JP5336340B2 - 精製茶抽出物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、精製茶抽出物の製造方法に関する。
消費者の嗜好の多様化、健康指向の高揚により多種多様の飲料が上市されているが、中でも茶飲料が注目されている。この茶飲料は、例えば、茶抽出物等を利用して非重合体カテキン類を飲料に溶解状態で配合して製造することができる。
しかしながら、茶飲料に配合される茶抽出物によっては、非重合体カテキン類に含まれる非重合体カテキン類のガレート体に起因する苦味や、茶由来の没食子酸、シュウ酸、キナ酸等の有機酸に起因する酸味により、茶本来の風味が損なわれることがあった。
このような問題を解決すべく、例えば、苦味を低減する手段として、茶から得られた茶抽出物をタンナーゼ処理する方法が提案されている(特許文献1〜2)。この方法は、非重合体カテキン類のガレート体を非重合体カテキン類と没食子酸に分解して苦味成分の割合を低下させる方法であるが、遊離した没食子酸由来の酸味が感じられることがあった。
一方、遊離した没食子酸を除去する技術として、例えば、タンナーゼ処理した茶抽出物の水溶液を陰イオン交換樹脂と接触させて没食子酸を除去する方法が提案されている(特許文献3〜4)。
特開2004−321105号公報 特開2005−130809号公報 特開2007−195458号公報 特開2008−220202号公報
しかしながら、タンナーゼ処理した茶抽出物の水溶液を、没食子酸由来の酸味を十分に低減し得る条件で陰イオン交換樹脂と接触させると、非重合体カテキン類の回収率が著しく低下してしまう。そのため、非重合体カテキン類の収率と、没食子酸の除去率とを高水準で両立させることの可能な精製茶抽出物の製造方法の創製が望まれている。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その課題は非重合体カテキン類の収率と、没食子酸の除去率とを高水準で両立させることの可能な精製茶抽出物の製造方法を提供することにある。
被吸着物質を陰イオン交換樹脂に吸着させるには、被吸着物質が解離して陰イオンの状態にあることが必要である。したがって、被吸着物質を十分解離させるには、有機溶媒を含まない水溶液を用いることが有利であると考えられる。また、有機溶媒存在下においては陰イオン交換樹脂の膨張などにより交換能が低下する場合があり、この点からも、有機溶媒を含まない水溶液を用いることが有利であると考えられる。しかしながら、このような予測に反し、意外にも、茶抽出物を水と有機溶媒との混合物である有機溶媒水溶液の存在下に陰イオン交換樹脂に接触させると、没食子酸を効率よく除去できるだけでなく、非重合体カテキン類を高収率で回収できることを本発明者らは見出した。
すなわち、本発明は、有機溶媒水溶液を含む茶抽出物を陰イオン交換樹脂と接触させる、精製茶抽出物の製造方法を提供するものである。
本発明はまた、上記製造方法により得られた精製茶抽出物を提供するものである。
本発明によれば、没食子酸を効率よく除去しつつ、非重合体カテキン類を高収率で回収することができる。したがって、本発明の方法は、没食子酸が遊離しているタンナーゼ処理後の茶抽出物の精製に特に有効である。
また、本発明の製造方法により得られた精製茶抽出物は、非重合体カテキン類を高濃度で含有するにも拘わらず、非重合体カテキン類のガレート体由来の苦味や、没食子酸由来の酸味が低減されているため、高濃度非重合体カテキン類含有飲食品の原料として有用である。
先ず、本明細書で使用する用語について説明する。
「(A)非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類、並びにエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称である。非重合体カテキン類濃度は、上記8種の合計量に基づいて定義される。
「(B)非重合体カテキン類のガレート体(以下、(B)ガレート体ともいう)」とは、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等を併せての総称であり、「(A)非重合体カテキン類中の(B)ガレート体の割合」は、非重合体カテキン類の総量に対する上記ガレート体の質量比率である。
「茶抽出物」とは、茶抽出液又はその濃縮物の液体、及び茶抽出液又はその濃縮物の固形物を包含する概念である。
ここで、茶抽出液とは、茶から熱水又は親水性有機溶媒を用いてニーダー抽出やカラム抽出等により抽出したものであって、濃縮や精製操作が行われていないものをいう。なお、親水性有機溶媒として、例えば、エタノール等のアルコールを使用することができる。
抽出に使用する茶としては、例えば、Camellia属、例えば、C.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶樹が好適である。その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に大別することができる。不発酵茶としては、例えば、茎茶、棒茶、芽茶、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶等の緑茶が例示される。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が例示される。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が例示される。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、非重合体カテキン類の含有量の点から、緑茶が好ましい。
茶抽出液の濃縮物とは、茶から水又は親水性有機溶媒により抽出した茶抽出液から溶媒を一部除去して非重合体カテキン類濃度を高めたものをいい、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に記載の方法により調製することができる。
茶抽出液又はその濃縮物の固形物とは、茶抽出液又はその濃縮物を公知の方法で乾燥又は固形化したものを指す。これらは市販品を使用してもよく、例えば、三井農林(株)の「ポリフェノン」、伊藤園(株)の「テアフラン」、太陽化学(株)の「サンフェノン」等が例示される。
また、本発明においては、茶抽出物として、タンナーゼ処理したものを使用してもよい。ここで、「タンナーゼ処理」とは、茶抽出物を、タンナーゼ活性を有する酵素と接触させることをいう。タンナーゼ処理は、酵素活性の観点から、茶抽出物を水に溶解又は分散した状態で行われ、通常有機溶媒は含まれない。したがって、茶抽出物として茶から親水性有機溶媒により抽出した茶抽出液を使用し、それをタンナーゼ処理する場合、茶抽出液中の有機溶媒を除去して溶媒を水に置換する。
タンナーゼ処理する際の茶抽出物の水溶液中の非重合体カテキン類濃度は、0.1〜1.5質量%、更に0.1〜1質量%、特に0.5〜1質量%であることが好ましい。なお、このような非重合体カテキン類濃度に調整するには、例えば、茶抽出物を必要により濃縮又は加水すればよい。
タンナーゼ活性を有する酵素としては、例えば、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾプス属のタンナーゼ生産菌を培養して得られるタンナーゼが例示される。中でも、アスペルギルス オリゼー由来のものが好ましい。
なお、タンナーゼ処理における具体的な操作方法は公知の方法を採用することが可能であり、例えば、特開2004−321105号公報に記載の方法が例示される。
本発明の精製茶抽出物の製造方法においては、有機溶媒水溶液を含む茶抽出物を陰イオン交換樹脂と接触させるが、接触させる際に使用する有機溶媒水溶液を含む茶抽出物の調製方法は特に限定されず、例えば、茶抽出液又はその濃縮物の液体に有機溶媒を添加しても、茶抽出液又はその濃縮物の固形物に有機溶媒水溶液を添加してもよい。
有機溶媒としては、被吸着物質の解離性の点から、親水性有機溶媒が好ましい。具体的には、アセトン等のケトン、メタノール、エタノール等のアルコールが例示される。中でも、飲食品への使用の観点から、アルコール、特にエタノールが好ましい。
茶抽出物に含まれる有機溶媒水溶液中の有機溶媒濃度は、非重合体カテキン類の回収率及び没食子酸の除去効率の観点から、その下限が10質量%、更に25質量%、より更に35質量%、より更に45質量%、より更に55質量%、特に65質量%であることが好ましく、他方上限は95質量%、更に92.4質量%、特に90質量%であることが好ましい。
本発明においては、陰イオン交換樹脂として、強塩基性イオン交換樹脂及び弱塩基性イオン交換樹脂のいずれも使用可能であるが、非重合体カテキン類の回収率及び没食子酸の除去率の向上の観点から、弱塩基性イオン交換樹脂が好ましい。
強塩基性イオン交換樹脂としては、例えば、ダイヤイオン・SAシリーズ(強塩基性ゲル型:SA10A,SA11A,SA12A,SA20A,SA21A等、三菱化学社製)、ダイヤイオン・PAシリーズ(強塩基性ポーラス型:PA306,PA308,PA312,PA316,PA318,PA406,PA408,PA412,PA416,PA418等、三菱化学社製)、HPA25(強塩基性ハイポーラス型、三菱化学社製)、アンバーライト(IRA400J,IRA410J,IRA900J等、ローム・アンド・ハース社製)、ダウエックス(マラソンA、マラソンA2等、ザ・ダウ・ケミカル社製)が例示される。
また、弱塩基性イオン交換樹脂としては、例えば、WAシリーズ(アクリル系:WA10,WA11等、スチレン系:WA20,WA21J,WA30等、三菱化学社製)、アンバーライト(アクリル系:IRA67,スチレン系:IRA96SB,XT6050RF等、ローム・アンド・ハース社製)、ダウエックス66(ザ・ダウ・ケミカル社製)が例示される。
本発明においては、陰イオン交換樹脂として、その陰イオン基を、pKaが4.16〜8.55である有機酸由来の陰イオン基に交換したものを用いることが好ましい。これにより、非重合体カテキン類の回収率と、没食子酸の除去率をより一層高水準で両立させることができ、更に風味も改善することができる。
有機酸としては、pKaが4.16〜8.55であれば特に限定されないが、非重合体カテキン類の回収率及び没食子酸の除去率の向上の観点から、pKaが4.16〜5である有機酸が好ましく、具体的には、アスコルビン酸(pKa4.17)、酢酸(pKa4.76)、プロピオン酸(pKa4.87)、酪酸(pKa4.82)、吉草酸(pKa4.84)が例示される。中でも、アスコルビン酸、酢酸が好適である。ここで、本明細書において「pKa」とは、25℃の水溶液中における酸解離定数をいい、多価の酸の場合は第1酸解離定数である。
陰イオン交換樹脂の陰イオン基を交換する方法としては、例えば、陰イオン交換樹脂を有機酸の水溶液と接触させる方法が例示され、その接触は複数回行ってもよい。
陰イオン交換樹脂と接触させる際の有機酸水溶液中の有機酸濃度は0.1〜15質量%、特に1〜10質量%であることが好ましい。また、陰イオン交換樹脂と接触させる際の1回当たりの有機酸水溶液の使用量は、陰イオン交換樹脂の全質量に対して5〜100倍量、更に10〜40倍量であることが好ましい。有機酸水溶液との接触後においては、陰イオン交換樹脂の全質量に対して5〜50倍量の水で洗浄することが好ましい。
更に、陰イオン交換樹脂と有機溶媒水溶液を含む茶抽出物とを接触させる前に、有機溶媒水溶液を含む茶抽出物の調製に使用した有機溶媒水溶液で陰イオン交換樹脂を1回以上洗浄することが好ましい。
本発明で使用する陰イオン交換樹脂としては、陰イオン交換能を有していること、茶抽出物に対して不溶であることが必要である。その形態は特に限定されず、例えば、粉状、球状、繊維状、膜状などを適宜選択することができる。また、ゲル型、ポーラス型、ハイポーラス型など樹脂母体の形状も適宜選択可能である。樹脂母体としては、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン又はアクリル酸を母体とするものが例示され、中でもアクリル酸を母体とするものが好ましい。
陰イオン交換樹脂の使用量は、没食子酸イオンの除去効率、非重合体カテキン類の回収率の向上の観点から、有機溶媒水溶液を含む茶抽出物の全質量に対して0.001〜0.5倍量、更に0.001〜0.1倍量、より更に0.005〜0.07倍量、特に0.01〜0.05倍量であることが好ましい。有機溶媒水溶液を含む茶抽出物中の非重合体カテキン類濃度は、非重合体カテキン類の回収率及び没食子酸の除去率の向上の観点から、0.1〜6質量%、更に0.3〜4質量%、特に0.5〜1.5質量%であることが好ましい。
また、陰イオン交換樹脂と接触させる際の温度は、0〜40℃、更に10〜35℃、特に20〜30℃であることが好ましい。
有機溶媒水溶液を含む茶抽出物を陰イオン交換樹脂と接触させる方法としては、上記茶抽出物に陰イオン交換樹脂を添加し撹拌して吸着させた後、ろ過操作により陰イオン交換樹脂を回収するバッチ方式、又は陰イオン交換樹脂を充填したカラムに上記茶抽出物を通液して連続的に吸着処理を行なうカラム方式などを採用することができる。
バッチ方式を採用する場合、陰イオン交換樹脂と、上記茶抽出物との接触時間は適宜決定することが可能であるが、0.5〜10時間、特に1〜5時間が好ましい。
カラム方式を採用する場合、上記茶抽出物の通液条件は、空塔速度(SV)1〜60/hr、特に3〜30/hrであることが好ましい。
また、本発明においては、陰イオン交換樹脂と接触後の茶抽出物を活性炭で処理してもよい。この活性炭処理により、精製茶抽出物の風味をより一層改善することができる。改善される風味としては、エグ味が挙げられる。エグ味とは、収斂味がある苦渋みであり、口に残るざらついた感触として感じられるものである。
活性炭処理に使用する活性炭の原料としては、例えば、ヤシ殻、木質、石炭が例示され、中でも木質のものが好ましい。活性炭の賦活方法としては、例えば、水蒸気賦活法、ガス賦活法、薬品賦活法が例示され、中でも薬品賦活法が好ましい。
活性炭としては、風味改善、活性炭の使用量低減及び回収率向上の点から、以下の性状を有するものを使用することが好ましい。平均細孔径は0.5〜10nm(ナノメーター)、更に0.7〜9nm、特に1〜8nmであるものが好ましい。細孔容積は0.01〜2.5mL/g、更に0.1〜2.0mL/g、特に0.5〜1.8mL/gであるものが好ましい。また、比表面積は800〜2000m2/g、更に900〜1900m2/g、特に1000〜1800m2/gの範囲のものが好ましい。なお、これらの物性値は窒素吸着法に基づく値である。
このような性状を有する活性炭として、例えば、ZN−50、Y−10S、GS-1、GS-B(味の素ファインテクノ製)、クラレコールGLC、クラレコールPK−D、クラレコールPW−D、クラレコールGW、クラレコールGA、クラレコールGA-D、クラレコールRP−15(クラレケミカル社製)、白鷺AW50、白鷺A、白鷺P、白鷺KL、白鷺M、白鷺C、カルボラフィン、WH2C(日本エンバイロケミカルズ製)、GM130A、CW130A、CW130AR、CW350AR、GL130A、SG、SGA、SGP(フタムラ化学製)、ヤシコール、MAS印、梅蜂印、梅蜂F印(太平化学産業製)、CPG、CAL、S80A(三菱化学カルゴン製)等の市販品が例示される。
活性炭の使用量は、精製効果、非重合体カテキン類の回収率向上の点、ろ過工程におけるケーク抵抗低減の点から、陰イオン交換樹脂と接触後の茶抽出物中の非重合体カテキン類1質量部に対して、0.1〜2質量部、更に0.2〜1.5質量部、特に0.3〜1.2質量部であることが好ましい。
陰イオン交換樹脂と接触後の茶抽出物を活性炭に接触させる際、該茶抽出物から有機溶媒をあらかじめ除去しておいてもよいが、有機溶媒が含有されたものでもよい。有機溶媒としては親水性有機溶媒が好ましい。具体的には、アセトン等のケトン、メタノール、エタノール等のアルコールが例示される。中でも、飲食品への使用の観点から、アルコール、特にエタノールが好ましい。
活性炭に接触させる際の茶抽出物に含まれる有機溶媒水溶液中の有機溶媒濃度は、酸味の低減という観点から、その下限が10質量%、更に25質量%、より更に35質量%、より更に45質量%、より更に55質量%、特に65質量%であることが好ましく、他方上限は95質量%、更に92.4質量%、特に90質量%であることが好ましい。
活性炭と接触させる手段としては、例えば、陰イオン交換樹脂と接触後の茶抽出物に活性炭を添加、撹拌し吸着後、ろ過操作により活性炭を回収するバッチ方式、又は活性炭を充填したカラムに上記茶抽出物を通液して連続的に接触処理するカラム方式を採用することができるが、生産性の点からカラム方式による連続処理が好ましい。また、活性炭との接触は、0〜60℃、更に10〜50℃、特に15〜40℃で行うことが好ましい。
陰イオン交換樹脂と接触後の茶抽出物、あるいは活性炭処理後の茶抽出物は、有機溶媒を除去した後、必要により濃縮又は加水して沈殿物を析出させ、次いで固液分離により沈殿物を除去してもよい。これにより、精製茶抽出物の風味及び安定性をより一層向上させることができる。
また、沈殿物を析出させる熟成時間は特に限定されないが、例えば、2分〜50時間、更に2分〜24時間、特に5分〜6時間であることが好ましい。また、析出温度は、沈殿物の溶解度低下、及び沈殿物の分離性の点から、−5〜40℃、更に5〜25℃であることが好ましい。
固液分離の操作としては食品工業で通常使用されている方法を採用することができるが、例えば、ろ過、遠心分離処理等が例示され、これらは組み合わせて行うことができる。
このようにして、本発明の精製茶抽出物が得られる。精製茶抽出物の製品形態としては液体でも固体でもよく、固体が望ましい場合は、噴霧乾燥や凍結乾燥等の公知の方法により粉体化することができる。
得られた精製茶抽出物は下記の特性(i)及び(ii)を有することができる。
(i)有機溶媒水溶液を含む茶抽出物を基準とする没食子酸の残存率が、好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下、特に好ましくは65%以下である。
(ii)有機溶媒水溶液を含む茶抽出物を基準とする非重合体カテキン類の収率が、好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上である。
また、本発明の精製緑茶抽出物は、非重合体カテキン類を高濃度で含有するにも拘わらず、非重合体カテキン類のガレート体由来の苦味と、没食子酸由来の酸味が抑制されているため、幅広い用途展開が可能である。例えば、本発明の精製緑茶抽出物をそのまま、濃縮又は加水して飲食品の原料として使用することが可能であるが、高濃度非重合体カテキン類含有飲食品の原料として特に有用である。
飲料としては、茶飲料でも、非茶系飲料であってもよい。茶飲料としては、例えば、緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料が例示される。また、非茶系飲料としては、例えば、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等の非アルコール飲料、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等のアルコール飲料が例示される。
飲料のpH(25℃)は、風味及び非重合体カテキン類の安定性の点から、2〜7、特に3〜6とすることが好ましい。
食品としては、例えば、菓子類(例えば、パン、ケーキ、クッキー、ビスケット等の焼菓子、チューインガム、チョコレート、キャンデー)、デザート類(例えば、ゼリー、ヨーグルト、アイスクリーム)、レトルト食品、調味料(例えば、ソース、スープ、ドレッシング、マヨネーズ、クリーム)が例示される。
なお、飲食品の形態は特に限定されず、摂取しやすい形態であれば、固形、粉末、液体、ゲル状、スラリー状等のいずれであってもよい。
これら飲食品には、酸化防止剤、各種エステル類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、ガム、乳化剤、油、ビタミン、アミノ酸、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独で又は2種以上を併用して配合してもよい。
また、飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して提供することができる。
更に、容器詰飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
(1)非重合体カテキン類及び没食子の測定
各実施例及び比較例で得られた精製茶抽出物をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法で行った。カテキン類の標準品としては、三井農林製のものを使用し、検量線法で定量した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った
(2)官能評価
各実施例及び比較例で得られた精製茶抽出物を、エタノールを含む場合は留去した後に、非重合体カテキン類濃度が175mg/100mLになるようにイオン交換水で希釈して風味評価を行った。風味評価はパネラー5名により行い、協議によりスコアを決定した。風味評価は酸味とエグ味に関して下記の5段階で行い、5段階評価は数値が大きいほど、風味が良好であることを意味する。
(評価基準)
評点5:風味において非常に優れる
評点4:風味においてやや優れる
評点3:風味において優れる
評点2:風味においてやや劣る
評点1:風味において劣る
製造例1
アスコルビン酸由来の陰イオン基を有する陰イオン交換樹脂の製造
弱塩基性イオン交換樹脂(WA10、三菱化学社製)を106g採取し、これと5.0質量%アスコルビン酸水溶液1200gとを75分間混合攪拌した。次いで、濾別により弱塩基性イオン交換樹脂を回収した後、5.0質量%アスコルビン酸水溶液1200gを用いて75分間の混合攪拌を3回繰り返し行い、アスコルビン酸由来の陰イオン基を有する弱塩基性イオン交換樹脂(以下、「アスコルビン酸型弱塩基性イオン交換樹脂」という)を製造した。その後、アスコルビン酸型弱塩基性イオン交換樹脂を水1200gで3回水洗した。
製造例2
酢酸由来の陰イオン基を有する陰イオン交換樹脂の製造
5.0質量%アスコルビン酸水溶液を、5.0質量%酢酸水溶液に換えたこと以外は、製造例1と同様の操作にて、酢酸由来の陰イオン基を有する弱塩基性イオン交換樹脂(以下、「酢酸型陰イオン交換樹脂」という)を製造した。その後、酢酸型陰イオン交換樹脂を水1200gで3回水洗した。
実施例1
あらかじめタンナーゼ処理した緑茶抽出物の固形物(非重合体カテキン類濃度30質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率32質量%、没食子酸濃度3.7質量%)4.5gを、20質量%エタノール水溶液100gと十分に混合し、ろ紙にて濾過した。次いで、濾液を、非重合体カテキン類濃度が約0.9質量%になるように20質量%エタノール水溶液で濃度調整を行い、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を得た。エタノール水溶液を含む緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.938質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が32質量%、没食子酸濃度が0.116質量%であった。
製造例1で得られたアスコルビン酸型陰イオン交換樹脂を20質量%エタノール水溶液で洗浄した後、洗浄後のアスコルビン酸型陰イオン交換樹脂を4g採取し、これとエタノール水溶液を含む緑茶抽出物100gを25℃にて混合し、そのまま120分間混合攪拌した。次いで、濾別により精製緑茶抽出物を97.6g得た。得られた精製緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.675質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が22質量%、没食子酸濃度が0.045質量%、没食子酸/非重合体カテキン類の質量比は0.067であった。また、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする非重合体カテキン類の収率は71.9%、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする没食子酸の残存率は39.1%であった。本実施例の製造条件及び分析結果を表1に示す。
実施例2
20質量%エタノール水溶液を40質量%エタノール水溶液に換えたこと以外は、実施例1と同様の操作によりエタノール水溶液を含む緑茶抽出物を調製し、精製緑茶抽出物を97.7g得た。得られた精製緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.785質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が29質量%、没食子酸濃度が0.050質量%、没食子酸/非重合体カテキン類の質量比は0.063であった。また、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする非重合体カテキン類の収率は82.0%、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする没食子酸の残存率は42.5%であった。本実施例の製造条件及び分析結果を表1に示す。
実施例3
20質量%エタノール水溶液を60質量%エタノール水溶液に換えたこと以外は、実施例1と同様の操作によりエタノール水溶液を含む緑茶抽出物を調製し、精製緑茶抽出物を97.8g得た。得られた精製緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.800質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が30質量%、没食子酸濃度が0.047質量%、没食子酸/非重合体カテキン類の質量比は0.059であった。また、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする非重合体カテキン類の収率は84.3%、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする没食子酸の残存率は41.2%であった。本実施例の製造条件及び分析結果を表1に示す。
実施例4
20質量%エタノール水溶液を80質量%エタノール水溶液に換えたこと以外は、実施例1と同様の操作によりエタノール水溶液を含む緑茶抽出物を調製し、精製緑茶抽出物を97.9g得た。得られた精製緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.821質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が32質量%、没食子酸濃度が0.040質量%、没食子酸/非重合体カテキン類の質量比は0.049であった。また、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする非重合体カテキン類の収率は86.0%、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする没食子酸の残存率は33.9%であった。本実施例の製造条件及び分析結果を表1に示す。
比較例1
20質量%エタノール水溶液を水に換えて緑茶抽出物の水溶液を調製したこと以外は、実施例1と同様の操作により精製緑茶抽出物を97.6g得た。得られた精製緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.501質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が10質量%、没食子酸濃度が0.038質量%、没食子酸/非重合体カテキン類の質量比は0.076であった。また、緑茶抽出物の水溶液を基準とする非重合体カテキン類の収率は53.4%、緑茶抽出物の水溶液を基準とする没食子酸の残存率は32.8%であった。本比較例の製造条件及び分析結果を表1に示す。
比較例2
アスコルビン酸型陰イオン交換樹脂の使用量を緑茶抽出物の溶液100gに対して1gに変更したこと以外は、比較例1と同様の操作により緑茶抽出物の水溶液を調製し、精製緑茶抽出物を99.4g得た。得られた精製緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.793質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が31.4質量%、没食子酸濃度が0.087質量%、没食子酸/非重合体カテキン類の質量比は0.110であった。また、緑茶抽出物の水溶液を基準とする非重合体カテキン類の収率は84.4%、緑茶抽出物の水溶液を基準とする没食子酸の残存率は75.3%であった。本比較例の製造条件及び分析結果を表1に示す。
Figure 0005336340
実施例5
アスコルビン酸型陰イオン交換樹脂を、酢酸型陰イオン交換樹脂を2gに換えたこと以外は、実施例4と同様の操作によりエタノール水溶液を含む緑茶抽出物を調製し、精製緑茶抽出物を98.5g得た。得られた精製緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.690質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が31.6質量%、没食子酸濃度が0.014質量%、没食子酸/非重合体カテキン類の質量比は0.020であった。また、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする非重合体カテキン類の収率は79.3%、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする没食子酸の残存率は12.7%であった。本実施例の製造条件及び分析結果を表2に示す。
比較例3
80質量%エタノール水溶液を水に換えて緑茶抽出物の水溶液を調製したこと以外は、実施例5と同様の操作により精製緑茶抽出物を98.4g得た。得られた精製緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.685質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が23.0質量%、没食子酸濃度が0.060質量%、没食子酸/非重合体カテキン類の質量比は0.088であった。また、緑茶抽出物の水溶液を基準とする非重合体カテキン類の収率は77.3%、緑茶抽出物の水溶液を基準とする没食子酸の残存率は54.7%であった。本比較例の製造条件及び分析結果を表2に示す。
Figure 0005336340
実施例6
あらかじめタンナーゼ処理した緑茶抽出物の固形物(非重合体カテキン類濃度30質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率32質量%、没食子酸濃度3.7質量%)200gを、80質量%エタノール水溶液800gと十分混合し、析出物をろ紙で濾過した。次いで、濾液を、非重合体カテキン類濃度が0.9質量%になるように80質量%エタノール水溶液で濃度調整を行い、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を得た。エタノール水溶液を含む緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.921質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が32質量%、没食子酸濃度が0.097質量%であった。
製造例1で得られたアスコルビン酸型陰イオン交換樹脂を80質量%エタノール水溶液で洗浄した後、洗浄後の陰イオン交換樹脂32.4gをカラム(カラム容積40mL)に充填した。次いで、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物2600gを、25℃、流量10mL/min(SV=15/hr)でカラムに通液し、精製緑茶抽出物を2596g得た。得られた精製緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.913質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が32質量%、没食子酸濃度が0.061質量%、没食子酸/非重合体カテキン類の質量比は0.067であった。また、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする非重合体カテキン類の収率は99.0%、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする没食子酸の残存率は62.8%であった。本実施例の製造条件及び分析結果を表3に示す。
実施例7
実施例6と同様の操作により、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物2600gを得た後、これをアスコルビン酸型陰イオン交換樹脂が充填されたカラムに実施例6と同様の条件で通液した。次いで、得られた透過液を、活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)15.4gを充填したカラムに25℃にて通液して精製緑茶抽出物を2559g得た。得られた精製緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.819質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が31質量%、没食子酸濃度が0.060質量%、没食子酸/非重合体カテキン類の質量比は0.073であった。また、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする非重合体カテキン類の収率は87.6%、エタノール水溶液を含む緑茶抽出物を基準とする没食子酸の残存率は61.6%であった。本実施例の製造条件及び分析結果を表3に示す。
比較例4
80重量%エタノール水溶液を水に換えたこと以外は、実施例6と同様の操作により緑茶抽出物の水溶液を得た。得られた緑茶抽出物の水溶液は、非重合体カテキン類濃度が0.850質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が31質量%、没食子酸濃度が0.103質量%であった。
次いで、緑茶抽出物の水溶液を、アスコルビン酸型陰イオン交換樹脂が充填されたカラムに実施例6と同様の条件で通液して精製緑茶抽出物を3900g得た。得られた精製緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.731質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が31.0質量%、没食子酸濃度が0.064質量%、没食子酸/非重合体カテキン類の質量比は0.088であった。また、緑茶抽出物の水溶液を基準とする非重合体カテキン類の収率は86.0%、緑茶抽出物の水溶液を基準とする没食子酸の残存率は62.3%であった。本比較例の製造条件及び分析結果を表3に示す。
Figure 0005336340
表1から、茶抽出物を有機溶媒水溶液の存在下にアスコルビン酸型陰イオン交換樹脂に接触させることで、没食子酸を効率よく除去できるだけでなく、非重合体カテキン類を高収率で回収できることが確認された。また、得られた精製茶抽出物を非重合カテキン類濃度が一定になるように希釈したときに没食子酸濃度を低減することが可能になり、その結果没食子酸由来の酸味も同様に低減されることがわかった。
表1〜2から、陰イオン交換樹脂として、アスコルビン酸や酢酸などのpKaが4.16〜5である弱酸由来の陰イオン基に交換したものを使用することで、没食子酸を効率よく除去できるだけでなく、非重合体カテキン類を高収率で回収できることが確認された。
表3から、有機溶媒水溶液の存在下での陰イオン交換樹脂への接触はバッチ操作に限られることなく、カラム通液でも同様に、非重合体カテキン類を高収率で回収でき、没食子酸を効率よく除去できることが確認された。また、風味評価の結果より、没食子酸由来と考えられる、酸味も同様に低減可能であった。
また、有機溶媒水溶液の存在下での陰イオン交換樹脂への接触と活性炭への接触を組み合わせて茶抽出物を処理することで、エグ味がさらに効果的に低減されることが示された。得られた精製茶抽出物は没食子酸が低減され、風味評価の結果から、酸味、エグ味ともに改善されていることが確認された。

Claims (5)

  1. エタノール濃度が10〜95質量%であるエタノール水溶液を含む茶抽出物を、pKaが4.16〜8.55である有機酸由来の陰イオン基を有する陰イオン交換樹脂と接触させる、精製茶抽出物の製造方法。
  2. 茶抽出物がタンナーゼ処理されたものである、請求項1記載の精製茶抽出物の製造方法。
  3. 陰イオン交換樹脂と接触後の茶抽出物をさらに活性炭と接触させる、請求項1又は2記載の精製茶抽出物の製造方法。
  4. 茶抽出物が緑茶抽出物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の精製茶抽出物の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法により得られた精製茶抽出物。
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