JP3136951B2 - ガラスクロスの表面処理方法 - Google Patents
ガラスクロスの表面処理方法Info
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Description
合材料に使用されるガラスクロスの表面処理方法に関す
る。
ガラスクロスは、以下のようにして製造されている。ま
ず、糸を保護するためのサイジング剤や収束剤と呼ばれ
る有機のバインダーが付与された糸を用いて製織され
る。次いで、製織されたガラスクロスから前記のバイン
ダーを除去するために、ガラスクロスは、例えば、40
0℃付近の温度で数十時間熱処理される。この熱処理は
ヒートクリーニング処理と呼ばれる。次に、バインダー
が除去されたガラスクロスにはカップリング剤処理が施
される。このカップリング剤処理は複合材料とする際の
ガラスクロスと樹脂との濡れ性や密着性等を確保するた
めに行われるものであって、その方法としては、カップ
リング剤を有機溶剤等で希釈した溶液に、バインダーが
除去されたガラスクロスを浸漬する方法で行われるのが
一般的である。また、カップリング剤としては有機シラ
ンの一種であるシランカップリング剤が一般的に使用さ
れる。このようにしてカップリング剤で表面処理された
ガラスクロスは積層板等の複合材料に使用される。例え
ば、銅張り積層板は、この表面処理されたガラスクロス
に樹脂を含浸させてプリプレグとし、このプリプレグを
複数枚積層し、さらにその両面あるいは片面に銅箔を積
層し、プレス成形することにより製造される。
における、バインダー除去工程は、ガラスクロスの樹脂
に対する密着性に影響を及ぼす重要な工程である。つま
り、サイジング剤や収束剤と呼ばれる有機のバインダー
を完全に除去できないとカップリング剤が均一に塗布で
きないため、複合材料とする際に樹脂との濡れ性が低下
し、その結果、密着性の低下やボイド発生につながる。
また、バインダー除去工程で炭素が残留すると、絶縁性
の低下という問題を生じる。
うに、製織されたガラスクロスを400℃付近の温度で
数十時間熱処理するヒートクリーニング処理が行われて
おり、また、この加熱時間短縮のために連続的に予備焼
きを行う工程を組み合わせることも行われている。しか
し、この方法では長時間の熱処理を行うため、エネルギ
ー消費量が多く、生産性が悪いという問題があった。
ている。例えば、特開昭64−1733号公報、特開昭
64−1734号公報、特開昭64−1735号公報に
はガラスクロスを減圧下でプラズマ処理することを、単
独あるいはヒートクリーニング処理と組み合わせて行う
ことにより、バインダーを除去する方法が開示されてい
る。また、特開昭62−111493号公報にはヒート
クリーニング処理を終えたガラスクロスを減圧下でプラ
ズマ処理する方法が開示されている。しかし、これらの
方法では、減圧下でプラズマ処理を行うため、減圧にす
ることに伴う大がかりな設備が必要となり、また、生産
性も低いという問題があった。
伴い、使用されるプリント配線板の多層化、高密度化が
進んでおり、そのため、プリント配線板の特性向上への
要求は益々増大している。なかでも、高密度化の進展に
伴い、スルホール間や内層導体とスルホール間が狭小化
し、そのため絶縁特性が低下するという新たな現象が生
じており、このことはプリント配線板の信頼性確保にと
って重大な問題となってきている。この絶縁特性が低下
する原因の一つとして、導体間に発生する銅マイグレー
ションの影響が大きいと言われている。銅マイグレーシ
ョンは、高湿度環境下において導体間に電位差が生じて
いる場合に、導体である銅が陽極側から溶け出して析出
し、絶縁部分を通り、陰極側と導通する現象である。こ
の現象は、その発生場所から、導体間にあるレジスト層
や接着剤層に発生するデンドライトとスルホール間また
は内層導体とスルホール間にあるガラス繊維と樹脂との
界面に発生するCAF(コンダクティブ・アノディック
・フィラメンツ)に分けられる。特に、CAFの発生
は、プリント配線板の絶縁信頼性に直接影響する重要な
問題である。CAFの発生原因の一つとして、ガラス繊
維と樹脂との濡れ性あるいは密着性の不足が考えられ
る。つまり、ガラス繊維と樹脂との密着性の不足、また
はドリル加工による損傷により、ガラス繊維と樹脂の間
に隙間が生じ、この隙間を通してCAFが成長すると考
えられる。そのため、ヒートクリーニング処理によりバ
インダーを除去し、その後カップリング剤処理する従来
のガラスクロスの表面処理法に比べ、ガラス繊維と樹脂
との密着性の改善に有効なガラスクロスの表面処理方法
が求められている。
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ガラ
ス繊維と樹脂との密着性が高く、耐CAF性に優れる複
合材料が得られるガラスクロスの製造に有効なガラスク
ロスの表面処理方法であって、かつ、大がかりな設備を
必要とせず、また生産性も高いガラスクロスの表面処理
方法を提供することにある。
ガラスクロスの表面処理方法は、ガラスクロスに有機シ
ラン処理をするガラスクロスの表面処理方法において、
前記有機シラン処理をする前に、プラズマゾーン内の反
応ガスを含有する加熱されたガスを常圧下で励起させた
プラズマを用いて、ガラスクロスをプラズマ処理するこ
とを特徴とする。
面処理方法は、前記加熱されたガスの温度が、プラズマ
ゾーン内で100〜600℃であることを特徴とする。
面処理方法は、前記プラズマが、反応ガスとして酸化性
ガス及び/又はフッ素系ガスを含有するガスのプラズマ
であることを特徴とする。
面処理方法は、前記プラズマ処理の方法が、酸化性ガス
を含有するガスのプラズマを用いてプラズマ処理をした
後、さらに、フッ素系ガスを含有するガスのプラズマを
用いてプラズマ処理する方法であることを特徴とする。
面処理方法は、前記酸化性ガスが酸素、空気及び二酸化
炭素の群から選択される少なくとも1種であることを特
徴とする。
面処理方法は、前記プラズマが、反応ガスとして水素ガ
スを含有するガスのプラズマ又は水素ガス及びフッ素系
ガスを含有するガスのプラズマであることを特徴とす
る。
面処理方法は、前記フッ素系ガスがCF4 、CHF3 、
C2 F6 、HF、SF6 、F2 及びNF3 の群から選択
される少なくとも1種であることを特徴とする。
面処理方法は、前記有機シラン処理が、有機シラン化合
物を含有する溶液をガラスクロスに含浸させた後に乾燥
してガラスクロスを処理する湿式法であることを特徴と
する。
面処理方法は、前記有機シラン処理が、有機シランモノ
マーの気化ガスを含有するガスを常圧下で励起させたプ
ラズマを用いて、ガラスクロスを処理する乾式法である
ことを特徴とする。
表面処理方法は、前記有機シランモノマーの気化ガスを
含有するガスの温度が、プラズマゾーン内で100〜5
00℃であることを特徴とする。
表面処理方法は、請求項1記載のプラズマ処理をする前
に、前記ガラスクロスが、ヒートクリーニング処理され
ていることを特徴とする。
表面処理方法は、前記常圧下で励起されたガスのプラズ
マが50Hz〜13.56MHzの交流電界を印加させ
て得られることを特徴とする。
係るガラスクロスの表面処理方法は、基本的に次の二つ
の工程から構成されている。すなわち、第一の工程は、
プラズマゾーン内の反応ガスを含有する加熱されたガス
を常圧下で励起させたプラズマを用いて、ガラスクロス
をプラズマ処理して、ガラスクロス表面の有機バインダ
ー等を除去(クリーニング)するとともに、活性化、粗
面化等の処理を行う工程であり、第二の工程で形成され
る有機シラン被膜との密着性が高められる。第二の工程
は、有機シラン処理を行う工程であり、第一の工程でプ
ラズマ処理したガラスクロスの表面に有機シラン被膜を
形成することにより、樹脂との密着性を付与する工程で
ある。その方法としては、湿式法とプラズマを用いる乾
式法とがある。
加熱する理由について説明する。一般に、減圧下でプラ
ズマ処理を行う場合には、被処理物の温度は、圧力が低
いためガスの分子運動から供給されるエネルギーの寄与
が、ほとんどなく、試料ホルダーからの伝熱の効果が主
体である。したがって、反応速度を高めるためには試料
ホルダー温度を上げることが必要となる。ところが、大
面積の被処理物を連続的に処理する場合等では、被処理
物を均一に加熱することが難しく、被処理物全面にわた
って均一にプラズマ処理することが難しい。
場合には、ガスの温度を高めることにより、ガスの対流
効果で被処理物を加熱できるため、大面積の被処理物で
あっても均質に加熱することが可能となる。そのため、
反応ガスとの反応速度が高まり、大面積の被処理物を効
率よく、均一に処理することができる。したがって、第
一の工程では、有機シラン処理をする前に、プラズマゾ
ーン内の加熱されたガスを常圧下で励起させたプラズマ
を用いて、ガラスクロスをプラズマ処理することが必須
である。この処理により、ガラスクロス表面が活性化あ
るいは粗面化され、第二の工程で形成される有機シラン
皮膜との密着性が高められ、さらには、樹脂との密着性
を向上させることが可能となる。
起されたプラズマを用いてプラズマ処理する方法を図面
を参照して説明する。図1は本発明に使用されるプラズ
マ処理装置の概略図である。図1に示すようにこのプラ
ズマ処理装置は開放系となっている反応槽1を備え、こ
の槽壁にはガス導入口7が設けられており、槽内には上
部電極2と下部電極3の2つの平板状電極が所定距離を
隔てて対面するようにして平行に設置され、上部電極2
と下部電極3は、それぞれ反応槽1とは絶縁されてい
る。下部電極3の表面には、固体誘電体6が置かれてお
り、上部電極2は交流電源5に接続され、下部電極3は
接地されている。また、反応槽1内には熱電対(図示せ
ず)が差し込まれており、プラズマゾーン11内のガス
温度がモニターできるようになっている。固体誘電体6
は上部電極2の表面に設けられても良いし、上部電極2
と下部電極3の両電極の表面に設置してもよい。この固
体誘電体6はアーク放電の発生を防止しグロー放電を継
続して発生させる働きをする。
と下部電極3との間に来るよう導入される。この時、ガ
ラスクロス4は図1のように上部電極2と下部電極3と
の間に浮かした状態に保つことが好ましい。さらに、反
応槽1の両側には、送り用リール(図示せず)と巻き取
り用リール(図示せず)が設置されており、両リールを
モーター等で駆動させることにより、矢印方向にガラス
クロス4が一定速度で送られるようになっている。ガラ
スクロス4のプラズマ処理時間はプラズマゾーン11を
通過する時間であり、ガラスクロス4の送り速度を調整
することにより調整される。
ンベ9からキャリアガスをガス混合器8を介してガス導
入口7より反応槽1内に導入するとともに交流電源5を
稼働し交流電力を供給する。この交流電力供給により、
上部電極2と下部電極3との間にグロー放電が生じ、プ
ラズマが励起される。その後、反応ガスを反応ガスボン
ベ10からガス混合器8を介してガス導入口7より、キ
ャリアガスとともに反応槽1内に導入し、ガラスクロス
4をプラズマ処理する。この際、流量調整により反応ガ
ス及びキャリアガスはそれぞれ所定流量が反応槽1内に
導入される。図1に示すプラズマ処理装置ではガス混合
器8とガス導入口7の間にヒータ12を設け、導入ガス
を任意の温度に加熱できるよう構成されている。また、
導入ガスは、ガラスクロス4の表面に吹き付けるように
導入されるのが好ましく、さらに、反応槽1内に導入さ
れた導入ガスはファン等を用いて強制撹拌されることが
好ましい。このようにして、図1のプラズマ処理装置を
使用して、常圧下で励起されたプラズマにより、ガラス
クロス4に対するプラズマ処理を連続的に行なうことが
できる。
ズマゾーン内で100〜600℃であることが好まし
い。すなわち、プラズマゾーン内の雰囲気温度を100
℃以上に高めることにより、反応速度が大きく向上し、
処理したガラスクロスの残留炭素量を減少させることに
より、ガラスクロスと樹脂との密着性も大きく改善され
ることを見い出した。すなわち、耐CAF性の改良が達
成される。高温のガスをガラスクロスに吹き付けるよう
にすることで、さらに反応性が高められ、効果が大きく
なり好ましい。これは、反応励起種(イオン、ラジカル
等)が大きな分子運動によりガラスクロス表面をアタッ
クし、表面での反応速度を増大させるためと考えられ
る。第一の工程では、ガラスクロス表面が効率よく、し
かも均一にクリーニングされるとともに、活性化、粗面
化等ができるため、樹脂との密着性が大きく改善される
ものと考えられる。一方、前記ガスの温度が、プラズマ
ゾーン内で、100℃未満の場合には、反応速度の向上
が小さく、さらに、処理したガラスクロスと樹脂との密
着性の改善の効果が小さくなり、600℃を越える場合
には、ガラスが軟化してしまうため、好ましくない。
ガスとして酸化性ガス及び/又はフッ素系ガスを含有す
るガスのプラズマであることが好ましい。すなわち、酸
化性ガスとフッ素系ガスとの混合ガスを使用する場合に
は、任意の混合比で使用でき、特に限定されないが、強
いて挙げれば、体積比で、酸化性ガス/フッ素系ガス=
1/3〜3/1程度の混合比で使用するのが好ましい。
また、前記プラズマ処理の方法が、酸化性ガスを含有す
るガスのプラズマを用いてプラズマ処理をした後、さら
に、フッ素系ガスを含有するガスのプラズマを用いてプ
ラズマ処理する方法であることが好ましい。すなわち、
酸化性ガスを含有するガスのプラズマは、ガラスクロス
に含有される有機バインダー、炭素残留物等を二酸化炭
素の形態で除去し、併せて、水分、汚染物等を分解除去
する。一方、フッ素系ガスを含有するガスのプラズマ
は、ガラスクロスの表面をエッチングし、ガラスクロス
に含有される有機バインダー、水分、汚染物等をガラス
とともにエッチングして除去する。つまり、ガラスクロ
ス表面のシリカ成分が、励起されたフッ素と反応してエ
ッチングされ、同時にガラスクロスが含有する有機バイ
ンダー等も除去される。しかも、このフッ素系ガスを含
有するガスのプラズマ処理により、表面が微細にしかも
均一に粗化されるので、得られるガラスクロスは樹脂と
の密着性の良好なものとなる。前記酸化性ガスは、例え
ば、酸素、空気及び二酸化炭素の群から選択される少な
くとも1種である。
を含有するガスのプラズマ又は水素ガス及びフッ素系ガ
スを含有するガスのプラズマであることが好ましい。す
なわち、還元性ガスである水素ガスを含有するガスのプ
ラズマが、ガラスクロスに含有される有機バインダー、
炭素残留物等を炭化水素の形態で除去し、併せて、水
分、汚染物等を除去して、ガラスクロスの表面を活性化
し、前述のように、フッ素系ガスを含有するガスのプラ
ズマが、ガラスクロスの表面をエッチングし、ガラスク
ロスに含有される有機バインダー、水分、汚染物等をガ
ラスとともにエッチングして除去する。水素ガスとフッ
素系ガスとを混合して使用する場合には、任意の混合比
で使用でき、特に限定されないが、強いて挙げれば、体
積比で、水素ガス/フッ素系ガス=1/3〜3/1程度
の混合比で使用するのが好ましい。前記フッ素系ガス
は、例えば、CF4 、CHF3 、C2 F6 、HF、SF
6 、F 2 及びNF3 の群から選択される少なくとも1種
である。
化性ガス単独、水素ガス単独、フッ素系ガスと酸化性ガ
スの混合ガス、フッ素系ガスと水素ガスの混合ガス等を
使用する。混合ガスを使用する場合には、あらかじめ所
定の割合で混合したガスを一本のボンベに入れたものを
使用しても良いし、複数のガスボンベからそれぞれのガ
スを流しガス混合器で混合した後に、反応槽内に導入し
てもよい。上記の常圧下でのプラズマ処理であって、酸
化性ガス、水素ガス、フッ素系ガス等の反応ガスを含有
するガスのプラズマを用いてプラズマ処理をする場合に
は、キャリアガスとしては、ヘリウムあるいはアルゴン
等の不活性ガスを使用するのが好ましい。前記反応ガス
は、キャリアガスと反応ガスとを含むガス全量に対し
て、15体積%以下の混合割合で使用されるのが好まし
い。第一の工程は従来のヒートクリーニング処理等によ
るガラスクロスのバインダー除去工程に相当するととも
に、表面の活性化、粗面化等の処理を行う工程であり、
第二の工程で形成される有機シラン被膜との密着性が高
められものであり、短時間で処理が完了し、かつ、得ら
れるガラスクロスが樹脂との密着性の良好なものになる
という利点を持つという点で格段に優れている。また、
本発明では常圧下で励起されたプラズマを用いてプラズ
マ処理するので連続処理が可能であり、生産性が高く、
かつ減圧下でのプラズマ処理の場合のような真空排気の
ための大がかりな設備は不要であり、従って、プラズマ
処理をガラスクロスの表面処理に実用的に適用できるよ
うになる。
する工程について説明する。この工程では、樹脂との濡
れ性を良好にするためにガラスクロスの表面に有機シラ
ン処理をする。この有機シラン処理としては、従来から
行われている湿式法の他に、プラズマを用いる乾式法が
ある。特に限定するものではなく、湿式法を用いてもよ
いが、プラズマを用いる乾式法の方が強固な薄膜の有機
シランをガラスクロス表面に形成できるので好ましい。
コール等の溶剤とからなる溶液全量に対して、カップリ
ング剤を0.1〜2重量%の濃度で溶かした溶液を、第
一の工程を終えたガラスクロスに含浸、乾燥して処理さ
れる。この含浸方法としては、浸漬、スプレー等の方法
がある。使用するカップリング剤としては、例えば、ビ
ニルメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4−グ
リシジルブチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(N−
ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン塩酸塩、N−3−(4−(3−アミノ
プロポキシ)ブトキシ)プロピル−3−アミノプロピル
トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等
が挙げられる。
起されたプラズマを使用し、プラズマ重合により有機シ
ランの薄膜をガラスクロス表面に形成する。この場合、
キャリアガスは、ヘリウムあるいはアルゴン等の不活性
ガスを使用するのが好ましい。そして、キャリアガスと
共にプラズマゾーンにカップリング剤等の有機シランモ
ノマーを導入する。有機シランモノマーとしては前記の
カップリング剤の他に、テトラメトキシシラン、トリメ
トキシシラン、トリエトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ヘキサメチルジシラン、テトラエトキシシラ
ン、ヘキサメチルジシロキサン等を使用することができ
る。プラズマゾーンに有機シランモノマーを導入する方
法は、特に限定されないが、例えば、カップリング剤等
の有機シランモノマーをヒーターで一定温度に加熱し、
蒸気(気化ガス)として、キャリアガスとともに導入す
る方法や、有機シランモノマーを入れた容器内にキャリ
アガスをバブリングさせて、有機シランモノマーの気化
ガスをキャリアガスとともに導入する方法等で行える。
具体的には、図1に示すプラズマ処理装置のガス配管を
上記の有機シランモノマーの気化ガスをキャリアガスと
ともにプラズマゾーンに導入できるように変更すること
により、前記の第一の工程で説明したプラズマ処理の方
法とほぼ同様の手順でプラズマを用いる有機シラン処理
ができる。このプラズマを用いる有機シラン処理では、
反応ガスは特に使用しないが、微量の酸素ガスを反応ガ
スとして使用するのが好ましい。これは、微量の酸素ガ
スを添加することにより、成膜速度が高まるためであ
る。前記有機シランモノマーの気化ガスを含有するガス
の温度が、プラズマゾーン内で100〜500℃である
のが好ましく、100℃以上でかつ有機シランモノマー
が熱分解しない温度以下であるのが、ガラスクロスの表
面と有機シランモノマーとの結合が強固になるので、樹
脂との密着性が改善されるため、さらに好ましい。この
温度条件にすることにより、ガラス繊維と樹脂との密着
性の改良、すなわち、耐CAF性の改良が、より十分に
達成される。
織り上げたままの有機バインダーを多く含有するガラス
クロスであってもよいし、ヒートクリーニング処理等の
バインダー除去処理が施されていて、有機バインダーを
ほとんど含有しないガラスクロスであってもよく、限定
されない。例えば、第一の工程を行う前に、ガラスクロ
スを従来のヒートクリーニング処理を施して、バインダ
ー残として、炭素残留量を0.1%以下程度にした、有
機バインダーをほとんど含有しないガラスクロスを使用
してもよい。第一の工程では、ガラスクロスに含まれる
有機バインダーやバインダー残等が除去されるととも
に、ガラスクロス表面が活性化あるいは粗面化される。
特に、有機バインダーをほとんど含有しないガラスクロ
スを使用する場合には、第一の工程でプラズマ処理する
ことにより、ガラスクロスに含有されるバインダー残、
水分、汚染物等をほぼ完全に除去するとともに、ガラス
クロス表面の活性化あるいは粗面化が行われ、第二の工
程で形成される有機シラン被膜との密着性が、さらに高
められる。
プラズマ発生条件としては、50Hz〜13.56MH
zの交流電界を印加するのが、安定した性能のガラスク
ロスを得るためには好ましい。また、プラズマ処理時間
としては、プラズマの発生条件にもよるが、約20分以
内の処理で本発明の効果を得ることができる。
を独立して行っても良いし、連続的に行ってもよい。
理方法は、有機シラン処理をする前に、プラズマゾーン
内の反応ガスを含有する加熱されたガスを常圧下で励起
させたプラズマを用いて、ガラスクロスをプラズマ処理
する際に、ガスの温度を高めることにより、対流効果で
被処理物を加熱できるため、被処理物を均質に加熱する
ことが可能となる。そのため、効率よく、ガラスクロス
表面がクリーニングされるとともに、活性化あるいは粗
面化され、第二の工程で形成される有機シラン皮膜との
密着性が高められる。
面処理方法は、前記加熱されたガスの温度が、プラズマ
ゾーン内で100〜600℃であるので、反応速度が大
きく向上する。
スクロスの表面処理方法は、前記プラズマが、反応ガス
として酸化性ガス及び/又はフッ素系ガスを含有するガ
スのプラズマであるので、酸化性ガスを含有するガスの
プラズマが、ガラスクロスに含有される有機バインダ
ー、炭素残留物等を二酸化炭素の形態で除去し、併せ
て、水分、汚染物等を分解除去する。一方、フッ素系ガ
スを含有するガスのプラズマは、ガラスクロスの表面を
エッチングし、ガラスクロスに含有される有機バインダ
ー、水分、汚染物等をガラスとともにエッチングして除
去する。つまり、ガラスクロス表面のシリカ成分が、励
起されたフッ素と反応してエッチングされ、同時にガラ
スクロスが含有する有機バインダー等も除去されるもの
と考える。このフッ素系ガスを含有するガスのプラズマ
処理により、表面が微細にしかも均一に粗化される。
面処理方法は、前記プラズマが、反応ガスとして水素ガ
スを含有するガスのプラズマ又は水素ガス及びフッ素系
ガスを含有するガスのプラズマであるので、還元性ガス
である水素ガスを含有するガスのプラズマが、ガラスク
ロスに含有される有機バインダー、炭素残留物等を炭化
水素の形態で除去し、併せて、水分、汚染物等を除去し
て、ガラスクロスの表面を活性化し、前述のように、フ
ッ素系ガスを含有するガスのプラズマが、ガラスクロス
の表面をエッチングし、ガラスクロスに含有される有機
バインダー、水分、汚染物等をガラスとともにエッチン
グして除去する。
面処理方法は、前記フッ素系ガスがCF4 、CHF3 、
C2 F6 、HF、SF6 、F2 及びNF3 の群から選択
される少なくとも1種であるので、ガラスクロスの表面
をエッチングし、微細にしかも均一に粗化する。
面処理方法は、前記有機シラン処理が、有機シラン化合
物を含有する溶液をガラスクロスに含浸させた後に乾燥
してガラスクロスを処理する湿式法であるので、ガラス
クロスの表面に有機シラン被膜を形成することにより、
樹脂との密着性を付与する。
面処理方法は、前記有機シラン処理が、有機シランモノ
マーの気化ガスを含有するガスを常圧下で励起させたプ
ラズマを用いて、ガラスクロスを処理する乾式法である
ので、より強固な薄膜の有機シランをガラスクロス表面
に形成できる。
表面処理方法は、前記有機シランモノマーの気化ガスを
含有するガスの温度が、プラズマゾーン内で100〜5
00℃であるので、ガラスクロスの表面と有機シランモ
ノマーとの結合がさらに強固になる。
表面処理方法は、請求項1記載のプラズマ処理をする前
に、前記ガラスクロスが、ヒートクリーニング処理され
ているので、ガラスクロスのクリーニング性がさらに向
上し、ガラスクロスに含有される有機バインダー、水
分、汚染物等を略完全に除去するとともに、表面の活性
化、粗面化等が行われる。
表面処理方法は、前記常圧下で励起されたガスのプラズ
マが50Hz〜13.56MHzの交流電界を印加させ
て得られるので、安定した性能のガラスクロスが得られ
る。
る。
てガラスクロスを準備した。市販のEガラス組成のヤー
ンを用い、これにサイジング剤を塗布しながら平織し、
JIS3414のEP18相当のガラスクロスを得、評
価用のバインダーを含有するガラスクロスとした。
るとともに、活性化あるいは粗面化する第一の工程を行
った。第一の工程をさらに2つの工程に分け、反応ガス
として酸化性ガスのみを用いるプラズマ処理を最初のプ
ラズマ処理と呼び、反応ガスとしてフッ素系ガスを含有
する場合のプラズマ処理を二番目のプラズマ処理と呼ぶ
ようにして、それぞれの処理条件を表1、表2及び表3
に示した。なお、表1、表2及び表3において、プラズ
マゾーンに導入するガスの加熱を行わなかったものは
「加熱せず」と記した。表3に示すように、実施例8で
は反応ガスに、酸化性ガスとフッ素系ガスの混合ガスを
用いた。なお、表1、表2及び表3中で省略と記入され
ているものは、その工程を省略し、次の工程に送ったこ
とを示す。また、各表中のL/分はリットル/分を示して
いる。
第二の工程である有機シラン処理を施して表面処理した
ガラスクロスを得た。第二の工程の条件を表1、表2及
び表3に示した。乾式法(プラズマ処理法)の場合の有
機シランモノマーのプラズマゾーンへの導入は、有機シ
ランモノマーを沸点以上に加熱し、気化させ、キャリア
ガスと共にプラズマゾーンに導入する方法を用い、プラ
ズマゾーンに導入するガスの加熱は第一の工程と同様
に、図1に示すヒータ12により行った。また、有機シ
ランモノマーの供給量の測定は、質量分析計で行った。
して、実施例1〜実施例8で使用したガラスクロスを4
00℃、48時間加熱してヒートクリーニング処理した
ものを使用した。なお、このガラスクロスの有機バイン
ダーの残留量(残留炭素量)は、0.08%であった。
るとともに、活性化あるいは粗面化する第一の工程を行
った。装置としては、図1に示す装置と同様なものを用
いて、表4に示す条件で行った。すなわち、キャリアガ
スとしては、Ar、Heを単独あるいは混合して使用
し、また、反応ガスとしては、酸化性ガス及び/又はフ
ッ素系ガス、あるいは、水素ガス又は水素ガス及びフッ
素系ガスを使用して所定の周波数の高周波電界を印加
し、プラズマ処理を行った。なお、反応槽に導入される
ガスは、ガス導入口付近の配管に設けたヒーターにより
所定の温度に加熱して導入した。
ついて、第二の処理工程−有機シラン処理を施して表面
処理したガラスクロスを得た。第二の処理工程の処理条
件を表1に示した。有機シラン処理の方法としては、湿
式法と乾式法(プラズマ処理法)とを用いた。乾式法の
場合の有機シランモノマーの反応槽への導入は、有機シ
ランモノマーの沸点以上に加熱し、気化させ、キャリア
ガスとともに反応槽内に導入する方法を用いた。また、
反応槽に導入されるガスの加熱は、第一の工程と同様
に、ガス導入口付近の配管に設けたヒーターにより行っ
た。なお、有機シランモノマーの供給量の測定は質量分
析計で行った。
ーを含有するガラスクロスと同じガラスクロスに、電気
炉中で400℃、48時間加熱するヒートクリーニング
処理を施しサイジング剤等のバインダーを除去した。次
に、有機シラン処理として、3−アミノプロピルトリエ
トキシシランの2重量%濃度水溶液中に、前記のヒート
クリーニング処理をしたガラスクロスを約1分間浸漬
し、次いで、150℃で1時間乾燥して表面処理したガ
ラスクロスを得た。
でのプラズマゾーンに導入するガスの加熱を行わないよ
うにした以外は、実施例1と同様にして表面処理したガ
ラスクロスを得た。なお、このときのプラズマゾーンの
温度は室温〜70℃の範囲にあることを確認した。
は欠番〕実施例4〜実施例8における、第一の工程及び
第二の工程でのプラズマゾーンに導入するガスの加熱を
行わないようにした以外は、それぞれの実施例と同様に
して、それぞれの実施例番号に対応する比較例番号の表
面処理したガラスクロスを得た。なお、各比較例でのプ
ラズマゾーンの温度は室温〜70℃の範囲にあることを
確認した。
処理したガラスクロスについて、有機シラン処理工程
(第二の工程)の前での残留炭素量の評価、ガラスクロ
スと樹脂との密着性の評価(この評価は、ガラス繊維と
樹脂との密着性を評価したことになる。)及び耐CAF
性の評価を行った。
の前での残留炭素量の評価 有機シラン処理工程(第二の工程)の前での残留炭素量
は、ガラスクロスを所定量切取り、炭素分析器(堀場製
作所社製;商品名EMIA−110)により測定し、得
られた測定値(単位は重量%)を表5及び表6に示し
た。
価 ガラスクロスと樹脂との密着性の評価は次のようにして
行った。まず、各実施例及び比較例で得られた表面処理
したガラスクロスに、臭素化ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(ダウケミカル社製;商品名DER511)と硬
化剤のジシアンジアミド及び硬化促進剤のイミダゾール
(2エチル4メチルイミダゾール)を有機溶剤(メチル
セロソルブ)に溶解しているエポキシ樹脂ワニスを含
浸、乾燥してプリプレグを作製した。含浸したものの乾
燥は150℃、8分間の加熱により行った。こうして得
られた各プリプレグのプリプレグ特性は、レジンコンテ
ントは43〜46重量%の範囲内にあり、130℃での
溶融粘度は400〜700ポイズの範囲内にあり、17
0℃でのゲル化時間は120〜160秒の範囲内にあっ
た。得られたプリプレグを4枚積層し、さらにその両面
に18μmの銅箔を積層し、圧力40kg/cm2 、温
度170℃、時間90分の条件で加熱加圧して銅張り積
層板を得た。得られた銅張り積層板について、図2に示
す試験片の断面図のように、第1層目のプリプレグ33
を第1層目のプリプレグ33と接着している銅箔34と
共に銅張り積層板から矢印方向に引き剥したときの剥離
強度を測定し、得られた測定値をガラスクロスと樹脂と
の密着力として表5及び表6に示した。なお図2中には
第1層目以外のプリプレグ32、32、32及び下面の
銅箔31も示している。
スクロスと樹脂との密着性の評価で作製したプリプレグ
を8枚積層し、さらにその両面に18μmの銅箔を積層
し、圧力40kg/cm2 、温度170℃、時間90分
の条件で加熱加圧して板厚1.6mmの銅張り積層板を
得た。次に、この銅張り積層板に2.5mmピッチで4
00個のスルホール(穴径0.9mm)をあけ、次いで
スルホールメッキ、回路形成を行い、図3に示す回路パ
ターンを持つプリント配線板を作製した。図3におい
て、破線は裏面側の回路パターンを示し、実線は表面側
の回路パターンを示し、実線と破線の交点にある○印は
スルホールを示していて、このスルホールによって表面
と裏面の回路は接続されている。このプリント配線板を
85℃−85%RHの雰囲気下に置いた状態で、電極A
と電極Bの間に直流35Vを印加し、短絡現象が生じる
までの時間を測定し、得られた測定値を耐CAF性を示
す値として表5及び表6に示した。
炭素量は、比較例と同程度あるいはそれ以下であった。
このことで、従来のヒートクリーニング処理では数十時
間要していたバインダー除去時間が、常圧プラズマ処理
を利用することにより、大幅に短縮出来ることが確認さ
れた。また、ガラスクロスと樹脂の密着性及び耐CAF
性は、実施例の方が比較例より格段に高いという結果で
あった。特に、ヒートクリーニング処理したガラスクロ
スを用いることにより、ガラスクロスと樹脂の密着性及
び耐CAF性が、さらに高められることが確認できた。
表面処理方法によると、被処理物を均質に加熱すること
が可能となり、ガラスクロス表面がクリーニングされる
とともに、活性化あるいは粗面化され、第二の工程で形
成される有機シラン皮膜との密着性が高められるので、
ガラス繊維と樹脂との密着性が高く、耐CAF性に優れ
る複合材料が得られるガラスクロスの製造に有効であっ
て、かつ、大がかりな設備を必要とせず、また生産性も
高くなる。
面処理方法によると、反応速度が大きく向上するので、
さらにガラス繊維と樹脂との密着性が高く、耐CAF性
に優れる複合材料が得られる。
スクロスの表面処理方法によると、酸化性ガスを含有す
るガスのプラズマが、ガラスクロスに含有される有機バ
インダー、炭素残留物等を二酸化炭素の形態で除去し、
併せて、水分、汚染物等を分解除去し、フッ素系ガスを
含有するガスのプラズマが、ガラスクロスの表面をエッ
チングし、ガラスクロスに含有される有機バインダー、
水分、汚染物等をガラスとともにエッチングして除去す
るので、表面が微細にしかも均一に粗化されるため、さ
らにガラス繊維と樹脂との密着性が高く、耐CAF性に
優れる複合材料が得られる。
面処理方法によると、還元性ガスである水素ガスを含有
するガスのプラズマが、ガラスクロスに含有される有機
バインダー、炭素残留物等を炭化水素の形態で除去し、
併せて、水分、汚染物等を除去して、ガラスクロスの表
面を活性化し、フッ素系ガスを含有するガスのプラズマ
が、ガラスクロスの表面をエッチングし、ガラスクロス
に含有される有機バインダー、水分、汚染物等をガラス
とともにエッチングして除去するので、ガラス繊維と樹
脂との密着性が高く、耐CAF性に優れる複合材料が得
られる。
面処理方法によると、ガラスクロスの表面をエッチング
し、微細にしかも均一に粗化するので、ガラス繊維と樹
脂との密着性が高く、耐CAF性に優れる複合材料が得
られる。
面処理方法は、前記有機シラン処理が、有機シラン化合
物を含有する溶液をガラスクロスに含浸させた後に乾燥
してガラスクロスを処理する湿式法であるので、ガラス
クロスの表面に有機シラン被膜を形成することにより、
ガラス繊維と樹脂との密着性が高く、耐CAF性に優れ
る複合材料が得られる。
面処理方法によると、より強固な薄膜の有機シランをガ
ラスクロス表面に形成できるので、ガラス繊維と樹脂と
の密着性が高く、耐CAF性に優れる複合材料が得られ
る。
表面処理方法によると、ガラスクロスの表面と有機シラ
ンモノマーとの結合がさらに強固になるので、ガラス繊
維と樹脂との密着性が高く、耐CAF性に優れる複合材
料が得られる。
表面処理方法によると、ガラスクロスのクリーニング性
がさらに向上し、ガラスクロスに含有される有機バイン
ダー、水分、汚染物等を略完全に除去するとともに、表
面の活性化、粗面化等が行われるので、ガラス繊維と樹
脂との密着性が高く、耐CAF性に優れる複合材料が得
られる。
表面処理方法によると、ガラス繊維と樹脂との密着性が
高く、耐CAF性に優れる安定した性能の複合材料が得
られる。
れば、実用性に優れる方法で、ガラス繊維と樹脂の密着
性が高く、耐CAF性に優れる複合材料が得られるガラ
スクロスを製造できるので、本発明のガラスクロスの表
面処理方法は複合材料に使用されるガラスクロスの表面
処理方法として有用である。
概略図である。
法を示すための試験片の断面図である。
ント配線板の平面図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 ガラスクロスに有機シラン処理をするガ
ラスクロスの表面処理方法において、前記有機シラン処
理をする前に、プラズマゾーン内の反応ガスを含有する
加熱されたガスを常圧下で励起させたプラズマを用い
て、ガラスクロスをプラズマ処理することを特徴とする
ガラスクロスの表面処理方法。 - 【請求項2】 前記加熱されたガスの温度が、プラズマ
ゾーン内で100〜600℃であることを特徴とする請
求項1記載のガラスクロスの表面処理方法。 - 【請求項3】 前記プラズマが、反応ガスとして酸化性
ガス及び/又はフッ素系ガスを含有するガスのプラズマ
であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガ
ラスクロスの表面処理方法。 - 【請求項4】 前記プラズマ処理の方法が、酸化性ガス
を含有するガスのプラズマを用いてプラズマ処理をした
後、さらに、フッ素系ガスを含有するガスのプラズマを
用いてプラズマ処理する方法であることを特徴とする請
求項1乃至請求項3いずれか記載のガラスクロスの表面
処理方法。 - 【請求項5】 前記酸化性ガスが酸素、空気及び二酸化
炭素の群から選択される少なくとも1種であることを特
徴とする請求項3又は請求項4記載のガラスクロスの表
面処理方法。 - 【請求項6】 前記プラズマが、反応ガスとして水素ガ
スを含有するガスのプラズマ又は水素ガス及びフッ素系
ガスを含有するガスのプラズマであることを特徴とする
請求項1又は請求項2記載のガラスクロスの表面処理方
法。 - 【請求項7】 前記フッ素系ガスがCF4 、CHF3 、
C2 F6 、HF、SF6 、F2 及びNF3 の群から選択
される少なくとも1種であることを特徴とする請求項3
乃至請求項6いずれか記載のガラスクロスの表面処理方
法。 - 【請求項8】 前記有機シラン処理が、有機シラン化合
物を含有する溶液をガラスクロスに含浸させた後に乾燥
してガラスクロスを処理する湿式法であることを特徴と
する請求項1乃至請求項7いずれか記載のガラスクロス
の表面処理方法。 - 【請求項9】 前記有機シラン処理が、有機シランモノ
マーの気化ガスを含有するガスを常圧下で励起させたプ
ラズマを用いて、ガラスクロスを処理する乾式法である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7いずれか記載の
ガラスクロスの表面処理方法。 - 【請求項10】 前記有機シランモノマーの気化ガスを
含有するガスの温度が、プラズマゾーン内で100〜5
00℃であることを特徴とする請求項9記載のガラスク
ロスの表面処理方法。 - 【請求項11】 請求項1記載のプラズマ処理をする前
に、前記ガラスクロスが、ヒートクリーニング処理され
ていることを特徴とする請求項1乃至請求項10いずれ
か記載のガラスクロスの表面処理方法。 - 【請求項12】 前記常圧下で励起されたガスのプラズ
マが50Hz〜13.56MHzの交流電界を印加させ
て得られることを特徴とする請求項1乃至請求項11い
ずれか記載のガラスクロスの表面処理方法。
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