JP3165532B2 - エンジンのバルブ駆動装置 - Google Patents

エンジンのバルブ駆動装置

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JP3165532B2
JP3165532B2 JP28058992A JP28058992A JP3165532B2 JP 3165532 B2 JP3165532 B2 JP 3165532B2 JP 28058992 A JP28058992 A JP 28058992A JP 28058992 A JP28058992 A JP 28058992A JP 3165532 B2 JP3165532 B2 JP 3165532B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、バルブ(吸気弁また
は排気弁)を駆動するカムシャフトに低速用カムおよび
高速用カムを一体的に形成し、低速用カムによりバルブ
を低速時のバルブタイミングで駆動する一方、高速用カ
ムによりバルブを高速時のバルブタイミングで駆動する
ようなエンジンのバルブ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例のエンジンのバルブ駆動装
置としては、例えば、特開平3−151510号公報に
記載の装置がある。すなわち、図11、図12に示すよ
うに、カムシャフト200にカムプロフィルの小さい低
速用カム201とカムプロフィルの大きい高速用カム2
02とを一体的に形成し、上述の低速用カム201と対
応する位置には、ロッカシャフト203を支点として揺
動する低速用ロッカアーム204を設けて、この低速用
ロッカアーム204の中間部に穿設された凹溝部に上述
の低速用カム201に当接するローラフォロア205を
配設している。
【0003】また上述の低速用ロッカアーム204の両
サイドには、一端(図面上、右端)にピボット受け20
6を、他端(図面上、左端)にHLA207をそれぞれ
有する高速用ロッカアーム208,208(但し、図面
では一方のみを示す)を配設し、この高速用ロッカアー
ム208における他端のHLA207のプランジャ20
9を、バルブ210のバルブステム211上端に圧接
し、高速用ロッカアーム208他端側上部の断面半円形
状の係合用凹部を、低速用ロッカアーム204から突設
したピン212と係合可能に構成する一方、高速用ロッ
カアーム208一端のピボット受け206をアクチュエ
ータ213におけるプランジャ214上端のピボット2
15に対して揺動可能に被着すると共に、高速用ロッカ
アーム208の上面に一体形成したスリッパ216を上
述の高速用カム202と対応させている。
【0004】そして、この従来装置によれば、図11に
示すように、アクチュエータ213の油圧をドレンさせ
た時、プランジャ214およびピボット215を下動さ
せ、高速用ロッカアーム208のピボット受け206側
が低位置になるように同ロッカアーム208をスラント
させることで、この高速用ロッカアーム208のスリッ
パ216を高速用カム202から離反させ、低速用カム
201の動きが各要素205,204,212,20
7,209を介してバルブ210に伝達される低速時の
バルブタイミングを得ることができる。
【0005】一方、図12に示すようにアクチュエータ
213に油圧を供給した時、プランジャ214およびピ
ボット215を上動させ、高速用ロッカアーム208の
ピボット受け206を上動させて、同ロッカアーム20
8を略水平に変位させることで、高速用ロッカアーム2
08のスリッパ216を高速用カム202に当接させ、
高速用カム202の動きが各要素216,208,20
7,209を介してバルブ210に伝達される高速時の
バルブタイミングを得ることができる。
【0006】また、この従来装置においては低速用ロッ
カアーム204の両サイドに高速用ロッカアーム20
8,208が位置しているので、吸気弁または排気弁が
2弁構造の装置において上述のカムシャフト200を軸
支する軸受に対して、バルブ駆動反力が均等に入力され
て、軸受の耐久性の向上を図ることができる。
【0007】しかし、吸排気効率の向上、高速運転時の
追従性向上、許容最高回転数の向上を目的として吸排気
弁を多弁化、例えば吸気3弁、排気2弁の5弁構造と成
したエンジンにおいて、上述の従来装置を吸気3弁側に
適用すると、多弁化にともなって多くの荷重が作用する
と共に、軸受から遠い位置で荷重が作用することにな
り、上述の高速用ロッカアーム208を軸受から遠い位
置に配設すると軸受の耐久性等にとって好ましくない。
また吸気3弁のうち2弁を共通駆動、残り1弁を独立駆
動すべく構成した場合には、カムシャフト200を軸支
する軸受に対して、バルブ駆動反力が不均一に入力さ
れ、軸受の耐久性が劣化すると共に、軸受間の中心から
一方に片寄った位置のカムシャフト200に対して、特
に高速時の大きいバルブ駆動反力が付勢されるので、カ
ムシャフト200に撓みが生ずる問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、吸気側または排気側の片側を3弁構造と成
したエンジンにおいて、カムシャフトの撓みを防止しつ
つ、軸受に対するバルブ駆動反力の入力を略均等にし
て、軸受の耐久性向上を図ることができ、しかも特に低
速時におけるカムシャフトの撓みを防止しつつ、確実に
スワールを形成することができるエンジンのバルブ駆動
装置の提供を目的とする。
【0009】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、高速時に対して使用
頻度が多い低速時において低速用カムと当接する低速カ
ム当接部をローラフォロアで構成することにより、摺動
抵抗の低減を図ることができるエンジンのバルブ駆動装
置の提供を目的とする
【0010】の発明の請求項記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、2弁共通駆動側のバ
ルブ可変機構と、1弁独立駆動側のバルブ可変機構とで
高速用スイングアームと低速用ロッカアームとを連係す
るピンをそれぞれ独立して設けることにより、各バルブ
可変機構の動きを異ならせ、スワールをより一層確実に
生成することができるエンジンのバルブ駆動装置の提供
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、吸排気弁を駆動するカムシャフトに低速用カ
ムおよび高速用カムを一体的に形成したエンジンのバル
ブ駆動装置であって、吸気弁および排気弁のうち一側に
配設される複数の弁を3弁構造とし、上記3弁のうちの
2つの弁を共通駆動する第1バルブ可変機構と、上記3
弁のうちの残りの1つの弁を独立駆動する第2バルブ可
変機構とを設け、上記各バルブ可変機構は上記低速用カ
ムに当接する低速カム当接部と、上記高速用カムに当接
する高速カム当接部と、上記高速カム当接部を上下動さ
せて、高用カム当接部と高速用カムとの両者が当接する
状態および離反する状態に変更するアクチュエータとを
それぞれ有し、上記各バルブ可変機構のそれぞれの高速
カム当接部が、低速カム当接部よりもカムシャフトを軸
支し、かつ各気筒に対して両側に位置する軸受と近接す
る側に配置され、上記各カムが対応するカム当接部と選
択的に当接された時、カムの動きが上記バルブ可変機構
を介して吸排気弁に伝達されるように構成し、上記第2
バルブ可変機構と対応する低速用カムを、上記第1バル
ブ可変機構と対応する低速用カムに対してバルブリフト
量が大となるようにカムプロフィルを大に設定し、上記
第2バルブ可変機構の低速カム当接部と同可変機構側に
おいて気筒一側に位置する上記軸受との間の距離を、上
記第1バルブ可変機構の低速カム当接部と同可変機構側
において気筒他側に位置する上記軸受との間の距離に対
して短く設定したエンジンのバルブ駆動装置であること
を特徴とする。
【0012】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記低速カム当接部
をローラフォロアで構成したエンジンのバルブ駆動装置
であることを特徴とする
【0013】の発明の請求項記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記各バルブ可変機
構は低速用ロッカアームと、高速用スイングアームと、
上記低速用ロッカアームと高速用スイングアームとを連
係するピンとを有し、上記ピンを、第1バルブ可変機構
側のピンと第2バルブ可変機構側のピンとに分割したエ
ンジンのバルブ駆動装置であることを特徴とする。
【0014】
【発明の効果】この発明の請求項1記載の発明によれ
ば、3弁側の2つの弁は第1バルブ可変機構で2弁同時
に共通駆動され、3弁側の残りの1つの弁は第2バルブ
可変機構で独立駆動される。
【0015】また上述の各バルブ可変機構はその低速カ
ム当接部が低速用カムに当接した時、低速時のバルブタ
イミングを得ることができ、高速カム当接部が高速用カ
ムに当接した時、高速時のバルブタイミングを得ること
ができる。
【0016】さらに、上述の第1および第2の各バルブ
可変機構におけるそれぞれの高速カム当接部を、軸受と
近接する側に配置し、高速時において比較的大きい荷重
を受ける高速カム当接部の配置位置が軸受に近いので、
カムシャフトの撓みを防止することができると共に、軸
受に対するバルブ駆動反力の入力を略均等にして、軸受
の耐久性向上を図ることができる効果がある。
【0017】因に上述の高速カム当接部が軸受間の中央
寄りに設定された場合には、カムシャフトに対して高速
時において大きい荷重が作用し、カムシャフトに撓みが
生ずるが、上記構成により、このような問題点を解消す
ることができる。
【0018】しかも、3弁のうちの残りの1つの弁を独
立駆動する第2バルブ可変機構と対応する低速用カム
を、3弁のうちの2つの弁を共通駆動する第1バルブ可
変機構と対応する低速用カムに対して、バルブリフト量
が大となるようにカムプロフィルを大に設定したので、
確実にスワールを形成することができる。
【0019】加えて、上述の第2バルブ可変機構の低速
カム当接部と軸受との間の距離を、第1バルブ可変機構
の低速カム当接部と軸受との間の距離に対して短く設定
したので、上述のスワール形成時には第1バルブ可変機
構に対応するカムシャフトの所定部位に対して、第2バ
ルブ可変機構に対応するカムシャフトの所定部位に大き
い荷重が作用するが、この大きい荷重が作用する側は軸
受との間の離間距離が 短いので、特に低速時(スワール
形成時)におけるカムシャフトの撓みを防止することが
できる効果がある。
【0020】この発明の請求項2記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、高速時に対し
て使用頻度が多い低速時において低速用カムと当接する
低速カム当接部をローラフォロアで構成したので、摺動
抵抗の低減を図ることができる効果がある
【0021】の発明の請求項記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述のピン
を、第1バルブ可変機構側のピンと第2バルブ可変機構
側のピンとに分割したので、上述の第1および第2の各
バルブ可変機構の動きを互に異ならせることができ、ス
ワールをより一層確実に生成することができる効果があ
る。
【0022】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面はエンジンのバルブ駆動装置を示し、図
1、図2、図3において、シリンダボア1を有するシリ
ンダブロック2上にシリンダヘッド3を取付け、このシ
リンダヘッド3には燃焼室4に適宜連通する3つの吸気
ポート5,6,7と、2つの排気ポート8,9とを形成
している。
【0023】そして、上述の吸気ポート5を開閉する吸
気弁10と、上述の吸気ポート6を開閉する吸気弁11
と、上述の吸気ポート7を開閉する吸気弁12と、上述
の各排気ポート8,9を開閉する排気弁13,13とを
設けて、吸気3弁、排気2弁の5弁構成と成している。
【0024】これらの各弁10〜13はシリンダヘッド
3に配設したバルブガイド14内にそのバルブステム1
5を挿通し、バルブステム15上端に分割コレット16
を介してスプリングリテーナ17を嵌合する一方、シリ
ンダヘッド3の所定部に配設した下側のスプリングリテ
ーナ18と、上述の上側のスプリングリテーナ17との
間にバルブスプリング19を張架している。
【0025】一方、気筒列方向に延びる吸気カムシャフ
ト20および排気カムシャフト21を設け、上述の吸気
カムシャフト20を複数のカムシャフト軸受22,23
で軸支すべく構成すると共に、排気カムシャフト21を
複数のカムシャフト軸受24,25で軸支すべく構成し
ている。なお、上述の各カムシャフト軸受22〜25の
上部に取付けられるベアリングキャップの図示は省略し
ている。
【0026】上述の吸気カムシャフト20には、吸気3
弁側の2つの吸気弁10,11に対応する低速用カム2
6および高速用カム27と、吸気3弁側の残りの1つの
吸気弁12に対応する低速用カム28および高速用カム
29とを形成し、上述の各カム26,27により第1バ
ルブ可変機構30を介して2つの吸気弁10,11を同
時に共通駆動すると共に、上述の各カム28,29によ
り第2バルブ可変機構31を介して残りの1つの吸気弁
12を独立駆動すべく構成している。なお、排気側にお
いては2つの排気弁13,13の上部中間に第1バルブ
可変機構30と同様の構成の第3バルブ可変機構32
(図1参照)を配設して、この第3バルブ可変機構32
で排気側の2つの排気弁13,13を同時駆動すべく構
成している。
【0027】上述の第1バルブ可変機構30の具体的構
成を図4、図5、図6、図7を参照して以下に詳述す
る。この第1バルブ可変機構30は、吸気カムシャフト
20の下方において該吸気カムシャフト20と平行に揺
動軸としてのロッカシャフト33を設け、このロッカシ
ャフト33にその揺動支端(図面では左端)が揺動可能
に軸支された高速用スイングアーム34を設け、この高
速用スイングアーム34をロッカシャフト33側の揺動
支端からバルブステム15上端側の遊端に向けて延設す
ると共に、高速用スイングアーム34の遊端側にローラ
フォロア配設用の凹部35を形成し、遊端には高速カム
当接部としてのタペット36を一体形成している。
【0028】また単一のピン37を用いて上述のローラ
フォロア配設用の凹部35に低速用カム26と転接する
低速カム当接部としてローラフォロア38を取付けると
共に、このピン37を利用して高速用スイングアーム3
4の両サイドには低速用ロッカアーム39,40を取付
けている。
【0029】ここで、上述の低速用ローラフォロア38
(低速カム当接部)は図2、図4に示す如く低速用カム2
6の直下に位置し、上述のタペット36(高速カム当接
部)は高速用カム37の直下に位置する。また低速用ロ
ッカアーム39,40のそれぞれの他端(図面上、左
端)における円弧状のピボット部39a,40aは、シ
リンダヘッド3に取付けられたハイドロリックラッシュ
アジャスタ41(以下単にHLAと略記する)のプラン
ジャ42上面に当接し、低速用ロッカアーム39,40
のそれぞれの一端(図面上、右端)におけるスリッパ状
のバルブ当接部39b,40bは、各吸気弁10,11
におけるバルブステム15上端に当接している。
【0030】また上述の低速用ロッカアーム39,40
の他端が高速用スイングアーム34の揺動支点としての
ロッカシャフト33とラップしないように、低速用ロッ
カアーム39,40を高速用スイングアーム34よりも
短寸に設定する一方、上述のHLA41は高速用スイン
グアーム34の揺動支点に配設されるロッカシャフト3
3に対してシリンダヘッド3の内方側に配設されてい
る。
【0031】一方、上述の高速用スイングアーム34の
揺動支端を揺動可能に軸支するロッカシャフト33は、
この高速用スイングアーム34の幅方向の両サイドから
幅方向外方へ突出する長さに設定され、このロッカシャ
フト33の両サイド部には上下方向に貫通するガイド孔
43,43が穿設されている。
【0032】そして、例えばシリンダヘッド3に植設し
たガイド手段としてのガイドピン44,44を上述のガ
イド孔43,43に貫挿すると共に、シリンダヘッド3
の所定部とロッカシャフト33の両サイド部下面との間
には付勢手段としてのコイルスプリング45,45を張
架している。
【0033】また上述の高速用スイングアーム34揺動
支端の上側には、上述のガイドピン44,44およびコ
イルスプリング45,45と上下方向に略対向する如く
アクチュエータ46を配設している。このアクチュエー
タ46は図2に示すように上述の高速用スイングアーム
34揺動支端において同アーム34の幅方向の中間部に
単一設けられた油圧駆動タイプのもので、そのプランジ
ャ47の下動時に高速用スイングアーム34揺動支端を
下方に押下げる。
【0034】この高速用スイングアーム34揺動支端の
下動時には、ロッカシャフト33がガイドピン44,4
4で案内されながら下動するので、高速用スイングアー
ム34揺動支端の揺動中心を確保しながら同スイングア
ーム34揺動支端を下動するように構成している。
【0035】上述のアクチュエータ46は図6、図7に
示すように構成している。すなわち、このアクチュエー
タ46は円筒状のボディ48と、このボディ48内に摺
動可能に配設されたプランジャ47とを有し、プランジ
ャ47の背面と対向するポート49からボディ48内に
油圧を供給すると、プランジャ47は図6に示す状態か
ら図7に示すように下動すると共に、プランジャ47内
の油路50に供給される油圧により複数のノックピン5
1…がボディ48側の係止孔52内へ突出係入して、供
給油圧力を解除してもプランジャ47の下動位置が保持
される一方、図7に示す下動位置のプランジャ47を図
6に示すノーマル位置に復帰させる時には、ノックピン
51…の外端面と対応する位置の複数のポート53…に
油圧力を付勢すると、ノックピン51…が油路50内に
没入し、コイルスプリング45,45のバネ力によりプ
ランジャ47が図6に示すノーマル位置に復帰する如く
構成している。
【0036】而して、この実施例では図6に示すように
コイルスプリング45,45のバネ力により高速用スイ
ングアーム34の揺動支端をアクチュエータ46側の上
側に付勢し、高速用スイングアーム34揺動支端を上動
させた時、高速用のタペット36は低速用および高速用
の何れのカム26,27のカムプロフィルからも離間し
た位置に設定され、ローラフォロア38のみが低速用カ
ム26のカムプロフィルに当接するので、ロッカシャフ
ト33を揺動支点として可動する高速用スイングアーム
34の動きが、各要素37,39,40を介して2つの
吸気弁10,11に同時に伝達され、バルブリフト量の
小さい低速時のバルブタイミングを得ることができる。
【0037】また図7に示すようにアクチュエータ46
で高速用スイングアーム34の揺動支端を下動させた
時、この高速用スイングアーム34はピン37を中心と
して図面上、反時計方向へ回動して、高速用のタペット
36が高速用カム27のカムプロフィルに当接する位置
に設定されるので、ロッカシャフト33を揺動支点とし
て可動する高速用スイングアーム34の動きが、各要素
37,39,40を介して2つの吸気弁10,11に同
時に伝達され、バルブリフト量の大きい高速時のバルブ
タイミングを得ることができる。
【0038】ところで、上述の第2バルブ可変機構31
は吸気3弁側のうちの残りの1つの吸気弁12を駆動す
るもので、先の第1バルブ可変機構30が高速用スイン
グアーム34の両サイドに低速用ロッカアーム39,4
0を備えているのに対して、この第2バルブ可変機構3
1は高速用スイングアームの片側に1つの低速用ロッカ
アーム54を備えている。
【0039】すなわち、この第2バルブ可変機構31は
図2に示すように低速用カム28と対応する位置に低速
用ローラフォロア38を設け、高速用カム29と対応す
る位置に高速用スイングアーム34のタペット36を設
け、吸気弁12と対応する位置に低速用ロッカアーム5
4を設けて、上述の低速用ロッカアーム54、高速用ス
イングアーム34および低速用ローラフォロア38の三
者をピン37で揺動可能かつ一体的に連係している。
【0040】また上述の第2バルブ可変機構31と対応
する低速用カム28は、先の第1バルブ可変機構30と
対応する低速用カム26に対して、バルブリフト量が大
となるように、そのカムプロフィルを大に設定し、低速
時において図3に示す如くスワールSを形成すべく構成
している。
【0041】さらに上述の第2バルブ可変機構31の低
速カム当接部としての低速用ローラフォロア38と上述
のカムシャフト軸受23との間の距離を、上述の第1バ
ルブ可変機構30の低速カム当接部としての低速用ロー
ラフォロア38と上述のカムシャフト軸受22との間の
距離に対して、短く設定している。
【0042】しかも、上述の第1および第2の各バルブ
可変機構30,31のそれぞれの高速カム当接部として
のタペット36,36は、吸気カムシャフト20を軸支
するカムシャフト軸受22,23と近接する側に配置し
ている。つまり、2弁共通駆動用の第1バルブ可変機構
30におけるタペット36は一方のカムシャフト軸受2
2と近接する側に配置し、1弁独立駆動用の第2バルブ
可変機構31におけるタペット36は他方のカムシャフ
ト軸受23と近接する側に配置している。
【0043】また上述の第1および第2の各バルブ可変
機構30,31におけるピン37,37は、図2からも
明らかなように、第1バルブ可変機構30側のピン37
と、第2バルブ可変機構31側のピン37とに分割され
ている。
【0044】なお、上述の第2バルブ可変機構31のそ
の他の点については第1バルブ可変機構30と同等であ
るので、図2の第2バルブ可変機構31において第1バ
ルブ可変機構30と同様の作用を奏する部分には同一
を付して、その詳しい説明を省略する。また、図2に
おいて55は点火プラグを配設するためのプラグホー
ル、図1、図6、図7において26BC,27BCは対
応するそれぞれのカム26,27のベースサークルを示
す。
【0045】図8はエンジンのバルブ駆動装置の制御回
路を示し、CPU60はエンジン回転数Neおよびエン
ジン負荷CE等の必要な入力に基づいて、ROM61に
格納されたプログラムに従って、アクチュエータ46を
介してバルブ可変機構30,31,32を駆動制御し、
RAM62は図9に示すようなマップ等の必要なデータ
やマップを記憶する。
【0046】ここで、上述のCPU60はアクチュエー
タ46を直接駆動することはなく、油圧供給ラインに介
設した電磁ソレノイド弁を介して上述のアクチュエータ
46を駆動するが、図8では簡略的に図示している。
【0047】また図9に示すマップは、横軸にエンジン
回転数Neをとり、縦軸にエンジン負荷CEをとって、
アクチュエータ46を駆動させる高負荷高回転領域α
と、アクチュエータ46を駆動させない低負荷低回転領
域βとを区画したマップである。
【0048】図10はバルブ可変機構によるバルブタイ
ミングおよびバルブリフト量の変化の一例を示し、吸気
側の第1および第2の各バルブ可変機構30,31を図
6に示すように低速態様に切換えた場合には吸排気オー
バラップ期間が短くなり、これら第1および第2の各バ
ルブ可変機構30,31を図7に示すように高速態様に
切換えた場合には吸排気オーバラップ期間が長くなる。
【0049】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下作用を説明する。エンジンの運転状態が図9に
示す低負荷低回転領域βであるとCPU60が判定した
時には、アクチュエータ46は図6の状態を維持するの
で、高速用スイングアーム34の揺動支端は上動位置に
位置し、タペット36が高速用カム27から離反するの
で、2つの吸気弁10,11は第1バルブ可変機構30
を介して低速用カム26で駆動される。
【0050】一方、エンジンの運転状態が図9に示す高
負荷高回転領域αであるとCPU60が判定した時に
は、アクチュエータ46の駆動により、高速用スイング
アーム34の揺動支端が押下げられて、この高速用スイ
ングアーム34の揺動支端は図7に示すように下動位置
に位置し、タペット36(高速カム当接部)が高速用カム
27と当接するので、2つの吸気弁10,11は第1バ
ルブ可変機構30を介して高速用カム27で駆動され
る。
【0051】すなわち、上述の高速用スイングアーム3
4のタペット36(高速カム当接部)が高速用カム27か
ら離反する位置にある時(図6参照)には、低速用カム
26の動きが低速用ローラフォロア38(低速カム当接
部)および低速用ロッカアーム39,40を介して吸気
弁10,11に伝達される低速時のバルブタイミングを
得ることができ、一方、上述の高速用スイングアーム3
4のタペット36(高速カム当接部)が高速用カム27と
当接する位置にある時(図7参照)には、高速用カム2
7の動きが高速用スイングアーム34および低速用ロッ
カアーム39,40を介して吸気弁10,11に伝達さ
れる高速時のバルブタイミングを得ることができる。
【0052】以上は、吸気3弁側のうちの2つの吸気弁
10,11を同時駆動する第1バルブ可変機構30の作
用であるが、吸気3弁側のうちの残りの1つの吸気弁1
2を独立駆動する第2バルブ可変機構31の作用も略同
等である。
【0053】しかも、上述の第1および第2の各バルブ
可変機構30,31におけるそれぞれのタペット36,
36(高速カム当接部)を、カムシャフト軸受22,23
と近接する側に配置し、高速時において比較的大きい荷
重を受けるタペット36,36(高速カム当接部)の配置
位置がカムシャフト軸受22,23に近いので、吸気カ
ムシャフト20の撓みを防止することができると共に、
カムシャフト軸受22,23に対するバルブ駆動反力の
入力を略均等にして、カムシャフト軸受22,23の耐
久性向上を図ることができる効果がある。
【0054】因に上述のタペット36,36(高速カム
当接部)がカムシャフト軸受22,23間の中央寄りに
設定された場合には、吸気カムシャフト20に対して高
速時において大きい荷重が作用し、吸気カムシャフト2
0に撓みが生ずるが、上記構成により、このような問題
点を解消することができる。
【0055】さらに、吸気3弁のうちの残りの1つの弁
12を独立駆動する第2バルブ可変機構31と対応する
低速用カム28を、吸気3弁のうちの2つの弁10,1
1を共通駆動する第1バルブ可変機構30と対応する低
速用カム26に対して、バルブリフト量が大となるよう
にカムプロフィルを大に設定したので、確実にスワール
Sを形成することができる
【0056】加えて、上述の第2バルブ可変機構31の
ローラフォロア38(低速カム当接部)とカムシャフト軸
受23との間の距離を、第1バルブ可変機構30のロー
ラフォロア38(低速カム当接部)とカムシャフト軸受2
2との間の距離に対して短く設定したので、上述のスワ
ールS形成時には第1バルブ可変機構30に対応する吸
気カムシャフト20の所定部位に対して、第2バルブ可
変機構31に対応する吸気カムシャフト20の所定部位
に大きい荷重が作用するが、この大きい荷重が作用する
側はカムシャフト軸受23との間の離間距離が短いの
で、特に低速時(スワール形成時)における吸気カムシ
ャフト20の撓みを防止することができる効果がある。
【0057】また、高速時に対して使用頻度が多い低速
時において低速用カム26,28と当接する低速カム当
接部をローラフォロア38,38で構成したので、摺動
抵抗の低減を図ることができる効果がある
【0058】らにまた、上述のピン37,37を、第
1バルブ可変機構30側のピン37と第2バルブ可変機
構31側のピン37とに分割したので、上述の第1およ
び第2の各バルブ可変機構30,31の動きを互に異な
らせることができ、スワールSをより一層確実に生成す
ることができる効果がある。
【0059】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の3弁構造は、実施例の吸気側3弁
構造に対応し、以下同様に、低速カム当接部は、低速用
ローラフォロア38に対応し、高速カム当接部は、タペ
ット36に対応し、軸受は、カムシャフト軸受22,2
3に対応し、カムシャフトは、吸気カムシャフト20に
対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限
定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエンジンのバルブ駆動装置を示す断
面図。
【図2】 図1の平面図。
【図3】 シリンダボアに対する各吸排気ポートのレイ
アウトとスワール生成状態とを示す説明図。
【図4】 第1バルブ可変機構の斜視図。
【図5】 第1バルブ可変機構の分解斜視図。
【図6】 低速用バルブタイミングに設定された状態を
示す説明図。
【図7】 高速用バルブタイミングに設定された状態を
示す説明図。
【図8】 制御回路ブロック図。
【図9】 RAMに記憶させたマップの説明図。
【図10】 バルブ可変機構によるバルブタイミングお
よびバルブリフト量の変化の一例を示す説明図。
【図11】 従来のエンジンのバルブ駆動装置における
低速時の説明図。
【図12】 従来のエンジンのバルブ駆動装置における
高速時の説明図。
【符号の説明】
10,11,12…吸気弁 13…排気弁 20…吸気カムシャフト(カムシャフト) 22,23…カムシャフト軸受(軸受) 26,28…低速用カム 27,29…高速用カム 30…第1バルブ可変機構 31…第2バルブ可変機構 34…高速用スイングアーム 36…タペット(高速カム当接部) 37…ピン 38…低速用ローラフォロア(低速カム当接部) 39,40,54…低速用ロッカアーム 46…アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 13/00 301 F01L 1/18 F01L 1/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸排気弁を駆動するカムシャフトに低速用
    カムおよび高速用カムを一体的に形成したエンジンのバ
    ルブ駆動装置であって、 吸気弁および排気弁のうち一側に配設される複数の弁を
    3弁構造とし、 上記3弁のうちの2つの弁を共通駆動する第1バルブ可
    変機構と、 上記3弁のうちの残りの1つの弁を独立駆動する第2バ
    ルブ可変機構とを設け、上記各バルブ可変機構は上記低
    速用カムに当接する低速カム当接部と、 上記高速用カムに当接する高速カム当接部と、上記高
    ム当接部を上下動させて、高速カム当接部と高速用カ
    ムとの両者が当接する状態および離反する状態に変更す
    るアクチュエータとをそれぞれ有し、 上記各バルブ可変機構のそれぞれの高速カム当接部が、
    低速カム当接部よりもカムシャフトを軸支し、かつ各気
    筒に対して両側に位置する軸受と近接する側に配置さ
    れ、 上記各カムが対応するカム当接部と選択的に当接された
    時、カムの動きが上記バルブ可変機構を介して吸排気弁
    に伝達されるように構成し 上記第2バルブ可変機構と対応する低速用カムを、上記
    第1バルブ可変機構と対応する低速用カムに対してバル
    ブリフト量が大となるようにカムプロフィルを大に設定
    し、 上記第2バルブ可変機構の低速カム当接部と同可変機構
    側において気筒一側に位置する上記軸受との間の距離
    を、 上記第1バルブ可変機構の低速カム当接部と同可変機構
    側において気筒他側に位置する上記軸受との間の距離に
    対して短く設定した エンジンのバルブ駆動装置。
  2. 【請求項2】上記低速カム当接部をローラフォロアで構
    成した請求項1記載のエンジンのバルブ駆動装置。
  3. 【請求項3】上記各バルブ可変機構は低速用ロッカアー
    ムと、高速用スイングアームと、上記低速用ロッカアー
    ムと高速用スイングアームとを連係するピンとを有し、 上記ピンを、第1バルブ可変機構側のピンと第2バルブ
    可変機構側のピンとに分割した 請求項1記載のエンジン
    のバルブ駆動装置。
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