JP3145531B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JP3145531B2
JP3145531B2 JP4775093A JP4775093A JP3145531B2 JP 3145531 B2 JP3145531 B2 JP 3145531B2 JP 4775093 A JP4775093 A JP 4775093A JP 4775093 A JP4775093 A JP 4775093A JP 3145531 B2 JP3145531 B2 JP 3145531B2
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  • Feedback Control In General (AREA)
  • Steering Controls (AREA)
  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の運動特性をドラ
イバーの心理状態に応じて変化させる制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の運動特性を車両の走行
環境に応じて変化させることにより、車両の運動特性を
ドライバーの要求に合致したものに変更制御しようとす
るものが提案されている。このような車両の制御装置と
して、道路状況に応じてスロットルゲインを変化させる
ものが提案されている(例えば、特開平2−24193
5号公報参照)。この制御装置は、道路状況を市街地
路、高速道路、登坂道路および渋滞道路に分類して、各
種道路状況に応じて定めたスロットル開度をスロットル
開度特性記憶手段に予め記憶させ、道路状況設定手段に
予め設定した上記道路状況の中から特定の道路状況を選
択指定することにより、その選択指定ごとにスロットル
開度を変更しようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、自動車の走行
環境は、上記の各種道路状況だけで定まるものではな
く、同じ道路状況であってもその時の交通流の状態によ
っても種々変化する。このため、各種道路状況によって
のみ車両を制御しても、車両の運動特性に実際の走行環
境を必ずしも反映させることはできない。その上、上記
走行環境に対してドライバーの望む車両の運動特性、す
なわち、ドライバーの要求は、走行環境の状態のみなら
ず、その時の走行環境下で運転操作するドライバーの緊
張度合いなどで表される心理状態によっても変化する。
そして、この心理状態はドライバーの主として運転習熟
度合いなどの相違に起因してドライバー各人で相違す
る。従って、たとえ走行環境の把握を各種センサなどを
用いて行ったとしても、それら車両や道路の側からのみ
の検出情報によって車両の運動特性を画一的に制御する
だけでは、ドライバーの内面的要求と必ずしも合致せ
ず、個々のドライバー各人にとって、車両の運動特性を
必ずしも実際の走行環境に適応したものとすることがで
きない。
【0004】このため、実際の走行環境における生体で
あるドライバーの要求を検出し、このような要求に応じ
て車両の運動特性を変化させることが考えられるが、そ
のようなドライバーの要求、すなわち、ドライバーの心
理状態を表す生体信号を検出し、これを制御用コンピュ
ータに入力することは困難であり、従来、実現されては
いない。
【0005】ところで、上記ドライバーの心理状態を表
す生体信号の一つとして心拍数があり、この心拍数を用
いてドライバーの要求を検出することが考えられる。こ
の場合、走行の度にドライバーに心拍数検出のための計
測機器を装着させるのはドライバーに過度の負担となり
非現実的であり、採用することはできない。このため、
走行中、生体であるドライバーと直接接触するステアリ
ングホイールを電極としてドライバーの手の掌から心電
位を検出し、この心電位の時間的変化である心電図(心
電位の波形;図5参照)より心拍信号としてR波を取り
出して心拍数を計測することが考えられる。すなわち、
1分間に出現するR波の回数を心拍数とするものであ
る。
【0006】しかしながら、ドライバーの手とステアリ
ングホイールとは常に接触し続けているのではなく、転
舵操作などのためにステアリングホイールとの接触が一
時的にとぎれることがあり、このため、上記検出した心
電図においてR波が一時的にとぎれることがある。この
ようなとぎれを含んだ情報により心拍数の計測を行うと
正確な実際心拍数の計測が困難となる。その上、上記心
電位は微弱な生体信号である上、ノイズにより乱れが生
じ易く、このため、R波の誤検出が生じ易く、上記とぎ
れの場合と同様、正確な実際心拍数の計測が困難とな
る。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、ドライ
バーの心拍変動の最大変化速度には上限があり所定値以
下の範囲にあるという実験結果に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、ドライバーから心拍
信号を取り出して走行中のドライバーの実際心拍数を検
出するに当り、有効な心拍信号の検出を行い正確な実際
心拍数を得ることにある。加えて、そのドライバーの実
際心拍数に基いて各種走行環境下におけるドライバーの
内面的要求を車両の運動特性の制御に反映させることに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、図1に示すように、車両を
制御する制御手段1と、運転者から心拍信号を取り出し
て運転者の実際心拍数を計測する実際心拍数検出手段2
と、この実際心拍数に基いて上記制御手段1の制御ゲイ
ンを変更する制御ゲイン変更手段3とを備える。そし
て、上記実際心拍数検出手段2を、上記心拍信号の発生
する時間間隔を計測する計測部2aと、この計測部2a
で計測された時間間隔の今回値と前回値との変動幅が設
定変動幅を超えるとき今回値に基く心拍数の計測をキャ
ンセルするキャンセル部2bとを備える構成とし、上記
制御ゲイン変更手段3に、上記実際心拍数と所定の基準
心拍数との偏差を演算する偏差演算部3aを備え、この
偏差演算部3aにより演算された偏差に応じて上記制御
ゲインを変更する構成とするものである。
【0009】また、請求項2記載の発明は、車両を制御
する制御手段1と、運転者から心拍信号を取り出して運
転者の実際心拍数を計測する実際心拍数検出手段2と、
この実際心拍数に基いて上記制御手段1の制御ゲインを
変更する制御ゲイン変更手段3とを備える。そして、上
記実際心拍数検出手段2を、上記心拍信号の発生する時
間間隔を計測する計測部2aと、この計測部2aで計測
された時間間隔の今回値と前回値との変動幅が設定変動
幅を超えるとき今回値に基く心拍数の計測をキャンセル
するキャンセル部2bとを備える構成とし、制御ゲイン
変更手段に、上記実際心拍数の変動量である心拍ゆらぎ
量を演算する心拍ゆらぎ量演算部を備え、この心拍ゆら
ぎ量演算部により演算された心拍ゆらぎ量に応じて上記
制御ゲインを変更する構成とするものである。
【0010】さらに、請求項3記載の発明は、車両を制
御する制御手段1と、運転者から心拍信号を取り出して
運転者の実際心拍数を計測する実際心拍数検出手段2
と、この実際心拍数に基いて上記制御手段1の制御ゲイ
ンを変更する制御ゲイン変更手段3とを備える。そし
て、上記実際心拍数検出手段2を、上記心拍信号の発生
する時間間隔を計測する計測部2aと、この計測部2a
で計測された時間間隔の今回値と前回値との変動幅が設
定変動幅を超えるとき今回値に基く心拍数の計測をキャ
ンセルするキャンセル部2bと、該キャンセル部におけ
る設定変動幅として、時間の経過に従い長く変化するよ
う設定する変動幅設定部を備える構成とするものであ
る。
【0011】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
実際心拍数検出手段2において、運転者から心拍信号を
取り出す際、計測部2aで計測された心拍信号間の時間
間隔の今回値と前回値との変動幅が設定変動幅を超えた
場合、その今回値がキャンセルされて、心拍数計測のた
めのデータとしては用いられない。すなわち、前後の心
拍信号間の時間変動幅が設定変動幅を超えるものである
場合、今回検出された時間間隔は運転者の実際心拍数の
現実の変動に基く心拍信号間の時間変動によるものでは
なく、心電位検出上のとぎれやノイズによるものである
ため、これがキャンセルされて無効とされる。そして、
上記設定変動幅の範囲内での有効な時間間隔データにの
み基き心拍数の計測が行われ、これにより、上記無効デ
ータに基く心拍数の誤計測が排除されて、運転者の実際
心拍数として正しい計測値が得られる。そして、このよ
うな実際心拍数に基き制御ゲインの変更が制御ゲイン変
更手段によって行われて車両の運動特性が変更制御され
る。これにより、車両の制御に、心拍数により表現され
る生体である運転者の緊張度合いが反映されて、各種走
行環境下における個々のドライバーの内面的要求に合致
した車両の制御が可能となる。
【0012】特に、制御ゲイン変更手段において、実際
心拍数検出手段により得られた実際心拍数と基準心拍数
との偏差が偏差演算部により得られ、この偏差に応じて
制御ゲインの変更が行われるため、走行中の運転者の緊
張度合いの変化がより客観的に判定される。これによ
り、運転者の内面的要求がより的確に車両の動きに反映
される。
【0013】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載の発明による作用に加えて、制御ゲイン変更手
段において、実際心拍数検出手段により得られた実際心
拍数に基き、ある時間範囲内における実際心拍数が微小
幅で変動する変動量である心拍ゆらぎ量の演算がゆらぎ
量演算部で行われる。この心拍ゆらぎ量は、運転者が緊
張状態にある時、副交感神経の働きが減弱して比較的小
さい値となる一方、リラックス状態にある時、副交換神
経の機能が亢進して比較的大きい値となるという特性を
有するため、ある時間範囲内ごとの心拍ゆらぎ量の大小
により運転者の心理状態の変化が把握可能となる。従っ
て、このゆらぎ量の大小に応じて制御ゲインの変更を行
うことにより、走行中の運転者の緊張度合いの変化がよ
り客観的に判定される。これにより、運転者の内面的要
求をより的確に車両の動きに反映させることができる。
【0014】さらに、請求項3記載の発明によれば、上
請求項1に記載の発明による作用に加えて、実際心拍
数検出手段において、心拍信号間の時間間隔の無効デー
タをキャンセルするための設定変動幅が、変動幅設定部
により、時間の経過に従い長い値となるよう変化される
ため、運転開始から走行継続中の運転者の実際心拍数の
変動特性を加味した心拍信号の取り出しが行われ、運転
者の実際心拍数がより正確に得られる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2以下の図面に基
いて説明する。
【0016】図2は、4輪操舵車に、本発明の第1実施
例に係る制御装置を適用した車両の概略平面図を示す。
【0017】まず、上記4輪操舵車の構成について説明
する。同図において、4はステアリングホイール、Fw
は左右の前輪、Rw は左右の後輪、10は上記ステアリ
ングホイール4の操作により左右の前輪Fw ,Fw を操
舵する前輪操舵装置、20はこの前輪操舵装置10によ
る前輪Fw ,Fw の転舵に応じて左右の後輪Rw ,Rw
を操舵する後輪操舵装置である。
【0018】上記前輪操舵装置10は、車幅方向に配置
されたリレーロッド11を有し、このロッド11の両端
部は各々タイロッド12、12及びナックルアーム1
3、13を介して左右の前輪Fw ,Fw に連結されてい
る。上記リレーロッド11には、このリレーロッド11
をステアリングホイール1の操作に連動して左右に移動
させるラック・アンド・ピニオン機構14が付設されて
おり、上記ステアリングホイール1の操作時にその操作
量に応じた角度だけ上記左右の前輪Fw ,Fw を操舵す
るようになっている。
【0019】一方、上記後輪操舵装置20は、上記前輪
操舵装置10の場合と同様に、車幅方向に配置されたリ
レーロッド21を有し、このロッド21の両端部は各々
タイロッド22、22及びナックルアーム23、23を
介して左右の後輪Rw ,Rwに連結されている。上記リ
レーロッド21には、このロッド21を中立位置に付勢
するセンタリングバネ24が配置されているとととも
に、ラック・アンド・ピニオン機構25が配置されてい
る。この機構25にはクラッチ26、減速機構27、及
びモータ28が連携されており、クラッチ26の締結時
にモータ28の回転駆動によりラック・アンド・ピニオ
ン機構25を介してリレーロッド21を車幅方向に移動
させて、上記後輪Rw ,Rw をモータ28の回転量に応
じた角度だけ操舵するようになっている。そして、上記
モータ28はコントロールユニット29からの制御信号
により所定の回転量だけ駆動されるようになっている。
【0020】上記コントロールユニット29は上記モー
タ28の駆動を制御することにより車両の4輪操舵特性
を制御する制御手段30を備えており、この制御手段3
0には車速を検出する車速センサ31と、前輪Fw ,F
w の転舵角を検出する前輪転舵角センサ32と、上記モ
ータ28により移動されるリレーロッド21の移動量を
検出することにより後輪Rw ,Rw の転舵角を検出する
後輪転舵角センサ33とが接続されている。
【0021】そして、上記制御手段30は、内部に、前
輪転舵角θF に対するリレーロッド21の移動量SAの
基準特性マップ、すなわち、前輪転舵角θF に対する後
輪転舵角θR の基準転舵比特性マップが予め入力記憶さ
れており、上記車速センサ31からの車速検出値に基い
て所定の転舵比fv に対応する上記リレーロッド21の
移動量SAを演算し、この移動量SAに相当する駆動制
御信号を上記モータ28に出力するようになっている。
具体的には、上記車速検出値に対応する転舵比fv が選
択され、このfv に基いて θR =fv ・θF ・k (但し、kは制御ゲイン;通常はk=1.0) によって、後輪転舵角θR が演算されるようになってい
る。
【0022】上記基準転舵比特性マップは、図3に実線
で示すように、車速が所定の設定速度VO 以下の低車速
域で後輪Rw ,Rw が前輪Fw ,Fw とは逆位相とな
り、車速がVO より高い中・高速域で同位相となるよう
設定されている。つまり、低車速域では車両の回転半径
を小さくして小回りや車庫入れなどの容易化に行い得る
ようにする一方、高車速域では後輪の前輪に対するコー
ナリングフォースの位相遅れを短縮してレーンチェンジ
(車線変更)や緩やかな旋回を安定して行い得るように
なっている。
【0023】次に、上記制御手段30による4輪操舵特
性の制御をドライバーの実際心拍数に基いて変更する構
成について説明する。
【0024】上記コントロールユニット29は、上記制
御手段30のほかに、この制御手段30における制御ゲ
インを実際心拍数検出手段40により検出されたドライ
バーの実際心拍数に基いて変更する制御ゲイン変更手段
50(図2参照)を備えている。
【0025】上記実際心拍数検出手段40は、ステアリ
ングホイール4の所定の各部位に配設されてドライバー
の左右両手間の電位差を検出するための各一対の+極4
1a,41aおよび−極41b,41bからなる電極4
1と、この電極41に接続されて上記電位差を増幅する
増幅器42と、この増幅器42により増幅された電位差
から心電位以外の所定の周波数信号成分を除去するバン
ドパスフィルタ43と、このバンドパスフィルタ43を
通過した心電位から心拍信号であるR波の出現した時間
間隔に基き心拍数を計測する計測部44と、この計測部
44で計測された今回の心拍数と前回の心拍数との変動
幅を見て設定変動幅を超える心拍計測値をキャンセルし
前回値を今回の有効心拍数として上記制御ゲイン変更手
段50に出力するキャンセル部45と、このキャンセル
部45における設定変動幅を変化させる変動幅設定部4
6とを備えている。
【0026】上記電極41は、図4に詳細を示すよう
に、ステアリングホイール4の上下左右の各位置に所定
幅の4つの絶縁部4a,4a,…を形成することにより
上記ステアリングホイール4のホイール部を左上、左
下、右下および右上の4つの領域(同図にメッシュ模様
で示す領域)4b,4c,4d,4eに分割し、この各
領域4b,4c,…に+極41aおよび−極41bを交
互に配設する構成となっている。つまり、ドライバーが
相対向した状態でステアリングホイール4の左右両側の
領域4b,4eまたは4c,4d、すなわち、ドライバ
ーの左右の各手により握られる左右の領域の一方4b,
4dが+極41a、他方4c,4eが−極41bとなる
ように配設されており、これにより、上記ステアリング
ホイール4を握るドライバーの左右両手間の電位差を検
出するようになっている。このような電極41はステア
リングホイール4の各領域4b,4c,…の表面に導電
性ゴムもしくは導電性プラスチックなどを用いて皮膜を
形成することによって配設される一方、上記各絶縁部4
aが未処理部とされることによりステアリングホイール
4自体の材質により絶縁体部分が形成されている。
【0027】上記各電極41a,41bはステアリング
シャフトとステアリングコラムとの間に介在させたスリ
ップリング47(図2参照)を介してインピーダンス変
換用増幅器42に接続されており、この増幅器42は生
体であるドライバーからのインピーダンスの極めて高い
心拍信号を増幅し、この増幅した心拍信号を上記バンド
パスフィルタ43を介して上記計測部44に送るように
なっている。
【0028】上記バンドパスフィルタ43は、そのカッ
トオフ周波数として高周波側および低周波側にそれぞれ
所定値が設定されており、これら両設定値の間の周波数
帯域のものを通過させるようになっている。すなわち、
上記高周波側のカットオフ周波数はドライバーが手でス
テアリングホイール4の電極41を握る際の手の筋肉活
動に伴い心電位に混入する高周波信号成分である筋電位
をカットし得る値に設定され、一方、上記低周波側のカ
ットオフ周波数は上記ドライバーの手と上記電極41と
の接触不良に伴い上記心拍信号に混入する低周波信号成
分をカットし得る値に設定されている。
【0029】上記計測部44での心拍数計測の原理は、
心電位の時間的変化の波形である心電図(図5参照)に
おいて順に表れるP,Q,R,S,TおよびUの各波の
内のR波がベース電位より所定量高く設定されたトリガ
ーレベルを超える1分間当りの回数を計測し、この回数
をドライバーの実際心拍数とするものである。そして、
実際の計測部44での処理は、上記トリガーレベルを超
えた前回のR波と今回のR波との時間間隔dtを検出
し、この時間間隔dtより1分間当りの心拍数hr を演
算により求め今回の実際心拍数とするようになってい
る。
【0030】上記キャンセル部45は、上記計測部44
で計測された時間間隔dtに基く心拍数hr の今回値と
前回値との変動幅が所定の設定変動幅Clm(例えば±5
bpm;beat per minute )の範囲外のものであるとき今
回値に基く心拍数hr を無効データとしてキャンセルす
る一方、上記設定変動幅Clm内のものであるとき、今回
値に基く心拍数hr を有効データである有効心拍数Hr
として制御ゲイン変更手段50に出力するようになって
いる。
【0031】そして、変動幅設定部46は、図6に示す
設定変動幅Clmと時間との関係として予め定めたマップ
を記憶しており、このマップに基き上記設定変動幅Clm
の値を、有効心拍数検出時から時間の経過に従い長い値
に変化させるようになっている。この設定変動幅Clmは
ドライバーである生体の実際心拍数の単位時間当りの心
拍変動量についての最大値に対応して定められている。
【0032】以下、上記計測部44とキャンセル部45
での処理を、図7に示すフローチャートに基いて具体的
に説明する。
【0033】まず、ステップSA1で上記トリガーレベ
ルを超えるR波を検出したか否かを検出するまで繰り返
し、検出したらステップSA2でその時のタイマ値を読
取りこれを今回値t(n) に記憶させる。そして、ステッ
プSA3で今回値t(n) から前回値t(n-1)を減算して時
間間隔dtを求め、この時間間隔dtの逆数に60を乗
じて1分間当りの心拍数hr の今回値hr(n)を求める。
【0034】次に、ステップSA4で心拍数hr の今回
値hr(n)から前回値hr(n-1)を減算したもの(心拍数の
変動幅)が設定変動幅Clmの範囲内か否かを判別し、範
囲内であればステップSA5で今回値hr(n)を今回の有
効心拍数Hr とし、範囲外であればステップSA6で今
回値hr(n)をキャンセルして前回値hr(n-1)を今回の有
効心拍数Hr とする。そして、ステップSA7で上記今
回の有効心拍数Hr を制御ゲイン変更手段50に出力
し、ステップSA8でタイマ読取り値t(n) および心拍
数検出値hr(N)の更新を行いリターンする。
【0035】上記ステップSA1〜SA3が上記計測部
44を、上記ステップSA4〜SA8が上記キャンセル
部45をそれぞれ構成する。
【0036】上記制御ゲイン変更手段50は、上記実際
心拍数検出手段40から入力された有効心拍数Hr と、
予め設定された所定の基準心拍数との偏差を演算する偏
差演算部51と、この偏差演算部51により演算された
偏差の大小に応じて、図3に実線で示す基準転舵比特性
が同図に一点鎖線で示すようにより安定側、すなわち、
より同位相側に変更されるように制御ゲインkを変更す
る制御ゲイン変更部52とを備えている。すなわち、上
記偏差演算部51には上記基準心拍数としてドライバー
がリラックスした状態で運転操作を継続している状態の
実際心拍数が設定されており、また、上記制御ゲイン変
更部52は、上記偏差が大きい程ドライバーがより緊張
状態にあるものとして上記基準転舵比特性をより大きく
同位相側に移行させるための制御ゲインkを演算し、こ
の制御ゲインkを上記制御手段30に出力するようにな
っている。
【0037】次に、上記構成の第1実施例の作用・効果
について説明する。
【0038】車両の走行中、ドライバーの左右両手は、
ステアリングホイール4の中立回転位置における上半部
の左右両側の各領域4b,4e、もしくは、下半部の左
右両側の各領域4c,4dのいずれかを握ることによ
り、ステアリングホイール4を保持している。すなわ
ち、ステアリングホイール4の上半部を握る時は右手で
右上領域4eを、左手で左上領域4bをそれぞれ握り、
ステアリングホイール4の下半部を握る時は右手で右下
領域4dを、左手で左下領域4cをそれぞれ握ることに
なる。従って、上半部もしくは下半部のいずれを握る場
合においても、左右両手の一方が+極41aと接触し、
他方が−極41bと接触することになる。さらに、上記
中立回転位置から転舵のためにステアリングホイール4
を回転させた場合においても、上記各領域4b,4c,
4d,4eには+極41aと−極41bとが交互に配設
されているため、左右両手の一方が+極41aと接触
し、他方が−極41bと接触することになる。このた
め、両電極41a,41bによりドライバーの左右両手
間の電位差が検出され、この電位差が増幅器42で増幅
された後、バンドパスフィルタ43により心電位以外の
余分な周波数域が除かれた状態で、計測部44に送られ
る。この計測部44で、心電位からR波を取り出しその
時間間隔から心拍数が求められ、この心拍数からドライ
バーの有効心拍数Hrがキャンセル部45により検出さ
れる。そして、検出結果が制御ゲイン変更手段50に送
られ、偏差演算部51での偏差の演算結果に基いて制御
ゲイン変更部52で制御ゲインkが変更されて、この制
御ゲインkに基いて制御手段30での後輪転舵角の制御
が行われる。
【0039】上記ドライバーの実際心拍数の検出に際
し、本実施例では、ステアリングホイール4に配設した
電極41を介してドライバーの両手間の電位差を検出す
ることによりドライバーの実際心拍数の検出を行うよう
にしているため、ドライバーの実際心拍数の検出をドラ
イバー自身に特別な計測装置の装着を強制するなどの負
担をかけることなく容易に行うことができる。しかも、
上記電極41はステアリングホイール4に被覆された状
態で配設されているため、ステアリングホイール4の機
能を損なうことなく、かつ、ドライバーに意識させるこ
となく、上記電位差の検出を行うことができる。
【0040】また、信号源であるドライバー(生体)か
らのインピーダンスの極めて高い信号が上記増幅器42
により増幅されるため、インピーダンスが高いゆえにノ
イズを拾い易いという不都合を解消することができ、R
波検出の容易化、確実化を図ることができる。その上、
バンドパスフィルタ43を介在させているため、各電極
41で検出された電位差から、ドライバーの手の掌から
の筋電位(高周波信号成分)を除去して筋電位混入に伴
うノイズを除去することができる一方、上記電極41と
ドライバーの手との接触不良に伴う低周波信号成分を除
去して低周波混入に伴うベース電位のドリフト発生を防
止してベース電位を安定化させることができ、これらに
より、R波検出の容易化、確実化を図ることができる。
【0041】さらに、検出したR波から心拍数を検出す
るに当り、設定変動幅Clmを超える心拍数検出値hr を
無効データとしてキャンセルし、上記設定変動幅Clmの
範囲内にある時間間隔dtに基く心拍数検出値hr を有
効データとして用いるようにしているため、R波のとぎ
れやノイズの混入などに基く心拍数の誤検出の発生を防
止することができる。すなわち、例えば、R波の出現が
1回とぎれた場合、その間の時間間隔は正常値のほぼ2
倍となってその時間間隔に基き演算される心拍数は正常
値のほぼ1/2となって前回値より急減する。逆に、隣
接するR波間にトリガーレベルを超えるノイズが混入し
た場合、そのノイズによりR波の誤検出を招きその短い
時間間隔に基き演算される心拍数は前回値より急増す
る。このような場合、生体の心拍数の最大変動幅である
設定変動幅Clmの範囲外の検出心拍数をキャンセルする
ことにより心拍数の誤計測の発生を容易かつ確実に防止
して、ドライバーの実際心拍数を正確に検出することが
できる。
【0042】また、上記キャンセルの基準である設定変
動幅Clmを変動幅設定部46によって時間の経過に従い
長くなるよう変更しているため、ドライバーが運転を開
始して走行時間の経過に従い緊張状態の緩急変化度合い
が増大する傾向とよく合致させることができる。
【0043】そして、車両の走行環境が、例えば走行車
両の比較的少ない高速道路などの交通流の変動が極めて
小さい場合、ドライバーは比較的リラックスした状態で
運転操作を継続しており、そのドライバーの実際心拍数
はほぼ基準心拍数に保たれている。このため、制御ゲイ
ン変更手段50での制御ゲインkの変更は行われず(k
=1)、後輪操舵装置20は基準転舵比特性に基き転舵
制御される。
【0044】一方、上記走行環境が上記の場合から、例
えば走行車両が増加して車間距離が極めて小さくなった
り、もしくは、交通流の変動が激しくなったりした状態
に変化した場合、ドライバーは上記のリラックス状態か
ら緊張状態に移行し、これに伴いドライバーの実際心拍
数も増加する。この結果、制御ゲイン変更手段50に入
力される実際心拍数の計測値も増大して、基準心拍数と
の偏差が生じる。そして、この偏差に対応して制御ゲイ
ンkが変更されて上記基準転舵比特性がより同位相側に
変更される。すなわち、それまでの後輪Rw ,Rw の転
舵角が、逆位相側もしくは同位相側であるに拘らず、よ
り同位相側に変更される結果、回頭性がさがる側に変更
されてドライバーの転舵操作に対する車両の旋回運動特
性をより安定側に変更することができる。つまり、緊張
状態にあるドライバーが行う転舵操作に対しては、車両
の転舵特性をより安定側に変更することができ、車両の
急激な運動を回避してドライバーの要求に沿わせること
ができる。
【0045】そして、上記ドライバーの緊張状態が高く
なる程、実際心拍数がより高く(偏差がより大きく)な
り、その結果、制御ゲインkがより大きい値に変更され
て上記同位相側への変更がより大きく行われる。このた
め、走行中のドライバーの緊張度合い、すなわち、走行
環境に応じて変化するドライバーの心理状態の変化度合
いに応じて車両の運動特性をより安定側に変更すること
ができ、車両の走行環境の緩急度合いに基いて変化す
る、車両の運動特性に対するドライバーの要求を的確に
車両に反映させることができ、より高度な安全走行状態
の実現を図ることができる。このように、本実施例で
は、ドライバーの心理状態に基く要求を車両の制御に直
接的に反映することができ、車両の運動特性を車両の運
転状態として表れる車速値などのパラメータによってド
ライバーの要求を推測して間接的に変更制御する従来装
置と比べ、車両の運動特性をドライバーの要求を直接的
に把握してそれにより合致したものに変更制御すること
ができる。
【0046】図8は上記第1実施例における制御ゲイン
変更手段50の他の態様のものを備えたエンジンの制御
装置についての第2実施例を示し、60は実際心拍数検
出手段、61は実際心拍数検出手段に備えられたキャン
セル部、70は制御ゲイン変更手段、80は制御ゲイン
変更手段70と制御手段30とを備えたコントロールユ
ニットである。
【0047】上記実際心拍数検出手段60は、ステアリ
ングホイール4の所定の各部位に配設されてドライバー
の左右両手間の電位差を検出するための各一対の+極4
1a,41aおよび−極41b,41bからなる電極4
1と、この電極41に接続されて上記電位差を増幅する
増幅器42と、この増幅器42により増幅された電位差
から所定の周波数信号成分を除去して心電位を取り出す
バンドパスフィルタ43と、このバンドパスフィルタ4
3を通過することにより取り出された心電位から心拍信
号であるR波が出現する時間間隔から心拍数を計測する
計測部44と、この計測部44で計測された今回の心拍
数と前回の心拍数との変動幅を見て設定変動幅を超える
心拍計測値をキャンセルして有効心拍数をのみ上記制御
ゲイン変更手段70に出力するキャンセル部61と、こ
のキャンセル部61における設定変動幅を変化させる変
動幅設定部46とを備えている。
【0048】以下、上記計測部44とキャンセル部61
での処理を、図9に示すフローチャートに基いて具体的
に説明する。
【0049】まず、ステップSB1でR波の検出の確
認、ステップSB2でその時のタイマ値t(n) 読取り、
および、ステップSB3でタイマ値t(n) に基く時間間
隔dt,時間間隔dtに基く心拍数hr の今回値hr(n)
の各演算を、第1実施例と同様に行う。
【0050】次に、ステップSB4で心拍数hr の今回
値hr(n)から前回値hr(n-1)を減算したものが設定変動
幅Clmの範囲内か否かを判別し、範囲内であればステッ
プSB5で今回値hr(n)を今回の有効心拍数Hr とし
て、ステップSB6でこの有効心拍数Hr を制御ゲイン
変更手段70に出力する。範囲外であれば、ステップS
B7でその今回値hr(n)をキャンセルして前回値hr(n-
1)を今回値hr(n)とする。そして、ステップSB8でタ
イマ読取り値t(n) および心拍数検出値hr(n)の更新を
行いリターンする。
【0051】上記ステップSB1〜SB3が上記計測部
44を、上記ステップSB4〜SABが上記キャンセル
部61をそれぞれ構成する。
【0052】上記制御ゲイン変更手段70は、上記実際
心拍数検出手段60から入力された有効心拍数Hr に基
き実際心拍数の変動量である心拍ゆらぎ量を演算する心
拍ゆらぎ量演算部71と、この心拍ゆらぎ量演算部71
により演算された心拍ゆらぎ量の大小に応じて図3に実
線で示す基準転舵比特性が同図に一点鎖線で示すように
より同位相側に変更されるように制御ゲインkを変更す
る制御ゲイン変更部72とを備えている。そして、この
制御ゲイン変更部72は、上記ゆらぎ量が小さい程ドラ
イバーがより緊張状態にあるものとして上記基準転舵比
特性をより大きく同位相側に移行させるための制御ゲイ
ンkを演算し、この制御ゲインkを上記制御手段30に
出力するようになっている。
【0053】以下、上記ゆらぎ量演算部71および制御
ゲイン変更部72での処理を、図10および図11に示
すフローチャートに基いて具体的に説明する。
【0054】まず、ステップSB9で上記キャンセル部
61から有効心拍数Hr の入力があったか否かを判別
し、あった場合、ステップSB10でその有効心拍計測
数a(初期値0)に1を加えて積算する。加えて、上記
有効心拍数Hr を有効心拍データHm(i)( i=1〜a)
に蓄積する。
【0055】次に、ステップSB12で所定の平均化処
理時間Tが経過したか否かの判別をおこない、経過する
までステップSB9〜SB12を繰り返す。平均化処理
時間Tの経過によりステップSB13で上記時間Tのタ
イマカウントを0にしてステップSB14で平均心拍数
Fr(j)の演算を行う。この演算は、上記有効心拍データ
Hm(i)と有効心拍計測数aとに基いて、 によって行う。そして、ステップSB15で標準偏差S
Hr(j)の演算を上記有効心拍データHm(i)と有効心拍計
測数aと上記平均心拍数Fr(j)とに基いて、
【0056】
【数1】
【0057】によって行う。
【0058】そして、ステップSB15で変動率、すな
わち、上記標準偏差SHr(j)を平均心拍数Fr(j)で除し
た値が10%以内か否かの判別を行う。変動率が10%
以内であれば上記平均心拍数Fr(j)は有効として、ステ
ップSB17でこのFr(j)に基く標準偏差SHr(j)を今
回の心拍ゆらぎ量U(j) とし、変動率が10%以内でな
ければステップSB18で上記平均心拍数Fr(j)は無効
でありこのFr(j)に基く標準偏差SHr(j)をキャンセル
して前回の標準偏差SHr(j-1)を今回の心拍ゆらぎ量U
(j) とする。
【0059】この今回の心拍ゆらぎ量U(j) に基いて、
ステップSB19で、今回値U(j)が前回値U(j-1) と
比べ小さい程より大きく制御ゲインkを変更し、この制
御ゲインkを制御手段30に出力する。そして、ステッ
プSB20で心拍ゆらぎ量U(j) の更新を、ステップS
B2で有効心拍データHm(i)および有効心拍計測数aの
初期化をそれぞれ行ってリターンする。
【0060】上記ステップSB9〜SB18がゆらぎ量
演算部71を、ステップSB19が制御ゲイン変更部7
2をそれぞれ構成する。
【0061】なお、上記エンジンの制御装置のその他の
構成は第1実施例のものと同様であるために、同一部材
には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0062】そして、上記第2実施例の場合、実際心拍
数検出手段60で得られる有効心拍数Hr に基いて心拍
ゆらぎ量U(j) を制御ゲイン変更手段70で求め、この
心拍ゆらぎ量U(j) に基いて制御ゲインkの変更を行っ
ているため、第1実施例のように基準値としての基準心
拍数を定める必要はなく、上記心拍ゆらぎ量U(j) によ
ってのみドライバーの緊張度合いを把握することができ
る。すなわち、上記心拍ゆらぎ量は、運転者が緊張状態
にある時、副交感神経の働きが減弱して比較的小さい値
となる一方、リラックス状態にある時、副交換神経の機
能が亢進して比較的大きい値となるという生理特性を有
するため、その心拍ゆらぎ量の変化により運転者の緊張
度合いの変化が把握可能となる。従って、このゆらぎ量
の大小に応じて制御ゲインの変更を行うことにより、走
行中の運転者の緊張度合いの変化をより客観的に車両に
反映させることができ、これにより、車両の制御に運転
者の内面的要求を加味して車両の運動特性を種々の走行
環境により適したものに変更させることができる。
【0063】なお、本発明は上記第1および第2実施例
に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含
するものである。すなわち、上記第1および第2実施例
では、制御手段30で制御する対象を4輪操舵装置にお
ける後輪転舵特性とし、ドライバーの緊張状態が高くな
る程、転舵特性をより安定側に変更制御する場合を示し
たが、これに限らず、制御対象を以下に示すものとして
もよい。すなわち、アクティブサスペンションの硬軟特
性を制御対象とする場合、上記偏差が大きくなる程より
ハード側に、すなわち、操縦安定性の増す側に変更制御
すればよい。また、パワートレインの駆動力伝達特性を
制御対象とする場合、上記偏差が大きくなる程より低出
力側に変更制御すればよい。さらに、アクセルペダル操
作に対するエンジンの出力特性を制御対象とする場合、
上記偏差が大きくなる程より低出力側に変更制御すれば
よい。
【0064】上記第1および第2実施例では、心拍信号
間の時間間隔から求めた心拍数の今回値と前回値との変
動幅が、心拍数に対する設定変動幅の範囲内か否かを見
て範囲外のものをキャンセルするにしているが、これに
限らず、例えば、上記時間間隔の今回値と前回値との変
動幅が、その時間間隔に対する設定変動幅を超えたか否
かを見て超えるものをキャンセルするようにしてもよ
い。この場合の時間間隔に対する設定変動幅は、上記心
拍数に対する設定変動幅から逆算すればよい。
【0065】また、上記第1および第2実施例では、設
定変動幅を時間の経過に従い長い値となるようにしてい
るが、これに限らず、例えば、固定値としてもよい。
【0066】さらに、上記第1および第2実施例では、
ドライバーの心拍信号をステアリングホイール4に配設
した電極41から検出しているが、これに限らず、例え
ばシフトノブ、センターアームレスト、ドア側アームレ
ストおよびパーキングブレーキノブなどに電極を配設し
て、これらとドライバーの手との接触から検出するよう
にしてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における車両の制御装置によれば、実際心拍数検出手
段において運転者から心拍信号を取り出す際、計測部で
計測した心拍信号間の時間間隔の今回値と前回値との変
動幅が設定変動幅を超えた場合、その今回値をキャンセ
ルして心拍数計測のためのデータとしては用いないよう
にしているため、心拍信号のとぎれやノイズの混入によ
る実際心拍数の誤計測を防止することができ、運転者の
実際心拍数を正確に計測することができる。そして、こ
のような正確な実際心拍数に基き制御ゲイン変更手段に
て制御ゲインを変更して制御手段における車両の制御を
変更するようにしているため、実際心拍数により表現さ
れる運転者の緊張度合いを加味して車両の制御を行うこ
とができ、各種走行環境下における個々のドライバーの
内面的要求に合致した車両の制御を行うことができる。
【0068】特に、制御ゲイン変更手段において、実際
心拍数検出手段により得られた実際心拍数と基準心拍数
との偏差を偏差演算部により演算してこの偏差に応じて
制御ゲインの変更を行うようにしているため、走行中の
運転者の緊張度合いの変化をより客観的に判定すること
ができ、運転者の内面的要求をより的確に車両の動きに
反映させることができる。
【0069】また、請求項2記載の発明によれば、上記
請求項1記載の発明による効果に加えて、制御ゲイン変
更手段において、実際心拍数検出手段により得られた実
際心拍数にから実際心拍数の変動量である心拍ゆらぎ量
をゆらぎ量演算部で演算手段してこの心拍ゆらぎ量の大
小に応じて制御ゲインの変更を行うようにしているた
め、走行中の運転者の緊張度合いの変化をより客観的に
判定することができ、運転者の内面的要求をより的確に
車両の動きに反映させることができる。すなわち、上記
心拍ゆらぎ量は、運転者が緊張状態にある時、副交感神
経の働きが減弱して比較的小さい値となる一方、リラッ
クス状態にある時、副交換神経の機能が亢進して比較的
大きい値となるという特性を有するため、この心拍ゆら
ぎ量の大小により運転者の緊張度合いの変化を把握する
ことができ、この場合、請求項2記載の発明と比べ基準
心拍数の設定を省略することができ、個々の運転者の内
面的要求をより確実に車両の制御に反映させることがで
きる。
【0070】さらに、請求項3記載の発明によれば、上
請求項1記載の発明による効果に加えて、実際心拍数
検出手段において、心拍信号間の時間間隔の無効データ
をキャンセルするための設定変動幅を、変動幅設定部に
より、時間の経過に従い長い値となるよう変化させてい
るため、運転開始から走行継続中の運転者の実際心拍数
の変動特性を加味して有効な心拍信号を取り出すことが
でき、運転者の実際心拍数をより正確に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す全体概略構成図であ
る。
【図3】各種車速に対する転舵比特性を示す関係図であ
る。
【図4】図2のステアリングホイールの拡大図である。
【図5】標準的な心電位に基く心電図である。
【図6】設定変動幅と時間との関係図である。
【図7】計測部およびキャンセル部での処理を示すフロ
ーチャートである。
【図8】第2実施例を示す図2相当図である。
【図9】図8の計測部およびキャンセル部での処理を示
すフローチャートである。
【図10】図8の制御ゲイン変更手段での処理の前半部
を示すフローチャートである。
【図11】図8の制御ゲイン変更手段での処理の後半部
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,30 制御手段 2,40,60 実際心拍数検出手段 2a,44 計測部 2b,45,61 キャンセル部 2c,46 変動幅設定部 3,50,70 制御ゲイン変更手段 3a,51 偏差演算部 3b,52 制御ゲイン変更部 3c,71 ゆらぎ量演算部 3d,72 制御ゲイン変更部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 113:00 137:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 B62D 7/14 B60K 41/00 B62D 1/04 B60R 21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両を制御する制御手段と、運転者から
    心拍信号を取り出して運転者の実際心拍数を計測する実
    際心拍数検出手段と、この実際心拍数に基いて上記制御
    手段の制御ゲインを変更する制御ゲイン変更手段とを備
    えており、 上記実際心拍数検出手段は、上記心拍信号の発生する時
    間間隔を計測する計測部と、この計測部で計測された時
    間間隔の今回値と前回値との変動幅が設定変動幅を超え
    るとき今回値に基く心拍数の計測をキャンセルするキャ
    ンセル部とを備え 上記制御ゲイン変更手段は、上記実際心拍数と所定の基
    準心拍数との偏差を演算する偏差演算部を備えており、
    この偏差演算部により演算された偏差に応じて上記制御
    ゲインを変更するように構成され ていることを特徴とす
    る車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 車両を制御する制御手段と、運転者から
    心拍信号を取り出して運転者の実際心拍数を計測する実
    際心拍数検出手段と、この実際心拍数に基いて上記制御
    手段の制御ゲインを変更する制御ゲイン変更手段とを備
    えており、 上記実際心拍数検出手段は、上記心拍信号の発生する時
    間間隔を計測する計測部と、この計測部で計測された時
    間間隔の今回値と前回値との変動幅が設定変動幅を超え
    るとき今回値に基く心拍数の計測をキャンセルするキャ
    ンセル部とを備え、 上記制御ゲイン変更手段は、上記実際心拍数の変動量で
    ある心拍ゆらぎ量を演算する心拍ゆらぎ量演算部を備え
    ており、この心拍ゆらぎ量演算部により演算された心拍
    ゆらぎ量に応じて上記制御ゲインを変更するように構成
    されていることを特徴とする 車両の制御装置。
  3. 【請求項3】 車両を制御する制御手段と、運転者から
    心拍信号を取り出して運転者の実際心拍数を計測する実
    際心拍数検出手段と、この実際心拍数に基いて上記制御
    手段の制御ゲインを変更する制御ゲイン変更手段とを備
    えており、 上記実際心拍数検出手段は、上記心拍信号の発生する時
    間間隔を計測する計測 部と、この計測部で計測された時
    間間隔の今回値と前回値との変動幅が設定変動幅を超え
    るとき今回値に基く心拍数の計測をキャンセルするキャ
    ンセル部と、該キャンセル部における設定変動幅とし
    て、時間の経過に従い長く変化するよう設定する変動幅
    設定部とを備えていることを特徴とする 車両の制御装
    置。
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