JP3149892B2 - ブレーキ倍力装置のリアクションディスク - Google Patents
ブレーキ倍力装置のリアクションディスクInfo
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Description
られているリアクションディスクに関し、より詳しく
は、リアクションディスクの外周に設けられるエア抜き
部の改良に関する。
ションディスクをプッシュロッドの基部に形成した凹部
に挿入して該リアクションディスクのフロント側端面を
プッシュロッドの凹部内壁面に対向させるとともに、該
リアクションディスクのリヤ側端面を弁プランジャおよ
びバルブボデイに対向させたものが知られている。この
リアクションディスクでは、該リアクションディスクを
上記プッシュロッドの凹部に挿入する際に、該リアクシ
ョンディスクと上記凹部内壁面との間に封入される空気
を外部に逃がすために、上記リアクションディスクの外
周面にその軸方向に沿ってエア抜き用の連通溝を設けて
いる。ところで、リアクションディスクを加硫によって
製造するための成形型は上型と下型とを備えており、そ
れら上型と下型とのそれぞれに多数の円柱状凹部を形成
して各凹部をそれぞれリアクションディスクを製造する
ための成形空間とし、かつ各凹部の周囲に各リアクショ
ンディスクを分離するためのリング状の凹部を形成して
いる。上記上型と下型とのそれぞれに形成した円柱状凹
部の深さは通常同一としてあり、したがって上型と下型
とのパーティング部は、リアクションディスクの軸方向
の中間高さ位置となる。上記構成を有する成形型に材料
を充填して加硫した後、該成形型を分離して多数のリア
クションディスクを取り出した状態では、それぞれ円柱
状のリアクションディスクの外周部に上記リング状の凹
部によるリング状の厚肉部が形成され、かつ各厚肉部は
上型と下型とのパーティング部に形成される薄肉部によ
って相互に一体に連結されている。したがって、上記成
形型から相互に接続された多数のリアクションディスク
を取り出した後、上記厚肉部から各リアクションディス
クを分離することによって、リアクションディスクを完
成することができる。
スクの外周に設けたリング状の厚肉部は、上記薄肉部を
介して相互に一体に連続されたリアクションディスクを
その薄肉部から容易に分離し、かつリアクションディス
クの外周面に無用な薄肉部が残らないようにするために
設けられている。しかしながら、リング状の厚肉部とリ
アクションディスクの外周との連続部は両者を容易に分
離するために薄肉とする必要があるので、肉厚部とリア
クションディスクとを分離した際には、リアクションデ
ィスクの外周面に上記連続部である微少高さの薄肉のバ
リが残存するようになる。このバリの最大高さは、上記
肉厚部の内周面とリアクションディスクの外周面との間
隔に一致し、かつその間隔は微少に設定されているの
で、一般的にはリアクションディスクの外周面にバリが
存在していても問題となることはない。しかしながら、
上述したように外周面にその軸方向に沿ってエア抜き用
の連通溝を設けたリアクションディスクにおいては、上
記連通溝内にバリが残存すると該連通溝がバリによって
塞がれることがある。そして上記エア抜き用の連通溝が
バリにより塞がれると、上記プッシュロッドの凹部内壁
面とリアクションディスクとの間に空気が封入されてブ
レーキフィーリングを悪化させる虞がある。このような
問題を解決するには上記エア抜き用の連通溝内のバリ取
りを行なえばよいが、そのような作業は煩雑であり、コ
スト高になる。
に鑑み、リアクションディスクの外周面円周方向にバリ
が形成され、かつ上記リアクションディスクの外周面に
その軸方向にエア抜き部が形成されているブレーキ倍力
装置のリアクションディスクにおいて、上記リアクショ
ンディスクの外周面に、該リアクションディスクの半径
方向外方に突出し、かつ円周方向に不連続な膨出部を形
成するとともに、この膨出部の膨出高さを上記バリの高
さより大きく設定して、上記不連続な膨出部の円周方向
の間を上記エア抜き部としたものである。
クションディスクをプッシュロッドの凹部に挿入した際
には、上記膨出部が凹部の内周面に圧着されるようにな
るが、該膨出部は円周方向に不連続となっているので、
その不連続な部分に軸方向に沿うエア抜き通路を形成す
ることができる。そしてこれと同時に、上記膨出部の膨
出高さを上記バリの高さより大きく設定しているので、
該膨出部により上記バリが凹部の内周面に圧着されるの
を防止することができ、したがってリアクションディス
クにバリがあっても、バリによってエア抜き通路が遮断
されるのを防止することができる。 したがって上記構成
によれば、リアクションディスク成形後のバリ取り作業
が不要となるため、コストを低減することができる。
と、図1ないし図3において、プッシュロッド1の基部
に凹部2が形成されており、この凹部2内にリアクショ
ンディスク3が挿入されてその右端面が凹部2の内壁面
に対向するようになっている。上記リアクションディス
ク3の左端面は図示しないブレーキ倍力装置のバルブボ
デイおよび弁プランジャに対向し、またプッシュロッド
1の先端部はブレーキ倍力装置のシェルを摺動自在に貫
通してマスターシリンダのピストンに連動するようにな
っている。上記リアクションディスク3の外径は上記凹
部2の内径に対して僅かに小さく設定してあり、かつ該
リアクションディスク3の外周面にその円周方向に連続
するリング状の膨出部4を形成し、この膨出部4の外径
は上記凹部2の内径よりも大きく設定している。上記膨
出部4はリアクションディスク3の外周面の軸方向中央
位置に形成してあり、さらにこの膨出部4に、その円周
方向等間隔位置の3か所に軸方向に沿う連通溝5を形成
することにより、膨出部4が円周方向に連続することが
ないようにしている。また上記膨出部4を避けた位置
に、すなわちリアクションディスク3の外周面の軸方向
の中央位置からずれた位置に、該リアクションディスク
3を製造する際のバリ6が円周方向に形成されている。
つまり本実施例のリアクションディスク3を製造する成
形型は、その上型に形成する円筒状凹部の深さと下型に
形成する円筒状凹部との深さとを異ならせている。そし
て図3に示すように、上記膨出部4のリアクションディ
スク3の外周面からの膨出高さL1は上記バリ6の高さ
L2に比べて高く設定してあり、かつ上記連通溝5の底
面における高さL3もバリ6の高さL2よりも高く設定
している。以上の構成において、上記プッシュロッド1
の凹部2内に上記リアクションディスク3を圧入する
と、該リアクションディスク3は、上記凹部2の内径よ
りも大径となっている膨出部4がリアクションディスク
3の半径方向内方に圧縮変形されながら上記凹部2内に
挿入されるようになる。上記リアクションディスク3が
凹部2内に圧入された状態では、上記膨出部4の膨出高
さL1を上記バリ6の高さL2より大きく設定している
ので、該膨出部4により上記バリ6の外周面が凹部2の
内周面に圧着されるのを防止することができる。したが
って上記リアクションディスク3を凹部2内に圧入する
際には、リアクションディスク3の右端面と凹部2の内
壁端面との間のエアは、リアクションディスク3の外周
面と凹部2の内周面との間の間隙、バリ6の外周面と凹
部2の内周面との間の間隙、膨出部4に形成した連通溝
5およびリアクションディスク3の外周面と凹部2の内
周面との間の間隙を介して外部に逃げることができるの
で、リアクションディスク3の右端面と凹部2の内壁端
面との間にエアが残存することがない。
例を示したもので、上記第1実施例が膨出部4の断面形
状を概略半球形状としているのに対し、本実施例では膨
出部14の形状を、リアクションディスク13の軸方向
の両末端位置から該リアクションディスク13の軸方向
中央部に向かうに従って高くなるように、山形に形成し
ている。そして上記膨出部14の円周方向等間隔位置3
か所に連通溝15を形成し、またバリ16はその連通溝
15よりも外側の位置に、つまりリアクションディスク
13の軸方向中央からずれた位置に形成してある。さら
に、上記バリ16の内周側端部を基準として、上記膨出
部14の膨出高さL1をバリ16の高さL2に比べて大
きく設定し、かつ上記連通溝5の底面における高さL3
もバリ6の高さL2よりも大きく設定している。それ以
外の構成は第1実施例と同様に構成してあり、したがっ
て第1実施例と同様の結果が得られることは明らかであ
る。
ると、本実施例では図6ないし図8に示すように、リア
クションディスク23の外周面軸方向中央位置に、その
円周方向の3か所に、それぞれ一定の間隔をあけて半球
状の膨出部24を形成している。また上記膨出部24を
避けて、上記リアクションディスク23の外周面円周方
向にバリ26が形成されており、さらに上記膨出部24
の膨出高さL1を上記バリ26の高さL2よりも高く設
定している。本実施例においても、上記膨出部24がバ
リ26の外周面と上記凹部2の内壁面との圧着を防止す
るので、リアクションディスク23の端面と凹部2の内
壁端面との間のエアを、リアクションディスク23の外
周面と凹部2の内周面との間の間隙、およびバリ26の
外周面と凹部2の内周面との間の間隙を介して外部に逃
がすことができる。なお、上記第1実施例から第3実施
例では、いずれもリアクションディスクの軸方向中央位
置に膨出部を形成し、該リアクションディスクの軸方向
中央位置からずれた位置にバリを形成するようになって
いるが、これとは逆に、リアクションディスクの軸方向
中央位置にバリを形成し、該リアクションディスクの軸
方向中央位置からずれた位置に膨出部を形成してもよい
ことは勿論である。
ると、図9および図10において、本実施例では上記第
3実施例と同様に半球状の膨出部34を、リアクション
ディスク33の外周面の円周方向3か所に一定の間隔を
開けて、かつ軸方向中央位置にそれぞれ形成している。
しかしながら本実施例では上記第3実施例とは異なり、
バリ36は軸方向中央位置に形成してあり、したがって
該バリ36はそれぞれの膨出部34の上に形成されてい
る。本実施例では、上記バリ36の外径は、膨出部34
の上に形成された部分を除いて上記凹部2の内径に対し
て僅かに小さく設定してあり、かつ膨出部34の膨出高
さL1を上記バリ36の高さL2よりも大きく設定し
て、各膨出部34の頂部の外径を凹部2の内径よりも大
きく設定している。上記構成を有する本実施例では、上
記プッシュロッド1の凹部2内にリアクションディスク
33を圧入する際には、各膨出部34および各膨出部3
4上に形成されたバリ36が圧縮変形されるが、上記バ
リ36の外径は各膨出部34上に形成された部分を除い
て上記凹部2の内径に対して僅かに小さく設定してある
ので、バリ36の外周面と凹部2の内周面との間に間隙
を確保することができる。したがって本実施例でも、確
実にエア抜きを行なうことができる。
本発明の第5実施例を示したもので、第4実施例では膨
出部34を半球状に形成しているのに対し、本実施例で
は膨出部44をリアクションディスク43の軸方向に沿
ってその一端から他端部にかけて形成している。またバ
リ46は第4実施例と同様に、リアクションディスク4
3の軸方向中央位置に形成してあり、したがって該バリ
46はそれぞれの膨出部34の上に形成されている。そ
の他の構成は第4実施例と同一であり、したがって本実
施例においても確実にエア抜きを行なうことができる。
アクションディスクの外周面円周方向に形成されるバリ
により上記リアクションディスクに設けたエア抜き用の
通路が塞がれることがなく、したがってリアクションデ
ィスク成形後のバリ取り作業が不要となるので、その分
コストを低減するという効果が得られる。
スク 4、14、24、34、44…膨出部 6、16、26、36、46、56…バリ 57…連通溝
Claims (3)
- 【請求項1】 リアクションディスクの外周面円周方向
にバリが形成され、かつ上記リアクションディスクの外
周面にその軸方向にエア抜き部が形成されているブレー
キ倍力装置のリアクションディスクにおいて、 上記リアクションディスクの外周面に、該リアクション
ディスクの半径方向外方に突出し、かつ円周方向に不連
続な膨出部を形成するとともに、この膨出部の膨出高さ
を上記バリの高さより大きく設定して、上記不連続な膨
出部の円周方向の間を上記エア抜き部としたことを特徴
とするブレーキ倍力装置のリアクションディスク。 - 【請求項2】 上記不連続な膨出部は、円周方向に連続
したリング状の膨出部に、軸方向に沿う連通溝を複数形
成することにより形成し、かつ各連通溝を上記エア抜き
部としてあることを特徴とする請求項1に記載のブレー
キ倍力装置のリアクションディスク。 - 【請求項3】 上記膨出部は、上記リアクションディス
クの外周面の円周方向複数箇所に設けた突起からなって
いることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ倍力装
置のリアクションディスク。
Priority Applications (5)
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US08/080,752 US5345855A (en) | 1992-07-17 | 1993-06-22 | Reaction disc for a brake booster |
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