JP3154797B2 - 染着差を有する複合仮撚糸の製法 - Google Patents

染着差を有する複合仮撚糸の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は染着差を利用したスパン
調フィラメント複合仮撚糸の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】染着差を利用したスパン調フィラメント
複合仮撚糸の製法には、例えば特公昭61−31216
号公報に開示されたイオン性差及び伸度差のある糸条を
複合仮撚糸とする技術、特公昭62−31092号公報
に開示されたイオン性差及び特殊複合仮撚糸構造を組み
合せる技術が知られており、そのいずれも外観及び風合
が共に優れたスパン調フィラメント複合仮撚糸が得られ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれも、複
合仮撚糸の構造が芯糸に鞘糸が巻き付く構造であるた
め、単繊維がマイグレーションした構造により生み出さ
れるスパン糸に特有な霜降り調外観とは異なり、高級感
に欠けるものであった。更に、化合繊のもつ染色性の均
一性から霜降り調外観も高級感に欠けるものであった。
【0004】従って本発明の目的は、スパン糸に特有な
霜降り調外観を呈する極めて高級感に富むフィラメント
複合仮撚糸を製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の要旨は
次のとおりである。伸度差が少なくとも30%ある熱可
塑性フィラメント糸を流体にて混繊交絡し、しかる後、
仮撚加工するに際し、一方の熱可塑性フィラメント糸を
一定オーバーフィード率とし、他方の熱可塑性フィラメ
ント糸のオーバーフィード率を変化させることを特徴と
した複合仮撚糸の製法。
【0006】
【0007】図1は本発明の複合仮撚糸に関する製法原
理の説明図であり、低伸度である熱可塑性フィラメント
糸A(以下、低伸度糸Aと記す。)と高伸度である熱可
塑性フィラメント糸B(以下、高伸度糸Bと記す。)と
を別個に第1フィードローラ1及び第2フィードローラ
2を介して供給し、流体ノズル3で混繊交絡して複合糸
4となし、第1デリベリーローラ5と第2デリベリーロ
ーラ6との間で加撚具7、ヒータ8にて仮撚加工し、即
座にワインダー9で巻き取るか、或いはヒータ10でス
タビライズし第3デリベリーローラ11を介してワイン
ダー9で巻き取る。
【0008】この際、低伸度糸Aは任意に設定する一定
のオーバーフィード率(以下、OFA と記す)で供給す
る。高伸度糸Bはオーバーフィード率を変化しつつ供給
する。オーバーフィード率の変化は図2に示す如くOF
A 以上で変化させてもよいし、図3に示す如くOFA
境に上下に変化させてもよいし、また図4に示す如くO
A 以下で変化させてもよい。なお、オーバーフィード
率は〔(第1デリベリーローラ5の周速)−(第1フィ
ードローラ1の周速もしくは第2フィードローラ2の周
速)〕×100%/第1デリベリーローラ5の周速で表
し、伸度はJIS1070に準じて測定した破断伸度で
ある。
【0009】更に詳細に説明すると、図2は高伸度糸B
に与えたオーバーフィード率OFBと低伸度糸Aに与え
たオーバーフィード率OFA の差が時間t1 では△OF
1 ,時間t2 では△OF2 、但し△OF1 >△OF2 で
あることを示す。従って、時間t1 では見掛上、両糸
A,Bの伸度差が増大したと同等であり、時間t2 では
伸度差が両糸の真の伸度差に比較的近似したものとな
る。この様に、見掛上の伸度差がある両糸で構成した複
合糸4を仮撚し、染色すると、一般によく知られている
如く、相対的に、時間t1 の複合糸の高伸度糸は濃染
し、時間t2 の複合糸の高伸度糸は淡染する。
【0010】同様に、図3は時間t1 で両糸A,Bの伸
度差が増大したと同等であり、時間t2 では伸度差が減
少したことを示す。従って、相対的に、時間t1 の複合
糸の高伸度糸は濃染し、時間t2の複合糸の高伸度糸は
淡染する。図4は時間t1 で伸度差が両糸A,Bの真の
伸度差に比較的近似したものとなり、時間t2 では伸度
差が減少したことを示す。従って、仮撚糸では、相対的
に、時間t1 の複合糸の高伸度糸は濃染し時間t2 の複
合糸の高伸度糸は淡染する。
【0011】この濃淡部の長さは高伸度糸の供給速度、
時間t1 ,t2 の設定、仮撚時の延伸倍率で調整し、濃
淡染色差は両糸の見掛の伸度差、即ち、真の伸度差と△
OF1 、△OF2 の設定で調整する。
【0012】なお、本発明を達成するには両糸A,Bの
伸度差が少なくとも30%あることが必要である。一般
に2本の糸条にオーバーフィード率を付与しつつ混繊交
絡をすると単繊維間に複雑なマイグレーションが生じ、
単繊維間の交絡の強さも均一でない複合糸となる。両糸
A,Bに伸度差があることは、繊維内部構造に差がある
ことを意味し、染着差があることを意味する。従って、
本発明の複合糸4を仮撚加工すると、高伸度である単繊
維のあるものは延伸され、あるものはそのまま熱セット
され、あるものは熱収縮する。この挙動は低伸度糸Aを
構成する単繊維にも表れる。この結果、複合仮撚糸は染
料の吸着にバラツキがある単繊維の集合体となり、得ら
れる複合仮撚糸は単純な濃淡染色部で構成されず、高級
感のあるスパン調となる。両糸A,Bの伸度差が30%
未満である場合、即ち繊維内部構造差が小さいと前記ス
パン調の効果が不鮮明になり、30%以上でその効果が
表れ、好ましくは50%〜150%である。
【0013】以上の説明は図2〜図4に示す如く、低伸
度糸Aのオーバーフィード率OFAを一定とし、高伸度
糸Bのオーバーフィード率OFB を変化させる場合であ
り、逆に高伸度糸Bのオーバーフィード率OFB を一定
とし、低伸度糸Aのオーバーフィード率を変化させても
原理は全く同じである。即ち、これを図2に基づいて説
明すると、時間t1 の複合糸を構成する高伸度糸Bは低
伸度糸Aの拘束が小さいため仮撚時の延伸作用を大きく
受け、分子配向が進行し淡染化する。時間t2の複合糸
を構成する高伸度糸Bは低伸度糸Aの拘束が働くため仮
撚時の延伸作用を受けにくく濃染する。図3及び図4に
ついても図2の△OF1 、△OF2 に相当するオーバー
フィード率の大きさによって同様の挙動が生じる。
【0014】上述の原理を利用して工業化する装置は、
図1の高伸度糸B(もしくは低伸度糸A)のオーバーフ
ィード率を調整する第1フィードローラ1の駆動をサー
ボモータとし、低伸度糸A(もしくは高伸度糸B)の一
定オーバーフィード率は通常の仮撚加工機の原理で第1
デリベリーローラ5との関係で設定し、流体ノズル3に
は高オーバーフィード率で混繊交絡する機能を有するタ
スランノズルを使用し、空気圧は両糸A,Bの繊度、フ
ィラメント数により適宜決定し、第1デリベリーローラ
5〜ワインダー9間の仮撚条件を通常の仮撚加工時にお
ける考え方に基づき延伸倍率、仮撚数、ヒータ温度、そ
の他を設定すればよい。
【0015】以上説明した原理、製法にて仮撚加工糸の
長さ方向に濃染部、淡染部を形成することでスパン調外
観を得ることができるが、この外観を、よりスパン調と
する目的で、任意の複合仮撚糸100cm中に一対の濃
淡部(パルス)が2〜20個所、存在することが好まし
い。
【0016】但し、パルスは図2〜図4において高伸度
糸B(もしくは低伸度糸A)の高オーバーフィード率部
と低オーバーフィード率部の一組からなる斜線部で
り、その部分でパルス数(m)を1とする。かりに高オ
ーバーフィード率を保つ時間と低オーバーフィード率を
保つ時間が等しい場合には理論的にm=2では濃染部、
淡染部の長さは各25cmとなり、m=20では濃染
部、淡染部の長さは各2.5cmとなる。
【0017】前者の長さは梳毛糸の糸斑の長さのオーダ
ーであり、後者は綿糸の糸斑の長さのオーダーであり、
本発明の複合仮撚糸を織編物とし、染色したものの外観
はスパン糸の有する糸斑外観に近似したものとなる。
【0018】
【実施例】以下、実施例につき本発明を具体的に説明す
る。
【0019】(実施例1)高伸度糸として、紡糸速度2
800m/minで紡糸した伸度120%のポリエステ
ル未延伸糸(120デニール/36フィラメント)を用
い、低伸度糸として伸度30%のポリエステル延伸糸
(60デニール/36フィラメント)を用いて図1に示
す装置により以下の条件で加工した。
【0020】(イ)空気交絡処理ノズル:ヘバライン社
製タスランノズルT311 (ロ)低伸度糸のタスランノズルへのオーバーフィード
率:5.0% (ハ)オーバーフィード率差:△OF1 =±10% △OF2 =±0% (ニ)パルス数(m) :3 (ホ)空気噴射圧力:4.0kgf/cm2 (ヘ)第2デリベリーローラの周速:150m/min (ト)延伸倍率:1.00 (チ)加撚具:フリクションディスク(D/Y=2.0
74) (リ)第1ヒータ(8)温度:180℃ (ヌ)第2ヒータ(10)温度:150℃ 得られた加工糸を130℃で分散染料にて染色したとこ
ろ、スパン糸のような霜降り調の自然な染色斑感が得ら
れた。加工糸の側面を顕微鏡にて観察したところ、濃染
部は高伸度糸と推定される単繊維が比較的多く存在し、
且つ水準の異なる淡染した単繊維、濃染した単繊維が混
在していた。淡染部は高伸度糸が延伸されたと推定され
る単繊維が比較的多く存在し、且つ水準の異なる淡染し
た単繊維、濃染した単繊維が混在していた。
【0021】(実施例2)低伸度糸のタスランノズルへ
のオーバーフィード率に対する高伸度糸のタスランノズ
ルへのオーバーフィード率との差を、△OF1 =+12
%,△OF2 =+5%に変更した以外はすべて実施例1
と同じ条件で加工し、染色し、顕微鏡で観察したとこ
ろ、実施例1に比べ低伸度糸が外層部に存在する割合は
減少したが、高伸度糸のオーバーフィード量の変化によ
り、芯糸とのマイグレーションの度合により単繊維の染
色差が生ずることによりスパン糸のような霜降り調の自
然な染色斑感が得られた。
【0022】(実施例3)低伸度糸のタスランノズルへ
のオーバーフィード率に対する高伸度糸のタスランノズ
ルへのオーバーフィード率との差を、△OF1 =+5
%,△OF2 =±0%に変更した以外はすべて実施例1
と同じ条件で加工し、染色し、顕微鏡で観察したとこ
ろ、実施例1に比べ低伸度糸が外層部に存在する割合は
増加し、スパン糸のような霜降り調の自然な染色斑感が
得られた。
【0023】(実施例4)高伸度糸のタスランノズルへ
のオーバーフィード率に対する低伸度糸のタスランノズ
ルへのオーバーフィード率との差を、△OF1 =+10
%,△OF2 =±0%、高伸度糸のタスランノズルへの
オーバーフィード率を+1%に変更した以外はすべて実
施例1と同じ条件で加工し、染色し、顕微鏡で観察した
ところ、低伸度糸のタスランノズルへのオーバーフィー
ド率変更によっても、実施例1と同様なスパン糸のよう
な霜降り調の自然な染色斑感が得られた。
【0024】(比較例1)パルス数m=1に変更した以
外はすべて実施例1と同じ条件で加工し、染色し、顕微
鏡で観察したところ、実施例1と同様に低伸度糸が外層
部に存在するが、その周期が長いため筋っぽく、スパン
糸のような自然な染色斑感にならなかった。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明の
複合仮撚糸の製法によれば、スパン糸に見られる単繊維
がマイグレーションした糸構造となり、更に単繊維間の
染色性が不均一となる。その結果、本発明の製法により
得られる複合仮撚糸は霜降り調外観を呈し、極めて高級
感に富むものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法原理の説明図である。
【図2】本発明のオーバーフィード率調整例を示す説明
図である。
【図3】本発明のオーバーフィード率調整の他例を示す
説明図である。
【図4】本発明のオーバーフィード率調整の更に他例を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 第1フィードローラ 2 第2フィードローラ 3 流体ノズル 4 複合糸 5 第1デリベリーローラ 6 第2デリベリーローラ 7 加撚具 8 ヒータ 9 ワインダー 10 ヒータ 11 第3デリベリーローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/02 D02G 3/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸度差が少なくとも30%ある熱可塑性
    フィラメント糸を流体にて混繊交絡した後、仮撚加工す
    るに際し、一方の熱可塑性フィラメント糸を一定オーバ
    ーフィード率で供給すると同時に、他方の熱可塑性フィ
    ラメント糸のオーバーフィード率を変化させながら供給
    することを特徴とする染着差を有する複合仮撚糸の製
    法。
JP08518192A 1992-04-07 1992-04-07 染着差を有する複合仮撚糸の製法 Expired - Fee Related JP3154797B2 (ja)

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