JP3175528B2 - 水性塗料組成物の製造方法 - Google Patents

水性塗料組成物の製造方法

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JP3175528B2
JP3175528B2 JP10522695A JP10522695A JP3175528B2 JP 3175528 B2 JP3175528 B2 JP 3175528B2 JP 10522695 A JP10522695 A JP 10522695A JP 10522695 A JP10522695 A JP 10522695A JP 3175528 B2 JP3175528 B2 JP 3175528B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性塗料組成物の製造
方法に関する。更に詳しくは金属素材に直接もしくは下
地塗料の上に塗布する焼付用の被覆用組成物として缶内
面用塗料等に用いた場合、優れた塗装性と物性を併せ持
つ水性塗料組成物の製造方法である。
【0002】
【従来の技術】従来より、缶用塗料や防食用塗料は省資
源、省エネルギー、低公害化、あるいは安全衛生性等の
面から水系への移行が望まれている。水系においても溶
剤型の場合と同様、主としてエポキシ樹脂系のものが検
討され、エポキシ樹脂を水中に分散させる方法として種
々の方法が提案されている。
【0003】例えば、界面活性剤を使用して、エポキシ
樹脂を水中に分散させる方法としては、アニオン系界面
活性剤を用いる方法と、ノニオン系界面活性剤を用いる
方法の2法が知られている。しかしながら、前者におい
ては、乳化過程および貯蔵中にオキシラン環が開環して
しまい、反応性が低下して形成塗膜の性能が劣ったり、
また、時には貯蔵中に増粘、ゲル化の問題を起こし易
く、一方、後者においては、分散性および貯蔵安定性を
向上させるため系中にかなり多量の界面活性剤を含ませ
ている。このためこの界面活性剤が、形成された塗膜の
化学的および機械的性質に悪影響を及ぼす傾向がある。
【0004】この問題解決方法として、エポキシ樹脂を
アクリル系樹脂で変性して、乳化力のあるセグメントを
分子中に導入した自己乳化型エポキシ樹脂が種々提案さ
れている。
【0005】例えば、特開昭53−1228号公報は、
エポキシ樹脂の存在下にて過酸化ベンゾイルなどのフリ
ーラジカル発生剤を用いてカルボン酸モノマーを含むモ
ノマー混合物を重合することにより得られるグラフト化
されたエポキシ樹脂が、塩基を含む水性媒体中に安定に
分散され得ることを開示している。この方法では安価で
合理的に良好な分散体が得られるが、アクリル系樹脂部
分の分子量は、フリーラジカル発生剤を用いるグラフト
化条件に左右されるため、独立に自由に決定することが
できない。通常、水分散体の表面に分布し、水性塗料の
粘性・物性に重要な働きをするアクリル系樹脂部分の分
子量を大きくすることが困難であり、物性・粘性の設計
において一定の制限がある。
【0006】特開昭57−105418号公報および特
開昭58−198513号公報には、芳香族系エポキシ
樹脂と(メタ)アクリル酸を部分反応させてなる一分子
中にエポキシ基とアクリロイル基とを有する低分子化合
物とアクリル酸もしくはメタアクリル酸を含むモノマー
混合物を調合・合成し、塩基性化合物で中和して得られ
る水性の分散体組成物を開示している。この方法は、前
記方法より自由度は大きいものの、分子中にエポキシ基
とアクリロイル基とを有する低分子化合物を得る工程が
増えているため、前記方法よりはコストがかかる欠点が
ある。しかし、前記方法とこの方法は、有機溶剤の使用
量を比較的少なくすることができる点で優れている。
【0007】特公昭59−37026号公報および特公
昭62−44578号公報は、アクリル系樹脂と比較的
高分子量の芳香族系エポキシ樹脂とを反応させたカルボ
キシル基過剰の部分反応物が、アンモニアもしくはアミ
ンの存在で水性媒体中に安定に分散し得ることを開示し
ている。特開昭55−3481号公報、および特開昭5
5−3482号公報は、カルボキシル基官能性ポリマー
をアミンエステル化触媒の存在下でエポキシ樹脂とエス
テル化したエポキシ樹脂のオキシラン基を実質上有しな
い化合物を塩基によって水中に自己乳化した自己乳化性
エポキシエステルコポリマーを開示している。この方法
は前記までに述べた方法より自由度は優れているが、ア
クリル系樹脂の合成とエポキシ樹脂の溶解とに別々の有
機溶剤を必要としたため、有機溶剤の使用量が多い欠点
があった。そのため、特開昭59−126469や特開
昭62−295967に見られる有機溶剤量の少ない水
性塗料を得るためには特別に脱溶剤の工程を必要とし
た。脱溶剤工程が必要な場合は脱溶剤に適した溶剤を選
択する必要があり、そのことは水性塗料の塗装性の設計
に新たな制限となった。
【0008】又、特開昭59−213718号公報は、
アクリル系樹脂の合成および芳香族系エポキシ樹脂の溶
解に比較的高沸点の溶剤を用い、無触媒下で反応したカ
ルボキシル基過剰のエポキシ樹脂・アクリル系樹脂部分
反応物を、塩基の存在下に水性媒体中に分散する水性樹
脂分散体を開示している。しかし、原料であるアクリル
系樹脂の合成および芳香族系エポキシ樹脂の溶剤に比較
的高沸点の溶剤、たとえば、ヘキシルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセ
ロソルブアセテートなどを用いている。このため、使用
溶剤の置換や再利用などを目的として、水性樹脂分散体
中の水を含む溶剤の一部または全部を減圧下除去しよう
とすると、反応に用いた溶剤が高沸点であり、尚かつ水
に対する溶解度が非常に高いことから、溶剤を除去する
のに長時間を要するとともに泡の発生を伴うという欠点
があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に記し
た従来の水性塗料組成物と同様に優れた塗装性と塗膜物
性を有する塗料組成物を、より少ない製造工程で製造す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に記
した従来の水性塗料は優れた塗装性と塗膜物性を持ちな
がらも、製造に多くの工程を必要とした点を改善する事
に着目し、先ず、塗料に必要不可欠な有機溶剤でアクリ
ル樹脂を合成し、その溶液中に固形樹脂を溶解させ、反
応させ、塩基の存在下で水媒体中に分散させる方法を取
れるならば、その後の工程には新たに溶剤を添加したり
置換したりしないで、優れた塗装性と塗膜物性を示す塗
料が製造できることを見いだし、鋭意検討を重ねた結果
本発明に至った。即ち、本発明は、カルボキシル基含有
アクリル系樹脂(A)と芳香族系エポキシ樹脂(B)と
を反応せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(D)を
塩基の存在下に水性媒体中に分散させてなる水性分散体
を主成分とする、有機溶剤総量が15%以下の水性塗料
組成物を製造する方法であって、沸点が80℃〜250
℃のエーテルアルコールを必須とし、沸点が80℃〜2
50℃のアルキルアルコール及び/又は沸点が80℃〜
250℃の多価アルコールの存在下にカルボキシル基含
有アクリル系樹脂(A)を合成し、次いでカルボキシル
基含有アクリル系樹脂(A)溶液中に芳香族系エポキシ
樹脂(B)を溶解した後、塩基性触媒(C)を添加し、
前記カルボキシル基含有アクリル系樹脂(A)と前記芳
香族系エポキシ樹脂(B)とを反応せしめてアクリル変
性エポキシ樹脂(D)を得、有機溶剤を除去する工程を
経ることなく水性塗料組成物を製造する方法である。
【0011】本発明においては、アルキルアルコールお
よび多価アルコールのみでは、一般にエポキシ樹脂を溶
解しがたいのでエーテルアルコールを用いる必要があ
る。つまり、本発明において用いられる有機溶剤は、カ
ルボキシル基含有アクリル系樹脂(A)および芳香族系
エポキシ樹脂(B)、並びにこれらを反応せしめた後の
アクリル変性エポキシ樹脂(D)を溶解するものでなけ
ればならない。本発明において用いられる、最終塗料組
成物に必要不可欠な沸点が80℃〜250℃の有機溶剤
のうち、エーテルアルコールとしては、メチルセロソル
ブ(沸点124℃)、エチルセロソルブ(沸点135
℃)、ブチルセロソルブ(沸点171℃)、イソプロピ
ルセロソルブ(沸点142℃)、イソブチルセロソルブ
(沸点161℃)、n−ヘキシルセロソルブ(沸点20
8℃)、n−ヘプチルセロソルブ(沸点230℃)や、
プロピレングリコールイソプロピルエーテル(沸点13
7℃)などのプロピレングリコール誘導体等、アルキル
アルコールとしては、イソプロパノール(沸点82.3
℃)、イソブタノール(沸点108℃)、n−ブタノー
ル(沸点118℃)、イソアミルアルコール(沸点13
1℃)、n−アミルアルコール(沸点138℃)、n−
ヘキシルアルコール(沸点157℃)、ベンジルアルコ
ール(沸点206℃)等、多価アルキルアルコールとし
ては、エチレングリコール(沸点198℃)、プロピレ
ングリコール(沸点188℃)、ジエチレングリコール
(沸点244℃)、ジプロピレングリコール(沸点23
2℃)、2,4−ヘキシレングリコール(沸点197
℃)等をあげることができる。
【0012】これらの有機溶剤は、非極性の炭化水素部
分が大きいほど疎水性の傾向を持っており、疎水性の程
度を溶剤組成の変更および、または炭化水素部分の大き
さの変更によって調整することができ、水性分散体の分
散粒子の粒径や粘性のコントロールを行うことができ
る。また、これらの有機溶剤によって、霧化性、発泡
性、乾燥性、タレ性、などの塗装性をコントロールす
る。したがって、有機溶剤の沸点は80℃〜250℃で
なければならない。80℃より低いと乾燥が速すぎるた
めに巻き込んだ泡が塗膜中に残存してしまう。一方、2
50℃より高いと塗膜中に溶剤が残存してしまい、缶内
面用塗料として用いた場合には、内容物に残存溶剤が溶
出するなどの衛生性上の心配が生じる。また、塗膜の滑
り性が低下したり、耐傷付き性が悪化したり等の塗膜物
性の低下が生じる。
【0013】本発明において用いられるカルボキシル基
含有アクリル系樹脂(A)は、アクリル酸、メタクリル
酸などのカルボン酸含有モノマーとその他の共重合性モ
ノマーからなるモノマー混合物を上記した有機溶剤中で
アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなどの
通常のラジカル重合開始剤を用いて70℃〜150℃の
温度で共重合せしめることにより得ることができる。
尚、カルボキシル基含有アクリル系樹脂(A)の溶液粘
度を下げる目的で合成反応中または反応後などに水を添
加することもできる。
【0014】上記共重合性モノマーとしては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル
酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ド
デシルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メ
タクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシ
ル、メタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸エステル
類、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、
t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系
モノマー、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒ
ドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基含有
モノマー、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N
−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−置
換(メタ)アクリル系モノマー、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有モノ
マー、並びにアクリロニトリルなどの1種又は2種以上
から選択することができる。
【0015】一塩基性カルボン酸モノマーの使用量は、
全モノマー量に対して20〜80重量%であることが好
ましい。一塩基性カルボン酸モノマーの使用量が、20
重量%よりも少ないと水性媒体中における樹脂の分散安
定性、塗装した塗膜の金属に対する密着性や耐溶剤性な
どがいずれも悪くなる傾向がある。逆に、80重量%よ
り多い使用量ではカルボキシル基含有アクリル系樹脂
(A)を重合させる際、反応系の粘度が極端に高くなる
ので、製造が困難となるばかりでなく、塗装した塗膜の
耐水性などが悪くなる。
【0016】カルボキシル基含有アクリル系樹脂(A)
は、重量平均分子量で3000〜300000の範囲の
ものが好適に使用される。他種類のアクリル系樹脂を併
用して用いることもできる。
【0017】カルボキシル基含有アクリル系樹脂(A)
の重量平均分子量が3000より小さいと塗膜の架橋密
度が増大する結果、加工性に支障をきたすと同時に塗膜
表面のグロスが低下する。一方、300000より大き
くなると粘度が高く取扱いが困難となる。芳香族系エポ
キシ樹脂(B)との反応時ゲル化を生じやすくなる傾向
がある。また、そのアクリル系樹脂を用いた塗料はロー
ソリッドになる傾向があり、ハイソリッドの必要な用途
には不向きとなる。
【0018】本発明において用いられる芳香族系エポキ
シ樹脂(B)は、ビスフェノールA、ビスフェノール
B、ビスフェノールF等のビスフェノール類とエピクロ
ルヒドリンとをアルカリ触媒の存在化に縮合させて得ら
れるもので、数平均分子量が1400〜10000、エ
ポキシ当量が800〜20000のものが使用される。
市販品としては、油化シェルエポキシ株式会社製の“エ
ピコート1004”、“エピコート1007”、“エピ
コート1009”、“エピコート1010”、旭チバ株
式会社製の“アラルダイトAER6007”、“アラル
ダイトAER6039”などがある。また、芳香族系エ
ポキシ樹脂(B)として上記ビスフェノール型エポキシ
樹脂のエポキシ基または水酸基に脱水ヒマシ油脂肪酸、
大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸などの植物油脂肪酸もしく
はビスフェノールAなどの変性剤を反応せしめた変性エ
ポキシ樹脂を使用することもできる。エポキシ基にフェ
ノール類を反応させたエポキシ基の存在しない樹脂も併
用できる。例としては、東都化成株式会社製の“フェノ
トートYP50S”やユニオンカーバイド社製の“UC
ARフェノキシ”などがある。
【0019】本発明におけるアクリル変性エポキシ樹脂
(D)の製造にあたり、カルボキシル基含有アクリル系
樹脂(A)は芳香族系エポキシ樹脂(B)、塩基性触媒
(C)とともに、必要に応じて、フェノール樹脂などの
硬化性樹脂(E)を一緒に反応させることができる。そ
れぞれの反応性が異なる場合など必要な場合は添加時期
を適切に選定する事もできる。硬化性樹脂(E)として
はアンモニアやアルカリ触媒を用いてフェノール類をア
ルデヒド類と反応させたレゾールやメラミン・ホルムア
ルデヒド樹脂や尿素・ホルムアルデヒド樹脂などのアミ
ノ樹脂がある。これらの樹脂はメチロール基が反応性に
富むので硬化剤としての性能は優れていても室温で自己
反応し、縮合が進み、安定性の悪い場合がある。その場
合は、メチロール基をアルキルアルコールと反応させ、
アルコキシメチル基とすることによって有用に扱えるよ
うになる。従って、副成分として含む硬化性樹脂(E)
としては、フェノール類とアルデヒド類とを反応せしめ
てなる、1分子当りの平均メチロール基数が4個未満
で、平均アルコキシメチル基が4個未満である低温硬化
性のレゾール型フェノール樹脂が有用である。
【0020】アクリル変性エポキシ樹脂(D)の反応条
件は、カルボキシル基含有アクリル系樹脂(A)100
重量部と芳香族系エポキシ樹脂(B)100〜600重
量部とを、後述するような塩基性触媒(C)が上記樹脂
(A)と樹脂(B)との合計に対して0.01〜10重
量%の存在下において40ないし160℃で10分間な
いし14時間程度反応させればよい。
【0021】塩基性触媒(C)としては例えば、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアル
キルアミン類、2−ジメチルアミノエタノール、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプ
ロパノール等のアルコールアミン類、モルホリン等が使
用される。またエチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン等多価アミンも使用できる。
【0022】反応の制御はオキシラン%の測定、粘度上
昇の測定あるいはゲルパーミェーションクロマトグラフ
ィ(GPC)による分子量分布のチャート、樹脂の相溶
性、反応溶液の粘度変化などによってチェックすること
ができる。
【0023】アクリル変性エポキシ樹脂(D)の水性分
散体の調整は、アクリル変性エポキシ樹脂(D)に最終
分散体のPHが5ないし11となる量の塩基を加え水性
媒体中に分散せしめればよい。アクリル変性エポキシ樹
脂(D)製造時に用いる塩基性触媒(C)がこの働きを
代行できる場合は必ずしもこの塩基は必要としない。
【0024】上記塩基としては例えば、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミ
ン類、2−ジメチルアミノエタノール、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノー
ル等のアルコールアミン類、モルホリン等が使用され
る。またエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等多
価アミンも使用できる。
【0025】本発明において水性媒体とは少なくとも1
0重量%以上が水である水単独、もしくは良好な塗装性
を保持するための若干の有機溶剤と水との混合物を意味
し、有機溶剤としてはメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、 sec
−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール等の
アルキルアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキ
シルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビト
ールブチルカルビトール、プロピレングリコールプロピ
ルエーテル、等のエーテルアルコール類、メチルセロソ
ルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエー
テルエステル類、その他ジオキサン、ジメチルホルムア
ミド、ダイアセトンアルコール等が使用されが、省資
源、省エネルギー、低公害化、あるいは安全衛生性等の
水性塗料の使命から、なるべく少なくすることが求めら
れている。
【0026】本発明は、余分な有機溶剤を除去する工程
を必要としないので、製造過程において系外に余分な有
機溶剤が排出されることはない。
【0027】本発明の製造方法によって得られる水性塗
料組成物は、用途に応じて優れたロールコート塗装性あ
るいは、優れたスプレー塗装性を示す。また缶内面用塗
料として、溶剤型塗料と同等の良好な形成塗膜、すなわ
ち塗膜欠陥が発生せず、平滑な塗膜表面を形成すること
ができる。
【0028】本発明の製造方法によって得られる水性塗
料組成物を適用することができる基材としては、未処理
鋼板、処理鋼板、亜鉛鉄板、ブリキ板、クロムメッキ鋼
板やクロム酸処理鋼板等のティンフリースチール、さら
にはニッケルメッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、アルミ板
などの金属板がある。塗装方法としては、ロールコータ
ー塗装の他、エアスプレー、エアレススプレー、静電ス
プレーなどのスプレー塗装、浸漬塗装、電着塗装などが
可能である。また焼付条件は、温度150℃ないし23
0℃、時間としては2ないし30分の範囲から選ぶこと
ができる。
【0029】本発明の製造方法によって得られる水性塗
料組成物には、必要に応じて、塗装性を改良するための
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、滑り剤などを添加する
ことができる。また、用途に応じて、適当な防錆剤、顔
料、充填剤などを配合して防錆プライマー、印刷イン
キ、防食性塗料などに使用することもできる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量
%」を示す。水性分散体の分散粒子の粒径の測定はコー
ルターエレクトロニクス社製のCOULTER mod
el N4を用いた。
【0031】製造例[硬化剤樹脂溶液(フェノール樹脂
溶液(d))の調整] (1)イオン交換水 80部 (2)21.5%水酸化ナトリウム水溶液 72部 (3)ビスフェノールA 140部 (4)37%ホルマリン 400部 (5)20%塩酸 70部 (6)n−ブタノール 180部 上記(1)〜(4)を窒素ガス置換した4口フラスコに
仕込み、50℃で2時間、次いで70℃で1時間反応さ
せて、赤褐色透明な溶液を得た。40℃まで冷却して、
(5)を仕込んだところ、数分間で上層が無色透明な水
層、下層が褐色の有機層に分離した。上層をデカンテー
ションにより分離した後(6)を仕込み、固形分50
%、重量平均分子量680の硬化剤樹脂溶液(d)を得
た。
【0032】実施例1 1.カルボキシル基含有アクリル樹脂(A)溶液(a
1)の調整 1)ヘキシルセロソルブ 195.5 部 2)ブチルセロソルブ 76.5 部 3)n−ブタノール 90 部 4)スチレン 68 部 5)アクリル酸エチル 13.5 部 6)メタクリル酸 54 部 7)過酸化ベンゾイル 1.35部 1)〜3)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込
み、加熱して105℃に保持した。4)〜7)の混合溶
液を105℃に保ちながら2時間かけて滴下した。滴下
終了後、更にその温度を保ち、1時間ごとに過酸化ベン
ゾイル0.35部を3回添加し、残存モノマーを反応さ
せ、固形分27.3%、重量平均分子量35000のカ
ルボキシル基含有アクリル樹脂(A)溶液(a1)を得
た。
【0033】2.水性塗料組成物の調整 1)カルボキシル基含有アクリル樹脂(A)溶液(a1) 70部 2)エピコート1009 128部 3)2−ジメチルアミノエタノール 6.1部 4)2−ジメチルアミノエタノール 4.5部 5)水 734.4部 6)硬化剤樹脂溶液(d) 10部 1)〜2)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込
み、加熱して115℃に保持して溶解後冷却し、3)を
添加し、70℃で2時間反応した。反応後4)〜6)を
加え、固形分16.5%、粘度23秒(フォードカップ
No.4を用いて25℃にての測定、以下の例について
も同じ)の水性塗料組成物を得た。この塗料組成物の分
散粒径は0.25μmであった。
【0034】実施例2[水性塗料組成物の調整] 1)カルボキシル基含有アクリル樹脂(A)溶液(a1) 117部 2)エピコート1009 64部 3)フェノトートYP50S 64部 4)2−ジメチルアミノエタノール 6.1部 5)2−ジメチルアミノエタノール 10.7部 6)水 719.8部 7)硬化剤樹脂溶液(d) 10部 1)〜3)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込
み、加熱して115℃に保持して溶解後冷却し、4)を
添加し、70℃で4時間反応した。反応後、5)〜7)
を加え、固形分16.6%、粘度23秒の水性塗料組成
物を得た。この塗料組成物の分散粒径は0.27μmで
あった。
【0035】実施例3[水性塗料組成物の調整] 1)カルボキシル基含有アクリル樹脂(A)溶液(a1) 117部 2)アラルダイトAER6007 128部 3)2−ジメチルアミノエタノール 6.1部 4)2−ジメチルアミノエタノール 5.1部 5)水 781.5部 6)硬化剤樹脂溶液(d) 10部 1)〜2)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込
み、加熱して115℃に保持して溶解後冷却し、3)を
添加し、70℃で1時間反応した。反応後、4)〜6)
を用いて、固形分15.9%、粘度39秒の水性塗料組
成物を得た。この塗料組成物の分散粒径は0.31μm
であった。
【0036】比較例 1.カルボキシル基含有アクリル樹脂(A)溶液(a
2)の調整 1)n−ブタノール 350部 2)スチレン 60部 3)アクリル酸エチル 15部 4)メタクリル酸 75部 5)過酸化ベンゾイル 1.5部 1)の100%と2)〜5)の25%からなる混合溶液
を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込み、加熱して
105℃に保持した。次いで2)〜5)の残部75%か
らなる混合溶液を105℃に保ちながら2時間かけて滴
下した。滴下終了後、さらにその温度を保ち、1時間ご
とに過酸化ベンゾイル0.35部を3回添加し、残存モ
ノマーを反応させ、固形分30%、重量平均分子量35
000のカルボキシル基含有アクリル樹脂(A)溶液
(a2)を得た。
【0037】2.エポキシ樹脂溶液(B)の調整 1)エピコート1009 131部 2)酢酸ブチル 48部 3)n−ブタノール 21部 1)〜3)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込
み、加熱して120℃まで昇温し、1時間かけて溶解し
た後80℃まで冷却し、固形分65.5%のエポキシ樹
脂溶液(b1)を得た。
【0038】3.水性樹脂分散体の調整 1)カルボキシル基含有アクリル樹脂(A)溶液(a1)106.7部 2)エポキシ樹脂(B)溶液(b1) 195.4部 3)2−ジメチルアミノエタノール 6.1部 4)2−ジメチルアミノエタノール 1.6部 5)水 417.5部 1)〜2)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込
み、加熱して70℃に保持した。さらに反応触媒である
3)を添加し3時間反応した。反応後、冷却し50〜5
5℃に達したら4)と5)を用いて、固形分22.3%
の水性樹脂分散体を得た。この分散体の分散粒径は0.
18μmであった。
【0039】4.余分な溶剤の除去 1)上記水性樹脂分散体 500部 2)水 220部 3)ヘキシルセロソルブ 32.1部 1)〜3)を3000mlのナスフラスコに入れ、ロー
タリーエバポレーターと水流減圧ポンプを用いて液温度
60℃減圧度約100トールにて減圧脱溶剤した。35
4.3部の溶剤分を脱溶剤後の水分散体の固形分は2
8.0%で粒径は0.26μmであった。ガスクロマト
グラフィーによる溶剤分析の結果、この分散体中の酢酸
ブチルは0.1%以下であった。
【0040】5.水性塗料の調整 1)上記脱溶剤後の水分散体 571.5部 2)水 378.7部 3)n−ブタノール 17.8部 4)ブチルセロソルブ 18.0部 5)ヘキシルセロソルブ 0.1部 6)2−ジメチルアミノエタノール 3.9部 7)硬化剤樹脂溶液(d) 10.0部 上記の通り、1)〜7)を攪拌しながら仕込み、分散し
て、実施例1)〜3)と同一の溶剤組成とし、最終的に
固形分16.5%、粘度23秒の水性塗料組成物を得
た。この塗料組成物の分散粒径は0.27μmであっ
た。
【0041】実施例及び比較例で得られた塗料について
使用有機溶剤量と粒径と粘性の測定結果をまとめて表に
示す。使用溶剤総量は塗料単位量当たりに換算してパー
セントにして比較した。粘性の測定はNO.4フォードカ
ップ(表ではNo.4FCとして示した)以外にBL型
粘度計の6回転と60回転での粘度を測定し、その比を
とって比較した。スプレー塗装性は同一条件で実施例1
と比較例1の塗料を比較した。
【0042】
【表1】
【0043】表1に示すように、1〜10トンスケール
での製造の場合、比較例は、エポキシ樹脂の溶解に半
日、水性樹脂分散体の調整までに1日、溶剤の一部の減
圧除去と溶剤量・樹脂分量のチェックに1日、水性塗料
の調整に1日半の計4日を必要とする。また、合理的な
生産のためには、それぞれに別の製造設備が必要であ
る。一方、実施例の場合は、同一の製造設備で2日で水
性塗料まで仕上げることができる。実施例1と比較例に
見られるように同一樹脂組成・同一溶剤組成・同一スペ
ックの水性塗料を作成することができるだけでなく、実
施例2〜3に見られるように広い範囲での樹脂組成の変
更や応用の可能である。
【0044】
【発明の効果】本発明の製造方法により、従来の製造方
法に比して、より少ない工程数、より短時間で、より低
コストで、有機溶剤量のより少ない塗料組成物を得るこ
とができる。また、本発明の製造方法は、広範囲の樹脂
タイプに応用することができ、水性塗料の物性をさらに
向上させることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基含有アクリル系樹脂
    (A)と芳香族系エポキシ樹脂(B)とを反応せしめて
    なるアクリル変性エポキシ樹脂(D)を塩基の存在下に
    水性媒体中に分散させてなる水性分散体を主成分とす
    る、有機溶剤総量が15%以下の水性塗料組成物を製造
    する方法であって、 沸点が80℃〜250℃のエーテルアルコールを必須と
    し、沸点が80℃〜250℃のアルキルアルコール及び
    /又は沸点が80℃〜250℃の多価アルコールの存在
    下にカルボキシル基含有アクリル系樹脂(A)を合成
    し、 次いでカルボキシル基含有アクリル系樹脂(A)溶液中
    に芳香族系エポキシ樹脂(B)を溶解した後、 塩基性触媒(C)を添加し、前記カルボキシル基含有ア
    クリル系樹脂(A)と前記芳香族系エポキシ樹脂(B)
    とを反応せしめてアクリル変性エポキシ樹脂(D)を
    得、 有機溶剤を除去する工程を経ることなく水性塗料組成物
    を製造する方法。
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