JP3150384B2 - 車両用シャシー - Google Patents

車両用シャシー

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JP3150384B2
JP3150384B2 JP28811391A JP28811391A JP3150384B2 JP 3150384 B2 JP3150384 B2 JP 3150384B2 JP 28811391 A JP28811391 A JP 28811391A JP 28811391 A JP28811391 A JP 28811391A JP 3150384 B2 JP3150384 B2 JP 3150384B2
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正明 内山
洋一 久米村
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トキコ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制動時に車輪がロック
状態に陥るのを防止するためホイールブレーキ側のブレ
ーキ液圧を減圧させるアンチロックブレーキ装置と、車
体側と各車輪側との間に介装されたシリンダに圧力流体
を給排することにより車両の姿勢制御を行うサスペンシ
ョン装置とを有する車両用シャシーに関する。
【0002】
【従来の技術】制動時に車輪がロック状態に陥るのを防
止するためホイールブレーキ側のブレーキ液圧を減圧さ
せるアンチロックブレーキ装置と、車体側と各車輪側と
の間に介装されたシリンダに圧力流体を給排することに
より車両の姿勢制御を行うサスペンション装置とを有す
る車両用シャシーにおいて、従来、前記アンチロックブ
レーキ装置を作動させる場合、前記サスペンション装置
は、乗り心地の改善のための制御を含む車両の姿勢制御
を単に行うだけであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記構成の車
両用シャシーでは、アンチロックブレーキ装置の作動に
よって車輪のロック傾向から回復するために要する時間
が十分短いとは言えず、このロック傾向から回復するま
での時間は車輪と路面とが十分な摩擦力を得ず車両が不
安定な傾向を示す時間となってしまうため、この回復時
間のさらなる短縮を図る必要があった。
【0004】したがって、本発明の目的は、アンチロッ
クブレーキ装置の作動によってロック傾向から回復する
ための時間を十分に短縮することができ、車両が不安定
な傾向を示す時間を短縮することができる車両用シャシ
ーを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の車両用シャシーは、制動時に車輪がロック
状態に陥るのを防止するためにブレーキ液圧を制御する
アンチロックブレーキ装置と、車体側と各車輪側との間
に介装されたシリンダに圧力流体を給排することにより
車両の姿勢制御を行うサスペンション装置とを有するも
のであって、前記サスペンション装置は、前記アンチロ
ックブレーキ装置の作動時に、ブレーキ液圧が下降傾向
にある場合は前記シリンダの圧力を増加させる方向に圧
力流体の給排を補正し、さらに、ブレーキ液圧が上昇傾
向にある場合は前記シリンダの圧力を減少させる方向に
圧力流体の給排を補正することを特徴としている。
【0006】
【作用】本発明の車両用シャシーによれば、アンチロッ
クブレーキ装置の作動時においてブレーキ液圧が下降
向(すなわちロック傾向が高く車輪と路面とが十分な摩
擦力を得ていない状態)にある時に、このブレーキ液圧
下降傾向を検出するとサスペンション装置が車両の姿
勢制御とは別に車輪のシリンダの圧力を増加させること
になる。これにより、上記車輪の路面反力を増大させる
ことができ、車輪と路面との摩擦力を高めることにな
る。また、このようにして高められたサスペンション装
置のシリンダの圧力は、ブレーキ液圧の上昇傾向の検出
で減少させられることになる。
【0007】
【実施例】本発明の一実施例による車両用シャシーにつ
いて図面を参照して以下に説明する。
【0008】まず、図2を参照して本実施例の車両用シ
ャシーのアンチロックブレーキ装置の構成等について説
明する。なお、本実施例においては、その前輪片側のも
のの構成を主に図示説明するが、図示せぬ他の3つの車
輪側についてもコントローラ等が共通である以外ほぼ同
様の構成である。
【0009】図2中符号1はブレーキペダル2に連結
し、該ブレーキペダル2の入力等に応じて液圧を発生す
るマスタシリンダ、符号3はブレーキ液圧により車輪を
制動するホイールブレーキ(ディスクブレーキ)、符号
4は各車輪の回転情報を検出し信号として出力する車輪
速センサ、符号5は車輪速センサ4と接続し該車輪速セ
ンサ4から信号が入力されるコントローラ、符号6はマ
スタシリンダ1とホイールブレーキ3との間に設けられ
車輪速センサ4の情報に基づいて出されるコントローラ
5からの指令により液圧経路の切り換え等を行うモジュ
レータをそれぞれ示している。
【0010】上記マスタシリンダ1の吐出ポートと連通
する液圧経路は、7A,7Bの二系統あり、一方の経路
7Aはさらに二系統の分岐経路8a,8bに分岐点9で
分岐している(他方の経路7B側も図示せぬが同様であ
る)。そして、分岐経路8a,8bのうち一方の分岐経
路8aがホイールブレーキ3に接続している(他方の分
岐経路8bは上記ホイールブレーキ3に対し左右逆の図
示せぬ後輪側ホイールブレーキに接続している)。
【0011】分岐経路8aの途中には電磁常開弁10が
設けられており、電磁常開弁10とホイールブレーキ3
との間の分岐点11からは、さらに経路12aが分岐し
ている。また、分岐経路8aの分岐点11とホイールブ
レーキ3との間には、ホイールブレーキ3側のブレーキ
液圧を検出するブレーキ液圧センサ13が設けられてお
り、該ブレーキ液圧センサ13は、検出したブレーキ液
圧の情報を信号としてコントローラ5および後述のサス
ペンション装置の制御装置に出力するようになってい
る。一方、経路12aは合流点14でリア側の対応する
経路12bと合流しマスタシリンダ1と分岐点9との間
の経路7Aの合流点15に接続する経路16となってい
る。
【0012】ここで、上記経路12aの途中には電磁常
閉弁17が設けられており、また、経路16には、その
合流点14側に容量可変のリザーバ18が、その合流点
15側にモータ19の駆動でリザーバ18内のブレーキ
液を吸い込み合流点15側に向けて吐出するポンプ20
がそれぞれ設けられている。なお、上記電磁常開弁10
には、ブレーキ戻し時の残圧防止用の一方向弁21がバ
イパスして設けられており、この一方向弁21、上記し
た電磁常開弁10および電磁常閉弁17等がモジュレー
タ6を構成している。
【0013】そして、このモジュレータ6は、 (a)電磁常開弁10が励磁されず開いており、電磁常
閉弁17が励磁されず閉じている「増圧モード」(図示
状態) (b)電磁常開弁10が励磁されて閉じ、電磁常閉弁1
7が励磁されて開いている「減圧モード」 (c)電磁常開弁10が励磁されて閉じ、電磁常閉弁1
7が消磁されて閉じている「保持モード」 のいずれかに設定されて、ホイールブレーキ3と、マス
タシリンダ1との間の上記各液圧経路の連通を制御する
ようになっている。
【0014】また、上記したモジュレータ6の電磁常開
弁10および電磁常閉弁17と、車輪速センサ4はコン
トローラ5に通信可能に接続している。
【0015】次に、このコントローラ5によるアンチロ
ックブレーキ装置の制御内容等について図3に示すフロ
ーチャートを参照してステップ毎に説明する。
【0016】なお、モジュレータ6は通常のブレーキ時
(アンチロックブレーキ制御の非作動時)は、上記「増
圧モード」を選択するようになっている。すなわち、運
転者がブレーキをかけるべくブレーキペダル2を踏み込
んだ時は、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧が
経路7Aから分岐経路8aの開状態の電磁常開弁10を
介してホイールブレーキ3に伝達されるようになってい
る(このとき電磁常閉弁17は閉じられているので経路
12aを介して経路16側にブレーキ液が流れることは
ない)。
【0017】〔ステップA1〕運転者が車両エンジンを
始動すると、まずコントローラ5は、初期設定、すなわ
ち後述するアンチロックブレーキ制御作動時にセットさ
れるABSフラグのクリア(=0)等を行う。
【0018】〔ステップA2〕各車輪速センサ4からの
信号を入力し、この信号に基づき、各車輪の車輪周速R
ω、その微分値である加速度aを演算するとともに、減
速中の車輪周速Rωの変化曲線に基づいて設定された模
擬車速Vと前記車輪周速Rωとからスリップ率λを算出
する(λ=1−Rω/V)。 一方、アンチロックブレーキ制御の作動中に後述の〔ス
テップA5〕および〔ステップA6〕にてセットおよび
クリアされるABSフラグのセット状況を、後述するサ
スペンション装置の制御装置に向けて出力する。この送
信手段としては、シリアル通信、パラレル通信等を採用
することができるが、単純なポート間の電気的結線等で
も構わない。
【0019】〔ステップA3〕アンチロックブレーキ制
御を行う。その内容は以下の通りである。 (a)アンチロックブレーキ制御が行われていない場合
に、上記〔ステップA2〕にて演算された加速度aおよ
びスリップ率λに基づいてアンチロックブレーキ制御を
開始するか否かを判定する。この判定方式には通常の種
々の方式が適用できる。ここではその一例を示すが、こ
の方式は、あらかじめ設定され記憶されているしきい値
と比較する方式であり、この方式では、スリップ率λが
所定のしきい値を越えて増大しかつ加速度aが所定のし
きい値以下で減少傾向にある場合に車輪がロック傾向に
ありアンチロックブレーキ制御を開始すると判定するも
のである。そして、アンチロックブレーキ制御を開始す
ると判定した場合は、上記モジュレータ6の「減圧モー
ド」を選択実行するとともに、ポンプ20を駆動するこ
とになる。一方、開始しないと判定した場合はそのまま
〔ステップA4〕に進む。 (b)アンチロックブレーキ制御が行われている場合
に、上記〔ステップA2〕により演算された加速度aお
よびスリップ率λ等に基づいてアンチロックブレーキ制
御を終了するか否かの判定を行う。この判定方式には通
常の種々の方式を適用できる。ここではその一例を示す
が、この方式によれば、加速度aおよびスリップ率λを
あらかじめ設定され記憶されているしきい値と比較し、
スリップ率λが所定のしきい値以下に減少しかつ加速度
aが所定のしきい値以下で減少傾向にある状態がある一
定時間継続した場合に、ロック傾向が回避されたのでア
ンチロックブレーキ制御を終了すると判定する。そし
て、アンチロックブレーキ制御を終了すると判定した場
合は、上記モジュレータ6の「増圧モード」を選択実行
するとともに、ポンプ20の駆動を停止することにな
る。 (c)アンチロックブレーキ制御が行われていてしかも
終了しないと判定した場合は、上記〔ステップA2〕に
おいて演算された加速度aとスリップ率λ等に基づい
て、上記モジュレータ6の「増圧モード」「減圧モー
ド」「保持モード」のいずれかを選択実行する。なお、
これらのモードの切り換え方式としては、通常の種々の
方式が適用できることになる。ここではその一例を示す
が、この方式によれば、減圧中にスリップ率λが小さく
なったと判断される所定のしきい値以下でありかつ加速
度aが所定のしきい値を越えて加速傾向にあって所定量
ロック傾向が小さくなったと判断される場合「増圧モー
ド」を選択実行し、スリップ率λが所定のしきい値を越
えて増大しかつ加速度aが所定のしきい値以下で減少傾
向にあって車輪がロック傾向にあると判断される場合
「減圧モード」を選択実行し、より細かな制御を行うた
め極度にロック傾向が強くない場合に「増圧モード」と
「減圧モード」との境界部分で「保持モード」を選択実
行する。そして、ポンプ20を駆動することになる。
【0020】なお、上記選択された各モードの実行に応
じて、コントローラ5はモジュレータ6を切り換えるた
めの指令信号をモジュレータ6の電磁常開弁10および
電磁常閉弁17に出力する。これを受けてモジュレータ
6の電磁常開弁10および電磁常閉弁17は、適宜励磁
あるいは消磁されて以下に示すように切り換えられ、マ
スタシリンダ1とホイールブレーキ3との間の各液圧経
路を切り換えることになる。
【0021】「減圧モード」が選択された場合は、電磁
常開弁10が閉じられることによりマスタシリンダ1と
ホイールブレーキ3との間の連通が遮断されるととも
に、電磁常閉弁17が開かれることによりホイールブレ
ーキ3側のブレーキ液がリザーバ18に流れ込むことに
なり、これによってホイールブレーキ3の側ブレーキ液
圧が減圧されることになる。
【0022】「保持モード」が選択された場合は、電磁
常開弁10が閉じられることによりマスタシリンダ1と
ホイールブレーキ3との間の連通が遮断されるととも
に、電磁常閉弁17も閉じられることによりリザーバ1
8へのブレーキ液の流入もなくなり、これによってホイ
ールブレーキ3側のブレーキ液圧が一定に保持されるこ
とになる。
【0023】「増圧モード」が選択された場合は、電磁
常開弁10が開かれることによりマスタシリンダ1とホ
イールブレーキ3との間が連通するとともに、電磁常閉
弁17が閉じられることによりホイールブレーキ3側の
ブレーキ液がリザーバ18に流れ込むことがなくなる。
そして、この状態で、リザーバ18内に流入していたブ
レーキ液をポンプ20で吸入しマスタシリンダ1側に向
けて吐出する。すると、減圧によりホイールブレーキ3
側の液圧はマスタシリンダ1側の液圧より低くなってい
るため、これらの液圧差によりマスタシリンダ1側から
ホイールブレーキ3に向けてブレーキ液が流れることに
なり、これによってホイールブレーキ3側のブレーキ液
圧が増圧されることになる。
【0024】〔ステップA4〕アンチロックブレーキ制
御が作動中であるか否かを判定する。そして、作動中で
あれば次の〔ステップA5〕に進み、非作動中であれば
後述の〔ステップA6〕に進む。
【0025】〔ステップA5〕ABSフラグをセット
(=1)し、上記〔ステップA2〕に進む。
【0026】〔ステップA6〕ABSフラグをクリア
(=0)し、上記〔ステップA2〕に進む。
【0027】次に、本実施例のサスペンション装置につ
いてその構成を図4を参照して説明する。なお、本実施
例においては、その一つの車輪側の構成を例にとり図示
説明するが、他の車輪側の構成も制御装置等が共通であ
る以外はほぼ同様の構成である。
【0028】図4中符号22は車体、符号23は車体2
2と車輪24の車軸25との間に介装された車高調整用
のシリンダをそれぞれ示しており、シリンダ23は、絞
り26を介してガスばねとしてのアキュムレータ27に
連通している。
【0029】また、シリンダ23は、油液からなる圧力
流体の給排を行う給排手段28に接続されており、この
給排手段28は、圧力流体を貯めるリザーバタンク29
と、このリザーバタンク29内の圧力流体を吸入し吐出
するポンプ30と、このポンプ30から圧送された圧力
流体を一定圧力で保持するアキュムレータ31と、シリ
ンダ23とポンプ30との接続経路途中に配設された比
例流量制御弁32とから主に構成されている。なお、こ
の給排手段28には、アキュムレータ31の圧力が常に
一定になるようにポンプ30の動作を制御する制御手段
(図示せず)が設けられている。
【0030】車体22と車軸25との間には車高センサ
33が設けられており、この車高センサ33は車体22
と車輪24との相対変位から車輪24の位置における車
高を検出している。また、シリンダ23と上記比例流量
制御弁32との接続経路途中には図示せぬ圧力センサが
接続されていて、シリンダ23内の圧力流体の圧力を検
出している。そして、車体22には、旋回時等に生じる
左右方向の加速度を検出する加速度センサ35が設けら
れている。
【0031】なお、上記比例流量制御弁32は、制御装
置36からの指令により以下の三つのモードの切り換え
を行うようになっている。 (a)シリンダ23と給排手段28のホンプ30の吐出
側とを連通させるとともにシリンダ23と給排手段28
のリザーバタンク29との連通を遮断する「給油モー
ド」 (b)シリンダ23と給排手段28のホンプ30の吐出
側との連通を遮断するとともにシリンダ23と給排手段
28のリザーバタンク29との連通を遮断する「保持モ
ード」(図示状態) (c)シリンダ23と給排手段28のホンプ30の吐出
側との連通を遮断するとともにシリンダ23と給排手段
28のリザーバタンク29とを連通させる「排油モー
ド」
【0032】車高センサ33、図示せぬ圧力センサ、加
速度センサ35およびブレーキ液圧センサ13により検
出された情報と、アンチロックブレーキ装置のコントロ
ーラ5からの情報は、制御装置36に送信される。
【0033】次いで、アンチロックブレーキ装置の制御
作動時におけるサスペンション装置の制御装置36によ
る制御内容等について、図1に示すフローチャートを参
照してステップ毎に説明する。なお、サスペンション装
置単独での車高制御等については、通常のものが適用さ
れることになる。
【0034】〔ステップB1〕運転者がエンジンを始動
すると、まず制御装置36は、初期設定すなわち使用R
AMのクリア、内部定数の設定を行う。
【0035】〔ステップB2〕車高センサ33および加
速度センサ35からの信号と、ブレーキ液圧センサ13
からのホイールブレーキ3側のブレーキ液圧の信号と、
アンチロックブレーキ装置のコントローラ5から出力さ
れたABSフラグのセット状況を示す信号とを入力す
る。前制御サイクルにて演算された給排油指示量P
SL(給排油指示量PSLの変更があった場合には、変更後
の給排油指示量PSL)にしたがって制御電流を比例流量
制御弁32に流し、これを適宜作動させてシリンダ23
に給排油しその圧力を制御する。
【0036】〔ステップB3〕〔ステップB2〕にて入
力した車高センサ33および加速度センサ35からの信
号に基づいて、通常の車両姿勢制御を行うためシリンダ
23に対する圧力流体の今制御サイクルの給排油指示量
SLを演算する。この演算方法は、通常採用されている
種々の方法が適用できる。ここで、この給排油指示量と
は、そのときのシリンダ23内にある圧力流体の量に関
係なく圧力流体を給排油するための指示量すなわち1制
御サイクル毎の給排油量を決めるものであり、+は給
油、−は排油を表し、0のときはその状態を維持するこ
とになる。なお、この給排油指示量PSLは、後述する
〔ステップB4〕でアンチロックブレーキ制御作動にと
もなう給排油指示量PSLのフィードバックを行うと判定
された場合には、その後の〔ステップB5〕〜〔ステッ
プB7〕で演算されたフィードバック量にしたがって変
更された給排油指示量PSLとなる。
【0037】〔ステップB4〕上記〔ステップB2〕で
入力された信号から、アンチロックブレーキ制御装置の
作動状態を示すABSフラグがセットされているか否か
を判定する。そして、セットされていれば次の〔ステッ
プB5〕に進み、セットされていなければ後述の〔ステ
ップB8〕に進む。
【0038】〔ステップB5〕ブレーキ液圧センサ13
の信号から現在のブレーキ液圧Pb0を読み取り、後述
の〔ステップB8〕にて記憶された1制御サイクル前の
ブレーキ液圧Pb1を呼び出して、これらのブレーキ液
圧差ΔPb(ΔPb=Pb0−Pb1)を演算する。
【0039】〔ステップB6〕上記ブレーキ液圧差ΔP
bに所定のゲインKをかけ、給排油指示量の補正値ΔP
SLを演算する(ΔPSL=K×ΔPb)。
【0040】〔ステップB7〕上記〔ステップB3〕に
て演算された通常の車両の姿勢制御を行うための給排油
指示量PSLから給排油指示量の補正値ΔPSLを引いて変
更し、これを新たな給排油指示量PSLとする(PSL=P
SL−ΔPSL=PSL−K×ΔPb)。なお、ホイールブレ
ーキ3側のブレーキ液圧が減圧傾向にあるときに、上記
ブレーキ液圧差ΔPbは負の値となり、このΔPbにゲ
インK(正の値)をかけた補正値PSL(負の値)を引い
た新たな給排油指示量PSLは、引く前の給排油指示量P
SLより大きくなる。すなわち、ブレーキ液圧の減圧に応
じて、シリンダ23に通常より補正値に応じた分多く給
油するよう指示するのである。一方、ホイールブレーキ
3側のブレーキ液圧が増圧傾向にあるときは、補正値P
SLは正の値となるためこれを引いた新たな給排油指示量
SLは引く前の給排油指示量PSLより小さくなる。すな
わち、ブレーキ液圧の増圧に応じて、シリンダ23から
補正値に応じた分排油するよう指示するのである。(い
わゆるネガティブフィードバック)
【0041】〔ステップB8〕上記〔ステップB4〕で
ABSフラグがセットされていないと判定された場合お
よび同〔ステップB4〕でABSフラグがセットされて
いると判定され〔ステップB5〕〜〔ステップB7〕で
給排油指示量PSLの変更が行われた場合に、この〔ステ
ップB8〕でその制御サイクル中に検出されたブレーキ
液圧Pb0を、Pb1として記憶する。そして、上記〔ス
テップB2〕に進む。
【0042】次に、上記構成の車両用シャシーによるア
ンチロックブレーキ制御時におけるサスペンション装置
の作動等について図5(a)〜(d)の作動線図を主に
参照して説明する。
【0043】まず、車両走行中、運転者がブレーキをか
ける(この時点を図5(a)〜(d)にt1で示す)
と、ホイールブレーキ3側のブレーキ液圧が増圧されて
車体速度(図5(a)に破線で示す)が低下することに
なる。そして、アンチロックブレーキ装置は、車輪速セ
ンサ4で検出した情報をコントローラ5に送り、コント
ローラ5ではこの情報から上記した演算を行うことにな
る。
【0044】一方、サスペンション装置は、ブレーキが
かけられた時点で、ノーズダイブ等を防止するべく通常
の車両の姿勢制御を行うことになる。すなわち、車高セ
ンサ33および加速度センサ35により検出された情報
が制御装置36に送られ、これらの情報に基づいて給排
油指示量PSLを演算し、対応する比例流量制御弁32を
適宜作動させてシリンダ23に圧力流体を給排油しその
圧力を制御する。ここで、図示例ではブレーキング開始
初期の通常の車両の姿勢制御のため給排油指示量PSL
負の値としシリンダ23の圧力を低下させている。(図
5(a)〜(d)のt1からt2まで)。なお、図5
(d)のPC0は、車両の姿勢制御をも行わない場合、例
えば車両の停車時等のシリンダ23の圧力を示してい
る。
【0045】そして、例えば路面37と車輪24との摩
擦係数が低かったりハードブレーキングであったり等の
理由でスリップ傾向すなわち車両の車体速度よりも車輪
速度(図5(a)においては車輪速度を実線で示す)の
方が低い傾向が強くなり、アンチロックブレーキ装置が
上記演算結果からアンチロックブレーキ制御を開始する
と判定すると、コントローラ5は上記モジュレータ6の
「減圧モード」を選択実行しホイールブレーキ3側のブ
レーキ液圧の減圧を開始する。またコントローラ5は、
このブレーキ液圧の減圧開始と同時に、ABSフラグを
セットしその情報をサスペンション装置の制御装置36
に出力する(この時点を図5(a)〜(d)にt2で示
す)。
【0046】上記ABSフラグのセット情報を確認する
とサスペンション装置は、通常の車両の姿勢制御を行う
給排油指示量PSLを、アンチロックブレーキ制御にとも
なう補正値に応じて変更する。すなわち、ブレーキ液圧
の減圧が開始されると(図5(a)〜(d)に示すt2
時点)、ブレーキ液圧センサ13で検出したブレーキ液
圧からこの減圧の大きさ(上記ブレーキ液圧差ΔPb
(負の値))を演算しこの減圧の大きさに応じた上記補
正値ΔPSL(負の値)を通常の車両の姿勢制御のための
給排油指示量PSLから減算すなわち|ΔPSL|を加算し
てこれを新たな給排油指示量PSLとするのである。そし
て、この|ΔPSL|の加算は、ブレーキ液圧の減圧傾向
が持続する限り(図5(a)〜(d)に示すt2からt3
まで)繰り返し行われ、これによりサスペンション装置
のシリンダ23の圧力は通常の車両の姿勢制御の圧力よ
り高められることになる。
【0047】そして、車輪24がロック傾向から所定量
回復すると、アンチロックブレーキ装置は、上記モジュ
レータ6のモードを「増圧モード」に切り換えるととも
にポンプ20を駆動することによってホイールブレーキ
3側のブレーキ液圧を増圧することになる(図5(a)
〜(d)に示すt3からt4まで)。そして、このブレー
キ液圧が増圧傾向に移行すると、サスペンション装置
は、このブレーキ液圧の増圧の大きさに応じて通常の車
両の姿勢制御を行う給排油指示量PSLを補正変更する。
すなわち、ブレーキ液圧の増圧が始ると(図5(a)〜
(d)に示すt3時点)、ブレーキ液圧センサ13で検
出したブレーキ液圧からこの増圧の大きさ(ブレーキ液
圧差ΔPb(正の値))を演算しこの増圧の大きさに応
じた補正値ΔPSL(正の値)を通常の車両の姿勢制御の
ための給排油指示量PSLから引いてこれを新たな給排油
指示量PSLとするのである。そして、この減算を、ブレ
ーキ液圧の増圧傾向が持続する限り繰り返し行うことに
なり、これによりサスペンション装置のシリンダ23の
圧力は通常の車両の姿勢制御の圧力に戻るべく減圧され
ることになる。
【0048】そして、このサスペンション装置のシリン
ダ23の増減圧をアンチロックブレーキ装置が作動を終
了するまで適宜繰り返すことになる。なお、アンチロッ
クブレーキ装置がさらに詳細な制御を行うため「減圧モ
ード」と「増圧モード」との間に「保持モード」を選択
した場合には、ホイールブレーキ3側のブレーキ液圧Δ
Pbの変化がなくなることになるため、サスペンション
装置の給排油指示量PSLも通常の車両の姿勢制御による
ものとなる。
【0049】このようにして、本実施例の車両用シャシ
ーは、アンチロックブレーキ装置の作動によるホイール
ブレーキ3側のブレーキ液圧が減圧傾向(すなわちロッ
ク傾向が高く車輪24と路面37とが十分な摩擦力を得
ていない状態)にある時に、サスペンション装置のシリ
ンダ23の圧力を高めて路面反力を増大させ、車輪24
と路面37との摩擦力を高めることになって、このスリ
ップ傾向からの回復を即座に行うことができる。
【0050】また、このようにして高められたサスペン
ション装置のシリンダ23の圧力は、ホイールブレーキ
3側のブレーキ液圧が増圧傾向(すなわちロック傾向か
らある程度回復し車輪24と路面37とが十分な摩擦力
を得ている状態)の時に、通常の車両の姿勢制御による
シリンダ圧に戻るべく減圧されることになり、しかも、
アンチロックブレーキ装置の制御により緩慢に増圧され
るホイールブレーキ3側のブレーキ液圧に応じて緩慢に
減圧されることになるため、車輪24と路面37との間
の摩擦力に影響を与えることがなく、車両が不安定な状
態に陥ることもない。
【0051】なお、アンチロックブレーキ制御にともな
うサスペンション装置のシリンダ圧の上昇および下降の
大きさは、上述したように、ブレーキ液圧の減圧および
減圧の大きさに応じて適宜変更制御されるようになって
いるため、運転者に不自然な印象を抱かせることがな
い。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車両用シ
ャシーによれば、アンチロックブレーキ装置の作動時に
おいてブレーキ液圧が下降傾向(すなわちロック傾向が
高く車輪と路面とが十分な摩擦力を得ていない状態)に
ある時に、このブレーキ液圧の下降傾向を検出するとサ
スペンション装置が車両の姿勢制御とは別に車輪のシリ
ンダの圧力を増加させることになる。これにより、上記
車輪の路面反力を増大させることができ、車輪と路面と
の摩擦力を高めることになる。したがって、アンチロッ
クブレーキ装置の作動によるロック傾向からの回復時間
を十分に短縮することができ、車両が不安定な傾向を示
す時間を短縮することができるため、アンチロックブレ
ーキ装置単独では不可能であった装置の性能および安全
性の飛躍的な向上を実現でき、路面摩擦係数の低い状況
においてもさらに安定したアンチロックブレーキ性能を
示すことになる。また、このようにして高められたサス
ペンション装置のシリンダの圧力は、ブレーキ液圧の上
昇傾向の検出で減少させられることになる。したがっ
て、上記制御に起因して車両が不安定な状態に陥ること
もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による車両用シャシーのサス
ペンション装置のアンチロックブレーキ制御の作動にと
もなう制御内容を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例による車両用シャシーのアン
チロックブレーキ装置を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施例による車両用シャシーのアン
チロックブレーキ装置の制御内容を示すフローチャート
である。
【図4】本発明の一実施例による車両用シャシーのサス
ペンション装置を示す構成図である
【図5】本発明の一実施例による車両用シャシーのアン
チロックブレーキ制御の作動時におけるアンチロックブ
レーキ装置およびサスペンション装置等の作動線図であ
って、(a)は車体速度と車輪速度との関係(縦軸=速
度,横軸=時間)、(b)はホイールブレーキのブレー
キ液圧(縦軸=液圧,横軸=時間)、(c)は給排油指
示量(縦軸=給排油指示量,横軸=時間)、(d)はシ
リンダの圧力(縦軸=圧力,横軸=時間)をそれぞれ示
している。
【符号の説明】
3 ホイールブレーキ 13 ブレーキ液圧センサ 22 車体 23 シリンダ 24 車輪 36 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動時に車輪がロック状態に陥るのを防
    止するためにブレーキ液圧を制御するアンチロックブレ
    ーキ装置と、車体側と各車輪側との間に介装されたシリ
    ンダに圧力流体を給排することにより車両の姿勢制御を
    行うサスペンション装置とを有する車両用シャシーにお
    いて、 前記サスペンション装置は、前記アンチロックブレーキ
    装置の作動時に、ブレーキ液圧が下降傾向にある場合は
    前記シリンダの圧力を増加させる方向に圧力流体の給排
    を補正し、さらに、ブレーキ液圧が上昇傾向にある場合
    は前記シリンダの圧力を減少させる方向に圧力流体の給
    排を補正することを特徴とする車両用シャシー。
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