JP2004114910A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】路面の粗さやうねりを車速または車輪加速度から検出し、各路面状況に応じてハンドル取られを抑え、また、単発で発生する振動についても路面状況に応じた操舵フィーリングを得る。
【解決手段】車体の車輪速度を検出する車輪速検出手段32と、車輪速度から車体の速度を検出する車速演算手段33と、車輪速度から車輪加速度を算出する車輪加速度演算手段35と、車体の速度と操舵トルクとに応じた所定のアシスト特性を求め、該アシスト特性に基づいて電動モータに流すモータ電流値を決定するアシスト制御手段34と、車体の速度及び/または車輪加速度の値から路面状況を検出して、上記路面状況に応じて、モータ電流値を補正するアシスト補正制御手段37と、補正されたモータ電流値に基づいて、電動モータを駆動制御するモータ電流制御手段38とを備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】車体の車輪速度を検出する車輪速検出手段32と、車輪速度から車体の速度を検出する車速演算手段33と、車輪速度から車輪加速度を算出する車輪加速度演算手段35と、車体の速度と操舵トルクとに応じた所定のアシスト特性を求め、該アシスト特性に基づいて電動モータに流すモータ電流値を決定するアシスト制御手段34と、車体の速度及び/または車輪加速度の値から路面状況を検出して、上記路面状況に応じて、モータ電流値を補正するアシスト補正制御手段37と、補正されたモータ電流値に基づいて、電動モータを駆動制御するモータ電流制御手段38とを備えている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動式パワーステアリング装置に関し、特に、操舵軸に動力伝達可能な状態に接続され、回転に応じて操舵軸にアシスト力を付与する電動式パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来装置においては、路面を、悪路とそうでない通常の道との2つに大別して、制御を行っている。このような従来装置においては、モータ電流制御手段が、モータ電流決定手段の出力に基づいて、通常の悪路でない道路を車両が走行中はモータに対する電流に対して操舵トルク及び車輪速度に応じた制御を行い、悪路を車両が走行中はモータに対する電流が減少又は零となるような制御を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、車両の車輪を支えているスプリングの固有振動周波数は、ほぼ10Hz程度であり、従って、悪路判定手段は、車輪速度検出手段で検出された車輪速度の振動、つまり周期計測手段で計測された車輪速度の振動を実質的に表す周期(周波数)が所定の周波数範囲例えば7〜10Hzの範囲であれば悪路と判定し、それ以外であれば悪路でないと判定する(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平06−092256号公報(段落[0019]、[0021])
【0005】
悪路とそうでない路面との判定方法としては、例えば、車輪加速度の波形整形パルスの周期を計測して、パルスの周期に応じて増減圧量を補正して、当該増減圧量により悪路であるか否かを判定する(例えば、特許文献2)。
【0006】
【特許文献2】
特許第2616302号公報(第2頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来装置では、路面を悪路とそうでない路面とのみの2通りに想定しており、2極にモータ電流を切り替えている。また、判定レベルをバネ下共振点としているが、しかしながら、悪路の路面は、砂、砂利、ダート、ベルジアンなどの路面の荒れ具合によって、ハンドルへのキックバックや、ハンドルが取られる量も異なってくる。これらをすべて、悪路と通常の路面の2つのみのうちのいずれかとして切り替えて制御を行うと、これら各悪路の路面状況のすべてには対応することができないという問題点があった。
【0008】
また、突起、段差などによっても、ハンドル取られは発生するにもかかわらず、周期計測する方法においては、路面のうねりが継続することによりはじめて検出できるので、パルス的に発生する振動については検出できず、対応することができないという問題点があった。
【0009】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、路面の粗さやうねりを車速または車輪加速度から検出し、各路面状況に応じてハンドル取られを抑え、また、単発で発生する振動についても路面状況に応じた操舵フィーリングを得ることができる電動式パワーステアリング装置を得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、車体に搭載して、操舵トルク検出手段により操舵ハンドルの操舵トルクを検出し、上記操舵トルクに応じて電動モータを駆動し、補助操舵を行う電動式パワーステアリング装置であって、上記車体の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、上記車輪速度から上記車体の速度を検出する車速演算手段と、上記車輪速度から車輪加速度を算出する車輪加速度演算手段と、上記車体の速度と上記操舵トルクとに応じた所定のアシスト特性を求め、上記アシスト特性に基づいて上記電動モータに流すモータ電流値を決定するアシスト制御手段と、上記車体の速度及び/または上記車輪加速度の値から路面状況を検出して、上記路面状況に応じて、上記電導モータに流す上記モータ電流値を補正する補正手段と、補正された上記モータ電流値に基づいて、上記電動モータを駆動制御するモータ電流制御手段とを備えた電動式パワーステアリング装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明による電動式パワーステアリング装置の一つの実施の形態を示す。図1は、この発明の一実施の形態を示す構成図である。図1に示すように、操舵ハンドル1には、操舵ハンドル1に加えられた操舵力(回転力)に応じて電気信号を出力するトルクセンサ2が設けられている。操舵ハンドル1とトルクセンサ2間は、第1のステアリングシャフト4aで連結されている。トルクセンサ2の他端には、第1のユニバーサルジョイント3aが、第2のステアリングシャフト4bによって連結されており、さらに、その第1のユニバーサルジョイント3aには、第2のユニバーサルジョイント3bが、第3のステアリングシャフト4cによって連結されている。
【0012】
また、第2のユニバーサルジョイント3bには、第1のピニオン軸5aが連結されており、第1のピニオン軸5aには、ラック軸6が取り付けられている。ラック軸6は、第1のピニオン軸5aと噛み合う第1のラック歯部6aと、第1のピニオン軸5aと平行に設けられた後述の第2のピニオン軸5bと噛み合う第2のラック歯部6bとを有している。また、ラック軸6の両端には、第1および第2のタイロッド8aおよび8bが設けられている。なお、第1のタイロッド8aとラック軸6の一端とは、第1のポールジョイント7aにより連結され、第2のタイロッド8bとラック軸6の他端とは、第2のポールジョイント7bにより連結されている。また、第2のピニオン軸5bには、後述するウォーム軸15と噛み合って駆動されるウォームホィール軸16が連結されている。ウォーム軸15は、後述するモータ13の出力軸に連結され、減速機を形成するものである。このような構成により、パワーステアリング装置は、自動車等の車体に搭載されて、操舵ハンドル1の操舵トルクを検出して、当該操舵トルクに応じて電動モータ13を駆動させ、ドライバの操舵への補助操舵を行う。
【0013】
また、全体の動作の制御を行うコントロールユニット9には、図1に示すように、トルクセンサ2および車輪速センサ10とが接続されており、トルクセンサ2からの電気信号が供給されるとともに、車輪速センサ10によって検出された車両の各車輪の速度が供給される。また、モータ13には、コントロールユニット9を介して、車載用バッテリ11が接続されており、モータ13は車載用バッテリ11からコントロールユニット9を介して供給される電源によって駆動される。なお、コントロールユニット9と車載用バッテリ11との間にはキースイッチ12が設けられている。
【0014】
図2はコントロールユニット9の具体的構成を示すブロック図である。図2において、符号2,10および13は、図1と同一のものである。図2に示すように、コントロールユニット9内には、トルクセンサ2の出力に基づいて操舵トルクを測定する操舵トルク検出手段31が設けられている。また、車輪速度センサ10の出力に基づいて一輪以上の車輪の速度を測定する車輪速検出手段32が設けられており、車輪速検出手段32には、車体の速度を演算する車速演算手段33が接続されている。車速演算手段33は、1輪の車輪速度のみで車輪速度を検出する場合にはその車輪速度を車体速度とし、2輪以上を検出する場合には2輪の平均を演算し、平均速度を車体速度としてもよい。車輪速検出手段32には、車速演算手段33に並列に、車輪加速度演算手段35が接続されている。車輪加速度演算手段35は、各車輪速度の変化量を求めることにより車輪加速度を求める。車輪加速度演算手段35には、車輪の振動の振幅を求める車輪振動振幅演算手段36が接続されており、その演算方法は、例えば後述のピークホールド演算によって求めることができる。その他、公知の技術であるFFT解析によりパワースペクトルの最大値を用いてもよい。また、車輪速センサが1輪のみの場合はその車輪のみの振動を出力値とし、2輪以上の場合は、例えば各車輪の振幅の最大値を用いる方法や、各車輪車輪加速度の最大値をピークホールド演算して得られる振幅を用いる方法でもよい。
【0015】
前述の操舵トルク検出手段31および車速演算手段33には、例えば図3に示すマップ等を用いて車体速度と操舵トルクに応じたアシスト特性(すなわち、補助操舵を行うためにモータ13に流す電流値であるアシスト制御電流60)を求めるアシスト制御手段34が接続されている。アシスト制御手段34には、アシスト補正制御手段37が接続され、さらにそれに、モータ電流制御手段38が接続されている。アシスト補正制御手段37は、例えば、図6に示すように振幅値(ピークホールド信号)に応じたゲインテーブルから得られるゲインの値とアシスト制御手段34より得られたアシスト制御電流値60との積を乗算器62によって得ることによりモータ電流63を算出する。また、モータ電流制御手段38は、アシスト補正制御手段37によって得られたモータ電流63をモータ13に流して駆動制御するものである。
【0016】
図5に、図2の構成における制御の処理の流れを表すフローチャートを示す。まず、ステップS1において、トルクセンサ2から信号をA/D変換してコントロールユニット9内に取り込み、デジタル化する。
【0017】
ステップS2においては、車輪速センサ10からの車輪の所定回転角度に対し車輪速パルス列を入力し、そのパルス列間の周期を計測し、上記所定回転角度、つまり車両が進んだ距離を上記周期で除することにより、車輪速度を算出する。
【0018】
なお、直接、電動式パワーステアリング装置のコントロールユニット9が演算しなくても、例えば、アンチロックブレーキ装置などが車輪速を演算し、その演算結果をもらっても良い。また、アンチロックブレーキ装置などが演算した車輪速の結果でなく、上記車輪速パルス間の周期、もしくは所定時間内に入力された上記車輪速パルスでもよい。どちらも、車輪速度に置き換えることが可能であり、電動式パワーステアリング装置に車輪速を入力するためのインターフェースを設ける必要がなく安価の装置を構成することができる。なお、このことは、後述の実施の形態2〜6においても同様である。
【0019】
ステップS3は、ステップS2で得られた車輪速度から車体速度を求める。1輪のみを車輪センサから入力する場合には、車輪速度を車体速度として出力する。2輪以上を車輪速センサから入力する場合には、各々の車輪速度の平均を演算し、その平均値を車体速度とする。
【0020】
ステップS4は、ステップS2で得られた車輪速度と前回得られた車輪速度との変化量を求めることにより、車輪加速度を演算することができる。
【0021】
ステップS5は、図4で示すようにピークホールド信号41の値が車輪加速度40より上回るとき、車輪加速度40にフィルタ定数をKとするローパスフィルタ42を用い、ピークホールド信号41を緩やかに減少させる。なお、図4において、44は比較器、43はフィルタ定数をK−1とするローパスフィルタである。逆に、車輪加速度40がピークホールド信号41の値を上回るとき、車輪加速度40をピークホールドする。これにより、車輪振動の振幅を求めることができる。さらに、2輪以上の車輪を検出する場合には、それぞれのピークホールドの最大値を演算する。
【0022】
ステップS6は、図3に示すような予め用意されている車速と操舵トルクとからなる電流値のマップにおいて、ステップS1、ステップS3で得られた車速、操舵トルクからアシスト制御電流値を引き出す。
【0023】
ステップS7は、図6で示すような振幅からなる電流ゲインテーブルにおいて、ステップS5で得られた振幅(ピークホールド信号41)よりゲイン求める。当該ゲインとステップS6で得られたアシスト制御電流値とを乗算器62により乗ずることによりモータ電流値63を算出する。
【0024】
ステップS8は、ステップS7で決定されたモータ電流値63をモータ13に通電できるように、ブラシつきモータであればモータ端子間に電圧を印加する。また、ブラシレスであれば、通電しようとする電流値から印加すべき電圧を算出し、その電圧値を座標変換演算し、各相の端子電圧を印加する。
【0025】
したがって、通常の平坦な路面を走行するときには、正常なアシスト特性を保ち、悪路および突起乗り越しなどにより、操舵輪が路面により動き、ハンドルが取られるような場合には、アシスト特性を変更し、ハンドルが取られ難くする。
【0026】
以上のように、本実施の形態による電動式パワーステアリング装置によれば、車輪振動振幅演算手段36により車輪加速度の振幅を算出して、その振幅の大きさに応じて、アシスト力を減少する、あるいは、アシスト力を打ち消す方向に、モータ電流を補正するアシスト補正制御手段37を設けるようにしたので、悪路走行時において路面よりのキックバックが大きいときに電動モータ出力を増大させ、不要に操舵力が軽くなって全体的な操舵フィーリングが悪化するのを防止することができる。また、悪路のうねりの状況に応じた振動を検出するため、悪路走行時のキックバックのレベルに応じた補正量を加えることができ、路面状況応じた対応が可能である。
【0027】
なお、車輪の振動振幅に応じて補正したが、振動周波数に応じて補正してもよい。この場合には、車輪振動振幅演算手段36が、振動振幅の代わりに、振動周波数を演算するようにすればよい。他の処理については上記と同様である。
【0028】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、アシスト特性を変更することによりハンドルの取られを低減するようにしたが、路面によりハンドルが取られるときには、急にハンドルが動くので、ハンドル回転速度、つまり機構的に接続されているモータ回転速度が急変することを抑えてもよい。従来、電動式パワーステアリング装置において、車両の収斂性を高めるため、ハンドル回転速度、ないしは、モータ回転速度により粘性補償制御が行われている。この制御を用いて、車輪の振動の振幅に応じて補正量を調整することにより、ハンドルが急激に取られるのを抑えることができる。
【0029】
図7は、本実施の形態の具体的構成を示すブロック図である。図7において、符号2,10,31〜36,38までは図2と同様であるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。39は、モータ13に流れる電流とそのときのモータ電圧から発生する誘起電圧とから、モータ13の回転数を求めるモータ回転数検出手段である。また、ブラシレスモータなどのようにモータにモータ位置を示すセンサを持つ場合には、センサからモータ13の回転数を求めてもよい。また、舵角センサを持つものは、ハンドル角速度を検出し、これをモータ13の回転数に置き換えてもよい。40は、図8に示すように、モータ回転速度80、車速81、振幅(ピークホールド信号41)に応じてモータ回転数を抑制するように、補正モータ電流を算出する粘性補償制御手段である。すなわち、車速81に応じたゲインテーブルと、振幅に応じたゲインテーブルと、モータ回転速度80との積を乗算器82により求め、その逆数83を補正モータ電流84とする。
【0030】
図9に、上述の図7の構成における制御の処理の流れを表すフローチャートを示す。ステップS1〜ステップS6およびステップS8は、図5と同様であるため、ここではその説明を省略する。ステップS9は、モータ13に流れる電流とそのときの電圧から発生する誘起電圧とから、モータ13の回転数を求める。また、ブラシレスモータなどのようにモータ13にモータ位置を示すセンサを持つ場合には、センサからモータ13の回転数を求めてもよい。また、舵角センサを持つものは、ハンドル角速度を検出し、これをモータ13の回転数に置き換えてもよい。ステップS10は、図8に示す補正電流を演算する粘性補償制御電流演算である。ステップS11は、アシスト制御電流と粘性補償制御電流とを合わせることでモータ電流を演算する。
【0031】
以上のように、本実施の形態によれば、モータ回転数を検出するモータ回転数検出手段39と、モータ回転が抑制するようにモータ回転数に応じてモータ電流を補正する粘性補償制御手段40とを設けて、粘性補償制御手段40によりモータ電流を補正するようにしたので、各路面状況に対応させてハンドルが急激に取られるを抑えることができる。
【0032】
なお、車輪の振動振幅に応じて補正したが、振動周波数に応じて補正してもよい。
【0033】
実施の形態3.
路面によりハンドルが取られるときには、急にハンドルが動くので、ハンドル回転速度、つまりモータ回転速度が急変することを抑えてもよい。モータ13が回転し難くするように、この制御を車輪の振動の振幅に応じてモータ回転加速度を元に補正電流を加えることにより、取られるときのハンドルの急変を積極的に抑えることができる。
【0034】
図10は、本実施の形態の具体的構成を示すブロック図である。図10において、符号2,10,31〜36,38,39は図7と同様であるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。図10において、41はモータ13の回転数からその変化量を算出することによりモータ回転加速度を求めるモータ回転加速度演算手段である。42は、図11に示すように、モータ回転加速度110、車速81、振幅(ピークホールド信号41)に応じてモータ回転数を抑制するように、補正モータ電流を算出する逆慣例補償制御手段である。すなわち、車速に応じたゲインテーブルと、振幅に応じたゲインテーブルと、モータ回転加速度110とを、乗算器111により乗算し、その逆数112を、補正モータ電流113とする。
【0035】
図12に、上述の図10の構成における制御の処理の流れを表すフローチャートを示す。ステップS1〜ステップS6,ステップS8,ステップS9,ステップS11は、上述の実施の形態1および2と同様である。ステップS12は、モータ回転速度の変化量を算出することでモータ回転加速度を演算する。ステップS13は図11に示す補正電流を演算する逆慣性補償制御電流演算である。ステップS11は、アシスト制御電流と逆慣性補償制御電流とを合わせることでモータ電流を演算する。なお、上記実施の形態の補償制御を付加して、モータ電流演算に加えてもよい。
【0036】
以上のように、本実施の形態によれば、モータ回転数を検出するモータ回転数検出手段39と、モータ回転加速度を算出するモータ回転加速度演算手段41と、モータ回転加速度に応じ、モータ電流を補正する逆慣性補償制御手段42とを設けて、逆慣性補償制御手段42により求められるモータ補正電流をモータ加速度方向と逆方向にモータ補正電流を増加させるようにしたので、より積極的にハンドルが取られることに対し、カウンタ的にアシストすることになり、より効果的に目的を達成することができる。
【0037】
なお、車輪の振動振幅に応じて補正したが、振動周波数に応じて補正してもよい。
【0038】
実施の形態4.
上記実施の形態では、モータ回転加速度を用いたが、操舵トルクの変化量を用いてもよい。路面によりハンドルが取られるときには、急にハンドルが動くので、操舵トルクが急変することを抑えてもよい。本制御を車輪の振動の振幅に応じて操舵トルク変化量を元にする補正電流を変更することにより、ハンドルが急激に取られるのを抑えることができる。
【0039】
図13は、本実施の形態の具体的構成を示すブロック図である。図13において、符号2,10,31〜36,38は図2と同様であるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。43は操舵トルクからその変化量を算出するトルク変化量演算手段である。44は図14に示すように、操舵トルク変化量、車速、振幅に応じて操舵トルクに逆アシストするように、補正モータ電流を算出する逆トルク補償制御手段である。すなわち、操舵トルク変化量140(ピークホールド信号)に応じた出力電流テーブルと、車速81に応じたゲインテーブルと、振幅に応じたゲインテーブルとの積を乗算器141により求め、その逆数142をとって、補正モータ電流143とする。
【0040】
図15に、上述の図13の構成における制御の処理の流れを表すフローチャートを示す。ステップS1〜ステップS6,ステップS8,ステップS11は、前実施の形態と同様である。ステップS15は、操舵トルクの変化量を算出する。ステップS16は図14に示す補正電流を演算する逆トルク補償制御電流演算である。ステップS11は、アシスト制御電流と逆トルク補償制御電流とを合わせることでモータ電流を演算する。なお、上記実施の形態の補償制御を付加して、モータ電流演算に加えてもよい。
【0041】
以上のように、本実施の形態によれば、操舵トルクの変化量を算出するトルク変化量演算手段43と、トルク変化量と車輪加速度から得られる振動に応じて、操舵アシストする方向と逆方向にモータ補正電流を目標モータ電流に加え、アシスト力を抑制する逆トルク補償手段44とを設けて、車輪の振動に応じて操舵トルク変化を打ち消すように作用させるようにしたので、上記の実施の形態と同様な効果が得られる。
【0042】
なお、車輪の振動振幅に応じて補正したが、振動周波数に応じて補正してもよい。
【0043】
実施の形態5.
路面によりハンドルが取られるときには、路面からのうねりを操舵輪からラック、コラムと伝わり、トルクセンサに伝わり、操舵トルク信号としてアシスト特性に現れる。よって、うねりの周波数域を操舵トルク信号から除去することにより、アシスト特性に現れず、ハンドル取られを発生し難くすることができる。
【0044】
図16は、本実施の形態の具体的構成を示すブロック図である。図16において、符号2,10,31〜35,38までは図2と同様であるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。51は車輪加速度の周期を算出する車輪振動周期演算手段である。例えば、図17に振動の周期を計測する方法を示す。悪路などのうねりのある路面を走行すると車輪加速度40が所定の大きさ以上で振動する。したがって、所定の大きさをヒステリシス閾値171を用いて検出し、それ以上となる振動に対して、ヒステリシスが越えた点を基準に周期を計測する。170は、振動周期計測タイマによる計測結果である。なお、公知のFFT解析演算を実施し、最もパワースペクトルが大きいときの周波数を用いてもよい。52は、可変のフィルタ定数を有して、振動周期に基づいて、フィルタ定数を振動が抑制するように変更して、操舵トルク信号からうねりの周波数域を除去する操舵トルクフィルタ演算手段である。
【0045】
以上のように、本実施の形態によれば、フィルタ定数可変の操舵トルク信号のフィルタを演算する操舵トルクフィルタ演算手段52を設けて、フィルタを振動を抑制するようにフィルタ定数を変更することにより、路面からのキックバックを上記操舵トルク検出手段で検出され操舵トルクの信号として現れる。これをアシスト特性に反映されにくくするために、路面状況に応じたフィルタ特性に変更し、操舵トルクにキックバック分の外乱を与えないようにする。これにより、ハンドルが取られることを抑えることができる。
【0046】
なお、車体のバネ下共振周波数は車両固有の周波数であり、通常悪路を走行するとこの周波数領域が最も振動することとなる。したがって、上記実施の形態で述べた振幅に応じてバネ下共振周波数帯域除去フィルタの強める量、もしくは帯域幅を変更しても良い。
【0047】
実施の形態6.
上記の実施の形態5では、操舵トルクに着目したが、路面からの振動周波数をモータ回転数大きくなることを低減する粘性補償制御に適応しても同様な効果が得られる。つまり、モータ回転数の周波数特性において、振動周波数領域を強調させることにより、ハンドルが取られるような周波数成分のみモータが回転しない方向作用し、ハンドル取られを発生し難くすることができる。
【0048】
図18は、本実施の形態の具体的構成を示すブロック図である。図18において、符号2,10,31〜35,38,39,51は、図7及び図16と同様であるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。53は車輪加速度の振動周期から振動周波数領域を強調するように、例えば、通常のモータ回転数にバンドパスされた値を加えたフィルタや、位相進み遅れ補償を振動する周波数を中心にフィルタ処理を施すフィルタ処理手段である。54は、図19に示すような従来より使用される粘性補償制御手段である。すなわち、車速81に応じたゲインテーブルと、モータ回転速度80との積を乗算器190により求め、その逆数191をとることにより、補正モータ電流192を求める。したがって、振動する周波数を中心にモータ回転数が大きくなる。そのため、モータがその周波数を中心に振動し難くなり、ハンドル取られを低減することができる。
【0049】
以上のように、本実施の形態によれば、モータ回転数を検出するモータ回転数検出手段39と、フィルタ定数可変の上記モータ回転数信号のフィルタ処理手段53と、モータ回転が抑制するように上記フィルタ演算された出力信号に応じてモータ電流を補正する粘性補償制御手段54とを設けて、フィルタ定数は振動を強調するようモータ回転数のフィルタ量を変更することにより、同様な効果を得ることができる。
【0050】
なお、車体のバネ下共振周波数は車両固有の周波数であり、通常悪路を走行するとこの周波数領域が最も振動することとなる。したがって、上記実施例で述べた振幅に応じてバネ下共振周波数帯域除去フィルタの強める量、もしくは帯域幅を変更しても良い。
【0051】
【発明の効果】
この発明は、車体に搭載して、操舵トルク検出手段により操舵ハンドルの操舵トルクを検出し、上記操舵トルクに応じて電動モータを駆動し、補助操舵を行う電動式パワーステアリング装置であって、上記車体の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、上記車輪速度から上記車体の速度を検出する車速演算手段と、上記車輪速度から車輪加速度を算出する車輪加速度演算手段と、上記車体の速度と上記操舵トルクとに応じた所定のアシスト特性を求め、上記アシスト特性に基づいて上記電動モータに流すモータ電流値を決定するアシスト制御手段と、上記車体の速度及び/または上記車輪加速度の値から路面状況を検出して、上記路面状況に応じて、上記電導モータに流す上記モータ電流値を補正する補正手段と、補正された上記モータ電流値に基づいて、上記電動モータを駆動制御するモータ電流制御手段とを備えた電動式パワーステアリング装置であるので、路面の粗さやうねりを車速または車輪加速度から検出し、各路面状況に応じてハンドル取られを抑え、また、単発で発生する振動についても路面状況に応じた操舵フィーリングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による電動式パワーステアリング装置の全体の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1による電動式パワーステアリング装置のコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1における操舵トルクと車速に応じたアシスト制御電流の演算を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1におけるピークホールド信号の算出方法を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1の処理の流れを示す流れ図である。
【図6】本発明の実施の形態1におけるピークホールド信号に応じたアシスト制御電流の補正を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2による電動式パワーステアリング装置のコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態2におけるピークホールド信号に応じた粘性補償制御の制御ブロックを示す構成図である。
【図9】本発明の実施の形態2の処理の流れを示す流れ図である。
【図10】本発明の実施の形態3による電動式パワーステアリング装置のコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態3におけるピークホールド信号に応じた逆慣性補償制御の制御ブロックを示す構成図である。
【図12】本発明の実施の形態3の処理の流れを示す流れ図である。
【図13】本発明の実施の形態4による電動式パワーステアリング装置のコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態4におけるピークホールド信号に応じた逆トルク補償制御ブロックを示す構成図である。
【図15】本発明の実施の形態4の処理の流れを示す流れ図である。
【図16】本発明の実施の形態5による電動式パワーステアリング装置のコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施の形態5における車輪振動の周期計測方法を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態6による電動式パワーステアリング装置のコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施の形態6における粘性補償制御ブロックを示す構成図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール、2 トルクセンサ、9 コントロールユニット、10 車輪速センサ、13 モータ、32 車輪速検出手段、35 車輪加速度演算手段、38 モータ電流制御手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は電動式パワーステアリング装置に関し、特に、操舵軸に動力伝達可能な状態に接続され、回転に応じて操舵軸にアシスト力を付与する電動式パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来装置においては、路面を、悪路とそうでない通常の道との2つに大別して、制御を行っている。このような従来装置においては、モータ電流制御手段が、モータ電流決定手段の出力に基づいて、通常の悪路でない道路を車両が走行中はモータに対する電流に対して操舵トルク及び車輪速度に応じた制御を行い、悪路を車両が走行中はモータに対する電流が減少又は零となるような制御を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、車両の車輪を支えているスプリングの固有振動周波数は、ほぼ10Hz程度であり、従って、悪路判定手段は、車輪速度検出手段で検出された車輪速度の振動、つまり周期計測手段で計測された車輪速度の振動を実質的に表す周期(周波数)が所定の周波数範囲例えば7〜10Hzの範囲であれば悪路と判定し、それ以外であれば悪路でないと判定する(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平06−092256号公報(段落[0019]、[0021])
【0005】
悪路とそうでない路面との判定方法としては、例えば、車輪加速度の波形整形パルスの周期を計測して、パルスの周期に応じて増減圧量を補正して、当該増減圧量により悪路であるか否かを判定する(例えば、特許文献2)。
【0006】
【特許文献2】
特許第2616302号公報(第2頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来装置では、路面を悪路とそうでない路面とのみの2通りに想定しており、2極にモータ電流を切り替えている。また、判定レベルをバネ下共振点としているが、しかしながら、悪路の路面は、砂、砂利、ダート、ベルジアンなどの路面の荒れ具合によって、ハンドルへのキックバックや、ハンドルが取られる量も異なってくる。これらをすべて、悪路と通常の路面の2つのみのうちのいずれかとして切り替えて制御を行うと、これら各悪路の路面状況のすべてには対応することができないという問題点があった。
【0008】
また、突起、段差などによっても、ハンドル取られは発生するにもかかわらず、周期計測する方法においては、路面のうねりが継続することによりはじめて検出できるので、パルス的に発生する振動については検出できず、対応することができないという問題点があった。
【0009】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、路面の粗さやうねりを車速または車輪加速度から検出し、各路面状況に応じてハンドル取られを抑え、また、単発で発生する振動についても路面状況に応じた操舵フィーリングを得ることができる電動式パワーステアリング装置を得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、車体に搭載して、操舵トルク検出手段により操舵ハンドルの操舵トルクを検出し、上記操舵トルクに応じて電動モータを駆動し、補助操舵を行う電動式パワーステアリング装置であって、上記車体の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、上記車輪速度から上記車体の速度を検出する車速演算手段と、上記車輪速度から車輪加速度を算出する車輪加速度演算手段と、上記車体の速度と上記操舵トルクとに応じた所定のアシスト特性を求め、上記アシスト特性に基づいて上記電動モータに流すモータ電流値を決定するアシスト制御手段と、上記車体の速度及び/または上記車輪加速度の値から路面状況を検出して、上記路面状況に応じて、上記電導モータに流す上記モータ電流値を補正する補正手段と、補正された上記モータ電流値に基づいて、上記電動モータを駆動制御するモータ電流制御手段とを備えた電動式パワーステアリング装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明による電動式パワーステアリング装置の一つの実施の形態を示す。図1は、この発明の一実施の形態を示す構成図である。図1に示すように、操舵ハンドル1には、操舵ハンドル1に加えられた操舵力(回転力)に応じて電気信号を出力するトルクセンサ2が設けられている。操舵ハンドル1とトルクセンサ2間は、第1のステアリングシャフト4aで連結されている。トルクセンサ2の他端には、第1のユニバーサルジョイント3aが、第2のステアリングシャフト4bによって連結されており、さらに、その第1のユニバーサルジョイント3aには、第2のユニバーサルジョイント3bが、第3のステアリングシャフト4cによって連結されている。
【0012】
また、第2のユニバーサルジョイント3bには、第1のピニオン軸5aが連結されており、第1のピニオン軸5aには、ラック軸6が取り付けられている。ラック軸6は、第1のピニオン軸5aと噛み合う第1のラック歯部6aと、第1のピニオン軸5aと平行に設けられた後述の第2のピニオン軸5bと噛み合う第2のラック歯部6bとを有している。また、ラック軸6の両端には、第1および第2のタイロッド8aおよび8bが設けられている。なお、第1のタイロッド8aとラック軸6の一端とは、第1のポールジョイント7aにより連結され、第2のタイロッド8bとラック軸6の他端とは、第2のポールジョイント7bにより連結されている。また、第2のピニオン軸5bには、後述するウォーム軸15と噛み合って駆動されるウォームホィール軸16が連結されている。ウォーム軸15は、後述するモータ13の出力軸に連結され、減速機を形成するものである。このような構成により、パワーステアリング装置は、自動車等の車体に搭載されて、操舵ハンドル1の操舵トルクを検出して、当該操舵トルクに応じて電動モータ13を駆動させ、ドライバの操舵への補助操舵を行う。
【0013】
また、全体の動作の制御を行うコントロールユニット9には、図1に示すように、トルクセンサ2および車輪速センサ10とが接続されており、トルクセンサ2からの電気信号が供給されるとともに、車輪速センサ10によって検出された車両の各車輪の速度が供給される。また、モータ13には、コントロールユニット9を介して、車載用バッテリ11が接続されており、モータ13は車載用バッテリ11からコントロールユニット9を介して供給される電源によって駆動される。なお、コントロールユニット9と車載用バッテリ11との間にはキースイッチ12が設けられている。
【0014】
図2はコントロールユニット9の具体的構成を示すブロック図である。図2において、符号2,10および13は、図1と同一のものである。図2に示すように、コントロールユニット9内には、トルクセンサ2の出力に基づいて操舵トルクを測定する操舵トルク検出手段31が設けられている。また、車輪速度センサ10の出力に基づいて一輪以上の車輪の速度を測定する車輪速検出手段32が設けられており、車輪速検出手段32には、車体の速度を演算する車速演算手段33が接続されている。車速演算手段33は、1輪の車輪速度のみで車輪速度を検出する場合にはその車輪速度を車体速度とし、2輪以上を検出する場合には2輪の平均を演算し、平均速度を車体速度としてもよい。車輪速検出手段32には、車速演算手段33に並列に、車輪加速度演算手段35が接続されている。車輪加速度演算手段35は、各車輪速度の変化量を求めることにより車輪加速度を求める。車輪加速度演算手段35には、車輪の振動の振幅を求める車輪振動振幅演算手段36が接続されており、その演算方法は、例えば後述のピークホールド演算によって求めることができる。その他、公知の技術であるFFT解析によりパワースペクトルの最大値を用いてもよい。また、車輪速センサが1輪のみの場合はその車輪のみの振動を出力値とし、2輪以上の場合は、例えば各車輪の振幅の最大値を用いる方法や、各車輪車輪加速度の最大値をピークホールド演算して得られる振幅を用いる方法でもよい。
【0015】
前述の操舵トルク検出手段31および車速演算手段33には、例えば図3に示すマップ等を用いて車体速度と操舵トルクに応じたアシスト特性(すなわち、補助操舵を行うためにモータ13に流す電流値であるアシスト制御電流60)を求めるアシスト制御手段34が接続されている。アシスト制御手段34には、アシスト補正制御手段37が接続され、さらにそれに、モータ電流制御手段38が接続されている。アシスト補正制御手段37は、例えば、図6に示すように振幅値(ピークホールド信号)に応じたゲインテーブルから得られるゲインの値とアシスト制御手段34より得られたアシスト制御電流値60との積を乗算器62によって得ることによりモータ電流63を算出する。また、モータ電流制御手段38は、アシスト補正制御手段37によって得られたモータ電流63をモータ13に流して駆動制御するものである。
【0016】
図5に、図2の構成における制御の処理の流れを表すフローチャートを示す。まず、ステップS1において、トルクセンサ2から信号をA/D変換してコントロールユニット9内に取り込み、デジタル化する。
【0017】
ステップS2においては、車輪速センサ10からの車輪の所定回転角度に対し車輪速パルス列を入力し、そのパルス列間の周期を計測し、上記所定回転角度、つまり車両が進んだ距離を上記周期で除することにより、車輪速度を算出する。
【0018】
なお、直接、電動式パワーステアリング装置のコントロールユニット9が演算しなくても、例えば、アンチロックブレーキ装置などが車輪速を演算し、その演算結果をもらっても良い。また、アンチロックブレーキ装置などが演算した車輪速の結果でなく、上記車輪速パルス間の周期、もしくは所定時間内に入力された上記車輪速パルスでもよい。どちらも、車輪速度に置き換えることが可能であり、電動式パワーステアリング装置に車輪速を入力するためのインターフェースを設ける必要がなく安価の装置を構成することができる。なお、このことは、後述の実施の形態2〜6においても同様である。
【0019】
ステップS3は、ステップS2で得られた車輪速度から車体速度を求める。1輪のみを車輪センサから入力する場合には、車輪速度を車体速度として出力する。2輪以上を車輪速センサから入力する場合には、各々の車輪速度の平均を演算し、その平均値を車体速度とする。
【0020】
ステップS4は、ステップS2で得られた車輪速度と前回得られた車輪速度との変化量を求めることにより、車輪加速度を演算することができる。
【0021】
ステップS5は、図4で示すようにピークホールド信号41の値が車輪加速度40より上回るとき、車輪加速度40にフィルタ定数をKとするローパスフィルタ42を用い、ピークホールド信号41を緩やかに減少させる。なお、図4において、44は比較器、43はフィルタ定数をK−1とするローパスフィルタである。逆に、車輪加速度40がピークホールド信号41の値を上回るとき、車輪加速度40をピークホールドする。これにより、車輪振動の振幅を求めることができる。さらに、2輪以上の車輪を検出する場合には、それぞれのピークホールドの最大値を演算する。
【0022】
ステップS6は、図3に示すような予め用意されている車速と操舵トルクとからなる電流値のマップにおいて、ステップS1、ステップS3で得られた車速、操舵トルクからアシスト制御電流値を引き出す。
【0023】
ステップS7は、図6で示すような振幅からなる電流ゲインテーブルにおいて、ステップS5で得られた振幅(ピークホールド信号41)よりゲイン求める。当該ゲインとステップS6で得られたアシスト制御電流値とを乗算器62により乗ずることによりモータ電流値63を算出する。
【0024】
ステップS8は、ステップS7で決定されたモータ電流値63をモータ13に通電できるように、ブラシつきモータであればモータ端子間に電圧を印加する。また、ブラシレスであれば、通電しようとする電流値から印加すべき電圧を算出し、その電圧値を座標変換演算し、各相の端子電圧を印加する。
【0025】
したがって、通常の平坦な路面を走行するときには、正常なアシスト特性を保ち、悪路および突起乗り越しなどにより、操舵輪が路面により動き、ハンドルが取られるような場合には、アシスト特性を変更し、ハンドルが取られ難くする。
【0026】
以上のように、本実施の形態による電動式パワーステアリング装置によれば、車輪振動振幅演算手段36により車輪加速度の振幅を算出して、その振幅の大きさに応じて、アシスト力を減少する、あるいは、アシスト力を打ち消す方向に、モータ電流を補正するアシスト補正制御手段37を設けるようにしたので、悪路走行時において路面よりのキックバックが大きいときに電動モータ出力を増大させ、不要に操舵力が軽くなって全体的な操舵フィーリングが悪化するのを防止することができる。また、悪路のうねりの状況に応じた振動を検出するため、悪路走行時のキックバックのレベルに応じた補正量を加えることができ、路面状況応じた対応が可能である。
【0027】
なお、車輪の振動振幅に応じて補正したが、振動周波数に応じて補正してもよい。この場合には、車輪振動振幅演算手段36が、振動振幅の代わりに、振動周波数を演算するようにすればよい。他の処理については上記と同様である。
【0028】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、アシスト特性を変更することによりハンドルの取られを低減するようにしたが、路面によりハンドルが取られるときには、急にハンドルが動くので、ハンドル回転速度、つまり機構的に接続されているモータ回転速度が急変することを抑えてもよい。従来、電動式パワーステアリング装置において、車両の収斂性を高めるため、ハンドル回転速度、ないしは、モータ回転速度により粘性補償制御が行われている。この制御を用いて、車輪の振動の振幅に応じて補正量を調整することにより、ハンドルが急激に取られるのを抑えることができる。
【0029】
図7は、本実施の形態の具体的構成を示すブロック図である。図7において、符号2,10,31〜36,38までは図2と同様であるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。39は、モータ13に流れる電流とそのときのモータ電圧から発生する誘起電圧とから、モータ13の回転数を求めるモータ回転数検出手段である。また、ブラシレスモータなどのようにモータにモータ位置を示すセンサを持つ場合には、センサからモータ13の回転数を求めてもよい。また、舵角センサを持つものは、ハンドル角速度を検出し、これをモータ13の回転数に置き換えてもよい。40は、図8に示すように、モータ回転速度80、車速81、振幅(ピークホールド信号41)に応じてモータ回転数を抑制するように、補正モータ電流を算出する粘性補償制御手段である。すなわち、車速81に応じたゲインテーブルと、振幅に応じたゲインテーブルと、モータ回転速度80との積を乗算器82により求め、その逆数83を補正モータ電流84とする。
【0030】
図9に、上述の図7の構成における制御の処理の流れを表すフローチャートを示す。ステップS1〜ステップS6およびステップS8は、図5と同様であるため、ここではその説明を省略する。ステップS9は、モータ13に流れる電流とそのときの電圧から発生する誘起電圧とから、モータ13の回転数を求める。また、ブラシレスモータなどのようにモータ13にモータ位置を示すセンサを持つ場合には、センサからモータ13の回転数を求めてもよい。また、舵角センサを持つものは、ハンドル角速度を検出し、これをモータ13の回転数に置き換えてもよい。ステップS10は、図8に示す補正電流を演算する粘性補償制御電流演算である。ステップS11は、アシスト制御電流と粘性補償制御電流とを合わせることでモータ電流を演算する。
【0031】
以上のように、本実施の形態によれば、モータ回転数を検出するモータ回転数検出手段39と、モータ回転が抑制するようにモータ回転数に応じてモータ電流を補正する粘性補償制御手段40とを設けて、粘性補償制御手段40によりモータ電流を補正するようにしたので、各路面状況に対応させてハンドルが急激に取られるを抑えることができる。
【0032】
なお、車輪の振動振幅に応じて補正したが、振動周波数に応じて補正してもよい。
【0033】
実施の形態3.
路面によりハンドルが取られるときには、急にハンドルが動くので、ハンドル回転速度、つまりモータ回転速度が急変することを抑えてもよい。モータ13が回転し難くするように、この制御を車輪の振動の振幅に応じてモータ回転加速度を元に補正電流を加えることにより、取られるときのハンドルの急変を積極的に抑えることができる。
【0034】
図10は、本実施の形態の具体的構成を示すブロック図である。図10において、符号2,10,31〜36,38,39は図7と同様であるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。図10において、41はモータ13の回転数からその変化量を算出することによりモータ回転加速度を求めるモータ回転加速度演算手段である。42は、図11に示すように、モータ回転加速度110、車速81、振幅(ピークホールド信号41)に応じてモータ回転数を抑制するように、補正モータ電流を算出する逆慣例補償制御手段である。すなわち、車速に応じたゲインテーブルと、振幅に応じたゲインテーブルと、モータ回転加速度110とを、乗算器111により乗算し、その逆数112を、補正モータ電流113とする。
【0035】
図12に、上述の図10の構成における制御の処理の流れを表すフローチャートを示す。ステップS1〜ステップS6,ステップS8,ステップS9,ステップS11は、上述の実施の形態1および2と同様である。ステップS12は、モータ回転速度の変化量を算出することでモータ回転加速度を演算する。ステップS13は図11に示す補正電流を演算する逆慣性補償制御電流演算である。ステップS11は、アシスト制御電流と逆慣性補償制御電流とを合わせることでモータ電流を演算する。なお、上記実施の形態の補償制御を付加して、モータ電流演算に加えてもよい。
【0036】
以上のように、本実施の形態によれば、モータ回転数を検出するモータ回転数検出手段39と、モータ回転加速度を算出するモータ回転加速度演算手段41と、モータ回転加速度に応じ、モータ電流を補正する逆慣性補償制御手段42とを設けて、逆慣性補償制御手段42により求められるモータ補正電流をモータ加速度方向と逆方向にモータ補正電流を増加させるようにしたので、より積極的にハンドルが取られることに対し、カウンタ的にアシストすることになり、より効果的に目的を達成することができる。
【0037】
なお、車輪の振動振幅に応じて補正したが、振動周波数に応じて補正してもよい。
【0038】
実施の形態4.
上記実施の形態では、モータ回転加速度を用いたが、操舵トルクの変化量を用いてもよい。路面によりハンドルが取られるときには、急にハンドルが動くので、操舵トルクが急変することを抑えてもよい。本制御を車輪の振動の振幅に応じて操舵トルク変化量を元にする補正電流を変更することにより、ハンドルが急激に取られるのを抑えることができる。
【0039】
図13は、本実施の形態の具体的構成を示すブロック図である。図13において、符号2,10,31〜36,38は図2と同様であるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。43は操舵トルクからその変化量を算出するトルク変化量演算手段である。44は図14に示すように、操舵トルク変化量、車速、振幅に応じて操舵トルクに逆アシストするように、補正モータ電流を算出する逆トルク補償制御手段である。すなわち、操舵トルク変化量140(ピークホールド信号)に応じた出力電流テーブルと、車速81に応じたゲインテーブルと、振幅に応じたゲインテーブルとの積を乗算器141により求め、その逆数142をとって、補正モータ電流143とする。
【0040】
図15に、上述の図13の構成における制御の処理の流れを表すフローチャートを示す。ステップS1〜ステップS6,ステップS8,ステップS11は、前実施の形態と同様である。ステップS15は、操舵トルクの変化量を算出する。ステップS16は図14に示す補正電流を演算する逆トルク補償制御電流演算である。ステップS11は、アシスト制御電流と逆トルク補償制御電流とを合わせることでモータ電流を演算する。なお、上記実施の形態の補償制御を付加して、モータ電流演算に加えてもよい。
【0041】
以上のように、本実施の形態によれば、操舵トルクの変化量を算出するトルク変化量演算手段43と、トルク変化量と車輪加速度から得られる振動に応じて、操舵アシストする方向と逆方向にモータ補正電流を目標モータ電流に加え、アシスト力を抑制する逆トルク補償手段44とを設けて、車輪の振動に応じて操舵トルク変化を打ち消すように作用させるようにしたので、上記の実施の形態と同様な効果が得られる。
【0042】
なお、車輪の振動振幅に応じて補正したが、振動周波数に応じて補正してもよい。
【0043】
実施の形態5.
路面によりハンドルが取られるときには、路面からのうねりを操舵輪からラック、コラムと伝わり、トルクセンサに伝わり、操舵トルク信号としてアシスト特性に現れる。よって、うねりの周波数域を操舵トルク信号から除去することにより、アシスト特性に現れず、ハンドル取られを発生し難くすることができる。
【0044】
図16は、本実施の形態の具体的構成を示すブロック図である。図16において、符号2,10,31〜35,38までは図2と同様であるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。51は車輪加速度の周期を算出する車輪振動周期演算手段である。例えば、図17に振動の周期を計測する方法を示す。悪路などのうねりのある路面を走行すると車輪加速度40が所定の大きさ以上で振動する。したがって、所定の大きさをヒステリシス閾値171を用いて検出し、それ以上となる振動に対して、ヒステリシスが越えた点を基準に周期を計測する。170は、振動周期計測タイマによる計測結果である。なお、公知のFFT解析演算を実施し、最もパワースペクトルが大きいときの周波数を用いてもよい。52は、可変のフィルタ定数を有して、振動周期に基づいて、フィルタ定数を振動が抑制するように変更して、操舵トルク信号からうねりの周波数域を除去する操舵トルクフィルタ演算手段である。
【0045】
以上のように、本実施の形態によれば、フィルタ定数可変の操舵トルク信号のフィルタを演算する操舵トルクフィルタ演算手段52を設けて、フィルタを振動を抑制するようにフィルタ定数を変更することにより、路面からのキックバックを上記操舵トルク検出手段で検出され操舵トルクの信号として現れる。これをアシスト特性に反映されにくくするために、路面状況に応じたフィルタ特性に変更し、操舵トルクにキックバック分の外乱を与えないようにする。これにより、ハンドルが取られることを抑えることができる。
【0046】
なお、車体のバネ下共振周波数は車両固有の周波数であり、通常悪路を走行するとこの周波数領域が最も振動することとなる。したがって、上記実施の形態で述べた振幅に応じてバネ下共振周波数帯域除去フィルタの強める量、もしくは帯域幅を変更しても良い。
【0047】
実施の形態6.
上記の実施の形態5では、操舵トルクに着目したが、路面からの振動周波数をモータ回転数大きくなることを低減する粘性補償制御に適応しても同様な効果が得られる。つまり、モータ回転数の周波数特性において、振動周波数領域を強調させることにより、ハンドルが取られるような周波数成分のみモータが回転しない方向作用し、ハンドル取られを発生し難くすることができる。
【0048】
図18は、本実施の形態の具体的構成を示すブロック図である。図18において、符号2,10,31〜35,38,39,51は、図7及び図16と同様であるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。53は車輪加速度の振動周期から振動周波数領域を強調するように、例えば、通常のモータ回転数にバンドパスされた値を加えたフィルタや、位相進み遅れ補償を振動する周波数を中心にフィルタ処理を施すフィルタ処理手段である。54は、図19に示すような従来より使用される粘性補償制御手段である。すなわち、車速81に応じたゲインテーブルと、モータ回転速度80との積を乗算器190により求め、その逆数191をとることにより、補正モータ電流192を求める。したがって、振動する周波数を中心にモータ回転数が大きくなる。そのため、モータがその周波数を中心に振動し難くなり、ハンドル取られを低減することができる。
【0049】
以上のように、本実施の形態によれば、モータ回転数を検出するモータ回転数検出手段39と、フィルタ定数可変の上記モータ回転数信号のフィルタ処理手段53と、モータ回転が抑制するように上記フィルタ演算された出力信号に応じてモータ電流を補正する粘性補償制御手段54とを設けて、フィルタ定数は振動を強調するようモータ回転数のフィルタ量を変更することにより、同様な効果を得ることができる。
【0050】
なお、車体のバネ下共振周波数は車両固有の周波数であり、通常悪路を走行するとこの周波数領域が最も振動することとなる。したがって、上記実施例で述べた振幅に応じてバネ下共振周波数帯域除去フィルタの強める量、もしくは帯域幅を変更しても良い。
【0051】
【発明の効果】
この発明は、車体に搭載して、操舵トルク検出手段により操舵ハンドルの操舵トルクを検出し、上記操舵トルクに応じて電動モータを駆動し、補助操舵を行う電動式パワーステアリング装置であって、上記車体の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、上記車輪速度から上記車体の速度を検出する車速演算手段と、上記車輪速度から車輪加速度を算出する車輪加速度演算手段と、上記車体の速度と上記操舵トルクとに応じた所定のアシスト特性を求め、上記アシスト特性に基づいて上記電動モータに流すモータ電流値を決定するアシスト制御手段と、上記車体の速度及び/または上記車輪加速度の値から路面状況を検出して、上記路面状況に応じて、上記電導モータに流す上記モータ電流値を補正する補正手段と、補正された上記モータ電流値に基づいて、上記電動モータを駆動制御するモータ電流制御手段とを備えた電動式パワーステアリング装置であるので、路面の粗さやうねりを車速または車輪加速度から検出し、各路面状況に応じてハンドル取られを抑え、また、単発で発生する振動についても路面状況に応じた操舵フィーリングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による電動式パワーステアリング装置の全体の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1による電動式パワーステアリング装置のコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1における操舵トルクと車速に応じたアシスト制御電流の演算を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1におけるピークホールド信号の算出方法を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1の処理の流れを示す流れ図である。
【図6】本発明の実施の形態1におけるピークホールド信号に応じたアシスト制御電流の補正を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2による電動式パワーステアリング装置のコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態2におけるピークホールド信号に応じた粘性補償制御の制御ブロックを示す構成図である。
【図9】本発明の実施の形態2の処理の流れを示す流れ図である。
【図10】本発明の実施の形態3による電動式パワーステアリング装置のコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態3におけるピークホールド信号に応じた逆慣性補償制御の制御ブロックを示す構成図である。
【図12】本発明の実施の形態3の処理の流れを示す流れ図である。
【図13】本発明の実施の形態4による電動式パワーステアリング装置のコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態4におけるピークホールド信号に応じた逆トルク補償制御ブロックを示す構成図である。
【図15】本発明の実施の形態4の処理の流れを示す流れ図である。
【図16】本発明の実施の形態5による電動式パワーステアリング装置のコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施の形態5における車輪振動の周期計測方法を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態6による電動式パワーステアリング装置のコントロールユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施の形態6における粘性補償制御ブロックを示す構成図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール、2 トルクセンサ、9 コントロールユニット、10 車輪速センサ、13 モータ、32 車輪速検出手段、35 車輪加速度演算手段、38 モータ電流制御手段。
Claims (10)
- 車体に搭載して、操舵トルク検出手段により操舵ハンドルの操舵トルクを検出し、上記操舵トルクに応じて電動モータを駆動し、補助操舵を行う電動式パワーステアリング装置であって、
上記車体の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
上記車輪速度から上記車体の速度を検出する車速演算手段と、
上記車輪速度から車輪加速度を算出する車輪加速度演算手段と、
上記車体の速度と上記操舵トルクとに応じた所定のアシスト特性を求め、上記アシスト特性に基づいて上記電動モータに流すモータ電流値を決定するアシスト制御手段と、
上記車体の速度及び/または上記車輪加速度の値から路面状況を検出して、上記路面状況に応じて、上記電導モータに流す上記モータ電流値を補正する補正手段と、
補正された上記モータ電流値に基づいて、上記電動モータを駆動制御するモータ電流制御手段と
を備えたことを特徴とする電動式パワーステアリング装置。 - 上記補正手段は、
上記車輪加速度の振幅を算出する振幅演算手段と、
上記振幅の大きさに応じて、アシスト力を減少する方向あるいはアシスト力をうち消す方向に上記モータ電流値を補正する第1のアシスト補正制御手段と
から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング装置。 - 上記補正手段は、
上記車輪加速度の周波数を算出する周波数演算手段と、
上記周波数に応じて、アシスト力を減少する方向あるいはアシスト力をうち消す方向に上記モータ電流値を補正する第2のアシスト補正制御手段と
から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング装置。 - 上記第1のアシスト補正手段および第2のアシスト補正手段は、上記車体の速度と上記操舵トルクとから得られる所定のアシスト特性を有する目標モータ電流に対して、上記目標モータ電流を減少させることを特徴とする請求項2または3に記載の電動式パワーステアリング装置。
- 上記補正手段は、
上記電導モータのモータ回転数を検出するモータ回転数検出手段と、
上記車輪加速度の振幅を算出する振幅演算手段と、
上記電導モータの回転数が抑制されるように、上記モータ回転数、上記車体の速度および上記振幅に応じて、粘性補償制御により上記モータ電流値を補正する粘性補償制御手段と
から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング装置。 - 上記補正手段は、
上記車輪加速度の振幅を算出する振幅演算手段と、
上記電動モータのモータ回転数を検出するモータ回転数検出手段と、
上記モータ回転数からモータ回転加速度を算出するモータ回転加速度演算手段と、
上記電動モータの回転数が抑制されるように、上記モータ回転加速度、上記車体の速度および上記振幅に応じて、逆慣性補償制御により上記モータ電流値を補正する逆慣性補償制御手段とから構成され、
上記補正手段は、慣性補償制御により求められる補正モータ電流値をモータ加速度方向と逆方向に増加させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング装置。 - 上記補正手段は、
上記車輪加速度の振幅を算出する振幅演算手段と、
上記操舵トルクの変化量を算出するトルク変化量演算手段と、
上記操舵トルクの変化量を元にもどすように、上記操舵トルクの変化量、上記車体の速度、上記振幅に応じて、上記モータ電流値を補正する逆トルク補償制御手段とから構成され、
上記補正手段は、操舵アシストする方向と逆方向にモータ電流を補正して、アシスト力を抑制する
ことを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング装置。 - 上記補正手段は、
上記車輪加速度の振動周期を演算する車輪振動周期演算手段と、
可変のフィルタ定数を有し、上記振動周期に基づいて上記フィルタ定数を振動が抑制するように変更して、上記フィルタ定数に基づく周波数域を上記操舵トルクから除去する操舵トルクフィルタ演算手段と
から構成され、
上記アシスト制御手段は、上記車体の速度と、上記操舵トルクフィルタ演算手段から出力される操舵トルクとに応じて、所定のアシスト特性を求め、上記アシスト特性に基づいて上記電動モータに流すモータ電流値を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング装置。 - 上記補正手段は、
上記電動モータのモータ回転数を検出するモータ回転数検出手段と、
上記車輪加速度の振動周期を演算する車輪振動周期演算手段と、
可変のフィルタ定数を有し、上記モータ回転数に基づいて上記モータ回転数にフィルタ処理を施すフィルタ処理手段と、
上記モータ回転数が抑制されるように、上記フィルタ処理された出力信号に応じて上記モータ電流を補正する粘性補償制御手段と
から構成され、
上記補正手段は、上記フィルタ定数を振動が強調されるように変更することを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング装置。 - 上記車輪速度検出手段は、外部から入力される車速信号、車輪の所定角度間の到達時間、および/または、所定時間内に車輪が回転した角度から、車輪速度を算出することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電動式パワーステアリング装置。
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