JP3160141B2 - 車両用ドアウェザーストリップ - Google Patents

車両用ドアウェザーストリップ

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JP3160141B2
JP3160141B2 JP33892493A JP33892493A JP3160141B2 JP 3160141 B2 JP3160141 B2 JP 3160141B2 JP 33892493 A JP33892493 A JP 33892493A JP 33892493 A JP33892493 A JP 33892493A JP 3160141 B2 JP3160141 B2 JP 3160141B2
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史嗣 角川
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日産車体株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドアの周縁部に装着さ
れ、ドアと車体の開口縁部との間をシールする車両用ド
アウェザーストリップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用ドアウェザーストリップと
しては、図4に示すものが提案されている(特開昭59
−124430号公報参照)。すなわち、車体31に
は、乗降用の開口部32が設けられており、該開口部3
2の縁部を形成するピラー33にはシール面34が形成
されている。前記開口部32を開閉するドア35の周縁
部には、ドアウェザーストリップ36が固着されてお
り、該ドアウェザーストリップ36には中空リップ37
が形成されている。
【0003】かかる構成において、ドア35の閉時には
図示のように中空リップ37の一面側がその反力により
シール面34に密接し、これによりドア35とピラー3
3間のシール性が確保される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにドアウェザ
ーストリップ36にあっては、中空リップ37がその反
力によりシール面34に密接することによって、水密性
が確保される。したがって、中空リップ37を厚肉化す
れば反力が増大して、ドア35とピラー33間のシール
性を向上させることが可能となる。しかし、中空リップ
37の反力を増大させると、この反力が閉時においてド
ア35に作用することから、ドア35の閉まり性が悪化
してしまう。
【0005】また、逆に中空リップ37を薄肉化すれば
反力が減少して、ドア35の閉まり性を向上させること
ができる。しかし、中空リップ37の反力を減少させる
と水密性が低下するばかりでなく、中空リップ37自体
の剛性が低下する結果、ドア35の閉時に中空リップ3
7がシール面34よりも開口部32側に位置ずれする
(矢印c)、所謂リップの巻き込みが発生する。よっ
て、ドア35の閉まり性が向上する反面、ドア35とピ
ラー33間のシール性を低下してしまう。つまり、ドア
ウェザーストリップ36において、シール性とドア閉ま
り性とは二律背反的な要素であり、この両者を共に向上
させることは困難とされていた。
【0006】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、シール性とドア閉まり性とを共に
向上させることができる車両用ドアウェザーストリップ
を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明にあっては、ドアの周縁部に装着され、ドア閉
時に中空リップを車体の開口縁部に設けられたシール面
に密接させてシールするドアウェザーストリップにおい
て、前記シール面は、車体の外面に沿った方向の面から
なる平面部と車室内方向に湾曲した湾曲部とから構成さ
れ、前記中空リップは、前記シール面に密接する部位側
に形成されて前記平面部から湾曲部に亙って密接する薄
肉部と、該薄肉部が前記平面部から湾曲部に亙って密接
した状態で該平面部に対向し前記薄肉部よりも厚肉状の
厚肉部と、該厚肉部の両側に形成されたノッチ部とを有
し、前記薄肉部には前記平面部に密接するシールリップ
が突設されている。
【0008】
【作用】前記構成において、ドアを閉じると中空リップ
は薄肉部側にてシール面の平面部から湾曲部に亙って
接することから、その反力は小さくドア閉まり性への影
響も少ないものとなる。また、中空リップの平面部と対
向する部位には厚肉部が設けられていることから、この
厚肉部において中空リップの剛性が確保される。加え
て、薄肉部には平面部に密接するシールリップが設けら
れていることから、このシールリップが平面部に密接す
ることと、前記厚肉部において中空リップの剛性が確保
されることとにより、中空リップが変形した際に、平面
に密接すべき部位が該平面部から位置ずれするリップ
の巻き込みが防止される。しかも、厚肉部の両側にはノ
ッチ部が設けられていることから、厚肉部の剛性が薄肉
部側に影響を及ぼすことはなく、ノッチ部にての屈曲に
より反力の増加は回避される。また、前記薄肉部がシー
ル面の平面部と湾曲部とに密接することによりシールさ
れるのみならず、シールリップが平面部に密接すること
によってシールされる。よって、実質的に2重シール構
造となり、反力が低下しても充分なシール性が確保され
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図にしたがって説
明する。すなわち、図3に示すように、車体1には、乗
降用の開口部2が設けられているとともに、該開口部2
の後縁部を形成するロックピラー3が設けられている。
該ロックピラー3には、図1,2に示すように、シール
面4が形成されており、該シール面4は、車体1の外面
に沿った方向の面からなる平面部5と車室内方向に湾曲
した第1湾曲部6とから構成されている。
【0010】前記開口部2を開閉するドア7は、ドアア
ウタパネル8と該ドアアウタパネル8の端部にヘミング
結合されたドアインナパネル9とで構成されている。該
ドアインナパネル9の周縁部には、ドア7の閉時におい
て前記平面部5に対し略平行となる段部10と、該段部
10に第2湾曲部11を介して連なる取付面12とが形
成されている。
【0011】該取付面12には、ドアウェザーストリッ
プ13が装着されており、該ドアウェザーストリップ1
3には前記取付面12から第2湾曲部11に沿った形状
の基部14が形成されている。該基部14には、樹脂ク
リップ23の頭部が受容されており、該樹脂クリップ2
3の脚部を前記取付面12に挿通係止することにより、
ドアウェザーストリップ13はドア7の周縁部に固定さ
れている。
【0012】また、前記基部14からは、ドアリップ1
5と中空リップ17とが突設されており、ドアリップ1
5の先端部は前記段部10に密接している。前記中空リ
ップ17は、中空部16を有し、前記シール面4に密接
する部位側に薄肉部18が形成されているとともに、図
1に示すように、該薄肉部18がシール面4に密接した
状態で平面部5に対向する部位に厚肉部19が形成され
ている。該厚肉部19は、薄肉部18(例えば1.5m
m)よりも厚肉状であって(例えば、3mm)、その両
側にはノッチ部20、21が設けられている。また、薄
肉部18にはシールリップ22が形成されており、該シ
ールリップ22はドア閉時においてその先端が前記平面
部5に密接する位置に突設されている。
【0013】以上の構成にかかる本実施例において、ド
ア7の開放時には中空リップ17は図2に示したように
中空部16を膨出させた自然形状を維持している。そし
て、ドア7を閉じると図1に示すように、中空リップ1
7の薄肉部18側は変形して、その反力によりシール面
4の平面部5から第1湾曲部6に亙って密接する。この
変形する薄肉部18にあっては、厚肉部19よりも薄
く、変形によって生ずる反力も小さいことから、ドア7
の閉まり性への影響は少ないものとなる。
【0014】また、このようにシール面4に密接する部
位に薄肉部18が形成されていると、ドア7の閉時に中
空リップ17がシール面4よりも開口部2側に位置ずれ
する(矢印a)、所謂リップの巻き込みが発生するおそ
れが生ずる。しかし、中空リップ17において、シール
面4の平面部5と対向する部位には厚肉部19が設けら
れていることから、この厚肉部19において中空リップ
17の剛性が確保される。
【0015】このため、中空リップ17が変形した際
に、薄肉部18がシール面4から位置ずれするリップの
巻き込みが厚肉部19の剛性により防止されるととも
に、図示のようにシールリップ22が平面部5に密接す
ることによってもリップの巻き込みが防止され、適正に
シール面4との密接状態が形成される。しかも、厚肉部
の両側にはノッチ部20,21が設けられていることか
ら、厚肉部19の剛性が薄肉部18側に影響を及ぼすこ
とはなく、ノッチ部20,21にての屈曲により反力の
増加は回避される。よって、前述した中空リップ17の
反力の抑制と、ノッチ部20、21よる反力の増加回避
とにより、ドア7の閉まり性を向上させることができ
る。
【0016】また、前記薄肉部18が平面部5から第1
湾曲部6に亙って密接することによりシールされるのみ
ならず、シールリップ22が平面部5に密接することに
よってシールされる。よって、中空リップ17によるシ
ールと、シールリップ22によるシールとの2重シール
構造となって、シール性を向上させることができ、洗車
時等に、ドア7とロックピラー3との間隙bより加圧水
が到来しても、シールリップ22の水密性により車室内
への水侵入を防止することができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、中空リッ
プにシール面を形成する平面部から湾曲部に亙って密接
する薄肉部を形成するようにしたことから、中空リップ
平面部から湾曲部に亙って密接した際の反力を抑制し
て、ドア閉まり性への影響を減少させることができる。
また、平面部と対向する部位側に厚肉部を形成すると
もに、薄肉部には平面部に密接するシールリップを形成
するようにしたことから、シールリップが平面部に密接
することと、厚肉部において中空リップの剛性が確保さ
れることとにより、中空リップが変形した際に、薄肉部
平面部に密接すべき部位が該平面部から位置ずれする
リップの巻き込みが防止することができる。しかも、厚
肉部の両側にはノッチ部が設けられていることから、厚
肉部の剛性が薄肉部側に影響を及ぼすことがない。よっ
て、前記中空リップの反力の抑制と、ノッチ部よる反力
の増加回避とにより、ドアの閉まり性を向上させること
ができる。
【0018】さらに、シール面の平面部に密接するシー
ルリップを設けたことにより、中空リップによるシール
とシールリップによるシールとの2重シール構造となっ
て、シール性を向上させることができる。よって、従来
において二律背反とされていた、シール性の向上とドア
閉まり性の向上とを共に達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すドア閉時における図3
のA−A線に沿う断面図である。
【図2】同実施例にかかるドアウェザーストリップの自
然状態を示す説明図である。
【図3】車体の側面図である。
【図4】従来構造を示す図3のA−Aに相当する断面図
である。
【符号の説明】
1 車体 2 開口部 3 ロックピラー 4 シール面 7 ドア 13 ドアウェザーストリップ 17 中空リップ 18 薄肉部 19 厚肉部 20 ノッチ部 21 ノッチ部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドアの周縁部に装着され、ドア閉時に中
    空リップを車体の開口縁部に設けられたシール面に密接
    させてシールするドアウェザーストリップにおいて、
    記シール面は、車体の外面に沿った方向の面からなる平
    面部と車室内方向に湾曲した湾曲部とから構成され、
    記中空リップは、前記シール面に密接する部位側に形成
    されて前記平面部から湾曲部に亙って密接する薄肉部
    と、該薄肉部が前記平面部から湾曲部に亙って密接した
    状態で該平面部に対向し前記薄肉部よりも厚肉状の厚肉
    部と、該厚肉部の両側に形成されたノッチ部とを有し、
    前記薄肉部には前記平面部に密接するシールリップが突
    設されていることを特徴とする車両用ドアウェザースト
    リップ。
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JP6892780B2 (ja) * 2017-04-14 2021-06-23 西川ゴム工業株式会社 ドアウェザーストリップ

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