JP3181360B2 - 繊維強化樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂積層体の製造方法

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JP3181360B2
JP3181360B2 JP08089392A JP8089392A JP3181360B2 JP 3181360 B2 JP3181360 B2 JP 3181360B2 JP 08089392 A JP08089392 A JP 08089392A JP 8089392 A JP8089392 A JP 8089392A JP 3181360 B2 JP3181360 B2 JP 3181360B2
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裕英 中川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、端部の内径寸法精度や
内周面平滑性に優れた繊維強化樹脂積層体の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化樹脂成形体を製造するの
に、芯型上に繊維含浸強化繊維を巻き付けて繊維強化樹
脂層を形成するフィラメントワインディング(FW法)
が用いられることはよく知られている。しかし、FW法
により製造された繊維強化樹脂成形体は、内径寸法精度
や内周面平滑性が悪く、特に端部の内径寸法精度や内周
面平滑性が要求される繊維強化樹脂成形体を製造する場
合には、成形後に入念な後加工を施す必要があり、製造
工程が煩雑であり、生産性が悪くコスト高になるという
問題点があった。
【0003】そして、例えば、端部にパッキングや抜け
止め等を装着する管接続用受口部を有する管継手や管等
のように、FW法により製造した場合に芯型全体を一方
向に抜き出すことが困難な場合、特公昭59─3192
5号公報に記載の如く、芯型本体の所定位置に弾性体よ
りなる表面層に同芯状に分割された芯部材を装着した環
状溝成形型を装着したものの上に、成形材料を巻回して
成形材料層を成形した後硬化させ、まず芯型本体を抜去
し、次いで表面層から、芯部材を切欠き部又は小孔に先
のとがった工具を差し込んで抜去し、最後に表面層を剥
離するようにして抜去する方法や、特開昭64─456
25号公報に記載の如く、二つの半割樹脂成形品を互い
に固着して管の成形品の芯部材を形成し、この芯部材上
に樹脂を含浸させたガラス繊維をワインディングする方
法等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の場合に
は、芯部材を抜去するのにその切欠き部又は小孔に先の
とがった工具を差し込んで抜去するという面倒な作業を
行う必要があり、又、端部の内周面には繊維強化樹脂層
が露出するために、内径寸法精度や内周面平滑性は依然
として充分なものではなく、後加工を必要とするため
に、生産性が悪くコスト高になるという問題点がある。
【0005】又、後者の場合には、二つの半割り樹脂成
形品を互いに固着するものであるので、周方向の小さな
段差ができたり隙間ができたりして、所望の成形品の内
周面形状に形成することが難しく、端部の内径寸法精度
や内周面平滑性が優れた繊維強化樹脂製成形品を得るこ
とが難しいという問題点がった。
【0006】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
し、端部の内径寸法精度や表面平滑性に優れた繊維強化
樹脂積層体を、生産性よく且つ安価に製造する方法を提
供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本願発明 は、軸方向に凹
凸状に曲折する内周面を有し一端部の外周面の外側方に
突出するピンが設けられた短管状の補助部材を、円筒状
もしくは円柱状芯型の端部上に、ピンが設けられた端部
を円筒状もしくは円柱状芯型の端縁の方に向けるように
して装着して成形型を形成し、その成形型の周りに硬化
性樹脂含浸強化繊維をピンに引っ掛けるようにして巻き
付けて繊維強化樹脂層を形成し、樹脂を硬化させ、硬化
した繊維強化樹脂層の端部に補助部材を一体的に接合せ
しめ、その後円筒状もしくは円柱状芯型を抜去し、補助
部材のピンが設けられた部分を切断して除去する繊維強
化樹脂積層体の製造方法である。
【0008】 「軸方向に凹凸状に曲折する内周面を有す
る」とは、例えば、製品の端部の内周面に、パッキング
や抜け止めを装着するような軸方向における異径部があ
り、その内周面形状に対応した軸方向の凹凸面を有する
ことをいう。
【0009】 円筒状もしくは円柱状芯型は、その実質的
対称軸に垂直な断面が、真円である場合は勿論、長円、
楕円又は所謂角パイプの如く正方形の四隅に小さなRを
設けたもの等を包含するものである。
【0010】 補助部材の材料としては、例えば、鉄、ス
テンレス、アルミニウム等の金属、ポリ塩化ビニル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アク
リルニトリル─ブタジエン─スチレン共重合体等の熱可
塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等が使用される。樹脂中
には、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のフィラー
や、ガラス繊維、炭素繊維の強化繊維を添加してもよ
い。特に、ポリ塩化ビニルが強度もあり安価な点で多用
される。
【0011】 補助部材の製作方法としては、材料が金属
の場合には、切削加工法、鋳造加工法等が使用され、材
料が熱可塑性樹脂の場合には、射出成形法、真空成形法
等が使用され、材料が熱硬化性樹脂の場合には、レジン
インジェクション法等が使用され、材料が樹脂中に強化
繊維を添加したものの場合には、SMCプレス法、BM
Cプレス法、スタンパブルシートのプレス成形法等が使
用される。
【0012】 本発明における積層体としては、例えば、
管継手、管、プロペラシャフト等が挙げられる。
【0013】
【作用】 本願発明 は、軸方向に凹凸状に曲折する内周面
を有し一端部の外周面の外側方に突出するピンが設けら
れた短管状の補助部材を、円筒状もしくは円柱状芯型の
端部上に、ピンが設けられた端部を円筒状もしくは円柱
状芯型の端縁の方に向けるようにして装着して成形型を
形成し、その成形型の周りに硬化性樹脂含浸強化繊維を
ピンに引っ掛けるようにして巻き付けて繊維強化樹脂層
を形成し、樹脂を硬化させ、硬化した繊維強化樹脂層の
端部に補助部材を一体的に接合せしめ、その後円筒状も
しくは円柱状芯型を抜去し、補助部材のピンが設けられ
た部分を切断して除去することにより、成形型の周りに
硬化性樹脂含浸強化繊維を均一に巻き付けることができ
て、強度や耐圧性に優れた繊維強化樹脂層を形成するこ
とでき、成形型の面倒な脱型作業を要することなく、内
径寸法精度や表面平滑性や耐ウィーピング性の優れた状
態に形成することができ、又、脱型工程を簡素化でき
る。これにより、強度、耐圧性に優れた、信頼性の高い
繊維強化樹脂積層体を生産性よく且つ安価に製造するこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により、図面を参照に
しながら具体的に説明する。図1は、本発明に使用する
フィードアイの作動を示す説明図である。フィードアイ
2は、成形型1の軸に沿うX軸方向の移動作動、成形型
1に近接離反するZ軸方向の移動作動及び上下方向のY
軸方向の移動作動の三次元的移動作動と、成形型1の回
転軸を含む水平面上で回動するVで示される回動作動及
び硬化性樹脂含浸強化繊維の繰り出し方向を回転軸とし
て回転するUで示される回転作動が可能とされている。
【0015】 図2は、本発明の実施例であるソケット型
の繊維強化樹脂積層管継手を成形するために用いる成形
型の一例を示す断面図である。成形型1は、円筒状もし
くは円柱状芯型11とその上に装着される補助部材12
とからなる。円筒状もしくは円柱状芯型11は、円筒状
もしくは円柱状の芯型本体部111と、ピン台112と
からなる。尚、図2においては一方の端部の状態のみを
示すが、他方の端部の状態は同じであるので省略する。
【0016】 芯型本体部111には、その端部内方に、
環状の端面板111aが設けられており、端面板111
aの中心点から所定長だけ離れた2箇所に、回転機の回
転軸を挿通して、周方向に回転するための挿通孔111
bが設けられている。
【0017】 ピン台112には、円盤状のピン台本体1
12aの外周縁に、芯型本体部111とは逆方向に平行
に延びる鍔部112bが設けられ、鍔部112bの外周
面に外側方に突出するようにピン112cが設けられて
いる。ピン台本体112aには中心点から所定長だけ離
れた2箇所に、回転機の回転軸を挿通して、周方向に回
転するための挿通孔112dが設けられている。
【0018】 ピン台112の芯型本体部111側の面に
は、短管状の補助部材装着部113が設けられている。
補助部材装着部113は、芯型本体部111の中央側が
平行面部113aとされ、平行面部113aの先端内方
に輪環状の先端面板113bが設けられ、先端面板11
3bの内径は芯型本体部111の外径とほぼ同じとされ
ている。ピン台112への連結部付近に、周方向に沿っ
てカット用溝部113cが設けられ、平行管部113a
とカット用溝部113cとの間に外方に突出する突出板
部113dが設けられている。
【0019】 補助部材12は、ポリ塩化ビニルからなる
短管状のものであり、軸方向に凹凸状に曲折する内周面
を有している。補助部材12には、内周面に周方向に沿
ってパッキング装着用凹溝121と抜け防止リング装着
用凹溝122が設けられ、凹溝121,122の両側が
軸方向に平行に延びる平行面部123とされ、凹溝12
2側の端部に径方向に窄まる傾斜面部124が設けられ
て、内周面及び外周面が軸方向に沿って凹凸面とされて
いる。平行面部123の内径は、円筒状もしくは円柱状
芯型11の補助部材装着部113の外径とほぼ同じ径と
されている。
【0020】 この補助部材12は、図3に示す如き工程
により、ポリ塩化ビニルプレートを用いて真空成形法に
より短管状に成形することにより得ることができる。ま
ず、図3(a)に示す如く、厚さ3.0mmのポリ塩化
ビニルプレート(管中プラスチック社製:商品名「カイ
ダック」)31を準備する。図3(b)は補助部材成形
用の金型32であり、成形すべき補助部材12の内周面
形状に対応する外面形状を備えおり、その表面には空気
を真空吸引するための0.5〜1mmの直径の細孔が多
数設けられている。
【0021】 金型32は、図3(c)に示す如く、管状
体が軸方向に平行な二本の割れ目が入れられて4個の型
片321,322,323,324に分割されている。
そして、2個の型片321、322を矢印にて示す如く
径方向の内側に移動させるようにして脱型した後、残り
の型片323,324を径方向の内側に移動させて脱型
ができるようにされている。
【0022】 図3(d)に示す如く、プレート31を電
熱ヒーター33により両面から加熱し、図3(e)に示
す如く、軟化したプレート31を金型32に押し当て、
図3(f)に示す如く、金型32の細孔から空気を真空
吸引して、プレート31を金型32に沿わせるようにし
て真空成形する。しかる後に、図3(g)に示す如く、
両端の矢印部をカットして、図2中に示す補助部材12
を得る。
【0023】 成形型1の組立ては次の如くして行う(図
2参照)。芯型本体部111の外周面上に補助部材12
を嵌めておいて、芯型本体部111の端部に、その端面
に連結された補助部材装着部113を挿入する如くして
ピン台112を当接し、芯型本体部11の挿通孔112
dとピン台112の挿通孔112dを相対向させて、図
2に示す如き成形型1を得る。
【0024】 次に、図4(a)に示す如き、周方向に回
転する回転軸41を有する回転機4を用い、図4(b)
に示す如く、回転軸41を芯型本体部111の挿通孔1
11bとピン台112の挿通孔112dに挿入し、ピン
台112を芯型本体部111に押しつけた。
【0025】 特に図示しないが、図4に示す回転機4に
より、成形型1を周方向に回転させて、図1に示すフィ
ードアイ2により、成形型1の周りにピン112cに硬
化性樹脂含浸強化繊維を引っ掛けるようにして巻き付け
た後、樹脂を加熱ヒーターにより加熱硬化して、図5に
示す如く、成形型1の周りに、硬化した繊維強化樹脂層
5を形成した。
【0026】 硬化した繊維強化樹脂層5は、芯型本体部
111の中央部の外周面と、円筒状もしくは円柱状芯型
11の端部の補助部材装着部113上に装着された補助
部材12の外周面と、ピン台112の鍔部112aの外
周面とにまたがって設けられ、繊維強化樹脂層5と補助
部材12の外周面とは一体的に接合されている。
【0027】 図5中の矢印で示す部分を、カット用溝部
113cの周りでカットする。ピン台112及び補助部
材装着部113を抜去し、次いで芯型本体部111を抜
去し、図6に示す如く、繊維強化樹脂層5の端部内に補
助部材12が一体的に設けられ、内周面に周方向に沿っ
てパッキング装着用凹溝121と抜け防止リング装着用
凹溝122が設けられたソケット型の繊維強化樹脂積層
管継手を得た。
【0028】 図7は、本発明の実施例である繊維強化樹
脂積層プロペラシャフトを成形するために用いる成形型
の一例を示す断面図である。成形型6は、円筒状もしく
は円柱状芯型61とその上に装着される補助部材62と
からなる。円筒状もしくは円柱状芯型61は、円筒状も
しくは円柱状の芯型本体部111と、ピン台612とか
らなる。芯型本体部111は上記に説明したものと同じ
ものであるので、詳細な説明は省略する。尚、図7にお
いても一方の端部の状態のみを示すが、他方の端部の状
態は同じであるので省略する。
【0029】 ピン台612には、円盤状のピン台本体6
12aの外周縁に、芯型本体部111とは逆方向に平行
に延びる鍔部612bが設けられ、鍔部112bの外周
面に外側方に突出するようにピン612cが設けられて
いる。ピン台本体612aの中心点から所定長だけ離れ
た2箇所に、回転機の回転軸を挿通して、周方向に回転
するための挿通孔612dが設けられている。
【0030】 ピン台612の芯型本体部111側の面に
は、テーパー短管状の補助部材を装着する補助部材装着
部613が設けられている。補助部材装着部613は、
その外周面が芯型本体部111の中央側が小径となるテ
ーパー部613aとされ、テーパー部613aの先端内
方に輪環状の先端面板613bが設けられ、先端面板6
13bの内径は芯型本体部111の外径とほぼ同じとさ
れている。ピン台612への連結部付近に、周方向に沿
ってカット用溝部613cが設けられている。
【0031】 補助部材62は、ポリ塩化ビニルからな
り、円筒状もしくは円柱状の芯型本体部111の外径と
略同径の内径を有する一端部から次第に大径となるテー
パー短管状の一体物からなるものである。この補助部材
62の内周面は、一端部から次第に大径となるテーパー
部を有することが必要であるが、外周面は必ずしもその
必要はない。又、図3に示す如き工程に準じてポリ塩化
ビニルプレートを用いて真空成形により成形してもよい
し、又、適当な熱可塑性樹脂を用いて、射出成形により
成形してもよい。
【0032】 成形型6の組立ては次の如くして行う(図
7参照)。ピン台612の補助部材装着部613に、補
助部材62の大径の方の端部を嵌めておいて、芯型本体
部111に端部に、補助部材62の小径の方の端部を嵌
めていき、図7に示す如く、芯型本体部111の端面板
111aにピン台612のピン台本体部612aを当接
し、芯型本体部111の挿通孔111bとピン台612
の挿通孔612dを相対向させて、図7に示す如き成形
型6を得る。
【0033】 特に図示しないが、図4に示す回転機4に
より、図7に示す成形型6を周方向に回転させて、図1
に示すフィードアイ2により、成形型6の周りにピン6
12cに硬化性樹脂含浸強化繊維を引っ掛けるようにし
て巻き付けた後、樹脂を加熱ヒーターにより加熱硬化し
て、図8に示す如く、成形型6の周りに、硬化した繊維
強化樹脂層7を形成した。硬化した繊維強化樹脂層7の
端部の内方には補助部材62が一体的に接合されてい
る。
【0034】 図8の矢印で示す部分をカットし、ピン台
612と芯型本体部111を抜去し、図9に示す如く、
繊維強化樹脂層7の端部内に補助部材62が一体的に接
合され、端部の内周面に周方向に沿ってヨークを当接し
て駆動を伝達するテーパー面が設けられた繊維強化樹脂
積層プロペラシャフトを得た。
【0035】 図10は、本発明の実施例であるチーズ型
の繊維強化樹脂積層管継手を成形するために用いる成形
型の一管接続部を示す断面図である。成形型8は、円筒
状もしくは円柱状の芯型本体部111とその上に装着さ
れる補助部材82とからなる。芯型本体部111は、上
記と同じものなので詳細な説明は省略する。尚、図10
においてはチーズ状の成形型8の一管接続部の状態のみ
を示すが、他の管接続部の状態は同じであるので省略す
る。
【0036】 補助部材82は、ポリ塩化ビニルからなる
短管状のものであり、軸方向に凹凸状に曲折する内周面
を有している。補助部材82には、内周面に周方向に沿
ってパッキング装着用凹溝821と抜け防止リング装着
用凹溝822が設けられ、パッキング装着用凹溝821
及び抜け止めリング装着用凹溝822の両側が軸方向に
平行に延びる平行面部823,824とされている。
【0037】 抜け止めリング装着用凹溝824の側方に
延びる平行面部824の端縁に径方向に窄まる傾斜面部
825が設けられており、傾斜面部825の先端部の内
径は、芯型本体部111の外径と同一とされている。
【0038】 パッキング装着用凹溝821の側方に延び
る平行面部823の端縁の内方に輪環状の端面板826
が設けられている。平行面部823の外周面であって、
内方に端面板826が設けられた位置に、外側方に突出
する多数のピン827が一定間隔毎に設けられている。
【0039】 この補助部材82は、適当な熱可塑性樹脂
を射出成形することにより得ることができる。
【0040】 成形型8の組立ては次の如くして行う(図
10参照)。芯型本体部111の外周面上に補助部材8
2を、ピン827が設けられた方の端部を芯型本体部1
11の端縁に向けるようにして嵌め、両者間を粘着テー
プ等で固定して、図10に示す如き成形型8を得る。
【0041】 特に図示しないが、図4に示す如き回転機
4を用い、図10に示す成形型8を周方向に回転させ
て、成形型8の周りに硬化性樹脂含浸強化繊維をピン8
27に引っ掛けるようにして巻き付けた後、樹脂を加熱
ヒーターにより加熱硬化して、図11に示す如く、成形
型8の周りに、硬化した繊維強化樹脂層9を形成した。
硬化した繊維強化樹脂層9の端部の内方には補助部材8
2が一体的に接合されている。
【0042】 図11中の矢印で示す部分でカットする。
芯型本体部111を抜去し、図12に示す如く、繊維強
化樹脂層9の端部内に補助部材82が一体的に設けら
れ、内周面に周方向に沿ってパッキング装着用凹溝82
1と抜け防止リング装着用凹溝822が設けられたソケ
ット型の繊維強化樹脂積層管継手を得た。
【0043】 補助部材は、上記のものに限定されず、図
13に示す如く、軸方向に凹凸状に曲折する内周面を有
している凹凸部材83と短管状のスペーサー84とピン
付きリング85を組み合わせたものでもよい。又、図1
4に示す如く、軸方向に凹凸状に屈曲する凹凸部材86
とスペーサー87と、凹凸部材86とスペーサー87間
に装着された多数のピン部材88を組み合わせたもので
あってもよい。
【0044】 実施例1 図2に示す成形型1を用い、図1に示すフィードアイ
2、図4に示す如き巻回機4をを用いて、図5に示す如
く、成形型1の周りに硬化した繊維強化樹脂層5を形成
し、樹脂を硬化した後脱型を行って、φ150のソケッ
ト型の繊維強化樹脂製管継手の製造を行った。
【0045】 尚、補助部材12として、厚さ3.0mm
のポリ塩化ビニルプレート(筒中プラスチック社製:商
品名「カイダック」)を用いて、図3の工程により真空
成形したものを用いた。芯型本体部111としては、F
RPの上に厚さ0.5mmのメッキを施したものを用い
た。
【0046】 樹脂組成として、不飽和ポリエステル樹脂
(日本触媒化学工業社製:商品名「N─150AL」)
100重量部と、硬化剤(化薬アクゾ社製:商品名「カ
ヤメックM」)0.6重量部と、促進剤(コバルト6%
含有)0.5重量部との混合物を用いた。樹脂含浸強化
繊維中の強化繊維として、ガラスロービング(番手22
30g/km)10本を用いた。フィードアイ2に、
X,Y,Zの3軸の作動を行わせた。ヒーターによる樹
脂の硬化は、50℃で2時間行った。
【0047】 得られたソケット型の繊維強化樹脂製管継
手は、管接続部の内径寸法精度が優れたものであり、管
接続部(内径:150mm)の内径の許容差は±0.4
mmの範囲に入っており、JIS K6743の水道用
硬質塩化ビニル管継手の呼び径150mmの接合部の内
径の許容差である±0.4mmの範囲に十分おさまる±
0.3mmであった。
【0048】 又、ソケット型の繊維強化樹脂製管継手に
管を配管して、静水圧破壊試験及び内圧疲労試験(脈動
圧:0〜20kg/cm2 )を行った。その結果、水漏
れ及び破壊を起こすことのない耐圧強度は、60kg/
cm2以上であり、水漏れ及び破壊を起こすことのない
内圧疲労強度は、水道用規格である2万回を大幅に上回
る3万回以上であった。
【0049】 尚、静水圧破壊試験及び内圧疲労強度は、
図15に示す如く、本発明により得られたソケット型の
繊維強化樹脂製管継手10の各管接続部101に、テー
パー受口付き短管102をパッキング及び抜け止めを介
して接続し、そのテーパー受口にパッキングを介してテ
ーパーフランジ103にて蓋することにより行った。静
水圧破壊試験は、水圧を上げていったときの水漏れ及び
破壊を観察することにより行い、又、内圧疲労試験は、
0→20→0kg/cm2 の脈動圧を5秒/1サイクル
にて繰り返し負荷することによる漏水状態を観察するこ
とにより行った。
【0050】 実施例2 ソケット型の成形型の代わりに、チーズ型の成形型を用
いたこと以外は、実施例と同様にしてφ150─75の
チーズ型の繊維強化樹脂製管継手(主管部内径:150
mm、枝管部内径:75mm)の製造を行った。得られ
たチーズ型の繊維強化樹脂製管継手は、管接続部の内径
寸法精度が優れたものであり、主管部の管接続部(内
径:150mm)の内径の許容差は±0.4mmの範囲
に十分おさまる±0.3mmであった。
【0051】 又、チーズ型の繊維強化樹脂製管継手に管
を配管して、静水圧破壊試験を行った。その結果、水漏
れ及び破壊を起こすことのない耐圧強度は、60kg/
cm2 以上であった。又、チーズ型の繊維強化樹脂製管
継手に管を配管して、内圧疲労試験(脈動圧:0〜20
kg/cm2 )を行った。その結果、水道用規格である
2万回を大幅に上回る3万回以上であった。
【0052】 実施例3 芯型本体として:FRP製のメッキを施さないものを用
いたこと、ソケット型の成形型の代わりに、チーズ型の
成形型を用いたこと以外は、実施例と同様にしてφ15
0のチーズ型の繊維強化樹脂製管継手(主管部内径:1
50mm、枝管部内径:75mm)の製造を行った。得
られたチーズ型の繊維強化樹脂製管継手は、管接続部の
内径寸法精度が優れたものであり、主管部の管接続部
(内径:150mm)の内径の許容差は±0.4mmの
範囲に十分おさまる±0.3mmであった。
【0053】 又、チーズ型の繊維強化樹脂製管継手に管
を配管して、静水圧破壊試験を行った。その結果、水漏
れ及び破壊を起こすことのない耐圧強度は、60kg/
cm2 以上であった。又、チーズ型の繊維強化樹脂製管
継手に管を配管して、内圧疲労試験(脈動圧:0〜20
kg/cm2 )を行った。その結果、水道用規格である
2万回を大幅に上回る3万回以上であった。
【0054】 実施例4 図7に示す成形型6を用い、図1に示すフィードアイ
2、図4に示す如き巻回機4をを用いて、図8に示す如
く、成形型6の周りへの繊維強化樹脂層7の形成、成形
型6の脱型をそれぞれ行い、繊維強化樹脂積層プロペラ
シャフトを得た。
【0055】 尚、補助部材62として、ポリプロピレン
樹脂(三井石油化学社製:商品名「J−700」)を用
いて、射出成形により成形した厚さ3mmのものを用い
た。芯型本体としては、SUS製のものを用いた。
【0056】 樹脂組成として、エポキシ樹脂(チバガイ
ギー社製:商品名「LY556」)100重量部と、硬
化剤(チバガイギー社製:商品名「HY917」)0.
6重量部と、促進剤(チバガイギー社製:商品名「DY
0705」)0.5重量部との混合物を用いた。樹脂含
浸強化繊維中の強化繊維として、カーボン繊維(ペトカ
社製:商品名「HM50 12K)10本と、ガラスロ
ービング(旭ファイバーガラス社製:1150g/k
m)10本とを用いた。巻き付け角度は、カーボン繊維
を16°、ガラススービングを90°とした。フィード
アイ2に、X,Y,Zの3軸の作動を行わせた。ヒータ
ーによる樹脂の硬化は、50℃で2時間行った。
【0057】 その結果、繊維強化樹脂積層プロペラシャ
フトを得た。得られた繊維強化樹脂積層プロペラシャフ
トは、ヨークを接合して動力を伝達する端部内面の傾斜
面の寸法精度が優れており、その許容差が±0.2mm
の範囲にものであった。
【0058】 実施例5 図10に示す成形型8を用い、図1に示すフィードアイ
2、図4に示す巻回機4を用いて、図11に示す如く、
成形型8の周りに硬化した繊維強化樹脂層9を形成し、
樹脂を硬化した後、脱型を行い、図11中の矢印で示す
部分でカットしたこと以外は実施例1と同様にしてφ1
50のソケット型の繊維強化樹脂製管継手(主管部内
径:150mm、枝管部内径:75mm)の製造を行っ
た。得られたソケット型の繊維強化樹脂製管継手は、管
接続部の内径寸法精度が優れたものであり、管接続部
(内径:150mm)の内径の許容差は±0.4mmの
範囲に十分おさまる±0.3mmであった。
【0059】 又、ソケット型の繊維強化樹脂製管継手に
管を配管して、静水圧破壊試験を行った。その結果、水
漏れ及び破壊を起こすことのない耐圧強度は、60kg
/cm2 以上であった。又、ソケット型の繊維強化樹脂
製管継手に管を配管して、内圧疲労試験(脈動圧:0〜
20kg/cm2 )を行った。その結果、水道用規格で
ある2万回を大幅に上回る3万回以上であった。
【0060】 比較例1 成形型としてポリプロピレン樹脂(三井石油化学社製:
商品名「J−700」)からなる厚さ3.0mmのブロ
ー成形したものを用いたこと、樹脂含浸強化繊維の成形
型上への巻き付けをハンドレアップ法にて行ったこと、
成形型の脱型を成形型を押しつぶすようにして行ったこ
と以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同様のソ
ケット型の繊維強化樹脂製管継手の製造を行った。得ら
れたソケット型の繊維強化樹脂製管継手は、管接続部
(内径:150mm)の内径の許容差の±0.4mmを
範囲を外れる±0.6mmの範囲にやっと入るものであ
った。
【0061】 又、ソケット型の繊維強化樹脂製管継手に
管を配管して、静水圧破壊試験を行った。その結果、水
漏れ及び破壊を起こすことのない耐圧強度は、40kg
/cm2 であった。又、ソケット型の繊維強化樹脂製管
継手に管を配管して、内圧疲労試験(脈動圧:0〜20
kg/cm2 )を行った。その結果、水道用規格である
2万回を満足したが2万3000回に止まった。
【0062】
【発明の効果】 本願発明 は、上記の如き構成とされてい
るので、強度や耐圧性に優れた繊維強化樹脂層を形成す
ることでき、内径寸法精度や表面平滑性や耐ウィーピン
グ性の優れた状態に形成することができ、強度、耐圧性
に優れた、信頼性の高い繊維強化樹脂積層体を生産性よ
く且つ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するフィードアイの作動を示す説
明図である。
【図2】本発明に使用する成形型の一部を示す断面図で
ある。
【図3】本発明に使用する成形型中の補助部材の成形工
程の一例を示す説明図である。
【図4】本発明に使用する巻回機の一例を示す説明図で
あり、(a)は巻回機を示す斜視図、(b)はその巻回
機を用いて成形型を回転する状態を示す一部切り欠き正
面図である。
【図5】図2に示す成形型の周りに繊維強化樹脂層を形
成した状態を示す断面図である。
【図6】図2に示す成形型を用いて成形した繊維強化樹
脂積層管継手の一部を示す断面図である。
【図7】本発明に使用する別の成形型の一部を示す断面
図である。
【図8】図7に示す成形型の周りに繊維強化樹脂層を形
成した状態を示す一部切り欠き正面図である。
【図9】図7に示す成形型を用いて成形した繊維強化樹
脂積層プロペラシャフトの一部を示す一部切り欠き正面
図である。
【図10】本発明で使用する別の成形型の一部を示す断
面図である。
【図11】図10に示す成形型の周りに繊維強化樹脂層
を形成した状態の一部を示す断面図である。
【図12】図10に示す成形型を用いて成形した繊維強
化樹脂積層管継手の一部を示す一部切り欠き正面図であ
る。
【図13】本発明で使用する別の成形型の一部を示す断
面図である。
【図14】本発明で使用する別の成形型の一部を示す説
明図であり、(a)は成形型の一部を示す断面図、
(b)はその一部を拡大して示す斜視図である。
【図15】本発明により得られた繊維強化樹脂製管継手
の静水圧試験、内圧疲労試験における、接続部を示す一
部縦断面図である。
【符号の説明】
1,6,8 成形型 2 フィードアイ 4 巻回機 5,7,9 繊維強化樹脂層 10 繊維強化樹脂管継手 11,61 芯型 12,62,82 補助部材 31 プレート 32 金型 33 電熱ヒーター 41 回転軸 111 芯型本体部 112,612 ピン台 113,613 補助部材装着部 121,122,821,822 凹溝 123,823,824 平行面部 124,825 傾斜面部 827 ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 31:24 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29D 23/00 B29C 70/16 F16L 47/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に凹凸状に曲折する内周面を有し
    一端部の外周面の外側方に突出するピンが設けられた短
    管状の補助部材を、円筒状もしくは円柱状芯型の端部上
    に、ピンが設けられた端部を円筒状もしくは円柱状芯型
    の端縁の方に向けるようにして装着して成形型を形成
    し、その成形型の周りに硬化性樹脂含浸強化繊維をピン
    に引っ掛けるようにして巻き付けて繊維強化樹脂層を形
    成し、樹脂を硬化させ、硬化した繊維強化樹脂層の端部
    に補助部材を一体的に接合せしめ、その後円筒状もしく
    は円柱状芯型を抜去し、補助部材のピンが設けられた部
    分を切断して除去することを特徴とする繊維強化樹脂積
    層体の製造方法。
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