JP3160409B2 - 抗hiv活性ニベフラノン - Google Patents

抗hiv活性ニベフラノン

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JP3160409B2 JP3034293A JP3034293A JP3160409B2 JP 3160409 B2 JP3160409 B2 JP 3160409B2 JP 3034293 A JP3034293 A JP 3034293A JP 3034293 A JP3034293 A JP 3034293A JP 3160409 B2 JP3160409 B2 JP 3160409B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、新規なニベフラノン誘導体、さ
らに詳しくは、抗レトロウイルス活性を有する新規なニ
ベフラノン誘導体に関する。
【従来技術と課題】
【0002】エイズ(後天性免疫不全症候群)はレトロ
ウイルスの一種であるヒト後天性免疫不全症ウイルス
(HIV)の感染により発症するが、その有効な治療方
法がなく世界的に深刻な問題となっている。従来、レト
ロウイルスのRNAの逆転写を阻害する作用を有する抗
レトロウイルス薬として、ピリミジンヌクレオシド系化
合物が数多く合成され、AZT(アジドデオキシチミジ
ン)およびDDI(ジデオキシイノシン)が治療に供さ
れている。しかしながら、これらの既存の薬物は宿主細
胞に対しても強い毒性を示すことから、副作用のために
長期投与が行えなかったり、薬剤耐性ウイルスが出現す
るという問題があった。従って、これらの既存の薬物に
代えて、あるいはこれらと併用して、治療に用いること
ができる新規な抗HIV活性物質の開発が強く求められ
ている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、HIV感
染抑制作用を有し、エイズ治療薬として利用可能な化合
物を提供することを目的として鋭意検討し、カビの1種
であるアスペルギルス・ニベウス(Aspergillus niveu
s)RF−4984株(以下、RF−4984株と略
称)が抗レトロウイルス活性を有する物質を産生するこ
とを見出した。次いで、その物質を単離精製し、構造決
定を行い、所望により化学修飾することにより、該目的
の達成に有用な化合物を得ることに成功した。
【0004】即ち、本発明は、式I:
【化2】 (式中、Rは1−プロペニル、2−ヒドロキシプロピ
ル、2−アルコキシプロピルを表す)で示される化合物
またはそのアルカリ金属塩を提供するものである。本明
細書中、2−アルコキシプロピルにおけるアルコキシ基
としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等を挙げる
ことができる。アルカリ金属塩とは、リチウム、ナトリ
ウムおよびカリウムの塩を指す。
【0005】本発明化合物の製造に有用なRF−498
4株の菌学的性状(Taxomony)は以下の通りである。本菌
株のオ−トミ−ル寒天培地上での成育はむしろ遅く、コ
ロニ−は平坦で白色, 分生子を豊富に着生する。裏面は
無色から淡黄褐色である。分生子頭(conidial head)は
白色で、比較的ゆるい円柱状の分生子鎖を着生する。胞
子柄壁はほとんど無色で、平滑、屈曲しており、直径は
4〜6μmである。先端はふくれて半球状の頂嚢(vesicl
e)を形成し、通常の長さは300〜600μmである。
頂嚢は半球状で、直径は10〜15μmである。梗子(ph
ialide)は5〜8 x 2〜2.5μmで、平滑で薄い壁を持
ち、無色である。分生子は球形から亜球形で直径は2〜
3μmである。これらの諸性状から、RF−4984株
はケネス・ビ−・レイパ−ら著 " ザ・ジ−ナス・アスペル
ギルス"[ケネス(Kenneth B. Raper)およびドロシー
(DorothyI. Fennell): THE GENUS Aspergillus, Robe
rt E. Krieger Publishing Company Huntington, New Y
ork, 1973]に記載されているアスペルギルス ニベウ
ス(Aspergillus niveus) と同定された。該菌株は工業
技術院微生物工業研究所に微工研条寄第4119号とし
て寄託されている(寄託日:平成4年12月14日)。
【0006】 本発明のRF−4984株を適当な培地
で培養するとニベフラノンA(R=1−プロペニル)、
ニベフラノンB(R=2−ヒドロキシプロピル)および
ニベフラノンC(R=2−メトキシプロピル)を産生す
る。本発明者らは、これらを単離、精製し、核磁気共鳴
スペクトル(NMR)、質量分析スペクトル(MS)、
赤外線スペクトル(IR)、およびニベフラノンBのメ
チルエステルの合成により構造決定を行った。なお、本
発明のニベフラノン化合物は、遊離のカルボン酸として
は不安定であるために、ナトリウム塩として単離精製さ
れた。また、ニベフラノンAの1−プロペニル基に低級
アルコール(例 メタノール,エタノール,プロパノー
ル等)を付加することにより、誘導体を得る。例えばメ
タノールの付加によりニベフラノンCが得られる。上記
のごとく、本発明化合物は、RF−4984株を適当な
培地でニベフラノン化合物の産生に適した条件下で培養
し、培養物からニベフラノン精製物を単離、精製し、所
望により、化学修飾することによって製造することがで
きる。あるいは、当業者にとって既知の方法により、化
学合成することもできる。従って、本発明はまた、アス
ペルギルス属(Aspergillus)に属し、上記の式Iで示
される化合物、特にRが1−プロペニル,2−ヒドロキ
シプロピル,または2−メトキシプロピルで示される化
合物を、産生する微生物を培養し、得られた培養物から
該化合物を分離、精製し、所望により化学修飾すること
からなる、化合物Iの製造方法を提供するものである。
【0007】本発明のニベフラノン化合物の製造を目的
とするRF−4984株の培養は、発酵学の分野におい
て同様の場合に用いられる培地および条件を用いて行う
ことができる。例えば、ポリペプトン、グルコース、牛
肉エキス、酵母エキスおよび食塩を含むpH約7.0の
培地に、温度約25℃で約10日間培養することにより
得たRF−4984の種培養を接種し、振幅約70mm、
約160回転/分の回転式振盪培養機にて約28℃で約
2日間振盪培養する。次いで得られた培養液をシューク
ロース、グリセリン、酵母エキス、牛肉エキス、消泡剤
(例、DP−2000;大日本インキ化学製)を含むp
H約7.0の発酵培地に植菌し、通気下、約200回転
/分で約28℃において、約7日間振盪培養すると本発
明化合物が産生される。
【0008】培地からの目的化合物の分離、精製も発酵
学の分野で既知の方法に従って行うことができる。例え
ば、濾布式遠心分離にかけて菌体と濾液に分け、濾液を
酢酸エチルで抽出する。これを濃縮し、アセトニトリル
とPBS混合液に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.
0に調節してMCIGEL CHP−20P等を用いる
カラムクロマトグラフィーにより、目的の化合物を分離
精製する。後述する実施例には好適な製造方法および条
件が記載されているが、本発明はこれらに限定されるも
のではなく、RF−4984株に適した、他の培養条
件、並びに他の分離精製法を用いても目的化合物を得る
ことが可能である。さらに、化学合成によっても得るこ
とができ、本発明はこれらの他の方法で得られる式Iの
化合物すべてを包含するものである。
【0009】本発明の新規なニベフラノン誘導体は、実
験例に示すように、インビトロでHIV(HTLV−III
B株)の感染抑制作用を示した。従って、本発明化合物
は、レトロウイルス感染症の治療に有効である。本発明
化合物は、経口的または非経口的に投与することができ
る。経口投与による場合、本発明化合物は通常の製剤、
例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形剤;
水剤;油性懸濁剤;またはシロップ剤もしくはエリキシ
ル剤等の液剤のいずれかの剤形としても用いることがで
きる。非経口投与による場合、本発明化合物は、水性ま
たは油性懸濁注射剤として用いることができる。その調
製に際しては、慣用の賦形剤、結合剤、滑沢剤、水性溶
剤、油性溶剤、乳化剤、懸濁化剤等のいずれも用いるこ
とができ、また他の添加剤、例えば保存剤、安定剤等を
含むものであってもよい。本発明化合物の投与量は、投
与方法、患者の年齢、体重、状態および疾患の種類によ
っても異なるが、通常、経口的には、1日あたり0.05〜
2000mg、好ましくは、0.1〜500mg、また非経口的には、
1日あたり0.01〜1000mg、好ましくは0.05〜300mgであ
り、これを1〜5回に分割して投与すればよい。以下に実
施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0010】
【実施例】実施例1 5−(ヘキサン−1,3−ジエニル)−5−
メチル−4−オキソ−2−(プロパ−1−エニル)−
4,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸(ニベフラノ
ンA)および5−(ヘキサン−1,3−ジエニル)−2
−(2−ヒドロキシプロピル)−5−メチル−4−オキ
ソ−4,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸(ニベフ
ラノンB)
【化3】 1. 発酵 ポリペプトン1.0%、グルコース 2.0%、牛肉エキ
ス 0.3%、酵母エキス0.2%、食塩0.1%、水道
水(滅菌前、pPH7.0)よりなる培地800mlを含
む2L容三角フラスコに25℃で10日間培養したアス
ペルギルス・ニベウス(Aspergillus niveus)RF−4
984の種培養1スラント分を接種する。接種したフラ
スコは振幅70mm、毎分160回転の回転式振盪培養機
にて28℃、2日間振盪培養を行う。この培養液800
mlをシュークロース2.0%、グリセリン2.0%、酵母
エキス0.2%、牛肉エキス0.3%、消泡剤DP−20
00(大日本インキ化学製)0.02%、水道水(PH
7.0滅菌前)よりなる発酵培地17Lを含む30L容
ジャ−ファ−メンタ−に植菌し、通気量毎分17L、撹
拌回転数毎分200回転で28℃、7日間培養する。
【0011】2. 分離精製 上記1で得られた発酵液60Lを濾布式遠心分離機によ
り菌体と濾液に分離する。濾液はpH3に調製し、酢酸
エチル45Lで抽出する。抽出液は水洗後、減圧溜去し
オイル状粗物質47.9gを得る。このRF−4984
培養抽出エキス47.9gの内、10gを用いて以下の
工程に従い、分離精製し、標題の化合物ニベフラノンA
およびBをナトリウム塩の形で、それぞれ184mgおよ
び170mg得た。また、これらの混合物1.6gをも得
た。他に、微量のニベラフラノンCを得た。
【0012】(1) ニベフラノンAおよびBの精製 1)RF−4984粗生成物(10g)をアセトニトリ
ル(50ml)および0.1モルPBS(pH7.0)450
mlに溶解し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調
節し、カラムクロマトグラフィー用試料とする。試料を
MCIGEL CHP−20P(100ml)カラムに通
し、10%アセトニトリル/0.05M PBS(pH
7.0)(75g)で洗浄する。次いで、20%アセト
ニトリル/0.05M PBS(pH7.0)で溶出する
分画(各15g;fr.1〜50)および30%アセトニ
トリル/0.05M PBS(pH7.0)で溶出する分
画(各15g;fr.51〜70)をとる。このようにし
て得られた各分画を以下の3つに分けて次工程に用い
る。 (1−1)B分画(fr.1〜13) (1−2)Aマイナー分画(fr.14〜21およびfr.3
8) (1−3)A分画(fr.22〜37)
【0013】2)上記1)で得た(1−3)A分画(f
r.22〜37)の0.05M PBS500ml中溶液を
MCIGEL CHP−20P(100ml)を用いる脱
塩クロマトグラフィーに適用した。まず、試料溶液をカ
ラムに通し、10%アセトニトリル/水(400ml)で
洗浄し、アセトニトリル/水グラディエント(10%→
50%)で溶出する分画(fr.1〜50)を得、次い
で、アセトニトリルで溶出される分画(fr.51〜7
0)(各10g)を得る。このようにして得られた各分
画を下記の通り処理する。 (2−1)A分画(fr.13〜20)(pH7.4):
濃縮凍結乾燥し、目的のニベフラノンA(純度98%;
Na塩)184mgを得る。 (2−2)A分画(fr.6〜12および21〜22)
(pH7.3):濃縮凍結乾燥し、ニベフラノンA(不
純物含有、Na塩)45mgを得る。 (2−3)A、B混合物(含有率:A>B)(fr.
51〜70)(pH4.3→7):濃縮凍結乾燥しニベ
フラノンAおよびBの混合物(Na塩)247mgを得
る。
【0014】3)上記1)で得た(1−1)B分画(f
r.1〜13)の0.05M PBS500ml中溶液を
2)と同様にMCIGEL CHP−20P(100m
l)を用いる脱塩クロマトグラフィーに付す。まず、試
料をカラムに通し、5%アセトニトリル/水700mlで
洗浄する。次いで、アセトニトリル/水グラディエント
(5%→50%)で溶出する分画(fr.1〜37)お
よびアセトニトリルで溶出する分画(fr.38〜5
5)(各10g)を得る。このようにして得られた各分
画を下記のごとく処理する。 (3−1)B分画(fr.1〜30)(pH7.3):濃
縮凍結乾燥し、目的のニベフラノンB(Na塩)170
mgを得る。 (3−2)AおよびB分画(fr.41〜47)(pH
2.9→7.4):濃縮凍結乾燥しニベフラノンAおよび
Bの混合物1350mgを得る。
【0015】3.構造決定 構造決定のために、ニベフラノンB(Na塩)のメチル
エステル誘導体、5−(ヘキサン−1,3−ジエニル)
−2−(2−ヒドロキシプロピル)−5−メチル−4−
オキソ−4,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸メチ
ルを製造した。上記2で得たニベフラノンB(Na塩)
50mgをDMF2mlに溶解し ヨウ化メチル0.5mlを
加え室温で2時間撹拌する。次いで、溶媒を留去し、シ
リカゲルクロマトカラムを通し、残渣42mgを得る。次
いで カラムクロマトグラフィー(Lichroprep S
60;溶媒;n−ヘキサン/酢酸エチル=7:3)で精
製し、ニベフラノンBメチルエステル25mg(純度98
%)を得る。このエステル誘導体を用いて構造決定を行
った。
【0016】以下にニベフラノンAおよびBの物理化学
的性質を示す。ニベフラノンA 1)外観:薄褐色無晶形粉末(ナトリウム塩) 2) UV:λmax0.05M PBS(pH7.0)n
m;237,308 3) IR:νmaxKBrcm-1;3429,1693,
1644,1588,1542,1416,1046,
988,791 4) 分子式:C15184(分子量262) 5) LSIMS;m/z285[M+Na]+ 6) 1H NMR:[200 MHz ppm(J=
Hz)](D2O中);7.21〜6.96(1H,
m),6.35(1H,dd,J=9.8,J=15.
4),6.15〜5.84(2H,m),5.58(1
H,d,J=15.6),2.07(2H,m),1.9
8(3H,d,J=6.4),1.50(3H,s),
0.94(3H,t,J=7.2)
【0017】7)13C NMR:[50 MHz pp
m]D2O中;208.62,187.84,173.7
0,149.18,144.74,136.99,131.
63,129.83,124.12,113.87,94.
23,29.34,24.96,22.88,16.64 8)CD:λmax θ(ε)nm(H2O中);338.
80(−1.599E+04),302.70(1.34
4E+04),270.70(−2.050E+04),
252.20(−5.121E+04),230.00
(8.750E+04) 9)HPLC:カラム;COSMOSIL 5C18−
AR 4.6φx150mm;流速;1ml/min;検
出:UV(220nm);a)移動相;40%アセトニト
リル/0.1%TFA,保持時間(Rt)=22.28m
in,b)50%アセトニトリル/0.1% TFA,
Rt=8.86min,c)25%アセトニトリル/0.
05M PBS(pH7.0),Rt=11.73min
【0018】ニベフラノンB 1)外観:薄黄褐色無晶形粉末(ナトリウム塩) 2)UV:λmax2Onm(E1%1cm):236(79
0),272(250) 3)IR:νmaxKBrcm-1;3410,1690,
1596(COONa),1565(sh),140
6,1032,986,787 4)分子式:C15205(分子量280) 5)LSIMS;m/z303[M+Na]+ 6)HRLSIMS:m/z;303.1214[M+
Na]+,計算値(303.1208)
【0019】7)1H NMR:[200MHz pp
m(J=Hz)](D2O中);6.37(1H,dd,
J=9.6,J=15.4),6.15〜5.83(2H,
m),5.56(1H,d,J=15.4),4.26
(1H,m),3.11(2H,d,J=6.6),2.
07(2H,m),1.50(3H,s),1.25(3
H,d,J=6.2),0.94(3H,t,J=7.
4) 8)13C NMR:[50 MHz ppm](D2
中);205.07,193.72,169.69,14
1.20,133.59,127.85,125.44,1
13.54,91.40,66.14,39.68,25.
63,22.81,21.22,12.93 9)HPLC:カラム;COSMOSIL 5C18−
AR 4.6φx150mm,流速;1ml/min,検
出;UV(220nm);a)移動相35%アセトニトリ
ル/0.1%TFA,Rt=8.52min,b)50%
アセトニトリル/0.1%TFA,Rt=3.29mi
n,c)25%アセトニトリル/0.05MPBS(p
H7.0),Rt=5.20min
【0020】実施例2 5−(ヘキサン−1,3−ジエ
ニル)−2−(2−メトキシプロピル)−5−メチル−
4−オキソ−4,5−ジヒドロフラン−3−カルボン酸
(ニベフラノンC)ナトリウム塩
【化4】 実施例1で得たニベフラノンA(Na塩)60mgをメタ
ノール60ml中、室温で3日間撹拌した後、0.05M
PBS(pH7.0)を加え、濃縮し、分取HPLC
[10mgx6;カラム:COSMOSIL 5C18−
AR 20φx150 mm;検出:UV(300nm);
溶媒:25%アセトニトリル/0.05MPBS(pH
7.0);流速;9.5ml/min]に付す。まず、保持
時間(Rt)13〜17分の分画を得、濃縮し、上記と
同様に脱塩カラムにより処理する。即ち、120mlをM
CIGEL CHP20P(5ml)に適用し、水20ml
で洗浄し60%アセトニトリル/水(pH7.6)10m
lで溶離する。溶出液を濃縮し、凍結乾燥して目的のニ
ベフラノンC(Na塩)25mg(純度98%)を得る。
【0021】保持時間17〜23分の分画を濃縮し、脱
塩処理する。即ち、120mlをMCIGEL CHP2
0P(5ml)に通し水20mlで洗浄し、80%アセトニ
トリル/水(pH7.8)10mlで溶離する。溶出液を
濃縮し、凍結乾燥してニベフラノンA(Na塩)8mgを
回収する。
【0022】ニベフラノンCの物理化学的性質を以下に
示す。ニベフラノンC 1)外観:薄褐色無晶形粉末(ナトリウム塩) 2)UV λmax2Onm;236,273 3)IR:νmaxKBrcm-1;3429,1695,1
600,1568(sh),1407,1129,10
35,990,790 4)分子式;C16225(分子量294) 5)LSIMS:m/z:317[M+Na]+ 6)1H NMR:[200MHz ppm (J=H
z)](D2O中);6.36(1H,dd,J=9.
6,J=15.4),6.16〜5.86(2H,m),
5.56(1H,d,J=15.6),3.93(1H,
m),3.36(3H,s),3.30〜3.0(2H,
m),2.07(2H,m),1.50(3H,s),
1.23(3H,d,J=6.2),0.95(3H,
t,J=7.4)
【0023】7)13C NMR:[50 MHz pp
m](D2O中);205.06,193.70,169.
55,141.08,133.35,127.94,12
5.65,113.60,91.25,75.62,56.
39,37.17,25.68,21.38,19.34,
13.02 8)HPLC:カラム;COSMOSIL 5C18−
AR,4.6φx150mm,検出;UV(220nm);
移動相;50% CH3CN−0.1%TFA,流速;1
ml/min,Rt=6.35min
【0024】実験例1 ニベフラノン誘導体の生物学的
活性 実施例で製造したニベフラノン化合物のレトロウイルス
感染抑制作用および細胞毒性を以下の方法で試験した。抗ウイルス活性 (1)HIV(HTLV−IIIB株)持続感染ヒトT細胞
株MOLT−4clone8を10%牛胎児血清添加RPM
I−1640培地で培養し、上清を濾過してウイルスの
力価を測定し、−80℃で保存する。他方、被検化合物
を上記の培養培地で所定の濃度になるように希釈し、9
6穴マイクロプレートに50μlずつ分注する。次にM
T−4細胞浮遊液を100μl(3.5×104細胞)ずつ
分注し、更に上記HIV含有上清を上記の培養培地で希
釈したものを50μl(60pfu(plaque forming uni
t))ずつ加える。
【0025】(2)炭酸ガス培養器内で37℃で5日間
培養した後、全てのウエルにMTT(3−(4,5−ジメ
チルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラ
ゾリウムブロマイド)5mg/ml,PBS)を30μlずつ
加え、更に1時間培養する。このとき、生存する細胞は
MTTを還元してフォルマザンを析出させる。全てのウ
エルから培養上清を150μlずつ取り除き、代わりに
150μlの溶解液(10%トリトンX−100及び0.
4%(v/v)HCl添加イソプロパノール)を加え、プレー
トミキサーで振とうしてフォルマザンを溶出する。フォ
ルマザンをOD 540nmで測定し、結果を被対照と比
較する。ウイルスによる細胞障害を50%抑制する化合
物濃度をIC50とする。試験結果を表1に示す。
【表1】 表1 ニベフラノンのHIV感染抑制活性 化合物 IC50(μg/ml ニベフラノンA 0.78 ニベフラノンB 1.6 ニベフラノンC 1.6
【0026】細胞毒性 上記(1)において、HIV含有上清(ウイルス液)の
代わりに各ウエルに培養培地50μlずつ加え、(2)
と同様に処理し化合物の細胞毒性を調べる。化合物によ
る細胞毒性が50%である化合物濃度をCC50とする。
正常細胞であるヒト胎児肺2倍体細胞(WI38)に対
する毒性試験は細胞をマイクロプレートに分注して1日
培養後、所定濃度の化合物を添加し、更に2日培養した
後、(2)と同様に処理し、化合物のWI38細胞に対
するCC50を求める。試験結果を表2に示す。
【0027】
【表2】 表2 ニベフラノンの細胞毒性 化合物 CC50μg/ml ニベフラノン MT−4 WI38 A 1.6 〜 3.1 11.5 B 6.25〜12.5 >100 C 6.25〜12.5 49.4
【0028】
【発明の効果】表1および表2に示した結果から明らか
なように、本発明のニベフラノン化合物は抗レトロウイ
ルス活性を有する。したがって、本発明化合物を用いて
エイズ等のHIVウイルス感染症の治療を行うこと、並
びに、該化合物を用いてさらに薬効の優れた誘導体を開
発することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C12N 1/14 C12R 1:66) (C12P 17/04 C12R 1:66) (72)発明者 板崎 弘 兵庫県宝塚市清荒神4−9−3 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 307/68 C12P 17/04 C12N 1/14 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 (式中、Rは1−プロペニル、2−ヒドロキシプロピル
    または2−アルコキシプロピルを表す)で示される化合
    物またはそのアルカリ金属塩。
  2. 【請求項2】 Rが1−プロペニル,2−ヒドロキシプ
    ロピル,または2−メトキシプロピルで示される請求項
    1の化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の化合物の有効量と薬
    学上許容される担体とを含有するHIV感染症の予防ま
    たは治療剤
  4. 【請求項4】 アスペルギルス・ニベウス(Aspergillu
    s niveus)種に属し請求項2の化合物を産生する微生
    物。
  5. 【請求項5】 アスペルギルス・ニベウス(Aspergillu
    s niveus)RF−4984株(FERM BP−411
    9)である請求項4記載の微生物。
  6. 【請求項6】 アスペルギルス属(Aspergillus)に属
    し請求項2の化合物を産生する微生物を培養し、得られ
    た培養物から該化合物を分離、精製し、所望により化学
    修飾することからなる請求項1の化合物の製造方法。
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