JP3152416B2 - 茶の製造方法 - Google Patents

茶の製造方法

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JP3152416B2
JP3152416B2 JP33197896A JP33197896A JP3152416B2 JP 3152416 B2 JP3152416 B2 JP 3152416B2 JP 33197896 A JP33197896 A JP 33197896A JP 33197896 A JP33197896 A JP 33197896A JP 3152416 B2 JP3152416 B2 JP 3152416B2
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延夫 松本
謙次 島岡
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隆士 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長期間保存しても
混濁や沈澱を生じることがなく、香味に優れており、特
に透明容器詰めに好適な茶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】茶飲料、特に緑茶飲料は製造後の長期保
存において濁りや沈澱を生じることがあり、このことは
特に透明容器詰め飲料とする場合に問題であった。この
現象は茶葉に含まれるポリフェノール、カフェイン、タ
ンパク質、ペクチン、多糖類、カルシウムイオン等の様
々な成分が関与していると言われており、特に茶葉に含
まれる金属イオンは、同じく茶葉に含まれるタンパク
質、ペクチン、ポリフェノール等と結合して沈澱物を形
成するために問題視されてきた。すなわち、茶葉に含ま
れる金属イオンを除去することは茶飲料における沈澱物
生成阻止の重要な鍵であった。
【0003】この対策の一つとして、従来、茶抽出液を
陽イオン交換処理することにより茶抽出液中の金属イオ
ンを吸着除去する方法があった。例えば、特開昭50−
154462号には、茶抽出液をタンナーゼとともにセ
ルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼおよびぺクチ
ナーゼ等を含む酵素混合物を併用して作用させることに
より茶クリームを可溶化させた後、通常市販されている
陽イオン交換樹脂で処理して液中に含まれるカルシウ
ム、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、鉄等の金
属イオンを除去する方法が開示されている。この方法
は、金属イオンを効果的に除去することができると共
に、大規模な設備が必要でないという点で注目すべきも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記開
示(特開昭50−154462号)のように、タンナー
ゼ等により酵素処理をすると、茶の味が変化し茶本来の
味が損なわれることがあった。また、茶抽出液に対して
通常市販されている陽イオン交換樹脂による処理のみを
行った場合であっても、茶の味が変化することがあり、
さらにこの場合には茶飲料の長期保存において若干の濁
りや沈澱を生じることもあった。
【0005】そこで本発明は、かかる問題点に鑑み、陽
イオン交換処理を用いた茶の製造方法に改良を加えるこ
とにより、長期保存しても全く混濁や沈澱が生ずること
がなく、それでいて茶本来の香味を損なわない茶の製造
方法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため、本
発明者らが茶抽出液の陽イオン交換処理について鋭意研
究を重ねた結果、用いる陽イオン交換樹脂に対して一定
の前処理しておくことにより茶本来の香味を維持できる
こと、陽イオン交換処理の温度条件を一定範囲に制御す
れば一層好適に維持することができること、陽イオン交
換処理前に茶抽出液のpHを一定範囲に調整すれば長期
保存しても全く混濁や沈澱を生じない茶を製造できるこ
と、更に陽イオン交換処理した茶抽出液の導電率を一定
範囲に調整すれば茶本来の香味を一層確実に維持できる
ことを見出し、これに基づいて本発明をなしたものであ
る。すなわち、本発明は、茶葉の温水又は熱水抽出液
を、予めカリウムイオンを結合させた陽イオン交換樹脂
により陽イオン交換処理する工程を含む茶の製造方法で
ある。なお、本発明における茶とは、茶飲料はもちろ
ん、茶飲料を濃縮した茶エキス、或いは茶飲料を濃縮し
乾燥させた茶エキスを包含する意である。
【0007】本発明で使用する陽イオン交換樹脂として
は、スルホン酸基(−SO3 H)、リン酸基(−PO
(OH)2 )、カルボキシル基(−COOH)などの陽
イオン交換基を有する樹脂を用いることができるが、広
範囲のpH域で2価の金属イオンを優先的に吸着できる
点から、スルホン酸基を有する樹脂、例えばスチレンジ
ビニルベンゼン共重合体樹脂が好ましい。具体的には、
ダイヤイオンSK1B等のSKシリーズ、ダイヤイオン
PK208等のPKシリーズ(以上、三菱化学社製)、
ダウエックス50W・X1等の50Wシリーズ、ダウエ
ックスHCRシリーズ、ダウエックスHGRシリーズ
(以上、ダウケミカル社製)、アンバーライトIR−1
20B等の100番台のシリーズ、アンバーライトIR
−200C等の200番台のシリーズ(以上、ローム・
アンド・ハース社製)などが挙げられるが、これらに限
定するものではない。
【0008】陽イオン交換樹脂にカリウムイオンを結合
させる方法としては、例えば適当な濃度の塩化カリウム
水溶液を陽イオン交換樹脂に接触させるようにすればよ
い。また、茶抽出液の陽イオン交換処理法としては、カ
リウムイオンを結合させた陽イオン交換樹脂をカラムに
充填し、カラム内に茶抽出液を通液して処理するか、或
いはタンク内等でバッチ式で接触させて処理する等の方
法をとることもできるが、前者(カラム式)は連続的か
つ効率的に処理することができる点で好ましい。このよ
うにカリウムイオンを結合させた陽イオン交換樹脂を用
いて茶抽出液の陽イオン交換処理を行えば、茶本来の味
を維持しつつ、沈澱等に影響する金属イオンを効果的に
除去することができる。なお、使用した陽イオン交換樹
脂は、処理後に回収し、再び塩化カリウム水溶液等と接
触させることにより、再生することができるから経済的
である。
【0009】上記発明においては、陽イオン交換処理時
の茶抽出液温度および陽イオン交換樹脂温度をそれぞれ
5℃〜65℃、好ましくは5〜45℃に温度制御しなが
ら行うことが好ましい。陽イオン交換処理をこのように
温度制御して行うことにより、茶飲料の味を一層良好に
保持することができる。なお、65℃を超える温度で
は、陽イオン交換処理中に香味が変化し、茶本来の風味
が損なわれてしまいやすくなる。5℃より低い温度で
は、抽出液が凍結しない温度までイオン交換処理が可能
であるが、チラーにかかる負担が大きく動力費等のラン
ニングコストが大幅に増加しやすくなる。
【0010】上記発明においては、さらに、上記陽イオ
ン交換処理前に、茶葉の温水又は熱水抽出液をpH4.
75〜7、好ましくは5〜6.5に調整するのが好まし
く、この範囲のpHに調整することにより、陽イオン交
換処理後に行う殺菌方法の如何にかかわらず、長期保存
においても全く混濁や沈澱を生じない茶飲料を製造する
ことができる。これに対し、pH4.75を下回るpH
域では、長期保存において少量ではあるが沈澱物を発生
することがある。また、pHが7を超えるpH域では、
沈澱物の発生は見られないものの、味成分量が著しく減
少し、茶本来の風味が損なわれてしまう。
【0011】ただし、上記本発明において、陽イオン交
換処理後、超高温殺菌処理(UHT殺菌或いは高温短時
間加熱殺菌ともいわれる。食品衛生法第7条、10条に
基づく、「食品,添加物等の規格基準」の一部改正・衛
食第244,245号に従った殺菌処理法)する場合
は、陽イオン交換処理前に、茶抽出液をpH7以下に調
整すればよい。すなわち、陽イオン交換処理後に超高温
殺菌処理する場合は、上記のように茶葉の温水又は熱水
抽出液をpH7以下に調整することで、長期保存におい
ても全く混濁や沈澱を生じない茶飲料を製造することが
できるのである。pH7を超える領域では味成分量が著
しく減少し、茶本来の風味が損なわれる点は上記と同様
である。超高温殺菌処理には連続的短時間の処理が可能
なプレート式熱交換機を用いるのが好ましいが、他にチ
ューブ式熱交換機などを用いることもできる。
【0012】上記発明においては、またさらに、陽イオ
ン交換処理後、茶抽出液の導電率を0.4〜1mS/c
m好ましくは0.6〜0.8mS/cmに調整し、茶飲
料の導電率を当該範囲内に調整するのが好ましい。茶飲
料の導電率が0.4mS/cmより低くなると、香味が
弱くなってお茶らしさが損なわれやすくなり、1mS/
cmよりも高くなると、苦渋味が強くなりすぎるように
なる。また、陽イオン交換処理により茶抽出液の導電率
が高まり、この高導電化率と茶の香味との間の相関関係
も認められていることから、上記本発明の茶の製造工程
全体を導電率でもって制御することにより、茶の品質を
好適に管理することができる。例えば、陽イオン交換処
理による高導電化率を12.7〜20.1に制御すると
共に、陽イオン交換処理後に茶抽出液の導電率を0.4
〜1mS/cmに制御するなどである。
【0013】なお、本発明は、緑茶、すなわち不発酵茶
だけでなく、半発酵茶(烏龍茶等)、強発酵茶(紅茶
等)、或いはジャスミン茶などにも適用することができ
る。
【0014】本発明により製造された茶飲料は、長期間
保存しても混濁や沈澱が発生せず、しかも茶本来の好ま
しい香味を維持するから、ガラス瓶やプラスチックボト
ルなどの透明容器用の飲料として特に好適である。ま
た、使用した陽イオン交換樹脂は有機溶剤を使わずに容
易に再生ができるから、経済的にも有利である。さらに
また、本発明によれば、茶飲料ばかりか、これを濃縮し
或いは濃縮し更に乾燥させることにより茶本来の風味を
維持した濃縮液状又は粉末状の茶エキスを製造すること
もできる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、上記本発明を適用した茶飲
料の製造法の好適な例について説明する。茶葉を温水又
は熱水好ましくはイオン交換水で抽出し、この抽出液か
ら茶葉を取り除き、その後茶抽出液のpHをL−アスコ
ルビン酸或いは炭酸水素ナトリウムなどによりpH4〜
7に調整すると共に、茶抽出液の温度を5〜65℃に調
整する。次いで微細濾過又は遠心分離により茶抽出液中
の沈澱物および浮遊物を取り除いた後、ここで、茶抽出
液のpHがpH4.75〜7好ましくは5〜6.5であ
るかどうか、及び茶抽出液の温度が5〜65℃好ましく
は5〜45℃であるかどうかを検査し、所定範囲外であ
れば再び温度及びpHを調整し、その上で予めカリウム
イオンを結合させたスルホン酸基を有するスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体樹脂等の陽イオン交換樹脂によ
り茶抽出液を陽イオン交換処理する。この時、陽イオン
交換処理を所定の温度で行わせるように、樹脂温度を5
〜65℃好ましくは5〜45℃となるように制御し、カ
ラムにより処理する場合であればカラム入口出口温度を
当該温度範囲内に制御する。その後、得られた陽イオン
交換処理した茶抽出液(以下、この液を陽イオン交換処
理液という)を、炭酸水素ナトリウム等によりpH6付
近に調整すると共に、その導電率を0.4〜1mS/c
m好ましくは0.6〜0.8mS/cmに調整し、90
〜95℃まで加熱し、窒素ガスフロー下で容器に充填・
密封し、その後121℃・7〜11分間程度の殺菌条件
の殺菌処理を行う。
【0016】また、超高温殺菌処理後無菌充填する場合
は、陽イオン交換処理前に茶抽出液をpH7以下に調整
すれば良いから、好ましい製造例としては、上記同様に
茶葉を抽出し、pH調整及び温度調整をした後、微細濾
過又は遠心分離を行い、その後茶抽出液のpHがpH7
以下であるかどうか、温度が5〜65℃好ましくは5〜
45℃であるかどうかを検査し、所定範囲外であれば再
び温度及びpHを調整した後、茶抽出液を5〜65℃好
ましくは5〜45℃の条件下で陽イオン交換処理をす
る。その後、得られた陽イオン交換処理液を炭酸水素ナ
トリウム等によりpH6付近に調整すると共に、その
電率を0.4〜1mS/cm好ましくは0.6〜0.8
mS/cmに調整し、次いで132.5〜134.5℃
・30秒程度の条件下で連続殺菌処理を行い、容器に満
注充填・密封する。
【0017】(実施例1) 本実施例では、陽イオン交換樹脂に結合させるイオンの
製品品質に及ぼす影響について調べた。
【0018】陽イオン交換樹脂の前処理として、スルホ
ン酸基を有するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体樹
脂(SK1B)をカラムに充填し、このカラムに表1の
各種水溶液を通液して各種イオンを結合させた。
【0019】一方、緑茶葉100gを67〜73℃のイ
オン交換水10リットルで4分間抽出し、その後抽出液
から茶葉を取り除き、L−アスコルビン酸を添加して抽
出液のpHを約4.5に調整し、20℃以下に冷却し
た。次に、冷却した抽出液中の沈澱物および浮遊物を遠
心分離により取り除いた後、茶抽出液を上記前処理した
陽イオン交換樹脂に通液して陽イオン交換処理した。得
られた陽イオン交換処理液は、炭酸水素ナトリウムを用
いてpH6.0に調整した後、95℃まで加熱して20
0ml容量の接着缶に窒素ガスフロー下で充填・密封
し、その後121℃・11分間殺菌を行って製品とし
た。また、対照として、陽イオン交換処理を行わなずに
その他の処理を上記と同様に行ったものを用意し、上記
各製品及び対照について水色、滋味及び香気に関する官
能審査を行い、その結果を表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】表1の結果、滋味において処理区による差
が確認された。塩化カリウム処理区の滋味が大変良好で
あったのに対し、塩酸および塩化ナトリウム処理区はと
もに塩味が強くなり、特に塩酸処理区では旨味の低下が
著しく、それぞれ茶本来の味が顕著に損なわれていた。
【0022】(実施例2) 本実施例では、茶抽出液のpHを調整して陽イオン交換
処理を行った場合の製品品質に及ぼす影響について調べ
た。
【0023】スルホン酸基を有するスチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体樹脂(SK1B)に対して塩化カリウ
ムで前処理する一方、実施例1の方法に従って遠心分離
まで行い、その後抽出液をL−アスコルビン酸乃至炭酸
水素ナトリウムを用いて表2の各種pHに調整し、pH
調整した抽出液を前記前処理した陽イオン交換樹脂に通
液し、得られた陽イオン交換処理液を実施例1と同様の
方法により製品とすると共に、透明容器詰めの製品も作
成して37℃下で保存した。また、対照として、陽イオ
ン交換処理を行わなず、その他の処理は上記と同様に行
ったものを用意した。各製品及び対照について高導電
率(%)及び味成分量を測定すると共に、4週間保存後
の沈澱発生状況を観察し、その結果を表2に示した。
【0024】なお、高導電化率(%)は、抽出液の導電
導電率計で測定し、 計算式:100×(樹脂接触後導電率−接触前導電率
/接触前導電率 で算出した値である。製品中の味成分量は、渋味成分で
あるエピガロカテキンガレート(EGCg)+エピガロ
カテキン(EGC)、苦味成分であるカフェイン(CA
F)、及び旨味成分であるテアニン(THE)+グルタ
ミン酸(Glu)について高速液体クロマトグラフィを
用いて測定した。また、製品中のカルシウムイオン(C
2+)及びマグネシウムイオン(Mg2+)濃度はイオン
クロマトグラフィを用いて測定した。
【0025】
【表2】
【0026】表2の結果より、いずれのpHにおいて
も、緑茶抽出液の陽イオン交換処理により導電率が上昇
し、抽出液の高導電化が確認された。味成分量について
は、pH4.0〜7.0(高導電化率10.3〜20.
1%)の処理では、エピガロカテキンガレート+エピガ
ロカテキン、カフェイン、テアニン+グルタミン酸の各
量ともほとんど変化がみられず、滋味も大変良好であっ
た。これに対し、pH7.5(高導電化率20.6%)
では各成分が30%程度低下し、滋味も不良となった。
水色については、pH7(高導電化率20.1%)以上
でやや悪化する傾向がみられた。製品のカルシウムイオ
ン及びマグネシウムイオン濃度については、いずれのp
Hにおいても検出されない濃度まで減少していた。
【0027】また、保存(37℃・4週間)後の沈澱の
発生状況は、対照で多量に発生したのに対し、陽イオン
交換処理区ではほとんど沈澱発生は観察されなかった。
ただし、pH4.5(高導電化率12.2%)以下にな
ると僅かではあるが沈澱の発生が観察された。pH4.
5(高導電化率12.2%)以下でもカルシウムイオン
及びマグネシウムイオンは十分除去されているから、こ
の沈澱物はカルシウムイオン及びマグネシウムイオンに
起因しないタイプの沈澱物と考えられる。
【0028】(実施例3) 本実施例では、後工程で超高温殺菌処理後無菌充填する
場合において、茶抽出液のpHを調整して陽イオン交換
処理を行った場合の製品品質に及ぼす影響について調べ
た。
【0029】実施例2と同様、スルホン酸基を有するス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体樹脂(SK1B)に
対して塩化カリウムで前処理する一方、実施例1の方法
に従って遠心分離で行い、その後抽出液をL−アスコル
ビン酸を用いて表3の各種pHに調整し、pH調整した
抽出液を前記前処理した陽イオン交換樹脂に通液し、得
られた陽イオン交換処理液のpHを炭酸水素ナトリウム
及びL−アスコルビン酸を用いて6.0に調整し、次い
でプレート式熱交換機を用いた超高温殺菌処理方式によ
る連続殺菌(133℃・30秒)をし、その後充填温度
85℃でPETボトルに無菌充填した。充填後は速やか
に冷却して製品とし、その後37℃下で保存した。ま
た、対照として陽イオン交換処理を行わずに他は上記と
同様に殺菌・充填したものを用意し、各製品及び対照に
ついて4週間保存後の沈澱発生状況を観察し、その結果
を表3に示した。
【0030】
【表3】
【0031】この結果、陽イオン交換処理を行ったいず
れの処理区においても沈澱の発生は見られなかった。ま
た、滋味に関しても、ほとんどの処理区で大変良好であ
った。ただ、pH4処理区では若干塩味が現れた。
【0032】上記の実施例2と実施例3の結果を総合す
ると、沈澱防止に関しては、陽イオン交換処理前に茶抽
出液をpH4.75以上に調整しておけば、その後の殺
菌処理方法に関係なく、長期保存しても全く沈澱が生じ
ない茶飲料を製造できること、及び、陽イオン交換処理
前の茶抽出液pHが4.75未満である場合には、長期
保存において若干の沈澱を生じることがあるが、その後
超高温殺菌処理するようにすればこのpH領域であって
も長期保存しても全く沈澱が生じない茶飲料を製造でき
ることが分かった。また、香味に関しては、陽イオン交
換処理前に茶抽出液のpHを7以下とすれば滋味を大変
良好に維持できることが分かった。
【0033】(実施例4) 本実施例では、茶抽出液の陽イオン交換処理時における
温度制御を様々な温度域で行い、その制御温度が製品品
質に及ぼす影響について調べた。
【0034】実施例2と同様、スルホン酸基を有するス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体樹脂(SK1B)に
対して塩化カリウムで前処理する一方、実施例1の方法
に従って遠心分離まで行い、その後抽出液をpH5.8
に調整すると共に表4の各種温度範囲に制御し、この温
度制御した茶抽出液を同様の温度範囲に制御した前記前
処理した陽イオン交換樹脂に通液した。その後、得られ
た陽イオン交換処理液を実施例2と同様の方法により接
着缶詰め製品及び透明容器詰め製品を作成し、透明容器
詰め製品は37℃で保存した。各製品について水色、滋
味、香気を官能審査すると共に、37℃で4週間保存後
の沈澱の発生状況を観察し、その結果を表4に示した。
【0035】
【表4】
【0036】表4の結果より、45℃以下では、水色、
滋味及び香気すべての点で大変良好であり、60〜65
℃では、水色及び滋味が若干悪化したものの概ね良好で
あったが、80〜85℃では全体的に品質が悪化し、特
に水色でその傾向が顕著であった。なお、沈澱発生はい
ずれの温度域でも観察されなかった。
【0037】(実施例5) 本実施例では、陽イオン交換処理後に茶抽出液の導電率
を調整した場合の製品品質に及ぼす影響について調べ
た。
【0038】実施例2の方法に従ってスルホン酸基を有
するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体樹脂(SK1
B)に対して塩化カリウム水溶液で前処理してカリウム
イオンを結合させる一方、緑茶葉250gを67〜73
℃のイオン交換水10リットルで4分間抽出した後、実
施例1の方法に従って遠心分離まで行い、その後茶抽出
液を前記前処理した陽イオン交換樹脂に通液させた。得
られた陽イオン処理液を炭酸水素ナトリウムを用いてp
H6に調製すると共に、その導電率を様々な値に調整
し、その後実施例3の方法に従って超高温殺菌処理・無
菌充填・冷却し、製品とした。
【0039】各製品について水色、滋味及び香気を官能
審査し、その結果を表5に示した。なお、導電率(mS
/cm)は、抽出液の導電率導電率計で測定した。
【0040】
【表5】
【0041】この結果、良好な緑茶飲料を得るには、
電率を0.4〜1.0mS/cm好ましくは0.6〜
0.8mS/cmに調整することが必要であることが分
かった。0.4mS/cmより低い導電率の茶飲料は、
香味が弱く、お茶らしさに欠ける傾向があり、また、
1.0mS/cmよりも高い導電率では、苦渋味が強く
なりすぎる傾向があった。
【0042】(実施例6) 陽イオン交換処理、ケイソウ土濾過、又は限外濾過を緑
茶飲料製造工程に導入した場合に、それらが製品品質に
及ぼす影響について比較した。
【0043】陽イオン交換処理を導入した製造工程は、
陽イオン交換処理前に茶抽出液をpH5.0に調整し、
その他は上記実施例2と同様の方法で茶飲料を製造し
た。一方、ケイソウ土濾過又は限外濾過を導入した製造
工程は、抽出液を遠心分離した後にケイソウ土濾過又は
限外濾過を行い、その他は実施例2と同様の方法で茶飲
料を製造した。なお、限外濾過は分画分子量約1万の膜
を用いて行った。各製品について水色、滋味及び香気を
官能審査すると共に、37℃で4週間保存後の沈澱発生
状況を観察し、その結果を表6に示した。
【0044】
【表6】
【0045】この結果、陽イオン交換処理した茶飲料
は、茶本来の風味が損なわれずに大変良好であった。こ
れに対し、ケイソウ土濾過および限外濾過した茶飲料は
共に、滋味が損なわれ、香気については限外濾過で若
干、ケイソウ土濾過で著しく損なわれていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 提坂 裕子 静岡県榛原郡相良町女神21 株式会社伊 藤園内 (72)発明者 川崎 年夫 静岡県榛原郡相良町女神21 株式会社伊 藤園内 (72)発明者 松本 延夫 静岡県榛原郡相良町女神21 株式会社伊 藤園内 (72)発明者 島岡 謙次 静岡県榛原郡相良町女神21 株式会社伊 藤園内 (72)発明者 笹目 正巳 静岡県榛原郡相良町女神21 株式会社伊 藤園内 (72)発明者 山本 隆士 静岡県榛原郡相良町女神21 株式会社伊 藤園内 (56)参考文献 特開 昭63−248344(JP,A) 特開 平2−291230(JP,A) 特開 昭50−154462(JP,A) 特開 平3−277236(JP,A) 特開 昭47−16696(JP,A) 特公 昭46−15679(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23F 3/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 茶葉の温水又は熱水抽出液を、予めカリ
    ウムイオンを結合させた陽イオン交換樹脂により陽イオ
    ン交換処理する工程を含む茶の製造方法。
  2. 【請求項2】 陽イオン交換処理時の茶抽出液温度およ
    び陽イオン交換樹脂温度をそれぞれ5℃〜65℃に温度
    制御して行うことを特徴とする請求項1に記載の茶の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 陽イオン交換処理前に、茶抽出液をpH
    4.75〜7に調整することを特徴とする請求項1又は
    2に記載の茶の製造方法。
  4. 【請求項4】 陽イオン交換処理前に、茶抽出液をpH
    7以下に調整し、陽イオン交換処理後、超高温殺菌処理
    することを特徴とする請求項1又は2に記載の茶の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 陽イオン交換処理後、茶抽出液の導電率
    を0.4〜1mS/cmに調整し、茶飲料の導電率を当
    該範囲内とすることを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れかに記載の茶の製造方法。
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