JPH04212076A - 電気機器の異常診断方法およびその装置 - Google Patents

電気機器の異常診断方法およびその装置

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JPH04212076A
JPH04212076A JP4197391A JP4197391A JPH04212076A JP H04212076 A JPH04212076 A JP H04212076A JP 4197391 A JP4197391 A JP 4197391A JP 4197391 A JP4197391 A JP 4197391A JP H04212076 A JPH04212076 A JP H04212076A
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JP
Japan
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corona discharge
waveform
background noise
electromagnetic wave
electrical equipment
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Pending
Application number
JP4197391A
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English (en)
Inventor
Tsuneyuki Taniguchi
谷口 恒之
Masaya Yoshikawa
正也 吉川
Kazuto Shibahara
芝原 和人
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Nissin Electric Co Ltd, Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気機器内部に発生す
る異常現象を診断する方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気機器において発生する異常現象とし
ては、母線系統の銅帯の連結用ボルトの緩み、遮断器の
投入機構部の接触不良、あるいはケーブル、電動機また
はトランスの接地事故などがある。かかる異常状態を放
置しておくと、スパークが発生し火災の危険性がある。 そこで、このような事故を未然に防ぐために、従来、電
気機器の異常現象を検知するための方法およびその装置
がいくつか開発されている。
【0003】この従来技術として、たとえば油入変圧器
等においては、その油を少量採取し、油内部に含有され
る可燃性ガスの種類およびその量を、真空脱ガスにより
ガスを分離した後、ガスクロマトグラフィーによる分析
により内部異常を判定する方法がある。
【0004】また、特開昭49−50969 号公報に
おいては、被検査体にコロナ検出素子を結合し、雑音と
コロナ信号との合成波形の絶対値をとって電気的に整流
し、これを平均化することにより、機器内で発生するコ
ロナ放電と外部ノイズの周波数成分を分離し、コロナ放
電成分のみを正確に抽出することにより機器内部に発生
する異常を検知する方法が開示されている。
【0005】さらに、特開昭58−21173 号公報
においては、電源系統の接地線にコイルを巻回し、そこ
に生ずる誘導電流を取込んでから、ノイズ除去装置によ
りノイズを除去することにより、異常なコロナ放電信号
のみをキャッチして電源系統の異常を判断する方法が開
示されている。
【0006】さらに、特開昭59−2518号公報にお
いては、電気機器から発生するコロナ放電信号およびバ
ックグランドノイズをループアンテナにて捕捉し、この
信号値を、周波数解析により正常時に測定した値と比較
演算し、その差によりコロナ放電の異常を検出し機器の
異常を判定する方法が記載されている。この方法では、
バックグランドノイズは常に一定であることを前提とし
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記油
内部のガスを分析する方法においては、完全密閉のため
油採取困難な機器には適用できないこと、油からガスを
分離するための真空脱ガス装置等の高価な装置が必要と
なること、機器内部の異常判定の結論に至るのに通常2
〜3日を要すること、さらには油採取によるため後に油
補給が必要となること等の問題点があった。
【0008】また、特開昭49−50969 号公報お
よび特開昭58−21173 号公報においては、これ
らはいずれも内部放電コロナと外部ノイズを区分し異常
状態を判定する方法であり、これらの方法におけるコロ
ナ検出素子ならびに接地線は共に大地間の放電コロナを
検出するものであるが、ノイズとともに大地の地電流の
影響も受け易く、異常コロナ放電のみを精度よく検出す
ることは困難である。特に、前者の公報記載技術であっ
ても、電源電圧のピーク近傍においても、コロナ信号と
同レベルのノイズが実際に存在し、このノイズが混入す
ることが多く、測定精度を基本的に高くすることに限界
がある。
【0009】さらに、特開昭59−2518号公報に記
載の方法では、バックグランドノイズが一定であれば測
定可能であるが、実際には測定環境によって変動する。 ことに、測定が数カ月から数年〜十数年にわたる場合に
は、正常時のバックグランドノイズの測定値が変動する
ため、この測定値をそのままいつまでも基準値として利
用できず、したがって得られるコロナ放電の値も不正確
なものとなり、正常か異常かを誤判定する危険性が高い
【0010】そこで本発明の課題は、電気機器において
発生する異常コロナ放電とバックグランドノイズとを分
離して、異常の有無を確実に検出するとともに、比較的
安価な装置を用いて短時間でその異常を診断することの
できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明法は、バックグランドノイズおよび電気機器内
部より発生するコロナ放電成分からなる電磁波と、コロ
ナ放電成分を含まないバックグランドノイズのみの電磁
波とをそれぞれ検出し、前記二つの信号を周波数毎の強
度として信号変換し、その差に基づいてコロナ放電を判
定することを特徴とするものである。
【0012】また、本発明装置は、電磁波検出用アンテ
ナと、前記電磁波検出用アンテナにより検出された電磁
波信号を周波数毎の強度として変換するためのスペクト
ルアナライザーと、前記スペクトルアナライザーによる
変換後の強度信号を一時記憶するための記憶装置と、こ
の記憶装置により一時記憶された強度信号と記憶装置を
介しない強度信号とを区別して加算器に与えるスイッチ
手段と、前記一時記憶された強度信号と記憶装置を介し
ない強度信号との差を演算する演算器と、この演算器に
よる演算結果に基づくコロナ放電による異常を表示する
表示手段とを備えることを特徴とするものである。
【0013】さらに、予め当該電気機器の設置個所と同
一のバックグランドノイズを発生する場所において、疑
似コロナ放電発生装置により注意を要するまたは異常と
みなされる基準放電量をもってコロナ放電を生じさせて
、その時の基準電磁波を検出し周波数毎の強度としてこ
れを記憶し、異常診断時において、診断対象電気機器か
らの電磁波を検出し周波数毎の強度として、この現測定
電磁波と前記基準電磁波とを比較して、異常の有無を判
定する方法も提供される。
【0014】
【作用】
(第1の態様) 請求項1および2に記載された本発明の第1の態様にお
いては、バックグランドノイズおよび電気機器内部より
発生するコロナ放電成分とからなる電磁波と、コロナ放
電成分を含まないバックグランドノイズのみの電磁波と
の二つの電磁波を検出し、前記二つの電磁波をスペクト
ルアナライザーによって前記電磁波信号を周波数毎の強
度として変換した後、その差を演算し、その差に基づい
てコロナ放電の有無を判定する。
【0015】すなわち、本発明は従来のようにバックグ
ランドノイズおよび電気機器内部より発生するコロナ放
電成分とからなる電磁波を取込んで、その電磁波からバ
ックグランドノイズを除去する方法とは異なり、バック
グランドノイズおよび電気機器内部より発生するコロナ
放電成分とからなる電磁波と、コロナ放電成分を含まな
いバックグランドノイズのみの電磁波との二つの電磁波
を積極的に取込み、強度変換した後、その差を計算する
ことにより、バックグランドノイズおよび電気機器内部
より発生するコロナ放電成分とからなる電磁波からコロ
ナ放電成分を含まないバックグランドノイズのみの電磁
波を除去することで、コロナ放電成分を検知するもので
ある。
【0016】したがって、どのような放電コロナ以外の
悪影響ノイズが混入していようとも、そっくりその悪影
響ノイズ部分を除去できるため、放電コロナのみを精度
よく検出することが可能となり、検査者はこれに基づき
コロナ放電の有無を判断することができる。
【0017】 (第2の態様) 請求項3に記載された第2の態様においては、予め当該
電気機器の設置個所と同一のバックグランドノイズを発
生する場所において、疑似コロナ放電発生装置により注
意を要するまたは異常とみなされる基準放電量をもって
コロナ放電を生じさせて、その時の基準電磁波を検出し
てこれを記憶する。したがって、この基準電磁波には、
当該バックグランドノイズと基準放電量に従うコロナ放
電とが重畳する。これに対して、異常診断時において、
診断対象電気機器からの電磁波を検出し、この現測定電
磁波と前記基準電磁波との周波数毎の強度を比較した場
合、前者の現測定電磁波のレベルが高い場合には、異常
であると判断できるし、そうでない場合には異常でない
と判断できる。
【0018】したがって、この第2の態様においても、
現測定電磁波から現在のバックグランドノイズ分を除去
する複雑な操作が不要となり、簡易に異常の有無を判定
できる。その結果、装置的に安価なものとなるとともに
、第1の態様と同様に、測定を短時間に行うことができ
、かつ判定精度が信頼性に富むものとなる。
【0019】
【実施例】以下本発明を図面を参照しながら実施例によ
りさらに詳説する。図1および図2は、請求項1および
2に記載された第1の態様を説明するためのもので、図
1は固定式の場合を示し、図2は可搬式の場合について
示す。1および2は被診断機器で、図示の例では1は変
圧器、避雷器あるいは計器用変成器であり、2は高電圧
配電盤である。本発明では、これらの被診断機器1、2
の近傍、具体的には0〜30cm以内の距離内にはたと
えば3つの異常検出ループアンテナ3、4、5が設置さ
れている。前記異常検出ループアンテナ3、4、5は、
被診断機器1、2に発生した内部異常によるコロナ放電
とともに、それ以外の電磁波、たとえばTV周波、ラジ
オ周波および業務用無線周波等の電磁波等のバックグラ
ンドノイズも同時に検出する。
【0020】一方、被診断機器1、2から少し離れた位
置、具体的には1〜2mの範囲内には、バックグランド
ノイズ測定アンテナ6、7、8が設置されている。前記
バックグランドノイズ測定アンテナ6、7、8は、前記
被診断機器1、2のコロナ放電に影響されない電磁波、
すなわちバックグランドノイズのみを検出するために設
けられたものである。前記異常検出ループアンテナ3、
4、5および前記バックグランドノイズ測定アンテナ6
、7、8の被診断機器1、2に対する離間距離は、前述
の機能をもつべく予め設定される。
【0021】一方、異常検出ループアンテナ3、4、5
とバックグランドノイズ測定アンテナ6、7、8とは、
測定時において切替えスイッチ9、10、11により切
り替えるようになっており、この切替えスイッチ9、1
0、11からの導線は、被診断部位切替えスイッチ12
を介して、増幅器13、スペクトルアナライザー14お
よびデータロガやX−Yプロッタなどの表示器15へと
接続されている。
【0022】前記被診断部位切替えスイッチ12は、被
診断機器1、2における診断部位を、増幅器13、スペ
クトルアナライザー14および表示器15に対して選択
的に接続するための切替えスイッチである。なお、前記
スペクトルアナライザー14内部には一時記憶装置およ
び演算器とが一体的に内蔵されている。表示器15を構
成するX−Yプロッタは前記演算結果を表示するための
ものであり、検査者はこのプロット結果に基づいて被診
断機器1、2の異常を判断するように構成されている。
【0023】次に、上記装置による具体的な診断法例に
ついて詳説する。たとえば被診断機器1を診断しようと
した場合には、診断部位切替えスイッチ12を切替えス
イッチ9側に接続するとともに、切替えスイッチ9をバ
ックグランドノイズ測定アンテナ6側に接続する。バッ
クグランドノイズ測定アンテナ6にて検出された電磁波
は、増幅器13により一定の増幅がなされた後、スペク
トルアナライザー14へと送られる。スペクトルアナラ
イザー14においては電磁波信号が周波数毎の強度とし
て変換されるが、前記した記憶装置により、10〜60
秒間のノイズ信号のMAX値のみが周波数毎に記憶され
る。この波形図を波形Aとし、図3(a)に示す。
【0024】その後、切替えスイッチ9を異常検出ルー
プアンテナ3側に切替える。同様に異常検出ループアン
テナ3によって検出された電磁波も増幅器13により一
定の増幅がなされた後、スペクトルアナライザー14へ
と送られる。スペクトルアナライザー14においては同
様の処理が行われ、そして、前記した記憶装置により、
10〜60秒間のノイズ信号+コロナ放電のMAX値の
みが周波数毎に記憶される。この波形図を波形Bとし、
図3(b)に示す。
【0025】次に、スペクトルアナライザー14内の演
算器、具体的には加算器により前記波形Aと波形Bとの
減算が行われる。この演算によって得られた波形に異常
な波形が見られれば、それは被診断対象機器1内部でコ
ロナ放電現象が発生していることとなり、何らかの異常
があると診断される。たとえばこの演算結果による波形
を波形Cとし、図3(c)に示す。
【0026】なお、被診断機器2の各部位に対する診断
の場合、順次診断部位切替えスイッチ12の接点を切り
替えながら、同様に診断することができる。
【0027】他方、本発明装置を可搬式とする場合には
図2に示されるように、一つの電磁波検出用アンテナ1
6によってバックグランドノイズ測定アンテナと異常検
出ループアンテナとを兼用することができる。
【0028】一方、この場合電磁波検出用アンテナ16
として、指向性アンテナを使用した場合には、被診断機
器との距離を調節することなく、アンテナ1の向きを変
えることによりバックグランドノイズ測定と異常検出測
定とを使い分けることができる。
【0029】図2において、13は増幅器であり、電磁
波検出用アンテナ16により検出された電磁波は、ここ
で増幅された後、この電磁波信号を周波数毎の強度とし
て変換するためのスペクトルアナライザー17へと送ら
れる。また、18は前記変換信号を一旦記憶するための
記憶装置であり、20は演算器、21はX−Yプロッタ
である。
【0030】使用に際しては、アンテナ16を被診断機
器に接近させるとともに、切替えスイッチ19を記憶装
置18側に接続した状態で、まず最初にバックグランド
ノイズおよび電気機器より発生するコロナ放電からなる
電磁波を測定する。この電磁波はスペクトルアナライザ
ー17によって周波数毎の強度として変換された後、一
旦記憶装置18に記憶される。
【0031】次に、アンテナ16を被診断機器から離間
させるとともに、切替えスイッチ19を演算器20側に
切替えて、バックグランドノイズのみの電磁波を測定す
る。
【0032】この電磁信号も同様にスペクトルアナライ
ザー17によって周波数毎の強度として変換された後、
直接演算器20へと送られる。演算器20では、この新
規変換信号と前記記憶装置18内の変換信号とに基づき
その差を計算する。そして、その計算結果がX−Yプロ
ッタ21によって表示される。なお、前記二種の電磁波
の測定はどちらが先でも構わない。
【0033】さらには、図2に一点鎖線で示される部分
を一体の装置として、それぞれ測定される二種類の電磁
波を記憶装置18に別々に記憶しておき、時と場所を変
えて演算およびその表示を行うこととすると、携帯する
装置として最小で済み、持ち運びに便利である。
【0034】ところで、図1および図2に示される具体
例においては、いずれもスペクトルアナライザーを一つ
としているが、この装置を二つとするとともに、アンテ
ナを二つ用意し、バックグランドノイズ測定と異常検出
測定とを独立的に同時に行うこととすれば、時間的要素
の差異を省くことができ、より一層精度よくコロナ放電
を検出することができる。なお、本具体例における増幅
器は必須の構成要素ではないが、これにより波形を明瞭
にすることができ、目視による異常コロナの判定が容易
となる。
【0035】なお、第1の態様において、バックグラン
ドノイズおよび電気機器内部より発生するコロナ放電成
分からなる電磁波と前記コロナ放電成分を含まないバッ
クグランドノイズのみの電磁波とを検出するだけのアン
テナとして、独立的にバックグランドノイズ検出アンテ
ナと異常検出ループアンテナとを設けても、本発明にい
う電磁波検出用アンテナを構成する。
【0036】また、スペクトルアナライザーと記憶装置
と演算器とその演算結果の表示手段等は、夫々独立して
構成される必要はなく、一体であってもよい。また、演
算結果の表示手段を切り離し、演算結果は記憶装置内に
記憶しておき、時間・場所を替えて表示するようにする
こともできる。なお、この場合には、たとえ前記表示手
段が分離されていても本発明装置の一部を構成する。
【0037】次に、請求項3に記載された第2の態様に
ついて図5〜図12を参照しながら説明する。被診断機
器31の内部で発生した放電電磁波を被診断機器31の
本体に接着したまたは近接して配置したループアンテナ
32で検出し、増幅器33で一旦増幅した後、スペクト
ルアナライザー34で波形解析を行う。この測定波形は
、後述する基準電磁波記憶装置35中に記憶された基準
電磁波データと比較し加算して、その波形をXYプロッ
ター36で表示できるようになっている。記憶装置35
に記憶された基準電磁波データは、後述するように、被
診断機器31の設置環境条件と全く同一または実質的に
同一の設置設置環境条件において擬似的に数種類の放電
電荷量をもってコロナ放電を生じさせて得られた電磁波
データである。したがって、当該バックグランドからの
信号波形に疑似コロナ放電波形が重畳されたものとなる
【0038】この基準電磁波データ波形とループアンテ
ナ32から検出された現被診断機器31から発生した電
磁波波形をスペクトルアナライザー34で解析する。ス
ペクトルアナライザー34には演算機能があり、基準電
磁波波形と現測定波形を加算(比較)演算させてXYプ
ロッター36に記録する。XYプロッター36は本試験
の必須条件ではないが、データの認識・保存に有効であ
る。XYプロッター36の設置を省略して、直接異常発
生の警報機などに出力することもできる。
【0039】本診断方法の特徴は、現実の測定データか
らその都度、外部ノイズの除去することを必要とせず、
予め疑似コロナ放電データに当該外部ノイズを重畳させ
て得た基準電磁波と、実測値とを比較するものであるか
ら、簡単迅速にコロナ放電に基づく異常の有無を判定で
きるものである。
【0040】さて、記憶装置35への基準電磁波データ
の採取態様について図6により説明する。40は疑似コ
ロナ放電発生装置であり、バックグランドノイズを被診
断時と同じものとするため、測定対象とする被診断機器
31の設置場所、たとえば変電所内に持ち込む。この疑
似コロナ放電発生装置40の内部には絶縁油41を充満
し、その中に電極42を浸漬させておく。電極42には
クーロンメータ(電荷量測定器)43および可変圧電源
44を直列に接続する。45は電極42から発生するコ
ロナ放電を測定するためのループアンテナであり、電極
42の近傍に設置され、測定しようとする基準コロナ放
電電流は電磁波測定器46により測定される。かかる状
態、すなわちバックグランドノイズのある状態で、疑似
コロナ放電発生装置40の電極42に電圧を負荷させて
コロナ放電を発生させ、クーロンメータ43を監視しな
がら電圧を上げていく。そしてコロナ放電の電荷量が規
定値、たとえば、経験的に知得した要注意電荷量である
800pc(「ピコクーロン」以下同じ)および危険電
荷量である1000pcに達した時の放電電磁波をそれ
ぞれ電磁波測定器46により測定し、これらの数値を以
下の測定における基準電磁波値とする。なお、測定環境
が変わるとバックグランドノイズも変わるので、異なる
測定環境下、たとえば他の変電所で測定するときは、予
め前の変電所内において電極42からループアンテナ4
5を離間させる、またはコロナ放電を生じさせない状態
でバックグランドノイズのみを測定して、一旦設定した
当該基準電磁波値から当該環境条件でのバックグランド
ノイズを除去してコロナ放電のみの値に修正し、次いで
当該新しい測定環境でバックグランドノイズを測定し、
これをそのコロナ放電値に加算してこれを基準値とすれ
ばよい。
【0041】ここで、記憶装置内に記憶された基準値に
ついてさらに詳しく述べると、たとえば油入電気機器の
定格電圧におけるコロナ放電電荷量に関して、800p
cになると要注意レベルとなり、1000pc以上は異
常であり、したがって1000pcに達したときは機器
を停止し、内部点検等の精密診断が必要である。図7お
よび図8は、それぞれ上記800pcと1000pcに
対応する波形を示す図である。
【0042】次に、第2の態様におけるコロナ放電異常
診断方法について図9〜図11により説明する。ここで
、図9は被診断機器31からループアンテナ32で検出
した波形A’、図10は基準となる波形で記憶装置35
からインプットした波形B’、図11はスペクトルアナ
ライザ34により、前記図9の波形と図10の波形の差
を演算し、プラス分の波形C’をXYプロッター36に
出力させたものである。この例において、波形B’はバ
ックグランドノイズにある一定のコロナ放電量を重畳さ
せたものであるから、波形C’のようにプラスがわに電
磁波波形が出力された場合(機器の正常時には、ゼロと
なりプラスがわには出力されない)には、波形A’は基
準電磁波波形よりさらにレベルの高いコロナ放電を含有
した波形であることがわかり、これにより被診断機器3
1内部にはなんらかの基準以上の異常があることが診断
される。
【0043】以上の説明から明らかなように、本診断方
法においては、基準波形の選択により被診断機器の異常
レベルが、要注意レベルかあるいは危険レベルかを診断
できる。また、基準となる基準電磁波レベルを、被診断
機器群が設置されるある環境条件下においては同一とし
、これを環境条件ごとに記憶装置にインプットされてい
るから、ある環境条件下(たとえばある変電所内)にお
いて測定回ごと、すなわち各被診断機器毎にバックグラ
ンドノイズを測定する必要もなく、迅速に機器の異常判
定が可能である。なお、バックグランドノイズは変電所
内等の一定の測定環境で測定する限り、長時間にわたっ
てほぼ一定であり、したがって記憶装置内の前記基準値
の見直しはほとんど必要ない。
【0044】次に、図12は第2の態様の他の例を示す
もので、本例では、ある環境条件下におけるn台の被診
断機器51、51、…を同時に常時監視するもので、ロ
ータリー切り換えスイッチ53によりある周期毎に切り
換えて異常を監視するものである。45は基準データ採
取用アンテナであり、定期的に基準データを測定し、ス
ペクトルアナライザー54内の記憶装置内に記憶してお
き、順次被診断機器よりの測定データと比較演算され、
その結果に基づき、警報装置55で異常を知らせる。診
断の原理は、図5の場合と同様である。かかる診断装置
によれば、複数の被診断機器の状態を簡易に常時監視す
ることができる。
【0045】 (第1の態様における試験例) 被診断機器としては、変電所内のサージアブソーバ・コ
ンデンサに定格(6.6kv)以上の高電圧(14kv
)を印加し、コロナ放電検出の試験を行った。
【0046】なお、診断機器としては図2に示される可
搬式の装置を使用した。
【0047】まず、バックグランドノイズ測定は、被診
断機器の電磁波検出用アンテナ16をコンデンサより約
1m離れた状態として電磁波を検出し、スペクトルアナ
ライザー17により電磁波信号が周波数毎の強度として
変換され、記憶装置18に、30秒間のノイズ信号のM
AX値のみが周波数毎に記憶される。この測定により得
られた波形Aを図4(a)に示す。
【0048】次に、コンデンサ表面に接する程度に電磁
波検出用アンテナ16を近づけて異常検出測定を行い、
同様にスペクトルアナライザー17により周波数毎の強
度信号に変換された後、30秒間の異常検出測定の周波
数毎のMAX値が演算器20へ送られる。この測定によ
り得られた波形Bを図4(b)に示す。  以上の測定
が終了したならば、演算器20により、記憶装置18内
のバックグランドノイズ測定結果の波形Aと異常検出ル
ープ測定結果の波形Bとのデータに基づき、その差が計
算される。この計算によって得られた差分による波形C
を図4(c)に示す。なお、この波形に異常が見られれ
ば、それは被診断対象機器内部でコロナ放電が発生して
いることとなる。
【0049】実施例の場合には、図4(c)に示される
波形のうち80MHz〜100MHzの範囲にかけて異
常波形(コロナ放電)が見られるため、機器内部に異常
が発生していることが判明される。
【0050】その他の正常と思われる変電所内の各電気
機器に対して、同様のコロナ放電検出の試験を行ったが
、この場合には波形Cにおいて異常波形は検出されなか
った。
【0051】 (第2の態様における試験例) ある変電所内に設置されたコンデンサー群について、前
述の図6に示す基準電磁波測定を行ったものをスペクト
ルアナライザー内の記憶装置に記憶させ、各コンデンサ
ーについて順次測定した。その結果、800pcの基準
電磁波以上の測定値を示すものが発見され、そのコンデ
ンサー内の油分を採取して劣化度合いを測定したところ
、封入油の劣化が明らかに認められた。また、ランダム
にいくつかの正常とみなされたコンデンサーについて油
の劣化を調べたところ、劣化が認められず、本発明方法
の有効性が確認された。
【0052】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、電気機器
における異常を容易にかつ確実に検出することができる
とともに、短時間でその機器の異常を診断することがで
きるなどの利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の具体例を示すブロック構成図であ
る。
【図2】本発明装置の具体例を示すブロック構成図であ
る。
【図3】本発明装置により得られる波形A、B、Cを示
す図である。
【図4】本発明の実施例において得られた波形A、B、
Cを示す図である。
【図5】本発明装置の他の具体例を示すブロック構成図
である。
【図6】本発明の疑似放電による基準値の採取をするた
めの装置例を示す図である。
【図7】本発明における基準となる波形を示す図である
【図8】本発明における基準となる波形を示す図である
【図9】本発明装置により得られる波形A’を示す図で
ある。
【図10】本発明装置により得られる波形B’を示す図
である。
【図11】本発明装置により得られる波形C’を示す図
である。
【図12】本発明装置の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1…変圧器、2…高電圧配電盤、3〜5…異常検出ルー
プアンテナ、6〜8…バックグランドノイズ測定アンテ
ナ、9〜11…切替えスイッチ、12…診断部位切替え
スイッチ、13…増幅器、14…スペクトルアナライザ
ー、15…XYプロッタ、16…電磁波検出用アンテナ
、18…記憶装置、31…被診断機器、32…ループア
ンテナ、33…増幅器、34…スペクトルアナライザー
、35…記憶装置、36…XYプロッター、40…疑似
コロナ放電発生装置、42…電極、45…ループアンテ
ナ、46…電磁波測定器、51…被診断機器、52…ル
ープアンテナ、53…ロータリースイッチ、54…記憶
装置内蔵型スペクトルアナライザー、55…警報装置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バックグランドノイズおよび電気機器内部
    より発生するコロナ放電成分からなる電磁波と、コロナ
    放電成分を含まないバックグランドノイズのみの電磁波
    とをそれぞれ検出し、前記二つの信号を周波数毎の強度
    として信号変換し、その差に基づいてコロナ放電を判定
    することを特徴とする電気機器の異常診断方法。
  2. 【請求項2】電磁波検出用アンテナと、前記電磁波検出
    用アンテナにより検出された電磁波信号を周波数毎の強
    度として変換するためのスペクトルアナライザーと、前
    記スペクトルアナライザーによる変換後の強度信号を一
    時記憶するための記憶装置と、この記憶装置により一時
    記憶された強度信号と記憶装置を介しない強度信号とを
    区別して加算器に与えるスイッチ手段と、前記一時記憶
    された強度信号と記憶装置を介しない強度信号との差を
    演算する演算器と、この演算器による演算結果に基づく
    コロナ放電による異常を表示する表示手段とを備えるこ
    とを特徴とする電気機器の異常診断装置。
  3. 【請求項3】予め当該電気機器の設置個所と同一のバッ
    クグランドノイズを発生する場所において、疑似コロナ
    放電発生装置により注意を要するまたは異常とみなされ
    る基準放電量をもってコロナ放電を生じさせて、その時
    の基準電磁波を検出してこれを記憶し、異常診断時にお
    いて、診断対象電気機器からの電磁波を検出し、この現
    測定電磁波と前記基準電磁波とを比較して、異常の有無
    を判定することを特徴とする電気機器の異常診断方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11326438A (ja) * 1998-05-12 1999-11-26 Hokuriku Electric Power Co Inc:The 部分放電検知方法
JP2009222537A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Meidensha Corp 電磁波測定による部分放電検出方法
JP2010032450A (ja) * 2008-07-31 2010-02-12 Meidensha Corp 対象電気機器からの部分放電電磁波有無判定方法
JP2012181935A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Hokuriku Electric Power Co Inc:The 避雷装置の故障診断方法と故障診断装置
CN105842561A (zh) * 2016-03-28 2016-08-10 北京航空航天大学 一种适用于现场电磁干扰检测的背景信号消除方法

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