JP3176472U - マットレス用繊維構造体およびマットレス - Google Patents

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Abstract

【課題】クッション性に優れ、多量の発汗による蒸れを軽減し、さらには体圧分散性に優れたマットレス用繊維構造体および該繊維構造体を用いてなるマットレスを提供する。
【解決手段】非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも25℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿されたウエブを積層して得られた、前記熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在したマットレス用繊維構造体の少なくとも一表面において、長径が500mm以上かつ短径が500mm以上かつ深さ15〜100mmの凹部を形成する。
【選択図】図1

Description

本考案は、クッション性に優れ、多量の発汗による蒸れを軽減し、さらには体圧分散性に優れたマットレス用繊維構造体および該繊維構造体を用いてなるマットレスに関する。
従来、医療、介護用ベッドとして背上げ機能と連動して転落予防のために身体を包み込むように両サイドが上がる(サイドアップ機能を有した)ベッドが使用されている。そして、このような両サイドが上がるベッドに対応するマットレスとしてはウレタンマットレスが知られているが、ウレタンマットレスでは、通気性が劣ることによる多量の発汗による蒸れや、水洗濯ができないなどの問題点があった。
また、蒸れの軽減や水洗濯が可能なマットレスとしては熱接着性短繊維を含有する短繊維をウエブ化した後、熱接着性短繊維の熱融着により固着点を形成した繊維クッション材を使用したものが知られている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、かかる繊維クッション材を使用したマットレスでは、体圧分散性の点で十分ではないという問題点があった。
特開平8−318066号公報 特開2007−308831号公報
本考案は、上記の背景に鑑みなされたものであり、クッション性に優れ、多量の発汗による蒸れを軽減し、さらには体圧分散性に優れたマットレス用繊維構造体および該繊維構造体を用いてなるマットレスを提供することにある。
本考案者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とが混綿されたウエブを用いてマットレス用繊維構造体を得る際、繊維構造体の少なくとも一面において、所定寸法の凹部を形成することにより体圧分散性を向上させることができることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本考案に到達した。
かくして、本考案によれば「非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも25℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿されたウエブを積層して得られた、前記熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在したマットレス用繊維構造体であって、繊維構造体の少なくとも一表面において、長径が500mm以上かつ短径が500mm以上かつ深さ15〜100mmの凹部が形成さていることを特徴とするマットレス用繊維構造体。」が提供される。
その際、前記ウエブが、ウエブをアコーデオン状に折りたたむことにより積層されていることが好ましい。また、マットレス用繊維構造体の上表面または下表面において、複数の溝が巾方向に形成されていることが好ましい。その際、前記溝において、深さが20〜30mmの範囲内であり、互いに隣り合う溝の間隔が50〜100mmの範囲内であることが好ましい。また、前記非弾性捲縮短繊維がポリエステル系繊維からなることが好ましい。また、前記熱融着成分がポリエステル系エラストマーからなることが好ましい。
本考案のマットレス用繊維構造体において、繊維構造体の厚さが40〜100mmの範囲内であり、かつ繊維構造体の密度が20〜50kg/mの範囲内であることが好ましい。
また、本考案によれば、前記のマットレス用繊維構造体を含むマットレスが提供される。かかるマットレスにおいて、前記凹部に、荷重980N(100kgf、直径が200mmの円板状荷重)による圧縮率が60〜80%のクッション材がはめ込まれていることが好ましい。また、マットレスが医療用または介護用であることが好ましい。
本考案によれば、クッション性に優れ、多量の発汗による蒸れを軽減し、さらには体圧分散性に優れたマットレス用繊維構造体および該繊維構造体を用いてなるマットレスが得られる。
本考案のマットレス用繊維構造体の一例である。 本考案において、溝を模式的に示す図である。 T/Wの測定方法を説明するための模式図である。
以下、本考案のマットレス用繊維構造体(以下、単に「繊維構造体」ということもある。)の実施形態について詳細に説明する。
本考案における非弾性捲縮短繊維としては、綿、ウール等の天然繊維やカーボン繊維等の無機繊維、セルロース系繊維、アラミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系の合成繊維等、さらには雑綿又は反毛とよばれるリサイクル繊維等も使用できる。なかでも、取扱い性及びリサイクル性の点より合成繊維が好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ステレオコンプレックスポリ乳酸などのポリエステル、またはこれらの共重合体からなる短繊維ないしそれら短繊維の混綿体、または上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合短繊維等を挙げることができる。また、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、特開2009−01694号公報に記載された、バイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレートや、さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルなどからなる短繊維でもよい。これらの短繊維のうち、繊維形成性等の観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートからなる短繊維が特に好ましい。
前記の非弾性捲縮短繊維において、単繊維の断面形状は通常の丸、扁平、四つ山扁平などのくびれ付き扁平、三角や四角の多角形、丸中空や三角中空等の中空などいずれでもよい。
また、前記の非弾性捲縮短繊維において、単糸繊度としては、2〜700dtex(より好ましくは4〜200dtex、特に好ましくは5〜10dtex)であることが好ましい。単糸繊度が2dtexよりも小さいと、嵩高性が不十分となりクッション性や反発性が乏しくなるおそれがある。逆に、単糸繊度が700dtexよりも大きいとウエブ化が難しく、また、同一目付けであれば、繊維構造体を構成する繊維の本数が少なくなるため十分なクッション性が得られないおそれがある。また、非弾性捲縮短繊維の繊維長としては、繊維長が3〜100mmに裁断されていることが好ましい。
前記の非弾性捲縮短繊維において、捲縮数は4〜25個/2.54cm(好ましくは7〜15個/2.54cm)であることが好ましく、捲縮率としては20〜35%であることが好ましい。かかる捲縮数や捲縮率がこれらの範囲よりも小さいとウエブの嵩が出にくく、ウエブ化が困難となるおそれがある。また同時に、繊維構造体の反発性が乏しく、耐久性の低いものしか得られないおそれがある。逆に、かかる捲縮数や捲縮率がこれらの範囲よりも大きいとウエブの嵩高性が低く、高密度の繊維構造体しか得られなかったり、ウエブ化の際に繊維の絡みが強くなり筋状のムラ等が発生しやすくなるおそれがある。
なお、捲縮付与方法としては、熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与、異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、通常の押し込みクリンパー方式による機械捲縮を付与など、種々の方法を用いればよいが、嵩高性、製造コスト等の面から機械捲縮を付与するのが最適である。
一方、熱接着性短繊維は、前記非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーの融点よりも25℃以上(より好ましくは25〜150℃)低い融点を有する低融点ポリマーが少なくとも熱融着成分としてその表面に配された短繊維である。加熱により熱融着成分が溶融し、該熱接着性短繊維同士の交差点や該熱接着性短繊維と前記非弾性捲縮短繊維との交差点が融着する。その際、前記融点差が25℃未満では、加工温度が非弾性捲縮短繊維の融点温度に近くなるため、非弾性捲縮短繊維の物性や捲縮特性、または繊維構造体のクッション性が低下するおそれがあり、また、成型時の収縮率も大きくなるおそれがあり好ましくない。
かかる熱接着性短繊維を構成する繊維としては、共重合ポリエステル系繊維、熱可塑性エラストマー繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、熱融着成分と芯成分とで形成される複合形態を有する複合繊維などが例示される。特に、熱融着成分を有する複合繊維は形態保持安定性や、成形性が優れているので好ましい。繰返し圧縮変形を受け、圧縮量すなわち変形量が大きいクッション用途では、固着点(融着点)に変形応力が加わったとき変形が容易で、変形応力が除かれたときは歪みを残さずに復元することが好ましい。繊維構造体に大きな変形量が加わるときは、かかる繊維構造体に含まれる固着点には、さらに大きな角度変化や伸張、ねじれ等の力が加わる。このため、熱融着成分を形成する低融点ポリマーが熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
かかる熱可塑性エラストマーとしては、耐熱性があり、高温熱成型可能なポリエステル系エラストマーが特に好ましい。ポリエステル系エラストマーとしては熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
特に、非弾性捲縮短繊維との接着性や温度特性、強度の面からすればポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
また、熱接着性短繊維が複合繊維である場合、芯成分を形成するポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリピバロラクトンまたはこれらの共重合体エステル等を使用できる。
なお、上述のポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、着色剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていてもよい。
また、熱接着性短繊維が複合繊維である場合、熱融着成分が、少なくとも1/2の表面積を占めるものが好ましい。重量割合は、熱融着成分と芯成分が、複合比率で30/70〜70/30の範囲にあるのが適当である。複合形態としては、少なくとも熱融着成分が表面に露出している限り特に限定されず、サイドバイサイド型、芯鞘型、偏心芯鞘型などが例示される。
前記の熱接着性短繊維において、単糸繊度としては2〜170dtex(より好ましくは1〜15dtex、特に好ましくは2〜10dtex)が好ましく、繊維長は38〜255mm、捲縮数は4〜70個/2.54cmの範囲が好ましい。この範囲から外れると、混綿、ウエブ化などの工程安定性が悪くなるおそれがある。また、繊維構造体のクッション性能や圧縮耐久性が低下するおそれがある。
本考案において、繊維構造体は、上記の非弾性捲縮短繊維と熱接着性短繊維とが混綿されたウエブを積層した後に加熱処理することにより、該熱接着性短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性短繊維と非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなるものである。その際、非弾性捲縮短繊維と熱接着短繊維との重量比率は90/10〜10/90であることが肝要である。熱接着性短繊維の比率がこの範囲より小さい場合は、固着点が少なくなり、圧縮反発性、圧縮耐久性が低下するおそれがある。逆に、熱接着性短繊維の比率がこの範囲よりも大きい場合は、熱接着性短繊維の収縮のため、所望の成型物形状が得られにくくなるとともに、生産での品質管理が難しくなり好ましくない。
ここで、前記熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列していると、クッション性、弾力性、ムレの軽減効果が向上し好ましい。ここで、「厚さ方向に配列している」とは、図3に示すように繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(W)とするとき、T/Wが1.5以上であることである。
本考案において、繊維構造体の少なくとも一表面(好ましくは人体と接する上表面、より好ましくは人体と接する上表面のみ)において、長径(好ましくは長径方向と繊維構造体の長手方向(すなわち人体の身長方向)と一致する。)の長さ500mm以上(好ましくは、500〜3000mm、より好ましくは900〜1300mm)かつ短径(繊維構造体の巾方向)の長さ500mm以上(好ましくは500〜800mm)かつ深さ15〜100mmの凹部が形成さている。かかる凹部が形成されることにより、体圧分散性が向上する。
なお、長径とは凹部の横断面における長辺であり、短径とは横断面における短辺である。凹部の横断面が長方形の場合は、長径は長辺の長さとなり、短径は短辺の長さとなる。また、凹部の横断面が楕円形の場合、長径とは、楕円形の長軸方向の長さとなり、短径は該長軸と直交する方向の長さとなる。
ここで、前記凹部の長径が500mm未満または短径が500mm未満の場合、使用者が横たわる範囲が限定され十分な体圧分散性が得られないおそれがある。また、深さが15mmよりも小さい場合も十分な体圧分散性が得られないおそれがある。逆に、前記凹部の長径が3000mmよりも大または短径が800mmよりも大または深さが100mmよりも大の場合、腰〜臀部が沈み込みすぎ寝返りが困難になるおそれがある。
また、前記繊維構造体において、少なくとも1表面にマットレスの巾方向に溝が形成されていることが好ましい。特に、繊維構造体の上表面または下表面において、複数の溝が巾方向に形成されていると、溝が形成された表面が、人体側とは反対側となるように(すなわち、マットレス裏面となるように)マットレスを使用すると、ベッドの背上げ機能に対応して屈曲が容易になる。
その際、前記溝において、深さが20〜30mmの範囲内であることが好ましい。また、隣りあう溝の間隔が溝の中心線間隔(W)で50〜100mmの範囲内であることが好ましい。また、溝巾としては2〜20mmの範囲内であることが好ましい。前記溝がかかる範囲内であると、クッション性への影響が少なく好ましい。なお、溝形状はV字溝、凹型溝などいずれでもよい。
前記の繊維構造体は例えば以下の製造方法により製造することができる。まず、前記のような非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを重量比率で90/10〜10/90となるように混綿したウエブを用意する。
次いで、該ウエブを必要に応じて遠赤外線や熱風ヒータ等で仮融着し、所定の密度および厚さに応じて積層した後、金型に入れ、次いで、蒸気釜を用いて50Torr以下に減圧した後に一定時間湿熱処理し、その後冷却乾燥する方法が好ましい。その際、ウエブの積層方向がマットレスの巾方向であることが肝要である。
ここで、繊維構造体を構成する繊維を繊維の厚さ方向に配列させるため、特開2007−308831号公報の図2に示すような熱処理機(市販のものでは、Struto社製Struto設備など)を用いて、ウエブを駆動ローラにより加熱ローラが低融点ポリマーの融点以上に設定された熱風サクション式熱処理機内に押し込むことでアコーデオン式に折りたたむことによりウエブを積層した後加熱してもよい。
また、前記のように凹部を形成するには、上下2枚のプレートのうちどちらか1枚のプレートに、該凹部に対応する凸部を形成した上下2枚のプレートの間にウエブを圧縮保持させ加熱するとよい。
また、マットレス用繊維構造体の上表面または下表面に複数の溝を形成する場合は、前記金型の上下2枚のプレートのうちどちらか1枚のプレートに、溝に対応する山型または凸型の突起部を設けた上下2枚のプレート間に圧縮保持させ、加熱する方法が好ましい。または、前記繊維構造体を必要に応じて重ね合わせた後、上下2枚のプレートのうちどちらか1枚のプレートに、溝に対応する山型または凸型の突起部を設けた上下2枚のプレート間に圧縮保持させ、加熱してもよい。
かくして得られた繊維構造体において、密度は20〜50kg/m3の範囲が好ましい。繊維構造体の密度が該範囲よりも小さいと、反発性や圧縮耐久性が低下するおそれがある。逆に、繊維構造体の密度が該範囲よりも大きいと、硬くなるおそれがある。また、繊維構造体の厚さとしては40〜100mmであることが好ましい。繊維構造体の厚さが40mmより小さいとクッション性が十分発現されないおそれがある。逆に、繊維構造体の厚さが100mmよりも大きいと、取扱い性が損なわれるおそれがある。
繊維構造体の形状については、平板状や直方体状に限定されず円板状など任意の形状でもよい。また、通常の撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。
本考案の繊維構造体において、繊維構造体の少なくとも一表面に前記の凹部が形成されているのでクッション性に優れ、多量の発汗による蒸れを軽減し、さらには体圧分散性にも優れる。
次に、本考案のマットレスは前記の繊維構造体を含むマットレスである。その際、前記の繊維構造体単独または複数重ね合わせてマットレスを構成してもよい。また、前記凹部に、荷重980N(100kgf、直径が200mmの円板状荷重)による圧縮率が60〜80%のクッション材をはめ込むと体圧分散性がさらに向上し好ましい。その際、はめ込むクッション材のサイズは凹部のサイズ(長手方向の長さ、巾方向の長さ、深さ)と同じであることが好ましい。さらには、織物、編物、不織布などの布帛を積層することは好ましいことである。かかる布帛としては、立体編物が好ましい。特に、マットレスの巾方向に溝が形成されている表面とは反対側の表面に立体編物が積層されていると、優れた通気性、クッション性、高外観が得られ好ましい。なお、かかる立体編物としては、表裏二層の編物(好ましくはメッシュ)と該二層の編物を連結するモノフィラメントによる連結糸とから構成された、厚さ2〜50mm立体編物が好ましい。市販のものでは、例えば、旭化成社製のフュージョン(登録商標)などが好ましい。
なお、繊維構造体に他の布帛を積層する場合は、接着剤により布帛を繊維構造体に貼り合わせてもよいが、ウエブと布帛とを同時に金型に入れて湿熱処理するか、または、ウエブと布帛とを積層した状態で上下2枚のプレート間に圧縮保持させ、加熱することにより熱接着させることが好ましい。
本考案のマットレスにおいて、布帛以外の付属品を付加してもよい。布帛からなる被覆材で被覆することも好ましい。また、マットレスの形状についても平板状に限定されず任意の形状でもよい。さらには、通常の撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。
本考案のマットレスにおいて、繊維構造体は前記のような非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とで構成されるので、弾力性とクッション性に優れ、しかも水洗濯後に乾燥しやすい、さらには、使用後にメルトして再び新たな繊維や成型プラスチック等にリサイクル可能であり、燃焼する際、有毒ガスの発生が少ないという優れた効果をも有する。
本考案のマットレスは、医療用マットレス、介護用マットレスとして特に好適に使用できるが、これら以外の用途に用いてもさしつかえない。その際、前記凹部が人体側に位置するよう用いられる。また、マットレスの巾方向に溝が形成された表面がマットレス裏面(すなわち、人体側とは反対側表面)となるように用いることが好ましいが、表裏を逆にして用いてもよい。
以下、本考案を実施例により詳しく説明するが、本考案はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)融点
Du Pont社製 熱示差分析計990型を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。融解温度が明確に観測されない場合には、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とする。なお、n数5でその平均値を求めた。
(2)固有粘度
オルトクロルフェノールを溶媒として35℃で測定した。なお、n数5でその平均値を求めた。
(3)捲縮数、捲縮率
JIS L 1015に記載の方法により測定した。なお、n数5でその平均値を求めた。
(4)荷重980N(100kgf、直径が200mmの円板状荷重)による圧縮率
JIS K 6400に記載の方法により荷重980N(100kgf、直径が200mmの円板状荷重)による圧縮率を測定した。なお、n数5でその平均値を求めた。
(5)体圧分散性
XSENSOR(登録商標)Pressure Mapping ystem XS96を使用し被験者10名が、マットレスの上に仰向けに寝て、臀部の最大圧力を測定した。被験者10名の平均値を求め、数値が相対評価で数値が小さいほど体圧分散性が良く、100mmHg以下を合格と判定した。
(6)背上げ対応性
フランスベッド株式会社製サイドアップベッド(品番FBSU−720・32TD)にマットレスを載せ、身長175cm、体重65kgの男性が仰向けに寝た状態で背上げ角度のみを70度としたときに、ベッド床板の背上げ屈曲点から伸ばした線がマットレス裏面に対して直角なる様に長さ(L1)を計測し、下記判定基準により評価を行った。
対応性有り:L1≦70mm、対応性無し:L1>70mm
(7)凹部の成型性
マットレス中央部に成型した窪みにクッション材をはめ込み、クッション材とマットレス用繊維構造体との間の隙間(S)、段差(G)について下記評価基準により評価を行った。
合格:S≦2mmかつG≦2mm、不合格:S>2mmまたはG>2mm
(8)T/H
繊維構造体を厚さ方向に切断し、その断面において、厚さ方向に対して平行に配列されている繊維(図3において0°≦θ≦45°)の総本数を(T)とし、繊維クッシ
ョン材の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維(図3において45°<θ≦90°
)の総本数を(H)としてT/Hを算出した。なお、本数の測定は、任意の10ヶ所につ
いて各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。T/Wが1.5以上の場合、「繊維が厚さ方向に配列している。」とした。
[実施例1]
テレフタル酸とイソフタル酸とを80/20(モル%)で混合した酸成分とブチレングリコールとを重合し、得られたポリブチレン系テレフタレート38重量%を更にポリテトラメチレングリコール(分子量2000)62重量%と加熱反応させ、ブロック共重合ポリエーテルポリエステルエラストマーを得た。この熱可塑性エラストマーの融点は155℃であった。この熱可塑性エラストマーを鞘(シース)に、ポリブチレンテレフタレート(融点224℃)を芯(コア)に、シース/コアの重量比で70/70なるように紡糸して偏心シース・コア型複合繊維を得た。得られた複合繊維を2.0倍に延伸したのち、80℃で乾燥し捲縮を発現させたのち、油剤を付与し、51mmに切断することにより、熱接着性短繊維を得た。該熱接着性短繊維において、単糸繊度は7.3dtex、捲縮数は13個/2.54cm、捲縮率は30%であった。
次いで、該熱接着性短繊維30重量%と、非弾性捲縮短繊維として常法にて得られたポリエチレンテレフタレート短繊維(単糸繊度7.3dtex、繊維長64mm、捲縮数9個/2.54cm、捲縮率34%、断面形状は丸中空、融点256℃)70重量%とを混綿し、通常のカード機でウエブを作製し、Struto社製Struto設備を用いて、ローラ表面速度2.5m/分の駆動ローラにより、熱風サクション式熱処理機(熱処理ゾーンの長さ5m、移動速度1m/分)内へ押し込むことでアコーデオン式に折り畳み、190℃×5分間処理し厚み30mm、目付け460g/m2の、非弾性捲縮短繊維および熱接着性短繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列している繊維構造体を得た。
この繊維構造体4枚を積層し上下2枚のプレート間80mmの間に圧縮保持させ、加熱成形した。また、上のプレートにはマットレス中央部に深さ35mm、長さ1100mm、巾650mmの窪みが成型されるように治具を設置した。また下のプレートにはその繊維構造体が当設する面に70mm間隔に厚み5mm、高さ30mmのプレートをマットレスの幅方向に垂直に立てて設けた。これにより図1に示すような、繊維成型体の1表面に凹部(深さ35mm、繊維成型体の長手方向の長さ(長径)1100mm、巾(短径)650mm)が設けられたマットレス用繊維構造体を作製した。
得られたマットレス用繊維構造体の中央部の凹部に、該凹部と同じサイズ((長手方向の長さ、巾方向の長さ、深さ)の東洋紡績社製ブレスエア(登録商標)品番M4535をはめ込みマットレスを作製した。
得られたマットレスは体圧分散性に優れるものであり。医療用マットレスとして、また介護用マットレスとして好適であった。
[実施例2]
実施例1においてウエブをアコーデオン状に折り畳まずに190℃×5分間処理し厚み30mm、目付け460g/m2の、非弾性捲縮短繊維および熱接着性短繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列している繊維構造体を得て、この繊維構造体4枚を積層して実施例1と同様にマットレスを作製した。
得られたマットレス用繊維構造体は中央部の窪みの成型性が悪く、ブレスエア(登録商標)との間に隙間、段差が少しできてしまい、実施例1で得られたものに比べてマットレス表面の均一性がやや低下した。
[比較例1]
実施例1において繊維構造体を積層し加熱成型する際の上のプレートの治具を取り外し、繊維構造体が当設する面をフラットなものとした。これによりマットレスの両面ともフラットな形状となった以外は実施例1と同様にマットレスを作製した。
得られたマットレスは体圧分散性が実施例1より劣るものであった。評価結果を表1に示す。
Figure 0003176472
1:繊維構造体の一表面に形成された凹部
2:繊維構造体の一表面に形成された溝

Claims (10)

  1. 非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも25℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿されたウエブを積層して得られた、前記熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在したマットレス用繊維構造体であって、
    繊維構造体の少なくとも一表面において、長径が500mm以上かつ短径が500mm以上かつ深さ15〜100mmの凹部が形成さていることを特徴とするマットレス用繊維構造体。
  2. 前記ウエブが、ウエブをアコーデオン状に折りたたむことにより積層されている、請求項1に記載のマットレス用繊維構造体。
  3. マットレス用繊維構造体の上表面または下表面において、複数の溝が巾方向に形成されている、請求項1または請求項2に記載のマットレス用繊維構造体。
  4. 前記溝において、深さが20〜30mmの範囲内であり、互いに隣り合う溝の間隔が50〜100mmの範囲内である、請求項3に記載のマットレス用繊維構造体。
  5. 前記非弾性捲縮短繊維がポリエステル系繊維からなる、請求項1〜4のいずれかに記載のマットレス用繊維構造体。
  6. 前記熱融着成分がポリエステル系エラストマーからなる、請求項1〜5のいずれかに記載のマットレス用繊維構造体。
  7. 繊維構造体の厚さが40〜100mmの範囲内であり、かつ繊維構造体の密度が20〜50kg/mの範囲内である、請求項1〜6のいずれかに記載のマットレス用繊維構造体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のマットレス用繊維構造体を含むマットレス。
  9. 前記凹部に、荷重980N(100kgf、直径が200mmの円板状荷重)による圧縮率が60〜80%のクッション材がはめ込まれてなる、請求項8に記載のマットレス。
  10. マットレスが医療用または介護用である、請求項8または請求項9に記載のマットレス。
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