JP3164558B2 - 防水工法 - Google Patents

防水工法

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JP3164558B2 JP35952498A JP35952498A JP3164558B2 JP 3164558 B2 JP3164558 B2 JP 3164558B2 JP 35952498 A JP35952498 A JP 35952498A JP 35952498 A JP35952498 A JP 35952498A JP 3164558 B2 JP3164558 B2 JP 3164558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業性に優れ、し
かも優れた防水性と接着強度を備えた防水構造を実現し
うる防水工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の屋上等を防水する工法として
は、従来から、工場で予め成形された防水シートを、接
着剤を用いて下地面に接着施工する方法(シート防水工
法)がよく知られている。
【0003】上記シート防水工法において、その作業を
全て現場で行うと、溶剤臭による周囲への影響が大きい
だけでなく、特にシート側に塗布した接着剤の乾燥が遅
く、効率的でないことから、防水シートへの接着剤の塗
工および乾燥は、施工現場で行うのではなく、施工者が
予め、周囲に影響を与えない場所でこれを行い、乾燥し
た接着剤の塗工面を内側にした状態で防水シートを巻い
て現場に持ち込むようにするか、あるいは工場生産の段
階で接着剤塗膜まで形成された工場プレコートシートを
用いることが多い。
【0004】しかし、下地面に対するプライマーおよび
接着剤の塗工は、現場で行わざるを得ないため、その
際、どうしてもプライマーや接着剤から臭気が発生し、
問題となっている。特に、施工現場が屋内や住宅密集地
である場合には、換気に時間がかかるため、現場作業者
や、現場付近の住民や動植物に悪影響を及ぼしかねな
い。そこで、現場での臭気発生を防止するために、下地
面に塗工するプライマーおよび接着剤として、水系プラ
イマーや水系感圧型接着剤を用いることが検討され、一
部で実用化が進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記水
系プライマーは、従来の溶剤系のものに比べて、樹脂の
粒子径が大きく、比較的下地に浸透しにくいため、下地
面上で形成されるプライマー樹脂皮膜では充分な凝集強
度が得られず、その状態で下地面から水分が蒸発する
と、防水シートの剥離が生じ、フクレ現象につながると
いう問題がある。また、下地表面が脆弱な場合には、仮
に凝集強度が発現しても、下地側と防水シート側でずれ
が生じ、やはり防水シートの剥離やそれに伴うフクレ現
象を招きやすいという問題がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、水系プライマーおよび水系感圧型接着剤を用い
ることにより、現場において臭気が発生せず、しかも、
下地表面と接着剤層との間が、実用上充分な接着力で強
固に接合された防水構造を実現しうる、優れた防水工法
の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下地面に、プライマーと、水系感圧型接
着剤とを、この順で塗工したのち、片面に感圧型接着剤
を予め塗工し乾燥してなる防水シートを、その接着面を
上記下地側の水系感圧接着剤塗工面に重ねて接合一体化
するようにした防水工法において、上記プライマーとし
て、下記の(A)〜(C)のいずれかを用いるようにし
た防水工法を第1の要旨とする。 (A)二液反応型エポキシエマルジョンを主成分としセ
メントを含まない水系プライマー。 (B)二液反応型エポキシエマルジョンとセメントを主
成分とする水系プライマー。 (C)アクリル系エマルジョンとセメントを主成分とす
る水系プライマー。
【0008】また、上記防水工法のなかでも、特に、上
記プライマー塗工面に塗工される水系感圧型接着剤が、
自己架橋型アクリル系エマルジョンを主成分とするもの
である防水工法を第2の要旨とし、上記防水シートの接
着面に塗工される感圧型接着剤が、クロロプレンゴムを
主成分とする溶剤系感圧型接着剤である防水工法を第3
の要旨とする。
【0009】さらに、上記防水工法のなかでも、特に、
上記防水シートの接着面に塗工される感圧型接着剤が、
自己架橋型アクリル系エマルジョンを主成分とする水系
感圧型接着剤である防水工法を第4の要旨とし、上記防
水シートが、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴ
ム,ブチルゴム,エチレン−プロピレン共重合ゴムおよ
び塩化ビニルからなる群から選ばれた少なくとも一つを
含むポリマーで形成されている防水工法を第5の要旨と
する。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0011】まず、本発明において、下地面の塗工に用
いられるプライマーは、下地面に充分浸透しなくても、
下地面と、その上に形成される水系感圧型接着剤との間
を実用上充分な接着力で接合するものでなければなら
ず、そのようなプライマーとしては、二液反応型エポキ
シエマルジョンを主成分としセメントを含まない水系プ
ライマー(A)、二液反応型エポキシエマルジョンとセ
メントを主成分とする水系プライマー(B)、アクリル
系エマルジョンとセメントを主成分とする水系プライマ
ー(C)の三種類があげられる。
【0012】すなわち、上記水系プライマー(A)に用
いられる二液反応型エポキシエマルジョンは、もともと
接着剤として汎用されているもので、下地および水系感
圧型接着剤(特にアクリル水系接着剤)との接着性が良
好であるとともに、その硬化物が大きな凝集強度を発現
して下地表面を補強するという効果を奏する。
【0013】また、水系プライマー(B),(C)にお
いて、上記二液反応型エポキシエマルジョンもしくはア
クリル系エマルジョンとともに用いられるセメントは、
上記樹脂エマルジョンとノリ状に混じり合い、得られる
硬化物の接着強度および凝集強度を高める作用を果たす
とともに、上記樹脂エマルジョン中の水分と水和反応を
生起してプライマーの乾燥時間を短縮するため、施工性
の向上効果を奏する。
【0014】さらに、水系プライマー(C)に用いられ
るアクリル系エマルジョンは、得られる硬化物の凝集強
度、接着強度こそ、上記二液反応型エポキシエマルジョ
ンに比べて劣るが、上記セメントと組み合わせられるこ
とにより、実用上充分な強度を備えた硬化体となる。
【0015】上記水系プライマー(A),(B)に用い
られる二液反応型エポキシエマルジとは、エポキシ樹脂
を乳化して溶媒(通常、水)に分散させたエポキシ樹脂
エマルジョンからなる第一液と、硬化剤を乳化して溶媒
に分散させた硬化剤エマルジョンからなる第二液とを組
み合わせたもので、施工現場において二液を混合させる
ことによって反応硬化させるようになっている。上記エ
ポキシ樹脂としては、一般的に、ビスフェノールA/エ
ピクロルヒドリン型エポキシ樹脂等があげられる。ま
た、上記硬化剤しては、脂肪族ポリアミン、ポリアミ
ド、変性ポリアミン等のポリアミンがあげられる。これ
らの組み合わせのうち、ビスフェノール型エポキシ樹脂
エマルジョン(固形分濃度:30〜70重量%)と、脂
肪族ポリアミン系硬化剤(固形分濃度:30〜70重量
%、活性水素量:100〜400)とを組み合わせたも
のが好適である。
【0016】なお、上記エポキシエマルジョンにおい
て、第一液および第二液の分散溶媒としては、通常、水
が用いられるが、場合によっては、水に易溶性の有機溶
剤を併用しても差し支えない。このような有機溶剤とし
ては、イソプロピルアルコール,メタノール,エタノー
ル,プロパノール,アセトン,メチルエチルケトン,ジ
オキサン,エチレングリコール,プロピレングリコー
ル,グリセリン,メチルカルビトール,エチルカルビト
ール,ブチルカルビトール,メチルセロソルブ,エチル
セロソルブ,酢酸,前記アルコールの酢酸エステル類,
前記カルビトールの酢酸エステル類および上記セロソル
ブの酢酸エステル類等があげられる。このような有機溶
剤を併用する場合には、その使用割合を、溶剤臭発生防
止の観点から、溶媒全体に対し5重量%以下に設定する
ことが望ましい。本発明において用いる他のエマルジョ
ンについても、同様である。
【0017】また、上記水系プライマー(B)および
(C)に用いられるセメントとしては、一般的なポルト
ランドセメントの外、これをベースとして適宜の混合材
を添加した各種混合セメントがあげられる。なかでも、
水和速度の大きい、早強ポルトランドセメント、超早強
ポルトランドセメント等が好適である。これらは、粉末
の状態で樹脂エマルジョンと混合するようにしてもよい
し、予め所定量の水と練ってペースト状にしたのち樹脂
エマルジョンと混合するようにしてもよい。
【0018】そして、上記セメントの配合量は、エポキ
シエマルジョンと組み合わせて水系プライマー(B)を
得る場合には、エポキシエマルジョン100重量部に対
し、セメントが75重量部以下となるよう設定すること
が好適であり、アクリル系エマルジョンと組み合わせて
水系プライマー(C)を得る場合には、アクリル系エマ
ルジョン100重量部に対し、セメントが25〜75重
量部となるよう設定することが好適である。すなわち、
樹脂エマルジョンに対しセメントの割合が少なく過ぎる
と、セメントによる樹脂エマルジョン補強効果および乾
燥促進効果があまり得られず、逆にセメントの割合が多
すぎると、水和反応に必要な水分量が不足し、セメント
が単なる充填材となり、必要な凝集強度の発現が得られ
ないからである。
【0019】さらに、上記水系プライマー(C)に用い
られるアクリル系エマルジョンとは、アクリル系モノマ
ーを共重合させたアクリル酸エステル共重合体を溶媒に
分散させたもので、上記アクリル系モノマーとしては、
メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルア
クリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリ
レート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等
があげられる。また、上記アクリル系モノマーとともに
用いられる共重合性モノマーとしては、スチレン、ビニ
ルトルエン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサ
チック酸ビニル、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸等があげられる。
【0020】そして、上記アクリル系エマルジョンのな
かでも、特に、そのアクリル系ポリマーに、反応性の側
鎖を1種類あるいは2種類以上組み合わせて導入してな
る自己架橋型アクリル系エマルジョンを用いることが好
適である。すなわち、上記自己架橋型アクリル系エマル
ジョンは、自己架橋(硬化)性を有し、優れた耐熱性、
耐水性、耐アルカリ性を備えた硬化体となるからであ
る。
【0021】なお、本発明に用いる水系プライマー
(A)〜(C)には、上記各主成分以外に、必要に応じ
て、粘着付与剤(いわゆるタッキファイヤー)、無機充
填剤、顔料等が添加される。
【0022】上記粘着付与剤としては、例えばロジンエ
ステル、ポリテルペン、クマロン−インデン樹脂、アル
キルフェノール樹脂、石油樹脂等を乳化剤で水中に分散
したサスペンション型またはエマルジョン型でアクリル
系エマルジョン向けの公知のタッキファイヤーが用いら
れる。また、上記無機充填剤としては、例えば炭酸カル
シウム、シリカ、タルク、ガラス繊維等を用いることが
でき、上記顔料としては、例えば酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化鉄、マイカ等を用いることができる。
【0023】また、本発明において、上記水系プライマ
ーの上に塗工される水系感圧接着剤としては、水系であ
れば、どのようなものであっても差し支えはなく、上記
水系プライマー(C)と同様、アクリル系エマルジョン
(自己架橋型アクリル系エマルジョンを含む)を主成分
とするもの、クロロプレン水系エマルジョンを主成分と
するもの、ポリ塩化ビニリデン水系エマルジョンを主成
分とするもの等、各種のものがあげられる。これらのな
かでも、アクリル系エマルジョンを主成分とするもの、
特に自己架橋型アクリル系エマルジョンを主成分とする
ものが好適である。すなわち、他のエマルジョンに比
べ、アクリル系エマルジョンを主成分とする接着剤を用
いて得られる接着剤層は、耐候性を含め耐久性に優れ、
特に自己架橋型アクリル系エマルジョンを主成分とする
接着剤を用いて得られる接着剤層は、前述のように、優
れた耐熱性,耐水性,耐アルカリ性を備えているからで
ある。
【0024】本発明の防水工法は、上記水系プライマー
(A)〜(C)のいずれかと水系感圧接着剤とを、防水
施工しようとする下地面に、この順で塗工したのち、片
面に感圧型接着剤を予め塗工し乾燥してなる防水シート
を、その接着面を上記水系感圧接着剤塗工面に重ねて接
着一体化するようにしたものである。なお、上記下地面
に対する前処理や、防水シート敷設後の仕上げ処理等
を、必要に応じて、適宜行うことができる。処理方法
は、通常の方法に準じて行われる。
【0025】本発明の防水工法によれば、現場で塗工作
業の必要な下地用のプライマーおよび感圧接着剤が、と
もに水系のものであるため、作業時に臭気が発生するこ
とがない。したがって、作業者と周辺環境に対し、悪影
響を及ぼすことがなく、良好に作業を進めることができ
る。しかも、上記水系プライマーが、下地に浸透しにく
いものであるにもかかわらず、下地面と防水シート側の
水系感圧型接着剤との間で、両者に対し充分な接着強度
で接合する硬化層を形成するため、経時的に、防水シー
トに剥離やフクレが生じることがなく、長期にわたって
優れた防水機能を発揮する。
【0026】なお、上記防水工法において、水系プライ
マーの塗工量は、下地面の材質にもよるが、通常、50
〜400g/m2 に設定することが好適である。すなわ
ち、塗工量が上記範囲よりも少ないと、水系プライマー
が下地に吸収されて拡散し、接着剤の下地への接着強度
が不足するおそれがあり、逆に、塗工量が上記範囲より
も多いと、下地表面に凝集力の小さい乾燥皮膜が生じ
て、結果的に接着強度が不足するおそれがあるからであ
る。
【0027】また、水系感圧接着剤の塗工量は、この塗
工面に重ねる防水シートの材質にもよるが、通常、10
0〜500g/m2 に設定することが好適である。すな
わち、塗工量が上記範囲よりも少ないと、シート側接着
剤との充分な接着面積が確保できないおそれがあり、逆
に、塗工量が上記範囲よりも多いと、接着剤の乾燥が極
端に遅くなり、施工性が低下して実用上好ましくないか
らである。
【0028】さらに、上記防水工法に用いる防水シート
としては、従来から防水シートとして用いられている各
種のシートを用いることができるが、なかでも、エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合ゴム,ブチルゴム,エチ
レン−プロピレン共重合ゴム,塩化ビニルのいずれか、
もしくはこれらのうち2種以上を組み合わせたポリマー
で形成されたシートを用いることが好適である。特に、
エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムとブチルゴム
のブレンド物からなるシートが好適である。そして、シ
ートの厚みも、特に限定されるものではないが、通常、
0.5〜2.5mm程度のものが用いられる。すなわ
ち、0.5mm未満では防水層としての信頼性に欠ける
おそれがあり、逆に2.5mmを超えると、ハンドリン
グが悪く施工性が低下するとともにコスト的にも好まし
くないからである。
【0029】また、上記防水シートの接着面に塗工され
る感圧型接着剤としては、従来から用いられているどの
ようなものを用いてもよく、溶剤系のものであっても、
水系のものであっても差し支えはない。すなわち、上記
防水シートへの感圧型接着剤の塗工は、現場ではなく、
換気等の設備が整った工場で行われるため、溶剤を用い
ても、作業者や周辺環境が受ける影響が少ないからであ
る。ただし、できるだけ作業環境に配慮するならば、溶
剤を用いないに越したことはなく、その場合は、前記自
己架橋型アクリル系エマルジョンを主成分とする感圧型
接着剤を用いることが好ましい。すなわち、上記自己架
橋型アクリル系エマルジョンを主成分とするものは、す
でに述べたように、通常の水系のものに比べて、接着強
度および耐アルカリ性に優れているからである。また、
どうしても溶剤系接着剤を用いなければならない場合に
は、各種溶剤系のなかでも、クロロプレン溶剤系のもの
を用いることが好適である。すなわち、前記下地面側に
塗工された水系感圧型接着剤とのなじみ性に優れ、高い
接着強度が得られるからである。
【0030】なお、上記防水シート接着面における感圧
接着剤の塗工量は、防水シートの材質にもよるが、通
常、50〜250g/m2 に設定することが好適であ
る。すなわち、塗工量が上記範囲よりも少ないと、下地
接着剤との充分な接着面積が確保できないおそれがあ
り、逆に、塗工量が上記範囲よりも多いと、乾燥工程に
余分な時間を要するからである。
【0031】また、本発明において、施工しようとする
下地の材質は、特に限定されるものではないが、一般的
にセメント系の下地が主体であり、上記水系プライマー
と組み合わせる上で、好適である。
【0032】つぎに、本発明の実施例について比較例と
併せて説明する。
【0033】
【実施例1〜5、比較例1,2】セメントアスベスト
(スレート)下地上に、後記の表1,表2に示す組成の
プライマーを、表1に示す塗布量で塗工し、その表面の
指触乾燥を確認したのち、その上に、下記の組成の水系
感圧型接着剤を、0.2kg/m2 塗工した。そして、
その指触乾燥確認後、加硫ゴムシート(JIS A 6
008規格品)に予め下記の組成の溶剤系感圧接着剤を
0.2kg/m2 塗工し乾燥して得られた接着剤プレコ
ートを貼着し、充分に転圧して試験用の防水構造体を得
た。そして、これらの構造体に対し、JIS K 68
54に従って180°ピーリング接着試験を行い、下地
と防水シートの接着強度を評価した。なお、引張速度は
200mm/minである。その結果を後記の表1,表
2に併せて示す。
【0034】 〔下地側水系感圧接着剤の組成〕 自己架橋型アクリル系エマルジョン(GX−A71,カネボウ化成社製) 100重量部 粘着付与剤 50 〃 添加剤 2 〃
【0035】 〔防水シート側溶剤系感圧接着剤の組成〕 クロロプレンゴム系樹脂 18重量部 顔料等 7 〃 トルエン 75 〃
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】上記の結果から、実施例品1〜5品は、い
ずれも、プライマーとして、単なる水系アクリル系エマ
ルジョン(自己架橋型)を用いた比較例1品に比べ、優
れた接着力を示している。特に、直射日光を想定した8
0℃雰囲気における接着力の低下率が、比較例1品に比
べて大幅に小さくなっており、実績のあるクロロプレン
溶剤系プライマーを用いた比較例2品に次ぐ優れた結果
が得られている。したがって、長期にわたって、屋上等
において日射を受けても、下地中から生じる水蒸気によ
る影響を受けにくく、防水シートの剥離やフクレ現象が
生じにくい、優れた防水構造が得られることがわかる。
【0039】
【実施例6〜12】水系プライマーの配合組成を、下記
の表3,表4に示すように変更した。それ以外は、上記
実施例1〜5と同様にして、試験用の防水構造体を得
た。そして、これらの構造体について、上記実施例1〜
5と同様にして180°ピーリング接着試験を行い、下
地と防水シートの接着強度を評価した。その結果を下記
の表3,表4に併せて示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】上記の結果から、エポキシエマルジョンと
セメントを混ぜて用いる場合には、エポキシエマルジョ
ン100重量部に対し、セメントは75重量部以下で配
合することが好ましいことがわかる。また、アクリル系
エマルジョンとセメントを混ぜて用いる場合には、アク
リル系エマルジョン100重量部に対し、セメントは2
5〜75重量部配合することが好ましいことがわかる。
【0043】
【実施例13、比較例3】水系プライマーの上に塗工す
る水系感圧型接着剤として、下記の組成のものを用い
た。それ以外は、前記実施例2と同様にして、試験用の
防水構造体を得た(実施例13)。また、水系プライマ
ーとして、前記比較例1で用いた自己架橋型アクリル系
エマルジョンbのみを主成分とする水系プライマーを用
い、それ以外は上記実施例13と同様にして、試験用の
防水構造体を得た(比較例3)。
【0044】 〔下地側水系感圧接着剤の組成〕 非自己架橋型アクリル系エマルジョン (ゴーレックスBT−M,カネボウ化成社製) 100重量部 粘着付与剤 50 〃 添加剤 2 〃
【0045】これらの構造体について、前記実施例1〜
5と同様にして180°ピーリング接着試験を行い、下
地と防水シートの接着強度を評価した。その結果を下記
の表5に併せて示す。
【0046】
【表5】
【0047】上記の結果から、下地側の水系感圧型接着
剤として、非自己架橋型アクリル系エマルジョンを主成
分とするもの(実施例13)を用いた場合も、一定の効
果が得られることがわかる。
【0048】
【実施例14、比較例4】加硫ゴムシートに塗工する感
圧型接着剤として、下記の組成のものを用いた。それ以
外は、前記実施例2と同様と同様にして、試験用の防水
構造体を得た(実施例14)。また、水系プライマーと
して、前記比較例1で用いた自己架橋型アクリル系エマ
ルジョンbを主成分とする水系プライマーを用い、それ
以外は上記実施例14と同様にして、試験用の防水構造
体を得た(比較例4)。
【0049】 〔防水シート側感圧接着剤の組成〕 自己架橋型アクリル系エマルジョン(GX−A71,カネボウ化成社製) 100重量部 粘着付与剤 50 〃 添加剤 2 〃
【0050】これらの構造体について、前記実施例1〜
5と同様にして180°ピーリング接着試験を行い、下
地と防水シートの接着強度を評価した。その結果を下記
の表6に併せて示す。
【0051】
【表6】
【0052】上記の結果から、シート側の感圧型接着剤
として、自己架橋型アクリル系エマルジョンを主成分と
するものを用いた場合にも、一定の効果が得られること
がわかる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明の防水工法は、現
場で塗工作業を行う下地用のプライマーおよび感圧接着
剤として水系のものを用いるようにしたものである。し
たがって、塗工作業時に臭気が発生することがなく、作
業者と周辺環境に対し、悪影響を及ぼすことがなく良好
に作業を進めることができる。しかも、上記水系プライ
マーが、下地に浸透しにくいものであるにもかかわら
ず、下地面と防水シート側の水系感圧型接着剤との間
で、両者に対し充分な接着強度で接合する硬化層を形成
するため、経時的に、防水シートに剥離やフクレが生じ
ることがなく、長期にわたって優れた防水機能を発揮す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 5/14 E04D 5/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地面に、プライマーと、水系感圧型接
    着剤とを、この順で塗工したのち、片面に感圧型接着剤
    を予め塗工し乾燥してなる防水シートを、その接着面を
    上記下地側の水系感圧接着剤塗工面に重ねて接合一体化
    するようにした防水工法において、上記プライマーとし
    て、下記の(A)〜(C)のいずれかを用いるようにし
    たことを特徴とする防水工法。 (A)二液反応型エポキシエマルジョンを主成分としセ
    メントを含まない水系プライマー。 (B)二液反応型エポキシエマルジョンとセメントを主
    成分とする水系プライマー。 (C)アクリル系エマルジョンとセメントを主成分とす
    る水系プライマー。
  2. 【請求項2】 上記プライマー塗工面に塗工される水系
    感圧型接着剤が、自己架橋型アクリル系エマルジョンを
    主成分とするものである請求項1記載の防水工法。
  3. 【請求項3】 上記防水シートの接着面に塗工される感
    圧型接着剤が、クロロプレンゴムを主成分とする溶剤系
    感圧型接着剤である請求項1または2記載の防水工法。
  4. 【請求項4】 上記防水シートの接着面に塗工される感
    圧型接着剤が、自己架橋型アクリル系エマルジョンを主
    成分とする水系感圧型接着剤である請求項1〜3のいず
    れか一項に記載の防水工法。
  5. 【請求項5】 上記防水シートが、エチレン−プロピレ
    ン−ジエン共重合ゴム,ブチルゴム,エチレン−プロピ
    レン共重合ゴムおよび塩化ビニルからなる群から選ばれ
    た少なくとも一つを含むポリマーで形成されている請求
    項1〜4のいずれか一項に記載の防水工法。
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