JP6072497B2 - クッション材およびマットレス - Google Patents
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Description
しかしながら、クッション性、涼感、および体圧分散性に優れたクッション材はこれまであまり提案されていない。
また、本発明によれば、前記のクッション材を用いてなるマットレスが提供される。
本発明において非弾性捲縮短繊維としては、綿、ウール等の天然繊維やカーボン繊維等の無機繊維、セルロース系繊維、アラミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系の合成繊維等、さらには雑綿又は反毛とよばれるリサイクル繊維等も使用できる。なかでも、取扱い性及びリサイクル性の点で合成繊維が好ましい。特にポリエチレンテレフラレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ステレオコンプレックスポリ乳酸などのポリエステル、またはこれらの共重合体からなる短繊維ないしそれら短繊維の混綿体、または上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合短繊維等を挙げることができる。また、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、特開2009−01694号公報に記載された、バイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレートや、更には、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルなどからなる短繊維でもよい。これら短繊維のうち、繊維形成等の観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートからなる短繊維が特に好ましい。
なお、上述のポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、着色剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていてもよい。
また、前記のように凹部を形成するには、上下2枚のプレートのうちどちらか1枚のプレートに、該凹部に対応する凸部を形成した上下2枚のプレートの間にウエブを圧縮保持させ加熱するとよい。
繊維構造体の形状については、平板状や直方体状に限定されず円板状など任意の形状でもよい。また、通常の撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。
また、前記保冷剤の大きさは特に限定されないが、前記凹部と同じ大きさであることが好ましい。すなわち、長径または短径または高さ(深さ)が同じであることが好ましい。
なお、前記のクッション材は一般のマットレスだけでなく、一般の寝具、介護用マットレスとして好適に使用できるが、これら以外の用途、例えば枕等に用いてもさしつかえない。その際、前記凹部が人体側に位置するよう用いることが好ましい。
JIS L1085により測定した。
JIS L1085により測定した。
20℃、65%RH20℃、65%RHの恒温恒湿槽中に一晩(12時間以上)静置調湿した素材(原綿)を市販のティーバックの中入れ、開口部をシールする。素材が入ったティーバックごと水に30分間浸漬、その後水から取り出し10分間吊下げて脱水した重量と初期重量との差で、吸水率を算出した。
吸水率(倍)=10分間吊下げた後の重量/初期重量
温度20℃、湿度40%RHにおける吸湿率R1(%)と、温度20℃、湿度90%RHにおける吸湿率R2(%)との差(R2−R1)を吸湿率差とした。ただし、「吸湿率」とは、各条件下で繊維を24時間放置して吸湿させた時の重量とその繊維の絶乾重量との差をその繊維の絶乾重量で除したときの値である。
Du Pont社製 熱示差分析計990型を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。融解温度が明確に観測されない場合には、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とした。
XSENSOR(登録商標)Pressure Mapping ystem XS96を使用し被験者10名が、マットレスの上に仰向けに寝て、凹部の最大圧力を測定した。被験者10名の平均値を求め、数値が相対評価で数値が小さいほど体圧分散性が良く、100mmHg以下を合格と判定した。
ミネベア社製硬さ試験機を使用し、厚みの25%を押し込んだ時の荷重を測定した。数値が小さい程柔らかいことを示しており、250N未満を合格と判定した。
保冷剤を凹部に内蔵したマットレスにシーツを被せ、温度20℃、湿度60%RH下の室内で被験者使用。この時、被験者とシーツの間に温度センサーを取り付け、20分後の保冷剤の温度変化を測定した。
繊維構造体を厚さ方向に切断し、その断面において、厚さ方向に対して平行に配列されている繊維(図2において0°≦θ≦45°)の総本数を(T)とし、繊維クッション材の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維(図2において45°<θ≦90°)の総本数を(H)としてT/Hを算出した。なお、本数の測定は、任意の10ヶ所について各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。T/Wが1.5以上の場合、「繊維が厚さ方向に配列している。」とした。
テレフタル酸とイソフタル酸とを80/20(モル%)で混合した酸成分とブチレングリコールとを重合し、得られたポリブチレン系テレフタレート38重量%を更にポリテトラメチレングリコール(分子量2000)62重量%と加熱反応させ、ブロック共重合ポリエーテルポリエステルエラストマーを得た。この熱可塑性エラストマーの融点は155℃であった。この熱可塑性エラストマーを鞘(シース)に、ポリブチレンテレフタレート(融点224℃)を芯(コア)に、シース/コアの重量比で70/70なるように紡糸して偏心シース・コア型複合繊維を得た。得られた複合繊維を2.0倍に延伸したのち、80℃で乾燥し捲縮を発現させたのち、油剤を付与し、51mmに切断することにより、熱接着性短繊維を得た。該熱接着性短繊維において、単糸繊度は7.3dtex、捲縮数は13個/2.54cm、捲縮率は30%であった。
次いで、該熱接着性短繊維30重量%と、非弾性捲縮短繊維として常法にて得られたポリエチレンテレフタレート短繊維(単糸繊度7.3dtex、繊維長64mm、捲縮数9個/2.54cm、捲縮率34%、断面形状は丸中空、融点256℃)70重量%とを混綿し、通常のカード機でウエブを作製し、190℃×5分間処理し厚み25mm、目付け500g/m2の、非弾性捲縮短繊維および熱接着性短繊維が繊維構造体の厚さ方向と直交する方向に配列している繊維構造体A(低密度層用)を得た。
また同様に該熱接着性短繊維30重量%と、非弾性捲縮短繊維70重量%とを混綿し、15mm、目付け500g/m2の繊維構造体B(高密度層用)を得た。
次いで、繊維構造体Aを3枚、繊維構造体Bを1枚、計4枚を積層し上下2枚のプレート間70mmの間に圧縮保持させ、加熱成形した。このとき上のプレートにはマットレスの上部端から600mmの場所に深さ20mm、長さ500mm、巾400mmの凹部が成型されるように治具を設置した。これにより図1に示すような、繊維構造体の高密度層側1表面に凹部(深さ20mm、繊維構造体の長手方向の長さ(長径)500mm、巾(短径)400mm)が設けられた繊維構造体を作製した。
得られた繊維構造体の中央部の凹部に、該凹部と同じサイズ((長手方向の長さ、巾方向の長さ、深さ)になる様にゲル状物を含む市販の保冷材をはめ込みクッション材を作製した。得られたクッション材は、クッション性だけでなく体圧分散性に優れるものであり、かつ保冷効果も長く涼感に優れていた。評価結果を表1に示す。
また、該クッション材を用いてマットレスを得て使用したところ涼感マットレスとして好適であった。
実施例1において得られたウエブをStruto社製Struto設備で、ローラ表面速度2.5m/分の駆動ローラにより、熱風サクション式熱処理機(熱処理ゾーンの長さ5m、移動速度1m/分)内へ押し込むことでアコーデオン式に折り畳み、190℃×5分間加熱処理し厚み25mm、目付け500g/m2の、非弾性捲縮短繊維および熱接着性短繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列している繊維構造体Aを得た。同様に15mm、目付け500g/m2の繊維構造体Bを得て、繊維構造体Aを3枚、繊維構造体Bを1枚、計4枚を積層し上下2枚のプレート間70mmの間に圧縮保持させ加熱成形し、これ以外は実施例1と同様にクッション材を作製した。
得られたクッション材は、クッション性だけでなく体圧分散性に優れるものであり、かつ保冷効果も長く涼感に優れていた。評価結果を表1に示す。
また、該クッション材を用いてマットレスを得て使用したところ涼感マットレスとして好適であった。
実施例1において繊維構造体Bの組成を、吸水繊維10重量%、熱接着性短繊維30重量%、その他非弾性捲縮短繊維60重量%とし、これ以外は実施例1と同様にクッション材を作製した。なお、吸水性繊維には帝人ファイバー(株)製「ベルオアシス」(架橋ポリアクリル酸ナトリウム系繊維、吸水率50倍、10dtex、5mm)を用いた。得られたクッション材は、保冷剤を凹部に入れ長時間使用しても凹部周辺に濡れ感がなく、優れた体圧分散性をもつものであった。評価結果を表1に示す。
また、該クッション材を用いてマットレスを得て使用したところ涼感マットレスとして好適であった。
吸放湿繊維90%、芯鞘型熱融着性繊維10%を混綿した後、該繊維を吸引ネット上の表面シート上に均一になるようにエアレイド法により連続的に散布、次にこの吸放湿層の上に表面シートを積層して三層構造とし、140〜200℃で加熱処理を施し、さらに加熱処理ゾーン出口にてローラーで圧縮して全体を接着して得られた目付560g/m2,厚み2mmの不織布構造体を得て保冷剤とした。ここで、前記吸放湿性繊維には帝人ファイバー(株)製「ベルオアシス」(架橋ポリアクリル酸ナトリウム系繊維、吸湿率差86%、10dtex、5mm)を、一方、熱融着性繊維には、芯にポリプロピレン、鞘にポリエチレン(融点132℃)を複合した芯鞘型熱融着性繊維(チッソ(株)製、4.4dtex、6mm)、表面シートaおよび表面シートbにはポリエステル繊維からなる旭化成せんい(株)製スパンボンド不織布(エルタス(商品名)、目付け15g/m2)を使用した。
次いで、実施例1において得られた繊維構造体の中央部に形成された凹部に、前記保冷剤をはめ込みクッション材を作製した。該クッション材は蒸れ低減効果があり、かつ体圧分散性に優れたものであった。評価結果を表1に示す。
また、該クッション材を用いてマットレスを得て使用したところ涼感マットレスとして好適であった。
実施例1において繊維構造体Aを4枚積層し上下2枚のプレート間70mmの間に圧縮保持させ、加熱成形して凹部を有さないクッション材を得た。次いで、実施例1と同じかつ同量の保冷剤をできるだけ平らになる様に、クッション材の平らな表面上に載せたところ、体圧分散性は低く、クッション特性、保冷効果持続性も極めて悪いものであった。
実施例1において、繊維構造体Aを4枚積層し上下2枚のプレート間70mmの間に圧縮保持させ、加熱成形した以外は、実施例1と同様にして凹部を有するクッション材を得た。得られたマットレスは体圧分散性が実施例1より劣り、保冷効果も少し低いものであった。
実施例1において、凹部に保冷剤をはめ込まないこと以外は実施例1と同様にしてクッション材を得た。かかるクッション材は涼感に劣るものであった。
Claims (8)
- 非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも25℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿されたウエブを積層して得られた、前記熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在し、少なくともその一表面において凹部が形成されている繊維構造体と、
前記凹部にはめ込まれた保冷剤とを含み、
かつ前記繊維構造体が、互いに密度が異なる多層構造を有し、かつこれら多層のうち密度30〜60kg/m 3 の高密度層の表面に前記凹部が形成されていることを特徴とするクッション材。 - 前記繊維構造体に、自重の20倍以上の吸水量を有する吸水性繊維が含まれる、請求項1に記載のクッション材。
- 前記繊維構造体が、ウエブをアコーデオン状に折りたたむことにより形成されている、請求項1または請求項2に記載のクッション材。
- 前記凹部において、深さが10〜100mmかつ長径が150mm以上かつ短径が100mm以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のクッション材。
- 前記繊維構造体の厚さが40〜100mmの範囲内である、請求項1〜4のいずれかに
記載のクッション材。 - 前記保冷剤がゲル状物を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のクッション材。
- 前記保冷剤が、温度20℃、湿度40%RHにおける吸湿率R1(%)と、温度20℃、湿度90%RHにおける吸湿率R2(%)との差(R2−R1)が40%以上である吸放湿性繊維を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のクッション材。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のクッション材を用いてなるマットレス。
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