつにばらし、改めて10枚の浴用タオルを重ねて同様の測定を行った。このようにして測定を3回行い、中央部と端部の高さの比率の平均値を求めた。
いずれの実施例においても、中央部の方が両端部よりも、厚さ及び/又は凹凸差が大きいことが手触り及び目視で確認された。
実施例1、5及び6における積層したタオルの中央部及び両端部の高さの測定結果を表1に記載する。
具体的には、実施例1の浴用タオルと実施例2の浴用タオルは、同じ経組織(配列、種類、密度)で、中央部に使用した緯糸の種類が異なり、実施例2の中央部には実施例1の中央部で用いられていない緯糸cが使用されていることから、実施例2の浴用タオルの中央部の方が、実施例1の浴用タオルの中央部よりも地厚であった。
実施例3の浴用タオルと実施例4の浴用タオルは、経組織(配列、種類、密度)は同じで、中央部に使用した緯糸の太さと種類が異なり、実施例4の中央部には実施例3の中央部で用いられていない緯糸eが使用されていることから、実施例4の浴用タオルの中央部の方が、実施例3の浴用タオルの中央部より柔らかかった。
実施例5の浴用タオルの中央部には、実施例1〜4の浴用タオルにはない小さなひだ状起伏が確認された。
実施例6の浴用タオルの中央部には、実施例1〜4の浴用タオルにはない大きなひだ状起伏が確認された。
また、上記実施例1〜6の浴用タオルについて、入浴時に実際に使用して使用感を試験したところ、いずれも洗い残しの不快感なく、背中の垢をよく落とすことができた。
2:中央部
2a:中央部の両端部よりも厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が大きい部分
3:両端部
3a:端部
3b:端部
A:タオルの長さの半分の位置
Claims (7)
- 合成繊維、半合成繊維及び天然繊維からなる群より選択される繊維により帯状に織成又は編成された浴用タオルであって、該浴用タオルの長手方向において織成又は編成の組織、緯糸の配列の順序、前記緯糸の配列の密度、前記緯糸の太さ又は長さ、及び前記緯糸の種類の少なくとも1つが中央部と両端部とで異なることにより、前記両端部よりも厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が大きい部分を前記中央部に有することを特徴とする浴用タオル。
- 前記中央部の方が前記両端部よりも、生地そのものの厚さ、又は、生地表面の凹凸差、又は、生地のひだ状起伏による凹凸差が大きいことを特徴とする請求項1に記載の浴用タオル。
- 前記浴用タオルを平面上に広げて10枚重ね、平板を単位面積荷重2.0g/cm2で端部の上から載せた時の積層された端部の高さに対する、前記平板を単位面積荷重2.0g/cm2で中央部の上から載せた時の積層された中央部の高さの比率が120%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の浴用タオル。
- ナイロン及びポリエステルからなる群より選択される合成繊維からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の浴用タオル。
- 前記中央部の前記両端部よりも厚さ及び凹凸差の少なくとも一方が大きい部分を構成する緯糸の単位長当たりに配列される本数の30%以上が第一の所定太さ以上の糸であり、
前記両端部を構成する緯糸の単位長当たりに配列される本数の50%以上が、前記第一の所定太さよりも細い第二の所定太さ以下の糸であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の浴用タオル。 - 糸の太さをデニール単位で表したときに前記第一の所定太さは、前記第二の所定太さの2倍以上の数値であることを特徴とする請求項5項に記載の浴用タオル。
- 前記第一の所定太さが1000デニール以上であり、前記第二の所定太さが500デニール以下であることを特徴とする請求項6に記載の浴用タオル。
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