JP3161757B2 - 電力系統の絶縁劣化検出方法、絶縁劣化検出装置、絶縁劣化検出システム及び絶縁劣化判定装置 - Google Patents

電力系統の絶縁劣化検出方法、絶縁劣化検出装置、絶縁劣化検出システム及び絶縁劣化判定装置

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JP3161757B2
JP3161757B2 JP14451691A JP14451691A JP3161757B2 JP 3161757 B2 JP3161757 B2 JP 3161757B2 JP 14451691 A JP14451691 A JP 14451691A JP 14451691 A JP14451691 A JP 14451691A JP 3161757 B2 JP3161757 B2 JP 3161757B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力系統の絶縁劣化検
出方法及び装置に係り、特に、配電系統における絶縁劣
化検出とその発生区間の判定を高感度で行うに好適な電
力系統の絶縁劣化検出方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電力系統には、地絡や短絡故障を
検出して送電を停止する保護装置が設けられている。こ
のような保護装置は、例えば、配電系統の場合、樹枝状
の系統構成になっており、その根元の部分に設けられて
いるため、一旦故障がおこり保護装置が動作すると、広
範囲に亘る停電を招くことになる。このため、故障を未
然に防止すべく定期的な機器交換、巡回による目視点検
などが行われているが、配電系統では多くの配電機材が
広範囲にわたって配置されており様々な環境に曝されて
いること、機材の隠蔽化が進んでいることなどの理由に
より、労力の割には故障の未然防止率が小さかった。
【0003】実際の配電線で発生する故障の大部分は、
地絡故障であり、この種の故障は何らかの前駆地絡信号
(以下、劣化信号と呼ぶ)を伴うことが多い。そこで、
この劣化信号をとらえ、その発生区間を検出することに
より、重点的に設備更新を行い、故障を未然防止する技
術が提案されている。
【0004】この従来技術としては、例えば、「配電系
統の絶縁劣化区間検出法に関する基礎検討」(長山,青
柳他、平成2年電気学会電力,エネルギー部門全国大
会)が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、電力
系統の共振周波数,残留分や系統ノイズにより発生する
信号と絶縁劣化により発生する信号との区別が困難であ
り、絶縁劣化の高感度検出が難しかった。
【0006】また、絶縁劣化検出後の出力の表示方法に
ついても考慮されていなかった。
【0007】さらに、絶縁劣化発生試験装置についても
特に考案されていなかった。
【0008】本発明の目的は、これらの残留分や系統ノ
イズ等の影響を低減し、電力系統の絶縁劣化の発生及び
その区間を高感度で検出,判定するにある。また、オペ
レータに一目で劣化に関する情報を得られるような表示
を提供することにある。さらに、試験効率を向上できる
ような絶縁劣化発生試験装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、絶縁劣化
の発生が、上記三相電力系統の共振周波数を除く帯域で
の零相電圧、及びまたは、零相電流の発生レベルの大き
さを用いて検出されることによって達成される。
【0010】上記の目的は、また、絶縁劣化発生区間
が、上記三相電力系統の共振周波数を除く帯域での零相
電圧と、零相電流との位相差スペクトルを用いて判定さ
れることによっても達成される。
【0011】上記の目的は、零相電圧の低周波数成分を
トリガとして、絶縁劣化の発生が、上記三相電力系統の
共振周波数を除く帯域での零相電圧、及びまたは、零相
電流の発生レベルの大きさを用いて検出されることによ
っても達成される。
【0012】上記の目的は、また、零相電圧、及びまた
は、零相電流は、電源周波数と、上記三相電力系統の共
振周波数とを除く帯域での零相電圧、及びまたは、零相
電流であることされることによっても達成される。
【0013】上記の目的は、また、絶縁劣化の発生が、
上記三相電力系統の共振周波数を除く帯域での零相電
圧、及びまたは、零相電流の発生レベルの大きさを用い
て検出されるもの、または零相電圧の低周波数成分をト
リガとして、絶縁劣化の発生が、上記三相電力系統の共
振周波数を除く帯域での零相電圧、及びまたは、零相電
流の発生レベルの大きさを用いて検出されることにおい
て、上記の目的は、また、零相電圧、及びまたは、零相
電流は、電源周波数と、上記三相電力系統の共振周波数
とを除く帯域での零相電圧、及びまたは、零相電流であ
ることによっても達成される。
【0014】上記の目的は、また、絶縁劣化の発生が、
上記三相電力系統の共振周波数を除く帯域での零相電
圧、及びまたは、零相電流の発生レベルの大きさを用い
て検出されるもの、または零相電圧の低周波数成分をト
リガとして、絶縁劣化の発生が、上記三相電力系統の共
振周波数を除く帯域での零相電圧、及びまたは、零相電
流の発生レベルの大きさを用いて検出されることにおい
て、上記の目的は、また零相電圧、及びまたは、零相電
流は、電源周波数と、その自然数倍周波数と、上記三相
電力系統の共振周波数とを除く帯域での零相電圧、及び
または、零相電流であることによっても達成される。
【0015】上記の目的は、また、絶縁劣化発生区間
が、上記三相電力系統の共振周波数を除く帯域での零相
電圧と、零相電流との位相差スペクトルを用いて判定さ
れるもの、または、零相電圧の低周波数成分をトリガと
して、絶縁劣化発生区間が、上記三相電力系統の共振周
波数を除く帯域での零相電圧と、零相電流との位相差ス
ペクトルを用いて判定されるものにおいて、上記の目的
は、また零相電圧と零相電流とは、電源周波数と、上記
三相電力系統の共振周波数とを除く帯域での零相電圧と
零相電流とであることによっても達成される。
【0016】上記の目的は、また、絶縁劣化発生区間
が、上記三相電力系統の共振周波数を除く帯域での零相
電圧と、零相電流との位相差スペクトルパタ−ンを用い
て判定されるもの、または、零相電圧の低周波数成分を
トリガとして、絶縁劣化発生区間が、上記三相電力系統
の共振周波数を除く帯域での零相電圧と、零相電流との
位相差スペクトルを用いて判定されることにおいて、上
記の目的は、また零相電圧と零相電流とは、電源周波数
と、その自然数倍周波数と、上記三相電力系統の共振周
波数とを除く帯域での零相電圧と零相電流とであること
によっても達成される。
【0017】上記の目的は、また、電源周波数を除く帯
域での零相電圧、及びまたは、零相電流の発生レベルの
大きさを求め、その後、電源周波数を超える周波数帯域
の零相電圧の低周波数成分をトリガとして、絶縁劣化の
発生が検出されることによっても達成される。
【0018】上記の目的は、また、電源周波数を除く帯
域での零相電圧、及びまたは、零相電流の発生レベルの
大きさを求め、その後、電源周波数を超える周波数帯域
の零相電圧の低周波数成分をトリガとして、絶縁劣化の
発生が検出されることにおいて、上記零相電圧、及びま
たは、零相電流は、電源周波数と、その自然数倍周波数
とを除く帯域での零相電圧、及びまたは、零相電流であ
ることによっても達成される。
【0019】上記の目的は、また、電源周波数を除く帯
域での零相電圧と、零相電流の位相差スペクトルパター
ンを求め、その後、電源周波数を超える周波数帯域の零
相電圧の低周波数成分をトリガとして、絶縁劣化発生区
間が判定されることによっても達成される。
【0020】上記の目的は、また、電源周波数を除く帯
域での零相電圧と、零相電流の位相差スペクトルを求
め、その後、電源周波数を超える周波数帯域の零相電圧
の低周波数成分をトリガとして、絶縁劣化発生区間が判
定されることにおいて、前記零相電圧と零相電流とは、
電源周波数と、その自然数倍周波数とを除く帯域での零
相電圧と零相電流とであることによっても達成される。
【0021】上記の目的は、また、前記電源周波数を除
く帯域での零相電圧、及びまたは、零相電流の発生レベ
ルの大きさを求め、その後、電源周波数を超える周波数
帯域の零相電圧の低周波数成分をトリガとして、絶縁劣
化の発生が検出されること、または、上記零相電圧、及
びまたは、零相電流は、電源周波数と、その自然数倍周
波数とを除く帯域での零相電圧、及びまたは、零相電流
であること、または、電源周波数を除く帯域での零相電
圧と、零相電流の位相差スペクトルを求め、その後、電
源周波数を超える周波数帯域の零相電圧の低周波数成分
をトリガとして、絶縁劣化発生区間が判定されること、
または、上記零相電圧と零相電流とは、電源周波数と、
その自然数倍周波数とを除く帯域での零相電圧と零相電
流とであることにおいて、上記零相電圧の低周波数成分
は、上記電源周波数の2倍未満であることであることに
よっても達成される。
【0022】上記の目的は、また、電源周波数を除く帯
域での零相電圧に対する零相電流の位相平均値θ(但
し、|θ|≦180°)が、 −90°+θ1>θ>−90°−θ2 (θ1,θ2:定数
≦90°) であれば、負荷側で絶縁劣化が発生と判定し、 −90°+θ1<θ<180°、または、−90°−θ2
>θ>−180° であれば、電源側で絶縁劣化が発生と判定されることに
よっても達成される。
【0023】上記の目的は、また、電源周波数を除く帯
域での零相電圧に対する零相電流の位相平均値θ(但
し、|θ|≦180°)が、 −90°+θ1>θ>−90°−θ2 (θ1,θ2:定数
≦90°) であれば、負荷側で絶縁劣化が発生と判定し、 −90°+θ1<θ<180°、または、−90°−θ2
>θ>−180° であれば、電源側で絶縁劣化が発生と判定されることに
おいて、上記零相電圧に対する零相電流の位相平均値θ
は、上記電源周波数と、その自然数倍周波数とを除く帯
域での零相電圧に対する零相電流の位相平均値θである
ことによっても達成される。
【0024】上記の目的は、また、前記解決するための
手段おいて、θ1<θ2であることによっても達成され
る。
【0025】上記の目的は、また、前記解決するための
手段おいて、上記零相電流の位相平均値θは、電源周波
数の自然数倍周波数までの低周波数領域での位相平均値
であることによっても達成される。上記の課題は、ま
た、前記解決するための手段において、上記電源周波数
の自然数倍周波数は、上記電源周波数の4倍の周波数で
あることによっても達成される。
【0026】上記の目的は、また、前記解決するための
手段において、上記電力系統の電源側から絶縁劣化の発
生を判定することによっても達成される。
【0027】上記の目的は、また、上記配電線に接続さ
れる第1の電極と、該第1の電極と対向し、接地電位に
接続される第2の電極と、上記対向する第1の電極と第
2の電極とのギャップ長を制御する手段とを具備する地
絡発生装置を備えることによっても達成される。
【0028】上記の目的は、また、前記地絡発生装置に
おいて、上記第1の電極と第2の電極との少なくとも一
方は、耐弧メタルを含むことによっても達成される。
【0029】上記の目的は、また、前記地絡発生装置
と、電力系統固有の共振周波数を測定する手段とを具備
することによっても達成される。
【0030】上記の目的は、また、三相電力系統の絶縁
劣化区間を特定する情報を生成する手段と、三相電力系
統図の少なくとも一部と上記絶縁劣化区間を特定する情
報とを同一画面領域に表示する表示装置とを具備される
ことによっても達成される。上記の目的は、また、三相
電力系統における少なくとも一個所での零相電圧に対す
る零相電流の位相平均値θと絶対値とを演算する手段
と、零相電圧に対する零相電流の位相平均値と絶対値と
の関係を示す二次元座標領域内に、負荷側及び又は電源
側で絶縁劣化が発生する領域を特定する情報と、上記所
定個所での零相電圧に対する零相電流の位相平均値θと
絶対値とに対応する情報とを同時に表示する表示装置と
を具備することによっても達成される。
【0031】上記の目的は、また、前記演算する手段と
前記表示装置であることにおいて、上記演算する手段
は、複数個所でのそれぞれの零相電圧に対する零相電流
の位相平均値θと絶対値とを演算する手段であり、上記
表示装置は、上記複数個所の一つでの零相電圧に対する
零相電流の位相平均値θと絶対値とに対応する情報を表
示する表示装置であることによっても達成される。
【0032】上記の目的は、また、前記演算する手段と
前記表示装置であることにおいて、上記演算する手段
は、複数個所でのそれぞれの零相電圧に対する零相電流
の位相平均値θと絶対値とを演算する手段であり、上記
表示装置は、上記複数個所での零相電圧に対する零相電
流の位相平均値θと絶対値とに対応する情報を同時に表
示する表示装置であることによっても達成される。
【0033】上記の目的は、また、三相電力系統におけ
る少なくとも一個所での零相電圧に対する零相電流の位
相平均値θと絶対値とを演算する手段と、零相電圧に対
する零相電流の位相平均値と絶対値とに応じて、絶縁劣
化の進展度が、互いに識別可能な複数の領域と、上記所
定個所での零相電圧に対する零相電流の位相平均値θと
絶対値とに対応する情報とを同時に表示する表示装置と
を具備されることによっても達成される。
【0034】上記の目的は、また、三相電力系統におけ
る少なくとも一個所での零相電圧に対する零相電流の位
相平均値θと絶対値とを演算する手段と、零相電圧に対
する零相電流の位相平均値と絶対値とに応じて、絶縁劣
化の進展度が、互いに識別可能な複数の領域と、上記所
定個所での零相電圧に対する零相電流の位相平均値θと
絶対値とに対応する情報とを同時に表示する表示装置と
を具備することによっても達成される。
【0035】
【作用】劣化信号発生メカニズムについて、落雷時の大
電流による碍子の亀裂発生を例にとり説明する。まず、
碍子に亀裂発生しただけでは絶縁上何ら異常が発生しな
いが、亀裂部に塩分などが付着した状態で雨が降ると、
絶縁耐力が低下し小さな放電が発生し劣化信号を観察さ
れるようになる。しかし、放電がある程度続くと、その
部分の温度上昇により水分が蒸発してしまい一時的に正
常な状態に戻る。この状態では劣化電流の継続時間が短
かくそのレベルも小さいため、保護装置は動作せず亀裂
の発生はわからないままである。その結果、単発的放電
を再び繰り返しながら、ついには永久故障に至ってしま
う。この途中では、放電劣化電流の継続時間が比較的長
く、保護装置が動作する場合もあり得るが、再送電時に
は水分が蒸発してしまっており原因探索は困難を極める
ことになる。ここでは、碍子の亀裂発生を例に取り上げ
たが、樹木や鳥獣接触についても同様な現象になる。発
明者らは、これらの現象に伴う劣化信号と残留分や系統
ノイズとが異なる特徴をもつことを発見し、該特徴を利
用して絶縁劣化検出してその区間を高感度で判定するこ
とができた。この特徴の一つは、劣化による放電のよう
な不連続現象に伴う零相電圧,零相電流のスペクトル
は、電源周波数とその自然数倍周波数以外にも多くの成
分を含み、特に零相電圧のスペクトルは低周波数成分ほ
ど大きくなる傾向を示す点にある。一方、残留分は、電
源周波数とその自然数倍周波数成分がほとんどである。
また、負荷の入切などにより発生する系統ノイズは劣化
信号に比較して高周波帯域に存在することがわかった。
【0036】本発明では、まず、残留分と系統ノイズの
影響が大きい電源周波数と高周波成分を除いた零相電圧
発生レベルにより劣化の発生が検出される。次に、電源
周波数の自然数倍周波数を除いた帯域での零相電流と零
相電圧の位相を利用して劣化発生区間が判定される。
【0037】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、三相の配電系統に本発明に係る絶縁劣
化検出装置が装着された状態を示す。
【0038】図に示す配電系統は、上位の高電圧系統か
ら供給される電力を配電電圧に変圧する変圧器1と、該
変圧器1に接続され図示されていない保護装置の遮断指
令により動作する遮断器2と、該遮断器2に接続された
三相母線3と、該三相母線3に遮断器4,5,6を介し
て接続された複数の三相フィーダ7,8,9(ここでは
3フィーダとした)を含んで形成されている。この配電
系統に装着された絶縁劣化検出装置は、前記三相フィー
ダ7,8,9に所定の間隔をおいて装着されたセンサ装
置10A〜10C,11A〜11C,12A〜12C
と、これらセンサ装置にそれぞれ接続され該センサ装置
の出力信号が入力され、前処理される子局13A〜13
C,14A〜14C,15A〜15Cと、同一フィーダ
上の隣接する子局を相互に接続する通信線16,17,
18と、前記各フィーダの最も電源側に配置された子局
13A,14A,15Aに接続して配置された判定手段
である親局19とを含んで構成されている。また、三相
母線3に取り付けられ、その出力信号が通信線33を介
して親局19に接続されるセンサ装置20及び子局21
も含んで構成されている。
【0039】センサ装置20及び子局21の構成を図2
を参照して説明する。図2において、センサ装置20
は、三相母線3に接続されたスター結線の一次巻線22
とデルタ結線の二次巻線23からなる接地変圧器を用い
た V0 センサで構成される。一次巻線22の中性点は接
地され、デルタ結線の一辺には限流抵抗24が接続され
る。子局21は限流抵抗24の両端の電圧として検出さ
れる V0 を入力とするアンプ25と、該アンプ25出力
側にそれぞれ接続され電源周波数、例えば、50Hzに同調
されたノッチフィルタ26と、該ノッチフィルタ26の
出力側に接続された 1 kHzのカットオフ周波数の持つロ
ーパスフィルタ27と、該ローパスフィルタ27の出力
をディジタル信号に変換するAD変換器28と、、前記
ノッチフィルタ26の出力側に接続された 90 Hzのカッ
トオフ周波数の持つローパスフィルタ29と、該ローパ
スフィルタ29の出力を入力とするコンパレータ30
と、該コンパレータ30と前記AD変換器28の出力側
に接続されたメモリ31と、該メモリ31の出力側に接
続された通信端末32を含んで構成されている。通信端
末32は、親局19に通信線33を介して接続されてい
る。
【0040】次に、同一構成であるセンサ装置10A〜
10C,11A〜11C,12A〜12C及び子局13
A〜13C,14A〜14C,15A〜15Cの構成に
ついて、センサ装置10A及び子局13Aを例に取り図
3を参照して説明する。
【0041】図3において、センサ装置10Aは三相フ
ィーダ7に結合されたI0 センサ34で構成される。子
局13Aは、前記 I0 センサ34の出力が接続されるア
ンプ35と、該アンプ35の出力側に接続される電源周
波数の 50 Hzに同調されたノッチフィルタ36と、該ノ
ッチフィルタ36の出力側に接続された 1 kHzのカット
オフ周波数の持つローパスフィルタ37と、該ローパス
フィルタ37の出力をディジタル信号に変換するAD変
換器38と、該AD変換器38の出力側に接続されたメ
モリ39と、該メモリ39の出力側に接続された通信端
末40とを含んで構成されている。通信端末40は、親
局19及び同一フィーダ7上の隣接子局13Bに通信線
16を介して接続されている。
【0042】上記構成のセンサ装置及び子局は、次のよ
うに動作する。図2において、限流抵抗24の両端の電
圧として検出される V0 は、アンプ25に入力されて信
号処理に適当な電圧信号に変換される。劣化時に発生す
るV0 信号は前述のように電源とその自然数倍周波数以
外にも多くの周波数成分を含み、特に低周波成分ほど大
きくなる。そこで、アンプ25の出力信号から 50 Hzノ
ッチフィルタ26によって残留分が最も大きくなる電源
周波数成分が除去し、さらに 1 kHzローパスフィルタ2
7で系統ノイズが除去することによって、劣化時に比較
的多く発生する微小な V0 信号のみが精度良く抽出でき
るようになる。特に本発明では、系統ノイズは系統が持
つインダクタンスと容量の共振によって増大し、その共
振周波数は一般の系統が持つインダクタンスと容量の値
から考えて、ほとんどが 1 kHz以上になることを見出し
1 kHzローパスフィルタ27を用いたものである。ここ
では、フィルタとしてローパスフィルタ27を用いた
が、系統の共振周波数帯域だけを除去するバンドパスフ
ィルタを用いても良い。
【0043】1 kHzローパスフィルタ27の出力はAD
変換器28に入力されディジタル信号に変換された後、
メモリ31に繰り返し書き込まれる。一方、 50 Hzノッ
チフィルタ26の出力は 90 Hzローパスフィルタ29に
も入力され、劣化によって特徴的に発生する低周波成分
の中でも比較的低周波帯域の成分だけが抽出される。抽
出された低周波成分はコンパレータ30であらかじめ設
定された基準値と比較され、基準値を越えていれば劣化
発生と判断してメモリホールド信号が出力されメモリ3
1にその時の V0 時間データがストアされる。ここで、
ローパスフィルタ29のカットオフ周波数は、低く設定
するほど残留分やノイズに対して強くなるが、電源周波
数以下にすると劣化発生に対する応答が悪くなり検出が
難しくなる。逆に、カットオフ周波数を高く設定すると
残留分やノイズによって誤動作し、特に電源の自然数倍
周波数の帯域ではその危険性が大きくなる。本発明では
以上のべたことを実験的に見出し、ローパスフィルタ2
9のカットオフ周波数を電源周波数を超え、かつ、電源
周波数の2倍未満であるところの90Hzに設定した。ここ
で、ローパスフィルタ27のカットオフ周波数を 1 kHz
とし、ローパスフィルタ29のそれより高くした理由
は、メモリ31のデータに対しては、後述するように電
源の自然数倍周波数の残留分が、親局19の処理により
除去できるため、系統ノイズの影響を受けない範囲でで
きるだけ劣化現象に対して応答性を高めたためである。
コンパレータ30からのメモリホールド信号は、親局1
9を経由して通信線16,17,18により子局13A
〜13C,14A〜14C,15A〜15Cにも伝送され
る。
【0044】図3における子局13Aの動作もメモリホ
ールド信号の発生動作を除けば、図2に示した子局21
と同様であり、親局19からのメモリホールド信号によ
り、劣化発生時のI0時間データがメモリ39にホールド
される。子局13B〜13C,14A〜14C,15A
〜15Cについても同様に動作する。 V0 ,I0時間デー
タが各子局のメモリにストアされるとあらためてメモリ
から親局19に劣化発生を示す信号が伝送され、親局1
9の劣化区間判定プログラムが起動することになる。
【0045】親局19の処理アルゴリズムについて、図
4をもとに説明する。まず、S1では伝送されてきた子
局21の V0 時間データ、及び子局13A〜13C,1
4A〜14C,15A〜15Cの I0 時間データから、
V0 に対する I0 各子局の位相が複数周波数毎に求めら
れる。具体的手段としてはディジタルフィルタあるいは
フーリェ変換などが用いられる。ここで、複数周波数と
して 0〜電源周波数の4倍となる 200 Hzの間で 0 Hz及
び電源とその自然数倍周波数を除いたものを選ぶ。0
〜 200 Hzの帯域を用いる理由は、この帯域の成分が劣
化によって比較的大きくなるためである。また、電源と
その自然数倍周波数のデータを除く理由は、残留分の影
響が大きい成分であるためである。S2では、S1で求
められた複数周波数における位相の平均値が、各子局毎
に求められる。求められた位相の平均値を θ(i,j) で
表わすことにする。ここで、括弧内の i,j はそれぞれ
フィーダNo. と子局 No. を示し、子局13A〜13C
を例にとるとi=1であり、j=1,2,3のように表わ
すことにする。以下、フィーダ7,8,9をそれぞれフ
ィーダNo.1,2,3と呼ぶ。
【0046】S5では、まず θ(1,1)すなわち子局13
Aの位相平均値が判定され-160°≦θ(1,1)≦-60°を満
足しなければ他フィーダで劣化発生と判断され、S9で
最終フィーダではないことがチェックされた後、S4に
戻り i に 1 を加えてからθ(2,1)の判定を行なう。こ
のようにして、最終フィーダまでチェックしてもすべて
-160°≦ θ(i,1) ≦ -60°を満足せず、他フィーダで
劣化発生と判断された場合には、誤起動と判断してS1
0で異常なしのメッセージを出力して終了する。一方、
-160°≦ θ(1,1) ≦ -60°を満足した場合には、フィ
ーダ No.1 で劣化発生と判断して、S7に進み劣化区間
の探索を開始する。S7では-160°≦θ(1,2) ≦-60°
が成立するか否かを調べる。この条件が成立しない場合
には、子局13Bより電源側区間すなわち子局13Aと
13Bとの間で劣化発生と判定し、S11でフィーダ N
o.と子局 No.を表示して終了する。一方、前記条件が成
立した場合には、S7で位相をチェックした子局がフィ
ーダNo.1の末端子局かどうか調べる。この場合は末端子
局ではないので、S6に戻り j に 1 を加えてから、S
7で θ(1,3) に対する判定をする。ここで、 θ(1,3)
が条件を満足していれば子局13Bより負荷側区間すな
わちフィーダ No.1 の末端区間で劣化発生と判定、S1
2で表示して終了する。ここでは、フィーダ No.1 の劣
化区間の探索について説明したが、他フィーダについて
も同様である。
【0047】ここで、S5あるいはS7で -160°≦ θ
(i,j) ≦ -60°が成立した場合にはそのフィーダあるい
は負荷側区間、成立しない場合には他フィーダあるいは
電源側区間で劣化発生と判定される理由について図5を
もとに説明する。なお、図5の表現法は文献(中山:保
護継電システム,電気書院)によった。
【0048】図5は劣化発生時に系統に流れる I0 の等
価回路であり、50は系統の対地静電容量を表わす。5
1は図2で説明した接地変圧器の二次巻線23の一辺に
接続された限流抵抗24を一次側に換算した抵抗であ
る。図5に示すように、フィーダ8のF点で劣化が発生
すると、健全フィーダ7,9それぞれの対地充電電流Ic
1, Ic3 が、三相母線3を経由して劣化点Fに流れ込
む。また、接地変圧器の一次巻線22の中性点を経由す
る電流 In も劣化点Fに流れ込む。劣化発生フィーダで
は、劣化点Fより電源側の対地充電電流 Ic2′と負荷側
の対地充電電流Ic2′′ が劣化点Fに流れ込む。ここ
で、電流 In により生じる中性点電圧の上昇が V0 であ
り、符号を次のように決めることにする。
【0049】
【数1】
【0050】ここで、Rn:一次換算抵抗51の値数1の
ように符号を決めると、図5のフィーダ8において、劣
化点を挟んで両側に流れる I0 のベクトル図は図6のよ
うに表わすことができる。図6において、I0′, I0″は
それぞれ劣化点より電源側,負荷側のフィーダを流れる
I0 であり、I0Nは系統や検出回路に存在するノイズで
ある。なおここでは、I0″,I0N,Ic2″の大きさが小さ
い例を示し便宜上そのスケールを拡大して表示する。
【0051】ここで、 V0 に対する I0′の位相αは In
と Ic1+Ic3+Ic2′ の絶対値の比によって変化する。
すなわち、位相αは近似的には一次換算抵抗51の値 R
n と系統対地静電容量 Cs によって、次式のように様々
に変化する。
【0052】
【数2】
【0053】ここで、ω:角周波数 一般の配電系統においては、Rn は数 10 kΩ、 Cs は
0.1〜 20μF程度であり、数2から位相αは −160°〜
−90°付近に分布するようになる。これに対して、抵抗
値 Rn と並列にリアクトルが接続される場合やノイズの
影響が大きい場合も考えると、αが、−90°以下になる
こともあるため、今回は余裕を見て-160°≦α≦ -60°
が成立した場合にフィーダの負荷側区間で劣化発生と判
定した。ここで、図7に示すようにαの範囲を −90°
に対して非対称として0°〜−90°の範囲を 30°とせま
くした理由は、次のようなものである。一般に、ノイズ
I0Nは、電源とその自然数倍周波数を除いているため、
広帯域なランダムノイズとなり、その位相は、複数周波
数の平均をとることによって 0°付近に分布するように
なる。したがって、比較的ノイズの影響を受けやすい 0
°付近から離れた領域で位相判定することにより、誤判
定する危険性を減少できることになるためである。
【0054】一方 I0″の位相βは、ノイズ I0N の影響
が小さい場合には90°になるが、ノイズ I0N の影響が
大きくなると 0°〜 90°付近に分布するようになる。
ここで、他フィーダで劣化発生と判定する位相範囲をで
きるだけ広くしておけば、誤起動と判断してS10で異
常なしのメッセージを出力するだけであるため、他の外
来ノイズにより誤判定することがなくなり、ノイズに強
いシステムになる。一方、そのフィーダで劣化発生と判
定されて劣化区間の探索ルーチンに入った場合には、電
源側区間で劣化発生と判定する位相範囲をできるだけ広
くしておけば確実に劣化区間を発見できることになる。
以上の理由により、図7に示すように-160° ≦ θ(i,
j) ≦ -60°以外の位相に対してはすべて他フィーダで
あるいは電源側区間で劣化発生と判定することにしたも
のである。
【0055】図8,9に、実際の配電機器で劣化発生さ
せたときに、それぞれ劣化点より電源側子局、負荷側子
局でストアされたデータを親局で処理した結果の一例を
示す。電源周波数は 50 Hzである。各図において、(a),
(b)はそれぞれ V0 , I0 の時間データ及びスペクトルで
ある。両図の時間データともノイズが多く含まれてお
り、 V0 データにわずかに波形変化が見られる程度であ
る。これに対して、スペクトルでは既に説明したよう
に、健全時にも存在する電源とその自然数倍周波数の成
分以外にも多くの周波数成分が発生しており、特に V0
のスペクトルは低い周波数成分ほど大きくなる傾向を示
している。図8(c),9(c)は、V0に対するI0の位相スペ
クトルを示す。それぞれの位相スペクトルから電源とそ
の自然数倍周波数を除く複数周波数における位相が求め
られ、その平均値をそれぞれθ(i,j),θ(i,j+1) とする
と、このケースでは θ(i,j) = −68° , θ(i,j+1) = 12° となり、図4で説明した親局19の処理アルゴリズムに
よりフィーダNo.iの子局No.j と j+1 の区間で劣化発生
と判定できることになる。
【0056】本発明の上記一実施例の親局アルゴリズム
によれば、S7では−160°≦θ(i,j)≦ -60°が成立し
なけれは、直ちにS11に進み劣化区間を出力するよう
にしているが、これに対して一旦劣化フィーダの全子局
の位相を調べた後、総合的に判定しても良い。この場合
は、例えば途中の子局に不具合があったとしても総合的
に見るため、的確な判定が期待できる。図10に、判定
出力結果となる表示装置の表示画面を示す。ここで、3
4は I0 センサであり各センサに付記されている矢印が
劣化方向判定結果、101が劣化区間を示す記号であ
る。また、図11は各子局から得られた I0 の絶対値と
V0 に対する位相情報をベクトル平面上に表示した表示
装置の表示画面である。この平面上には I0 の絶対値と
位相情報により得られる劣化の進展度を示す情報も色分
け(図示せず)して示される。
【0057】本発明の上記一実施例によれば、残留分や
系統ノイズの影響を低減できるので、絶縁劣化の発生及
びその区間を高感度で検出できる。また、劣化発生方向
を示す矢印など劣化区間を特定する情報を生成する手段
と、配電系統図の少なくとも一部と、劣化発生区間を示
す情報を同一画面領域に表示したので、オペレータは一
目で劣化に関する情報を得ることができるようになる。
さらに、劣化の進展度が色分けして示されるので、オペ
レータは次の対策を打つための劣化情報を一目で得るこ
とができるようになる。
【0058】上記一実施例のセンサ装置10A〜10
C,11A〜11C,12A〜12Cでは I0 のみを検
出したが、これに対して V0 も併せて検出するようにし
ても良い。 V0 センサとしては三相フィーダに接続され
たコンデンサが用いられる。この場合、子局21からメ
モリホールド信号が伝送されてくる点は上記一実施例と
同様であるが、V0 , I0 を用いて子局13A〜13C,
14A〜14C,15A〜15Cにおいて図4で説明し
た処理により方向判定までの処理をする点が異なる。親
局19では、子局の方向判定結果を用いて劣化区間を判
定し出力する。なお、本実施例の場合、子局21では V
0 を使用してコンパレートした後、基準値を越えていれ
ばメモリホールド信号を出力するだけで、その V0 は劣
化発生方向判定用データとしては使用しない。
【0059】本発明の上記した他の実施例によれば、残
留分や系統ノイズの影響を低減でき、絶縁劣化の発生及
びその区間を高感度で検出できる他、各子局で求められ
た方向判定結果が伝送されるだけなので伝送量が少なく
てすむなどの効果がある。
【0060】本発明の別な実施例について図面に基づい
て説明する。図12,13は、それぞれ本発明の検証試
験やアルゴリズムの位相設定に用いる地絡発生装置の平
面図及び側面図である。地絡発生装置は配電線の一相に
接続される第1の電極120と、該第1の電極120に
対向し接地電位に接続される第2の電極121と、前記
第1の電極120が支持される手動アーム122と、前
記第2の電極が支持される自動アーム123と、手動ア
ーム122及び自動アーム123をそれぞれに支持する
固定架台124,125と、固定架台124,125が
固着される共通ベース128とで構成される。手動アー
ム122と固定架台124は、手動アーム122に固着
されたピニオンギア(図示せず)と固定架台124に固
着されたラックギア(図示せず)でリンクされ、手動ア
ーム122が電極の軸に対して直角2方向に手動で移動
可能に構成される。一方、自動アーム123と固定架台
125は、自動アーム123に固着されたピニオンギア
(図示せず)と固定架台125に固着されたラックギア
126でリンクされ、さらにラックギア126はステッ
ピングモータ127の軸に回転可能に取り付けられるこ
とにより、移動アーム123が電極の軸方向に移動可能
に構成される。ステッピングモータ127の回転角は遠
隔装置(図示せず)によりコントロール可能に構成され
る。なお、前記第1,第2の電極材料としてはアーク発
生によって表面が荒れない耐弧メタルが使用される。
【0061】動作について説明する。まず、第2の電極
121と第1の電極120の軸が一致するように、手動
アーム122の位置が調整される。次に、遠隔装置から
ステッピングモータ127に出力されるパルス数すなわ
ち回転角が決められ、スタートボタンを押すと電極間の
ギャップ長が短くなるように、自動アーム123が所定
の距離だけ移動し地絡を発生させた後、再び元の位置ま
で戻って一連の動作を終了する。
【0062】本発明の上記した別な実施例によれば、常
に一定のギャップ長にコントロールすることが可能にな
り、かつ電極材料として耐弧メタルを用いているため、
地絡波形の再現性が向上し検証試験やアルゴリズムの位
相設定試験時の効率向上が可能になる。また、図3にお
いて、系統ノイズを除去するローパスフィルタ37のカ
ットオフ周波数を設定するために行なう、系統の共振試
験の効率向上の点でも効果がある。すなわち、系統に地
絡発生装置を取り付けて地絡を発生させることにより、
常に系統の自由振動を安定して励起させることができ、
共振周波数の測定が簡単になる。
【0063】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば
電力系統から検出される零相電圧及び零相電流における
残留分や系統ノイズの影響が低減されるので、該電力系
統の絶縁劣化の発生及びその発生区間の検出,判定が高
感度で行なわれる効果がある。また、劣化発生方向を示
す矢印など劣化区間を特定する情報を生成する手段と、
配電系統図の少なくとも一部と、劣化発生区間を示す情
報を同一画面領域に表示したので、オペレータは一目で
劣化に関する情報を得ることができるようになる。
【0064】さらに、常に一定のギャップ長にコントロ
ールすることが可能になりかつ電極材料として耐弧メタ
ルを用いているため、各種試験の効率向上が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が配電系統に適用された図で
ある。
【図2】図1に示す一実施例の要素装置の詳細図であ
る。
【図3】図1に示す一実施例の別な要素装置の詳細図で
ある。
【図4】図1に示す一実施例の処理アルゴリズムを示す
フロー図である。
【図5】本発明の作用を説明するための等価回路図であ
る。
【図6】本発明の作用を説明するためのベクトル図であ
る。
【図7】図1に示す一実施例の機能説明図である。
【図8】図1に示す一実施例で得られたデータ例を示す
図である。
【図9】図1に示す一実施例で得られた別なデータ例を
示す図である。
【図10】本発明で得られた出力結果図である。
【図11】本発明で得られた別な出力結果図である。
【図12】本発明の別な実施例で得られた試験装置の平
面図である。
【図13】本発明の別な実施例で得られた試験装置の側
面図である。
【符号の説明】
7,8,9…三相フィーダ(送電線)、10A〜10
C,11A〜11C,12A〜12C…センサ装置、1
3A〜13C,14A〜14C,15A〜15C…子局、
16,17,18…通信線、19…親局、20…センサ
装置、21…子局。
フロントページの続き (72)発明者 平沢 邦夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 芳賀 博 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 国分工場内 (72)発明者 青柳 光広 東京都調布市西つつじケ丘2丁目4番1 号 東京電力株式会社 技術研究所内 (72)発明者 伊東 和美 東京都調布市西つつじケ丘2丁目4番1 号 東京電力株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 平2−111217(JP,A) 特開 昭63−161811(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 3/00 G01R 31/02 G01R 31/12 H02H 7/26

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三相電力系統の絶縁劣化を検出するものに
    おいて、上記三相電力系統に接続された零相電圧センサ
    とその共振周波数を除くためのローパスフィルタと、及
    びまたは、上記三相電力系統に結合された零相電流セン
    サとその共振周波数を除くためのローパスフィルタを備
    え、上記三相電力系統の共振周波数を除く帯域での零相
    電圧、及びまたは、零相電流の発生レベルの大きさがあ
    らかじめ定めた基準値を超えた場合に、絶縁劣化が発生
    していることを検出することを特徴とする電力系統の絶
    縁劣化検出装置。
  2. 【請求項2】三相電力系統の絶縁劣化を検出するものに
    おいて、上記三相電力系統に接続された零相電圧センサ
    とその共振周波数を除くためのローパスフィルタと、上
    記三相電力系統に結合された零相電流センサとその共振
    周波数を除くためのローパスフィルタを備え、上記三相
    電力系統の共振周波数を除く帯域での零相電圧と零相電
    流との位相を求め、その位相θが−160°≦θ≦−6
    0°の範囲にあるか否かで、絶縁劣化発生区間を判定す
    ことを特徴とする電力系統の絶縁劣化検出装置。
  3. 【請求項3】三相電力系統の絶縁劣化を検出するものに
    おいて、上記三相電力系統に接続された零相電圧センサ
    とその共振周波数を除くためのローパスフィルタと、上
    記三相電力系統に結合された零相電流センサとその共振
    周波数を除くためのローパスフィルタを備え、上記三相
    電力系統の共振周波数を除く帯域での零相電圧及び零相
    電流を求め、上記零相電圧の低周波数成分があらかじめ
    定められた基準値を超えた場合に、絶縁劣化が発生して
    いることを検出することを特徴とする電力系統の絶縁劣
    化検出装置。
  4. 【請求項4】三相電力系統の絶縁劣化を検出するものに
    おいて、上記三相電力系統に接続された零相電圧センサ
    とその共振周波数を除くためのローパスフィルタと、上
    記三相電力系統に結合された零相電流センサとその共振
    周波数を除くためのローパス フィルタを備え、上記零相
    電圧の低周波数成分があらかじめ定められた基準値を超
    えた場合に、上記三相電力系統の共振周波数を除く帯域
    での零相電圧と零相電流との位相を求め、その位相θが
    −160°≦θ≦−60°の範囲にあるか否かにより、
    絶縁劣化発生区間を判定することを特徴とする電力系統
    の絶縁劣化検出装置。
  5. 【請求項5】請求項1、又は、請求項3において、 上記零相電圧、及びまたは、零相電流は、電源周波数
    と、上記三相電力系統の共振周波数とを除く帯域での零
    相電圧、及びまたは、零相電流であることを特徴とする
    電力系統の絶縁劣化検出装置。
  6. 【請求項6】請求項1、又は、請求項3において、 上記零相電圧、及びまたは、零相電流は、電源周波数
    と、その自然数倍周波数と、上記三相電力系統の共振周
    波数とを除く帯域での零相電圧、及びまたは、零相電流
    であることを特徴とする電力系統の絶縁劣化検出装置。
  7. 【請求項7】請求項2、又は、請求項4において、 上記零相電圧と零相電流とは、電源周波数と、上記三相
    電力系統の共振周波数とを除く帯域での零相電圧と零相
    電流とであることを特徴とする電力系統の絶縁劣化検出
    装置。
  8. 【請求項8】請求項2、又は、請求項4において、 上記零相電圧と零相電流とは、電源周波数と、その自然
    数倍周波数と、上記三相電力系統の共振周波数とを除く
    帯域での零相電圧と零相電流とであることを特徴とする
    電力系統の絶縁劣化検出装置。
  9. 【請求項9】三相電力系統の絶縁劣化を検出するものに
    おいて、上記三相電力系統に接続された零相電圧センサ
    とその電源周波数を除くためのノッチフィルタと、上記
    三相電力系統に結合された零相電流センサとその電源周
    波数を除くためのノッチフィ ルタを備えていて、電源周
    波数を除く帯域での零相電圧、及びまたは、零相電流の
    発生レベルの大きさを求め、その後、電源周波数を超え
    る周波数帯域の低周波数成分があらかじめ定められた基
    準値以上であるときに、絶縁劣化が発生していることを
    検出することを特徴とする電力系統の絶縁劣化検出方
    法。
  10. 【請求項10】請求項9において、 上記零相電圧、及びまたは、零相電流は、電源周波数
    と、その自然数倍周波数とを除く帯域での零相電圧、及
    びまたは、零相電流であることを特徴とする電力系統の
    絶縁劣化検出方法。
  11. 【請求項11】三相電力系統の絶縁劣化を検出する方法
    において、上記三相電力系統に接続された零相電圧セン
    サとその電源周波数を除くためのノッチフィルタと、上
    記三相電力系統に結合された零相電流センサとその電源
    周波数を除くためのノッチフィルタを備えていて、上記
    零相電圧の低周波数成分があらかじめ定められた基準値
    以上であるときに、上記三相電力系統の電源周波数を除
    く帯域での零相電圧と零相電流との位相を求め、その位
    相θが−160°≦θ≦−60°の範囲にあるか否か
    で、絶縁劣化発生区間を判定することを特徴とする電力
    系統の絶縁劣化検出方法。
  12. 【請求項12】請求項11において、 上記零相電圧と零相電流とは、電源周波数と、その自然
    数倍周波数とを除く帯域での零相電圧と零相電流とであ
    ることを特徴とする電力系統の絶縁劣化検出方法。
  13. 【請求項13】請求項9から請求項12の何れかにおい
    て、上記零相電圧の低周波数成分は、上記電源周波数の
    2倍未満であることを特徴とする電力系統の絶縁劣化検
    出方法。
  14. 【請求項14】三相電力系統の絶縁劣化を判定するもの
    において、上記三相電力系統に接続さ れた零相電圧セン
    サとその電源周波数を除くためのノッチフィルタと、上
    記三相電力系統に結合された零相電流センサとその電源
    周波数を除くためのノッチフィルタを備え、電源周波数
    を除く帯域での零相電圧に対する零相電流の位相を求
    め、その位相平均値θが−160°≦θ≦−60°の範
    囲であれば負荷側で絶縁劣化が発生と判定し、そうでな
    ければ電源側で絶縁劣化が発生と判定することを特徴と
    する電力系統の絶縁劣化判定装置。
  15. 【請求項15】請求項14において、 上記零相電圧に対する零相電流の位相平均値θは、上記
    電源周波数と、その自然数倍周波数とを除く帯域での零
    相電圧に対する零相電流の位相平均値θであることを特
    徴とする電力系統の絶縁劣化判定装置。
  16. 【請求項16】請求項14または15において、上記零
    相電流の位相平均値θは、電源周波数の自然数倍周波数
    までの低周波数領域での位相平均値であることを特徴と
    する電力系統の絶縁劣化判定装置。
  17. 【請求項17】請求項16において、上記電源周波数の
    自然数倍周波数は、上記電源周波数の4倍の周波数であ
    ることを特徴とする電力系統の絶縁劣化判定装置。
  18. 【請求項18】請求項14から17の何れかにおいて、
    上記電力系統の電源側から絶縁劣化の発生を判定するこ
    とを特徴とする電力系統の絶縁劣化判定装置。
  19. 【請求項19】請求項1から4のいずれかに記載の絶縁
    劣化検出装置と、 上記電力系統に接続される第1の電極と、 該第1の電極と対向し、接地電位に接続される第2の電
    極と、 上記対向する第1の電極と第2の電極とのギャップ長を
    制御する手段とを有する地絡発生装置を備えて、 上記電力系統に接続される遮断器が動作しない程度の地
    絡を発生させることができることを特徴とする電力系統
    の絶縁劣化検出システム。
  20. 【請求項20】請求項19において、上記第1の電極と
    第2の電極との少なくとも一方は、耐弧メタルを含むこ
    とを特徴とする電力系統の絶縁劣化検出システム。
  21. 【請求項21】請求項19または20において、 電力系統固有の共振周波数を測定する手段を具備し、 上記電力系統の共振周波数の測定を可能にすることを特
    徴とする電力系統の絶縁劣化検出システム。
  22. 【請求項22】請求項2または4において、 三相電力系統の絶縁劣化区間を特定する情報に基ずい
    て、 三相電力系統図の少なくとも一部と上記絶縁劣化区間を
    特定する情報とを同一画面領域に表示する表示装置とを
    具備することを特徴とする電力系統の絶縁劣化検出装
    置。
  23. 【請求項23】請求項2または4において、 三相電力系統における少なくとも一個所での零相電圧に
    対する零相電流の位相平均値θと絶対値とを演算する手
    段と、 零相電圧に対する零相電流の位相平均値と絶対値との関
    係を示す二次元座標領域内に、負荷側及び又は電源側で
    絶縁劣化が発生する領域を特定する情報と、上記所定個
    所での零相電圧に対する零相電流の位相平均値θと絶対
    値とに対応する情報とを同時に表示する表示装置とを具
    備することを特徴とする電力系統の絶縁劣化検出装置。
  24. 【請求項24】請求項23において、上記演算する手段
    は、複数個所でのそれぞれの零相電圧に対する零相電流
    の位相平均値θと絶対値とを演算する手段であり、上記
    表示装置は、上記複数個所の一つでの零相電圧に対する
    零相電流の位相平均値θと絶対値とに対応する情報を表
    示する表示装置であることを特徴とする電力系統の絶縁
    劣化検出装置。
  25. 【請求項25】請求項23において、上記演算する手段
    は、複数個所でのそれぞれの零相電圧に対する零相電流
    の位相平均値θと絶対値とを演算する手段であり、上記
    表示装置は、上記複数個所での零相電圧に対する零相電
    流の位相平均値θと絶対値とに対応する情報を同時に表
    示する表示装置であることを特徴とする電力系統の絶縁
    劣化検出装置。
  26. 【請求項26】請求項2または4において、 三相電力系統における少なくとも一個所での零相電圧に
    対する零相電流の位相平均値θと絶対値とを演算する手
    段と、 零相電圧に対する零相電流の位相平均値と絶対値とに応
    じて、絶縁劣化の進展度が、互いに識別可能な複数の領
    域と、上記所定個所での零相電圧に対する零相電流の位
    相平均値θと絶対値とに対応する情報とを同時に表示す
    る表示装置とを具備することを特徴とする電力系統の絶
    縁劣化検出装置。
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